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ボートレース特集 > 2009賞金王決定戦
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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W優出インタビュー!

9時40分より、賞金王決定戦ならびに賞金王シリーズ戦優勝戦の出場選手インタビューが行なわれました。まずは賞金王シリーズ。赤岩が笑いを交えつつ、饒舌に語っているのが印象的でした。

_u5w1824 ①赤岩善生(愛知)
チャレンジカップまではやり残したことがあったかもしれないけど、先しか見ていないので、今日までにはない。整備で相当上積みがあった。しっかりインから。朝は珍しく体重が足りず、めざましテレビではみずがめ座がso bad。そこでテンション下がってるんですけど、どうせベスト着るなら今日は11Rまで何も口にせず、一日集中して、またここに戻って来たいと思います。

_u5w1831 ②篠崎元志(福岡)
去年はケガでチャレンジとシリーズと行けなかったので、その分まで返せたと思います。いいアシしてますが、ペラが思っているのと違う。2コースは守りたいです。一発狙っています。

_u5w1837 ③魚谷智之(兵庫)
順調にきています。アシもいいと思います。伸びを中心に、他の部分もバランスがとれている。昨日とコンディションが違うので、そこにジャストミートさせていきたい。枠番近辺から、しっかりスタートしたい。優勝できるよう力を出し切ります。

_u5w1856 ④山崎智也(群馬)
結婚してからツキまくってます(場内から拍手)。アシは言うことナシ。全部そろってます。ピット離れだけ怪しい。枠なり基本。スタートは昨日以外は行ってたので、今日は行きたいと思います。11R優勝して、濱ちゃんにいい流れを作りたい。

_u5w1867 ⑤勝野竜司(兵庫)
山崎智也さんと足合わせしてだいぶやられましたけど、まあまあ納得しています。バランスはまあまあとれてます。5コースになると思ってます。いいレースできるよう頑張ります。

_u5w1883 ⑥石田政吾(石川)
優勝戦のなかに入ると弱いです。強いところはないです。乗りやすさだけ求めていきたい。コースは出てから考えます。たぶん6コースでしょうけど。ガンバリマス!

つづいては決定戦。注目は岡崎のコースに関するコメントか。

_u5w1903 ①濱野谷憲吾(東京)
完璧とは言えないけど、順調に来てます。住之江は乗りやすさが大事だと思ってますが、ある程度きています。湯川君とかに伸びではやられますけど、スタートの明日は大丈夫なので気にならない。コースはインから。今節はスタート決まっているので、自信をもっていきたい。今までやってきた19年のことをぶつけて、ここに戻って来たいと思います。

_u5w1920 ②中島孝平(福井)
いい緊張感のなかで走れています。このメンバーのなかではアシは普通。行き足はちょっと分が良く、回ってからは思い。乗りやすさを少しでもよくしたい。2コースから。勝てるコースだと思います。

_u5w1925 ③石野貴之(大阪)
モーターはいいです。不安があるとするなら、12Rを1回も走っていないこと。地元なので、走ってなくても合わせたい。自分から攻められる枠なので、進入で絶対に油断しないようにしたい。理想は差し切りたい。(差し?と問われ)まくりたい。先頭を走りたい。感謝の気持ちをこめて、一人で生きてこられなかったと思ってるので、恩返しのつもりで優勝したい。

_u5w1940 ④今垣光太郎(石川)
このメンバーでは少し弱いですけど、1着で抜けてくれば大丈夫。接戦では弱い。今日は昨日より回転が上がりそうなので、伸びをつけたい。理想は4カド。たぶんまくり差しでは届かないので、優勝するならまくりしかないと思ってる。平常心で頑張ります。

_u5w1956 ⑤湯川浩司(大阪)
いいアシしてると思います。試運転ではかなりいい。本番で誤差があるので、そこだけでしょう。コースは5コースとかそんなんちゃいますか。スタートは、水ものなので約束はできないけど、いい感じでいきたい。ここまできたら考えることはないので、1着目指します。

_u5w1957 ⑥岡崎恭裕(福岡)
前検では全部6等とるんじゃないかと思った。まだ弱いけど、九州の先輩方のアドバイスもあって、かなり上積みできました。でも、正直厳しいです。プロペラをもうちょっとやって、リングも考えますけど、まだわからない。6コースかなと思ったんですが……………そうですね、あの…………いちばん若手ですけど、勝負師としては黙って6コースというのもアレなんで、いろいろ考えます。感謝の気持ちをこめて走ります。

シリーズ優勝戦は11R、決定戦は12R。さあ、クライマックスに向けて、盛り上がりが加速してきましたよ!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)


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THEピット――淡々とした賞金王?

2010_1219_0506  山口剛が、妙に明るいのである。
 引き当てたエース機が期待通りの動きをしていたから、気分も良いのかもしれない。だが、「賞金王はもっと独特の雰囲気があると思っていた」と軽快に言い放つあたりに、「そういうものなんだろうか?」と首をひねってしまったのだ。
 会見ではいちばん饒舌だった山口だが、これは普段通りである。山口は、常に言葉を丁寧に並べて、快活に質問に答えていくタイプ。で、それもなんだか妙な気がして仕方がないのだ。「先輩もいつも会ってる方々だし、今村さんにはかわいがってもらってるし、思ったより気楽に臨めています」。……うーむ、いつも会ってる先輩たちが違って見えるのが賞金王の舞台ではないのか?
2010_1219_0321  こうした雰囲気を醸し出すとしたら、むしろ岡崎恭裕ではないかと思っていた。いつも上しか見ていない岡崎は、SGこそが自分をいちばん発揮できる舞台だと確信し、優勝戦に乗る日であろうと、変わらない雰囲気で過ごしていたものだ。当然、賞金王はさらに彼が存在感を発揮する舞台であり、その腹の据わり具合は初めての聖戦ピットでもきっと変わることはないように思えていた。
 だが、どことなく普段と違った岡崎を感じるのである。こちらは山口と違い、モーターに手応えを感じられなかったようで、そうした気の重さもあるのだろうが、それにしても僕が想像していたものとは正反対の雰囲気を岡崎は発散している。声をかけたら、いつも通りの清々しい笑顔を見せてはくれたものの、なんだか気になる……。
 どうにも今日はピットであれこれと考え過ぎているワタクシではありますが、山口と岡崎、二人の若武者を見ながら、思考はさらに迷路にハマったみたいになってしまった。まだ前検なのだし、結論めいたことは書かないが、この二人の様子の違いは賞金王決定戦というものの本質を探る、ひとつのヒントにはなると思う。

2010_1219_0790  初出場組について先に触れてしまえば、石野貴之の凛々しさには本当に感心させられる。07年新鋭王座を制し、それによって権利を得て出場したその年の総理杯でも、初のSGにまるで怯んだ様子のない石野に驚かされたものだ。初のSG優勝戦で1号艇、だというのにほとんどカタさを見せていなかったオーシャンカップでも、その姿には溜め息が出た。そして今日、初めて賞金王のピットに立っても、ガッシリとした芯を感じさせる頼もしい姿でいられるのだから、本当に大物だと思う、この男は。
2010_1219_1305  中島孝平もまた、自分のペースで淡々と作業をしており、普段と変わった様子はない。直線では下がり気味だったという前検だが、「ここに来る人たちは、テクニックは凄い人ばかり。そのなかで僕がこの成績で出られたのは、エンジン出しで上を行っているのではないかと思います」と自己分析しているように、彼の整備力をもってすれば、大きな不安はなさそうである。その波のなさが彼の強みなのだろうし、それは今日の時点ではすでに発揮されているようである。
2010_1219_1231 一方で、これが6年ぶり14回目の参戦となる今村豊もまた、淡々としたものだ。白井英治や寺田祥ら後輩と話し込んでいる姿は、他のSGと何も変わらないし、おやおや、賞金王ジャンパーじゃなくて普通のSGジャンパーを着ているのも、他のSGっぽいですな。
「30年走ってきて、やり残したことがひとつあります。黄金のヘルメットです」
 会見ではそう語っていて、淡々としたなかでも決意をにじませている。ただし、今村の会見が終わるのを待っていた池田浩二が「僕もやり残したことがあるんですよ」と突っ込むと、「お前はまだ早いわ!」と返すあたりは、やっぱりいつもの今村。初出場組と比較して考えれば、これはやはり30年走ってきた風格というものだろう。

 では、常連組はどうか、というと、こちらもまたわりと淡々としているのだな。
2010_1219_1227  会見で「力強さがない」と語った今垣光太郎にしても、それが表情を暗くすることはいっさいなく、「今年は去年よりは(トライアル2、3戦目枠順の)抽選運が良くなると思ってるんで(笑)」と根拠のない自信というか希望というかを口にして、爽快に笑い飛ばしたりもしていた。前検ではもうひとつの手応えでも、それをどうにかする自信はあるということだろうか。
2010_1219_0349  同じく会見で「まあまあです」と機力についてコメントした松井繁も、同時に「何があっても対応できる自信がある」とも言い放っていて、まったくドタバタした様子がない。いや、松井に関しては、たとえば岡崎が「松井さんがのぞいていく」と証言していたり、またさっさと格納してしまっていたりと、どうやらパワーは充分にあるという説があるのだ。つまり、松井の「まあまあ」は良い部類と考えるべきで、それならばいつも通りの松井が見られて当然か、とも思う。
2010_1219_0385  てな具合で全員を書いても仕方ないな。ようするに、濱野谷憲吾も瓜生正義も池田浩二も湯川浩司も菊地孝平も、みなそれぞれに普段通りの姿で今日を過ごしていたようにしか思えなかった。湯川など、こっちに雑談を仕掛けてきたりもしたんだからね。ピリピリ感が表に出やすいことを考えれば、実にゴキゲンな前検日、ということができるだろう。

 まあ、いろいろ考え過ぎても仕方がない。明日、トライアルが始まれば、12人が12人とも、何らかの化学変化を表情や雰囲気に起こしていくことになるだろう。今日のところは、それを楽しみに明日からの戦いに思いを馳せたいと思う。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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賞金王決定戦 私的回顧

2009_1223_r12_1166  そのとき、瓜生正義は何を思っただろうか。
 スタートタイミングはコンマ11。インの坪井康晴はコンマ12だから、ほぼ並んだスリットである。そこからの瓜生の行きアシは、明らかに坪井をしのいでいた。ただし、坪井を叩き切るほどの差はない。1M手前で3分の1艇身ほど前に出た程度だろうか。
 マクるか。差すか。
 瓜生の2コースまくり率は7・5%。2コース差し率は20・0%。無難に行くなら、行かせて差しが正解。しかし、これは単なるひとつのレースではない。賞金王決定戦なのだ。
 確率に懸けるのか、それとも勝利をもぎ取りにいくのか。
 瓜生は何を思って1Mに突入したのか。

2009_1223_r12_1161   そのとき、坪井康晴は何を思っただろうか。
 好スタートを切った。2コースの瓜生とはほぼ同体。まず先マイできる態勢である。ところが、瓜生の勢いが自分よりまさっている。スリットの時点では赤いボートがのぞいて見えていたはずだが、その視界をさえぎるように瓜生が自分を交わし去ろうとしていく。
 瓜生はマクるのか。それとも差すのか。そして自分はどう受け止める。
 もちろん、坪井の戦略は先マイしかない。瓜生がどう攻めてこようが、ターンマークを真っ先に回るのみ。瓜生だけではなく、外の4艇が何をどうしようが、坪井としては逃げしかないのだ。ただし、瓜生が主導権を奪い取ろうとしているとなれば、話は変わってくる。
 坪井は何を思って1Mに突入したのか。

2009_1223_r12_1234  瓜生はマクった。坪井は張った。
 大競りとなった二人は、対岸にある護国神社の鳥居をめがけているかのように、ずるずると流れていった。おそらくレバーを落とした坪井を瓜生が交わしたときには、4艇はすでに1Mを超えていた。二人の賞金王決定戦は、ここで終わった。
 これは賞金王決定戦である。ツケマイに出た瓜生を、抵抗した坪井をバカな奴らだと言う者がいたら、僕は真っ向から反論する。
 自力で黄金のヘルメットを奪おうとした二人を、どうして否定できるというのか。
 違う。これが賞金王決定戦なのだ! もしあのとき、瓜生が早々と引いて差していたとしたら、巧い、さすが瓜生だと思ったとしても、尊敬の念は沸かなかっただろう。もしあのとき、坪井が瓜生を行かせて小回りしていたら、冷静だ、さすが坪井だと思ったとしても、敬意を払う気にはならなかっただろう。
 自らの力で栄誉を引き寄せようとした坪井康晴と瓜生正義を、僕は誇りに思う。賞金王決定戦の舞台をこの目で見られてよかった! 競艇が好きでよかった! そんなふうに興奮させてくれた2人は、最高の競艇選手なのである。
 僕の買っていた舟券は、2-1である。瓜生が差して、坪井が残して。
 1M、僕はそんなことも忘れて、坪井と瓜生のスピリットにただただ鳥肌を立てていた。

2009_1223_r12_1242  その競り合いは、松井繁にウィニングロードをもたらした。鮮やかな差し。まさしく競艇の教科書に載るような、大競りの間隙を突いたビッグウィンである。
 坪井と瓜生を称えるなら、展開に乗っただけの松井の勝利には尊敬を送れない?
 そんなわけがない。松井は、自力でこの展開を呼び込んだからだ。
 手元に成績表があるなら見てほしい。トップスタートを切ったのは松井である。コンマ08。スタート展示では瓜生がP離れで後手を踏んだため2コースに入りながら、本番でコースが変わろうとも何の迷いもなく、松井はスタートを踏みこんでいる。
 コメントを聞いていないので、あくまでこちらの憶測と断わっておくが、瓜生はスタートでのぞかれた松井に叩かれるのを嫌ったという部分はなかったのだろうか。抜群の行きアシも手伝って瓜生は、坪井を競り潰し、松井を封じ込めようとした、そんな可能性も見出せるのである。
2009_1223_r12_1358  だとするなら、スリットの瞬間、実は主導権を握っていたのは松井だったことになる。しかもレース後の会見で、松井は「3コースは展開に左右される部分があるから」ということで、このケースもありうる展開のひとつとして想定していたようなのだ。
 もしかしたら、坪井も瓜生も、松井の手のひらで転がされていた?
 まあ、うがちすぎの評価であろう。それでも、松井繁なのだから、勝利をもぎ取るためにはそれくらいの手管は軽く使いこなすだろう……などとも思う。
 決まり手と1Mだけを見れば、競り合いに乗じた差し、となる。だがそれは、松井が自力で手にした展開だ。勝利の女神は、己の力で道を切り開いた者に惚れるのである。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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THE ピット――賞金王決定戦。王者の涙

