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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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次回は55年ぶりの発祥地SG!

やまと世代のSG2連続優勝。時代は確実に動いている、それを実感させてくれた浜名湖笹川賞でした。岡崎恭裕、おめでとう! 引き続き、山口剛とともにやまと世代を牽引してください!

_mg_2222 ということで、今節も1週間、ご覧いただきありがとうございました。この笹川賞も皆様のおかげをもちまして、無事終えることができました。Niftyボートレース特集にとっては丸5年の記念碑的SGだったわけですが、感慨深く浜名湖を後にできます。

次回は、グランドチャンピオン決定戦。舞台は大村競艇場です。そう、ボートレース発祥の地に、55年ぶりのSG! これは歴史的一戦ですよ! もちろん6月21日の前検日から27日の優勝戦まで、現地より取材更新してまいりますので、よろしくお願いします。あぁ、大村グルメが楽しみだ……。

それでは皆様、取材班も管理解除でございます。重ね重ね、今節もありがとうございました。次回、大村でお会いしましょう!(PHOTO/池上一摩)


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笹川賞優勝戦 私的回顧

23光年の超新星、爆発!

12R優勝戦 進入順 ST
①池田浩二(愛知) 07
②菊地孝平(静岡) 05
③今村 豊(山口) 12
⑤山口 剛(広島) 09
⑥岡崎恭裕(福岡) 07
④新田雄史(三重) 13

_u4w9725  終わってみれば、勝者のためだけにすべてのシナリオが作られていたのではないか。そんな風に思えるシリーズがある。今節がそれだった。すべて、岡崎恭裕のために。
 昨日の準優で、岡崎は3着に敗れた。それで彼のV戦線は終わったはずだった。が、1着・白井の待機行動違反で繰り上がり優出。枠番はもちろん6号艇、緑のカポック。笹川賞のイメージカラー。過去37回で11Vも挙げているラッキーカラーだ。
 まだ耳に馴染まない、新しいファンファーレが鳴り響く。その音色を聞き届ける前に、スタンドは騒然となった。ピット離れでポンと飛び出した山口が、新田を引き波にハメたのだ。総理杯でもそうだったが、山口、辛い。西島義則バリの勝負師魂を27歳にして持ち合わせている。が、それも結果的には岡崎Vのお膳立てだった。
_u4w9761  12秒針が回りはじめた。イン池田の起こしは120m。助走距離はたっぷりあるが、もちろんそれで油断できる相手ではない。池田のコンマ07に対して、2コースの菊地は05まで踏み込んでいた。まさに走る精密機械だ。行き足の甘い池田の横から、菊地がスッと伸びる。菊地の2コースは、まくりも差しも半々という自在のタイプ。まくるか。いや、差しを選択した。菊地が差しハンドルを入れた瞬間、パワー上位の今村が強引に握る。容赦のない強ツケマイで菊地を叩き潰し、さらに池田に迫る。しかし、艇界屈指の池田のターンスピードがそれを許さなかった。
 池田が逃げきる!
 ほぼ確信を持ってそう見ていたとき、内から緑のカポックがヌッと姿を現わした。とんでもなく狭いスペースを、岡崎が割り差したのだ。このタイミングしかない、というピンポイントのえぐり差し。仕掛けが遅れる6コースなら、この隙間はピッタリ閉ざされていただろう。岡崎のアタマ舟券を買っていた私は、ここで俄然色めきたった。
「よっしゃ、岡崎ィ、突き抜けろーーーー!!」
_u4w9768  今節、はじめてレース中に声が出た。ただ、池田との差はまだ2艇身。池田はスッと艇を内に寄せる。寄せて被せて、内に入ってしまえば池田の圧勝だったかもしれない。が、ここでも岡崎に一縷の望みが残される。池田が被せきらないまま直進しはじめたのだ。ならば、と岡崎の艇は遠慮なく伸びた。池田の今節の弱点は行き足から伸びだ。ド派手なカドまくりで勝ち続けてはきたが、それはスタート力に拠るものだった。正味の伸び足では岡崎が上。あっという間に追いつき、2マークを先取りしてしまった。昨日の繰り上がりといい、コース獲りといい、1マークの隙間といい、バック直線の展開といい、岡崎がこの優勝戦の2マークで先頭に立ったのは、針の穴を通すほどの可能性だったと私は思う。
「よっしゃーーーー!!」
Scimg5135  私はここで岡崎の優勝を確信した。問題は……私の舟券だ。6-3しか買っていないのである。予想欄でも書いたが、「やまと世代がミスター競艇を引き連れて、新しい歴史を築きあげる」そんなレースだけを心に描いていた。その絵図に酔いしれていた私は、6-1を買っていない。

