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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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浜名湖ダイヤモンドカップ レースダイジェスト4日目

 突如受け継ぐことになった「レースダイジェスト」。予選最終日ということは、明日から二本の道に各選手が分かれていくことになる。そこで、機力診断の部分については、2パターンを用意することにしたい。

A=準優で注目!
B=一般戦で狙ってみよう

 H記者流のアルファベット評価はしないが、参考にしてみてください。

●1R
 スリットでは4分の1艇身ほどのぞいた2コースの吉川昭男が、すすすっと伸びてイン池本輝明を叩く。ジカマクリで抜け出して、今節初1着をあげた。しかし、吉川の行きアシが優秀かというと微妙。比較をすれば、そりゃあ池本<吉川となるのだろうが……。
 2着には、池本がくるりと残す。ジカマクリを浴びて2着残し、というシーンはそうそう見かけるものではないが、だからといって池本の回り足が優秀かというと微妙。3~6コースが何にもできなかった印象があるのだ。つまり、ここはエンジンメンバーが劣勢だった。強いてあげるなら、松村康太の追い上げに見どころがあった。
A=該当なし
B=該当なし

2009_0802_0334 ●2R
 ゼロ台トップSの篠崎元志がスリットでのぞき、一気に攻め込むか……と思われたが、放ったのかやめたのか、勢いが持続しない。むしろ川添英正の伸び返しが強烈で、篠崎を止めて先マクリを放っている。アシ的には、明らかに川添のほうが上だった。
 ただし、篠崎にとって、この流れはツイていた。川添のマクリが流れ気味になったことで、差し場がぽっかり開いたのだ。すかさず突っ込んだ篠崎は、バック先頭へ。イケメン篠崎にようやく初白星が降ってきた。ただし、差した岡瀬正人に迫られたように、決してアシがいいとは言えない。多少の上積みはあっても、センターから自力で決められるほどのパワーはない。むしろ、川添のアシが悪くなく、また差し職人・岡瀬に差して着を拾えるだけのアシはある。
 それにしても服部幸男は苦しそうだな……。
A=該当なし
B=川添英正 岡瀬正人

●3R
 トップSはイン白石健だったが、カドから攻め筋をうかがう田中信一郎を牽制しつつ先攻めを狙った中尾誠が、2コース今坂勝広が差し狙いでレバーを落とした瞬間に強ツケマイ。見事に決まった。シラケンのアシが良いとは見えなかっただけに、ジャッジは難しいところだが……。しかし、その攻めっ気には好感。中尾にはいつでもこの強攻があると思うべし。
 いったん2番手に出たのは大澤普司。このアシ色が悪くなかった。2Mは今坂勝広、田中信一郎との争いになり、大澤は最外を全速マイ。これで2人をいったんは出し抜いている。回った後のアシも、3人の中ではもっとも良いように見えた。2周1Mで逆転されているが、これは田中の腕。田中は、大澤を牽制しつつ、内から逆転を狙ってきた今坂を外マイで潰して抜け出したのだ。また、2周2Mでは今坂の逆転も許して大澤は4着に落ちているが、これは先行する田中の引き波にガッツリ乗ってしまい、減速したもの。一般戦に入れば、むしろ上位の部類ではないか。
 逆に言うと、田中はよくて中堅。今坂はさらに弱い。田中は引き波を超えるのに苦労している感じで、彼らしいエレガントなターン力を繰り出すにはもう少し上積みが欲しいところだ。
A=該当なし
B=大澤普司

2009_0802_0713 ●4R
 どえらいスリット合戦。6コースの阿波勝哉が後手を踏んだように見える隊形だったが、阿波だってコンマ10を決めているのである。イン萩原秀人がコンマ01、5コース山崎哲司がコンマ03。阿波はこの時点で攻め手を封じられたようなものである。
 萩原にとっては、やや展開が向いたとも言える。3コース久田武が握って攻めるが、これに2コース丸岡正典が抵抗し、これが壁になったことで矢が一本も飛んでこなかったのだ。もちろん、アシが悪かろうはずがないが……。
 むしろ、山崎哲司のレースぶりが光った。S踏み込んで阿波の伸びに対処し、丸岡と久田の競りを見て冷静に差し場を探したのだ。バックでは、内に宮武英司、外に久田武と3艇併走となったが、2Mで真っ先に握って仕掛けたのもアッパレ。宮武の不良航法をとられるほどの抵抗を浴びて(というか、サイドがかからなかったように見えた。いずれにしても、ちょっとかわいそうなジャッジのような……)、久田に逆転を許したが心意気はアッパレ。あれこそが勝負駆けの走りであろう。アシも、阿波の出し抜けを許さなかったように、徐々に上向いてはいる。明日からも楽しみはあるはず。
A=該当なし
B=山崎哲司

