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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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賞金王決定戦ファイナル 私的回顧

限りなく逃げに近い……

12R賞金王決定戦ファイナル
①濱野谷憲吾(東京)26
②中島孝平(福井)  17
③石野貴之(大阪)  17
④今垣光太郎(石川)12
⑤湯川浩司(大阪)  15
⑥岡崎恭裕(福岡)  19

2010_1223_r12_0955  1年の集大成が、イン逃げのような「まくり」で終わった。
 3対3の枠なり。12秒針が回り、まずはいつもの習慣で憲吾の起こし位置を見る。110mを切ったあたりで憲吾は発進した。
 まあ、楽インか。
 そう思ったとき、私の目にはちょっとした違和感があった。発進のタイミングが後方のスロー勢と同じに見えたのだ。これはもちろん、どちらかのタイミングがおかしい。憲吾が早すぎるのか、2・3コースが遅いのか……そんな違和感を尻目に、私の目は外に向く。

 2010_1223_r12_0957 湯川のアタマ舟券で勝負している身の上、あくまでダッシュ勢が主役なのだ。湯川が自力で行くか、今垣の攻めに乗るか、どちらにせよスタートを決めなければ話にならない。スリット、今垣がわずかに覗いている。
 まくり宣言をしている光ちゃんなら、ここから絞るかも??
 スタンドは騒然としている。
「イマガキィィ~行け~!!」
 という絶叫も聞こえた。が、なんかスタンドの騒然ぶりが、ちょっと変な感じだった。まだ今垣が絞ってもいないのに、悲鳴のような断末魔の叫びのような、悲壮感に満ちた騒然ぶりなのだ。
2010_1223_r12_0961  ここでやっと内の隊形に目をやった私は、もうビックラこいてしまった。
 憲吾がいない?
 いや、最内に確かに憲吾はいた。いたが、それはもう中島の1艇身ほども後方だった。 な、なぜ?? あんなに2・3コースより前にいて、同じようなタイミングで起こしたのに、なんでこんなに遅れてるっ??
2010_1223_r12_0965 もう、今垣を見ている場合ではなかった。中島がスッと静かに内にハンドルを入れる。すぐには絞らない。しっかりマイシロを確保してから、中島は憲吾をいたぶるように引き波に沈めた。冷静沈着な判断であり、このじわじわまくりが賞金王への決め手になった。今垣の攻めをブロックした石野が、凄まじい切れ味のまくり差しを打っていたのだ。もうコンマ1秒でも早く中島がまくっていたら、あるいはもう少し中島が強めに握っていたら、石野の割り差しがズッポリ突き刺さっていたと思う。冷徹なまでの「落としマイまくり」が、石野の花道を遮蔽した。そして、その絶妙な塩梅の2コースまくりは、私の目にはまくられない差させない、完全無比な逃げに見えた。

2010_1223_r12_1033  1年間、頑張って頑張って頑張って走り続け、ここまで生き残った栄光の6戦士に最後の光陰が刻まれた。真っ先にゴールを通過した中島が高々と右手を挙げ、シンガリで通過した憲吾が深く深く頭を垂れた。今節のふたりの足取りは似ている。トライアル初日のセンター枠で重い着を背負い、2・3日目の1・2号艇で枠なりの着順をゲットした。どちらも賞金王を獲るに相応しいテクニックとパワーと強運を有していたが、その2本の足跡は180度に分断された。

2010_1223_r12_0901  憲吾の敗因はスタート。それのみ。私が勝手に思うに、早めに起こした憲吾は同じく早めにアジャストしながら、全速で行くタイミングをきっちり捉えようとしていたのではないか。そのアジャスト(補正)に失敗し、いくら握っても取替えしのつかないほどの遅れになった。そんな気がする。まあ、理由はどうであれ憲吾本人の過失であり、「智也が頑張ったのに、情けないぞ!」という多くのファンの叱責は甘んじて受けなければならない。

2010_1223_r12_0904  そして、その大本命のドカ遅れに舞い上がって攻め急ぐことなく、外の艇の攻撃を巧みに殺しながら逃げきった、いやまくりきった中島は黄金のヘルメットに値するレースを魅せてくれた。「メンタルが弱い」と本人は公言するが、もうそれを口にするのはやめた方がいい。本当に心の弱い人間に、あんな簡単そうで難しいターンはできない。SG初Vが賞金王決定戦。その事実だけで十二分にタフなヒーローだと思う。おめでとう、北陸の孝平クン!(photos/中尾茂幸、text/H)


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THEピット――憲吾が……

2010_1222_0120  賞金王決定戦は、濱野谷憲吾に尽きる。
 勝ったのは中島孝平だが、それでも濱野谷憲吾なのだ。
「前に1号艇で乗ったときにはコンマ22だったので、今回はそういうことがないように」
 たしかに昨日、そう言っていたはずではなかったか。03年賞金王で踏んだ轍を、その数字まで記憶に刻んで、戒めとしていた濱野谷なのだ。
 コンマ26。まさか、あのとき以上にタイミングを失しようとは誰が想像しただろうか。
 痛々しかった。こんなに痛々しい濱野谷を見たことがない。
 SG優勝戦で敗れても、ここまで硬直した表情の濱野谷は見たことがないのだ。悔しがってはいても、笑っていた。苦笑いであっても、笑っていた。だが、今日は苦笑いすら見えない。カポックを脱ぐとき、ともに戦ったメンバーと顔を合わせたとき、少しだけ笑ったのは見えた。だが、それは明らかに無理に作った笑いで、それこそコンマ26ほどで消えた。どうしたって、笑えなかったのだ。
 濱野谷の心中をもっともよくあらわしていたのは、飯山泰である。モーターを運びながら濱野谷の左側に寄り添い、今にも泣きださんばかりに顔をしかめていた。濱野谷は硬直だが、飯山は顔のフォルムが完全に崩れてしまっている。勝敗は時の運。だが、こんな敗れ方をしてしまうなんて……。飯山の顔を見ていると、こちらも涙が落ちそうになってしまった。
2010_1223_0356   モーターを返納している間も、濱野谷は黙々と、表情を変えずに手を動かしていた。はっきりした記憶があるわけではないが、こうしたときでも濱野谷は周囲と笑顔でレースを振り返り合ったりしていたのではなかったか。つまり、今日は誰もが濱野谷に声をかけるのをためらっていたのだろう。それほどまでに、濱野谷の姿は沈痛すぎた。こんな濱野谷憲吾はもう二度と見たくない、そう思った。
 だが、一方で初めて見る濱野谷憲吾を歓迎している自分もいた。敗北にまみれたとき、こんな姿を見せる濱野谷憲吾を望んでいたのではなかったのか、と。見たくはないが、こんな濱野谷であってほしい……大きな傷を負った濱野谷は、そんなふうにこちらを混乱させたのだった。
 新たな一面を見せた濱野谷が、今度はポジティブな方面で新たな面を見せる2011年であってほしい。ひとまずはそんなふうに締めくくろう。ともあれ、2010年最大の決戦は濱野谷に尽きた。それだけは間違いない。

2010_1223_0605 「アシは凄かったなあ」と湯川浩司はつぶやいた。相当に仕上がっていたようだ。10R前、すべての調整を終えた湯川が、ニヤニヤしながら近づいてきた。
「おっ、そのニヤニヤは!」
 こちらが煽ると、湯川はふふんと笑って、おどけた口調で言った。
「何もないよ」
 何かあったのだ。実際は。しかし、その足を活かせる展開にはならなかった。「4なら面白かったのに」というのは、本音中の本音だろう。
2010_1223_0603 「アシは良かった……」と石野貴之は悔しそうに唇の端を上げた。やはり石野は噴いていたのだ。ボート変更があったが、それにも完全にマッチングさせていたそうだ。もしかしたら、1マークでは快哉を叫んでいたかもしれない。ひとつ左がまくっていったのだから、展開は充分にあったはずだった。だが、その流れを活かし切れなかった。男前の甘いマスクがゆがむのは、当然のことだっただろう。
2010_1223_0621  湯川と石野は、モーターが噴いていたからこその悔恨。しかし、今垣光太郎はそうではない。何しろ、2番手を走って福井支部ワンツー態勢を築きながら、石野に逆転されてしまっているのだ。それはやはり、機力の差。今垣はもちろん、悔しさに顔をしかめてはいたけれども、妙にサバサバしていたようにも見えたのだった。悔しさをぐっと噛み締めたあとには、後輩の快挙が思い出されたことだろう。今垣にとっては、やるだけやった賞金王決定戦ということになるのかもしれない。ちなみに、最終的な獲得賞金ランキングでは、福井支部がワンツーを決めている。
2010_1223_0403  岡崎恭裕もまた、機力に泣いての敗戦である。だが、本人にとってそれは、実はいいわけにはなっていないようである。というより、機力的な部分など、自分の力でなんとか乗り越え、道を切り開こうとする思いが強いのではないだろうか。岡崎のレース後のコメントは「6コースが遠かった」である。もちろん機力も含めてのコメントなのだろうが、それを強調しないところが、岡崎らしさだと思う。
 モーター返納のあと、整備室から出て、対岸のビジョンに流れるリプレイを見ている姿があった。ターンマークごとに顔をゆがめ、最後に溜め息とともに立ち上がったのは3周1マークが映し出された直後。つまりは、自分の航跡において、反省点があるということである。思えば、今節は岡崎の悔しがっている姿をずいぶんと見た。あの総理杯、敗れて笑っていた岡崎が、今は悔しさを隠すことがなくなっているのだ。そんな岡崎は間違いなく、来年もSGの顔になっていく!

2010_1223_0041  さて、勝った中島孝平である。この人の淡々とした様子の変わらなさといったら! ウィニングランを終えて戻ってきたとき、それが賞金王ウィナーだとは、一瞬思えなかったほどである。それほど、中島は笑顔を爆発させることもなく、淡々と動いていたのだ。まあ、今垣がモーター返納中、石田政吾もそれにつきっきりという状況、同支部勢がそこにいなかったという状況も、中島の笑顔を引き出さなかった要因かもしれないけど。
 ただ、もちろん淡々としているだけの男ではない。後手を踏んだ濱野谷を、迷うことなくまくっていった1マーク。「MB記念の二の舞だけは嫌だった」と中島は振り返っている。そう、スタートでのぞき、まくる態勢でありながらも、今村豊の伸び返しに差しを選択し、失敗したあのレースだ。あのとき2コースで後手を踏んだのも濱野谷だったな。まさしくあのときと同じ隊形がコースこそ違え現出し、今度はあの悔恨を味わうまいと果敢なジカまくりを放ったのだ。本人は「メンタルが弱い」とも言っていたけど、芯のある男だからこそ、できる芸当である。
_u5w3215  ともかく、おめでとうございます、中島孝平選手! SG初優勝を賞金王で果たすなんてスゴイぞ! ということで、もちろんあります、水神祭! 会見後、ピットに戻った中島は拍手で出迎えられて、満面の笑顔。そして、水神祭が執り行われたという次第であります。
_u5w3235  本当は、JLCの番組収録もあったのだ。太田和美が「先に水神祭をやっちゃうと、寒くて風邪ひいちゃうからな。先に収録してもらおう」とも言っていたのだ(優しいぞ、太田和美!)。しかし、本人も先にやる、ということで、さっそく行きましょう、水神祭。集まったのは今垣光太郎、石田政吾の福井支部に、松井繁、太田和美、湯川浩司、石野貴之の大阪勢。うはあ、よく見れば、賞金王ファイナルに出てた選手が4人もいるぞ。今年最多優勝で、シリーズ優勝戦に出てた人も。そのうえ、王者に怪物くん! なんと豪華な水神祭。近畿って、ほんと強いな……。
 ウルトラマンスタイルで持ち上げられた中島は、キラ星のごとき仲間たちに漆黒の水面へと投げ込まれてドッボーーーン! きっと冷たい水だったと思うけど、しかし中島はどこまでも深い笑顔を絶やさず、カメラに向かって水の中からガッツポーズを見せるのだった。
 2011年も、淡々と強い中島孝平を見せてください!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)


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H記者の「最後の最後に極選ぢゃ~!!!!」

 いきなり2RでK記者のアトミックボムを喰らって住之江球場あたりまで木っ端微塵に弾け飛んだHです。どういて穴ばっか狙ってるワシが当たらんで、オマンが400倍やら当てるんぢゃーーーと土佐弁で怒ってみても後の祭り。せめて200倍くらいの穴を召し取って、一矢を報いたいっす。

11R賞金王シリーズ優勝戦
 ①赤岩善生(愛知)A
★②篠崎元志(福岡)A(行き足S)
★③魚谷智之(兵庫)S
★④山崎智也(群馬)A(行き足S)
 ⑤勝野竜司(兵庫)A
 ⑥石田政吾(石川)A
進入123/456

 スタート同体ならもちろん赤岩の逃げ。でも、スリット横一線にならないと思います。赤岩のスタートはおそらくコンマ15前後。来年の賞金王に誰よりも燃える男ですから、ここでの勇み足(来年のSGアウト)は絶対にNG。そんな思いが強く働く気がします。キーマンは行き足のいい篠崎と智也のイケメンコンビ。篠崎は昨日のコンマ03みたいに腹を決めて突っ込めるか。この若者の度量が試される一戦ですね。なんだか「行く」ような気がしてなりません。
 一方、今節の智也は早いのと遅いのとバラバラな感じ。S勘イマイチのインや4カドの選手って、ここ一番で極端に早いのかドカるのか、というケースがままあります。このふたりのどっちかが赤岩を攻めたてるとみます。
 篠崎がS攻勢をかければ2=34。篠崎と智也のイケメンWアタックなら節イチ魚谷の差しがはまって3=24。つまりはこの3人のボックスになります。

2連単★234BOX
3連単★234BOX

12R賞金王決定戦ファイナル穴・極選指定
 ①濱野谷憲吾(東京)A
 ②中島孝平(福井) S
★③石野貴之(大阪) SS
 ④今垣光太郎(石川)A
◎⑤湯川浩司(大阪) S(行き足と伸びSS)
★⑥岡崎恭裕(福岡) A’
進入123/456

 先刻、ボー誌の姫園記者が10万円を握り締めて駆けつけました。人気連載の『ガチンコ自腹10万勝負』で帯封を狙うそうです。買い目も聞きましたが、それはボー誌に載るまでな・い・しょ。さあ、貧乏人は最後に大穴の夢を見るとしましょう。まくり宣言をしている今垣、全部の足が凄い石野、伸び凄い湯川の誰かしらが憲吾を攻めたてることは必至。受け止め切れれば拍手として、穴党の目は外に向かいます。
 本命は外枠で人気が急落した湯川。まだ一度もダッシュ戦を見せていない男が、最後に凄まじい行き足~伸びを披露してくれますよ。トップ足の石野と不気味なムード漂う岡崎へ。「やまと初の賞金王誕生」という光景も見たいので、この3艇のボックスも遊びで買っておきます。憲吾郎どの、3連続の斬り捨て御免!!!!
3連単★5-36-全、356BOX


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“本紙予想”賞金王決定戦&賞金王シリーズ優勝戦

いよいよ大詰めです! 皆様、当たっても当たらなくても、悔いのない舟券を!