_u4w9758  午後の早い時間帯においては、決定戦ファイナルの日であることを思えば、おだやかな空気になっていた気がする。毎年、この日を迎えると感じられる、ピリピリとした痛いような空気は、こちらの肌には突き刺さってはこなかったのだ。
 7レース前、松井繁が鎌田義に対して「雨、降ってきたで」と声を掛けたときには、これから各選手の調整が慌ただしくなっていくのかとも予想されたが、その雨はすぐに一端止んでいる。
 その後も決定戦出場選手のそれぞれが、10レース前までペラ調整を中心にした作業をしていたが、個人的な感想としては、殺気立つような作業をしている選手までは見当たらなかったのだ。
 ただ、7レースのあと、待機ピット沿いの水面上でボートをゆっくりと動かしていた1号艇の坪井康晴の顔を見たときは、やはり今日はファイナルなのだと、あらためて実感された。緊張で顔がこわばっていたわけではないのだが、集中力を高めて、雑音には耳を貸さないようにしているその表情が、1年に一度の聖戦が間近に迫っていることを教えてくれたのだ。
 また、8レース後のスタート特訓で、5号艇の吉川元浩がダッシュスタートのあとスロースタートの練習をしているところも確認されて、本番がどんなレースになるかと、想像もふくらみはじめた。

_u4w9696  スタート展示においても、「動き」は見られた。
 2号艇・瓜生正義のピット離れが良くなかったためではあるが、朝の優出インタビューにおいて、「ひらめきを待っています」と話していた松井繁がコースを獲りに行ったのだ。これが“シリーズ効果”といえるものなのかはわからないが、こうした松井の動きによって、決定戦が「戦い」の意味を強くしたのは間違いない。
 10レース頃からまた雨が降り出して、11レースにはナイターの照明も灯された。それでも、12レースが近づくと、雨もほとんど止んで、ピットに出てくる選手が増えてきた。
 そして迎えた12レース、決定戦ファイナル戦――。
 進入で松井は動かなかったものの、1マークで松井が絶妙の差しハンドルを入れると、「やったあ!」とピットでは歓声がわき上がる。そして、1周2マークで勝利が確信されると、その時点ではもう、大きな拍手が起きていた。
 ピットにおける松井の動きについては、過去のSGなどで何度も「ここまでやるか!?」と驚かされ続けているので、今日の松井に対して、特別な驚嘆はしていなかった。
 だが、ここで改めて振り返ってみれば、やはり今日1日を通して、ほとんど休むことなくピットに姿を見せていたのが松井だったのだ。

_u4w0497  ピットに引き上げてきた松井は、喜びを露わにすることはなく、感極まった顔をしているようにも見えていた。
 その後すぐ、地上波テレビのインタビューを受けていたときも、その印象は変わらなかった。
「ちょっと優勝はできないと思っていたんですけど……」「展開は考えず、チャンスが来たときには逃さない足をと思って、やっていました」と語っていたが、それらの言葉が今日の松井を何より雄弁に物語る。
 最初から、ほぼ仕上がっていた足ではあっても、さらなる上積みを求めて作業を続けた……。そして展示でピット離れに遅れた選手がいればコースを獲りに行き、レースの中で差し場ができれば、そこを逃さずハンドルを入れる……。
 そうして掴み取った優勝だったのだ。

_u4w0513  地上波のインタビューを受けてウィニングランに出ていく直前、松井は、ピットに呼び入れられた娘さんとしっかり抱き合った。
 それと同じような光景は、3年前の住之江でも見ていたが、そこから受ける印象はずいぶん違った。3年前に目にした奥さんとの抱擁は映画のシーンのように美しく見えていた。しかし、今回、娘さんと抱き合っていた松井は、そうしていながらも何の言葉も口にはできずにいるようで、あまりに生々しく見えたのだ。
 表彰式においても松井は、繰り返してファンへの感謝を口にして、目に涙をにじませていたものだった。
「今日の6人のなかではいちばん強い気持ちで臨めて、そのおかげで勝てたんだと思います」と松井は言ったが、決定戦に懸ける松井の気持ちはそれだけ大きなものであるわけだ。
 そんな松井には、これからもしばらくは「王者」として君臨していてもらうしかないだろう。

_u4w0463  ただ、この決定戦に懸ける気持ちの強さという点においては、他の5人もそれほど大きくは負けていなかったのではないかと思う。
 とくにレース後の坪井の表情はあまりにも厳しく、痛々しいほどにわかりやすく、肩を落としていたものだった。
 レースからピットに引き上げてきたときは、高く手を突き上げている松井の傍で、ボートに乗ったまま頭を下げて謝っているようにも見えていたが(うなだれていただけだったのかもしれない)、自分のためにも周囲の人たちのためにも、「勝たなければならない」という気持ちは強かったはずだ。だからこそ、1号艇を掴んでいながら、賞金王になれなかった自分を、簡単には許せなかったに違いない。

_u4w0002  田村隆信にしても、レース後の表情は本当に悔しそうなものだった。
 BOATBOy12月号の中でも、現在の悩める心境を吐露していたが、銀河系軍団の先駆者でありながら、近年、遅れを取り出していた中で、ここに懸ける気持ちは相当に強かったのだろう。
 この決定戦の中で、田村がとびきりのスパイスであり続けていたのも事実のはずだ。
 感無量の男がいれば、口惜しき男たちがいる。
 ここでは名前を挙げなかった瓜生や吉川、池田浩二にしても、この舞台での敗戦を、簡単に受け入れられるはずがない。
 だが、そうした想いが重なり合って、選手たちは強くなり、競艇はよく面白くなっていく。それだけは間違いがないことだ。
 今年の賞金王決定戦は、シリーズ戦とともに、競艇にとっての曲がり角になっていたのかもしれない。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/内池久貴)


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“本紙予想”賞金王決定戦ファイナル

 ふだんは流行にめちゃ疎いH記者が、新型インフルエンザに倒れました。罰ゲームの水神祭は実はまだ敢行されていなかったのですが、別の罰ゲームとなってしまったようです。隣でウイルス連射を浴びながら仕事をしてきた私の体内でも、今頃ウイルスが急成長していることと思われますが、まだ大丈夫。発症しないうちに、“本紙予想”2009ファイナルです。

11R 順位決定戦    
菊地が次点のウップンを晴らす超絶Sから爆裂逃げ。赤岩が闘魂こめて迫る。
◎菊地 ○赤岩 ▲田中 △原田
3連単1-246-全

12R 賞金王決定戦   
進入は枠なりと見る。松井が3コースからどう攻めるかがカギだが、坪井がS踏み込んで黄金のヘルメット逃げを見せる。超抜の瓜生の差しも怖く、逆転も少々買いたい。吉川も脅威。松井はあえて無印だ。
◎坪井 ○瓜生 ▲吉川 △池田
3連単1-256-全 2-1-全

 これにて2009年の予想は、“本紙”、極選ともに終了です。今年もお付き合いいただきまして、ありがとうございました。コメントをいただいた皆様には、喜びとともに大変感謝しております。来年も奮闘する所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします。皆さまの賞金王舟券が大的中することを信じております。では!


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THEピット――さあ、戦いの刻

_u4w8670  記者席でもろもろの仕事をこなして、ピットに降りたのは2R終了直後。エンジン吊りをぼーっと眺めていたら、赤岩善生が男っぽい笑顔で声をかけてきた。おそらく一晩、「12分の6」に残れなかった自分と徹底して向き合ったのだろう。表情はかなりスッキリしていて、会話の内容も明るいものだった。赤岩はまた力強い次の一歩を踏み出している。それを感じられただけで、こちらもなんだか嬉しくなった。
_u4w8618  赤岩と別れると、今垣光太郎が早足で歩いている姿を発見。何はともあれ、大きな負傷がなくて何よりだった。今垣はわき目もふらずに整備室に入っていき、のぞいて見ると本体をバラして点検もしくは整備をしていた。転覆したのだから当然の作業、ではあるのだけれど、彼がそれをしていると、また違った意味があるような気がしてくるものである。
_u4w8631  早足といえば、エンジン吊りに向かう原田幸哉も早足。田中信一郎は軽やかな足取りで、菊地孝平は踏み込みが強い。順位決定戦だって、大事な勝負(なんたって1着賞金が賞金王シリーズと同額)。彼らの戦いがまだまだ終わっていないことを実感させられる。
 と、服部幸男が早くも着水準備をしている姿があるではないか。決定戦用カラーリングボートのほとんどが装着場にあったその時間帯、準備をしていたのはひとまず服部だけだった。

_u4w8728  そのとき、すでに着水されていた決定戦ファイナリストのボートは2艇。ひとつは松井繁である。調整用係留所で、厳しい表情を見せつつ、モーターと語り合っている様子。シリーズ組のボートが並んでいるなかに松井の姿がぽつりとあると、そこだけ違った空気に包まれているように見えるから不思議だ。3R発売中の試運転タイムが終わると、松井はゆっくりと艇をボートリフトに進め、いったん陸に上がって、ふたたび作業を始めていた。「ひらめきを待っている状態」と言っていた優出インタビュー。そのひらめきは生まれただろうか。
_mg_0377_2   もう1艇は、田村隆信である。いち早く試運転などもしていた様子で、いったん試運転用係留所でペラをチェックすると、松井のようにゆっくりとボートリフトに向かった。
 その姿に、違和感を覚えた。何かがおかしい。いつもの田村とどこかが違う。
 はっ。オレンジベストを着ているじゃないか!
 オレンジベストとは、体重50kgを切る選手が重量調整用に着用するものである。すなわち、田村の体重は49kg以下になっているわけだ。田村の前検体重は、53kgなのである。住之江に入ってから4kgも減量したのだ。僕は田村のちょうど2倍ほど体重があるから、自分に換算してみれば4日で8kg減らしたようなもの。もしそれをやったらぶっ倒れるだろうし、今節は前検日から体重が増えている私……。もしや、田村はほとんど何も食べていないのではないか。
「いやいやいや、そんなことはないですよ。まあ、2日目くらいはちょっとキツいときもありましたけどね。でも体調はいいし、順調に減ってます。決定戦に照準を絞って減量した? まあまあ、見栄えの問題もあって(笑)」
 たしかにカッコよくなってる……というのは冗談だが(いや、もともとカッコいいっすよ)、今節の田村が一味違って見えたのは、たぶん減量も含めた「決定戦への意気込み」にあったのだろう。メンタル面でもっとも仕上がっているのは、おそらく田村だ。

_u4w8825  そのすぐ後くらいに、瓜生正義が装着したモーターの点検と調整を始めた。それを見て、TVカメラがどどどっと瓜生のもとへ。実に6台のTVカメラが、さまざまな角度から瓜生を狙うこととなった。これ、やりづらいだろうなあ。意識するなっていっても無理な話。そして一方で、自分が年間最大の一戦に出場するということを実感できる一瞬でもあっただろう。この思いを知ることもまた、「来年もこの舞台へ!」の意を強くさせるものだろう。
_u4w8870  その脇をすり抜けるように、坪井康晴が自艇のもとに歩み寄った。ちょうど坪井のボートの近くにいたものだから、当然のように坪井と目が合う。坪井は、ニコニコニコッと笑ってぺこり。うわっ、賞金王決定戦の1号艇に乗る男に、まるでカタいところがないぞ。実際は、緊張感がないわけがない。特別な心境になっていて当たり前だ。しかし、それをほとんど感じさせない坪井の強さには感嘆するほかない。彼をここまでに押し上げた最大の原動力は、その精神力ではないかと思った。
_u4w8902  決定戦1号艇の経験をしている男といえば、吉川元浩である。今回は5号艇、あのときのプレッシャーを思えば、肩に力が入るようなことはあるまい。エンジン吊りでも、中島孝平と並んで歩きながら、笑みすら見える。この男の精神力もまた、すごい。
_u4w8755  6号艇なのだから、本来はさらにリラックスしていてもおかしくない池田浩二だが、僕にはベスト6のなかでもっともカタいのは彼に見えた。チャレカのときも、特に準優で、そんな雰囲気を感じたんだよなあ。もしかして、本当に「サプライズ」を起こすつもり? それって、6号艇からのV? なにしろ、チャレカのときには同じような雰囲気で結果を出しているのだ。緑だからって、甘く見ないほうがいいかもしれない。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)


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タミフルHの『即日帰郷最後っ屁予想』

 ほんに災難だらけのシリーズでした。新幹線1本遅れただけでボコられ、予想はまるで当たらず、指3本を負傷し、予想はさらに当たらず、そして最後の最後に……先刻、難波の病院で新型インフルエンザの陽性反応をいただいたHです。もちろん記者室に行くわけにもいかず、ホテルの一室で隔離されながら書いております。本場で舟券も買えない身の上ではありますが、ウイルスに占領された脳みそで最後っ屁のW優勝戦予想をアップしておきます。行け、新型タミフルパワー!!

10R 穴・極選指定
 ①井口佳典(三重)
 ②辻 栄蔵(広島)
◎③湯川浩司(大阪)
 ④大嶋一也(愛知)
★⑤西島義則(広島)
★⑥藤丸光一(福岡)

進入14//26/35

 うりちゃんの進入予想に丸乗りします。まったく同感!! 本当に、ファンファーレからまばたきひとつできませんな。穴党にとっては12Rの何百倍も興奮するレース。さあ、脳内新型ウイルスパワーが弾き出した結論は、じゃかじゃかじゃかじゃ~ん。賞金王組も含めて節イチの行き足を誇る湯川まくり。これっきゃないっ!!!! ホント、12Rの4号艇にいてもまくりきっちゃうはず。スタート同体・全速からすぐに1艇身突き抜けて井口まで呑み込んでしまうでしょう。湯川マークに出そうな西島と、トップ級の回り足を誇る藤丸へ。あ、もちろん、もっとも怖いのは賞金王恒例?の井口VS湯川の銀河競りで(←実は、これもちょっと見てみたいw)そうなるとイン屋3人の456ボックスなんてことになるかも?

