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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――始動

   ナイターは夜と昼で気候条件がぐっと変わる。それもあってだろう、やはり準優組の始動は比較的遅めとなる。できるだけ似通った条件のもとで手応えをつかみたいと考えるのは当然。したがって、ナイターSGの準優の朝(というか昼)にベスト18の姿はなかなか装着場では見られないものである。
 というわけで、ここではあえて、朝のうちに姿を見かけた選手についてのみ、記す。エンジン吊りで見かけた選手は除く。これを含めれば18人全員を確認しているが、書く内容はおおむね似てくる。だから、名前があがらないベスト18は、朝のうちはエンジン吊り以外はゆったり過ごした選手と思ってほしい。ちなみに、ピットを後にしたのは3Rが始まる直前である。
2009_0720_0333  もっともよく姿を見かけたのは、坪井康晴である。試運転係留所にボートがあって、試運転をこなすと、2R前には装着場に引き上げて、もろもろの点検を始めた。おもにペラをチェックしている時間が長いようで、丹念に確認作業をしている様子である。
2009_0720_0370 その坪井との絡んでいたのが、辻栄蔵だ。辻は1R後に装着場にあらわれると、軽く点検したあと、水面に向かっている。試運転係留所を経由せず、いきなり試運転で走りだすと、数周してすぐに装着場へと戻ってきてしまった。おそらく、はじめからそのつもりだったのだろう。上がってくると、足合わせのパートナーであった坪井と手応えについて情報を交換し合った。内容はほとんど聞き取れなかったが、辻のほうが坪井のアシを絶賛するような内容がわずかに聞こえてきた。それについて坪井が二言三言返すと、辻は「ガハハハハハハハハ!」と大声で笑った。辻自身も、悪い手応えではないのだろう。
 辻と同様の動きを見せていたのは、徳増秀樹だ。辻より少し先に水面に出て、少し先に戻って来た。淡々とした表情は、準優への気合を感じさせるものだった。
2009_0720_0249  ひとつの場所でもっとも長く姿を見たのは、白井英治。整備室前に陣取って、慎重に時間をかけて、モーターをチェックしているようだった。整備室の前ということは、選手の往来も激しい場所。それもあって、白井にはいろいろな選手が声をかける。長岡茂一が声をかけて、整備室入口に貼り出されている出走表を眺めつつ、話し込んでいるシーンは印象的だった。長岡との組み合わせが意外であったのと同時に、将棋好きの白井が長岡とともに戦略をじっくり練っているようにも見えたのだ。SG制覇への詰み筋は、見えているのかどうか……。後輩の吉村正明に、アドバイスを送っているシーンもあった。やっと6着地獄から脱け出た吉村は、白井が何か言うたびに、おかしそうに笑っていた。吉村の笑顔は今節ほぼ初めて見るもの。白井の言葉はさらに苦悶する吉村をほぐしたに違いない。
2009_0720_0328 係留所に目をやると、中島孝平の姿があった。寡黙な表情で、淡々とチェック作業をこなす。やがて吉川元浩があらわれて、点検をすると水面へと飛び出していった。かなり早くから係留所に艇を置き、作業をしていたようである。3R前にはいったんボートを装着場に引き上げて、ペラを外していた。朝の手応えをもとに、勝利への道筋をペラに叩き込んでいくのだろう。
2009_0720_0519  2Rのエンジン吊りが終わった後、控室に戻らずに自艇のもとに向かったのは田中信一郎。しゃがみ込んでペラを装着すると、そのままリフトへと向かった。先にリフトに入って着水を待っていた仲口博崇を一瞥すると、リフトへと乗り込む。彼も辻などと同様に水面に飛び出し、試運転をこなしていた。昨日はいちばん遅くまで整備をしていた田中、今日は比較的早めの始動となっている。
2009_0720_0324 3R直前、たてつづけに装着場にあらわれたのは、石川真二、重成一人、そして森永淳。こちらも徐々に動き出して、準優への準備を着々と進めていく。予選1位の菊地孝平もペラを手に装着場に登場。光にかざして翼面をチェックし、たまたま近くにいた木村光宏と言葉を交わしながら笑顔でふたたびペラ室へと戻って行った。
 さあ、準優勝戦。夜の海王へと王手をかけるのは誰だ!?(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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