_u4w9772 「今村、差せーーーー!!」
 今度は今村の応援に回る。ったく現金なものだが、6-3なら約30万円、6-1だと全財産が400円のまま(笑)なのだから許してほしい。
「差してくれーーー!!」
 隣で見ていた濱崎憲吾郎(友情出演w)も絶叫。私の予想に丸乗りしていて、6-3なら18万円、6-1だと全財産4000円で兵庫まで帰るハメになる。ふたりの絶叫はひとつになって、広ーーい浜名湖全体に響き渡ったはずだ。
 2マーク、池田の2艇身後ろを走っていた今村は、外に振ってから鋭角な差しハンドルを入れた。
 届け、池田まで届いてしまえ!!!!
 だが、先に回った池田の凄まじいターンスピードがそれを許さなかった。差は3艇身に……。
「クーーーーーッッッ」×2
 違う、それじゃダメなんだって、岡崎が今村を引き連れてこそオレの笹川賞は美しく完結するんだって! 池田、今回ばっかりはその美しいイメージを完結させるために協力してくれ。今村に抜かれてくれ。でもって、オレに30万のボーナスをくれっ!! ヘルニアの手術で30万円もかかった憲吾郎も楽にしてやってくれ!!!!
 叫びながら、そんなことを思っていた。アホである。池田のターンは容赦なかった。2周1マーク、最後のお願いで切り込んだ今村を、池田が苦もなく抱き込んで態勢は決した。
 まあ、私の夢想はともかくとして、岡崎はターンスピードの天才と全速ターンの創始者を引き連れて、悠々とゴールした。派手なガッツポーズ。やはり、笹川賞に緑のカポックはよく似合う。23歳の戴冠。山崎智也がやはり6号艇でこの笹川賞を制したのは24歳のときだった。智也級の、スター選手になってしまうのか、岡崎!
_u4w9797  本人の関知しない部分でさまざまな僥倖が重なったのも、一言でいうなら天運。さらに狭い空間を自力でこじ開けた度胸、それを実現させたテクニック、総理杯での不覚や悔しさをバネにし、すぐにそのリベンジを果たした精神力、すべてを加味すれば文句なしの自力Vであり、またそのすべてがスーパースターになるべき資質でもあるのだな。
 初々しいウイニングラン。夢舟券に酔いしれすぎた自分をアホアホアホアホと毒づきながら、私はこの23歳の超新星の端正な顔に見とれていた。それにしても、どこまで続くんでしょうか、宇宙戦艦やまとの快進撃はっ!?(photos/チャーリー池上、text/H)


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THEピット――下剋上の風は心地よく

_u4w9389 「おぉぉぉぉっ!」
 岡崎恭裕が2マークで池田浩二をしりぞけたとき、ピットにはひときわ大きく野太い声が響いた。整備室で観戦していた篠崎元志だ。
 やっちまった! 岡崎恭裕がやっちまった!
 興奮した篠崎の様子は、たしかに新たなる時代が今、ここ浜名湖に、いや艇界にやってきたことを証明するものだった。
 スーパールーキーがついにやった!
_u4w9217  総理大臣杯の屈辱を乗り越え、そのすぐ次のSGでタイトル奪取。レースを終えて、バンザイで出迎える篠崎や瓜生正義に向けてみせた輝く笑顔を見れば、この男のスター性を実感しないわけにはいかなかった。
「スタート、速かったですかね?」
 ウイニングランを終え、笑顔が途絶えることのない福岡支部の仲間のもとに戻ってきたとき、岡崎がまず発したのはその一言だった。もっと喜べばいいのに。思い切り感情を爆発させればいいのに。それをしないのが、岡崎らしさ。そう、シャイなのだ。
_u4w9173 「優勝したんだから問題ねえよ」
 瓜生がおかしそうに言ったそのツッコミは、その場にいた誰もが感じていたこと。総理杯で敗れて笑っていた岡崎は、笹川賞を優勝して喜びを控え目にしか出さない。悔しくて笑う。嬉しくて怪訝な顔を見せる。胸の内をなかなか見せようとしないのは、新世代のヒーローらしさなのか、それとも実は勝負師の本能なのか。
 ともかく、すごいぞ岡崎恭裕!
 もっとも若い登番のSGウィナーが誕生した浜名湖のピットには、下剋上の風が心地よく吹き込んでいた。