3連単★3-56-全

12R 本命・極選指定
①坪井康晴(静岡)
②瓜生正義(福岡)
③松井 繁(大阪)
④田村隆信(徳島)
⑤吉川元浩(兵庫)
⑥池田浩二(愛知)
進入123/456

 スタート野郎やカドまくり屋、アニマル闘魂レーサーなどの個性派はすべて11Rに回り、ファイナルはオーソドックスな王道タイプで占められた。巧くて速くて強い6戦士。もう、こうなると枠なり3対3もほぼ約束されたようなもので、何よりもコースの利がモノを言います。近代競艇の申し子たちの戦いは行った行った行った決着で締め括られるでしょう。松井の激情前付けや田村の意表前付けや吉川のタッチS絞りまくりなどを心の奥底でちょこっと期待しながら、大本命の1点予想。仕方ないじゃんか。

3連単★1-2-3

 ではでは、K記者はじめスタッフに多大な迷惑と労力を押し付けつつ、ひと足早く管理解除とさせていただきます。今節もつたない予想に付き合っていただいて、ありがとさんでした。それにしても、もし罰ゲーム「真冬の水神祭」なんかやってたら全身ウイルスまみれで死んじまってたかも?w


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優出Wインタビュー

 朝9時半より中央ホールで、賞金王決定戦ファイナルと賞金王シリーズ優勝戦の出場メンバーインタビューが行なわれました。
 まずは賞金王決定戦から。

_u4w9597 1号艇 坪井康晴(静岡)
かかり、出足はしっかりしているので、あとは自分との闘いです。静岡3人、同期3人で来ましたけど、僕一人になってしまったので、頑張りたいです。

_u4w9603 2号艇 瓜生正義(福岡)
バランスが取れて納得できるレベルにあります。S勘は怖いくらいに合っています。一生懸命、僕なりに走ります。

_u4w9618 3号艇 松井繁(大阪)
(ファイナル進出は使命?)まあ、いつも通りでしょう、それも。(勝つことも使命?)勝つことは課題ですね。今日の調整は、ひらめきを待っている状態。3号艇というのは考えどころで、これもひらめきを待っているところです。

_u4w9627 4号艇 田村隆信(徳島)
エンジンはいいんですけど、プロペラで引き出せていない。コースは8割4カドです。スタートの目標はコンマ05。四国にヘルメットをもって帰りたいです。

_u4w9634 5号艇 吉川元浩(兵庫)
(昨日は住之江のレコードタイム)タイムを出す走りをしていないのにレコードが出たのは、いい仕上がりということでしょう。ひとつでも内がいいけど、わからないですね。

_u4w9645 6号艇 池田浩二(愛知)
エース機といわれたけど、足りない部分があって、試し試しやってる感じ。普通なら外なんですけど、普通じゃなければ5コース100mくらい? サプライズ、ありますね(笑)。

 池田が含みのある発言をしてますが、果たして……。
 つづいて賞金王シリーズ。昨日から、「決定戦より進入は圧倒的に面白い」という声をたくさん聞いていますが、それもあって、このインタビューもめちゃくちゃ面白くなりました。

_u4w9486 1号艇 井口佳典(三重)
アシは文句なしで三拍子そろっている。Sは速いのを来られたら、僕も速いのを行くだけ。進入は、何も見ないで我先にホームに行くだけです。1000%、インから行きます

_u4w9480 2号艇 辻栄蔵(広島)
(井口の1000%発言に)若いっていいですね~~~。でも、お年を召した方も一本筋の通った方が何人もいるので、僕はどうしようかと思ってます。まあ、空いたところから行きます。

_u4w9488 3号艇 湯川浩司(大阪)
アシはかなりよくなって、優勝を狙える仕上がりです。(コースは?)僕はもうわかりません

_u4w9514 4号艇 大嶋一也(愛知)
一人勘違いしている選手がいるみたいで、勝負事に1000%なんてありえないんで。僕はいつも通りの進入で……たぶん2コースになるんじゃないですか(笑)。1000%は勘違いだけど、(井口くんは)98%くらいインじゃないですかね~(笑)。

_u4w9534 5号艇 西島義則(広島)
井口が98%インって、大嶋さんも小そうなりましたね~(笑)。訓練時代からインの練習ばかりしてたのに。ガッカリしました(笑)。はい、僕は臨機応変に(笑)。誰をマークするかわからない(笑)。(マーク!?のツッコミに)大嶋さんをマークするかもしれないですよ~(笑)。エンジンは伸び型ですね。

_u4w9565 6号艇 藤丸光一(福岡)
大嶋さんと西島さんについていったら、小回りブイでびしゃびしゃに濡らされるか、100mポー0ルにぶち当てられるんで(笑)、そうならないように大きく回ったら……みんなホームに向けちゃいますし、どうしましょう?(笑)…………差します(笑)。

 いやはや、みんな最高! 大嶋の発言には、客席がめちゃくちゃどよめきました。やっぱり進入がアツくなると、ファンもアツくなるのです!(PHOTO/池上一摩)


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最終日! クライマックスです!

おはようございます。とうとうこの日を迎えてしまいました。賞金王決定戦最終日。今年の頂点に立つ選手が決まります! 1年間繰り広げられてきた大河ドラマの最終章。先ほど競艇場入りした際、開門を待つ数百人のファンの方たちを見て、我々もテンションマックスになってまいりました!

2009_1222_0069 そんな今日を、年間最大の悔しさを抱えて迎えた男がいます。赤岩善生。お正月の蒲郡でファンと約束した「12分の6」を実現できずに、今日は順位決定戦に回ることになりました。昨日のレース後、赤岩は「情けない」と開口一番、口にしました。また、「BOATBoyでファンの方たちに謝っておいてほしい」とも。その意味でも、今日は意地を見せるレースをするとも語っておりました。私はすでに、彼の男気をレースで魅せてもらったと思っているのですが……。しかし赤岩はこのことを大きく捉えている。原田幸哉もそうですが、順位決定戦、きっと男気にあふれた走りを見せてくれるはずです。(PHOTO/中尾茂幸)


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賞金王トライアル私見③

秘技、円月殺法差し!

11R          ST 条件と結果
①田村隆信(徳島) 09 ③→2着
②瓜生正義(福岡) 10 ②→1着
③池田浩二(愛知) 11 ③→3着
④原田幸哉(愛知) 18 ――
⑤赤岩善生(愛知) 23 ①→4着
⑥今垣光太郎(石川)18 ④→転覆

進入12345/6

2009_1222_r11_1514   あと1時間ほどで6人のファイナリストが決まる。同時に6人の落伍者も。まず、この11Rに微妙なスパイスを振りかけたのは、昨日のFで最初に脱落した原田だった。スタート展示は単騎ガマシの12356/4。が、いざ本番では同僚ふたりの間に舳先を突っ込み、枠を主張した。赤岩はちょっと戸惑ったかもしれない。スタートで後手を踏んだ。去年のトライアルもそうだったが、赤岩は外コースでほぼ後手を踏み、レースをさせてもらえなかった。今日も1マークで他艇に揉まれ、事実上の赤信号が……悔しい3日間だったに違いない。
2009_1222_r11_1454_2  トップSはインの田村。昨日までと同じ、コースと時計の利を生かした盤石の逃げだ。同体から差した瓜生は届かず、1-2態勢が固まった。2マーク、ふたりの距離がさらに広がった瞬間、3番手の今垣が転覆した。特に接触などもない、選手責任のアクシデント。今垣の2009年がラッキーだったか不幸だったかはわからないが、いろんなことがあった。SG準優を勝って、2度優出できなかった。それでもすぐにSGを制し、また理不尽な不良航法なども取られ、くじ運も悪く、今節は②/⑥/⑥で2度ババを引いた。そして転覆した。本当に、派手な1年だった。きっと今垣本人は地味に地道に自然体で走ったつもりだろうが、ド派手だった。様々な問題も投げかけた。お疲れさま、光太郎。
 2009_1222_r11_1444水面に戻る。逃げる田村と追う瓜生の差は3艇身ほど。事故艇が出たこともあって、この1-2は鉄板に思えた。瓜生が攻められるチャンスは一度。次の2周1マークだけだ。そこで……瓜生は大技を決めた。外に大きく開いて半円を描くようにして相手の内フトコロに切り込む全速差し。艇王・植木通彦氏が時折見せた「円月殺法差し」だ。3秒でふたりの体が入れ替わった。今日の11Rのハイライトシーンはこれに尽きる。三日月が蒼く輝くような、美しいモンキーターンだった。

デジタル、届かず。

12R          ST 条件と結果
①坪井康晴(静岡) 15 ☆→2着
②吉川元浩(兵庫) 11 ①→1着
③田中信一郎(大阪)14 ②→6着
④服部幸男(静岡) 16 ①→3着
⑤松井 繁(大阪) 16 ☆→4着
⑥菊地孝平(静岡) 10 ⑤→5着
進入123/456

2009_1222_r12_1658  あと5分、いや3分ほどですべての明暗に割れる。進入は枠なり3対3。「明日の1号艇を目指して松井が動く」という私の予想はあっさり外れた。松井としては、メイチ1着勝負の服部に連動する作戦だったか。が、4カド服部の行き足が鈍い。菊地に煽られ、窮屈な態勢で差したが、もう1着争いとは無縁の位置だった。「今年1年、煮え切れなかった。全然ダメ、ただ賞金がそこそこあっただけ」と以前、私に言った。今節の成績も④⑤③……今年を象徴する3日間だったかもしれない。傍らで見ていても、パワー負けとスタート負けは明らかだったし。来年こそ、もっと強気の姿勢で「トライアル初勝利」を挙げてくれ、服部!
2009_1222_r12_1623  先頭争いはまたまた内枠2艇に絞られた。坪井は昨日と同じようなイメージで1マークを先制したはずだが、違ったのはスタートだ。坪井がコンマ15で、吉川が11。昨日も書いたが、このレベルに達するとほんのわずかな遅れやターン漏れが命取りになる。吉川の差しが突き刺さった。えぐるような俊敏差しで、メイチ1着勝負をクリアした。相変わらず、勝負強い。賞金王では特に。
 徐々に縦長になってゆく中で、はるか彼方の最後方を走っていたのが菊地だった。5着条件なのに……脱落!? 3周目、5艇身ほど前にいる田中に必死に追いすがる。3度も賞金王Vを成し遂げている「ミスター賞金王」田中は、今年はちょっと勝利の女神にスネられたか。まず、抽選運がひどかった。6/5/3は今垣と同じ劣悪境遇だ。アウトダッシュ戦など果敢な戦法を試みたが、パワーも少し足りなかった気がする。
2009_1222_r12_1663  その田中の背中に、菊地が張り付いたのは最終ターンマークだ。菊地が、5着争いとは思えぬ全身全霊のモンキーを繰り出した。刺さったか。刺さった。これで当面の条件7・00はクリアした。スタンドから拍手が沸いた。多くのファンはこれでファイナルに滑り込んだと思っただろう。
 だが、足りなかった。菊地は1・4・5着で池田は1・3・6着……同点でも、3着のある池田が6番目の座席を得た。ちなみに5位の吉川も1・3・6着だった。菊地、脱落。1年間、デジタルSを連発して平均コンマ11、ほぼ全速、そしてFゼロという記録はとんでもない大記録だ。その総決算をファイナルでも見たがったが、仕方があるまい。今日はわずかな幸運と、あとコンマ02くらいの踏み込みが足りなかった。(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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THEピット――運命の戦い、終わる

2009_1222_0112 「めでたくないです」
 しまった、と思った。11R2着でファイナル進出を決めた田村隆信に、僕はつい「おめでとうございます」と声をかけていた。だが……その11R、田村は先頭を走りながら、2周1Mで抜かれている。逆転負けを喫しているのだ。敗れたという事実。もしかしたら、瓜生正義の超抜パワーにとても及ばない自身の機力。田村の頭には、優出したということ以前に、悔恨が占めていたのだろう。トップクラスの選手の心性というのは、そういうもの。これまで何度もピット取材でそうした場面に遭遇してきたのに、それを忘れていた……。というより、今節のひと味違う田村をずっと見続けてきながら、優出を決めた瞬間にそれを失念するとは、まだまだ甘い。田村隆信はやはり、特に今節は、厳しく己と向き合う強烈な勝負師なのだ。
2009_1221_0576  逆に、瓜生正義は本当におめでたいのである。逆転1着でファイナル進出。これほどまでに気分良く、またリズム良く優勝戦に迎えるのだから、それがすでに武器である。そのうえ、「アシは上のレベル。あとは回転を合わせるだけ」というほどに機力も仕上げたのだから、鬼に金棒だろう。
「このところずっと悪かったから、このへんでアピールしておかないと笹川賞に出られないかもしれないから(笑)」
 こんな軽口が飛び出すのは、気力も仕上がっている証拠だろう。ま、彼が笹川賞に選ばれないなんてことはありえませんけどね。というか、瓜生選手、優出した瞬間に笹川賞は優先出場でございます(笑)。

2009_1222_0180  11R終了時点で優出を決めたのは以上の2人。原田幸哉は昨日のFで、また今垣光太郎は2Mまさかの転覆で、優出はかなわないこととなっていた(今垣は明日の順位決定戦に名前があるように、大きなケガはありませんでした。小走りでモーター格納に向かう姿も目撃)。また、4着の赤岩善生はほんのわずかな可能性は残されていたけれども、それは12Rで複数の事故があるときのみであり、事実上「12分の6」は手からこぼれ落ちていた。さすがに顔色をなくしていたレース後だった。
2009_1222_0193  池田浩二は3着に入り、ボーダーと言われる21点に到達したが、これで当確とはならなかった。つまり、その時点では完走当確と言われていた12Rの坪井康晴と松井繁だって、結果次第では優出漏れの危険性があったのだ。
 12R、池田の進路を決めたのは、菊地孝平の5着だった。菊地も21点に達していたが、池田には3着があり、菊地にはない。着位差により、池田はギリギリ、ファイナルに滑り込んだのだった。
 さすがに目を細めて笑顔を作る池田。会見でも、「もちろん優勝はしたいけど」と前置きしながら、優勝戦に進めた幸運を口にしている。だから、いいレースをしたい、とも。開き直ったスーパーハイテクレーサー、むしろ怖い存在のようにも思えたが……。
2009_1222_0449  菊地の姿は、それと対照的だった。昨日の11R後の原田幸哉と同等に、もしかしたらそれ以上に、悲痛な姿を見せていたのだ。下を向き、視線を一点に見据え、真摯な表情で歩いているところは、僕が何度も書いてきた「モードに入っている」状態と変わらない。しかし、緑のカポックを突き抜けて発散されている雰囲気は、ただただ痛々しい……。5着ではファイナルに届かないことをわかっていたのだろう。池田と同じ点数を取りながら、この明暗の差よ……。報道陣などでごった返すピットの中で、菊地の周囲だけ明らかに悲しみのスペースが出来上がっていた。
2009_1222_0550  菊地と同じ立場なのに、田中信一郎はまたさらに対照的であった。ヘルメットを取った顔には、笑みすら浮かんでいたのだ。しかも目線は上に向けられている。やることはやった、という達成感のようにも見える表情に、しかし僕は別の感想を抱かずにはおれなかった。だって、満足などしているはずがない! 達成感などあるはずがない! 田中はむしろツラい思いで天を仰いだのではなかったか。いや、本人は肯定などしないかもしれないな。それでも書かずにはおれない。田中は胸中にうごめく悔恨と戦うために、笑顔を作ったのはなかったのか、と。
2009_1221_0621  またまた対照的に……って、いったいどこに戻っていくのか自分でもわからなくなってきたが、対照的であることが当然なのは、吉川元浩である。1着条件の勝負駆けを成功させたのだ。ヘルメットを取った顔がスッキリしていなければおかしいというものだ。その「スッキリ」という意味では田中とも変わらないが、もちろんこちらは本当に達成感であろう。「アシは完璧に仕上がった」状態で、坪井のイン逃げをきっちり差し捉えたのだから、ファイナルを見据えるという意味でも、最高の気分で明日を迎えることができるだろう。
 2009_1222_0275 一方、坪井康晴は、2着に敗れても前を向いていた。これは田村とは対照的だな……って、もう対照的とか言うのはやめておこう。1Mは無理なターンになってしまったとのことだが、「今日失敗しておいてよかった。明日はこれを活かして、落ち着いて臨みたい」というこの言葉は実にデカい。坪井は明日も1号艇を手にしたのだ! そう、今日の失敗がむしろ大きな大きな教訓データとなって、坪井にとっては武器にすらなるのである。それだけに、坪井の表情には、わずかな悔恨よりも明日への希望のほうが目立っていた。なんだかもう、ほとんど死角がないような気になってしまうのだけれど……。
_u4w7772 「レースは何が起こるかわからない」
 しかしそう言ったのは、松井繁である。この人がそう言うのだから、間違いない。死角の少ない1号艇の坪井が勝つとは限らない。そして松井は明日、全力でそれを現実のものとさせるべく戦いに臨むだろう。共同会見ではやや不機嫌にも見えた松井だったが、これは田村のそれと同種のものだと思う。そりゃあ4着は屈辱的であっただろう。だからこそ、松井は本気で「何が起こるかわからない」と考えていると思う。
_u4w7623  レースが終わった直後、いちばん最後に自艇を離れたのは、この松井と服部幸男だった。偶然だったのか、それともお互いが引き合ったのか、艇界最強の同期の桜は、並ぶようにして控室へと向かった。ともに悔恨を噛み締めながら。ともに己と向き合いながら。まったくもってこじつけにすぎると自覚しつつ言うが、あのとき松井は服部の思いも抱えたのだと思いたい。そしてそれは、「何が起こるかわからない」勝負というものの本質を見せつけることを松井に決心させたと思うのだ。いや、やっぱり僕がそう思いたいだけかもしれないが……。

