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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――空振り

 スタンド3階の記者席に到着し、パソコンの電源だけ入れてすぐピットに向かった。時計の針は9時45分頃。ピット内に人が少ないことは分かっていた。ちょうどスタート特訓が始まったばかりで、多くの選手が水面に出ているからだ。
2010_0623_0026_2  それでも早めにピットへ向かったのは、ある予感があったからだ。きっと整備室で何かが起こっている。オッ!と思うような顔ぶれが本体を割っているに違いない、そう予想していた。
   今日は初日ドリーム戦出場組がいずれも2回走りとなり、その前半レースは2~6Rに組まれた。ドリーム組は当然昨日の12R後に整備をする時間がないわけだから、本体をやるなら今日朝早い時間から急ピッチで取り掛かるしかない。その姿をしっかりチェックしておきたかった。

 さてピットに着いた。さっそく整備室を覗く。するとそこには魚谷智之がいた。魚谷しかいかなった……。
 要するに予感はまったくの空振りだった。だが裏を返して考えれば、ドリーム組の6選手は大急ぎで整備をする必要がないモーター気配なわけだ。きっと今節はドリーム組がシリーズを引っ張る展開になる。それが分かっただけで朝早くピットにきた甲斐があった。あったと考えよう。
2010_0622_0388_2  気を取り直して整備室を覗く。魚谷はベンチの上にちょこんと正座しながら機歴簿に見入っていた。その傍らには分解途中の60号機がある。魚谷は昨日も朝から本体整備を行なっていた。2日連続の早朝仕事とは……、と思っていたら魚谷が立ち上がって整備室を出て行く。入れ替わるようにして吉田弘文が入ってきた。そうか、60号機は吉田のモーターだ。魚谷の18号機は2連対率44位の低調機だが、吉田の60号機はもうひと回り低調な2連対率47位。大村の現モーターはまだ3カ月間ほどしか使われていないが、昨日の整備室滞在時間ナンバーワンだった萩原秀人(2連対率50位の26号機)といい、前検日から本体を割っていた安田政彦(2連対率43位の53号機)といい、どうやら低勝率モーターはこぞって相場どおりの動きしかしていないらしい。

2010_0622_0255  10時頃になるとスタート特訓前半の選手たちがピットに戻ってきた。ボートを装着場に停め、スリット写真を見に行ったり、ペラを外して調整室に向かったり、布を手にしてボートを拭き始めたりと各々の方向へ足を運んでいく。
 そんななかで気配が違ったのは西島義則だった。ボートを押して装着場を突っ切ると、整備室の前に横付けした。そして本体を外して中へ入っていく。これで西島は2日連続の早朝仕事になる。 整備の様子は明らかに昨日と雰囲気が違った。昨日は9Rの1回走りでたっぷりと時間があったが、今日は5R出走でそれほど時間がない。だから今日は手際の良さがはんぱじゃなかった。あっという間に分解をして、あっという間に整備をして、あっという間に組み直して整備室を出て行った。いま5Rの部品交換状況を見ると、キャブレター、ピストン2個、リング4本、シリンダーの交換と書いてある。いつの間に?

2010_0622_0516  逆にのんびりムードが目についたのは吉川元浩だ。11R1号艇の1回走りで時間に余裕があるからだろうが、ぼんやり水面を眺めてみたり、ペラ調整室の前に立ってしばらく中を覗き込んでみたりと、時間を持て余しているような印象を受けた。初日4着4着と苦しいスタートとなったものの、慌てるそぶりは何ひとつ見られない。11Rの絶好枠で巻き返しを開始するのだろうか。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/森喜春)


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