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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――勝負駆けだからといって

2009_0827_0538  勝負駆けの日だからといって、ピットが慌ただしいなんてことはない……ようやくわかってきたような気がする。
 考えてみりゃ当たり前。勝負駆けだからドタバタする、なんていう振る舞いは、アスリートとしても勝負師としても一流ではない。4日目はあくまでも4日目、パワーに関してはここまで積み上げたものがあるし、勝負駆けうんぬんとは関係なく、今日もさらなるパワーアップに励むだけだ。もちろん、ノルマを抱えた選手はモチベーションが違う。気合も入っている。本気になっている。だが、それはレースの話。ピットでの作業は粛々と進めるだけだし、したがって単純に「4日目」ということを考えれば、むしろ穏やかな空気になるものである。
 それだけに、整備室で選手を見かけたとするなら、これまで以上に意味があると見るべきであろう。
 たとえば、菊地孝平。前半の時間帯、わりと長時間、整備室で作業をする姿が見受けられた。昨日も、整備室で姿を見かける機会が多く、どうやら本体のパワー不足を感じている様子。それが今日になっても引きずられているのだから、菊地の苦戦ぶりがうかがえる、ということになる。成績は決して悪くないが、求めている地点はまだまだ上にあるということだろう。
2009_0824_0321  中島孝平も、ギアケース調整場で作業をしていた。中島も何度か整備室で見たような気がするが、彼の場合は菊地以上に厳しい条件で勝負駆けに臨む4日目である。7R1号艇、後半の時間帯ではあるが、彼の中では時間が足りているようには思えていないはずだ。あまり表情が激しく動く人ではないだけに、心の中はまったく覗き込めないが、テキパキとした動きぶりに、勝負駆けへの意気込みが伝わってくるように思えた。
2009_0827_0565  川上剛が本体をバラしていたのは、意外というべきなのか。水神祭を果たした昨日も、アシが上々であることを証言しており、さらなるパワーアップを望んでいるのは当然のことといえ、早い時間帯から熱心な整備をしているのは、おおいに意味があるように思えた。部品交換をしているかどうかは確認し切れなかったが、整備というよりは入念な点検というようにも見えた。11R1回乗り、こちらは時間がタップリとある。じっくりと、充分に活かす腹づもりだろうと思う。
2009_0827_0515  濱野谷憲吾も整備室の住人であった。といっても、本体整備ではなく、壁際のテーブルでペラ磨きに専心。昨日までは本体に手をつけている姿も見かけているが、やはりペラと向き合っているほうが憲吾らしいという気がする。やや唇をとがらせて、ペラを磨いては光にかざし、さらに磨いては翼面を細かくチェックする。改めて言うほどのことではないけど、やっぱりカッコいいな、この男。

2009_0827_0527  そう言えば、この人を整備室で見ないなあ。今垣光太郎。整備の鬼。整備室のヌシ。しかし今節、整備室にその姿を目撃したのは、数えるほどである。見落としてるだけかもしれないけどね。しかし、たしかに今節の今垣は、それほど整備の必要を感じていないようではある。その今垣にバッタリ会ったのは、カポック脱ぎ場の前あたり。隅っこにジャンパーを置いてあったようで、それを取りにきたところで顔を合わせたのだ。ちなみに、リプレイなどが流れるモニターはその上の天井からぶら下がっている。で、今垣はこんちわと一言だけ残して、控室に消えて行ってしまった。あら、やっぱり整備はしないのね。今日整備室にいる選手には何か意味がある。そして、今垣光太郎が整備室にいないのにも、何か意味がある。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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