_u4w9209  本来であれば、自分が新時代到来の幕を開ける役割を果たしたかったはずの新田雄史は、レース後、顔を硬直させていた。モーター返納作業の間も、表情がいっさい変わらないのだ。師匠の井口佳典も、おいそれと声をかけられない様子で、優勝戦後の敗者のモーター返納時には必ずと言っていいほど見かける“感想戦”が新田の周りでは起こっていなかった。
_u4w9179  山口剛も、硬い表情で作業をしていた。SG連覇、それを果たせば艇界の中心に躍り出る。その野望を山口がどれだけ強く抱いていたかはともかくとして、願いがかなわなかった悔しさを、山口はじっと噛み締めているようだった。
 新田と山口の表情を見ていて、ここにもまた下剋上の風が吹いているように思えた。その悔しがり方は紛れもなく、彼らが本気でSGを獲りにいっていた証だからだ。チャレンジャー精神とか、やるだけやったとか、先輩の胸を借りましたとか、そんな殊勝な思いとは無縁な表情は、明らかに下剋上絵巻が艇界には巻き起こっていることを表現している。同世代の岡崎が勝ったということもまた、悔しさを強くしていただろうか。ともあれ、敗者のはずの彼らにも、新たな時代を感じさせられた。
_u4w9324  もちろん、先輩たちだって、そう簡単に世代交代を許すはずがないし、岡崎にSGをひとつ獲られたからといって、世代交代が起こったなどと言うつもりはないだろう。池田浩二が、こんなにも悔しがっている姿は、あまり記憶にない。クールでスマートな男が、ひたすら顔を歪ませていたのだから、思わず見入ってしまったほどである。大嶋一也とレースを振り返っていたようだが、池田にとっては後悔するべき点があったのだろう。止まらない苦笑いは時間を追うごとに深くなり、悔しさは腹の底からとめどなくあふれているようだった。
_u4w9320  菊地孝平は、顔面蒼白だった。おそらく、今日、優勝をもっとも願っていたのは菊地だった。地元SG。横澤剛治の思い、坪井康晴の思い、静岡支部の思い……。いろんなものを背負って戦った菊地は、結実しなかった思いの大きさと必死に戦っているように見えた。さっきまで岡崎の歓喜を見てハッピーな気分になっていたのに、一気にせつなくなった……。触れれば涙があふれてもおかしくないような、湿った顔つき。そんな戦いを見せてくれた菊地には、心からお疲れ様でしたと言いたい。菊地は決して喜びはしないだろうけど、感動させてもらいました、とも。
_u4w9309  そうしたなかで、今村豊の淡々とした表情は、さすがの百戦錬磨である。今村豊のSG初制覇は、84年の笹川賞in浜名湖。あれから26年経って、同じ舞台で若者が同じ栄誉を手にした。あのときにはまだ生まれてもいなかった若者が。26年ずっとトップで戦い続け、今日タイトルホルダーになった若者が成長する間も熾烈な勝負の場に身を置いてきた今村は、もちろん果てしなく悔しいはずだが、その悔しさとの向き合い方も知っているはずである。穏やかな表情で後輩たちに囲まれる姿を見ていたら、今日のこの優勝戦に今村がいたこと、岡崎が勝ったことはすべてが必然だったのではないか、などと思えてきたのであった。

_u4w9979  表彰式→記者会見→JLC出演と、優勝者のルーティンが終わって、新時代のヒーローが仲間に囲まれる。白水勝也、瓜生正義、篠崎元志らの福岡支部はもちろん、地元の静岡支部の面々も集まっている。
 さあ、幸せな儀式で締めよう。水神祭だ!
_u4w9995  当初は係留所で執り行なわれようとしていたが、やっぱり高いところから投げ込もうよ、とボートリフトへ。SGウィナーっていったって、周りはみんな先輩。そりゃあ、怖がらせたほうが面白い、となる(笑)。リフトに連行され、ワッショイスタイルで持ち上げられた岡崎は、もちろん「うわーっ、うわーっ」と悲鳴をあげる。それにもかまわず先輩たちは、夕暮れの浜名湖にドッボーーーン! 岡崎は、ずぶぬれになりながらも、最高の笑顔で仲間の祝福に応えていた。
_u4w9998  水神祭には加わらず、後方で様子を眺めていた服部幸男がぼそりと、ちょっと悪戯っぽく言った。
「岡崎は23歳か……ちょっと遅かったな」
 うおぉぉぉぉ! その言葉は服部さんにしか言えないっすよ! そう、服部は21歳9カ月でSG制覇を果たした、史上最年少レコード保持者。俺の記録は破れなかったな、と冗談っぽく言ったわけである。いやあ、痺れた。で、陸に上がった岡崎は、まっすぐに服部のもとへ。服部が差しだした手を、「すいません、濡れちゃってますが」と言いながら、ガッシリと握った。これは歴史的握手! そして、これもまた新時代の到来を告げる瞬間だったと言えるだろう。
_u4w9987  それを笑顔で見守っていた金子良昭が、「早く風呂はいらないと寒いだろうなぁ」と優しくつぶやく。浜名湖の重鎮2人の素敵すぎる言葉を聞いて、僕の中で岡崎の優勝はさらにさらにハッピーなものになったのだった。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)


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H記者の「宇宙戦艦やまとが歴史を変える??」予想

 さあ行こう、優勝戦!

