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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――会議?

2010_0926_0429  風向きが変わってスタート勘に誤差が生じ、思った以上に届いていない――というのが前半の状況だった。しかしこのクラスはさすがである。レースを追うごとにだんだんと速いスタートで揃うようになっていき、ついにはゼロ台も続出されてきた。そう、むしろ皆が踏みこむようになっていったのだ。
 もちろん、それも勘が合っていないのかもしれず、10Rでは須藤隆雄がフライングを切ってしまっている。ともあれ、レースが進むにしたがって、選手たちのスタートはどんどんと速くなっていった。終盤の時間帯、スリット写真が貼り出された掲示板の前では、選手たちが写真を見ながらあれこれと“会議”をしている様子が見られたのであった。
2010_0924_0437  11R前、赤いカポックを着た深川真二が、飯山泰とスリット写真前で会話を交わしていた。これからともに戦う二人。スタート展示での感覚などが議題のようであった。そこに12Rに出走する佐々木康幸が加わって、“会議”は続く。直前でフライングが出ているだけに、スタートについては神経質になって当然だろう。
2010_0926_0461  11R後、勝った赤岩善生と2着の飯山泰が笑顔で語り合いながら、カポック脱ぎ場へ。スリット写真掲示板の前を素通りして、カポックを脱ぎながらも談笑は続いた。そこに、「おいおいおーいっ!」と大声が響く。二人の後を歩いてきていた花田和明が、スリット写真を覗き込んで、驚きの声をあげたのだ。これが“会議”開始の合図となった。
2010_0926_0238 「お前ら、ゼロイチだぞーっ!」
「ええっ! ウソでしょ? 放ったもん」
「俺も放った」
「ほらほら、見てみろよ~」
「ええっ…………うわっ! 放ったのに!」
「マジ? ああ、放ってよかった……」
 赤岩も飯山も、スリット線ギリギリに舳先がある。あとで資料を確認すると、花田選手ドンピシャ、二人ともコンマ01。あわやの超絶スタートであった。
2010_0925_0251  遅れて合流した落合敬一も会議に加わる。赤岩も飯山も含めて全員が速いスタートだと認識していたようで、6コースの落合はそれをありありと実感していたのだ。
「5人が5人、こっち見てるんだもんな~。こりゃあ行ってもしょうがないと思ったよ」
 こっち見てる、とは、全員が大時計をずっと見ながらのスタートだった、ということだろう。落合の視点からは、全員が自分のほうを見ているように見えるわけだ。
2010_0926_0051  スリット会議は、12R後にも開かれていた。その中心人物は佐々木康幸。イン逃げを決めた彼のスタートタイミングはコンマ02! スリット写真を覗き込んだ人たちは、報道陣も含めて全員が即座に笑顔になる。これまたスリット線ギリギリに舳先が残っているその写真は、誰もが「うわっ!」と声をあげたくなるものだった。
「ああ~、すみませーん。放ってよかった~」
「ガハハハハハハ!」
 辻栄蔵がいつものガハハ笑いを見せる。自分もゼロ台なんですけど……。大賀広幸は無言でのけぞって、目を丸くした。自分もゼロ台です……。11R後よりは発言の少ないスリット会議ではあったが、その場にいた誰もが速いスタートについて、さまざまな感想を胸に抱いていたことだろう。
2010_0926_0328 とにかく選手の皆様、フライングには気をつけてくださいね! ここでのFは、施行者にも痛いが、選手にも痛い。いまFを切ると、休みがチャレンジカップにかかってしまうのだから。特に赤岩のようにボーダー付近の賞金ランクにいる選手にとっては、重大な問題。実際に、スタートについては慎重になっているようなのだ。それでもギリギリまでは突っ込んでいくあたりがスゴすぎなのだが……。

2010_0925_0492  今日の終盤の時間帯では、やけに“会議”を見かけたぞ。昨日も記した森秋光と吉田拡郎のペラ調整場での絡みは、“会議”のようなものと言えばその通りだろう。ただ、今日は昨日以上に、吉田の笑いが響いていたなあ。どう見ても、森がギャグか何かを言って笑わせてるようにしか見えないのだが……。森って、そういうキャラだったのか?
2010_0926_0787  ギアケース整備の作業台では、服部幸男と徳増秀樹が並んで調整をしていた。服部にしろ徳増にしろ、今節はやけに整備室で姿を見ることが多いなあ。二人は“会議”をしながら調整を続けており、口も動くが、手もちゃんと動いているあたりがさすがのプロフェッショナル。でも、なんか二人とも、おかしそうに笑っているなあ。“会議”の中身はレース以外のことだったんですかね。服部も徳増もほぼ時間いっぱいを使っての調整で、しかし笑顔の絶えない二人なのであった。
2010_0926_0765  角谷健吾、藤生雄人、須藤隆雄の“関東会議”も見かけた。場所は整備室で、須藤がモーター格納作業をしているところに二人が寄り添っている。須藤の痛々しい表情を見ると、おそらくFを切ってしまった痛恨を慰めている様子。藤生も角谷も笑顔が優しく、いつまでも苦笑いの消えない須藤を癒そうとしているようであった。
2010_0926_0036  そんでもって、<今日の峰竜太>。6R、転覆を喫してしまい、得点率は6点を切ってしまった。朝は「1号艇を狙いますよ!」と威勢よく話していただけに、これはさすがに落胆は大きいか……と思いきや、表情は意外にもサバサバしていた。というわけで、我々も明日に向けての“会議”です。「まだまだチャンスはありますよね」「もちろん(結果的に現在17位)。かえって思い切って行けるんじゃないっすか?」「ですね。失うものはないわけですからね」。強がりという部分もないわけではなさそうだが、ひとまず前を向けている。ということはつまり、今日の転覆もミネリューにとってはすでに糧となっているのだ。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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