11R シリーズ戦優勝戦
1コース想定=赤岩 まくられ率6.6% 差され率7.9%
2コース想定=篠崎 逃がし率32.4%
展開のカギ①魚谷3コース まくり4/差し12
展開のカギ②山崎4コース まくり6/差し5
赤岩はイン最強レベルの信頼度でまくられ率も低い。一方、篠崎は逃がし率が低い。魚谷は3コースはほぼまくり差しで、上を握っていくとしたら4カドの山崎。これを赤岩が張って競り合いになれば、魚谷のまくり差しが突き刺さる。赤岩が残せば、山崎の外の勝野がヒモ妙味。
◎魚谷 ○赤岩 ▲勝野 
3連単3-15-全 1-53-全

12R 賞金王決定戦
1コース想定=濱野谷 まくられ率15.2% 差され率15.2%
2コース想定=中島 逃がし率41.7%
展開のカギ①石野3コース まくり5/差し4
展開のカギ②今垣4コース まくり8/差し5
センターに入りそうな両者は、果敢に攻めていくタイプ。濱野谷はまくられ率が高めなので、一撃が決まる可能性はある。ただ、中島の逃がし率が高く、壁になりそうでもある。ならば濱野谷の逃げ切りを狙う手。ヒモは攻めるセンターの外から展開突く湯川と岡崎。
◎濱野谷 ○湯川 ▲岡崎 △石野
3連単1-563-全 

今年もありがとうございました!


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THEピット――石野に驚く

2010_1222_0237  ピットでの超抜は石野貴之である。デップリと太って頭のハゲた、後厄がまもなく終わるオッサンには理解不能なのだ。どうして、この大一番を控えて、まったくいつもと変わりなく過ごすことができるのか。笑顔を見せ、飄々としながら、自然体を保つことができるのか。さっぱりわからん。そして、敬服する。
 オーシャンカップの優勝戦の日にも、同じことを思った。たしかあのときは、優勝戦直前には少しずつカタさを見せていったのだけれども、昼間のうちは今日と同じように、豪胆なところを見せていたのだ。
 たとえば、湯川浩司。優勝戦1号艇はいまだに緊張する、という。グラチャンのときも、そんな様子は見えた。SG4冠の湯川でさえ、そうなのだ。今日の石野は1号艇ではないけれども、初めての賞金王決定戦の舞台で恬淡としていられるというのは、驚くべきことではないか。
2010_1222_0206  同じく賞金王決定戦を初体験の中島孝平は、ピリピリした雰囲気を醸し出しているのだ。本人はそんなつもりはないだろうけど、明らかに顔つきがカタい。すれ違えばお互いに会釈くらいはするのだけれど、そうした一瞬の他者の注目であっても、できれば避けたいというようなムードを感じる。これまた本人もそんなつもりはないだろうけど。でも、それが当然だよな、と思う。
2010_1222_0162  あの岡崎恭裕でさえ、これまでピットで見てきた彼の様子とは、どこか違うように感じるのだ。何しろ報道陣のカメラが殺到しているため、接触することはかなわなかったが、遠目には緊張感に包まれているように見える。きっと話しかければ、いつもの笑顔に変わるはずだが、この一戦の重大さを肌身で感じているとしか思えないのだ。
 だから、石野には唸ってしまうのだが……。
2010_1222_0475  湯川はおそらくリラックスできていると思う。これが3度目の賞金王ファイナルだ。しかも5号艇。もう過ごし方も心の持ちようも、わかっているのだろう。
 もっとも早い動き出しを見せていたのが、この湯川だった。決定戦ベスト6のなかではただ一人、ボートが係留所にあったのだ。一昨日のヒマそうだった湯川はどこにもいない。太田和美に相談しながら、すでにペラの方向性をに詰め始めている様子。声をかけると、いつもの微笑で「すーっ(おはようっすーっの略だと思う)」。いい時間を過ごしているのがありありとわかる。
2010_1222_0141  今垣光太郎も、彼の言うところの「平常心」ではいられているようだ。こういう大舞台での彼の本当の「平常心」は別物であるように僕は考えているのだが、いまや常套句であり、彼が自分にも言い聞かせている「平常心」は、今朝の今垣の様子をそのままあらわしている。ちなみに、湯川に続いて着水をしていたのが、今垣だった。
2010_1222_0075  というわけで、最後に気になるのは、ポールポジションを手にした濱野谷憲吾だが、実は2Rあたりまで姿をまったく見かけなかった。ペラ室をのぞいても、いない。整備室にもいない。ボートは装着場に置かれたままで、濱野谷の痕跡はそこにしかない。どうも、かなりゆったりとした始動のようだったのだ。3R、石渡鉄兵のエンジン吊りに出てきたところでようやく姿を確認。しかし、気づいた点といえば、おどけた様子で話しかけてきた服部幸男に、アハハハと笑い返したことくらいだった。そのまま、濱野谷はペラ室へ。メーンイベントの大本命は、ようやく戦いの準備に入ったようだった。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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本日の“本紙予想”賞金王決定戦順位決定戦&賞金王シリーズ戦最終日

おはようございます。Kです。最終日、ですね……。H記者、しげ爺さんとの予想バトル、昨日は1位をとることができました。単独トップには立てない状況、せめて本日も1位となり「最多1位」の座につければ、と。最終日もよろしくお願いします!

1R
1コース想定=魚谷 まくられ率17.9% 差され率25.0%
2コース想定=木村 逃がし率40.5%
木村が逃がし率高めで、魚谷が念願の水神祭だ
◎魚谷 ○木村 ▲川上 △安田
3連単1-245-全

2R 
1コース想定=柏野 まくられ率0.0% 差され率30.5%
2コース想定=平尾 逃がし率32.6%
寺田の握り攻めを柏野が張って差し場できる。三浦の水神祭だ
◎三浦 ○寺田 ▲柏野 △平尾
3連単4-312-全

3R 
1コース想定=中里 まくられ率25.7% 差され率14.3%
2コース想定=石渡 逃がし率32.8%
中里のまくられ率高く、重野の豪快まくりに期待。
◎重野 ○吉川 ▲石渡 △中里
3連単4-521-全

4R 
1コース想定=飯山 まくられ率3.4% 差され率28.8%
2コース想定=上瀧 逃がし率34.7%
強攻な攻め手なく、飯山がすんなりと逃げる。
◎飯山 ○上瀧 ▲今坂 △寺田
3連単1-235-全 

5R 
1コース想定=重成 まくられ率9.5% 差され率19.0%
2コース想定=白井 逃がし率23.1%
白井が2コースから華麗な差し決める。
◎白井 ○重成 ▲須藤 △井口
3連単2-135-全

6R  
1コース想定=新田 まくられ率6.8% 差され率34.4%
2コース想定=辻 逃がし率43.6%
新田が踏み込んで先マイ逃走。
◎新田 ○辻 ▲日高 △今井
3連単1-234-全

7R 住之江選抜
1コース想定=鳥飼 まくられ率5.1% 差され率28.8%
2コース想定=西島 逃がし率36.1%
強攻派いないここは鳥飼がしっかりと逃げる。
◎鳥飼 ○沖島 ▲太田 
3連単1-34-全

8R 特別選抜B戦
1コース想定=吉田 まくられ率7.6% 差され率28.8%
2コース想定=柏野 逃がし率46.8%
柏野の逃がし率高く、吉田がS決め先マイ。
◎吉田 ○今坂 ▲石渡 △柏野
3連単1-452-全

9R 特別選抜A戦
1コース想定=辻 まくられ率3.1% 差され率23.4%
2コース想定=上瀧 逃がし率34.7%
須藤が優出逃したウップン晴らしの一撃。
◎須藤 ○寺田 ▲辻 △木村
3連単2-413-全

10R 順位決定戦
1コース想定=今村 まくられ率14.5% 差され率17.7%
2コース想定=池田 逃がし率45.9%
逃がし率高い池田を壁に、今村ががっちりと逃げる。
◎今村 ○池田 ▲瓜生 △松井
3連単1-234-全

ふたつの優勝戦については、後ほどアップします。


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最終日! 年間チャンプが決まる

おはようございます。第25回賞金王決定戦、最終日を迎えました。今年もこの日が来てしまいましたね。選手にとってもファンにとっても、まさしく1年の集大成。賞金王シリーズ戦ならびに賞金王決定戦、ファイナルであります。これを見ずに1年は終われない。今日一日、ボートレースの2010年をしっかり目に焼き付けましょう。あ、そうそう、賞金王シリーズ戦優勝戦は昨年まで第10Rでしたが、今年は第11Rですので、ご注意ください!

2010_1222_0154 悲願達成なるか!(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――トライアル後

●トライアル第3戦 11R後

 静かなアフターバトルであった。
_u5w9361  逃げ切った池田浩二は、すでにほぼ終戦。4着だった山口剛も、望みが断たれたも同然。反対に、シンガリ負けを喫した石野貴之は、それでもファイナル当確である。今村豊は1着なら想定ボーダー21点に届くか、2着では1点足らず。しかし、そうした点について感情をあらわにする人ではない。
 勝った喜び、敗れた悔しさ、それぞれにあるけれども、ファイナル最終章にまつわる明暗のようなものは、比較的少ない結果に終わっているのだ。
_u5w9782  だから、もっとも胸の内を表情に出していたのは、岡崎恭裕ということになると思う。選手たちがどこまで知っていたかはわからないが、ピットでは「21点ではファイナル進出は厳しいのではないか」とささやかれていた。僕自身がピットでできる計算などタカが知れているので、僕にはどこまで正確なのかがさっぱり掴めなかったのだが、しかし5着で21点に届いた岡崎が「やっちまった」という表情をしていたのを見て、この点数は決してファイナルを保証するものではないのだと思うしかなかった。
 初戦で、展開を作りながら後退して4着に敗れたときも岡崎は悔しさを露骨に表に出していたが、その度合は今日のほうが大きかったように思う。それは4着と5着という着順の差ではあるまい。もし着順がひとつでもふたつでも上ならば、ファイナルへの手応えをその場で感じることができたのに、それがかなわなかったこと。トライアル最終戦というのは、それが感情の分水嶺になりうる。もちろん、大敗を喫してしまったこと自体への悔恨も胸に迫ってはいただろう。
_u5w9853  では、3着でファイナル進出を確定させた湯川浩司はどうだっただろうか。昨日一昨日に見せた、やるせない表情はいっさいあらわれていなかったが、しかし決してすぐれた顔色とは言い難かった。これは単純に、敗北に対する落胆だと思う。得点的には、実はこの時点で少なくとも1号艇はなくなっていた。石野と同得点だが、上位着順差で石野がまさっていたからである。では、それを知っていたかというと、これは怪しいところ。ただし、もし1着であったなら、初戦と2戦目のリベンジとなる白カポックが近づいたことは確かなので、それをかなえられなかったことへの思いはあったかもしれない。

