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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――それゆけアラフォー軍団!

2009_0625_0224  勝手に“英児スタイル”と呼んでいるものがある。
 毎日毎日、コツコツと整備を続ける渡邉英児の姿だ。ペラ調整に重きを置く選手が多いSGクラスのなか、英児を見かけるのは圧倒的に整備室。日々機力が上昇していき、気がつけば、英児スペシャルとでも言うべき回り足を中心に、すっかり仕上がっている。
 その風情は、今垣光太郎のような鬼っぷりとは少し違う。キャラもあるのだろうが、妙に清々しく整備をしているように見えるのだ。飄々と、と言ってもいい。強い思いを発散しているというわけではなく、言い過ぎのそしりを受けるのを承知で言うなら、趣味に興じているようにすら見える。そんな様子が、なんかいい、のである。
 で、今日も整備室の奥で英児スタイル発見。後半で1等をとっても、変わることないその姿勢。自分のスタイルを確立している者は強い、そう思うのである。

2009_0624_0066  それにしても、今節は整備室の人口密度が高い、のである。一昨年のグラチャンの記憶をひいこら言いつつ掘り起こしてみると、2日目か3日目以降は閑散としてしていたものだった。というより、SGはやっぱりペラ調整重視の選手が多いから、そうなるのが必然であった。だというのに、今節は整備室を根城にする選手がやけに多い。必然的に、整備室を覗き込む回数がついつい多くなる。
 よく見かける一人は三嶌誠司である。本体に大がかりな整備を施しているというわけではないのだが、ギアケースなどの外回りを調整していることが多い。ちゃきちゃきとした小気味よい動きは、実に若々しいわけではるが、何を隠そう、僕と同い年。アラフォーである(というかジャスフォー)。同じ香川支部、同じアラフォーの木村光宏も、今日は早々と試運転からあがって整備室。森高一真と談笑しながら、モーターをいじっているのだった。

 よし、こうなったらアラフォー軍団のことをどんどん記していこう。
2009_0625_0514  エンジン吊りというのは、まず若い選手がボートリフトに集結して選手を出迎え、その後ろから先輩たちが悠然と続く、という場合が多い。若者は率先して働くというのも礼節のうち、なのだろう。これは前半の話なのだが、2Rを勝った笠原亮はボートをピットには上げず、試運転係留所に直行した。笠原の判断というより、レース後は試運転をすると聞いていた坪井康晴と横澤剛治がそちらに誘導した感じだった。ところが、あとから悠々とボートリフトにやってきた静岡の総帥・服部幸男はそれを知らずに笠原を待ち構えた。もちろん、他の艇が上がって来ても、笠原があらわれることはない。服部は、笠原の艇が上がって来ないことにまず目を丸くしてキョトンとし、そこに静岡勢が一人もいないことに気づいて慌てた風情でキョロキョロし出した。え? え? なんで? 何が起こったの? 服部が戸惑っていると、係留所から上がって来る笠原&静岡軍団。服部は、なあんだ、と照れ笑いを浮かべたのであった。この人にこんなこと言ったら罰が当たりそうだけど、言っちゃおう、服部幸男、なんかかわいかったぞ。
2009_0625_0975  倉谷和信と烏野賢太、同期2人が並んでゆっくりとエンジン吊りに加わる。その貫禄に、思わずたじろいでしまった。手を後ろに組んで、のんびりとした足取りでボートリフトへ。だというのに、後輩のボートの舳先のほうに取り付いて、率先してボートを引っ張ったりもしているのだから、なんだか微笑ましいのだ。そういえば、11R後、森永淳のエンジン吊りに出てきた上瀧は、やはり舳先をとって先頭でボートを引っ張っていた。_u4w2638 ところが、他の九州勢は途中でスポンジを片づけたり、モーターを乗せる架台を取りにいったりして、知らず知らずのうちに上瀧が一人でボートを運ぶ、という状態になってしまったのだ。もちろん、ジョー様はそんなことを気にするような男ではない。相対的に重く感じるようになったボートを引きながら、腕に力をこめているようにも見えた。

2009_0625_0900  ドリームを勝ちながら、思わぬ苦戦を強いられている松井繁。今日の11Rはさすがの捌きで2番手に浮上しながら、抜き返されて3着という、珍しいシーンも見られている。王者としても、こんな展開は久しぶりだったのではないだろうか。ピットに戻ってくると、松井はなんと笑顔だったのである。悔しいとか自分に腹が立つとかいう前に、マジかよ、という笑顔。倉谷和信が笑顔で声をかけると、松井の顔はさらに爽やかな笑みでいっぱいになった。あらら~、貴重な瞬間を見たなあ、と思った。松井にとってはまったくもってありがたくもない状況なのだが、だからこそ普段見られないものも浮かび上がる。こんな王者もたまにはいいなあ、と思いつつ、松井の横顔をこっそり眺めていた次第である。
 といっても、12R締切直前になってピットにあらわれた松井は、キツい目つきになっていましたけどね。そりゃあ、あの敗戦に納得するような王者ではあるまい。

2009_0624_0077  というわけで、み~んな同世代、我らアラフォー軍団。それぞれの姿を見ていると、オレも頑張らなくちゃ、と改めて思ったりもするものだ。でも……ピットに立ちっぱなしだとさすがに腰が痛いぞ。目立たないように装着場の端っこに行って、腰を伸ばしたりひねったり。イタタタタ……などと体をよじっていると、「お疲れさまっす!」と声をかけられた。坪井康晴だった。な、なんでこんなところに現われるの? 坪井は、お疲れさまっすと言いながら、腰痛いんだこのオッサン、みたいに微笑んでいた。あちゃあ、恥ずかしい。でも坪井選手、アラフォーって腰とか痛くなるんですよ。あなたもアラフォーになればわかる……と思いつつ、坪井が僕のような不摂生なわけがないなあ、と思い返して、思わず「すみません」と謝っていた私なのであります。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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おー。服部サマ意外にもちょっぴりお茶目な一面☆か〜わゆ〜いっ!!(≧▽≦)☆いつもクールな服部サマの照れ笑いなんて…う〜ん、この目で見てみたいっっ!!

投稿者: 月ちゃん (2009/06/26 0:10:22)