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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THE ピット――「戦場」のような前検

1r0017076  今日は「モーター抽選リポート班」と入れ替わりのかたちでピットに入ってみた。抽選が終わったのが12時半過ぎで、その後、昼食&休憩を挟むことになるのだが、動きがあったのは、抽選が終わった約20分後の1時前だ。
 まず整備員たちが駆け足で出てくると、それに続いて菊地孝平、平石和男、飯島昌弘らがダッシュで整備室にやってきたのだから驚いた。若手選手ならともかく、平ちゃんこと平石は、なんとも若い! そしてハツラツとしている。
 この段階で何もそこまで全力で走らなくてもいいのではないかと思ったが、3人のあとからは、走っている選手もそうではない選手も続々やってきて、その後のピットはまさに「戦場の様相」を呈した。選手たちがピット狭しと動き回って作業しているうえに、前検日はカメラマンの数もかなり多いので、これはモー、大変な状態なのである。

2009_0316_0177  自分のモーターを受け取り、整備室から出してきて、屋外の明るいところで、ギアケースを取りつけると、再びモーターを整備室に戻して、リードバルブの調整を始める。
 全員が同じ作業をすれば、整備室が選手でいっぱいになるためか、まずはカポックを持ってボートのところに行って、ボートのチェックから始める選手もいる。そのようにして、ピットのいろんな場所で、選手それぞれが慌ただしく動き回っているのだ。
 ボートにモーターを取り付けた第1号は三角哲男で、これがだいたい13時5分だった。ギアケースの取り付けと、第1段階の調整を10分かからず済ませたことになる。
 は、早い!

 

2009_0316_0816  そして、それとほぼ変わらないタイミングでモーターを取り付けたのが菊地と坪井康晴で、ボートの水面下ろし第1号は菊地となった(試運転第1号は、たぶん田中信一郎だったと思う)。
『BOATBoy』4月号(3月11日に発売されているので、よろしくお願いします!)では、黒須田守が“最近の菊地は変わった”というインタビュー記事を書いているが、いやいや、今日の菊地も本当にすごかった。
 誰かと話しているようなところもほとんど見かけられず、1秒も時間をムダにしないようにとピットを動き回っていたのだ。航走検査が始まった2時頃には(今日の前検は、まず周回航走のタイム計測を全選手が行ない、その後にスタート練習を行なう流れになっていた)ペラ小屋でプロペラを叩いていたし、その後も、自分の周回航走、スタート練習以外の時間はほとんどペラ小屋にこもっていたのだ。

2009_0316_0850  菊地に限らずとにかく1時頃からの30分ほどは、誰もが慌ただしく動き回っていた。いつも顔を合わせるたびに「ご機嫌な笑顔」を見せてくれる山口剛にしても、この時間帯には、擦れ違いざまにこちらが挨拶しても、返してくれた笑顔は、いつもに比べてずいぶん「ご機嫌レベル」が低めのお愛想的なものになっていたのだ。2連対率が27.9%とワースト級のモーターを引いていたこともまったく無関係ではないかもしれないが、基本的にはそういうこととは関係なく、やはり作業に集中していたためだったと思う。
 今日はその後に声をかけることはしなかったが、作業がひと段落ついたあとには、笑顔で他の選手や記者陣などと話しているところも見かけられている。

2009_0316_0311  SGやGⅠのこうした戦場状態が肌に合わないと感じるベテラン選手もいれば、初SGに参戦してこの動きに委縮してしまう若手選手もいるとも聞くが、そうした選手がいるのも無理はないと思う。
 今回がSG初出場となる松下一也などにしても、気がつくと、先輩の選手がモーターを運ぶのを手伝っているなどの繰り返しで、自分の作業ができているのだろうかと、こちらが心配になったくらいだった。
 ただ、作業がひと段落ついた頃に「SGのこの雰囲気に圧倒されませんでしたか?」と尋ねてみると、「今んとこは大丈夫です」と笑って答えてくれている。それに続けて「明日からはわからないですけどね(笑)」とも言っていたので、こうした言葉も強がりなどではないのだろう。
 新兵としての仕事が大変で自分の作業が満足にできなかったりはしなかったかとも聞いてみたが、それについても「ぜんぜん大丈夫でした」と答えてくれた。
 やはりSG初出場の市橋卓士や新田芳美も、特別な動揺などはなく行動しているようだったので、SGの舞台に足を踏み入れることのできる選手は、それだけのものを持っているということなのだろう。

2009_0316_0292 「笑顔といえばこの人!」……ともいえる平田忠則も、この戦場状態の中で目立った選手の一人だ。
 同期である重成一人がモーターを運んでいるようなところを見つけると、ニッコリ笑って、“ダッシュダッシュ!”とばかりにランニングポーズ。そして、自分がダッシュして駆け寄り、そのモーター運びを手伝う元気ぶりだった。
 平田に対しても、その後に「今節は元気そうですね」と声をかけてみたが、「いや、実は最近、疲れぎみなんです」と、体のコンディション自体はそれほど良くないのだと話している。
「ただ、エンジンのほうは好機が続いているので、今節も頑張ります!」
 と、百万ドルの四角い笑顔でニッコリ! 今節39.4%のモーターを引いている平田には期待したい。

2009_0316_0587  そうしたなかで、平田とは逆の意味で目を引いたのが守田俊介だった。
「たまたま」が重なっただけなのかもしれないが、その姿が目につくたびに、守田は……歩いていたのだ。
 走る、急ぐ、といった言葉が、彼の辞書にないかのように、歩いている守田がそこにいた。
 戦場のような状況の中で、これだけマイペースを貫けるというのも、ある意味すごい! 今節はモーターも41.2%と好機を引いているので、明日以降の守田もちょっと気になる存在になってきた。

2009_0316_1086  ……さて、SG前検日には、初日ドリーム戦出場選手の公開会見が行なわれるものだが、足に対する手応えとして、いちばんハッキリした回答を口にしたのが松井繁だったのは少し意外だった。
 決してご機嫌な表情で、ご機嫌なコメントを連発していたわけではないのだが……。
「久しぶりに、ええエンジン当たりました」
「今年に入ってからなら、いちばんええかな」
 といった言葉を迷わずに発していたのだから、それなりの手応えは得られていたのに違ない。

2009_0316_0804  他で気になったのは「ちょっとプロペラで見当違いなことをやってしまって、モーターがどうなのかはまったくわかりませんでした」と苦笑していた湯川浩司。
 あるいは、「伸びで下がる感じはなかったですけど、スタートする足がちょっと重そう」「良くはない」と話していた吉川元浩などだろうか。
 坪井康晴、濱野谷憲吾、井口佳典は、それぞれにそれなりの感触を得ているようなコメントだった。
 ただし、この3人のうち一人は、きっぱりとこうも言い切っていた。
「スタートは完璧にわかりました」
「景色は全部見ましたから」と。
 この言葉はもちろん、井口のものだ。
 こういう言葉を聞くだけでも、明日のドリーム戦が楽しみになってくる。
(PHOTO/中尾茂幸 +内池=1枚目のみ TEXT/内池久貴)


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受信: 2009/03/16 21:37:07
コメント

SGに三角哲男が帰って
キタ━( ゜∀゜)━━!(古い…)
めっさ嬉しいのデス(´ω`*人)
いっぱい取り上げてください(*´ェ`*)

投稿者: みるにゃん (2009/03/16 18:13:34)
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