●トライアル第3戦 12R後
2010_1222_0613  昨日と同じ6着である。だが、菊地孝平は笑みすら浮かべていた。やるだけやった笑みなのか、2回連続シンガリに笑うしかなかったのか、そのあたりは判然とはしなかったけれども、昨日のような怒りに震える菊地孝平はどこにもいなかった。もちろん、今夜は眠れぬ夜を過ごすのではないかと想像するけれども。
2010_1222_0174  笑みといえば、もちろん濱野谷憲吾である。あれだけの激戦をくぐり抜けて2着。それがファイナル1号艇への約束手形となったのだから、笑っていなければおかしい。もちろん、レース直後にそれを認識していたかどうかは怪しい。だが、エンジン吊りにあらわれた須藤博倫がトビキリの笑顔で出迎えていたあたりで、何かを察していた可能性はある(得点を教えられていたかもしれない)。何しろ、須藤と別れてから、濱野谷の笑みはグッと深くなったのだから。
2010_1222_0204  一方で、中島孝平にはそうした柔らかい表情はいっさい見当たらなかった。もともと淡々としている……とはもう何度も書いているが、まあ、そういうお人柄ではあるのである。ホッとした思いがあったとして、それがファイナルの切符をつかんだことに対してなのか、進入争いから激しくなった戦いをインから制し切ったことに対してなのか、それも微妙なところであろう。ともあれ、中島は賞金王初出場にして、ファイナルの切符をつかんだ! 淡々としたなかに、我々には見つけづらいけれども、歓喜がなければウソだろう。
 そこで気になるのは、もちろん松井繁である。松井がファイナルに乗らないなんて! 松井が賞金王で順位決定戦回りになるのは、実に13年ぶり。11回連続でファイナルに駒を進めていたのである。これは、やはり事件と言うべきであろう。
2010_1222_0336  松井に関しては、レース中の出来事も記しておきたい。昨日もおとといも、もちろん今日も、トライアルが始まるとボートリフトの付近に選手が集結する。賞金王決定戦をナマで味わうには最高の場所なのだ(ピットの中では)。この12Rの1マーク、リフトからは大音量で「あぁ~……」と悲鳴のような声が巻き起こっている。まさに溜め息の大合唱。それは、松井が放った差しが濱野谷憲吾のふところに届いたように見えて、しかしその刹那、引き波にハマってずるりと後退した瞬間だった。そこには大阪支部や近畿地区の面々ばかりがいたのではない。あらゆる支部、地区、期の選手たちが、松井が敗れたことに無念の声をあげたのである。
 レース後のピットの重苦しさは、松井が敗れたことによって、すべて作り出されていたのではないか、とすら思った。つまり、選手も関係者も報道陣も、周囲の人たちが戸惑ったのである。
 しかし松井自身は、いつもの敗戦後の松井繁であった。ひとり悔しさを噛み締める。表情に出すことをグッとこらえる。いや、こらえているわけではないかもしれない。松井はそうすることを自ら規定しているのだろう。つまり、松井が自ら積極的に重苦しさを発散していたわけではない。何度も対岸ビジョンに映し出されるリプレイを立ち止まって振り返りながら、ファイナルに進めないという現実を静かに真っ向から受け止めているようだった。
 ありきたりにまとめる。だからこそ、松井繁は王者なのだと。

●さあ、ファイナル!
 優勝戦の枠順は別項のとおり。ポールポジションには、濱野谷憲吾がすわることとなった。
「いつか賞金王を獲れると思っている」自分のテクニックの鋭さを知り尽くしている濱野谷は、そう信じ続けてきた。その日が、いよいよ明日、来るかもしれない!
 だが、いつか獲れると信じるがゆえに、本人いわく「ガツガツするところがない」というキャラになった濱野谷。明日も同様か……と思いつつ、もしかしたら、とも思いたくなる。
「前にいちど、1号艇で乗ったことがあるけど、(スタートが)コンマ22でしたからね。今回はそんなことのないように」
 その賞金王は2003年。7年も前の話だ。あれから2000日以上が経ったというのに、濱野谷はいまだにその“遅すぎる”スタートタイミングの数字を覚えていて、それを自らへの戒めとしているのだ。それは、執念と呼ぶべきものではないか。
2010_1222_0469  湯川浩司は、3度の賞金王出場で3度優出。凄い。ただ、今回は湯川にとって、お初が二つもある。1、1、1、3。3、2、2、3。1、1、3。何の数字かおわかりだろうか。湯川が今日まで戦ってきた賞金王のトライアルと優勝戦あわせて11走の枠番である。そう、内枠しか引いたことがないのだ。この優勝戦が初めての外枠。そして、内枠ばかりで走ってきたがゆえにすべてがスロー発進だった湯川にとって、初めてのダッシュ戦(が濃厚)なのである。会見で湯川自身が口にして初めて気づいたが、明日は新鮮な湯川浩司を目撃できるというべきであろう。ちなみに、アシ的にはダッシュ向きだと本人の弁である。そして「湯川に伸びでやられた」が濱野谷の弁だ。
2010_1222_0481  今垣光太郎は、神妙な表情で会見に臨んでいたが、頬がほころんだ瞬間があった。3号艇が石野だと知ったときのことだ。
「石野くんから離れません(笑)。石野くんが攻めてくれれば、展開があると思います。明日は攻めてもらってまくり差せるようなアシに仕上げたい」
 100%他力本願宣言(笑)。実は、似たようなことをモーターボート記念の優出会見でも語っていて、5号艇の自分は4号艇の仲口博崇がまくってくれればまくり差せるから楽しみ、と言っていたものだった。レース前には場合によっては何百通りも展開をシミュレーションするという光ちゃんらしいといえば、その通りなのだが。ただ、MB記念との違いは、今回はやけにニコニコしながら語っていたこと。MB記念よりずっと気楽そうなのだ。

 さて、以上の決定戦経験組に対し、あとの3人は賞金王初出場組が占めることとなった。
2010_1222_0529  昨日の段階で当確を決めていた石野貴之は、変わらず凛とした顔つきで、ハキハキと、また理路整然と、会見で質問に応えていた。また、中島孝平もまた、変わらず淡々と、また丁寧に、回答を繰り広げていた。ともに賞金王ファイナル進出の興奮も、恐れも、緊張も、ひとつも見せないのだから、豪胆である。もちろん、明日になってどうなるかは、本人たちですらわからないだろうけれども。
 岡崎恭裕は、決定戦6人のなかでは唯一と言っていいほど、ネガティブな言葉ばかりを口にしていた。「アシは全体的に弱いまま。それは変わらない」「意気込み? そこまで考えていません」「6号艇が得意? でも今回のアシでは6コースから狙えるようなものではない」。字面にすれば、白旗宣言にも見える。
 だが、岡崎はそう言いながらも、まったく表情を暗くしていなかったし、むしろ「それがどうした」的な空気を醸し出していたのである。「アシは弱いけど、だから?」というか。それを自分のハンドルと気合でなんとかしてやる、いや、なんとかできるかも、といった雰囲気なのだ。そういえば、初戦は3コースからツケマイ、2戦目は3コースからまくり差し、今日は届かなかったけど5コースからまくりと、3戦すべて攻め込むレースを見せているのである。12人の中でもっとも激しく握って勝利をもぎ取りにいったのは、岡崎であろう。明日も、最アウトから全速で迫る若武者の姿が見られるかもしれない。(PHOTO/中尾茂幸=12R、湯川、今垣、石野 池上一摩=11R TEXT/黒須田=事情により、アップが遅れてすみませんでした)


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賞金王トライアル3日目 私的回顧

2010_1222_r11_1096_2 一太刀

11R
①池田浩二(愛知) 08
②今村 豊(山口) 10
③湯川浩司(大阪) 11
④石野貴之(大阪) 13
⑤岡崎恭裕(福岡) 13
⑥山口 剛(広島) 12

 遅ればせながら、池田が他艇に影も踏ませぬような鮮やかなイン逃げを決めた。スリットは美しいまでの横一線。相棒のモーターはモンスターと呼ばれる5号機。艇界屈指のイン巧者。この条件が揃っては、他艇に付け入る隙はない。
2010_1222_r11_1132  こうなると焦点は2着争い、どころか2~6着争いだ。私は3着以上でファイナルの1号艇が確定する石野を探した。何があったのか、はるか離されたシンガリ航走。これでは白いカポックにありつけない。これを踏まえて2着なら1号艇の可能性がぐっと高まる岡崎も、先団から千切れている。枠番の差なのか経験の差なのか、今日のやまとトリオはせっせとプール掃除をするに留まった。

2010_1222_r11_1143  2着争いは、今村VS湯川の王子決戦。快速王子・湯川はここで2着(9点増し)ならファイナル1号艇のチャンスは十分。3着(7点増し)なら途端に苦しくなるという正念場の争いだったのだが、初代プリンスの捌きの前に屈した。湯川のストレートは天下一品だが、やはりちょっとターン回りの掛かりと出足が甘い。ということは4カドあたりからの自力攻めがもっとも破壊力があるわけで、この3着を前向きに捕らえていいだろう。ダッシュ戦の湯川が楽しみだ。
 大魚を逸した石野はすべての足が上位のバランス型で、どのコースからでも展開ひとつで突き抜けられる。誰かが強引に仕掛けて混戦になればなるほどチャンスが膨らむパワーだ。岡崎は石野より見劣ると思うのだが、この男の最大の武器はふてぶてしいまでのクソ度胸。明日もピンロク上等とばかり、捨て身の決め撃ちアタックをやらかすだろう。
 嗚呼、それにしても、池田5号機の真の底力をファイナルで見てみたかったなぁ。

集大成

2010_1222_r12_1277 12Rコース順
①中島孝平(福井) 02!!
②濱野谷憲吾(東京)06
④菊地孝平(静岡)  01!!
⑥松井 繁(大阪)  07
⑤瓜生正義(福岡) 09
③今垣光太郎(石川)10

 着順から先に言ってしまえば、123654。11Rと寸分違わぬ結果になったのだが、レースの熾烈さは縦長展開の11Rとは別次元の凄まじさだった。まず、勝負駆けの条件がヤバい。ボーダー7・00として、外枠3艇が菊地①、瓜生③、松井②と崖っぷち。内3艇にも完走当確や脱落者のいない問答無用のサバイバルカードなのだ。
2010_1222_r12_1254   6号艇の松井が動いた。すかさず瓜生が、菊地が、今垣が抵抗する。松井が加速し、他艇も加速。こうなると、イン水域を死守したい内2艇も“参戦”せざるをえない。バック水面からホーム側へ、全艇が猛ダッシュで突入するという異常事態だ。一歩も引かない王者に、まずは瓜生が一抜けを決めた。スタート展示でも5対1の単騎がまし。想定内の範囲だろうし、これはこれでスローよりチャンスは膨らむ。
 そして、松井の内に舳先を入れようとしていた今垣も、「ダメだこりゃ」とばかりに回り直し。スタンド騒然。5対1ならともかく、深~い横並びの4艇にたっぷり助走距離をとった2艇となれば、どちらが有利かわからない。
2010_1222_r12_1264_2  5カドの瓜生か!?
 瓜生のアタマ舟券で勝負している私の心はそぞろときめいた。スロー4艇がずんずん深くなるたび、私の動悸もどんどん速くなる。逆に中島アタマでメイチ勝負している人も、心電図が振り切れるほどだったろう。12秒針が回る。中島の起こしは、80mを切っていたかもしれない。他の3艇も。
 瓜生、行けっ!!
 心の中で叫んだが、なんとスリットの臨界点まで突っ込んだのはインの中島だった! 後でそうと知って驚く、コンマ02のタッチ発進。3コースの菊地もコンマ01という生死を分かつ領域まで踏み込んでいた。
 ありゃ、瓜生、届かない!?
 スロー勢の決死の覚悟が、ダッシュ勢の脅威を帳消しにしてしまった。それでも瓜生は果敢な全速決め撃ちのまくり差しを敢行したが、前が開かずに危険回避の減速を余儀なくされた。
2010_1222_r12_1316  バック直線、タッチSを生かして中島だけが抜け出した。抜け出したからといって、本当の勝負は終わらない。むしろ、はじまったばかり。これはファイナルではなく、トライアル3戦なのだ。2マーク、他の5艇がみんなもの凄いターンをしていた。どれだけみんな凄かったかというと、回り終わって5艇がほぼ横並び。進入固定のスタートみたいだった。そこから、わずかに有利な態勢だった憲吾が2周1マークを先取りする。ファイナル1号艇を決定付ける高速モンキー。でも、レースはまったく終わっていない。

2010_1222_r12_1321 2周バックで今度は4艇がほぼ横一線で伸びを競い合っていた。こんなレース、競艇じゃほとんどありえない。全員が「とにかくひとつでも上の着順を!」という決死の思いと、最高レベルのテクニックを駆使してターンすれば、こんな全部の直線がスタート?みたいな多数並列の状況が生まれるのか。2周2マーク、わずかに有利だった今垣が抜け出した。それでも、レースはまだ終わらない。松井と瓜生と菊地がもつれあいながら3周1マークで交錯し、バックで競り合う。4着争いなのに、SG優勝戦の1マークのような激しさ。いや、それ以上だったかもしれない。そして、すべてのターンマークがそんな迫力だったのに、ほとんど接触がないというテクニックの凄さ。まいった。あんたら、凄すぎる。
2010_1222_r12_1317  そして、最後に123654という死闘の結果が示され、勝者と敗者が生まれた。最後まで激しい4着争いを演じていた3艇は、実のところすべて脱落した。が、それでも、いや、だからこそ「ひとつでも上を、1点でも多く」という思いだけで死闘を繰り広げた彼らの走りは感動に値する。
 なんだか褒めてばかりだが、いくら褒めても褒め足りないぞ。
 進入といい、スリットといい、5着争いまで含めた道中の競り合いといい、これぞ究極の賞金王決定戦・トライアル第3戦だった。この1戦でベスト6に入れなかった者には、わずかな賞金が与えられるのみ。生き残った者には、1億円と艇界NO1の象徴である黄金のヘルメットと名誉と賞賛と尊敬と、それらを同時に勝ち取るチャンスが与えられる。さらに、向こう1年のSG参戦権まで得られる。そんな残酷なまでのトライアルの本質を、言葉ではなく水面の航走だけで余すところなく伝えていた。伝えてくれた。私がこれまでに観てきた中で、間違いなく最強最高の「勝負駆けレース」だった。(photos/中尾茂幸、text/H)


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決定戦&シリーズ戦 優勝戦メンバー決定!

