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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――汗だくの前検

 ドリーム戦の共同会見を聞いていたら、「新ペラ」「夏に向けてペラを作らないと」というようなコメントを何度か耳にした。プロペラも衣替えの季節、なのだ。
 何しろ、ピットは立っているだけで汗が滲んでくるほどの湿気、である。温度計を覗き込むと、湿度89%! 気温が24℃である分、まだ不快度は低いが、これで気温が上がればピットは蒸し風呂のようになるだろう。ただでさえ24場屈指の狭さである戸田ピット。汗だくの自分を想像するだけでゾッとする。
2009_0622_0345  今年初のSG参戦となった三嶌誠司がモーターを装着していたので、ご挨拶をと駆け寄る。振り向いた三嶌は、うわっ、まさしく汗だく。顔中に玉の汗が浮かび、しずくが次から次へと落ちていく。それ以前にピット内を駆けずり回っていたのであろう。日常の動作以上の動きをすれば、たちどころに汗が噴き出すのである。思わず頭が下がる。
「今節は気合入れて、頑張るでぇ~」
 汗だくの笑顔、である。今のところ、今後のSG出場はMB記念だけしかメドが立っていない。それだけに、少ないチャンスを確実にモノにしなければならないのだ。だから、今節は気合が入る。ひと味違う三嶌誠司を見せてほしい。

2009_0622_0329  掲示板の前では、田村隆信、丸岡正典が何かを覗き込んでいた。そこに木村光宏も加わって、貼り出されている白い紙を指さしながら、何かを確認し合っている。3人がバラけたあと、こっそり覗きに行くと、インターネットの天気予報をプリントアウトしたもの。この時期、やはり天候は大きな関心事となるのだ。ただでさえ、気象条件に左右されるモーターという“生き物”は、湿度が高まると途端に回転が上がらなくなったりするという。あぁ、厄介な時期のSG、グラチャンよ。ちなみに、示されていた週間予報は軒並み「曇り」もしくは「雨」。湿度の高い一節となりそうだ……げっ、予想最高気温が30℃を超えている日が3日もある……。
2009_0622_0203  この掲示板の前には、その後も選手が入れ替わり立ち替わり。いちばん最後にスタート練習を終えた今節最年少の山口剛も、モーターを格納したあとは佐々木康幸らとチェックに余念がなかった。山口は髪を短くして戸田にやってきたが、こんな季節だから、その短髪が爽快ではある。
2009_0622_0549  そうそう、その山口のエンジン吊りで、ちょっとした事件があった。中国地区の選手たちが山口のボートを取り囲んで、ピットの奥に運ぼうとしていたときのことである。舳先を持って先頭を切っていた白井英治が、ボートリフト前方の広場と装着場の境目で、すってんころりん! あらまぁ~。背が高く、選手としては大柄な白井だから、その転び方にも迫力があって、目立つ目立つ。中国地区の選手は一斉に笑い、師匠の今村豊は弟子を大笑いでからかっていた。「ここで、こう一回転することによって、軸がウンヌンカンヌン……」とわけのわからん解説だか照れ隠しだかをまくしたてる白井を、辻栄蔵が「はいはい、わかったわかった」と軽くあしらうと、さらに爆笑が巻き起こる。白井選手、陸の上で転ぶなんて、水の上で転ぶよりはずーーーーっとマシじゃないっすか。今節の転び収めとして、水面ではド迫力のターンを!

2009_0622_0169  意外な光景を見た。試運転が始まった頃に整備室をのぞくと、今垣光太郎の姿が。これはいつものことで、モーターを受け取った今垣はまず徹底的に点検を行なう。そして、スタート練習ギリギリまで続け、水面に出るのはいつもいちばん最後のほう。試運転でその姿を見ることはほとんどない。
 ところが、今日の今垣はかなり早い段階でモーターをボートへと運んだのだ。正確に計測したことなど一度もないが、感覚的には30分は早いように思う。彼の場合は、そこからがまた長く、モーターの装着も相当に入念に行なうのだが、それでも着水したタイミングはこれまた相当早い。なんだかいつもの光ちゃんとは違うのである。
 ドリーム戦共同会見では、機勝率なりの手応えがあったことを表明している。表情は決して暗くはなく、むしろ明るかった。会見だというのに、機歴を確かめるためにテーブルを離れて記者さんの席に降りて来てしまったあたりは、光ちゃんらしさか。だとするなら、今日の行動の早さはポジティブな材料と考えていいのではないだろうか。
2009_0622_0591  ドリーム会見といえば、池田浩二がネガティブな発言に終始していた。手違いで、プロペラが届かなかったそうなのだ。手元にあるのは、もともと数合わせ程度に考えていたペラで、3年前の古いものだったり、使ったことがないものだったり。「今節はおとなしくしてます。期待しないでください。すみません」と、半ば白旗をあげるような発言まで飛び出たのだから、思わず同情してしまった。もちろん、競艇は何が起こってもおかしくはない。そんな池田が勝ちまくる可能性だってないわけではないのだ。どこまで巻き返すことができるかには気を配っておきたい。

2009_0622_0575  最後に、3連覇が話題の湯川浩司。今節の主役であり、3連覇はメインテーマ。どうしたってその話題は避けて通れないし、注目が集まってしまうのは仕方がない。そんななかで、「もちろん狙っていきます」と断言した湯川は、腹を据えて、心に決意をたたえて、このグラチャンに臨んでいる。共同会見では、ほとんどの選手が「湯川君が出てる」とコメントしたように、前検としては上々の様子。本人はまだ満足はしていないようだが、調整力には秀でた男だけに、おおいに期待はもてるだろう。
 会見後、今村豊と何やら神妙な表情で話し合う湯川の姿があった。内容はまるで聞こえてこなかったが、ただならぬ表情が少し気になった。そういえば、今村も同一SG2連覇の経験者(ダービー)。ミスター競艇が経験したエキスを吸収して、夢の3連覇への後押しにしてほしいと思った。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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湯っち(湯川浩司)奏っち(横西奏恵)大好きめぐっちです笑 2人の情報どしどしのせて下さいお願いします

★目指せ3連覇★

投稿者: めぐっち (2009/06/22 22:26:55)