12R 笹川賞ファイナル
 ①池田浩二(愛知)B
 ②菊地孝平(静岡)B
★③今村 豊(山口)A
△④新田雄史(三重)B
△⑤山口 剛(広島)A
◎⑥岡崎恭裕(福岡)A

進入123/456か1256/34!?

「世代交代」「下克上」が最近の趨勢だとすれば、艇界のエポックメーカー今村とやまと三羽烏が同居したのは単なる偶然ともいえない。総理杯の山口に続いて外枠3艇から若きウイナーが出るのか、その流れをミスター競艇が堰き止めるのか。そんなレースになると予想します。
 え、池田と菊地は? もちろん脂の乗り切ったふたりのワンツーも十分ですが、パワー的には全幅の信頼は置けない。この枠では昨日のようなS一撃は厳しいと思います。行き足トップの今村がぶん回して内2艇に引き波ダメージを与え、その間に外3艇から誰かが割って入る。それが昨日からの私の一貫したレースイメージなのです。
 本命は岡崎。この若武者には内の動きを見つつ、ズッポリ突き抜ける度胸とテクとパワーがある。この笹川賞というSGは、過去37回中6号艇の優勝が11回!! 緑カポックがとんでもなく強いシリーズでもあるし。笹川賞のテーマカラーも緑だし。第30回の平石和男から7年ほど遠ざかってますが、だからこそそろそろ6号艇の出番では?  「下克上」というのなら、いちばん若い23歳の天運に賭けてみます! 相手は30年近く前に艇界の歴史を変えた今村豊。この今村を引き連れて岡崎が新世紀を創るのか、その器には足りず48歳の天才の前に屈するのか? 両者のオモウラを買って楽しむことにしましょう。
 あと、やまと世代3人優出を記念して456のボックスも1枚w

3連単★6=3-全


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“本紙予想”笹川賞優勝戦

12R 優勝戦   
今村が3コースから伸びて、ひとまくりで久々のSG優勝。若手の壁となる。最内突く岡崎が相手本線。S踏み込む菊地も加えたボックスも少々。
◎今村 ○岡崎 ▲菊地 △池田
3連単3-621-全 2・3・6BOX


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THEピット――さあ、優勝戦だ!

 好天に恵まれた笹川賞優勝戦。春風が吹き込むピットも実に心地よく、優勝戦ならではの穏やかな空気がまた気持ちいい。人影のない隅っこのほうで水面を眺めていると、ずーっと気のすむまでそうしていたい気分になって、仕事なんてどうでもいいや、などと不謹慎な思いも脳裏をかすめる。
_u4w8678  そんなだらけた気持にスイッチを入れてくれたのは、池田浩二。優勝戦メンバーでは唯一、装着場の奥のほうにボートがあって、それに気づいてはいたのだが、本人があらわれれば背筋はピンと伸びる。1号艇だからといってプレッシャーに押しつぶされるような男ではないから、表情はいたって淡々。まったくのマイペースで、いつもの池田浩二のたたずまいである。それでも、やはり少しの緊張感はあるのだろうか、ときどき生じる眉間のシワが、ふだんより回数が多く生まれている気がする。まあ、こちらも「優勝戦の1号艇」という先入観で眺めているから、そう感じるのであろうが。
_u4w8547  ボートリフトには、新田雄史がいた。早くも着水するようだ。そういえば、昨日も準優組ではもっとも早く水面に出たのは新田ではなかったか。気合のあらわれとも受け取れるし、動き出しの早さがまた若者らしく好感がもてるとか、いろいろと言い方はあるけれども、昨日の新田の言葉を思えば、まだまだ機力的な手応えは足りないのだろう。いったんピットに戻り、ペラを叩きはじめてもいるが、微調整などという生易しいものではなく、渾身の力で木槌を振り下ろしてもいるのだから、パワーアップへの模索はしばらく続きそうだ。
_u4w8843  新田の横には、山口剛の姿もあった。こちらのペラ叩きはまさしく微調整という感じで、細かく、小さな音を立てていた。表情は昨日に比べればずっと険しく、緊張感が見てとれなくもないわけだが、逆に言えば大一番に臨む表情としては普通であるとも言える。ようするに、悪くない雰囲気なのである。
_u4w8623_2  整備室を覗き込むと、今村豊がギアケースを調整している姿があった。確かな記憶とは言い難いのだが、優勝戦の朝の今村は常にこの作業をしていたのではないか、という気がしている。いちばん記憶に鮮明なのは、5年前の下関グラチャンだったりするのだが、それ以来、やっぱりなあという思いでギアケースを手際よく整備している今村を見てきたように思うのだ。
 もちろん、悲壮感はない。金子良昭とすれ違うときなど、「くぁあぁぁっ!」と奇声をあげたりもしているのだから(笑)、いつもの今村豊。もっとも平常心で優勝戦に臨めるのは、間違いなくミスター競艇だ。