 さあ、賞金王決定戦ファイナルのメンバーが出揃った。松井の言う通り、この最高峰の舞台だからこそ、何が起こるかわからない優勝戦である。だからこそ、そのわからない先にあるものが、最高の感動であることを心から願います。ファイナルの6戦士よ、スゴい賞金王を見せてくれ!(PHOTO TEXT/黒須田)


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速報 賞金王決定戦メンバー確定!

 3日間のトライアルがすべて終了し、明日の賞金王ファイナルの出場メンバーが決まりました! 1号艇は静岡の坪井。王者・松井は3号艇での巻き返しを狙います。

賞金王ファイナル

①坪井康晴(静岡)
②瓜生正義(福岡)
③松井 繁(大阪)
④田村隆信(徳島)
⑤吉川元浩(兵庫)
⑥池田浩二(愛知)


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“本紙予想”賞金王決定戦トライアル第3戦

さあ、運命のトライアル第3戦です。

11R トライアル第3戦     
進入もつれても田村が気合の逃走劇。瓜生のアシがいい。
◎田村 ○瓜生 ▲今垣 △原田
3連単1-264-全

12R トライアル第3戦   
坪井が逃げてファイナル1号艇をもぎ取る。差す吉川が本線。
◎坪井 ○吉川 ▲田中 △松井
3連単1-236-全


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H記者の『Let's TryANA!!』予想③

【予言】今日のトライアルは荒れます。少なくともひとつは万太郎になります。

11R
①田村隆信(徳島) ③
②瓜生正義(福岡) ②
③池田浩二(愛知) ③
④原田幸哉(愛知) ―
⑤赤岩善生(愛知) ①
⑥今垣光太郎(石川)④
進入1256/34??

 タイトルがいきなり英語になりましたが、とりたてて意味はありません。さてさて、私が幸哉なら「赤岩1着、瓜生2着、池田3着で、できれば同県、同期の3人ともファイナルに行ってほしいなぁ」なんて思うかも。が、『艇界のバダ・ハリ』とも『ビースト・モンキー』とも呼ばれる幸哉が、そんな甘ったれた情を抱くはずがない!! 行きますよ、この野生児は。たとえ6コースでもコンマ20でも道中しつこく粘って上位を狙います。みんなタイトな勝負駆けだから、競りが続いている間に5番手、4番手、3番手、そして……? 枠のいい田村、パワーある瓜生からの2着付けが妙味。

3連単★12-4-全

12R
①坪井康晴(静岡) ☆
②吉川元浩(兵庫) ①
③田中信一郎(大阪)②
④服部幸男(静岡) ①
⑤松井 繁(大阪) ☆
⑥菊地孝平(静岡) ⑤
145/236????

 静岡VS近畿という分け方より、明日の1号艇争奪戦(坪井、松井、菊地)とファイナル勝負駆け(吉川、田中、服部)に分類して考えたほうがいいかも。まず前者のキーマンは松井で「勝てば文句なし、2、3着でも坪井に先着すれば1号艇の可能性がある」という思いが働きます。断言しますが、松井には「お腹いっぱいだから危険を避けてチンタラ走ろう」なんて気持ちは絶対にありませんよ。本気で坪井の首を獲りに行くんです。で、坪井よりいい着を取るには、どうすべきか。進入から動く。坪井を慌てさせるにはコレが一番。さらに松井が動けば1着勝負の服部も黙ってない。同期でスクラム組んでわっしょいわっしょいです。
 こんな展開になったら、誰に利があるかは明快でしょう。1着勝負駆けの吉川。センターから助走を取って一気のまくりを放ちます。2年前のように。同じくピン勝負・服部とのWヘッドにアウトから気楽に展開を突けそうな菊地へ。坪井と松井は、共倒れ?

3連単★24-6-全

 はい、見るからに無理筋ですけどね。でも、「荒れる」という予言は単なる希望的観測じゃないんですよ。実際にレースを見てもらえばわかります。もし万太郎が出なければ、今度こそ罰ゲームの「真冬の水神祭」を甘んじて受け入れます!!


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THEピット――気迫満点!

 空気は相当に慌ただしいのである。なにしろ、決定戦トライアルの最終戦にして、シリーズ戦準優という、超贅沢な一日。60人中30人が熱血勝負に臨むのだから、選手の動きは激しくなるし、溢れ出た闘志がピットの空気をかき回す。
 だが、その多くはシリーズ戦の選手のもので、決定戦組の動き出しは比較的遅いようだった。昨日までは3R発売中に着水し、試運転に出る選手が多かったのに、今日は同じ時間帯でも係留所に決定戦組のボートが見えないのだ。ということはもちろん、装着場にカラフルなカウリングのボートがあるわけであり、そのかたわらやペラ室、整備室にベスト12戦士の姿は散見されるのであった。
2009_1220_0416  試運転の水面を眺めていたら、左側にどえらい圧力を感じたので、ふと顔を向けると、松井繁! ペラを手にし、視線を向けながら、威圧感たっぷりに自艇のもとに向かうところだった。気づけば、僕は松井のボートの至近に立っていたのであり、思わずとびのきながら、松井にぺこぺこと頭を下げるはめになったのだった。松井は、気合満点の視線をこちらに向けて、「おはようっす」。そんなごくごく普通の一言が、まるでありがたいご託宣のように思える。
2009_1221_0903  松井のボートから離れて振り向くと、その隣の隣には菊地孝平のボートがあって、ヘリに腰かけながらペラをじーーーーーーーっと凝視する姿があった。今日もモードに入っている! やがて菊地はペラ室へと歩き出したが、視線は下方一点集中、コンピュータフル回転で、自分の世界に入り込んでいるようだった。
2009_1221_0390  そんな菊地を眺めつつたらたら歩いていると、整備室前でモーターを装着している田村隆信に遭遇。こちらの存在に気づくと、一瞬だけ優しい目つきになって、しかし即座に気合スイッチを入れて、力強い声で挨拶をしてきた。そしてすぐにモーターに視線を戻す。うむ、やはり田村はひと味違う。その後、井口佳典、森高一真らと銀河会議をしていたが、田村も含めて3人の顔には笑顔が見えなかった。
 朝からみな、気迫満点だ!

2009_1221_0921  そうしたなか、早くから水面に飛び出していたのは、服部幸男である。シリーズ組が試運転を繰り返す中にひとり混じって、延々と駆け続ける。今日は気温がやや上がっており、それもあって手応えを再確認しているところなのだろうが、それ以上に駆ける姿からは気合がほとばしって見えた。相手を変えながら足合わせを何本も何本もこなしていく服部。水面にあるただ1艇のカラーリングボートが眩しく見えた。
2009_1221_0820  おっと、忘れちゃいけない今垣光太郎。彼も早々に着水して、係留所での調整に励んでいた。モーターを始動し、ニードルのあたりに触れながら、回転調整。今日は前付けに出る腹積もりだそうだが、そのための準備を早い時間から着々と進めているようだ。試運転タイムが終了する直前に1周だけ水面へ。その後はふたたび係留所に戻り、同じように調整を続けていた。

2009_1221_0017  その他の選手では、瓜生正義が装着場で入念な装着作業でモーターと向き合う姿。とりたてて普段と変わった様子はない。赤岩善生は整備室から出てくるところを見かけているが、厳しく真剣な顔つきはいつものこと。肩に力の入った様子はない。坪井康晴もリラックスしている様子で、1号艇のプレッシャーよりファイナル当確の余裕のほうが大きいのだろう。田中信一郎は整備室に姿が。太田和美や湯川浩司と話している表情はスッキリした印象。少し硬くなっているようにも見えるのは池田浩二で、一人歩きながら、時折なぜか顔をしかめたりしていた。
2009_1221_0942  もう一人、昨日Fに散ってしまった原田幸哉は、4R前に苦笑いを見せながら歩み寄ってきた。
「ファンの方たちに謝っておいてください」
 原田が開口一番言ったのはそれだ。原田は自身の悔恨をぐっと噛み締めながら、ファンに申し訳ないことをしたと気にしている。
 それから、原田とはさまざまなことを話した。ここで書くことがあるとするなら、昨日のレースは悔いのない戦いをしようとした結果であり、実際に悔いはないが、結果に対しては本当に悔しい、ということ。B級に落ちること、しばらくSGに登場できないことなどについても語ってはいたが、それについては一言、原田はすでにその事実を真っ向から受け止めている。それらに対して、僕も自身の思いを告げた。今思い出してみれば、僕も原田も、何度も同じことを繰り返し話していたような気がする。
 それでも、だ。原田はすでに前を向いている。今日、そして明日も、絶対に緩めることはない。「しばらく表舞台から消えるから、忘れられないように、いいレースを見せたいですよね」。外枠が動く可能性があるので6コースになるかもしれないが、しかしハナから6コース回り、スタート慎重、旋回穏やか、などとレースを降りるつもりはないようだ。
 たしかに黄金のヘルメットをかぶる権利は失った。だが、むしろ注目すべきは、原田の意地の走りなのかもしれない。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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5日目! 決定戦ファイナルメンバーが決まります

おはようございます。賞金王決定戦5日目、昨日もめちゃくちゃ贅沢な一日でしたが、今日は輪をかけて贅沢! まずは賞金王シリーズの準優勝戦3個レース。そして、賞金王決定戦トライアル第3戦! いよいよ賞金王ファイナリストが決まります! なにしろ、8Rから賞典レースですからねえ。一日、おおいに楽しみましょう!

2009_1221_0129 白井英治がシリーズ戦準優1号艇。今度こそ、SG初制覇を!(PHOTO・中尾茂幸)


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THEピット――空気の違い

2009_1221_0964 「わぁっ」
 スリットを6艇が超えた瞬間、小さな悲鳴があがる。11Rを観戦していた選手の誰か、あるいは何人かが声の主だ。
「誰やっ」
 そう言ったのは、たぶん鎌田義。次の瞬間、スタート判定中の表示がともる。選手たちは、スタートの一瞬を見ただけで、早いスタートがあったことを察知したというのか。さらに次の瞬間、対岸のビジョンに「1号艇返還欠場」の文字が浮かび上がる。ピットの空気はスリットオーバーのコンマ02秒よりも短い時間で、一気に沈痛なものに変わった。
_u4w8324   原田幸哉、フライング……。
 レースを離脱して真っ先にピットに戻って来た原田は、さすがに前を向くことができないようだった。これは単なる賞典除外ではない。ずっとこの舞台に立つことを願って努力を続け、たくさんの試練を乗り越えた末に出場をかなえた賞金王決定戦なのだ。原田の胸の内を思えば、そこに渦巻くものをとても正視できそうにない。
 いちおう書いておけば、賞金王トライアルのS事故はSG準優と同様のものである。つまり、向こう4つのSGに原田は出場することができない(来年の総理杯~オーシャンカップまで)。また、原田はこれでF2であり、さらに休み未消化の前期Fも残っている。都合120日。1月14日から5月13日まで、原田は戦列を離れる……。
2009_1221_1181  あまりに悲痛な状況で、さすがに1着の菊地孝平も素直に喜ぶことはできないようだった。レース後も真剣な表情をまるで崩さなかった菊地だったが、それがモードに入ったままなのか、原田の心中を思いやってものなのかは、判断できなかった。会見後に原田と顔を合わせて、つらそうに顔をしかめた菊地の姿も見かけているが……。
2009_1221_0113  接戦を制して2着に入った瓜生正義は、もっと喜べない。同期の身に起こった悲しい事態を、もっとも重く受け止めたのはおそらく瓜生ではなかったか。会見では、「昨日ヘタ打った分……今日も1Mはヘタ打ったけど(笑)、その分も明日取り戻したい」と少しの笑顔を交えながら話していたが、「取り戻したい」には実は「同期の分」も含まれたのではないかと、邪推したくなった。

