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ボートレース特集 > THE ピット――活気!
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THE ピット――活気!

2009_0803_0003 今日は、1レース出走の1時間ほど前に当たる10時30分頃にピットに行ってみた。
 装着場では松本勝也が菊地孝平に、吉川昭男が馬袋義則に、笠原亮が山崎哲司に話しかけていた。
 スタート練習中の時間帯だったが、待機ピットで回転数を確かめている選手も多く、選手たちの話し声を掻き消すようにモーター音が鳴り響いていた。
 そんなふうに朝から活気にあふれたピットだったのだ。
 このとき、立ち話をしていた松本と菊地の話はすぐに済んだが、1レースの展示航走が行なわれたあとに、再び2人の話が始まった。
 ちょうど装着場でボートが隣り合わせになっていたためだろうが、お互いが自分のボートに腰かけて、かなり長い間、話をしていた。その会話に聞き耳を立てていたわけではないのだが、雰囲気的には過去のレース経験などを話していたようだった。
 話をしながら、松本は何度もうんうん頷き、菊地は手振りを加えて、走りの様子を再現してみせる。それほど深い接点はないはずの2人をそうして繋ぎ止めていたのは、競艇に対する互いの真摯な姿勢ということだろう。

2009_0803_0233  私がピットに入ったばかりの頃、スタート練習から戻ってきた山本 英志が、1レースの本番ピットでじっと考え込んでいる姿が見られた。
 山本がこの後に走るのは準優勝戦の日の一般戦1レース6号艇であったわけだが、その厳しい表情を見ていると、そうした条件のレースであっても、選手はいっさいの妥協はしないものだということを改めて知らされた。
 1レースでの山本は結局、4着だった。
 それでも足の手応えは良くなかったのか、レース後に付き添っていた同期の白石健の表情は硬かった。
 そのシラケンも、今日は3レース、8レースの一般戦回りだが、10時30分頃から休みなく動き続けている姿が見られていたし、1レースに山本を手伝ったあとにはすぐにまた試運転に出ていった。
 そうした姿が見られることは、朝のピットならではの喜びのひとつだ。

2009_0803_0090  1レースの展示前から、モーター本体を外して整備室に運び入れていたのは、予選1位の瓜生正義だった。
 最初はプラグを外して、手入れをしていたが、次にはギアケースを外して、さらには本体の他の場所にも手を入れだした。
 そこで、どういう整備なのかと訊いてみたのだが、瓜生いわく「ただの点検です。……今節はやってなかったんで」とのこと。
 ただし、ただの点検といっても、瓜生の作業を見ていれば、そのなかでも上積みは出てくるのだろうな、と思われる。ひとつひとつの部品を外しながら、本当に丁寧に手を入れていくのだ。
 SGのピットなおいても瓜生が似た作業をしている光景はよく見られるが、こうした作業を怠らないことも、瓜生の強さを支えるひとつであるには違いない。
 それが選手に伝わる部分もあるのだと思う。
 瓜生が整備室の真ん中でその作業をしていると、岩崎正哉や菊地孝平、長野壮志郎などが次々に傍に行っては、話しかけたり、その作業を見たりしていた。

2009_0729_0247  整備室は瓜生ひとりに占拠されているかたちだったが、ペラ小屋は早い時間帯から繁盛していた。ペラ小屋には“指定席”ともいえる場所があり、いちばん隅の住人は服部幸男で、今朝の服部もその指定席と整備室とを往復していた。
 また、ちょうどペラ小屋の中央付近が指定席と化してきたのか、新田雄史がペラを叩いている姿も見られた。1レースの展示が近づいていた時間帯にペラ小屋から出てきたので、「今朝は乗りましたか?」と尋ねてみると、「まだです。今から」とのことだった。そう言った直後にボートを水面に降ろしていたが、そうして自分のペースで作業をしているあたりにも大物感が窺えた。
 このときは、待機ピットで回転数を確かめただけだったが、1レースの展示後に試運転に出ていった。それから戻ってくると、すぐにペラを外して、再びペラ小屋に入っていった。そのため、そのときには声はかけそこなったが、その表情を見ている限りでは、バッチリ手応えが来ているようには見えなかった。
 しかし、そのペラ調整もそれほど長くはかからなかったようで、1レース後に安達裕樹のエンジン吊りを手伝うと、再び試運転に出ていった。
 その試運転から戻ってきたときにもう一度声をかけてみると、「昨日までのほうがよかったですね」とのこと。昨日までの浜名湖ははっきりしない天気だったのに、今日は快晴になっているので、そのあたりの影響が出ているということもあるのだろう。
 ただ、「合わせられそうですか?」と続けて確認すると、「時間はあるんでなんとか」とも答えてくれている。
 実際に新田の表情は、最初の試運転後よりも、このときのほうが晴れやかなものになっていた。

2009_0729_0762  ……なお、3レースで負傷した濱村芳宏と篠崎元志の欠場が決まった。
 詳しい情報はまだ入ってきてないが、大事にいたらない早い回復と、次に出場するシリーズでの活躍を期待したい。

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/内池久貴)


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