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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――小悪魔、がんばれ

_mg_1322  1R後のエンジン吊りが終わると、31号機は問答無用で整備台に運ばれた。ハナからこうすることが決まっていたかのように、そこに運ばれることは太陽が東から昇るがごとく当たり前であるかのように、31号機は“いつもの場所”に鎮座したのであった。
 前検日――ギアケース。初日――ピストン、ピストンリング、シリンダーケース。2日目――ピストンリング、クランクシャフト、キャブレター。そして3日目――電気一式、ピストン、ピストンリング、ギアケース。こんな大量の部品交換、見たことがない。交換が発表される7つの部品はすべて換えられた。ピストンリングにいたっては、のべ12コの交換。もはや、31号機はもとの31号機ではない。別のエンジンじゃないか、てなくらいにチューンアップを試みられているのだ。
_u4w1703  しかし……。
 守田俊介は「まだやりますよ」と言った。整備の小悪魔は、まだまだ整備を続けるのだ。「正直、やってもよくなるかはわからないけど……」と語尾が小さくなったが、それでも整備をやめられない。「ファンがいる限りは……」、応援してくれる人のために、小悪魔としてやるだけのことはやる。H記者はもちろんのこと、取材班一同、その懸命な姿を心から応援します!

_u4w1725  2Rの展示航走が終わり、ピットが束の間の静寂に包まれる。装着場に選手の姿はほとんど見えない。ついつい、ボケーッとすることになる。
「ダァ~メだ~!」
 背中から声がかかった。ぎょっとして振り向くと、笠原亮。今節はターン周りの乗り心地がなかなか仕上がらず、珍しく伸び型になっている。こうなると、彼らしさはなかなか発揮できない。5、4、5着という成績が、それを物語っている。というわけで、ダァメだ~、となるわけである。
 でもスタートは行ってるじゃないっすか。そうなんですけどね、伸びてるからスタートくらいは行かなきゃ。そう言って、にっこりと笑った笠原は工具を置きに整備室のほうへ向かった。
 笠原、今日は何レースだったっけ?…………!!!!!! おーい! 2Rではありませんか! 今の今まで展示を走ってたのではないですか。10数分後にはレースするんじゃありませぬか! なのに「ダァ~メだ~!」って……。
 ところが。笠原亮、カドマクリ一閃! ダメどころか、鮮やかに勝ち切ってしまったのだ。まったくもって、不思議なものである。まあ、ダメだと口にしながら決して悲壮感はなかったのだが……。
 準優行けなかったら気を抜いていいですか、てなことも言っていた笠原は、レース後、お互いサムアップで笑顔を交わし合うと、「明日は2回乗りで、ピン、2(着条件)。残っているのは1号艇と6号艇ですから、逃げて、(外から)勝って、で!」と早くも勝負駆けに気合をこめた! 艇界屈指の爆発力が炸裂するかもしれないぞ。

_u4w2102  これはチャーリー池上カメラマンの目撃談。僕は恥ずかしながら見逃した。1R、快勝した太田和美のエンジン吊りの模様である。
 連勝ゴールとなった太田は、もちろんゴキゲン。今日は1R1回乗りだが、その後も試運転をするつもりなのか、ボート内の水を吸い出すべく、掃除機を手にとった。スイッチオン。…………。スイッチオン。しーん…………。電源が入ってない! 拍子抜けの浪速の怪物くんなのであった。
2009_0624_0779  それを見て、猛ダッシュで電源を入れに走ったのは、湯川浩司。15mは離れた場所にある電源コンセントの場所まで、大急ぎで駆け寄った。コンセントを入れて戻る湯川。掃除機のスイッチオン。…………。ありゃりゃ。湯川が再び走る。そして戻る。スイッチオン。しーん…………。どうなってるんだ?
 3回目のダッシュで電源はつながり、ようやく掃除機のスイッチは入った。湯川選手、ご苦労様。湯川と3という数字に、因縁を感じてしまうのはこじつけが過ぎるのでしょうか。
 以上、チャーリーズ・レポートでありました。押忍。

_u4w2610  天候がまたまた変わった3日目、今朝も選手たちは忙しい。整備にペラにと、駆けずり回っているのは変わらない。しかし、空気の慌ただしさはなぜか昨日ほどではない、のである。というわけで、大きな動きがそれほど目立ったわけではない、3日目の朝。あ、そうそう。今垣光太郎とも少し話しました。成績がいいこともあるのでしょうが、非常にゴキゲンで、リラックスした様子。ただ……総理杯も笹川賞も、光ちゃんのほうから声をかけてくれて、こんなふうに話した日というのは、いずれも5日目だったりしたのであります。妙なジンクスになっていませんように……。(PHOTO/中尾茂幸=湯川 池上一摩=それ以外 TEXT/黒須田)


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