2009_1221_1210  そんな憂鬱の中で迎えた12Rだったが、1号艇の坪井康晴がインからコンマ08のスタートを決めたことは、ひたすら称賛したい! ほぼ全速で、ほぼカン通りだったというから、その集中力も素晴らしかった。
 そう言えば、11R後の会見で、菊地孝平は「無理なスタートをするつもりはないけど、安全なスタートをするつもりもない」と言ってのけている。坪井にしても、菊地にしても、これぞ賞金王戦士魂! 心から拍手を送りたいし、彼らが明日も明後日も最高の戦いで我々を興奮させてくれるものと確信する。
2009_1221_0382  その12Rでは、田村隆信の表情がとにかく気になった。2着だから、望むべき最高の結果とはいかないわけだが、しかし第3戦につながる大きな大きな2着だったはずだ。安堵があるのが普通だろうし、そうでなくともこれまで見てきた田村なら、もっと柔らかな表情を見せていたはずなのだ。
 だが、田村は終始一貫して厳しい表情を崩さなかった。そして、口調も淡々としていた。BOATBoy12月号でインタビューした際には、苦悩でさえあっけらかんと、目元に笑みを浮かべつつ話した田村である。明らかに、会見場には違う田村がいた。第3戦は1号艇を引き当てた。2戦連続して6号艇を引いてしまった今垣光太郎が前付け宣言しているとも伝えられる。それを投げかけられて田村は、質問を遮るくらいのタイミングで、「どこまででも(付き合う)」と言った。それも淡々と。これまでの田村なら、笑顔を返してもおかしくない質問に、今日はただただ決意のほどを述べた。しかも、厳しい表情で。どう考えても、そこにいたのはいつもの田村ではなかった。

 さて、本日も12R後にはトライアル第3戦の枠番抽選が行なわれている。今日も今日とて小屋の周囲は大混雑。抽選順はA組(結果的に12R)坪井→菊地→松井→吉川→服部→田中。B組(結果的に11R)瓜生→田村→今垣→赤岩→池田→原田。
_u4w8487  昨日はB組一発目で原田が1号艇を引いたが、今日はA組で一発目に1号艇が出た。白いタマを見た瞬間に、両手をパチンとはじいて喜びをあらわにする坪井。次に引いた菊地は、やはりタマを見た瞬間に「よっしゃっ!」。しかし次の瞬間、一斉にツッコミ入った。「滑ったなあ」。出てきたタマは緑色だったのであった。松井は5号艇を引いて、昨日に続いての苦笑。今日も今日とて一緒に観戦した笠原亮が好枠を願った服部は4号艇。笠原はそこそこ納得してうなずいたあと、「坪井さん、賞金王になれるかも!」と静岡勢の大健闘に嬉しそうな笑顔を見せて去っていった。
_u4w8504  B組。トップバッターの瓜生がまず2号艇を引く。それなりに満足そうだ。続いて引いた田村は……1号艇! この様子を見ていた井口佳典が、田村に向かって親指を立ててニッコリ笑った。しかし、である。白いタマが出た瞬間は、田村は眉ひとつ動かしていないのだ! 表情もまったく変わらず、少しも歓喜の様子を見せなかった。やっぱり、田村は何かが違う。原田がFに散った今、住之江の水面に何かを巻き起こすとするなら、この男のように思えるのだが……。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩=抽選 TEXT/黒須田)


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賞金王トライアル私見②

0・02秒…

11R
①原田幸哉 +02
②服部幸男 10
③瓜生正義 03
④吉川元浩 04
⑤菊地孝平 05
⑥今垣光太郎11

進入123/456

2009_1221_0849  原田にとって、人生の天地を分かつスリットだったかも知れない。鋭いスタートから豪快に逃げきって19点獲得。ファイナル当確の第一号になったかと思った瞬間、フライング失格のコールがなされた。痛い。痛すぎる。ファイナル当確=1億円&レーサー最高の名誉を同時に手にするチャンス、そして来年のSGの優先出走権獲得へ……明るい未来が一気に拓けるはずだった。チャレカ制覇で滑り込み参戦~賞金王Vというシンデレラ伝説の夢とともに。
 が、わずかコンマ02の勇み足が生み出したものは、来年1月14日から5月13日までのF休み=出走数不足でB2級降格……おそらく、今日の世界でいちばん残酷な0・02秒を、私はスタンドで観ていた。失格の判定が下ったとき「アホォォォッ!!」という絶叫が聞こえた。そして、スタンドはそれっきり、ちょっと間抜けたように静まり返った。眼前では他の5艇による激戦がはじまっているのに、ほとんどの人がぼんやり見ている。そりゃそうか。原田絡みの舟券を持っている人がどれだけいて、それ以外の舟券を持っている人はどれだけいるか。9割以上の人たちは、瓜生や吉川や今垣のデッドヒートをただ目で追いかけるだけの存在になってしまったのだ。トライアルにアクシデントは付き物だが、フライングで熱狂する人はいない。痛感した。
2009_1221_0119  私はといえば、原田以外の舟券をしこたま買っていたのに、やはり沈黙を守ったひとりだった。連軸の服部がはるか離れた最後方を走っていたのだ。私がゴールまでにやるここといえば、パワー比較くらいしかなかったな。2~4艇が常にもつれ合う展開は、パワー比較にもってこいだった。瓜生と吉川、瓜生がかなり強い。今垣よりもさらに強い。そしておそらく、先頭の菊地よりも。誰の目にも明らかだが、瓜生の追い上げだけが異様に目立つレースだった。服部は……Sで後手を踏み、何もできずに終わった。最近のインタビューで「トライアルは冷静になったもん勝ち」とコメントしてくれたが、昨日から冷静になりすぎているような気がした。
 まあ、とにもかくにもこのレースは原田幸哉の、

 いや、もう、この後に続けるべき言葉がちょっと見当たらない。

みんな、強い。

12R
①坪井康晴 08
②赤岩善生 13
③田村隆信 17
④池田浩二 24
⑤田中信一郎26
⑥松井 繁 12

進入1263/45

2009_1221_1175  松井が動いた。昨日、松井を深インへと誘導した田村の前、ぐいぐい割り込んで行く。スタート展示では動かなかったところに、松井の本気度、決意のほどが見てとれる前付けだった。坪井と赤岩がこれに付き合ってスロー水域は深めに。私は、このレースも荒れると直感した。坪井の起こしはジャスト90m。苦しいイン戦だ。荒れる。思ったが、坪井はコンマ08のトップSから楽々と逃げきった。イン選手のFの直後なのに、90起こしなのに、ゼロ台圧勝。
 みんな、巧くて強いな。
2009_1221_0100  1マークを鮮やかに先取りする坪井を見ながら、そう思った。恥ずかしいほど間の抜けた感想だが、そんな言葉しか思い浮かばなかった。昨日から、原田を除くイン3選手はすべてゼロ台。そして、完璧なターン。モンキーターンの成熟度はもはやマックスに達し、スタートさえヘグらなければ、まくらせない、差させない。そんな12人が集まれば、こんなレースになるのだ。「モンスター野中和夫は松井の何十倍も強かった。なんたって、インに固執せず、勝てる位置からガンガンまくれる男だったから」と語るベテラン舟券師は多いが、今このトライアルに往年のモンスターがいたとして、どれだけイン選手をまくりきることができるだろうか……。そんなことをぼんやり考えていた。競艇が劇的に進化したのだよ。成熟したのだよ。その進化と成熟がどれだけ競艇を面白くしているかは、まったく別問題だけど。
 レース後の抽選で、再び坪井は白い玉を引き当てた。明日も巧く強く逃げ切れば、ファイナルの1号艇も手にする。それも巧く強く逃げれば……結果的に、去年と同じような賞金王に帰結する。去年よりルールも進入も辛く激しくなったというのに、だ。それが50年間で進化し成熟した近代競艇の姿なのだろう。私には、その先、未来競艇の姿がいまはまったく見えない。(Photo/中尾茂幸、Text/H)


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速報 明日のトライアル枠番&勝負駆け!

 枠番抽選により明日のトライアルの出走メンバーが決まりました。昨日に続いて1号艇をゲットした坪井と、抜群の安定感を見せる王者・松井が完走当確。これとFに散った原田を除く9選手で残りの4ピットを奪い合うことになりそうです!

明日のトライアル枠順と勝負駆け状況

11R
①田村隆信(徳島) ③
②瓜生正義(福岡) ②
③池田浩二(愛知) ③
④原田幸哉(愛知) ―
⑤赤岩善生(愛知) ①
⑥今垣光太郎(石川)④

12R
①坪井康晴(静岡) ☆
②吉川元浩(兵庫) ①
③田中信一郎(大阪)②
④服部幸男(静岡) ①
⑤松井 繁(大阪) ☆
⑥菊地孝平(静岡) ⑤

(ボーダー想定21点、☆は完走当確)


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H記者の『レッツ・トライアナ』予想②

 な、なんと本紙のヒールKは2Rから6連勝中! 7Rに至ってはシルシとフォーカスが違ってるのに1-3-全が的中ってあなた……。ある意味、神がかってますね。でもって、ヤケクソで?ヒールKに乗っかったshowさんは負けなしの6連勝中ってことっすか???? パーフェクト的中もありえるってことっすか???? さらにさらに、しげ爺さんもウルトラ絶好調だし!!!! ただひとりカヤの外にいるのは…………
はい、私です。
 しかしっ!! 500倍一発でミラクル大逆転するのが極選なのだーーー!! ってなわけで、今日のトライアルもしっかり地雷を散りばめておきますぞ。

11R
 ①原田幸哉
○②服部幸男
◎③瓜生正義
 ④吉川元浩
 ⑤菊地孝平
 ⑥今垣光太郎
進入126/345か123/456

 瓜生が入れるかどうか微妙ですが、ここは目を瞑って126/345想定。すると、スローからでもモコモコ伸びる今垣の姿が浮かびます。例によってセンター絞りまくりを決行すると、インのアニマル幸哉は……? ゴッツンコがありえますね。一番差し服部と二番差し瓜生の一騎打ちになります!!

3連単★3=2-全

12R
★①坪井康晴
◎②赤岩善生
 ③田村隆信
 ④池田浩二
★⑤田中信一郎
 ⑥松井 繁
進入12356//4??????

 買うより観て楽しむレースかも。とにかく進入からウルトラ難解。スタート展示を見た所で本番はおそらく同じにはならないし。いくら考えてもキリがないので(といいつつ直前まで悩み続けそうだけど)昼の気配が抜群に見えた赤岩を狙い撃ちます。5着6着なんかだとベスト6は絶望的になりますからね、あの常滑チャレカを彷彿させる勝負駆けを決めてくれるはず。坪井を保険に、不気味な気配が漂う信一郎へ。

3連単★2-15-全

 さあ、ヒールKの連勝記録がどこまで伸びるか、しかと見届けておきましょう。そして、最後に笑うのは、きっと…………
私です。


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“本紙予想”賞金王決定戦トライアル第2戦

show様がかかってきた甲斐のある“本紙予想”4日目となり、嬉しいです。

11R トライアル第2戦     
原田がしっかりと逃げて、ファイナル当確へ。瓜生の自在ハンドルで同期ワンツー。
◎原田 ○瓜生 ▲今垣 △服部
3連単1-362-全

12R トライアル第2戦   
進入が難解な一戦。深くても坪井がもたせて逃走。松井が自在に捌いて上位へ。
◎坪井 ○松井 ▲赤岩 △田中
3連単1-625-全


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THEピット――決定戦もシリーズもピリピリ

 なんだか、ずいぶんとピリピリ感が増したなあ……。朝のピットに入って思ったのは、まずそのことだった。
 理由は、といえば、決定戦組はトライアルを1走し、手応えをつかみ、そして短期決戦の早くも2戦目を迎える。たった一度の失敗が命取りになるだけに、今日は是が非でもポイントを積み重ねたい一戦となる。一方、シリーズ組は準優への勝負駆けだ。もっとも気合走りが見られる一日。
 そうした2つの思いが絶妙に交錯して、この空気を作り出しているのか。
 昨日までに比べてずっと暖かいピットだというのに、選手たちの凛々しい顔つきを見ると、震えがくる。

_mg_0284  決定戦組では、何と言っても今垣光太郎である。3R発売中に本格的に動き出す選手が多かったなか、今垣は1R前から着水し、懸命な調整を続けていた。整備室で見るような執拗な調整ぶりは、まさしく整備の鬼の姿。それが今日は、係留所あたりで見られたわけである。陸に上がると、今垣はすぐに走りだす。移動はすべて、ダッシュなのだ。コンマ10秒も無駄にはしたくない、とばかりに、今垣は走る。今朝、今垣が歩いている姿はいっさい見ることがなかった。
_u4w7331  顔つきが厳しかったのは、坪井康晴、池田浩二、田中信一郎といったあたりか。このうち坪井と田中は、昨日はむしろ穏やかだった気がするだけに、一夜明けて雰囲気がすっかり変ったようにも思える。明らかな点は、坪井が昨日よりもずっと速足だったことだ。あ、菊地孝平も変わらずモードに入っていて、今日はちょっと怖いほど。顔つきの力強さがタダゴトではなくなってきている。
_u4w7353 赤岩善生は、むしろスッキリした顔つきに見えた。怖いくらいの鋭い表情なのはいつも通りだが、しかし視線の圧力はそれほどでもない。もちろん、気が抜けたとか闘志が失せたということではなく、むしろ明鏡止水の境地にいるようにすら思える。ようするに、非常にいい雰囲気なのである。
_u4w7393  チャーリー池上カメラマンが「瓜生さん、怖くないっすか?」と言っていたが、僕の目に映る瓜生正義は、むしろ逆。まったくいつも通りの、スマイリーな瓜生である。挨拶をしても、朗らかに返してくれるし。瓜生の心をほぐしているのは、どうも鳥飼眞のようだが、とにかく瓜生は瓜生、なのである。ただ、チャーリーの意見を少し採用するなら、真剣な表情のときにはたしかに目つきが何割増しか鋭いように思う。平常心で過ごしていても、レースや作業に思いを馳せれば自然と闘志が高まる。それは、非常にいい過ごし方をしている、と言っていいのだと思う。

_u4w7469  さて、昨日の記事で書いた、原田幸哉の調整。今朝、話を聞いてみたところ、ビンゴだった。やはりスローの利き具合の調整だったそうだ。しかし、昨日は結局ダッシュ戦。4号艇だったし、カマす公算が高かったのではないだろうか。
「そうなんですけど、もし6号艇も回り込んできたら抵抗していたかもしれないし、どこからでも行けるように調整したんですよ。トライアルは1走たりとも失敗できないし、やれることは全部やっておこうと思って」
 そう語る原田のなかには、実はチャレカ優勝戦の進入の失敗が大きな反省材料としてあるようだ。どんな状況になっても、しっかり対応すること。そもそも、あのような失敗をしないこと。たった3戦しかないトライアルだから、あの優勝戦をふまえて、原田はすべての準備をしているのだ。
「昨日は怖々の調整だったけど、今日は絶対にスローだから(笑)、もう一度昨日の調整をしてみます」
 今日は絶対にスロー、というより、今日は絶対にイン。(笑)はもちろん、あのチャレカについての自虐的ギャグなのだろう。そんなふうに笑える原田には、間違いなく波が来ている。

2009_1218_0697  シリーズ組でもっとも緊迫感が伝わって来たのは、白井英治である。無事故完走で準優当確ということはわかっているはずなのだが、どうやらまるで緩めるつもりはないらしい。このクラスには当たり前のことだが、爽やかな男っぽさが昨日以上に強くなっているのを見て、「今度こそSG初制覇か?」と思わずにはいられなかった。重成一人と並んで歩いている姿を見たときも、重成は爽快に笑っているのに、白井はほとんど顔をほころばせるところがなかった。何かの決意が心を満たしているのは間違いないと思う。
2009_1217_0624  三角哲男の鋭い表情も印象的だった。予選突破はかなり苦しい状況になっているが、気合みなぎる表情は、めちゃくちゃカッコいい! 決定戦組も含め、今朝の雰囲気は超抜に見えたぞ。

 そんな雰囲気のなかで、笑顔も2度。山本修一と福島勇樹がSG初1着だ! 水神祭の模様は後ほど!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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4日目! シリーズは勝負駆け!

