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ボートレース特集 > THE ピット――整備と受難
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THE ピット――整備と受難

2010_1005_0526  開会式のあと、ドリーム戦出場選手の公開インタビューが行なわれたが、終了してすぐにピットに行くと、赤岩善生が整備室で早くも本体整備を行なっていた。
 他に、中島孝平が本体整備、山口剛がギアケース調整を行なっていたが、公開インタビューに出ていた赤岩は、ワープをしたのかと思われるような動き出しの早さだった。この入魂ぶりが赤岩の真骨頂といえるところだろう。

2010_1005_0642  ドリーム戦出場組は赤岩に限らず、作業にとりかかるのが早かった。
 赤岩の次に目に入ったのは松井繁で、装着場に現われたかと思えば、そのまますぐにペラ小屋へと入っていった。
 湯川浩司は試運転の準備をするようにボートを動かしている途中で……考えが変わったのか、整備室に行ってモーター台帳(機歴)を見始め、その後に本体を外した。
 池田浩二もやはり早い時間帯に本体を整備していたし、今村豊や前本泰和はペラ調整を中心にした作業を始めていた。

2010_1005_0382  1レースが始まる前、装着場のボートにモーターを取り付けた池田は、定規をつかって状態をチェックすると、モーターに向かってパンパンとかしわ手を打ち、笑いながら「もういじらんよ~」と声を発した。
 そのとき池田の傍にいたJLCの坂田博昭キャスターによると、池田はブラケットを交換したとのことだ。
 どこから手を付ければいいかもわからないようなモーターではあるが、この交換でズレが修正できたため、それだけでもずいぶんホッとできたということなのだろう。モーターに対して納得できたわけではなくても、「これでペラができる」という段階に入れたようである。
 この後、池田は、笑って今村に声をかけると、そのままペラ小屋へと入っていったが、そのときの表情は憑きものがとれたかのようにもなっていた。

2010_1005_0324  また、中島もボートにモーターを取り付けていたので、初日からさっそく本体整備をしていたのかと聞いてみると、「時間があるんで」との解答だった(今日は9レースの一回乗り)。
「機歴を見ていたら、気になるところがあったんで、それをチェックしてみたんですが、大丈夫でした。あとは、ちょっと気になるところを見ていた感じですね」
 この中島は、現在、賞金ランキングでは第10位となる。
 当確にも手が届きかけているところに位置するが、そのことに対する気持ちを聞いてみると、「どうなんでょうね」と、首をかしげた。
「これまではそんなに行こうと意識はしてなかったんですが、(時期が)近くなってくるとやっぱり、そういう声も聞かれるし、行きたい気持ちになってきますね」と話してくれた。

2010_1005_0787  1レース。1号艇の峰竜太が転覆してしまった。
 その直後にはピットで、心配そうに水面を見ている岡崎恭裕の姿が見かけられたが、その傍に新田雄史がやってきて、「選手に異常なし」とのアナウンスが流れると、緊張の表情を解いて苦笑いを浮かべた。
 レスキューで戻ってきた峰は、さすがにがくりと肩を落としていたが、レスキューを降りると、周囲に頭を下げながらダッシュ! その様子を上瀧和則も遠目で見ていて、やさしい笑みを浮かべていたのが印象的だった。
 峰はその後にすぐピットに戻ってくると、整備を始めた。落胆の色はやはり残ってはいたものの、前向きな気持ちは少しもなくしてはいないようだった。
 2レースでは三井所尊春が転覆……。
 佐賀勢としては受難続きになったが、この流れを少しでも早く変えてくれることを祈りたい。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/内池久貴)


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