 賞金王シリーズと賞金王決定戦の優勝戦メンバーが決定しました!! 決定戦のポールポジションは、あれよあれよの濱野谷憲吾。このまま黄金のヘルメットまで突っ走ってしまうのか、ケンゴ? さあ、明日、いよいよ1年の集大成だぁぁぁ!!!!

11R賞金王シリーズ優勝戦
①赤岩善生(愛知)
②篠崎元志(福岡)
③魚谷智之(兵庫)
④山崎智也(群馬)
⑤勝野竜司(兵庫)
⑥石田政吾(石川)

12R賞金王決定戦ファイナル
①濱野谷憲吾(東京)
②中島孝平(福井)
③石野貴之(大阪)
④今垣光太郎(石川)
⑤湯川浩司(大阪)
⑥岡崎恭裕(福岡)


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H記者の「コージはコージでも??」予想

11R
 ①池田浩二(愛知) ×
★②今村 豊(山口) ①
◎③湯川浩司(大阪) ⑤
★④石野貴之(大阪) ☆
 ⑤岡崎恭裕(福岡) ⑤
 ⑥山口 剛(広島) 1待ち
進入123/456

 悩ましい枠番です。すでにベスト6が絶望的になった池田のイン戦。思いきって軽視します。本命はインで2度負けている湯川。ターン足より行き足が良さそうな今節の足なら、センター枠がいちばん怖い。みんな「インで2回やられてるから湯川の足は弱い」なんて思ってると痛い目に遭いますぞ。3号艇の岡崎に2度やられた男が、今日は3号艇で勝ってみせます! やや気配がアップしたミスターと節イチ候補の石野へ。ピン条件ミスターへの応援として2-3も買っておきます。

3連単★3-24-全、応援2-3-全

12R
○①中島孝平(福井) ③
 ②濱野谷憲吾(東京)⑤
 ③今垣光太郎(石川)⑤
 ④菊地孝平(静岡) ①
◎⑤瓜生正義(福岡) ③
★⑥松井 繁(大阪) ②

進入126/345か12346/5??

 きっと松井は動きます。でも、11Rよりはるかに厳しい勝負駆けが揃ったここで、どこまで入れるか。それが悩ましい。内に入れば入るほど、菊地のS攻撃の威力が増すことはたしかでしょう。本命は瓜生。菊地の攻めに乗ってのまくり差し。昨日バック~2マークの足が素晴らしかった中島とのオモウラに、捨て身で攻めそうな王者との156Bを少々。憲吾郎どの、またまた斬り捨て御免!!

3連単★5=1-全、156BOX

 


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“本紙予想”賞金王決定戦トライアル第3戦

11R トライアル第3戦
1コース想定=池田 まくられ率9.1% 差され率14.5%
2コース想定=今村 逃がし率38.6%
アシいい池田が今村を壁にして逃げ切る。石野が握れば、岡崎にヒモ展開。
◎池田 ○岡崎 ▲石野 △湯川 
3連単1-543-全

12R トライアル第3戦 
1コース想定=中島 まくられ率7.8% 差され率15.6%
2コース想定①=濱野谷 逃がし率41.8%
2コース想定②=松井 逃がし率29.7%
松井はかなり思い切った動きに出る可能性も。3コースまでに潜り込めば、充分勝てるアシ。
◎松井 ○濱野谷 ▲菊地 △中島
3連単6-241-全 


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THEピット――W孝平だけが

 トライアル最終章といえど、それほどピリピリ感が増したとは思わない。わりと穏やかに空気が流れていることを、気のせいとも思わない。今年の賞金王は比較的、ゆるやかに時が流れている。理由は定かではないけれども。
_u5w9560  この人の存在がそうさせているのか? いつでもどこでも朗らかなミスターこと今村豊。今朝は本体整備をしていたけれども、整備士さんたちにギャグを飛ばしたりしていて、作業の内容とは裏腹に、まるで焦っている様子がない。焦った瞬間もあって、それは1R、弟子の白井英治のエンジン吊りに遅れたこと。整備室から猛ダッシュでリフトに向かう後ろ姿は、新人選手のようだった。走って整備室に戻る際には、なぜかニッコニコだったし。
2010_1222_0133 この人の存在も大きいのか? 第1回賞金王が開催されたときには、生まれてもいなかった岡崎恭裕。その賞金王で今村は優出してるんだもんなあ。四半世紀の区切りとなる今回、そろって優出したらそれだけで大トピックだ。その岡崎は、JLCの取材を受けて、朗らかに笑っている。早くもモーターを装着していて、動き出しが早いのが気にはなったけれども、精神状態は普段のSGと何ら変わっていないようだ。
 今村にしても岡崎にしても、賞金王だから特別、という雰囲気はない。
2010_1222_0111  瓜生正義も同様。一般戦でも走るかのように、優しい表情を見せている。今垣光太郎もまったくテンパっている様子はなく、かなり遠くからこちらを見つけて、挨拶をしてくれたりした。嬉しかったぞ。池田浩二も、理由はさっぱりわからなかったが、ニコニコしながらモーター装着をしていた。こちらが目を離している間に、誰かと冗談のひとつも飛ばし合っていたのだろうか。松井繁は、笑ってはいないけれども非常に表情は柔らかい。6号艇で2着条件などという激烈ノルマを抱えているようにはとても見えない。それが王者であることを考えると、ちょっとした異変のようにも思えたりするのだが、松井は松井で静かに臨戦態勢を整えているのだろう。山口剛も、笑顔は見せていないが、じたばたしたところはなく、石野貴之は今日も今日とて男前だ。
2010_1222_0005  湯川浩司は、本体整備をしていた。昨日は手持無沙汰そうだったのに。今日になっていきなりの本体整備。1号艇を2日連続で活かせなかったことが、何かを変えたのか。
 いや、そうでもなかった。声をかけたら、「うん、ちょっと本体」とさらりと言って、笑顔を見せたのだ。ちょっと本体、って。まったく焦った様子もなく、まったく苛立ったところもなく、なんかものすごくゴキゲンな風情なのである。おもわず、ちょっとと本体の間に「ヒマだから」とか言葉を入れたくなったぞ。つまり、雰囲気は昨日となんら変わっていないのである。

 だが、もちろん穏やかな者ばかりではない。
2010_1222_0224 「中島選手がナーバスになってる」
 そう報告してきたのはチャーリー池上だ。ファインダー越しにハッキリと、険しい目つきが見えたのだという。たしかに、昨日までより表情がずっとカタく見えていて、これがトライアル1号艇のプレッシャーなのかと思ったりする。もともと淡々としている人なので、表情の変化は見えづらいのに、目つきが明らかに昨日と変わって見えるのだから、その内心の動きたるやいかばかりだろう。今垣や赤岩善生が言っていた「賞金王の場数」という言葉がにわかに現実味を帯びてくる。
2010_1222_0637  菊地孝平も、ピリピリしている。まあ、これぞ“菊地モード”ということなのだが、その目つきは相当に鋭い。声をかけると、笑顔を作ろうとして、しかしうまく作れない菊地。こらいかんと、こちらも挨拶だけにとどめることにしたのだった。
 どうやら孝平二人が、相当な緊張感を身にまとっている、ということだ。
 で、もう一人、違う雰囲気のように見えるのは、濱野谷憲吾だ。ピリピリしているわけではないのだろうが、顔つきが相当に厳しくなっているのだ。それは機力不安の類ではなく、いわゆる闘志に近いものではないかと思う。プロペラ調整が主たる作業のようだったが、ペラ室を出入りするときにちらりと見せる表情は、どこまでも力強く、凛としていた。
 さあ、トライアル最終章。運命の勝負!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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5日目! 12分の6が決まる!

おはようございます。賞金王決定戦、5日目を迎えました! 決定戦トライアルは最終章の第3戦。いよいよファイナルに進出する6人が決まります。シリーズ戦も、準優勝戦! 今日は8Rから賞典レースという、贅沢な一日です!

_u5w9991 それにしても、トライアル第3戦はどえらい組み合わせになりました。11Rは第1回賞金王に出場している今村豊vsやまと世代SGウィナー+銀河系という一戦。12Rは賞金王の歴史を作ってきた面々を相手に、初出場の中島孝平が1号艇。いずれも興味深い一戦です!(PHOTO/池上一摩)


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賞金王トライアル私的回顧 2日目

パワフル・レッド

11R         st
①濱野谷憲吾(東京)13
②山口 剛(広島) 14
③石野貴之(大阪) 17
④松井 繁(大阪) 21
⑤瓜生正義(福岡) 17
⑥今村 豊(山口) 13

2010_1221_r11_0906 「トライアル2日目の11Rって、いつも荒れるんですよ~!!」
 昨夜、K記者が自慢げに言った。確かに去年は1号艇の原田幸哉がFに散ったし、一昨年は井口佳典が4コースから差し抜けて143倍の万シューだった。石野から外狙いと決めていた私は、意を強くして本番に臨んだ。
 が、スリット付近で私の穴舟券は、限りなく紙屑に近づいてしまった。内2艇がズンと踏み込み、頼みの石野以下が届く態勢ではない。無印にした憲吾が、豪快なインモンキーで1マークを制圧した。

 2010_1221_r11_0935 頭を舟券からパワー診断に切り替える。私の◎石野は2コースの山口を叩き潰していた。これは明らかにパワーの差。態勢だけなら、明らかに山口が優位にいた。それを石野は外から背伸びするようにもたれかかり、ツケマイ気味のまくり差しで引き波に沈めた。石野が良くて山口が悪い。だから実現した極端な逆転劇だと思う。
 スタートで後手を踏んだ松井の差しに迫力はなく、今日はその外をまくり差そうした瓜生は流れる松井に接触して外に飛んだ。そして、アウトから得意の1艇身全速を決めた今村は、命綱の行き足がまったくといっていいほどなかった。行き足のない今村式スロー専門ターンマーク起こし1艇身全速戦法は、クリープを入れないコーヒーと同じなのだ。古すぎるか。
 憲吾の逃げはS駆けなので正味のパワーはわからない。ただ、足合わせを見る限り、例年の苦戦している憲吾パワーよりはるかに戦えると思っている。2着の石野は、文句なし。明日からチェックすべきは、パワーよりもメンタル面になってくるだろう。
 とにもかくにも、K記者の予言と私の予想は、木っ端微塵に砕け散ったレースだった。

ルナティック・レッド

12Rコース順    st
①湯川浩司(大阪)  12
②中島孝平(福井)  09
③岡崎恭裕(福岡)  08
④菊地孝平(静岡)  08
⑥今垣光太郎(石川)14
⑤池田浩二(愛知)  25

2010_1221_r12_1009 「12Rは皆既月食とほとんど同じ時間だから、絶対に荒れるぞーーーー」
 今朝、私はK記者に自慢げに言った。月=ルナは「ルナティック」(狂気)の語源。その月が怪しい赤銅色に染まるとき、何も起こらないほうがおかしいじゃないか。で、私は狂気と呼ぶに相応しいパートナーを見出していた。複勝率30%のモンスター5号機だ。
 生憎、月の見えない暗い暗い曇天の下、ファンファーレが鳴った。ピットアウトで遅れた池田が、今垣の真後ろにへばりつき、プレッシャーをかけ続けて単騎ガマシの権利を手にした。菊地マークの5コースもいいが、このほうがもっと美味しいかも。池田◎の私は、この単騎ガマシを大いに歓迎した。スタート練習でもスタート展示でも、ダッシュ時のスリット付近の伸びが抜群だったから。
 噴けよ5号機! スリット同体でも、お前なら絶対にまくり差しで突き抜けるはずだーーーーー!!
2010_1221_r12_1039 私のこの素敵な夢想は、12秒針と同じくらい短命だったな。コンマ25、ドカ。11Rより早く私の舟券が終わって、内に目を移す。次の楽しみは、湯川VS岡崎のリベンジマッチ観戦だ。1マーク手前の内3艇はほぼ同体。何をするにも岡崎にとっては動きにくそうな隊形だ。が、岡崎は迷わず握った。握ってから、今日はまくり差しを選択した。
 無理だ。
 私は思った。思った瞬間には、もう無理筋に見えた割り差しが、湯川の内フトコロに刺さっていた。
 げっ!?
2010_1221_r12_1068  あの湯川が、2度までも後輩の攻めに屈するなんて……素直に驚く。昨日のツケマイは出し抜けだから、仕方がない面もあっただろう。が、今日の岡崎の露骨なまくり差しにしてやられるとは? 同体の3コースまくり差しは、ただでさえ成功率が低い。それを、あの湯川がなんだか妙に簡単に決められてしまうなんて……。レース後に考えたことだが、その理由はあれこれ推測できる。
①昨日まくられた湯川が、隊形から「またまくる」とみて昨日より強めに握り、その分だけ余計に流れた。
②湯川のターン足がまだ完調とはいえない。
③岡崎の回り足がかなり良化した。
④岡崎のターンスピードが超人的。
2010_1221_r12_1043  私は、この全部の要素が揃って生まれたスーパーまくり差しだと思う。①については、できることなら昨日のVTR画像とぴったり重ね合わせて湯川の航跡の差を見てみたいぞ。
 で、外3艇は……ドカった池田はもちろん、2番差しの菊地も豪快にぶん回した今垣も、内3艇の影すら踏めずに終わった。菊地の足は平凡すぎ、今垣は攻めが遠すぎ、池田は何もできずに終わった。
 とにもかくにも、私の「荒れる」という予言は的中したのに、「荒れる」と信じて買った舟券は木っ端微塵に砕け散った。波乱の主役は池田5号機ではなく、暗天の下で赤銅のように鈍く輝く赤いカポックだった。(photos/中尾茂幸、text/H)


