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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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今日のコース別ヒーロー!!

 逃げ5、差し1、まくり4、まくり差し1、抜き1。今日は風が穏やかだったせいもあって、多彩な決め技が炸裂。1~6コースがすべて勝ち星を挙げるという多摩川らしい1日だった。それぞれのコースで素晴らしい勝ちっぷりを見せてくれたのべ6人のレーサーにスポットを当ててみよう。

1コース(4R)瓜生正義/怒涛の抜き

2009_0318_0739  地元・長岡のまくり一撃を喰らって窮地に立たされた瓜生。それでも態勢を立て直し、1艇身差まで詰め寄って2マーク、2周1マーク、2周2マークと強ツケマイ3連発!! 去年のダービーを彷彿させるデッドヒートだ。が、「多摩の鬼」長岡はこの猛攻を凌ぎきり、3艇身近い差を付けて3周1マークに向かった。大勢が決したか、と思えたこのターンマーク。瓜生の旋回をぜひVTRで見てほしい。わずかに艇を開いてから、とんでもない速さで舳先を傾けた。かつて艇王・植木がここ一番の勝負処で見せた超ウルトラハイスピード全速差し!! ターンマークを外したわけではない長岡を、この神業のようなターンで瞬殺してしまった。強ツケマイ・強ツケマイ・強ツケマイ・悶絶差しで大逆転! フェアでクリーンでド迫力のうり坊ターンは、まさに「艇王二世」と呼ぶに相応しい崇高さを感じさせた。

2コース(1R)&5コース(5R)重成一人/大器のピンピン


2009_0318_0253  今日、「差し」と名の付く決まり手で勝った選手はひとり(一人)だけ。重成が「差し」と「まくり差し」を連発してみせた。
 まずは1R、インの三角と3コースの丸岡がやや流れながらもつれている間に、クルリンと小差し。よくある2コース差しの光景なのだが、今日の穏やかな水面で2コースから差し抜けるのはなかなかに難しい。実際、この後の2コース選手は差しても差しても届かず、服部や井口の離れた2着がやっとだった。地味な戦法だが、重成のスピードとセンスがキラリ光る差し抜けだった。
 その重成が同じ「差し」でも超大技の「5コースまくり差し」を決めたのが5R。まず、このレースの主導権を握ったのは4カドからキュッと伸びた湯川だった。重成はとりあえずマーク策。ここで湯川がインまでまくりに行ってくれれば、注文どおりの「まくり差し」になる。見慣れた5コースの番手割り差しである。が、このレースは違う。湯川がまくり差しを選択したのだ。インの外、2コースの内、重成が狙っていたであろうスペースに、湯川が突っ込んだ。これ、マーク屋にとっては致命的な展開なのだな。軌道修正で最内差しにするか、ダメ元でぶん回すか……どちらにしても攻めが大幅に遅れる。「マークぶっ飛び大敗」パターンなのである。
 だがしかし! 重成の選択は、そのどちらでもなかった。まくり差した湯川をまくり差した。言葉で言うと「2段のまくり差し」なのだが、そんな簡単に言い切れる技ではない。なにしろ、先にまくり差した湯川とイン飯山の間隔がやたらと狭かった。2mもあったかどうか。重成は、そこに迷わず突っ込んで行った。湯川をまくりながら! こじ開けた、というべきか。これは……パワーやテクの勝利ではなく、クソ度胸の勝利だったと私は思う。細かく言えば「サイドの掛かりに自信があった」「引き波を超えるだけの手応えを感じていた」など精神面の作用もあるのだろうが、あの、あまりにも狭いスペースに艇をねじ込めるかどうかは、度胸の問題なのである。クソ度胸のなせる業なのである。常に意外性を秘めている重成ではあるが、このレースはシビレた。今節の重成は乗れている。

