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賞金王トライアル初日 私的回顧

満身創痍

11R
①湯川浩司 17
②今村 豊 20
③岡崎恭裕 15
④松井 繁 20
⑤石野貴之 18
⑥池田浩二 18

2010_1220_r11_1003  こ、これこそが賞金王トライアルなのか……。レース後、ただ観ていただけの私は、疲れ果ててぐったり座りこんでしまった。頭の中がもう何がなんだか、しっちゃかめっちゃかだった。以前、服部幸男が「はじめてトライアルに出たとき、殺し合いかと思った」と語っていたが、そういうことか、と合点した。だって、1マークを回ったとき、誰が5-1-2なんて結末を想像できた??
 進入は3対3の枠なり(石野のピット離れがかなりいい。要注意)。スタートも穏やかな横並びという感じだったが、わずかにトップSだった岡崎がおもむろに攻めて、レースは戦場になった。見えないところから飛んでくる3コースのツケマイは、イン選手にとってもっとも怖い埋伏の敵だ。湯川はものの見事に後輩の引き波にハメられた。颯爽と先頭に立つ岡崎。追随するのは岡崎マークの松井ではなく、その上をぶん回して豪快にまくり差した石野。その後方には、2コースから差した今村。怖いもの知らずのやまとコンビと怖さを知り尽くした名人が抜け出す。王者も快速王子も怪物モーターも、千切れ飛んだ。
 3-5-2か、どんだけ大穴なんだ??
2010_1220_r11_1017  なんて思っていたが、このとき先頭を走る岡崎は、目に見えぬ強敵に苦しめられていた。それは、パワー不足。バック直線の伸びで2艇にぐんぐん迫られる。2マークでは引き波を超える力が足りず、ついに石野の冷や水を浴びる。

 さらに2周1マークでは外から全速で石野を攻めたものの、まったくサイドがかからない。ふと見れば、1マークで岡崎に完全に潰された湯川が、岡崎の真横にへばり付いていた。バックで2艇がガツンとぶつかった。火花が散るような競りのまま2周2マーク。2艇でターンマークを外して競っているうちに、今度ははるか後方の5番手にいた池田まで息を吹き返してしまった。

 2010_1220_r11_1059 湯川に逆転された岡崎と、切り込んで差した池田が激突……横から衝撃を喰った岡崎がバランスを崩し、さらに順位を下げる。颯爽とまくりきった若者が、なぜか5番手を走っている。一方の池田は、衝突のときにフィンが弾け飛んだことに気づいていただろうか。3番手まで浮上して迎えた3周1マーク、池田のボートはまったくサイドが掛からず、向こう岸の消波装置まで流れ去った。
 私が5-1-全の舟券を持っていることを思い出したのは、このあたりだった。1マークで捨ててもいいような舟券だったから、完全に忘れ去っていたのだ。
 あれ、これって当たってるの????
 喜びより驚愕のほうがでかいまま、私は5-1-2-3-4-6という順番で入線したゴールを見ていた。1周バックの352164から512346へ……半周ほど遅れてゴールした池田のボートは、縄張り争いに負けて満身創痍になった猫のように見えた。

順風満帆

12R
①今垣光太郎 11
②山口 剛   13
③中島孝平   12
④濱野谷憲吾 07
⑤瓜生正義   06
⑥菊地孝平   12

2010_1220_r12_1250  これもまた賞金王トライアルの一形態だろう。もつれにもつれた11Rから打って変わって今垣があっさり逃げきり、接触らしい接触もないレースだった。その立役者は、良しも悪くも濱野谷か。4カドからトップSで1艇身近く抜け出した憲吾は、まくる素振りを見せた。このカドまくりを強攻すれば、このレースも仁義なき戦場に変わったはずだ。三四郎(346BOX)などというスケベな舟券を買っていた私は、一瞬色めきたった。が、そこはあくまでも冷静、慎重、平和主義の憲吾なのである。まくらんかな、と左に向けたハンドルを直進に変えた。露骨に「や~めたっ」というのが、わかるハンドル戻しだった。実に憲吾らしいとも言えるのだが、あまりの露骨さに私はプププと吹きだしてしまったぞ、憲吾クン。
2010_1220_r12_1214  まあ、憲吾に限らず「10かゼロかより、しっかり着実にポイントを重ねたい」と思う選手がいるのも、1億円と名誉が懸かった賞金王トライアル初日の特性なのだ。このレースで握ったのは中島ひとり。憲吾を牽制してから握ったので、破壊力の乏しい握りマイだったが。あとは山口が差し、憲吾が溜めて溜めて溜めて差し、瓜生が待って待って待って差し、菊地までもが最内に差しハンドルを入れた。これで、今垣が逃げられないわけがない。早々に焦点は2着争いに絞られたが、ほぼ横一線のバックから力強く抜け出したのが瓜生だった。
2010_1220_r12_1246  瓜生の足はマジでやばいぞ。1マークの3番差しで幾重もの引き波を超えた後の加速度といい、2マークでも引き波を超えた瞬間に後続を一気に突き放した加速度といい、あの出足レース足は、他を圧倒していた。本線予想(1-456-456)で瓜生を切り捨てていた私だから、瓜パワーの凄さは尚更よくわかる。憲吾のカド差しは私の想定内だった。瓜生がそれを待って差すのも予想どおりだった。そして私の脳内レース通りなら瓜生は大敗するはず、と思っていた。それが……あの展開から2着に来られてしまっては、マジで本当にどうしようもなく脱帽するしかないのだ。私の見立てと読みが甘かった、と土下座するしかないのだよ。呆れながら。
 トライアル2戦を見て、「かなり凄いな」と感じたパワーはこの瓜生と石野。「出てるな」と感じたのは湯川と池田。今垣は楽すぎる逃げきりなので、正味のパワーは不明。他艇も断言できるほど理解はしていないが、岡崎の足が現状ではかなり苦しいことと、12Rの3~6着選手が瓜生より苦しい、ということだけははっきりわかった。(photos/中尾茂幸、text/H)

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