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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――石野に驚く

2010_1222_0237  ピットでの超抜は石野貴之である。デップリと太って頭のハゲた、後厄がまもなく終わるオッサンには理解不能なのだ。どうして、この大一番を控えて、まったくいつもと変わりなく過ごすことができるのか。笑顔を見せ、飄々としながら、自然体を保つことができるのか。さっぱりわからん。そして、敬服する。
 オーシャンカップの優勝戦の日にも、同じことを思った。たしかあのときは、優勝戦直前には少しずつカタさを見せていったのだけれども、昼間のうちは今日と同じように、豪胆なところを見せていたのだ。
 たとえば、湯川浩司。優勝戦1号艇はいまだに緊張する、という。グラチャンのときも、そんな様子は見えた。SG4冠の湯川でさえ、そうなのだ。今日の石野は1号艇ではないけれども、初めての賞金王決定戦の舞台で恬淡としていられるというのは、驚くべきことではないか。
2010_1222_0206  同じく賞金王決定戦を初体験の中島孝平は、ピリピリした雰囲気を醸し出しているのだ。本人はそんなつもりはないだろうけど、明らかに顔つきがカタい。すれ違えばお互いに会釈くらいはするのだけれど、そうした一瞬の他者の注目であっても、できれば避けたいというようなムードを感じる。これまた本人もそんなつもりはないだろうけど。でも、それが当然だよな、と思う。
2010_1222_0162  あの岡崎恭裕でさえ、これまでピットで見てきた彼の様子とは、どこか違うように感じるのだ。何しろ報道陣のカメラが殺到しているため、接触することはかなわなかったが、遠目には緊張感に包まれているように見える。きっと話しかければ、いつもの笑顔に変わるはずだが、この一戦の重大さを肌身で感じているとしか思えないのだ。
 だから、石野には唸ってしまうのだが……。
2010_1222_0475  湯川はおそらくリラックスできていると思う。これが3度目の賞金王ファイナルだ。しかも5号艇。もう過ごし方も心の持ちようも、わかっているのだろう。
 もっとも早い動き出しを見せていたのが、この湯川だった。決定戦ベスト6のなかではただ一人、ボートが係留所にあったのだ。一昨日のヒマそうだった湯川はどこにもいない。太田和美に相談しながら、すでにペラの方向性をに詰め始めている様子。声をかけると、いつもの微笑で「すーっ(おはようっすーっの略だと思う)」。いい時間を過ごしているのがありありとわかる。
2010_1222_0141  今垣光太郎も、彼の言うところの「平常心」ではいられているようだ。こういう大舞台での彼の本当の「平常心」は別物であるように僕は考えているのだが、いまや常套句であり、彼が自分にも言い聞かせている「平常心」は、今朝の今垣の様子をそのままあらわしている。ちなみに、湯川に続いて着水をしていたのが、今垣だった。
2010_1222_0075  というわけで、最後に気になるのは、ポールポジションを手にした濱野谷憲吾だが、実は2Rあたりまで姿をまったく見かけなかった。ペラ室をのぞいても、いない。整備室にもいない。ボートは装着場に置かれたままで、濱野谷の痕跡はそこにしかない。どうも、かなりゆったりとした始動のようだったのだ。3R、石渡鉄兵のエンジン吊りに出てきたところでようやく姿を確認。しかし、気づいた点といえば、おどけた様子で話しかけてきた服部幸男に、アハハハと笑い返したことくらいだった。そのまま、濱野谷はペラ室へ。メーンイベントの大本命は、ようやく戦いの準備に入ったようだった。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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