おはようございます。賞金王決定戦4日目、シリーズ戦は勝負駆けの日であります。1~10Rは、準優に向けての激烈バトル。11~12Rはトライアル2戦目。贅沢ですなあ。

2009_1220_0011 SG2節目の今井貴士が今日、準優勝負駆けに臨みます。ピンピン発進も、昨日は大敗を喫してしまい、本日が剣が峰。この試練を乗り越えて、ビッグになってください!(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――やっぱり賞金王の空気!

 やはり賞金王決定戦は特別な舞台だ。時間を追うごとに、ピットがどんどんとそれらしい空気になっていく。シリーズ組は10Rが終わればほぼ動きがなくなるから(例によって木村光宏は試運転をしていたけれども)、ピットは次第に閑散としていく。そして、刻一刻と神聖さを増していく。
_u4w6898  それをもっとも体現していたのは、菊地孝平だったと思う。朝からモードに入っている、ということは前半の記事に書いたが、その様子はレースが近づいていっても変わることはなかった。調整用係留所につけたボートに乗り込んで、微細な調整を執拗なまでに行なう姿は、紛れもなく決定戦出場者の特別感を醸し出していた。とにかく、その集中力は超ド級。菊地の瞳は、1秒ごとに鋭さをたたえていっているように見えた。
 その特別な心がもたらしたのだろう。12R、コンマ03! 笠原亮が教えてくれたところによると、なんと「カン通り」だったというのだから、凄すぎる。コンマ03が見えるスタート力って! 準備の時間も、戦いに臨んでも、菊地は完全に自分の世界に没入しているのだ。
2009_1220_0517  田中信一郎も、近いものを感じさせてくれた一人だ。12R出走の田中は、11R発売中に展示ピットにボートをつけなければならない。10Rが行なわれている間は調整用ピットにあった田中のボートは、しかしすんなり展示ピットには入らなかった。松井繁が真っ先に入り、続いて4艇までが収まった展示ピット、その後エンジンを始動した田中は、そのまま水面へと飛び出していったのだ。このギリギリのタイミングで試運転! スロー水域のあたりと、6コースあたりの走路をおそらく意識的に走って手応えを確かめた田中は、やっと展示ピットにボートを進めている。
 しかし、それでも田中の最後の調整は終わらない! 入念な点検をしばし展示ピットに収まったボート上で行なった田中は、陸の上では全力疾走で移動。少しの時間のロスもなくしたいとばかりに、残された時間を懸命に費やしていたのだ。
_u4w6856  12R出走組で、最後に展示ピットにボートを入れたのは、原田幸哉だった。田中よりも後なのだ。というより、田中がようやく控室に消えた頃、原田は調整用係留所のボートにやってきて、最後の調整を始めている。モーターを始動し、レバーは握らず低速回転のままにして、モーターを見つめながら何かの調整を念入りに行なっている。「何か」と書いたのは、原田のやっていたような調整を見た記憶がないからだ。今日の時点では確認できなかったので、明日聞いてみようと思っているが、時にモーターを下に押して(つまり舳先を浮かせて)いたりもしたところを見ると、スローの利き具合を確認しているのではないか、と見えた(見当違いだったらすみません。実際レースではダッシュだったし)。これを原田は、延々と、本当に延々と続けて、11Rの発走時刻にかなり近づいたあたりで、ようやく展示ピットにつけている。

_u4w7677  レース後の様子で印象的だったのは、むしろ11R組だったかもしれない。3着の坪井康晴、5着の赤岩善生が、レース後すぐにギアケースの調整を始めたのだ。残された時間は12R発売中のみだから、もはやタイムリミットは間近。しかし、坪井も赤岩も、迷うことなく整備室にこもり、懸命の調整に突入したのである。時間がないから、坪井の表情にはやや焦りさえ浮かんでおり、赤岩は工具か何かを取りに行ったのだろう、何度か整備室から控室方向に猛ダッシュ。文字通りの全力疾走を見せていた。
_u4w7110_2  今垣光太郎も、レース後はモーターと向き合う時間を作っていた。具体的にどこをいじっているというようには見えなかったが、点検にしてもかなり長い時間を費やしていた今垣。これはいつも通りという気もしないではないが、普段よりも今垣の顔つきは厳しかったように思う。
 その今垣は、2着に入っての共同会見で、珍しく饒舌であった。いや、普段の光ちゃんは実は饒舌なのだが、人前に出るというか、インタビューの類いのものでは、言葉を慎重に選んで話すため、あまり多くを語らない場合が多いように思う。だというのに、会見では流れるように言葉が溢れ出したのだ。その発言の基本ラインは「モーターに力強さがない」ということ。このままでは優勝を狙えないとも語ったほど、パワーに納得していないようだった。それに関して、今垣はたくさんの言葉で表現をした。ここですべてを書き切ることはできないが、「決定戦の中では8位か9位くらいのモーターです。6位くらいでいいので、もうちょっとアップしたい」と言って笑ったりもしていたのだから、いつもの会見での今垣光太郎ではなかったのだ。

_u4w6840  トライアル初戦を1着で飾った池田浩二と松井繁にしても、もちろん特別感は発散していたように思う。シンガリ負けという結果に苦笑するしかなかった吉川元浩と瓜生正義も、醸し出す落胆ぶりは、普段のSG以上のものがあった。服部幸男も、レース後、坪井との3着争いに競り負けたシーンをリプレイで見ながら、言葉少なにその場を去ったあたり、悔恨をより深めているという印象だった。そして、田村隆信は進入で、最高の特別感をプレゼントしてくれた!
 たしかに、午後のピットには賞金王決定戦の空気があったのである。

 さて、12R後に行なわれたトライアル第2戦の枠番抽選。念のために書いておくと、A組が各レースの1、3、5着。B組が2、4、6着。A組→B組の順番で抽選が行なわれ、着順が上の選手からガラポンを回す。同着順同士は、じゃんけんぽんで後先を決め、抽選開始前にはベスト12戦士たちの「最初はグーッ!」の声が響き渡ることになる。ちなみに、抽選順はA組=池田、松井、田中、坪井、田村、赤岩。B組=原田、今垣、服部、菊地、瓜生、吉川。
_mg_0293  いざ抽選という段階になって、その場にいなかったのは池田浩二。1着組なのだから、真っ先に抽選をしなきゃいけないのに、なぜか姿が見えなかったのだ。原田幸哉が「コージーッ!」と大声で探しに行って、池田はバツが悪そうにあらわれた。そして松井とじゃんけんぽん……あら、勝っちゃった! というわけで、最後に登場した池田がトップバッターになったのでありました。引いたのは4号艇。
_mg_0298  続いて引いた松井は、「6号艇」のコールに思わず苦笑。優勝した2006年がこのパターンだったなあ。次の田中は「5号艇」に顔をしかめる。2戦連続で外枠ですからね……。で、次に引いた坪井が1号艇を引き当てて、両手をパチンと叩いて喜びをあらわす。赤岩はモーター抽選も最後、2戦目の抽選も最後。しかし残り物にはまあまあの福があって、2号艇であった。
_mg_0309_2  B組は、いきなり「よっしゃぁぁぁぁぁ!」の声が響き渡っている。一番目に引いた原田が1号艇を引き当てたのだ。その後の原田はとにかくニコニコ。一緒に見ていた笠原亮が「原田さんは流れが来ているなあ」と、チャレカの活躍にも思いをはせつつ、感心していた。次に引いた今垣は、6号艇。しかし、特に表情も変えずにその場を離れている。続く選手たちも、もう白いカポックが残っていないから、わりと淡々とガラポンを回し、最後の吉川が4号艇を引いて、抽選が終了した。
 組み合わせについては、別項をご参照いただきたい。悲喜こもごもの抽選は、見ているこちらとしては、上質のエンターテインメントである。JLCのカメラも来ていたけど、中継はしたのかな? もし映像が見られるのなら、ぜひチェック!(PHOTO/中尾茂幸=田中 それ以外はチャーリー TEXT/黒須田)


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賞金王トライアル私見①

外内、一閃斬り

11R
①池田浩二 08
②今垣光太郎05
③吉川元浩 04
④坪井康晴 10
⑤服部幸男 13
⑥赤岩善生 24

進入1234/56

_u4w7527  枠なり4対2、とはいえ服部がそれなりに牽制したため、池田にとって楽なイン戦ではなかった。起こしはジャスト100m。やや深めからコンマ08をマークした集中力は高く評価できる。さらに早い05スタートの今垣は、やや右に斜行してたっぷりとマイシロを取ってからの差しハンドル。その上を04トップSの吉川が握って攻める。
 1マーク、池田はこの吉川の攻めに対してお尻(艇尾)をプリンと振るようにして完全ブロック、これで当面の敵を封じると、すぐに左にハンドルを切って今垣を締め潰してしまった。この間、わずか3秒ほどか。パワー云々というより池田の反射神経、アスリートとしての身体能力がキラリ光る1マークだった。張り飛ばされたとはいえ、吉川のキップのいい攻めも天晴れ。
_u4w7564  2マークから熾烈を極めたのが坪井と服部の3着争いだ。抜きつ抜かれつのデッドヒートで服部が2艇身ほど優位に立ったが、坪井の十八番「2周1マーク全速鋭角差し」が炸裂して逆転。この男の2周1マークは実に辛く巧く速い。2周ビッシリ競っての感想は、サイドの掛かりと回ってすぐのレース足は坪井が上。セカンド~サードの伸びは服部に分があるように見えたが、ちょっと後伸びすぎるかもしれない。赤岩はS遅れがすべてでパワーは不明だし、吉川もパワー的に悲観する必要はないだろう。明日もセンター枠の4号艇で、不気味な存在だ。

王の舞い

12R
①松井 繁 06
②菊地孝平 03
③瓜生正義 05
④原田幸哉 11
⑤田村隆信 10
⑥田中信一郎08

進入152/346

_u4w7729   松井、恐るべし! それがレースを終わっての実感だ。進入で動いたのは田村。インまで奪えそうな勢いでグイグイ攻め、松井に窮屈なインを強要した。松井はどんどん深くなって、起こしは90m。それで06発進なのだから「さすが王者」と唸るしかないが、圧巻はそれからだ。田村がやや凹んで、たっぷり助走を取った菊地がコンマ03!しかも全速!! イン選手にとってこの核弾頭は脅威だし、絶体絶命の隊形でもあったはずだ。菊地は攻めた。2コースがやや凹んでいるのだから、攻めにも拍車がかかる。松井にもその姿が見えた。見えた、とレース後に言っている。だがしかし、松井の1マークのターンはどうだ!? 握りすぎず落としすぎず、ブイを舐めるようにして旋回した。この完璧すぎるターンで菊地は置き去りにされた。「張り飛ばした」というより「何もさせなかった」が正しい表現だろう。王者に1ミリの焦りもなかった。ターンに1ミリの狂いもなかった。だから、勝てた。
 今年もまたトライアルは「逃げ」「逃げ」で幕を開けたが、内容としては去年よりはるかに濃厚な逃走劇だった。「逃がし」決着ではなかった。100を切る深めの起こし、コンマゼロ台が鈴なりの早いスリット、センター勢の猛攻……それらのピンチを池田は抜群の身体能力で、松井はとてつもない精神力で一瞬にして跳ね除けた。池田だから、松井だから逃げ切れた。わずかな失着でもあれば、大敗さえありえるギリギリの状況下で……こんな「逃げ」なら、何の不満もないのだよ。

_u4w7692  で、特筆すべきは、松井の逃げをよりスリリングに演出した田村の進入だ。この田村の“英断”によって、明日以降のトライアルも進入から活性化する(明日の12Rの枠番を見たまえ!松井が、田中がそのまま黙って田村の3コースを許すだろうか?)。最終日までの全レースが有機的に連動しはじめる。12人全員が勝つためのコースを模索し行動に移す。だから、明日のトライアルはスタート展示を鵜呑みにしてはいけない。きっと、本番で他の選手を(=ファンの目を)出し抜く選手も出てくるはずだ。他を欺き、本番のみ真剣を振りかざす一発勝負。そんな賞金王トライアルは、もちろん私の理想でもある。(Photo/チャーリー池上、Text/H)


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速報 明日のトライアル!

 レース後の抽選会によって、明日11&12Rの枠番が決まりました! V候補の王者・松井はなんとなんと6号艇に。一方、松井とともに10点をゲットした池田は4号艇。この賞金1、2位の激突が今から待ち遠しい!!

