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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THE ピット――「前検」の慌ただしい時間

2010_1005_0405_2  17時30分。一番手で水面に飛び出していったのは西島義則だ。
 SGでは常に一、二を争って水面に飛び出していく田中信一郎がいないことが改めて実感されて寂しいが、信一郎がいなければ一番手は西島しかいない。
 西島が水面に飛び出していくと、それを合図にしたように、それまで閑散としていた広い装着場に、次々と選手たちが飛び出していく。

2010_1005_0738  まずは先輩から、というようにエンジン運びを手伝う若手選手たちの姿もそこかしこに見られた。
 Tシャツ1枚で駆け回っていた岡崎恭裕も、とにかく休みなく駆け回っていた1人だ。
 10月のナイター。史上初となるナイターダービー。
 夏の猛暑を考えてみても、どんな服装でピットに行くかも迷われる面があるのだが、それは選手にとっても同じことなのか……。岡崎のようにTシャツ1枚の選手もいれば(乗艇するときには長袖になる)、ジャンパーまで着こんだ選手もいるように、その服装はまちまちだった。
 いちばん多かったのは、SGカッパを着ている選手たちだったろう。暑くはないけど、肌寒いこともない微妙な気温のピットになっていた。

2010_1005_0333  そのピットでSGカッパを着た峰竜太の姿が見られたのは嬉しいことだ。
 先輩たちの手伝いがひと段落ついて、自分のボートの整備をしていると、同県の三井所尊春がやってきて、話を始めた。
 このダービーで、ある程度の結果を出さなければ地元・唐津で行なわれるチャレンジカップに出られない2人だが、こうして一緒にSGを戦えていることがまずは嬉しい、というような表情にも見えていた。
 三井所がそこを離れたあともしばらく、峰の作業を見ていると、峰は私に気が付き、「ご無沙汰してました!」と、笑顔で声をかけてきてくれた。「やっとです。長かったです」と続けたが、充実した表情を見ていると、こちらも嬉しくなってくる。
「今節の目標は?」と聞くと、迷いなく「優勝です!」。そして「それを目標にしないと、できないですから」と続けたのだから、志の高さに期待したい。
「チャレカ出場という部分はどうですか?」と聞くと、「それも含めて優勝です」と答えてくれている。
 その後に「優出では無理ですよね?」と続けてきたのも峰らしい素直なところで、こちらもつい、「優出ならたぶん大丈夫ですよ」と答えてしまったが、峰にはやはりテッペンを目指してほしい。

2010_1005_0559  そんな合間には、ベテランたちならではの表情も見られた。
 3年ぶりのSG出場となる今村暢孝は、カメラマンのリクエストを受けると、少し照れ笑いを浮かべながらも、“バッチグーポーズ”を見せる大サービス!

 また、佐賀の大親分・上瀧和則は、まだ1班のスタート特訓が始まっていなかった18時前にペラ小屋に行き、「俺だけか!?」というような表情で、舌をぺろり。
 もちろん、無人のペラ小屋でそのまま作業を始めていたが、こうしたベテランたちの姿が見られるのも嬉しくてたまらない。
 ベテラン、ベテラン……と書くと申し訳ないのだが、はっきり言って、この選手たちと私は同世代。「男は40代から」との名言で松井繁を触発したのは小畑実成だったが、こうした世代の選手たちの元気な姿を見ていると、勇気をもらえるものなのだ。

