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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THE ピット――がむしゃら! +本日の水神祭(優勝戦)

2009_0803_0534   最終日。そのメインイベントが優勝戦であるのはもちろんだが、その前にまず、8レースの菊地孝平には驚かされた。
 6号艇のこのレースで菊地はチルト3度を選択! おそらく初めての挑戦だったはずだが、それで見事に6コースまくりを決めてみせたのだ。
 このレース直後にピットに入ると、なんと菊地は、一度引き揚げていたボートを早くも水面に下ろそうとしていた。
 ボートを陸に上げている間には、チルトをマイナス0.5度に戻す程度の時間しかなかったはずだ。
 その菊地に対して、「黒須田が今のレースを見て腰が抜けた、と言ってました」と伝えると(黒須田=NIFTY主宰&BOATBoy編集長/腰の抜け具合に関しては↓の「本日の一般戦ベストパフォーマンス」参照)……。
「えっ、誰? 黒須田さん? アハッ! たまたまですよ、たまたま」とニッコリ。
 そして、すぐさまボートを下ろすと、優勝戦メンバーを中心としたスタート特訓に参加していったのだ。

2009_0804_0165  このスタート特訓には笠原亮を除いた優勝戦メンバーに、11レース出走の菊地(1号艇)と瓜生正義(4号艇)が混じるかたちで行なわれた。
 特訓後に待機ピットに戻ってきた優勝戦1号艇=福島勇樹の表情は少しこわばっているようにも見えたものだが、その傍にボートを着けた菊地が「2本目は追いつかれた感じがしたよ」と声をかけると、福島の表情は瞬時にやわらいだ。
 そうした意味でいっても、今日の菊地はピットのキーマンにもなっていた。
 その後の福島は、レースまでとくに緊張に支配されるようなことはなく過ごしているようにも見えていた。

2009_0804_0145  この後の動きが気になったのは、一人だけスタート特訓に参加しなかった笠原だ。
 その時間帯の笠原は、ペラ小屋でずっと、ペラ調整を続けていたのである。
 師匠の服部幸男が出走する9レースが始まった際には、レースをモニターで見るため整備室に向かっていったが、3号艇の服部がマクリ差しを決めて大勢が決すると、2周目の途中でペラ小屋に戻って作業を再開していた。
 その行動からいえば、時間を惜しんでいるようにも見えたものだが、レース後には服部のエンジン吊りに出て行き、モーター格納を最後まで手伝った。その後はさらにペラ調整をやっていたのだが、10レースの締め切り前にはひと段落ついたようだった。整備室内で坪井康晴と並んでペラを拭いている場面が目にされた。
 結果から先にいえば、笠原は5着に敗れたが、少し展開が違えば1着になっていた可能性も充分あったレースだったのだから、納得の仕上げができていたのだろう。
 笠原と変わらないくらいペラと向き合い続けた今坂勝広や、リラックスと緊張が程良く融和しているように見えた萩原秀人も、それぞれ自分なりに納得してレースを迎えられたのではないかと考えられる。

2009_0804_r12_0733_2  優勝戦――。
 1日を通して誰よりリラックスして過ごしていたようだった池田浩二のマクリ差しが決まったようにも見えたが、2マークにおいて福島が大逆転!
 見事にGⅠ初優勝を決めている。
 ウィニングランをすることもなくピットに戻ってきた福島は、迎えに出ていた同期の山崎哲司とハイタッチ!
 表彰式に向かうために救助艇に乗るように促してきたピットのスタッフに対しては「もう、とにかくがむしゃらでした!」と、まくしたてるように言っていた。そんな様子からは、まだまだ興奮がおさまらない状態であるのがよく伝わってきたものだ。
 その後の表彰式でも「めちゃくちゃ緊張していて、起こしが変だったんです!」と話していたが、こちらが思っていた以上に厳しいプレッシャーとの戦いが続けられていたわけなのだろう。

2009_0804_r12_0805  この後にもう一度、ピットに戻ってきた福島はやはり興奮状態にあるようだった。
 山崎哲司と再度のハイタッチをして、阿波勝哉ともハイタッチ!
 地元・静岡の菊地や笠原、今坂の祝福も受けて、そのまま水神祭が執り行なわれれている。
「高い、高い! ちょっと待って、ちょっと待って!」
 と悲鳴をあげたが、やさしい先輩たち(阿波や角谷健吾、山本英志+静岡勢)には聞き入れてもらえず、そのままバシャ~ン!
 温かい拍手に包まれた、幸福感にあふれた水神祭となっている。

2009_0804_r12_0816  表彰式では「浜名湖は大好きで、地元だと思って走っています」と話していたように、浜名湖における福島はめっぽう強い!
 だが、浜名湖に限らず、いまの福島の勢いはとにかく凄いものになっている。
 87期初の記念レーサーになった福島の今後は、とにかく楽しみだ。
 ……がむしゃら!
 なによりそれが福島の武器である。

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/内池久貴)


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