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THEピット――レース後、本日も……

●トライアル第2戦 11R後
2010_1221_0509  濱野谷憲吾がニッカ~と笑った。2戦目をモノにして、明日へのメドが立ったこと。もちろん1号艇を生かし切ったこと。短期決戦の賞金王では、2戦目はかなり大事な一戦になる。たったの2戦で白旗を揚げなければならないこともあるからだ。1着の重み。あるいは1号艇の重み。すでに11回目の経験となる濱野谷は、それをよくわかっているだろう。
「もし回ってなくても、握って回ればなんとかなる」
 濱野谷はレース後の会見でそう言った。自分のテクニックへの絶対的な自信。これが濱野谷憲吾という男に、どこかのほほんとした穏やかさを与えている。それは時に武器となり、時に詰めの甘さとなり……。トライアル3戦目、前者の顔が出るなら、悲願に王手をかけることになるだろう。
2010_1221_0497  石野貴之は、笑ってはいなかったけれども、凛とした表情を見せていた。第1戦1着、第2戦2着。これが何を意味するのか、よくわかっていたのだろう。
「明日、6着でも優勝戦に乗れるのなら、1着を獲るレースを心掛けます」
 仮定の言葉を使っているが、おそらく認識していたはずだ。石野は、無事故完走でファイナル当確である。しかも結果的には、ただ一人の。この男は、間違いなく聡明だ。だから、何をなさねばならぬのか、しっかり把握してピットに立っているに違いない。
 そして、ポイントはむしろこちらだと思うのだが、当確だからこそ「1着を獲るレースを心掛ける」というのだ。何着でもOKなのだから無難なレースをするのではない、負けたっていいのだから、飛ばされるのを恐れるようなレースはしないというのである。やはり、石野貴之は聡明だと思う。そしてこれは、この大舞台においては間違いなく武器である。

2010_1221_0836  この二人ともっとも対照的だったのは、やっぱり山口剛だ。得点状況を把握していたかどうかはともかく、昨日の6着に続いての4着は、山口の心を暗くして当然の結果である。ヘルメットのシールド越しには苦笑いのようなものも見えていたけれども、それは苦しさに耐えている表情だと思う。
 寄り添っている辻栄蔵の顔は、はっきりと曇っていた。賞金王制覇の経験もある辻には、この着順の意味がわかっていたのかもしれない。山口は明日、ボーダーを21点とすれば、1着を獲っても1点足りない。後輩が立たされた窮地は、先輩の顔をも暗くするのである。
2010_1221_0676  松井繁は、敗れても感情をぐっと噛み殺し、ただ一人で悔しさに耐える孤高の男だが、今日は比較的淡々としているように見えた。その意味については、わかるような気もするし、しかしまったくわからないようにも思える。そもそも、トライアル2戦を終えて5着、3着なんて松井を見た記憶がないのだから。いや、あったとしても、松井がファイナルに残れない姿を想像したことがなかった。2着という明日のノルマを思うと、その淡々とした様子がどうにも僕のなかでまとまらないのである。
 で、昨日とまったく同じ様子だったのが今村豊だった。今日は6着なのに、寺田祥と昨日のVTRかと思うようなやり取りをしてるんだもの。やっぱりこの人はミスターなのである。

●トライアル第2戦 12R後
_u5w9233  まずはやっぱり、岡崎恭裕の笑顔か。昨日はツケマイで湯川浩司を沈め、今日はまくり差しで湯川のふところをグサリと刺す。同じ艇番、コースで2戦連続銀河系のスターをぶち抜くのだから、本当にこの男はすごい。そして今日は1着なのだから、笑顔が浮かんで当然というものだろう。
_u5w9593  中島孝平は、2着にもあまり表情を変えていない。それよりも、岡崎を捉えられそうで捉えられなかったことに、むしろ首を傾げていた、と言ってもいいのかもしれない。もともと、感情を爆発させるようなタイプではないから、まあいつも通りといえば、いつも通りではあるのだけれど。
 で、この二人はともに、レース後の会見では機力的な不安を口にしていた。中島は「最悪の状態は脱したが、高松宮杯のときに比べたら押す感じがしない」と語っている。高松宮杯はかなり噴いていて、優勝戦1号艇だから、その感覚が残りすぎているのでは、とも思えたが、しかし満足できるものではないのはたしかだろう。岡崎はその中島に分が悪かったというのだから、さらに不安は大きいはずだ。
_u5w9317  そうなると、実に気の毒なのが、湯川浩司である。レース後のやるせない表情は、とりあえず2着3着とまとめて第3戦を迎える者のものではない。「まったく、どうなってるんだよ」と言わんばかりの脱力感が、明日に影響しなければいいのだが……。濱野谷も「湯川が出てると思う」と証言しているくらい、湯川は岡崎と中島とは違って、機力的には不安がない(少ない)のである。実際、前半の記事にも書いたように、本体整備をしていた岡崎と中島に対して、湯川は手持無沙汰な感もあるくらい余裕だったのだ。しかし結果は……。これも賞金王の魔、なのだろうか。
_u5w9511  その湯川以上に強烈な悔しがり方をしていたのは、菊地孝平だ。怒りにうち震える、という表現しか思いつかないほどに、恐ろしいまでの目をして、地面に憤りを叩きつけるかのように激しい足取りで、控室へと戻っていったのだ。排水溝のフタの上を通ったときには、「ダンッ!」と大音響が響く。それは菊地の心の中のマグマが噴出した瞬間のように聞こえる。その姿が、トライアル第2戦の重みを改めて実感させてくれたのだった。

●トライアル第3戦枠番抽選
 明日はトライアル最終戦。まさしく運命の一戦となるわけだが、ということはつまり、枠番抽選は運命を左右しかねない、重すぎるガラガラポン。だというのに、今村さん、あなたって人は、ほんとサイコーです(笑)。
2010_1221_0563  まず奇妙な動きを見せたのは今垣光太郎。6つの玉をガラポン機に収める際、その穴から中を覗き込んだのだ。えっと、何も見えないと思います(笑)。いや、1号艇が出やすいところがムニャムニャ、と呟いていたが、そんなのもないと思います(笑)。で、「光ちゃん、光ちゃん」と突っ込んだのが今村さんというわけで。「こっちおいで、こっちおいで」と選手の輪に招き寄せて、笑いを誘っていたのでありました。
 今日の一番手は、12R1着の岡崎。さらっと回して、黄色い玉を出す。続く石野は、青い玉。残念そうに顔をゆがめたが、悪い枠ではあるまい。続いて湯川がガラポンの前に立つと、あたりはざわめき始めた。誰もが覚えているのだろう、福岡賞金王での3連続1号艇を。まさか再び……出た玉は赤。湯川は表情を変えなかったが、周囲が溜め息をついていたように思えたのは、気のせいか。4番手は山口で、ここであることに気づく。あっ、やまと世代のSGウィナーが勢ぞろいではないか。しかも、ここにはミスターがいる! まさしく歴史が交錯する一戦だぞ! と一人興奮していたら、山口は緑を引いて、あぁぁっと悲鳴をあげる。やまとのSG覇者は、なんと4~6枠に入ることになったのだった。
2010_1221_0425  となれば、ミスターが1枠に入れば……2000番台vsやまとの世代闘争色がより鮮明になる! しかし今村は今日6着だから、残りものに福を期待する立場。世代闘争ウンヌンなんてまったく意識してなかっただろうけど、残っているのが1号艇と2号艇ということで今村も色めき立っていた。
 5番手は池田浩二。玉が出た瞬間、ガッツポーズ! 白が出ました! というわけで、今村は自動的に2号艇に決まりなのだが、「ドキドキするな!」などと盛り上げるわけだから、ほんと今村さん、サイコーです!

 続いて、濱野谷憲吾がガラポンの前に立ち、A組の抽選。濱野谷は黒を出して、まずまず満足そうな表情を見せる。続く中島は、めちゃくちゃアッサリ回して、アッサリ白い玉登場! 最初の2人で内枠が出てしまったのだった。
_u5w9428  3番手は松井だ。薄く笑みを浮かべながら、ガラポンをくるり。出たのは……緑。そう、緑。何度見ても緑。なぜ王者は毎年、この色の玉を出してしまうのだ! 玉の色を見た松井は、ガラポンの持ち手を握りながら硬直。表情は薄い笑みなのだが、なぜ俺はこうまで、と思ったことだろう。ガラポンの前を離れると、松井は一言、「すごいわ」と呆れ気味につぶやいた。そして今村さんは「お前、もってる!」と嬉しそう(笑)。あなたって人は……(笑)。
 4番手の今垣は、赤を引いて「よしっ」。残っているなかでは一番の好枠だから、それを出せたことにホッとしたか。続く瓜生正義は、うがっ、また黄色! 3戦連続で5号艇! 顔が少しだけ歪んだように見えたのは、見間違いではあるまい。
 で、ラストの菊地は今日と同じ4号艇。リベンジという意味では、非常にわかりやすい状況になったと言えるだろう。菊地がニヤリとしたように見えたのも、見間違いではないと思う。
 今晩、ボートファンの集まる酒場でもっともアツく激論が交わされるであろうテーマは、「2着条件で6号艇の王者がどう戦うか(どこまで動くのか)」だろうな……。(PHOTO/中尾茂幸=11R、今垣、池田 池上一摩=12R、今村&瓜生 TEXT/黒須田)


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速報 トライアル第3戦の枠番決定!

 明日の賞金王トライアル第3バトルの枠番が確定しました! 気になる白カポックは、全員完走ならほぼ絶望的な池田と3着以内を死守したい中島の手に渡りました。王者・松井は3戦ともに外枠、瓜生はオール5号艇。オール内枠の湯川と明暗がくっきり分かれました。同時に明日の勝負駆け状況も記しておきますが、ボーダー7・00として完走当確は石野貴之ひとりという大激戦になっています!

11R
①池田浩二(愛知) ×
②今村 豊(山口)  ①
③湯川浩司(大阪) ⑤
④石野貴之(大阪) ☆
⑤岡崎恭裕(福岡) ⑤
⑥山口 剛(広島) 1待ち

12R
①中島孝平(福井)  ③
②濱野谷憲吾(東京)⑤
③今垣光太郎(石川)⑤
④菊地孝平(静岡)  ①
⑤瓜生正義(福岡)  ③
⑥松井 繁(大阪)   ②


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H記者の「コージコージ決着??」予想

 4Rから4連続的中でまずまず好調なHです。皆既月食寸前(どうやら曇天で見れなそうだけど)にトライアルで突き抜けてみせましよう!

11R
 ①濱野谷憲吾(東京)6点
 ②山口 剛(広島) 4点
◎③石野貴之(大阪) 10点
 ④松井 繁(大阪) 5点
○⑤瓜生正義(福岡) 9点
★⑥今村 豊(山口) 7点

進入123456

 今日も石野は惚れ惚れする動き。ターン回りが抜群で伸びも上位という贅沢仕様です。逆に山口がどうにも小回りでピリッとしないので、石野がセンターから自在に突き抜けます。まくれば石野から外、まくり差しなら3-1になりそうですが、配当の妙味から引き波に強い瓜生の2、3着付けで勝負。そして、今日もミスターの応援隊として356BOXの穴も買っておきます。憲吾郎どの、斬り捨て御免!!

3連単★3-5-全、3-全-5、応援356BOX

12R
○①湯川浩司(大阪) 9点
★②中島孝平(福井) 5点
 ③岡崎恭裕(福岡) 6点
 ④菊地孝平(静岡) 7点
◎⑤池田浩二(愛知) 4点
 ⑥今垣光太郎(石川)10点
進入123/456

 さあ、因縁の湯川VS岡崎。2号艇がミスターより行き足鋭い中島に替わったので、昨日のような強ツケマイは難しいかも。それでもぶん回す確率は高く、それがどこまで湯川を脅かすかが鍵。昨日のテツは踏まん、とばかり強めに握れば差し展開に。中島の小差しも魅力ですが、もっと面白いのはモンスター5号機にして勝負駆けの池田でしょう。見る前に飛ぶ必殺のまくり差しが炸裂するとみます。湯川が堂々と岡崎をしのぎきっても、妙味は1-5。このウラオモに、湯川・岡崎大競り時の穴5-2を少々。

3連単★5=1-全、穴5-2-全


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“本紙予想”賞金王決定戦トライアル第2戦

11R トライアル第2戦
1コース想定=濱野谷 まくられ率15.6% 差され率15.6%
2コース想定=山口 逃がし率35.0%
石野は3コースから握るタイプ。松井もカドは外マイ多いが、王者の捌きで濱野谷とらえる。
◎松井 ○濱野谷 ▲瓜生 △今村 
3連単4-156-全

12R トライアル第2戦 
1コース想定=湯川 まくられ率6.6% 差され率23.0%
2コース想定=中島 逃がし率42.9%
今垣は前付けして3~4コースか。内やや深めなら、菊地が渾身のSから叩いていく。
◎菊地 ○湯川 ▲池田 △今垣
3連単4-156-全 


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THEピット――異変?

