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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――銀河タイム

 銀河の部屋、と名付けることにする。
 これまでにも「ペラの森」「ペラの扉」などで証明されてきた、私のあまりにも秀逸なネーミングセンスが思わず発動されてしまったのだ。
 銀河の部屋。ピットには、そう呼ぶべき場所がある。
2009_0825_0662  本当は、部屋ではない。装着場の隅にはペラ室があり、もちろん選手たちはここでペラ調整する。だが、スペースには限りがあり、調整の中心がペラであることの多いSG級選手、あっという間に満員となるのは必定。そこで、その部屋の前にゴザのようなものを敷いて、臨時ペラ叩き場が今節は設けられているのだ。いや、去年のダービーも同様だった。すなわち、装着場の隅っこに何の仕切りもない特設ペラ調整場がある、ということ。やっぱり、部屋でも何でもない。
 ということで、ここで誰が調整しているのかについては、覗き込んだりする必要もない。そちらに目をやれば、自然と選手の姿は目に入ってくる。コンマ10くらいのタイミングで、誰がいるのかは確認できる。
2009_0825_0374  今日の前半。ちらり。田村隆信と森高一真。ちらり。湯川浩司と森高一真。ちらり。丸岡正典。ちらり。井口佳典と湯川浩司。今日の後半。ちらり。田村隆信と井口佳典。ちらり。湯川浩司と森高一真。
 銀河系ばっかりやん! そうなのである。この臨時ペラ叩き場、85期勢が占拠しているような状態なのである。いや、実は王者もここで調整している。銀河系と王者。どえらいメンツだ。しかし、松井が不在のときでも、銀河系の誰かがここにいるので、あたかも85期専用の場所のようにも思えてしまうのだ。
2009_0825_0285  というわけで、銀河の部屋。これで決まり。ということで、今日は朝から晩まで、ここに銀河系の面々が集っていたのであった。あ、あと11R発走直前くらいだったか、岡崎恭裕が湯川の真ん前に座って、先輩たちがペラを叩くのをじーっと見つめていたな。

 11R前というか10R直後、銀河の部屋は一時、誰も姿が見えなくなっている。まず、それまで並んでペラを叩いていた田村隆信と井口佳典が、同時にボートを着水した。ドリーム出走の2人、申し合わせたように展示ピットに向かったわけである。
2009_0825_0031  その頃、水面には森高一真と湯川浩司の姿があった。森高は10Rのエンジン吊りが終わると、速攻で係留所に向かい、あぐらをかいて11Rの展示が終わるのを待った。それを追うように湯川も係留所に降りていき、カポックを着込んでボートに乗り込む。展示が終わり、試運転可能をあらわす緑ランプが点滅すると、弾かれたように水面に飛び出して、足合わせを繰り返す二人。
 展示ピットに移動する二人と、足合わせに励む二人。水面はいわば、銀河の水面、と化していた。
2009_0825_0012  田村と井口はほぼ同時に点検を終えて、控室へと肩を並べて歩き出した。その途上で、水面を独占しているのが同期だということに気づいた。係留所に座り込んで、森高と湯川の足合わせを見つめる田村と井口。選手ってのは、そんな角度からでも足色がわかるもんなんですかね(同じような角度で見ていた僕には、さっぱりわからんちんだった)。あるいは、遅い時間帯まで努力を続ける仲間を、心強く、また心配して、見つめていたのか。
 試運転終了の赤ランプが点滅し、田村と井口は立ち上がって控室へと向かう。湯川と森高は名残惜しそうにスローダウンして、ボートリフトへと艇を進めた。
 水面の銀河タイムが幕を閉じた。
2009_0825_0279  で、その数分後、湯川と森高はもう銀河の部屋でペラを叩いていたのだから、行動は素早かった。岡崎が湯川の前に座ったのは、ちょうどその頃である。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)

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銀河の部屋いい響きです☆

毎日楽しみにしています

投稿者: 丼べぇ (2009/08/26 0:03:27)
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