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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――覇王の異変!?

 やけに静かに感じる優勝戦のピット。たとえば今はチャレンジカップの勝負駆けでもあって、一般戦組にも少しでも賞金を稼いでおきたい選手も少なからずいるのだが、そういう気配はあまり感じられず、また優出メンバーも派手に動いている選手がいないこともあって、どこか落ち着いた空気になっているというわけである。
2010_1010_0125  もちろん、早い動き出しを見せているベスト6もいて、今坂勝広は早々と着水して、試運転と調整に明け暮れている。そういえば、優出インタビューでは「試してみたいことがある」と言っていたっけ。それが何かは明かさなかったが、おそらく一発狙いの何かを模索しているのだと思われる。表情の凛々しさは、昨日までとはあまり変わらず。雰囲気は非常に鋭い。
2010_1010_0443  松井繁も、1R前のスタート特訓に参加していて、これは優出メンバーのなかでは早い動き出しであった。もっとも、特訓後は陸に上がってペラ調整に専念。比較的穏やかな表情でペラと向き合っている。ペラ室でのお隣さんは服部幸男で、時折言葉を交わしては、笑顔を見せたりもしている。優勝戦の日だから特別キツい表情になるような人ではないけれども、それでも少し淡々としているかなあ、という気はした。
2010_1010_0656  松井のもう一人のお隣は、瓜生正義である。といっても、肩を並べているお隣ではなく、たまたまなのだろうが、松井とは反対方向を向くようなかたちで座っていて、その正面には吉川元浩がスペースを確保している。したがって、瓜生が会話を交わしているのはその吉川であって、吉川がかなりたくさんの笑顔を見せていたのが印象的だった。同期の某Y西K恵選手の証言によると、瓜生はピットではしょーもないギャグを飛ばしては、周囲を困らせているとか。吉川との会話も、まさしくそのシーンだったのか? ようするに、瓜生の人柄がその周りを和ませているわけである。
2010_1007_0414  瓜生と背中合わせでペラを叩いていたのは、寺田祥である。寺田は同期の池田浩二らと輪を作っており、かなり熱心に木槌をふるっている池田に比べると、寺田はゲージを当てて翼をチェックしている時間が長く、調整に励んでいるというよりは確認作業の意味合いが大きいようだった。昨日、もしかしたらピストンリングを換えるかも、と匂わせてもいたので、整備室にいるかも、と推測していたのだが、少なくとも早い時間帯にはそれはなし。優出インタビューでも言っていた通り、まずは現状維持での試運転や調整ということになるのだろう。

2010_1007_0268  ほとんど姿を見せなかったのが、SG初優出の森高一真である。ペラ室にも整備室にもおらず、結局出てくるのはエンジン吊りのときのみ。少なくとも4R前までは、森高の調整する様子を見ることはできなかった。
 わずかに表情等を確認できた範囲で言うなら、今節もっともリラックスしているように見えた。エンジン吊りでは田口節子と爆笑しつつ会話をしていたり、控室への階段をひとり登っていくときにも、ギュッと視線を一点に集める厳しい表情は見せておらず、ぐっと穏やかな顔つきになっているのだ。SG優勝戦の日に、普段よりも柔らかな表情。不思議な男ではある。

2010_1007_0061 で、もっとも異変を感じるのが、魚谷智之なのだ。ともかく気合が凄い。発散している迫力がとてつもない。魚谷は早い動き出しを見せていた一人なのだが、まだ気温も高い時間帯にそこまで試運転をするか、とも思えるほどの熱中ぶりなのだ。一節間ピットレポートをされていた坂田博昭さんも首をかしげるほどに。
 思い出してみれば、もっとも魚谷が強かった頃、ピットではいつも同様の姿を見てきたように思う。SG優出から遠ざかっていた最近が決して弱々しく見えていたというわけではないのだが、しかし今日改めて、とてつもなく前向きのオーラを醸し出している魚谷を見て、ああ、これが覇王らしい姿だったよな、と確認した次第。こうした魚谷が戻ってきたとするならば、それは嬉しいことである。
 ただし……気合が乗りすぎのきらいもあるのかな、と思ったりもする。魚谷とすれ違った上瀧和則は、こう声をかけていたのだ。
「魚谷、リラックスしていけよ。リラックスして」
 魚谷はありがとうございますっ!と返しており、先輩からのありがたい激励だったのだろうが、もしかして上瀧は何か異変を感じ取ったのではないか……とも推測できたのであった。考えすぎ、であるならそれに越したことはないのだけれど……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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