2010_1220_0401  異変、である。
 いや、そう断言していいのかわからないが、でも異変なのである。
 岡崎恭裕が本体整備をしている!
 まあ、たしかこれが初目撃ではない、と思う。新鋭王座のときに見たなあ、と記憶している。だが、断言はできない。それくらい、岡崎がこんなにも早い時間帯から動き出したのは、意外なことだったのだ。
 なんて書いたら、本人には失礼かな。しかし、昨日の彼は、いつも通りにゆっくりと動き出し、そして自分から仕掛けていく素晴らしい走りを見せた。この大舞台で普段の自分を貫いたことが、初出場の若武者としては強烈なことだと思っていたのだ。
 自分のスタイルをかなぐり捨ててでも、機力をアップさせようと動いた岡崎。これがどう出るかは本当に楽しみだし、岡崎の芯の部分を見たような気がした。
_u5w8383  濱野谷憲吾も本体整備をしていた。これは、今年になってよく見かける光景である。もともとは、ほぼプロペラ調整、というのが彼のスタイルだったが、昨年の賞金王不出場を機に、さらに上積みをと考えた濱野谷の変化である。アシ的には、それほど悪くないようにも思えるのだが、しかし今の濱野谷は満足しない。まして賞金王決定戦なのだから。
 ほかに本体整備は、中島孝平。今垣光太郎も整備室に姿を見かけた。

_u5w8464  1R発売中、今村豊のボートが係留所にあるのを見かけた。決定戦用のカラフルなカウリングのボートは、係留所にはこれだけ。念のために装着場を確認すると、他の11艇はまだそこに置かれたままだった。つまり、今村はもっとも早く水面での動き出しを始めたということである。
_u5w8609  2Rの展示が終わると、今村は勢いよく水面に飛び出している。シリーズ組にまざって、足合わせを何周か行なっていた。いったん係留所に戻ると、ちょうどそのすぐ近くで瓜生正義がモーター装着中。陸に上がった今村は、瓜生に何事かまくし立て始めた。ヘルメットをかぶったままなので何を言っているかまったく聞こえてこないが、ヘルメットの奥の目は真剣。いつものギャグ百連発ではなさそうだった。瓜生もふんふんとうなずいて、少し言葉を返す。「今村さん、今日はダッシュでお願いしますよ!」なんて言ってたら面白いなあ、と思ったけど、そんな雰囲気ではなかった。
2010_1220_0102  その頃、装着場では松井繁がかなり緻密にモーター装着をしていた。そうとう微細なところまでチェックしているようで、思えば松井が装着作業をしている姿って今まであまりに気にしてこなかったな、と気づいた。そうか、この徹底した細かいチェックも王者の姿なんだな、と。
 やがて、石野貴之がその隣で装着作業に入る。松井とまったく同じように、緻密に、微細な部分までチェックしている。その姿があまりに重なって見えて、そこに未来の王者を見たような気になってしまった。大阪支部、強いわけだ……。
2010_1220_0006  で、もう一人の大阪支部、湯川浩司は余裕綽綽の様子である。午前中に、整備やペラなどの調整らしい調整をしているところは、ついぞ見なかった。装着場を、手を後ろで組んで、ゆらゆらと歩いているところは見かけたけれど。手持無沙汰というか、何と言うか。そしてこれは、エンジンが出ているときの湯川浩司の仕草である。

2010_1220_0408  池田浩二はギアケースを外していたので、調整に入ったものと思われる。菊地孝平はペラ室にこもっていて、いわゆる“菊地モード”に突入している。で、山口剛が見つからないよー、とあちこち探し回ったら、3度目くらいにのぞいたペラ室に姿があった。辻栄蔵と向き合うかたちで、ペラを叩いており、その様子に鬼気迫るものを感じた。なぜ気付かなかったのか、自分でも不思議なのだが……。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)


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4日目! トライアル第2戦!

おはようございます。賞金王決定戦もはや4日目。シリーズ戦は勝負駆け、トライアルは第2戦です。住之江で開催された賞金王では、過去5回すべて、トライアル第2戦で波乱が起こっています。果たして今日は……。

_u5w8677 3日目終了時点で予選2位の須藤博倫にとって、今節は大きな意味をもちます。来春の戸田・総理杯への勝負駆けなのです! 条件は、もちろん優勝。地元SGに向けて気合の入る、残り3日間になるはずです!(PHOTO/池上一摩)


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賞金王トライアル初日 私的回顧

満身創痍

11R
①湯川浩司 17
②今村 豊 20
③岡崎恭裕 15
④松井 繁 20
⑤石野貴之 18
⑥池田浩二 18

2010_1220_r11_1003  こ、これこそが賞金王トライアルなのか……。レース後、ただ観ていただけの私は、疲れ果ててぐったり座りこんでしまった。頭の中がもう何がなんだか、しっちゃかめっちゃかだった。以前、服部幸男が「はじめてトライアルに出たとき、殺し合いかと思った」と語っていたが、そういうことか、と合点した。だって、1マークを回ったとき、誰が5-1-2なんて結末を想像できた??
 進入は3対3の枠なり(石野のピット離れがかなりいい。要注意)。スタートも穏やかな横並びという感じだったが、わずかにトップSだった岡崎がおもむろに攻めて、レースは戦場になった。見えないところから飛んでくる3コースのツケマイは、イン選手にとってもっとも怖い埋伏の敵だ。湯川はものの見事に後輩の引き波にハメられた。颯爽と先頭に立つ岡崎。追随するのは岡崎マークの松井ではなく、その上をぶん回して豪快にまくり差した石野。その後方には、2コースから差した今村。怖いもの知らずのやまとコンビと怖さを知り尽くした名人が抜け出す。王者も快速王子も怪物モーターも、千切れ飛んだ。
 3-5-2か、どんだけ大穴なんだ??
2010_1220_r11_1017  なんて思っていたが、このとき先頭を走る岡崎は、目に見えぬ強敵に苦しめられていた。それは、パワー不足。バック直線の伸びで2艇にぐんぐん迫られる。2マークでは引き波を超える力が足りず、ついに石野の冷や水を浴びる。

 さらに2周1マークでは外から全速で石野を攻めたものの、まったくサイドがかからない。ふと見れば、1マークで岡崎に完全に潰された湯川が、岡崎の真横にへばり付いていた。バックで2艇がガツンとぶつかった。火花が散るような競りのまま2周2マーク。2艇でターンマークを外して競っているうちに、今度ははるか後方の5番手にいた池田まで息を吹き返してしまった。

 2010_1220_r11_1059 湯川に逆転された岡崎と、切り込んで差した池田が激突……横から衝撃を喰った岡崎がバランスを崩し、さらに順位を下げる。颯爽とまくりきった若者が、なぜか5番手を走っている。一方の池田は、衝突のときにフィンが弾け飛んだことに気づいていただろうか。3番手まで浮上して迎えた3周1マーク、池田のボートはまったくサイドが掛からず、向こう岸の消波装置まで流れ去った。
 私が5-1-全の舟券を持っていることを思い出したのは、このあたりだった。1マークで捨ててもいいような舟券だったから、完全に忘れ去っていたのだ。
 あれ、これって当たってるの????
 喜びより驚愕のほうがでかいまま、私は5-1-2-3-4-6という順番で入線したゴールを見ていた。1周バックの352164から512346へ……半周ほど遅れてゴールした池田のボートは、縄張り争いに負けて満身創痍になった猫のように見えた。

順風満帆

12R
①今垣光太郎 11
②山口 剛   13
③中島孝平   12
④濱野谷憲吾 07
⑤瓜生正義   06
⑥菊地孝平   12

2010_1220_r12_1250  これもまた賞金王トライアルの一形態だろう。もつれにもつれた11Rから打って変わって今垣があっさり逃げきり、接触らしい接触もないレースだった。その立役者は、良しも悪くも濱野谷か。4カドからトップSで1艇身近く抜け出した憲吾は、まくる素振りを見せた。このカドまくりを強攻すれば、このレースも仁義なき戦場に変わったはずだ。三四郎(346BOX)などというスケベな舟券を買っていた私は、一瞬色めきたった。が、そこはあくまでも冷静、慎重、平和主義の憲吾なのである。まくらんかな、と左に向けたハンドルを直進に変えた。露骨に「や~めたっ」というのが、わかるハンドル戻しだった。実に憲吾らしいとも言えるのだが、あまりの露骨さに私はプププと吹きだしてしまったぞ、憲吾クン。
2010_1220_r12_1214  まあ、憲吾に限らず「10かゼロかより、しっかり着実にポイントを重ねたい」と思う選手がいるのも、1億円と名誉が懸かった賞金王トライアル初日の特性なのだ。このレースで握ったのは中島ひとり。憲吾を牽制してから握ったので、破壊力の乏しい握りマイだったが。あとは山口が差し、憲吾が溜めて溜めて溜めて差し、瓜生が待って待って待って差し、菊地までもが最内に差しハンドルを入れた。これで、今垣が逃げられないわけがない。早々に焦点は2着争いに絞られたが、ほぼ横一線のバックから力強く抜け出したのが瓜生だった。
2010_1220_r12_1246  瓜生の足はマジでやばいぞ。1マークの3番差しで幾重もの引き波を超えた後の加速度といい、2マークでも引き波を超えた瞬間に後続を一気に突き放した加速度といい、あの出足レース足は、他を圧倒していた。本線予想(1-456-456)で瓜生を切り捨てていた私だから、瓜パワーの凄さは尚更よくわかる。憲吾のカド差しは私の想定内だった。瓜生がそれを待って差すのも予想どおりだった。そして私の脳内レース通りなら瓜生は大敗するはず、と思っていた。それが……あの展開から2着に来られてしまっては、マジで本当にどうしようもなく脱帽するしかないのだ。私の見立てと読みが甘かった、と土下座するしかないのだよ。呆れながら。
 トライアル2戦を見て、「かなり凄いな」と感じたパワーはこの瓜生と石野。「出てるな」と感じたのは湯川と池田。今垣は楽すぎる逃げきりなので、正味のパワーは不明。他艇も断言できるほど理解はしていないが、岡崎の足が現状ではかなり苦しいことと、12Rの3~6着選手が瓜生より苦しい、ということだけははっきりわかった。(photos/中尾茂幸、text/H)

2010_1220_r12_1232


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THEピット――レース後

●トライアル第1戦 11R後

2010_1220_0427 「失敗したぁ~~~」
 岡崎恭裕はそう言って、顔をしかめた。自分のモーターを運んでくれている福岡支部の先輩たちのそばにすっと寄り添って、岡崎はヘルメットを脱ぎながら、眉間にしわを寄せたのだ。
 このレースでもっとも悔しい思いをしたのは、たしかに岡崎だったかもしれない。1マークは果敢なツケマイ。これがインを沈めている。しかし内を差され、2マークで後れを取り、2周1マークではややターン漏れして後ろに追いつかれ、2周2マークでは内から突っ込まれて接触。賞金王デビュー戦を勝利で飾る瞬間が見えていながら、結果は4着なのだから、あのクールに見える岡崎でも表情がゆがんで当然だ。
2010_1220_0646  いや、もしかしたらこの男も岡崎に匹敵するくらい悔しかったかもしれない。湯川浩司だ。インからスタートは決めている。先マイできそうな隊形にも思えた。しかし、岡崎のツケマイを浴びて後退。最終的には追い上げて逆転2着とはなっているが、せっかく自力で掴んだトライアル初戦1号艇を活かせなかったことは、心を揺さぶるものだったに違いない。
 実際、レース後の湯川は、相当に脱力している様子だった。カポックを脱ぐ動作も妙にスローだし、ヘルメットを脱ぐと「はぁ~~……」と溜め息が出る。こんなんやってられませんわ、てな吹き出しをくっつけたくなるほど、湯川は敗戦をただただ悔いていたのだった。
2010_1220_0707  池田浩二は、悔しがるというよりは、寺田祥や飯山泰、同期の面々に向かっておどけるような様子を見せていた。池田は2周2マークで岡崎と接触。内から突っ込んだ際、ターンマークに接触したことでスピードがさらについてしまい、岡崎に激しくぶつかってしまった、ということらしい(長嶺豊さんに聞きました)。この接触で、なんと池田のボートのフィンが外れてしまった。3周1マークで大きく外にそれていったのはこれが原因で、しかしそれでもしっかりゴールしているのは「池田のテクニック、すげぇ~」ということになる(競走会の“鬼教官”ことK氏に聞きました)。
 池田としては、この大舞台でまさかこんなことが起こるなんて!と、悔しい思いを抱えながらも、どこか不思議な心持になったようだ。この思いを誰かに伝えたい、という風情で、テラショーを見つけると駆け寄ったのだから、こんなアクシデントに見舞われた心情を吐き出さなければいられなかったのだろう。
 松井繁は、池田の航跡のワケが気になっていたのか、坪井康晴に声をかけている。坪井が説明すると、納得したように何度かうなずく松井。そうすることで悔しさを紛らしている……というのはうがちすぎであろうが、いきなりの大敗に、さすがに表情をカタくするレース直後であった。
2010_1220_0839  これが賞金王決定戦だ! ちょっと興奮した。敗者がそれぞれに素直な表情で敗戦への思いをあらわしている。トライアルとはいわば予選であるが、しかしただの予選ではないのだ。短期決戦のなかで、大きな目論見を抱いて臨む第1戦。それが崩れれば、ひたすらに悔しさを発散するのが当然というものだろう。
 だから、石野貴之が誇らしげに笑っているのも、また当然なのだ。賞金王デビュー戦で、いきなり衝撃的な勝利を飾ったのだから、ポーカーフェイスなどを見せていたら、僕はむしろ首を傾げていただろう。ほんと、男前だったなあ、石野の笑顔は。男前とは、単にルックスがいいというだけではなく、その充実感をストレートにあらわにする彼の大物っぷりをも含んでいる。
 で、賞金王とかそんなことを離れて、「ミスターらしさ」を今村豊が存分に見せてくれていたのも、嬉しいことだ。レース後にエンジン吊りを手伝う寺田祥らに向かって何かまくし立てているのは、いつもの通り。それをニコニコで聞きながら、ときに「アハハハ!」とテラショーが笑っているのもいつもの通り。ようするに、ギャグかなんかを交えてレースを振り返っているのだ。まあ、ヘルメットをかぶったままだからこっちには何を言ってるのか聞こえてこないのも、いつもの通りですね。それを見ているこちらとしては、これが賞金王決定戦の舞台で見られているのだから、ほんとサイコーだ。