2009_0802_0313 ●5R
 インの馬袋義則がスリットで半艇身ほど後手を踏んだ。その時点では、松下一也がいかようにでも攻められる体勢に見える。ところが。ぐいぐい伸び返した馬袋は、1Mまでに松下に追いついてアッサリ先マイ。馬袋のアシは文句なしである。
 エース機・池田浩二はまだポテンシャルを引き出し切れていない。松下はターン系は悪くないように見えるが、特筆するほどではないか。
A=馬袋義則
B=該当なし

●6R
 瓜生正義は決してインパクトがあるアシとは思えなかったが、バランスは高いレベルで取れている感じだ。技量も含めて、死角は相当に少なくなってきている。ただし、何しろイン逃げ。正味のアシは判断が難しい。
 笠原亮に関しては、アシはいいのだろうが、展開がなかなか向いてくれない。握って攻める爆発力が警戒されているのか、ひとつ内のコースが無理やりにでも先に握るシーンが目立つのだ。ここも2コース山本英志が、のぞかれながらも1Mは外マイを選択。こうなると、どうしても笠原は差し遅れることとなってしまう。ここをどうクリしていくかが課題となるだろうか。
 川添英正は、やはり一般戦組では上位と見た。
A=瓜生正義と笠原亮だが……
B=川添英正

2009_0802_0487 ●7R
 レースとしては、岡瀬正人がきっちり逃げて、というもので、岡瀬は一般戦に入れば良さそうだぞ、というくらい。それよりも、松本勝也のアシが目立ったレースだった。特にいいのは、回ったあとのアシ。ターンで何艇かの争いになったら、まず負けないのではないか。佐藤大介との2番手争いとなった1周2Mは外マイであっさりとケリをつけている。
 ちょっとだけ気になったのは安達裕樹。スリットから、ちょろりと伸びる気配を見せたのだ。どっかーんというほどの伸びではないが、これも一般戦なら穴をあけるかも。
 佐々木康幸はあまり目立ったところがないように思えた。
A=松本勝也
B=安達裕樹

●8R
 スタート展示では今坂勝広と菊地孝平が動いて、1号艇・山崎哲司は3コース。しかし、じわじわと艇を進めて、起こし位置で前付け艇の真横まで到達。明らかな「本番は譲りませんよ」の意志表示で、アッパレである。実際に本番はインを死守、コンマ04のSから逃げ切っている。アシも一戦ごとに上向いているし、気迫も素晴らしい。隠れた勝負駆けMVPの一人がテツだと思う。待機行動違反はちょっと余計だったが……。
 2番手争いは、今坂と菊地の静岡勢。しかし、両者とも二人らしいパンチ力を感じることができなかった。今坂にしろ菊地にしろ、もう少し上積みがほしいところだ。
A=該当なし
B=山崎哲司

2009_0802_0573 ●9R
 カドを獲った丸岡正典が、3コースのヘコみも活かして、怒濤のツケマイ! これが内の艇を沈め切った。1着で相手待ちという状況ではあったが、まったく諦めようとはしていない丸岡のガッツが伝わってくる素晴らしい旋回であった。
 しかし、2Mが謎だった。丸岡がターンマークを外してしまったのだ。丸岡らしからぬ旋回は、ひたひたと追っていた福島勇樹に絶好のチャンスを与える。見逃さずに差した福島はホームで丸岡と併走。こうなると、福島と丸岡ではアシが違った。福島、逆転の1着である。
 機力を言うなら、丸岡はもはや「ヤバイ(ひどい)」アシではなく、福島はターン周りも悪くなさそうだ。1Mは5本の引き波を苦もなく超えているし、2Mでは一瞬だけバランスを崩しているものの、すぐに安定感のあるターンに移行している。行きアシから伸びも快調、節イチを争うパワーだと見る。
 重成一人もよくまとめてはいるが、オーシャンカップ時の迫力には及ばず。
A=福島勇樹
B=丸岡正典