11R
①原田幸哉
②服部幸男
③瓜生正義
④吉川元浩
⑤菊地孝平
⑥今垣光太郎

12R
①坪井康晴
②赤岩善生
③田村隆信
④池田浩二
⑤田中信一郎
⑥松井 繁


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H記者の『レッツ トライアナ!』予想PART1

 皆さんのステキな罰ゲーム書き込みに、感動しまくりのHです。って、あのぉ……新幹線は確かに1本乗り遅れましたけど、ちゃんと1R(SM極選轟沈、丸ちゃん握れや~~><)には間に合ったし、ここまでボコられるだなんて……はい、あまりに極選が不甲斐なくて、皆さんの無意識の怒りがこんな形で現れているのでありましょう。「ワースト級の辻」があの大活躍だし……はい、いくつかの罰ゲームは甘んじて受けるとしましょう! 憲吾郎どの、23日12Rの舟券は買いませんよ、ええ、絶対に買いませんとも、蒲郡オール女子戦の12Rは……はい、すみません。
 さて、待ちに待ったトライアルです! 去年のような「6R中5本が逃がし」なんていうレースは許しません。服部曰く「トライアルはある意味、殺し合い」ですからね。まあ、今日は池田と松井が鉄板かもしれないけど、常に穴フォーカスも散りばめていきますぞ!名付けて「トライ穴」!!(…………これも罰ゲームっすか)

11R
①池田浩二
②今垣光太郎
③吉川元浩
④坪井康晴
⑤服部幸男
⑥赤岩善生
進入12346/5

 穴を期待するなら進入からもつれる展開を想定すべきでしょう。枠なり3対3で130m起こしなら池田が99%逃げ切りますから。私の進入予想は「服部と赤岩が攻めに攻めて、服部だけが回り直し」というもの。根拠はありませんが、服部の方が激しく攻めて回りなおすような気がするのです。で、服部が単騎ガマシから2着入線します。池田との1-5を保険に、特訓での行き足がいい吉川との3-5勝負。

3連単★13-5-全

12R
①松井 繁
②菊地孝平
③瓜生正義
④原田幸哉
⑤田村隆信
⑥田中信一郎
進入162/345

 やる気満々の信一郎がどこまで入るか。原田、田村あたりも抵抗して結局は枠なりという見方もできますが、私は信一郎がツケマイ気味に攻めて2コースを奪うとみます。そうならない限り99・9%松井の逃げ。だって、実は菊地が2コースのときの「逃がし率」って非常に高いのです。艇界一のS勘が、インにとって絶好の壁になるんですね。だから、信一郎を入れての3コース想定。無理やりだろうがヤケクソだろうが3コース想定。ならば、菊地が覗いたときのインの脅威は格段に違う。松井は菊地のS一撃を恐れてガツンと握ります。そこで空いたスペースに突っ込むのは、やはりS力がある原田という気がします。菊地と松井へ。

3連単★4-12-全

 さ、これからもっとも得票数の多かった罰ゲーム「真冬の水神祭」に行ってきま~す!(写真は明日アップする予定とかbyK記者)


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“本紙予想”賞金王決定戦トライアル第1戦

極選を尻目に、ぼちぼち好調の“本紙予想”ですね。さあ、賞金王決定戦!

11R トライアル第1戦     
池田が賞金1位のプライドで逃走決める。吉川の自在攻めが本線。
◎池田 ○吉川 ▲今垣 △赤岩
3連単1-326-全

12R トライアル第1戦   
松井が意地にかけても逃げ切る。瓜生の巧みな旋回が迫る。
◎松井 ○瓜生 ▲菊地 △田中
3連単1-326-全


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THEピット――決定戦の空気?

2009_1219_0743 「やはり賞金王決定戦は違う。それは出た者でなければ、絶対にわからない」
 赤岩善生がそう言っていた。たしかに、それは毎年の賞金王ピット取材で実感してきたことではある。シリーズ組と決定戦組には、同じピットにいながら、確実に違う空気がある。賞金王決定戦の空気というものが、間違いなくある。
 だが、今朝はそれをそこまで強くは感じなかった。まだ一戦もしていないし、勝負の時までに時間があるからだろうか。赤岩にしても、動き自体はいつもと同じ。じっくりと自分の調整をして、それからモーターを装着する。顔つきがキリリとしているのも、いつものことだ。声をかけると、口元をぎゅっと締めたまま、力強い目つきで会釈を返す。それもまた、普段の赤岩とどこも変わりはない。
2009_1220_0253  瓜生正義の顔が朗らかであることも、どのSGのときとも変わらない。緊張感がないとは言わないが、しかし平常心を保てている様子であるのは、まさしく瓜生らしさというものだろう。慌てた様子で走り回ることもなく、マイペースで調整しているあたりは、機力に手応えがあるときの瓜生そのもの。彼が乗るボートのカウリングが赤く染められている以外は、ここが賞金王決定戦のピットであることを感じさせないものだ。
2009_1220_0184  坪井康晴も、肩の力が抜けた感じで、いつもの坪井康晴。今垣光太郎が眉間にシワを寄せつつモーターと向き合っているのも、いつもの今垣光太郎。田中信一郎が湯川浩司と笑顔で言葉を交わし合っているのも、いつもの田中信一郎。吉川元浩が男っぽい顔つきで水面を見つめているのも、いつもの吉川元浩。哲人の面差しを見せる服部幸男も、いつもの服部幸男だ。
2009_1220_0199  そんななか、菊地孝平が早くもモードに入っているのが印象に残った。視線を下に向けつつ、怖いくらいの厳しい顔つきで、じっと思念をめぐらせながら、まっすぐ歩いていく姿。まさしく集中力を極限まで高め、頭脳をフル回転しているときの菊地孝平で、すなわち勝負態勢に入った姿なのだ。気になるのは、機力万全のときほど、こうした姿は見られないということ。どこかに調整の余地を残しているときに、菊地はこうしたモードに入りやすい気がする。もちろん、レースの直前にはいつだってモードに入るのだけれど。
 原田幸哉も、少しばかりの緊張感を覚えているように見えた。チャレカの優勝戦のときのほうが、よっぽどリラックスしてたんじゃないかなあ……と思えるようなキツい目つきで、水面を眺めていたりするのである。久しぶりの賞金王、心地よい緊張を味わっているのだろうか。

2009_1220_0057_2  調整が目に入ったのは、田村隆信。整備室の前までボートを運んで、ギアケースを外しにかかった。手際よく工具を操ると、そのまま整備室の中へ。いったん装着したモーターから部品などを外して整備にとりかかっていたのは、田村だけだった。
2009_1220_0209  池田浩二は、装着自体がいちばん最後になったようで、検査員さんのチェックを受けると、その後はペラを外してペラ室へ。3R発走の直前にペラ室をのぞいたら、こちらがわに背中を向けるかたちで、集中してペラを叩いていた。
 松井繁は何か気になることがあったのだろうか、ボートリフト近くに置いてあったボートから、整備士さんを呼びに整備室に向かっているのを見かけた。呼ばれた整備士さんとボートに戻り、モーターを見ながら長い時間、話をしている。アドバイスを受けているというより、松井がいろいろと質問をしている様子に見えたのだが、果たして。2009_1220_0466 エンジン吊りに出てきた服部が、そんな松井に歩み寄る。松井は身振り手振りで服部に説明。服部はポケットに手を突っこんだまま、ふんふんと冷静に耳を傾けていた。服部が一言返すと、松井は納得したようにうなずいて、調整に戻った。明らかに、服部の一言が松井の背中を押す気つけ薬になっていたようだった。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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3日目! トライアルスタート!

おはようございます。賞金王決定戦、3日目です。本日より決定戦トライアルがスタートです! いよいよ始まるベスト12戦士による究極バトル。スゴい賞金王を見せてほしい! そんな願いをこめて、水面をギュリギュリギュリと見つめていきましょう!

2009_1219_0851 もちろん賞金王シリーズも佳境です。3戦2勝の平石和男には、ベテランの意地を見せてほしいものです。(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――決定戦とシリーズのコラボレーション

2009_1219_0464  3R発売中には、12戦士のほとんどのボートが係留所にあった。決定戦組はみな素早く装着し、着水した。そして、いち早く水面に飛び出して、手応えを確認しようとした。
 何気なく、決定戦組の、艇番カラーのカウリングがついたボートを数える。1、2、……11。1艇足りない。もう一度数える。やはり11。まだ着水していない選手が一人いる。誰だ?
 すぐにピンと来た。整備室に走る。やはり。
 今垣光太郎が、執拗にモーターの点検をしているのだった。今垣は、普段のSGでもこうなのだ。モーターを受け取ると、納得いくまで点検する。だから、装着はいつもいちばん最後。水面に試運転艇のモーター音がバリバリ響くなか、整備室にポツンと残る。
 賞金王決定戦でも、その姿勢は変わらないのだ。いつ、どんなときでも、自分のスタイルを貫く。最近「平常心」という言葉を連発する今垣だが、たぶん彼はいつだって平常心。自分を貫くこの姿が、彼の平常心なのだ。
2009_1219_0728  その今垣に、今日一日を通して寄り添っていたのは、中島孝平である。中島もまた、どんな場面でも表情を変えずに、己を貫き通すタイプ。そんな二人が一緒にいる場面を、今日は本当によく見かけた。同支部なのだから、エンジン吊りなどで行動をともにするのは当たり前。それでも、たとえば石田政吾や萩原秀人以上に、今垣がよく会話を交わしていたのは中島なのである。二人には、きっと通じ合うものがある。

2009_1219_0622    やっぱり東海勢は今ノッてるなあ。つくづく痛感させられるのは、東海勢が出走しているレースのエンジン吊りである。ボートを囲んでいる選手が「賞金王ジャンパー」ばかりなのだ。服部幸男、菊地孝平、坪井康晴の静岡勢に、原田幸哉、池田浩二、赤岩善生の愛知勢。総勢6名! 12ピットの半分を東海の選手が占めているのである。
 だから、たとえば新田雄史のエンジン吊りは大変な騒ぎだ。SG初出場の若武者を、強者の証をまとった者たちが取り囲んでいるのである。どえらい光景だなあ、と思う。そして、新田は幸せだなあ、とも思う。この空気が、期待の若武者をきっと成長させる。
2009_1219_0588_2  そういえば、服部、菊地、坪井の静岡軍団は、前検の航走(スタート練習3本とタイム測定)が終わったあとも、モーターを格納しなかった。さらに試運転を続けるつもりだったのだ。菊地など、ボートを陸に上げさえもしなかった。彼らは徹底的に、水面ではレースが繰り広げられているのに自分のレースはないという特別な一日を、使う心づもりらしかった。
2009_1217_0255  そんな菊地のすぐそばを、佐々木康幸が通り過ぎていく。前半の記事で、菊地と徳増秀樹の絡みを書いているが、そういえば佐々木と菊地の絡みはほとんど見ていないような気がした。これが坪井と佐々木でも同じこと。服部は佐々木の師匠なのに、その絡みも目撃していない。笠原亮が先輩の決定戦組と絡んでいるのは見ているのに。
 佐々木は機力に苦しんでいる様子だ。今日は2走とも舟券に絡めなかった。レース後の佐々木は、ヘルメットの奥でツラそうな表情をし、そして首をかしげた。その横に、ハツラツと決定戦への準備をする菊地がいる。何かを象徴している明暗に見えて、賞金王決定戦のピットとは何かということを、改めて考えたりもした。

2009_1219_1137  試運転をとことん続けたもう一人は、吉川元浩である。いちばん最後まで着水したままだったのは、静岡勢ではなくこちらだ。会見では、モーターに手応えがあることを表明していたが、それでも吉川はさらなる上昇を目指し、静寂に包まれかけている係留所に残った。
2009_1219_1171  そのパートナーとなっていたのが、鎌田義である。もちろん、自身の調整という意味もあるだろう。というより、そちらの意味のほうが大きいかもしれない。しかし、とことん試運転を続けたい吉川に寄り添うように、自身も水面に飛び出す姿は、麗しい先輩後輩の姿を体現していたように思う。2年前の福岡賞金王、吉川の優勝の原動力のひとつとなっていたのが、直前に食事をした際の鎌田の涙ながらの説教だったそうだ。
 友情で結ばれた2人が、暮れなずむ住之江の水面を並んで疾走する。ともに結果を出してほしい……そう願わずにはいられない光景だった。

2009_1219_0548  この2人の関係性にも、深く唸らされる。田中信一郎と湯川浩司だ。兄弟子と弟弟子。すなわち同じ師匠をもつ同門。2人は、どのSGのピットでも、声を掛け合い、励まし合い、笑顔を交わし合っている。
 昨年は立場が逆だった。弟弟子が決定戦、兄弟子はシリーズ戦だった。機力劣勢に苦しむ弟弟子に、兄弟子はかいがいしく付き添い、アドバイスを送っていた。それが、弟弟子のファイナル進出の原動力にもなっていたはずだ。そして兄弟子は、シリーズを優勝した。今年、弟弟子は同じ結果で兄弟子にエールを送ろうと考えている。
 というわけで、今日も田中&湯川のコンビは、本当に何回も見かけたものだ。「自分で押さえなアカンと思うくらい、興奮している」と会見で語った田中は、きっと湯川の笑顔のなかにそのためのヒントをつかむだろう。大飛ばしの見解であることを断わっておく。今日、もっともピットでの雰囲気がよく見えたのは、決定戦組では田中信一郎だった。そして、シリーズ戦組では湯川浩司だった。

2009_1219_0241  最後に、やっぱりか、と言われても、この2人だ。田村隆信と井口佳典。銀河系軍団は、この舞台でもやはり絆の強さを見せつけている。井口にしてみれば、今節は弟子のほうを気遣う時間も多いだろう。シリーズ戦には自分も含めて4名が出場している。また、機力は抜群で、決定戦に駒を進められなかったウップンを晴らす環境が整っている。つまり、決定戦単身参戦の田村まで気が回らなくたっておかしくない。また田村も、同期を頼り切っているとか、依存しているとか、そんな気分は毛頭ない。今日も一人でモーターと徹底的に向き合う姿も何度も見かけているのだ。
2009_1217_0729 それでも、やはりこの2人が並んで歩いているのを見ると、何らかの意味を見出したくなるのである。いったい何を語り合っているのか……淡々とした田村の横で、井口はにこにこと笑っていた。弟子といるときにはあまり見られない、心やすい笑顔だった。その笑顔に触発されたのだろうか。やがて、田村の目尻は少しずつ下がっていくのだった。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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トライアル前検チェック……

2009_1219_0140  正直、ようわかりませんでした!
 大事な大事な賞金王決定戦トライアル前検。だというのに、ほとんど機力差を確認できないまま、終わってしまった……。言い訳しちゃうと、記者席は2Mの後方(ピット側)にあって、しかし今日は客席のほうに行く時間もなく、足合わせチェックも実に心もとない環境。今日は一人取材態勢だったので、許して! 明日からはH記者がきっちりチェックするはずですから。
 ……と、厚顔無恥のエクスキューズをしつつ、それでも雰囲気がよく見えたのは、吉川元浩、赤岩善生、菊地孝平といったあたり。エース機・池田浩二は、決定戦組との足合わせではそれほどインパクトを感じなかった。また、服部幸男、田村隆信がやや苦戦気味に見えた。黄色いカウリングのボートが常に弱めに見えていたんだよなあ……。

 と書いたところでいきなりお茶を濁すような感じになってしまうが、共同会見での各選手のコメントがまた、「決定戦組はほとんど差がなかった」というものが多かった。会見登場順に記していく。

「今のところ、ペラが合っていない感じ。伸びるペラをつけたら伸びたが……」(今垣光太郎)
2009_1219_0362 「特別いいわけでもないけど、悪いわけでもない。焦る必要はないですね」(坪井康晴)
「力強さはありましたね。スタート練習では重かった」(吉川元浩)
「はっきりしたことはわからないが、回転が上がっていなかった。重たさはないですね。決定戦組はみな一緒じゃないですかね」(池田浩二)
「そんなに悪い感じではなく、下がることはなかった」(赤岩善生)
「悲観することはないアシ。出足系統がよかった」(田中信一郎)
「2連対率の数字は最低ランクだけど、そんなアシではない。悪くはなかったですね」(松井繁)
2009_1219_0452 「ペラは合ってなかったですけど、アシはみな一緒ですね」(瓜生正義)
「決定戦組はほとんど似たような感じでしたね。戦える手応えはある」(服部幸男)
「力強さがあって、期待できるアシですね」(菊地孝平)
「まあまあいい手応え。直線はいい部類でした」(原田幸哉)
「ペラに反応してくれるエンジンですけど、いい感じはなかった」(田村隆信)