●トライアル第2戦 12R後

 実は、12R出走の選手たちの表情は、あまり見ることはできなかった。というのも、12R終了後には明日、第2戦の枠番抽選会がある。決定戦出場選手は抽選会場に集まって、というアナウンスもかかるものだから、選手たちも急ぎ足で向かうのである。
 12R後というのは、言うまでもなく、次のレースの展示がないから(次のレースそのものがないから)、対岸のビジョンではすぐにリプレイが流される。選手はエンジン吊りをしながらリプレイを食い入るように見るもので、敗戦後の表情ウンヌンはあまり感じ取ることもできない。そのうえ急いで抽選へ、ともなれば、喜びも悔いもなかなか表情やしぐさには表れないものだろう。
2010_1220_0403  そんななかで印象に強く残ったのは、山口剛だった。川上剛が慰めの言葉をかけているようだったのだ、その間じゅう、実に複雑な笑顔を見せていたのだ。勝手に分析させてもらうと、苦笑い4割、本音を隠すための笑顔3割、やっちまった的笑顔2割、川上がそばにいてくれる嬉しさ1割、ってところだろうか。そのうえで、ほとんど目が笑っていないのだから、ようするに愕然たる思いになっていたようにしか見えなかった。
 昨日、山口は「決定戦はもっと独特な雰囲気だと思っていたが、そんなことはない」と言っていた。トライアル初戦、まさかの6着敗戦に、山口は何を感じただろうか。実際は独特の雰囲気に呑まれたのか、それとも……。山口に声援を送るなら、今夜、6着の悔恨は捨て去って、気持ちを切り替えてほしい! あの複雑な笑顔を引きずることは、絶対に得策ではないと思うからだ。

●トライアル第2戦枠番抽選
 まず、今年からシステムが変わった点があることを記しておこう。昨年までは「1着/3着/5着」と「2着/4着/6着」の2グループに分けられて翌日のカードが決定していたが、今年は「11R1着/11R3着/11R5着/12R2着/12R4着/12R6着」と「11R2着/11R4着/11R6着/12R1着/12R3着/12R5着」に分けられることとなった。前者がB組、後者がA組だ。で、枠番抽選はA組から行なわれ、ガラポンを回すのは着順が上の者からだ。
2010_1220_0648  ということで、いちばん最初にガラポンを回したのは、今垣光太郎。なぜか白いカポックを着たまま抽選に臨み(その後の勝利者インタビューでもそのままでしたね)、手を合わせて祈りを捧げてから、ガラガラポンと回すと……今垣の顔が瞬時に曇った。そして溜め息。そう、緑の玉が出てしまったのだ。取り囲む報道陣からも溜め息が漏れる。
 続いては湯川。トライアル初戦1号艇の2人が、明日は同じレースを走ることになった。で、湯川がさらりと回すと、出た玉は白! 会場はどよめきに包まれ、湯川は皆に向かってお辞儀をしてみせた。なんだか、福岡賞金王を思い出すなあ。ともあれ、初戦の白カポックは明暗くっきり、である。
2010_1220_0562  3番手は菊地孝平で、4号艇を引くとクールな表情。4番手の岡崎は、初戦と同じ3号艇で、奇しくも11Rの再戦の様相を呈した。5番手の中島孝平は2号艇を引き、ラストの池田浩二は必然的に……のはずだったのだが、今村豊が野次を飛ばす。
「2号艇を引け!」
 いや、だから必然的に5号艇なんですけど(笑)。まったくもって愉快なミスターなのである。
2010_1220_0502  続いてA組。最初に引いたのはもちろん石野で、3号艇が出るとニッコリ。2番手は瓜生正義で、ガラポンを回そうとすると、報道陣の輪の後ろから「瓜生さん!」と声援が飛んだ。見ると、身長3mくらいの川上剛。って、そんなに背が高いわけがなくて、よく見たら今井貴士が肩車をしていた。その際にあたりを見渡すと、辻栄蔵や石田政吾、須藤ヒロリンも報道陣の輪に紛れ込んでいた。シリーズ組も気になるんですね、抽選が。で、瓜生は初戦と同じ5号艇。
 3番手は今村。いざガラポンを回そうとすると……あ、照明が落ちた。会場が一瞬だけ暗くなって、すぐに蛍光灯がふたたび灯る。
「もってる」
 今村がそう言って笑う。そしてガラポン……。出たのは、緑。
「もってる(笑)」
2010_1220_0543  今村がつぶやいた瞬間、会場は大爆笑の輪に包まれたのだった。いちばん目立ってたのは、やっぱりこの人だったな(笑)。で、本当にもってたのは、次のファンタジスタで、濱野谷憲吾、2戦目は1号艇です! 濱野谷はクスリとも笑ってなかったけど。5番手松井は、さらりと回して、初戦と同じ4号艇。ラストの山口も、初戦と同じ2号艇。なんだか初日と同じ枠番がいくつか出てますね。
 ともあれ、11Rに組まれることとなったA組は、6号艇=今村でオールスローが濃厚となっている。瓜生は抽選後、今村に言ったそうです。
「今村さん、明日はダッシュの練習をしておいてください」
 ま、まさか……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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速報 トライアル2日目の枠番決定!!

 明日行われる賞金王トライアル・第2バトルの枠番が決定しました! 抽選の結果、濱野谷憲吾と湯川浩司が絶好の1号艇を……ん、湯川は2戦連続の白カポックですが、3号艇にも一撃ツケマイを食らわした岡崎が……!! 明日の12Rは因縁の大競りになっちゃうかも?? 11Rはオールスローになるのかどうか、注目です!

11R            pt
①濱野谷憲吾(東京) 6点
②山口 剛(広島)   4点
③石野貴之(大阪)  10点
④松井 繁(大阪)   5点
⑤瓜生正義(福岡)   9点
⑥今村 豊(山口)   7点

12R           pt
①湯川浩司(大阪)   9点
②中島孝平(福井)   5点
③岡崎恭裕(福岡)   6点
④菊地孝平(静岡)   7点
⑤池田浩二(愛知)   4点
⑥今垣光太郎(石川) 10点


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H記者の「だいじょぶか、ミスター!?」予想

 インの強さを改めてしみじみ噛み締めているHです。さあ、1年間待ち続けた賞金王のはじまりはじまり! 今日は随所に足合わせをチェックしたのですが、私の目には石野と池田がバカによく見えました。つか、心の底から応援しているミスター今村が、このふたりにボコボコ海老られてたっす><

トライアル11R
◎①湯川浩司
★②今村 豊
 ③岡崎恭裕
 ④松井 繁
○⑤石野貴之
 ⑥池田浩二

進入123/456

 焦点は前検で行き足の目だった松井が4カドから握るか差すか。握ったとして湯川に届くかどうか。今日の住之江水面ではちと苦しそうな気が……。むしろ展開の利があるのはその外にいる石野でしょう。湯川が逃げての1-5本線ですが、湯川vs松井がまさかの大競りで2-5に?(無理筋応援券です、はい)

3連単★1=5-全、応援2-5-全

トライアル12R
◎①今垣光太郎
 ②山口 剛
★③中島孝平
★④濱野谷憲吾
 ⑤瓜生正義
★⑥菊地孝平
進入123/456

 おととい大阪アメリカ村の某酒場でばったり出逢ったから、というわけではありませんが、ここは光ちゃんが逃げ切ります。典型的なまくり屋が不在ですからね。4カド想定の憲吾も行き足より回り足が強そうで、強引に攻めるとは考えにくい。こうなると、外隣の瓜生がいちばん動きにくくなります。あと、トップ勝率モーター山口の動きが一息でしたね。今垣から捌き達者の中島、憲吾、大外からS攻めする菊地へ。
 ただ、1号艇で進入、スリットでたま~に大ポカもあるのが光ちゃん。そんなときは前検での行き足がいちばんよかった中島のまくり、憲吾のマーク差し、菊地のぶん回り差しの三つ巴=私師の大好物・三四郎!!になるかも?

3連単★本線1-346-346、大穴三四郎(346BOX)

 あ、うりちゃん、斬り捨て御免!!><


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“本紙予想”賞金王決定戦トライアル第1戦

実はボー誌でトライアル初戦は予想を発表しています。昨日の気配を見て、変えよかどうしようか悩みましたが、発表通りで。気になるのは11Rの池田かな……。

11R トライアル第1戦
1コース想定=湯川 まくられ率6.6% 差され率21.3%
2コース想定=今村 逃がし率40.9%
湯川が今村を壁にして逃げ切り勝ち。岡崎が無理に攻めれば松井の差し頃。
◎湯川 ○松井 ▲岡崎 
3連単1-43-全

12R トライアル第1戦 
1コース想定=今垣 まくられ率4.3% 差され率23.4%
2コース想定=山口 逃がし率33.3%
中島が3コースから猛襲すれば、濱野谷に差し展開ある。
◎濱野谷 ○今垣 ▲瓜生
3連単4-15-全 


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THEピット――柔和すぎる賞金王

2010_1219_0994 「おはようぅっす!」
 松井繁の柔らかな笑みにたじろいでしまった。1Rの展示が終わった頃にピットに入り、最初に顔を合わせたのが王者。ペラを手に控室のほうから歩いてくる松井とすれ違いざまに挨拶をすると、松井はふっと表情を緩めて、挨拶を返してきたのだ。
 賞金王のピットで、こんな表情はほとんど見たことはないぞ! いや、挨拶をすれば、厳しい表情のままペコリと会釈を返してくるのが普段の松井である。そりゃ、たじろぐってもんでしょ、小心者の取材者としては。もちろん、持っていたペラをモーターに装着するときには、すでに険しい目つきに戻っていた松井。そこにはいつもの松井がいる。しかし、今朝の松井は明らかに肩の力が抜けていて、これまでの賞金王以上に自信に満ちた様子がうかがえるのだ。
 松井がそうした穏やかな雰囲気だから、というわけではないが、今朝のピットは全体的に落ち着いた空気が漂っている。賞金王らしいヒリヒリ感が、あまり肌に伝わってこないのだ。
2010_1219_0919  整備室では瓜生正義が本体整備をしていて、トライアル初日の本体整備はたいがいが焦燥感のなかで行なわれていたりする。短期決戦だけに、パワーアップあるいは立て直しを急がねばならないからだ。しかし瓜生は、柔和そのもの。整備士さんと談笑しながら本体に手を入れているのだ。そんなわけはないのだが、まるで整備士さんと会話をするために、本体整備をネタにしている、というふうにすら見える。
2010_1219_1210  今垣光太郎も、ルーティンとも言うべき本体整備。こちらは、エンジン吊りに向かうときは走り、いったん休憩をするために喫煙所に向かうときも走り、タバコを吸い終わって整備室に戻るときも走り……と、急いだ様子は見受けられるのだが、表情にはまったく焦りはない。むしろエンジンが出まくっているときの光ちゃんのような柔らかさがあり、ぼけーっと突っ立っていると後ろから駆け足中の光ちゃんに挨拶をされるほどである。
2010_1219_0598  湯川浩司も、まったくもって余裕だ。決定組のほとんどがまだ陸の上での作業をしている段階で、湯川は早くもボートを係留所につけてニードル調整をしていたのだが、それは早急な調整が必要というわけではなさそうで、ピットをゆったりと逍遥したりしている。そのまま係留所に向かうのかと思うとそうではなく、ぶらりと控室へ戻って行ったり。マイペースでトライアルの時を迎えようとしているとしか思えないのだ。

2010_1219_0915  ペラ室にこもりきりで、ほとんど姿が見えないのは、濱野谷憲吾と今村豊。エンジン吊りにも姿を見せないときもあったので、これはかなり焦り気味の調整? と思ってペラ室を覗くと、今村は寺田祥らといつもの笑顔で話しこんだりしているし、濱野谷も特に表情は険しくはなく、だからだろうか背中が妙に頼もしく見えたりもするのである。
2010_1219_0222  池田浩二はエンジン吊りの際に赤岩善生と大笑いしながら話しているし、山口剛も西島義則、辻栄蔵ら強大な先輩に囲まれて笑ってるし、中島孝平はいつも通り淡々とふるまっているし、石野貴之は男前だし……はあまり関係ないけど、ともかくとっても柔らかい、いや、柔らかすぎる賞金王初日なのである。あ、岡崎恭裕はまだ何にもしてませんでした。岡崎といえば、終盤レース1回乗り(優勝戦とか)のときには昼過ぎくらいから動き出すのがルーティン。初めての賞金王でもまったくのマイペースを貫いているあたり、大物である。
2010_1219_0797_2   で、そんな様子のなか、妙なところに気が向いてしまって、中島孝平が入っていった整備室奥の「洗滌室」。実は私、ド近眼&乱視で、これが読めなかったため、チャーリー池上を呼んで、読んでもらった。で、「洗滌室」というわけなのだが、これ、なんて読むの? ということで今調べたら、「洗浄」という意味ですね。洗浄より、薬品などを使って洗うという意味が強いようで、住之江の長い歴史が刻まれてる文字に見えたのでした。中島、何かを洗っていたんだな、きっと。……あ、そういえばまだ菊地孝平の姿を見てないぞ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)2010_1219_0568


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3日目! トライアルがスタート!

