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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――トップスリー

2010_0826_0574  3日目を終えて予選トップは今村豊。しかし、今節は正直、それほどピットで印象に残る動きを見せていたわけではなかった。というより、ピットで見かける回数は決して多かったとは言えない。「49歳の私にはこの暑さは厳しすぎます」なんて開会式で言っていたもんだから、あまり外には出てこないのかなあ、なんて思ったりもしていたものだ。だというのに、堂々たる予選トップ快走ということでちょっと驚いた次第である。
 前半のピットでその姿を探す。いた。1Rがゴールして、選手たちがエンジン吊りに向かうなか、ひとり自艇へ。どうやら着水の準備のようで、カポックを着込んでいる。今日は……えっ、12R1回乗りじゃないか。それなのに、こんなに早い始動? 今日の前半、ピット内の温度計は35℃を示している。今節もっとも暑い一日なのだ。でも、ミスター競艇は暑さに負けず、水面に飛び出す。脱帽である。
 着水すると、さっそく足合わせ。白井英治、寺田祥と後輩たちをパートナーに水面を駆け巡っていた。やまと世代の席巻が流行語となっている現在の艇界、それに待ったをかけるのは歴史を刻んできた大先輩か?

2010_0826_0663  予選2位は福島勇樹。正直、いつの間に?という感想を抱いてしまう。いつの間にも何も、2勝をあげているのだから、その活躍ぶりは明らかなのだが、なぜかあまり目がいかなかったんだよなあ。レースで強烈な伸びを披露しているのは印象に残っているけど。
 しかし、実はピットでは福島の姿はよく見かけていたのである。好青年・福島は、すれ違うたび、朗らかに挨拶をしてきてくれるのだが、その回数は他の選手に比べてかなり多いはずだ。それくらい精力的に動いていたし、僕のピット徘徊ともタイミングがよく合っていたのだろう。あと、ベイパのユニフォームを見かけ、誰かなあと確認すると福島だった、ということも何度かあったな。あまり目がいかなかったとか書いたけど、けっこう視界には入っていたんだなあ、実は。
 ただ、今日の福島は昨日までとは少し違う雰囲気にも見えた。挨拶が快活だったのはいつも通りだが、ちょっと表情がカタく見えたのだ。SGでこのポジションに立つのは初めてだけに、少し意識し始めたのだろうか。まあ、それも当然といえば当然。得意の蒲郡で、一気にミスター競艇を追い抜いてしまえ!

2010_0826_0713  予選3位は濱野谷憲吾。肋骨が痛むというけれども、ピットで見る限りは、そんな素振りを少しも見せていない。そして、集中力も非常に高まっているように見える。手負いとなったことでかえって、何をなすべきかがハッキリ見えている、というか。ペラを光にかざしてチェックする際の目の鋭さも、いつものSGよりグッと増しているように思えた。
 2R、梶野学志が6着に敗れている。初戦1着のあとは6を並べてしまっている梶野は、ピットに戻ってきたときにはさすがに肩を落としているようだった。エンジン吊りが終わると、梶野は速攻で着替えを終えて装着場にあらわれている。2010_0826_0590 歩み寄ったのは、濱野谷のもとだった。並んで歩きだした濱野谷と梶野。話をしているのは、おもに濱野谷のようだった。どんどんと遠ざかっていく二人、話の内容はもちろん聞こえてこないが、どう見ても後輩を励まし、アドバイスを送る先輩の図。こういうシーンは、これまでも目の届く場所届かない場所などで繰り広げられてきたはずだが、こうもハッキリと目の当たりにするのは初めてのような気がする。この先輩は、SGデビュー節で一日2転覆という“珍プレー”をやらかして、トップスターに駆け上っている。その先輩の薫陶を受けることで、梶野もシンガリ街道を脱け出し、さらにパワーアップしていくことだろう。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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