2010_1005_0604  18時過ぎからスタート特訓が始まり、明日のドリーム戦出走組で構成される一班の特訓が終わると、共同会見が開かれる。
 そこで気になったのは、明るい表情をした選手が少なく、景気のいいコメントも聞かれなかったことだ。
「みんな似たりよったりという感じでしたね。(自分自身は)いいところも悪いところも感じなかった」(松井繁)
「中の下くらいですかね。(目立ったのは?)……う~ん、今村さんかな?」(赤岩善生)
「班ではいっしょくらい」(前本泰和)
「(特訓がうまくできなかったので)コメントのしようがないです」(湯川浩司)
「(「今村選手が良かったとの声もありました」の質問に対して)ほんまですか?」「だいたい似たような感じで、悪いイメージもなかったけど、いいってこともなかったですね」「(蒲郡MB記念より)足はよかったけど、乗りやすさがない」(今村豊)
「手応えはまったくないです。さっぱりです」(池田浩二)
 ……といった感じだ。
 今村が饒舌なのは基本的にいつものことだが、リップサービスはあまりしないタイプの松井や池田にしても、いつも以上に口が重たくなっていた印象だった。明日は、6選手それぞれに忙しい時間を送ることになるのだろう。

2010_1005_0263  ドリーム出場選手の共同会見を終えて、ピットに戻ってくると、前半組と後半組のインターバルで、後半組の選手たちの試運転が行なわれていた。
 スタート特訓は、ドリーム出場選手を除けば、登番順で行なわれることになるので、前半は先輩の手伝いに駆け回っていた若手選手たちは、自分の準備のために駆け回ることになる。
 SGであれば「いつものルーティーン」といえることだが、この時間ならではの慌ただしさも、見ていて、なんとも気持ちがいい。
 この時間の整備室は、前半組のモーター格納で満員御礼状態になっている。また、この時間帯のペラ小屋では、前本、服部幸男、鳥飼眞が作業をしていた。

2010_1005_0739  待機ピットで作業をしていた吉田拡郎が、引きあげてきたときに声をかけると、「いやあ、いいのを引けました。BOATBoyさんのおかげです」とニッコリ!
 念のために書いておくが、カクローがエース機級のモーターを引いたこととBOATBoyはまったく関係ありません(笑)。
 数字や実績だけでなく、乗った手応えもよかったのか……と、そのことを聞くと、「いえ、まだ乗ってないんですけど」と言うのだが、「期待と不安は両方あるんですけど、いいプレッシャーを自分に与えていけそうです」とのことだった。
 ダービーを優勝して賞金王決定戦へ。
 そのことが全選手の頭にあるのは当然だけれども、峰たちが地元チャレカ出場を目標にしている部分があるのと同じように、カクローは来年、地元・児島で開催されるグラチャン出場を大きな目標のひとつにしている。グラチャンはSGで結果を出さない限りは出場ができないSGの中のSG。そのことを考えても、今節はカクローにとってのビッグチャンスになったわけなのだ。
 選手それぞれに様々な思いを抱いて臨む全日本選手権――。ザ・ダービーが、今始まる。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/内池久貴)


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『しげ爺の全日本選手権予想 (初日)』 2010/10/06 【しげ爺の競艇予想】
管理人のしげ爺じゃ。 当ブログは、『人気brogランキング』 『ブログの殿堂』 『くつろぐ ランキング』 に参加してるぞ。 読者の皆さんの協力が必要なので、下記画像のリンク先をポチっと頼むぞ。 わしの予想で楽しめた方は、是非応援クリックをお願いするぞ。... 続きを読む
受信: 2010/10/06 0:31:41
コメント

皆様、本日も一日お疲れ様です!今日はいい天気で良かったですね。レースのない日は寂しかったです。
今節も熱いレポートよろしくお願いいたします。

投稿者: UKpetta (2010/10/05 21:48:49)

@nifty記者方々。お久しぶりです。
いつも拝見させて頂いてたのですが、なかなか予想参加出来なくて御挨拶が遅れました。
久々に皆様と一緒に競艇を楽しめたらと思い、今回はお邪魔させて頂きますね。

H記者、K記者。ご無沙汰してました。
パワーアップした『しげ爺予想』で、今回は御二方をギャフンと言わせて見せますよ。
いざ勝負です!

投稿者: しげ爺 (2010/10/06 0:44:34)
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