_u4w9043  昨日も書いたように、雰囲気だけで言うなら、菊地孝平が超抜である。それは今日も変わらない。最終日の今日、ラストランを終えた選手たちは、モーター返納をすることになる。レース後は、そのために選手たちが慌ただしく駆け回り、整備室はヘルプする選手も含めてごった返すわけだが、これには選手班長が立ち会うことになり、当然、菊地は整備室の隅のテーブルに陣取り、チェック作業をしている。自身の調整の合間に、こうした仕事も菊地にはあるわけだ。ただ、それがマイナスになるような男ではない、と思う。むしろ、そうした仕事もパワーにし、忙しく動くことでテンションを高めることができる聡明さが菊地にはあるのだ。顔を合わせると、菊地はニコッと笑いを返してきた。やはりメンタルはかなりの高いレベルで仕上がっている。

_u4w8968  最後に、岡崎恭裕。これが彼のペースなのだろう、始動はもっとも遅いものとなっていて、2R前にはモーターを装着している途中なのか、まだモーターとワイヤーが結ばれていない状態で、無人のボートが装着場に置かれていた。総理杯のときに話したのだが、優勝戦の時間帯と午前中では気候が違うのは当然。できるだけ条件が近い時間帯に調整を始めたいという気持ちがあるようなのだ。だから、12R1回乗りの今日、午前中はまだスイッチを入れる時間帯ではない。そして、マイペースを保っている岡崎は、今日も優勝戦のプレッシャーなど微塵も感じずに過ごしているわけである。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)


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H記者の『穴・極選』最終日

 極選推奨の毒島が2着、準優は予想通りインが全敗、なのに、なのに、12Rが終わって文無しになり、さっきAV監督から樋口一葉さんのお注射をいただいたHです。憲吾郎どの、うりちゃん、showさん、丼口どの、すまんっす!!><
 さあ、それでもメゲず、最後の最後に笑いましょう! 今日の優勝戦は文句なしの極選指名。超抜の白井が1号艇なら堅く収まった(白井・今村の師弟決着?)と思いますが、足元の怪しい池田と菊地が内枠なら穴党の出番です!! その前に、もう一丁ブス君狙いでひと稼ぎ!

5R
◎毒島 誠
 松井 繁  10V
 井口佳典  3V
 今垣光太郎 7V
★飯山 泰
 大嶋一也  1V

進入162/345?

 SGトータル21V!! 格だけでいうなら、今日一番凄いメンバーが揃ったレースであります(優勝戦は全13V)。そんな中で狙うのは毒島と飯山の無冠コンビ。大嶋の前付けをがっちり受け止めて逃げ切りなさい、ブス君。このメンバーでSG水神祭を遂げたら、もの凄い自信になりますぞ。つか、真の大物だったら勝たなきゃいけない!! 絶好のお膳立てだぞーーー。そして、昨日は惜しくも逆転されて優出を逃した飯山。こちらは私情とは無縁に、節イチ級の伸びを信頼しましょう。下克上の風が吹き荒れる中、1=5がきたっていいじゃないか、頑張れ未来のSGレーサー!