おはようございます。賞金王決定戦3日目、今朝は少し雨がパラついていましたが、そんな湿った空気を吹き飛ばすべく、決定戦トライアルがスタートします! 1億円と黄金のヘルメットを賭けてのスーパーバトルにドキドキしてしまいますね。

2010_1219_0893 決定戦組だろうがドリーム組だろうが、銀河系にはやっぱり目が奪われてしまいます。(PHOTO/中尾茂幸)


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賞金王決定戦 前検ダイジェスト

2010_1219_0714  賞金王トライアルの前検が終わった。ピット寄りの記者室で雑務に追われ、残念ながらスタンドで足合わせを見ることができずじまい。正味のターン足や伸びはよくわからない。が、スタート練習と前検航走は被り付きで見ることができた。
 いちばん気になる行き足だが、11R組では松井繁、12R組では中島孝平がスリットから軽快に伸びてゆくように見えた。1艇身も突き抜けるようなレベルではなかったけれど、センター戦から1マークで自在に捌きやすいというメリットはありそうだ。また、いつも行き足を大事にする湯川浩司と今垣光太郎は、オールイン起こしでよくわからなかった。センターに回ったら、実はとんでもないかも?
2010_1219_0676  ターン回りでちょっと目を引いたのが松井繁と濱野谷憲吾。松井は回った瞬間にキュッと前に出るような迫力、憲吾は旋回するときのスムースさやスピード感がなかなかだったぞ。詳しくは、明日の早朝特訓を見てから予想とともに報告させていただく。
 参考までに、スタート練習のコースとスタートタイミングを記しておく。

11R組 コース順
1本目 湯川08今村17岡崎21/松井F03石野F08池田F13
2本目 湯川13今村08岡崎01松井00石野04/池田00
3本目 湯川06今村17池田02/松井F03岡崎16石野F03

12R組 コース順
1本目 今垣03山口04中島F01/濱野谷F10瓜生F03菊地F05
2本目 今垣09山口05中島05菊地F02/濱野谷17瓜生F01
3本目 今垣28山口F03濱野谷05瓜生08/中島07菊地12

 続いて前検タイム。これもレースの枠番順で記しておきます。

11R組
2010_1219_0373 湯川浩司 6・53
今村 豊 6・63
岡崎恭裕 6・58
松井 繁 6・61
石野貴之 6・54
池田浩二 6・53

12R組
今垣光太郎6・64
山口 剛 6・63
中島孝平 6・62
濱野谷憲吾6・63
瓜生正義 6・60

菊地孝平 6・60

2010_1219_0228  前検トップは湯川と池田。前検横綱の常連・湯川はいつものことという感じだけど、池田のコレはやっぱ「雑草モンスター」5号機のなせる業なのか?? レース別に見ると、11Rはやや伸びにバラツキがあり、12Rはほとんど遜色なしというムードですが、いかに。(photos/中尾茂幸、text/H)


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速報 賞金王決定戦のモーター決定!!

2010_1219_0084  賞金王決定戦12人のパートナーが決定しましたっ! 下馬評でもっとも注目されていたのは5号機。複勝率はわずか30%ちょいながら、夏の中間整備後に別人(機)のようなモンスター足に仕上がったというちょっと不思議なモーターです。この“30%隠れエース機”を引き当てたのは……池田浩二! 去年に続いて、もっとも下馬評の高いエンジンをゲットしました。地元のファンも、5号機の強さ怖さを熟知しているのでしょう。封筒から「5」の数字が踊る紙が開かれた瞬間、会場は「ウオォォォ!!」という歓声と拍手に包まれました。また、唯一複勝率50%を超える“表エース13号機”は山口剛がゲットしています。

第25回賞金王決定戦出場モーター

2010_1219_0100 トライアル11R
①湯川浩司 67号機(45%)
②今村 豊 24号機(48%)
③岡崎恭裕 7号機(39%)
④松井 繁 23号機(39%)
⑤石野貴之 12号機(42%)
⑥池田浩二 5号機(31%)

2010_1219_0123 トライアル12R
①今垣光太郎 79号機(38%)
②山口 剛  13号機(51%)
③中島孝平  54号機(46%)
④濱野谷憲吾 37号機(36%)
⑤瓜生正義  17号機(40%)
⑥菊地孝平  6号機(47%)


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2日目! 決定戦前検!

おはようございます! メッカ住之江の朝は爽快! 本日はいよいよ、賞金王決定戦の前検であります! このあと、公開でモーター抽選が行なわれますが、その様子も含めて、お伝えしてまいります。もちろん、シリーズ戦2日目の熱戦も!

2010_1218_0264 昨日の夜、某店で酒をかっくらってるH記者から緊急電話を受けて、仕事中のホテルから急行すると、なんとこの方がいらっしゃいました! 決定戦組は開会式のあとはいったん管理解除。昨日のシメは、H記者でも余裕で支払える大衆店だったようで……。思わず興奮して、ご挨拶のあとはH記者とこの方について熱く語り合った夜。これも何かのご縁でしょう、思い切り応援させていただきます!(PHOTO/中尾茂幸)


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賞金王の開会式だ!

 賞金王の開会式は、シリーズ戦組→決定戦組と流れていく段取り。賞金ランク順に登場となるのですが、この人が一発目に登場したことで、おおいに盛り上がる開会式となりました。

2010_1218_0009 鎌田義
みなさん、今年もこの季節がやってきましたね!(そうですね!)鎌田の髪の毛もカッコいいですね!(そうですね!)お金は持ってきてますよね!(そうですね!)力いっぱい買いましょう!

 タモリかい! 今回は全体的にエンターテインメント色が濃いように思えたのですが、カマギーが勢いつけたということでしょう。絶叫してお客さん巻き込み系は、この人も。

2010_1218_0148 辻栄蔵
おはようございますっ! そんな気合じゃ舟券当たんねーぞっ! おはようございますっ! いっぱい稼いで帰ってください!

 辻選手は気合満点で、優勝狙ってください! 決意系はこの二人。

2010_1218_0077 西島義則
今年から名人世代に入りました。まだまだ若いモンには負けません。

山崎智也
カッコいいお父さんになれるよう、いいレースを見せて、嫁さんの分まで頑張ります。

 名人世代は、このあとにももう一人、登場します。智也は、充分カッコいいお父さんだと思うけどなあ。
 この人も決意系……でしょうか。

2010_1218_0090 木村光宏
香川の看板を背負ってきました……森高と重成を応援して下さい。

 みっちーも頑張れ! で、名人世代のグレートマザー。

2010_1218_0049 日高逸子
魚谷香織ちゃんが結婚して福岡支部に来てくれて、とっても嬉しいんですけど、結婚式のときに昼の3時から朝の4時まで飲んでて、それ以来40日間お酒を飲んでいません。ダブルの意味で、香織ちゃん、ありがとう。

 えーっと、何がありがとうなのか、私にはよくわかりません(笑)。禁酒するなんてもったいないっすよー、日高さん。
 仲間へのメッセージ系があったのですが……。

柏野幸二
岡山のイーグル会は今日、恒例の餅つき大会です。餅つき、頑張ってますか!

 川﨑智幸の名前も出ていましたけど、柏野選手、来年はイーグル会総出で住之江に参戦できるよう、そのきっかけを作るべく頑張ってください。川﨑選手も、餅つきよりも賞金王、でしょ?

 で、脱力系。

2010_1218_0035 三角哲男
以上で選手紹介を終わります。

 勝手に終わらせないでください(笑)。だって、このあと決定戦組が登場するんですから!

 というわけで、決定戦組が登場! シリーズ組がステージ裏からの登場であるのに対して、決定戦組はホールの後方から花道を闊歩しての登場。こちらも賞金ランク順の登場だったのですが、私が感動したのは、やはりこの人の姿でした。

2010_1218_0250 今村豊
賞金王に49歳で出場できて光栄です。オールドファンに希望を与えられるよう頑張ります。

 なんか、ジーンときたなあ……。ミスター競艇が出場する賞金王を目撃できて、こちらこそ光栄です。僕はまだオールドファンではありませんが(のつもりですが)、すでに希望をいただきました。
 今村自身も、感慨深い面持ちでの登場でしたね。決定戦組12名は、雰囲気がやっぱり違っていました。彼らも選ばれし者の恍惚と不安を、肌身に感じていたのだと思われます。最後に登場したこの人も、まさにそんな感じ。

2010_1218_0306 今垣光太郎
優勝めざして平常心で走ります。

 実は、この言葉を口にする前に数秒間、絶句しているんですよね。ちっとも平常心じゃないわけですが(笑)、それこそが決定戦の舞台に立つ者の思いということでしょう。
 初出場組は、お世話になった人、あるいは周囲の人に対する感謝を口にしていました。ただ、この人だけは違った。

2010_1218_0227 岡崎恭裕
今年はいろいろありました。幸せな1年でした。最後も笑顔で締めくくれるよう頑張ります。

 やっぱり大物だなあ、と私などは思ったのですが。で、常連組はさすがの貫録。

2010_1218_0203_2  濱野谷憲吾
この舞台に帰って来ました。最高の結果を出します。

松井繁
この1年、SGで優勝できなかったことを反省し、今節は闘志をもって臨みたいと思います。

 そういえば濱野谷は去年はシリーズ戦だった……と、今さらのように思い出します。そして松井の言葉。次元が違うよなあ。SGで優勝できなかったことを「反省」ですぜ。賞金王を勝ってしまえば、その反省がさっそく生きるということか……。

 というわけで、本日のベストコメントはこれ!

2010_1218_0314 湯川浩司
昔から、湯川は今日ここに何かをしに来るといわれていました。それは、開会式です。

 斉藤佑樹の流行語をパクってるわけですが……どこから突っ込んだらいいのか、わかりません(笑)。これこそが湯川の真骨頂! エンターテイナー湯川が帰ってきた!……と思えば、今年の決定戦は湯川が主役か、と私は第一感で思ったのですが、果たして。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)※ちなみに、今日の開会式のステージに映し出された各選手の写真(足もとに写ってるヤツです)も、我らが中尾カメラマンの写真です!


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初日! シリーズ戦、開幕!

おはようございます! さあ、はじまります! 第25回賞金王決定戦。本日からシリーズ戦が行なわれるのです! 黄金の6日間がスタート! 1年の締めくくりですよ! レースを楽しみ、舟券も頑張りましょう!

2010_1217_0030 オープニングとなる1Rの1号艇は、今年の女王! そして5号艇には今年の名人! コース争いから女王vs名人の戦いが見られそうですぞ。これは贅沢な一戦!(PHOTO/中尾茂幸)


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住之江です!

Cimg5315 おはようございます! やってまいりました、今年も! メッカ住之江! 賞金王!

取材班、住之江に到着しまして、本日より現地にて、賞金王決定戦、賞金王シリーズ戦のレポートをしてまいります。本日はまず、シリーズ戦の前検。明日はシリーズ戦が開幕し、明後日が決定戦の前検、そして20日から決定戦トライアル開始!……と、23日の優勝戦まで頑張りますので、今節もどうぞよろしくお願いします。

それでは、暮れの聖戦、おおいに盛り上がってまいりましょう!


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賞金王だ!

皆様、今年もやってまいりました!

賞金王決定戦!

1年がたつのは本当に早いですねえ。今年も年末の大一番が、ボートレース住之江で幕を開けます! 12月18日から賞金王シリーズ戦が、12月20日からは賞金王決定戦トライアルが、とうとう始まるのです! 取材班は明日17日のシリーズ戦前検から、23日の優勝戦まで、現地からレポートしてまいりますので、今回もどうぞよろしくお願いします。一緒におおいに盛り上がりましょっ!


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