3コース(9R)岡本慎治/意表の強まくり

 6号艇の岡本が抜群のピット離れで3コースを取りきった。ここまではいい。「ふんふん、スタ展では枠なりだったけど、こんなこともあるだろうね」ってな前付けだ。が、その前付けスローの3コースから、ほぼ同体に近い態勢で内2艇をまくってしまうとはっ……!!?? まいった。たま~に6コースからの大まくりを決めて「こんなの何年ぶりかなぁ」と笑ったりする岡本ではあるが、この「前付け3コース+強ツケマイ」のセットは意外すぎるぞ。誰がこの展開を正確に読んで、岡本のアタマ舟券を買ったか? 水神様でも読めないってば。岡本、無口で無表情なのに、お茶目すぎる。反省も教訓もなく、ただただ「競艇って何でも起こり得るんだなぁ。岡本、今日のアンタは凄かった」と脱帽するのみである。

2009_0318_0509コース(7R)坪井康晴/獰猛な2段まくり

 25/1/346というイビツな進入が、このレースをド派手なものにした。前付けで深くなった大賀と藤丸がSで後手を踏む。3コースに甘んじた1号艇の飯島が、この2艇を握って攻める。その外からさらにスタートの良かった4カドの坪井が……。もう、この時点で完全な坪井の勝ちパターンではある。内3艇の動向が手に取るように見えるのだから。1号艇がまくり切るのを待って、その内を鋭角にまくり差すのがもっとも安全な勝ち方だったと思う。が、坪井は攻めた。まくる飯島に、艇をこすり付けるようなツケマイを見舞った。「な、何もそこまで……!?」と叫びたくなるような、容赦のない2段ツケマイ。坪井のキャラ的にもちょっと異質なもの(なんだか、か弱い小動物の腕を力任せに捻っているような……)を感じたが、これ、よほどパワーに自信を持っている証なのだと思う。獰猛な超抜パワーが、乗り手をも獰猛にしている。そう感じた。今節の坪井、やばい。

6コース(6R)松井繁/怒りの?アウト一撃まくり

2009_0317_0834  あれは、王の怒りだったのか。そこそこピット離れのいい松井は、このレースでもひょいと覗き「そこのけそこのけ王者が通る」とコースを奪いに行ったのだが、5号艇の石川も4号艇の池田も全速力で先回りし、それを阻止した。取り残された王者は外から逆に圧力を加え、自分だけが艇を引いた。想定外の枠なり5対1進入。そして、松井はそのままダッシュを利かせて、内の5艇を呑み込んでしまった。松井なのだから驚くべき事態でもないのだが、私はなんだか空恐ろしいものを見てしまったような気になった。漫画チックに。
「ほう、ウヌらはワシの言うことが聞けぬというのか……ならばっ!!」
 そんな感じで5艇を長刀でバッサバサと斬り捨ててしまったような、そんな空恐ろしさ。松井が腹を立てるわけもなく、例によって予選トップを狙って全力でまくりきっただけなのだろうが、私の目にはそんな風に見えた。年々、表情もレースっぷりも「暴君」と思えるほど迫力を増している松井(←これも私だけの思い込みかも)の、集大成のようなアウトまくりだった。松井、怖い。怖すぎる。(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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コメント

本当にダービーの再現かと思いました!!!
さすが瓜生君の走りです♡
中尾さん、瓜生君のいいショットお願いしますね。

投稿者: まあくん (2009/03/18 20:55:25)

これだから瓜生正義ファンを辞められません^/^

投稿者: うりちゃん (2009/03/19 1:28:35)

重成選手の捲り差しサスガの一言でした。
2着のため記録には残らなかったですが、11Rの信一郎選手の捲り差しもスピードがあり、道中、弟分の湯川選手を追い上げるあたりナカナカの足と見ましたが・・・
ところで、多摩川競艇場のチルト4度は間に合わなかったみたいですね。
九州地区でも、芦屋競艇場のチルト3度導入、ナイター開催に備えた大村競艇場の減音機導入と大きな変化がおきています。

投稿者: おちょこ (2009/03/19 7:43:54)
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