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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THE ピット――「一流」の証

2010_1006_0274  1レース前には、整備室が完全な無人になっている時間帯があった。人が少ないことは結構あるが、無人というのはなかなか珍しい。
 ただ、1レース後にもう一度、整備室を覗いてみると、瓜生正義がモーター本体を割っていた。
 私が見ていた範囲でいえば、モーターの上部分と下部分の結合部を磨いていたようだったが、こうした細かい作業を黙々とこなしていくのは、まさに瓜生スタイル!
 やり残しがないように実に細かい整備をしているところは、優勝戦に乗る最終日などにもよく見かけられるものであり、こうした作業によって瓜生の本領が発揮されていくのではないかと思われる。

2010_1007_0552  整備室が無人になっていた時間帯も、やはりペラ小屋は満員御礼状態だった。
 その中でもとくに気になったのは服部幸男だ。私がペラ小屋の中を覗いていたときは、手を止めて、何かを考えているような顔をしていたが、その視線がとにかく鋭かったのだ。
 そしてまた、そう感じたということをメモしていると、いつの間にか服部は、待機ピットにワープ!
 そのまたしばらくあとにはペラ小屋に戻って作業をしていたのだから、忍者のようだった。
 その後はすぐ試運転にも出ていたが、今日にかける気合いは並々ならぬものがあるのだと感じられた。
 ……それだけに4レースの転覆がやり切れない。

2010_1006_0587 「考える人」といえば、中島孝平もそう。
 1レース前に、朝(午後イチ)のスタート特訓のスリット写真が張り出されている前に立っているところが見かけられたが、驚いたことにその場所から5分以上も離れなかったのだ。
 まさに熟思派!
 今日の中島は12レース6号艇1回乗りだが、特訓のスリットを見ながら様々な作戦や展開を考えていたのだろう。
 あの5分のあいだに中島の頭の中で映されていたはずの映像を見てみたいものである。

2010_1007_0212「森高さ~ん、ヘルプミー、ヘルプミー」
 湯川浩司が大声でそう叫んでいたのは1レース後のことだったと思う。
 装着場でリポーターと話をしていた森高一真が湯川のもとにやってくると、湯川は「良くなったわ」と言い、森高は「そやろ」と頷く。
 そのままペラ小屋へと入っていったので、どんなやり取りがあったかはわからなかったが、プロペラに関するアドバイスを森高がしていたのだろう。
 ペラ小屋の中では、この2人に田口節子を加えた輪がつくられていたので、銀河系軍団の絆は強い。

2010_1007_0256  昨日に続いて、今日の1レースもきわどいレースだった。
 1号艇・佐々木康幸のスタートがコンマ04で、2号艇・海野ゆかりがコンマ05。6号艇・吉田拡郎が09で、スリット写真には昨日と同様に「スタート厳重注意」という赤い札が貼られていた。
 それを見た重野哲之は、“ああ、やっぱり貼られたか。この後はやりにくいなあ”というようなことをぼそりと呟いた。
 その重野は、2レースに1号艇で出走。
 コンマ16の理想的なスタートで逃げ切ってみせたのだから、一流のレーサーだ。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/内池久貴)


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