2009_0802_0684 ●10R
 阿波勝哉はどうしたのだろう。前半はいい伸びをしていたように見えたが、後半はサッパリ。明日については、とにかく展示を見て判断するしかない。
 進入は吉川昭男が動いて2コース。坪井康晴は3コース発進で、Sはコンマ20と内の二人より遅かったものの、1Mで技ありのマクリ差し一閃。3コースからのマクリ差しは難易度が高いと言われるが、難なく突き刺してしまうのだから、この男のテクは超一級品だ。
 ところが、2Mでなぜかキャビってしまい、インから残していた角谷健吾に併走に持ち込まれる。ここから激しいデッドヒートが始まった。2周1Mは先マイした角谷が前に出る。坪井は差して迫るが、ギリギリ舳先がかかる程度までしか追い詰められない。それでも2周2Mは坪井が先マイも、行かせて差した角谷が優勢を保つ。3周1Mは、坪井は外マイで攻めて、バックは併走。形としては、坪井が角谷に食らいついている、というものだった。
 決着のついた3周2Mは圧巻だった。内に陣取る角谷は完全に先マイができる態勢。普通であれば、角谷に分がある態勢だった。しかし坪井は角度をつけた差しを狙い、ハッキリとわかるほどに角谷より先に初動のハンドルを入れた。丁寧にターンマーク際を回って差し場を封じようとした角谷の動きを見定めて、鮮やかな差し切り! まさに「エグリ差し」(by工藤浩伸アナ@浜名湖)という表現がふさわしい、強烈な逆転技だった。角谷のターンにはまったく瑕疵がなかっただけに、坪井のテクが光った。
 ……というわけで、なかなか見応えのあるレースだったのだが、では機力はどうかといえば、坪井に超抜の称号を与えるわけにはいかないだろう。悪くはないが、明らかにテク勝ちだからだ。1Mのマクリ差しにしても角谷がやや流れ気味であったし、道中の好勝負のなかには機力が抜けていればあっさりケリをつけていてもおかしくない場面もあった。坪井らしい鮮烈なレースができる仕上がりではあるものの、しかし本当に噴いているときの坪井の出方には及ばない。あまりに人気になるようなら軽視する手もあるかもしれない……。
 長野壮志郎はキップのいいレースが目立ち、なかなか爽快だ。
A=該当なし
B=角谷健吾

●11R
 インから湯川浩司が逃げ、2コース後藤正宗が差し、3コース佐藤大介がマクリ差す、という展開。湯川の逃げは盤石で、ほぼ危なげのない逃げ切りであった。
 後藤と佐藤の比較では、ターン系で佐藤に分があった。佐藤のアシは充分にヒモ穴になりうるものだと思う。後藤はもうひとつ突き抜け切れない印象。場内解説の柴田稔さんは「ターンに積極性がない」と苦言を呈していたが……。
 エース機・池田浩二は、中堅がいっぱいか。さすがのテクで準優までこぎつけたが、どうにも力強さに欠けている印象を受けた。
A=佐藤大介
B=該当なし

2009_0802_0718 ●12R
 菊地孝平がインからコンマ06のトップS。ゼロ台は菊地だけで、彼のスタート力にはまったくもって脱帽である。そして、この隊形で菊地が逃げ切らないわけがない。ただ……パワーのほうはどうなのだろう? このレースでは判断し切れないし、しかし前半でもインパクトは感じられていないのだが……。準優1号艇(9R)は今日の再現は充分ありそうだが。
 菊地より目立ったのは新田雄史。先頭には届かなかったものの、1Mの3コースマクリ差しは素晴らしかった。かかりが良く、引き波もあっさり超えていくパワーは、準優でも脅威となるはず。新田のハンドルワークに即座に反応して、展開を突くことができるだろう。
 松本勝也と瓜生正義は、コースが遠かったか。それでも、松本の引き波に負けないターン回りはやはり素晴らしいし、瓜生もバランスがとれている。松本は3周1Mで瓜生に3番手を逆転されているが、これは一宮稔弘の先マイを待った分、ハンドルが遅れたもので気にする必要はない。また、たちまち松本のふところに迫った瓜生のターン力はさすが。そして、この二人に最後まで食らいついていった一宮も、一般戦ではかなりイケてるはず。
A=新田雄史 松本勝也 瓜生正義
B=一宮稔弘

 準優組の節イチ候補は、福島、新田、松本と見たが果たして……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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