3連単★1=5-全

 あと、私情丸出しで6Rの白井=服部、昨日の私の◎ふたりをこっそり買っておきましょう。大穴間違いなし?の優勝戦予想は10R頃アップします。


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本日の“本紙予想”笹川賞最終日

 おはようございます。Kです。いよいよ優勝戦。今日も懲りずにイン主体、ではありますが……。

1R  
淺田が逃げて最終戦を飾る。日高が捌いて追走。
◎淺田 ○日高 ▲武田 △田中 
3連単1-456-全

2R 
川北が踏み込んで押し切る。重成の全速戦にも注意。
◎川北 ○重成 ▲丸岡 △平石  
3連単1-356-全

3R 
上瀧動けば、間嶋に展開向くか。太田のイン残しを本線に。
◎間嶋 ○太田 ▲江口 △上瀧 
3連単2-135-全

4R 
辻が6着続きに逃げてピリオド。湯川も変わらず出ている。
◎辻 ○湯川 ▲今坂 △芝田
3連単1-234-全

5R 
毒島の水神祭を応援。松井が捌いて続く。
◎毒島 ○松井 ▲井口 △飯山 
3連単1-235-全

6R  
魚谷が逃げて有終の美。吉川との兵庫ワンツーを本線。
◎魚谷 ○吉川 ▲白井 △服部
3連単1-452-全

7R  
佐々木が伸びて抜け出す。赤岩の渾身の旋回も脅威。
◎佐々木 ○赤岩 ▲坪井 
3連単3-51-全

8R 
田村がきっちりと逃げ切る。アウトから山崎も攻める。
◎田村 ○山崎 ▲海野 △笠原
3連単1-652-全

9R 浜名湖選抜戦 
今垣が大嶋の前付けにも怯まず逃げる。白水、篠崎の師弟が続く。
◎今垣 ○白水 ▲篠崎 
3連単1-23-全 

10R 特別選抜B戦  
飯山が準優の鬱憤を晴らす快速逃げ。2~3枠に妙味。
◎飯山 ○今坂 ▲芝田 △松井
3連単1-234-全

11R 特別選抜A戦       
山崎が渾身の逃げ見せる。佐々木、湯川のダッシュ連動も怖い。
◎山崎 ○佐々木 ▲湯川 △赤岩
3連単1-452-全

優勝戦は後ほどアップします。


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最終日! 下剋上の嵐ふきすさぶ優勝戦!

おはようございます。笹川賞もいよいよ最終日。本日は優勝戦です! それにしても、ものすごいメンバーになっていますね。外枠をやまと競艇学校世代が占め、総理杯が象徴するように、今年になってふきすさび始めた下剋上の嵐が、この優勝戦にも吹き荒れています。その高い壁となるのが、ボートレースの歴史を変え、四半世紀もトップを走ってきた今村豊なのですから、これは歴史的優勝戦。今村がSG初制覇を果たしたときには、まだ新田雄史も岡崎恭裕も生まれていなかったのですから……。どんなレースになるのか、本当に楽しみです。

_u4w8364 そういえば、今節は水神祭がひとつも行なわれていないんですよね。魚谷香織、毒島誠、そして武田光史がその対象者なのですが……5R、毒島はえらいカードに組まれたもんだなあ。武田はFが残念でしたが、嫌な思いを吹き飛ばすべく、奮闘してもらいたいものです。(PHOTO/池上一摩)


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笹川賞準優ダイジェスト

波乱はレース後に……

10R
①新田雄史(三重)11
②白井英冶(山口)19
③芝田浩治(兵庫)21
④岡崎恭裕(福岡)28
⑤湯川浩司(大阪)19
⑥田村隆信(徳島)17

2010_0529_r10_0771 「湯川だーーーっ!!」
 スタンドの目はアウト水域に釘付けになった。節イチの行き足を誇る湯川がスッと伸びる。覗ききってしまえば、一気にまくりきる勢いだ。が、すぐ内の岡崎の舳先が4分の1だけ喰い込んでいる。抜けきるか、ほどけないか? それでレースは天と地ほど変わる。抜けきらなかった。岡崎が前歯1本で齧り付いたまま、離さなかった。

2010_0529_r10_0801  それで有利になったのはイン水域だ。外の噛み付き合いを尻目に、新田が先マイして白井が差す。バックでは一騎打ち。態勢は逃げきりにも見えたが、バック中間の白井の行き足の凄いこと。内から一気に新田を抜き去って2マークを制圧した。その外を新田がぶん回す。3艇身ほど後ろにいた岡崎が開いて最内を差す。
 ん? この光景って??

2010_0529_r10_0814  3月の総理大臣杯の優勝戦とよく似た光景だった。濱野谷憲吾の外を山口剛がぶん回し、岡崎が差したあの光景。まさか、この2マーク差しがまた届いてしまうのか!? と見ていたが、岡崎に総理杯の鬼足はなかった。白井が、新田が突き放していく。そのまま何事もなく、差した逃げ粘ったで1個目の準優が終わった。
 1着・白井、2着・新田。

2010_0529_r10_0822_2   そして、波乱は数十分後に起きた。スタンドに「10レースの白井英冶選手は待機行動違反により、賞典除外に……」のアナウンス。スタンドがざわめいた。去年の今垣光太郎に続いて、今年もまた……。白井の名前は優勝戦から消え、繰り上がるのは湯川を食い止め、新田をしぶとく追い回した岡崎。やまと卒業生のふたりが、優出を決めた。
 嗚呼、それにしても白井。今節もまた「SGにもっとも近い男」という呼称を返上することができなかった。でも、泣くな英冶、アンタは強い。王手王手の連続で、もうSGという王将を1手詰めまで追い込んだ。投了の1手を指す瞬間は、間もなくやってくる。

デジタル王子の本領

11R
①今村 豊(山口) 24
②佐々木康幸(静岡)24
③赤岩善生(愛知) 18
④菊地孝平(静岡) 03
⑤今坂勝広(静岡) 12
⑥松井 繁(大阪) 17

