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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――勝負駆けの朝

2010_0926_0150  2Rの出走選手が待機室前に整列し、競技委員長に対して敬礼、そして出走ピットへ。1号艇・徳増秀樹、2号艇・金子貴志……6号艇・山崎義明、7号艇・吉永浩則……って、7号艇!? えっと、単に控室から整備室へ向かおうとする吉永が、たまたまタイミングが重なって、出走6人の列の後ろから歩いてきただけだが、一瞬ギョッとしてしまった。もちろん、吉永はカポック着てなかったんですけどね。
 で、吉永はそのとき、整備室へモーター返納に向かうところだったようだ。格納ではなくて、返納。1Rで右前腕打撲を負ってしまった吉永は、無念、途中帰郷となってしまった。1着を獲れないままの帰郷は、本人も忸怩たるものがあるはず。まだどこかの場でお会いしましょう。そのときは今節の分の大活躍を! 則雄とのSG兄弟参戦の日が来ることを祈ってますぞ。

2010_0926_0365  1Rでは、藤生雄人がGⅠ初1着をあげている。水神祭の様子は後ほどアップしますが、藤生を出迎える関東勢の歓喜の様子が印象的だった。同支部の須藤隆雄はもちろん、石塚久也や飯山泰も嬉しそうに拍手している。群馬支部にはキラ星のごときスター選手が存在し、そのなかでは藤生は決して派手な存在とは言えないが、周囲がこれだけ喜んでいる様子を見ると、人望はあるんだろうなあと推察した次第。こうした存在がGⅠにもっともっと出場するようになると、記念戦線に小気味いいスパイスが効いてくるんだけど。
2010_0926_0335  2Rを勝った吉川喜継を出迎える……というか、いち早くリフトにやってきた面々も嬉しそうだった。安達裕樹、濱崎直矢だ。安達は3名も出走していた東海勢の出迎え、濱崎は山崎義明の出迎えだったのだが、真っ先にリフトに到着すると、二人で顔を見合せてにこやかに笑った。「あいつ、やっちまったな!」と目で会話していた。この3人、同期ですね。92期。吉川はこのレースが勝負駆け。ボーダー5・80なら2着、6・00なら1着が必要だった。同期が厳しいノルマを見事クリアしたことを喜び合ったわけだ。吉川を出迎えたのは近畿勢だったわけだが、同地区の仲間よりも同期2人のほうがずっと嬉しそうにしていたのである(同県の山本光雄が3R出走でなければ、笑顔で出迎えていただろうけど)。

2010_0926_0302  ところで、今日も昨日の後半に引き続き、スタートが速い! 1Rはインの市橋卓士がコンマ01。風向きが追い風へと変わったことで、今日の序盤戦は昨日と違って、多くの選手が速いタイミングとなっている。スリット写真を覗き込んだ市橋はといえば、タイミングの速さに目を丸めるというよりも、そこまで踏み込んだにもかかわらず1着を獲れなかったことを悔しがっている様子。そりゃそうだろうなあ。タイミングうんぬんよりも、敗れたことのほうがずっと大きいことだ。
2010_0926_0676  2Rでは、花田和明がコンマ02。ピット離れでやられて、回り込んで2コースを獲って、コンマ02。インの徳増秀樹はこれに惑わされてしまったようだった。陸に上がると、エンジン吊り中の花田のもとに歩み寄って、「花田さんが速いと思ったから放ってしまったんだけど」。たしかに、スリットに到達する前はほぼ同体だった両者だったのに、スリット後は徳増がズルリと下がってしまっている。花田はコンマ02だったわけだから、徳増の勘は間違っていなかったわけだ。
2010_0926_0745  ただ、花田はそれに対して、特別何かを返したわけではない。むしろ「そんなことないだろ」とばかりに、視線を送っただけだった。スリット写真掲示板の前に先に戻ってきたのは徳増。「ほらぁ、やっぱり!」とひとりごちて花田を待つ。ヘルメットをかぶったまま遅れてやってきた花田がスリット写真の前に立つと、「ね、速いでしょ」。しかし花田は、やはり徳増には何も返さない。そういえば昨日の11R時、赤岩善生と飯山泰に「おいおいおーい」なんて声をかけてたっけ。自分の時は、どうすんのかなあ……。
 ヘルメットを脱いだ花田は、見るからに悔しそうな顔つきで首をひとひねり。おっかしいなあ、とばかりに、無言で奥へと消えていったのだった。やっぱり、STよりも敗戦のほうがずっと重く、心中を支配するのである。

2010_0926_0067  後のほうのレースに出走する選手たちは、整備室で大きな作業をする選手はなく、基本的にはプロペラ調整と試運転に励む、という朝を過ごしていた。それほどピリピリした様子も見えず、わりと余裕の表情が見える選手が多く、菊地孝平の笑顔はモードに入ったときよりずっと柔らかいし、服部幸男も穏やかに挨拶を返してくれたりする。萩原秀人は中尾カメラマンのトンチキファッションに突っ込んでいたな。そんななかで峰竜太が厳しい表情でペラを叩いているのが、印象に残ったりした。そうそう、赤岩善生の歩様が力強かったぞ。4Rは敗れているが、だからこそ後半10Rは(6号艇!)さらに気合がレッドゾーンに突入しそうだ。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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