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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THE ピット――優勝戦の朝、強風注意報

_mg_4801 「こりゃ、こけるで」
 1レース前に行なわれた優出選手の公開インタビュー後にピットに行くと、井口佳典が苦笑しながら田村隆信にそう言っていた。
 それだけ風は強く、装着場でただ立っているのもつらいくらいだったのだ。1レースでは左横風で風速9メートルと発表されているが、その風がまともにピットに吹きつめてくる感じなのである。しかし、その強風のなかを田村と井口の2人は臆せず試運転に出ていった。
 この田村は、優出選手のなかでは、今朝の動きがもっとも目立った選手だ。
 朝、優出選手のなかでは誰より早い9時頃に試運転に出ており、その後はすぐペラ小屋で調整。そして、公開インタビュー後にこうして試運転に出て行くと、その後は再びペラ小屋で作業……。そして、2レース後にもさらに試運転に出て行っていたのだ。
 昨日の準優勝戦後にも、今朝の公開インタビューでも、「もうひと足欲しい」と同じ言葉を口にしていたが、そのもうひと足を求めて、こうして休むことなく作業を続けているわけである。

_mg_4820  同じ時間帯に笠原亮は、同期の中島孝平と並んで、ぺラ小屋でペラ調整をやっていた。こちらも、公開インタビュー後は、休む間もとらずに作業を始めたということだろう。
 ただし、作業自体はそれほど長いものではなく、レースごとに水面際に出てきてレースを見守るなどしていた。
 そして、傍にいた我々記者陣にも笑って声をかけてくるなどしており、いつもどおりの笠原だった。

_mg_4645  1レースが近づいてきた頃、重成一人は装着場のボートのところにカポックを持ってきて、モーターのチェックを始めた。そして、「試運転終了」のアナウンスが流れたあとに、駆け足でボートを待機ピットに下ろす作業をしていた。その際、ボートリフトからボートを水面に下ろすと、強風にあおられるかたちで、エンジンがかかっていないボートをうまく操ることもできなかったのだから、相当な風である。
 1レース前には、入念に回転数をチェックしていた重成は、1レース後に試運転に出ている。そして、その後、傍に来た同県の“名パートナー”木村光宏と話している際には、昨日と変わらぬ笑顔も見せていた。
 チルトに関する話をしていたようだったが、「僕のペラはぜんぜん大丈夫です。ぜんぜん大丈夫です」と、繰り返し言っていた。この風のなかでチルトをはねることは現実的にはどうかと思うが、このコンディションにも対応できるということを話していたのではないかと思う。

_mg_4827  朝のピットで、最初に森永淳を見かけたのは、1レース後のエンジン吊りの手伝いに出てきたときだった。
 わずかに表情は硬くなっているようにも見えなくはなかったが、基本的にはプレッシャーに押しつぶされているような感じはなく、この時点ではいつもと変わらず過ごせているようだった。
 その後しばらく姿を見かけなかったが、2レース後には、整備室のプロペラ電気炉からプロペラを取り出し、そのままペラ小屋での作業を始めていた。

_mg_4819  池田浩二も、1レース後にふと気がつくと、ペラ小屋での作業を始めていた。
 カンカンカンとかなり強めに叩いているところは見られたが、他の選手と話しているような場面は見かけられなかった。

_mg_4767  今朝、最後に姿を確認できたのは田中信一郎だ。それまでは控室にでもいたのだと思うが、2レース後のエンジン吊りに、ニコニコ顔でダッシュで駆けつけた。そして、2レースを勝った野長瀬正孝に何かの声を掛けたあと、丸岡正典のエンジン吊りを手伝った。
 率先してモーターを運び、モーター格納を最後まで手伝っていたので、慌てているような様子はまったくなかったが、その後にふと気がつくと、やはりペラ小屋での作業を始めていた。
 今日の6選手の作業は、それぞれにペラ調整が中心になるのだろう。
 そして、それが大きな変化を求めるものになるのか、微調整程度のものになるのか……。
 それぞれに納得いく状態をつくって優勝戦に臨んでほしいし、多摩川の魔物ではなく神様には、それをやさしく見守ってほしいものである。
(PHOTO/山田愼二 TEXT/内池久貴)


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