2010_0529_r11_0870  10Rから強くなってきた向かい風が、さらに風足を強めていた。
 スタート展示は5艇が100mを切るほどの12465/3。が、本番では松井の動きを他艇が牽制してすんなりの枠なりで落ち着いた。良しも悪しくも、これがスタート展示の効力だ。行き足も伸びも足りない王者がゆっくり艇を引く。期待したのは、おそらく4カド菊地のスタート力。今節の菊地もまた行き足、伸びともに水準以下ではあったのだが……。
 この男に、機力は関係なかった。コンマ03!! 向かい風が強まっていることも計算に入れての痛快デジタルショット。
「行ったーーーーーー!!」
2010_0529_r11_0887  凄まじい歓声だった。誰もが5秒後の1マークを想像できるスリットなのだ。声を出さないわけにはいかない。その万人がイメージした航跡をなぞって、菊地は軽々とまくりきった。これだ、これが菊地孝平という男だ。
 そして2番手には、素晴らしい勢いで松井が躍り出た。菊地の行動をすべて読みきったような全速のマーク差し。さすがの決め撃ちである。が、問題はその先だ。ズバッと突き刺してから、さらに突き放すスピードがない。内から外から、後続艇がにじり寄っていく。

2010_0529_r11_0914  菊地の引き波をモロに喰らってバック5番手に甘んじた今村まで、その気にさせた。2マークでの捨て身の突進が、松井に届いてしまった。もんどりうって最後方まで後退する王者。ここで松井の優出の道は閉ざされた。油断とかそういう類ではなく、ただただすべてのパワーが足りなかったのだと思う。

2010_0529_r11_0931  この急襲で4番手になった今村は、さらに2周1マークでも内に切り込んで2番手まで取りきってしまう。なんたる48歳。競艇の新世紀を創った男が、その秘術を尽くして大逆転の優出をもぎ取った。
 1着・菊地、2着・今村。
 乾坤一擲のデジタルSと。百戦錬磨の老獪なテクと。ふたりの天才の必殺技に、2周目からスタンドは拍手に包まれていた。

カドまくり3連発!!!

12R 進入順
①吉川元浩(兵庫) 24
②山崎智也(群馬) 26
⑥服部幸男(静岡) 27
③池田浩二(愛知) 12
④飯山 泰(神奈川)14
⑤山口 剛(広島) 13

2010_0529_r12_1012  昨日2発のカドまくりでセンター枠を得た池田が、今日も豪快に決めた。上記のスリットでは、内3艇は池田が通り過ぎるのを待つしかなかった。SGでカドまくり3連発を決めた選手って、どれくらいいるだろうか。少なくとも私の記憶の中にはないぞ。池田には「2、3コースでは草食系(95%がた差しハンドル)、4、5コースになると途端に肉食系(獰猛にまくる)」というちょっと不思議な特性がある。今節の池田は肉食が好みなのか、服部をすんなりと3コースに入れ、颯爽と艇を引いていた。そして、菊地に続いて有無を言わせぬ4カドまくりだ。

2010_0529_r12_1033  このビーストまくりにきっちり連動した飯山と山口が、最後の1議席を争うことになった。とはいっても態勢、足色ともに飯山が断然。2周ホームで3艇身の差を付け、長野出身レーサーとして初のSG優出を決めたかに思えた。が……2周1マーク、山口が最後のお願いで内に切り込んだ。

 2010_0529_r12_1037 その突進がなかなかに狡猾で、直接飯山を目指すのではなく、旋回する飯山の円弧にどこかでぶつかりそうな角度で直進している。先回りのショートカット。「このままだとぶつかりますけど、どうしますか、飯山さん?」と身を委ねるような突進に見えた。

 まあ、それはそれで見え見えだからして、飯山としてはさらに外をぶん回すか、行かして差すか、どちらかを選択すればそれで済んだはずだ。だがしかし、少し迷ったような動きから「外」を選択した飯山の艇は、ものの見事に山口のダンプを浴びる形になってしまったのだ! ピンポイントの接触、追突。この駆け引きで態勢は一気に逆転、失速した飯山に再逆転するだけの余力はなかった。
 1着・池田、2着・山口。
2010_0529_r12_1055_2   池田のシャープさと、山口の若者らしからぬふてぶてしさと。SG連続Vを目論む山口の度胸には呆れる他ないが、この逆転劇で総理杯の2人に続き、今節は3人のやまと卒業生が優勝戦にコマを進めたわけだ。間違いなく世代交代、下克上の波は続いている。その激しさを増しつつ。(photos/中尾茂幸、text/H)