 ご覧いただければお分かりの通り、特別ポジティブな発言もなければ、特別ネガティブな発言もない。まだペラなどが合い切っていない前検段階でのコメントを鵜呑みにするわけにはいかないが、実際に選手たちは差を感じていないようなのだ。これを実戦仕様に仕上げていく段階でどう変わっていくか……。やはり明日からのH記者のチェックが重要になってきそうなのである。

 ちなみに、スタート練習3本の進入は以下のとおり。

2009_1219_1106 11R
1本目 1234/56
2本目 12563/4
3本目 36452/1

12R
1本目 123/456
2本目 1652/34
3本目 1235/46

 11Rで気になるのは1本目。4号艇は坪井だが、会見で「4コースを取るなら、たぶんカドを獲らせてもらえないだろう」と言っているのだ。なぜ?とも思うが、5号艇の服部、6号艇の赤岩の前付けを警戒しているのだろう(それが2本目の6コース練習の意味だろう)。もちろん、基本的に譲る気はないようだが。
 12Rでは、松井がすべてインコース。何があろうと絶対に譲らないつもりである。2戦目以降のことを考えて、他のコースを試す手だってあったはずなのに、まずは1戦目のイン逃げに全力投球なのだ。王者は早くも、他にプレッシャーを与えている。

2009_1219_0678  というところで、前検タイムだ。タイム順に並べる。
1 松井繁 6・52
2 池田浩二 6・56
  菊地孝平
4 赤岩善生 6・57
5 今垣光太郎 6・59
  吉川元浩
  瓜生正義
8 原田幸哉 6・60
9 田村隆信 6・62
10 坪井康晴 6・63
11 田中信一郎 6・64
12 服部幸男 6・66

 BOATBoy1月号によれば、「初日展示タイムが重要!」とある。ここ3年、初日展示タイム1番時計が2優勝、2番時計が1優勝なのだ。つまり、前検タイム上位は、初日1~2番時計候補となるかも!? 明日の展示タイムも見逃すな!
 というわけで、締まらぬ前検チェックですみませんでした。H記者、頼みますよ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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モンスター、地元ラストラン!

 来る者あれば、去る者あり。今井貴士や新田雄史らの新星が活躍している今節、本日は艇界の宝が最後の走りを披露するという、せつない別れもありました。
 モンスター野中和夫、ラストラン!
2009_1219_1315  朝の引退セレモニー、8R発売中のトークショーと、今日は1日を通して野中さんとの別れを惜しむイベントが開催されたわけですが、そのメインエベントとして12R発売中に行なわれたのがラストラン。フロントには似顔絵がプリントされ、前部には「MONSTER」と記された黄金のボートに乗って、SG17Vの偉人がファンの皆様に別れを告げたのです。福岡競艇場での引退表明の際にも同様のイベントは行なわれていますが、ここはモンスターの地元にして、たくさんの記録と記憶と思い出を刻みつけた住之江。しかも賞金王決定戦中に、最後の雄姿を披露したことは、実に意義深いことであります。出走を待つ間には、盟友・長嶺豊さんや松井繁、田中信一郎、吉川元浩、鎌田義らがボートのカウリングに腰掛ける野中さんを取り囲み、笑顔でカポック姿を見つめていたのでありました。
2009_1219_1415  出走の合図がかかって、ピットを飛び出したモンスターは、小回りブイを回って1コースに進入。ピットでは「コンマ20くらいのスタート行ってくるわ」と笑っていたモンスター、実際はおそらくフライングという韋駄天Sを決めておりました。Fも多かったモンスターらしいというか(笑)。そのままコースを2周した野中さんは、大時計前でファンに最後の挨拶。救助艇でピットに戻ってくると、長嶺豊さんが大きな拍手で戦友を出迎えたのでありました。
2009_1219_1350 「スッキリした顔になったわ。朝は怖い顔しとったけどな。最後が賞金王決定戦なんて、お前らしいわ」
 長嶺さんの言葉は野中さんにどう届いていたか。たしかに野中さんの顔には、住之江を最後に走れた充実感があふれているように見えました。
 ありがとう、野中和夫。さようなら、野中和夫。この住之江でもう一度モンスターを見ることができたのは、実に幸せでありました!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)

2009_1219_1436


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賞金王決定戦、モーター抽選だ!

2009_1219_0002_2  運命のモーター抽選! 本日、午前9:20より、賞金王決定戦の公開モーター抽選が行なわれました。聖戦を戦い抜く相棒が決まる、厳かな瞬間。中央ホールに集まったファンの方々も、固唾を飲んで抽選の様子を見守っておりました。
 抽選順は、獲得賞金順。トップバッターは賞金ランク1位の池田浩二であります。まずは赤い封筒に入ったボート番号を引き、続いて青い封筒に入ったモーター番号を引くと……青封筒から出てきた数字は、「27」。
 いきなりエースが出たぁぁぁぁぁぁぁぁっ!
2009_1219_0045  これがエース機と知っているお客さんからはどよめきが起こり、池田浩二はガッツポーズ! SG2冠男にエース機、鬼に金棒じゃないっすか! 自分の席に戻ってからも池田は笑いが止まらない様子で、にこにこと隣の今垣光太郎に話しかけておりました。今垣は心ここにあらずって感じだったけど。
 その後も粛々と抽選が進み、最後の赤岩善生が引いたのが、決定戦モーターの中では2連対率2位の60号機。うわっ、最初と最後に高連対率モーターが出たのかぁぁぁ。初っ端にエース機を引いた池田、残りものに福があった赤岩、この二人の幸運ぶりが怖いですね。

 というわけで、気になる12戦士の引いたモーターとボートです。

池田浩二(愛知)
モーター 27 46・7%

ボート 11
※先述の通り、エースモーターを引き当てました。優出回数が断然の9回。B級選手乗艇でも好成績を残してきたモーターなのですから、池田が乗って出ないわけがない!?

2009_1219_0054 松井繁(大阪)
モーター 18 35・4%

ボート 83
※2連対率では全モーターの中でも23位。これが決定戦モーターに選ばれたのには、何か意味があるはずです。1着より2着3着が多いヒモ型なのが気になりますが……。

菊地孝平(静岡)
モーター 79 38・5%

ボート 16
※2連対率は高くないが、近況の動きが上場。高松宮記念で出畑孝典が準優に駒を進めている。A1級乗艇が少ない中でのこの数字は上々では?

2009_1219_0068 今垣光太郎(石川)
モーター 52 40・4%

ボート 26
※伸び型、だそうです。最近は行きアシから伸び仕様で活躍するケースが多い今垣には合っているかも? 

吉川元浩(兵庫)
モーター73 43・6%

ボート 66
※吉川が引いた瞬間、ちょっとだけどよめきも。若手の西村拓也がデビュー初優勝したモーターで、あのときは出てたなあ、という記憶があります。

瓜生正義(福岡)
モーター 10 33・8%

ボート 78
※池田浩二が「10番が欲しい」と言っていたモーターで、近況上昇機。この2連対率で選ばれたわけですからね。女子リーグで細川裕子が強烈な伸びを見せていましたね。

2009_1219_0085 原田幸哉(愛知)
モーター 62 41・1%

ボート 10
※松井繁が高松宮記念で準優出。また、古場輝義が乗ったときには、全レースで展示タイム1位だった。

坪井康晴(静岡)
モーター 23 42・5%

ボート 18
※なんと、3月の太閤賞で自分が乗ったモーターを引いた! その太閤賞は準Vですからね。9カ月前を思い出せば、早々に仕上がり万全になりそうですぞ。

服部幸男(静岡)
モーター 31 39・8%

ボート 38
※前節では日高逸子がオール2連対。とはいっても2着のほうが多いんですね。全体的にヒモ型モーターっぽいです。

2009_1219_0121 田村隆信(徳島)
モーター 9 43・1%

ボート 28
※優出回数がエース27号機に次いで多い。GWに湯川浩司が、高松宮記念で井口佳典が乗った、銀河系御用達モーター。仕上げについてアドバイスを聞けそうですね。

田中信一郎(大阪)
モーター 6 40・2%

ボート 59
※3連対率が第1位。ということは、ヒモ型モーターなのです。ただ、B級選手の乗艇が多かったモーターで、田中が乗ればまったく別の顔を見せるかも?

赤岩善生(愛知)
モーター 60 45・3%

ボート 72
※2連対率第2位。高松宮記念の辻栄蔵(準V)は出てましたね。その後、少し成績が落ちているモーターですが、1着率第1位のアタマ型モーターのようです。

2009_1219_0005  賞金王決定戦、ゴングが鳴りましたよ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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2日目! 決定戦は前検です

おはようございます。賞金王決定戦2日目。シリーズ戦は予選2日目、そして決定戦は前検でございます! まもなく決定戦のモーター抽選も行なわれ、いよいよ聖戦は本格モード。いよいよ今年の総決算が近づいてまいりました!

2009_1218_0838 今井貴士の水神祭で大喜びの鳥飼眞。男っぽさとお茶目が同居している人なのですねえ。(PHOTO/中尾茂幸)


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競艇温暖化を目指す開会式!

2009_1218_0085  地元の若手選手が開会式の締めとして務める、選手宣誓。湯川浩司が一味違う宣誓をしてくれました。
「昨今、地球温暖化といわれていますが、競艇界は寒冷化のほうに向いております。熱いレースで競艇温暖化となるよう、選手一同頑張ります」
 そうだ! 脱・競艇寒冷化! この賞金王決定戦が温暖化への足掛かりとなることを期待し、信じます! あ、湯川の宣誓には続きがあった。
「ファンの皆様におかれましては、財布の温暖化となりますよう」
 はい、まず我々は財布の経済危機から脱するよう頑張りましょうね!

 というわけで、まずはシリーズ戦の選手たち。この人がSGの開会式にいると、やっぱり楽しい!
2009_1218_0005 鎌田義
「寒いと思うから寒いんや! だから、鎌田のターンもうまいと思って見たら、うまく見えるかもしれませんね~」
 たしかに住之江は寒い! 昨日あたりから急に寒くなったそうですが、寒いと思わなくても寒いっす。でも、舟券は当たると思って買ったら、当たるかもね~。
鳥飼眞
「めちゃくちゃ寒いです。エンジンも寒いです。でも、心だけは熱く、最後まで走りたいです」
 そうです、心が熱ければ、エンジンも競艇も温暖化となるのです!
2009_1218_0013 福島勇樹
「やっとスタートラインに立てました」
新田雄史
「夢だったSGの舞台にやっと立てました」
今井貴士
「めっちゃ寒いけど、水神祭ができるよう頑張りたいです」
 若人たちの熱い気持ちが、水面をも熱くするのですぞ! あ、でも水神祭では風邪ひかないよう気をつけてください。
 最後は、この人の決めゼリフ!
2009_1218_0047 山下和彦
「明るく楽しく元気よく!」
 その気持ちで寒い一節間を乗り切りましょう!

 シリーズ戦48名が登場した後は、いよいよ決定戦の12名が登場。昨日の前検で見ていないスターたちが続々と登場する様子は、スペシャル感満載でゾクゾクしましたな。やはりベスト12戦士は特別な男たちなのです。登場順に、キーワードとなる一言をご紹介。
2009_1218_0098 赤岩善生
「約束通り12分の6に残るよう、男・赤岩、全力で走ります」
 賞金王でも、男・赤岩全開!
2009_1218_0111 田中信一郎
「5年ぶりにこの舞台に戻って来ました」
 そうか、住之江の賞金王決定戦は5年ぶりなんですね。賞金王男が、本来あるべき場所に戻ってきたのです!
田村隆信
「今年1年いろいろありましたが……」
 人知れず苦悩にさいなまれた時期もあった田村。そこから脱け出た天才は強いぞ!
2009_1218_0138 服部幸男
「ベストを尽くして、賞金王を獲りにいきます」
 あの伝説の賞金王Vから暦が一回りしました。どんな舞台でもベストを尽くす!
坪井康晴
「昨年のリベンジに来ました」
 さくねんは6着3本でしたね。今年はピンラッシュだ!
原田幸哉
「76期のみんなの思いを胸に頑張ります」
 同期の絆が幸哉を強くする! でも、同期生のライバルもおりますなあ。
瓜生正義
「出せる力を全部出したい」
 76期ワンツーこそ、同期の友が心から見たがっているものでありましょう。
吉川元浩
「本気で優勝狙っていきます」
 うむ~、この男が本気出したら強いよなあ。よほど手応えを感じているのでしょうね。
2009_1218_0177 今垣光太郎
「平常心+気合」
 気合パンパンの状態こそが、光ちゃんの平常心のようにも思えますね。
菊地孝平
「自分のもてる力をすべて出し切って、てっぺん目指します」
 ゼロ台連発宣言と見ましたぞ。
2009_1218_0216 松井繁
「本当に最高の準備ができました」
 なんか顔がキラキラ輝いていましたね。すでに王者モードに入っている!
池田浩二
「ナンバーワン目指して頑張ります」
 SG2V、賞金ランク現在1位、2009年のナンバーワンにふさわしい男です!

 ふぅ。いやぁ、今年も本当に賞金王が始まるのですねえ……。ともあれ、この寒い寒い住之江で、スゴい賞金王を見せてくれ! その熱気が必ずや、競艇温暖化への第一歩となるのであります。(PHOTO/中尾茂幸)


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初日! 聖戦が始まる!

おはようございます。賞金王決定戦初日、本日より賞金王シリーズが開幕します。今年もいよいよ黄金の6日間が始まる……2009年を聖戦で締めくくりましょう!

2009_1217_0173 選手班長は太田和美。賞金王シリーズは2Vと相性がいいレースです。班長の仕事は大変ですが、昨年のシリーズVはやはり班長を務めた田中信一郎でしたぞ……。(PHOTO/中尾茂幸)


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住之江です!

おはようございます。取材班、ただいま住之江競艇場に到着いたしました。

Cimg4878 賞金王決定戦です!

今年も、やってまいりましたなあ……。ということで、本日より現地・住之江より取材更新してまいりますので、どうぞよろしくです。本日は賞金王シリーズ戦の前検日であります。ベスト12はまだ登場しませんが、シリーズ戦もれっきとしたSG。当然、こちらのほうもレポートしてまいりますよ~。

それでは、今節もよろしくお願いいたします。ともに聖戦で盛り上がりましょう!


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