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THEピット――悔しい……

2010_0529_0064  笑顔でピットに戻ってきた白井英治に、上瀧和則が何か声をかけていた。内容はまったく聞こえなかったのだが、ちょっと気になってはいたのだ。
 それでも笑顔が絶えない白井。ふと視線を移すと、岡崎恭裕が総理大臣杯の優勝戦よりずっと悔しそうな表情で、瓜生正義とレースを振り返っている。やはりあの総理杯のレース後の笑顔は、悔しさを隠すためのもの。そう確信して、もういちど白井の笑顔に視線を戻す。ボートを洗浄しながら、今村豊の嬉しそうな笑顔も目に飛び込んできた。
 まさか、その後に白井から優出権利が剥奪され、それが岡崎に渡るとは思わなかった。
 リプレイを見ると、確かに白井が舳先をスタートラインに向けた場所と1コースの間隔はかなり大きかった。だが、それはレースを見ているときには気がついていない。白井の鮮烈な差しを見た後には、進入の映像などすっかり頭から消え、ピットにいた誰もが白井のSG初優勝への期待を口にしていた。
 待機行動違反のジャッジを受けて、白井はひたすらに笑っていた。モーターを格納しながら、そこにいた選手たちと笑い合っている。岡崎には、「お前に優出をあげたんだぞ」と軽口を叩いて、やはり満面の笑みだ。岡崎は「すいませーん」と笑って頭を下げ、それを見た白井はさらに笑った。11Rのエンジン吊りでは瓜生正義に肩を揉まれて慰められ、思い切り笑顔を返している。師匠である今村豊の優出を祝福する笑顔も爽快だ。
 僕は、それを見ながら、ずっと訝しく思っていた。というよりも、間違いなく強がりのはずだ。白井英治が、ピットでここまで無防備に笑う姿など、ほとんど見たことはない。
 白井が珍しく声をかけてきたのは、その直後だった。後ろからこちらの尻をぽんぽんと叩いて、満開の笑顔を見せてきたのだ。白井とピットで話をしたことは何度もあるが、向こうから声をかけてきたのはほとんど記憶にない。まして親しげにケツを叩いてくるなんて。その行動に、僕は自分の考えが間違っていないと確信した。
2010_0529_0221  10Rが終わって、長嶺豊さんと今垣光太郎がスリット写真を覗き込んで話していた。これは、と思い、こっそりその後ろに陣取る。二人の会話は終わってしまっていたが、今垣と別れたあと、長嶺さんが教えてくれた。「白井には、これを糧にして、次に優勝してほしいって。去年の光ちゃんがそうだったからな。光ちゃんが言うと本当に重みがあるし、説得力もある」。
2010_0529_0424  そのことを、僕は白井に伝えた。僭越かとも思ったが、僕の気持ちとしても、「去年の今垣光太郎がそうだった。次は白井英治の番だ」と伝えたかった。白井の顔は、みるみるうちに凛々しくなっていった。笑みは消え、小さく何度かうなずき、眉間にはシワさえ寄っていった。
「そんなに落ち込んでないから大丈夫っす。うん、明日からも頑張ります」
 真摯な表情をたたえたまま、白井は控室へと消えていった。

2010_0529_0155  悔しい思いをどう表現するか。それは人それぞれだ。ここで何度も書いているように、山崎智也はとにかく笑う。絶対に心中を他者に察せられまいとするかのように、智也は微笑みを浮かべる。今日もそうだった。レースを終えてピットに戻ってきた智也は、ヘルメットを脱ぐとやっぱり笑っていた。スリット写真を一瞥したときには(智也を含めスローが遅れている)、「何だこれ」と吐き捨てて、また笑った。写真をじっくり眺め、首をかしげて顔をゆがめてもおかしくないのに、智也はちらりと見ただけで、そして笑うのである。
2010_0529_0022  湯川浩司は天を仰いだ。ヘルメットをかぶったまま、くそー、とばかりに首を後ろに傾けたのだ。ただ、こちらに視線を向けたヘルメットの奥の目は、悪戯っぽく笑ってもいたが。吉川元浩は、表情を失っていた。ただただ淡々と、敗戦を噛み締めていた。服部幸男は、そっと溜め息をはいた。静岡支部の仲間に苦笑を浮かべてみせ、あ~あ、とばかりにうなだれる。その姿勢のまま、服部にしては珍しいほどのゆったりとした足取りで、控室へと一人、戻っていった。
2010_0529_0091  松井繁には、敗戦の後ですら、圧倒される。王者とは時に孤独。この男の敗戦には、今日はいったん2番手を走っていたということもあって、誰も声をかけられないでいる。そんななかで、松井は一人、じっと悔しさを噛み締めるのだ。目には憤りが宿っている。口元は堅く絞められている。肩がややいかり気味になっている。そして、無言。負けたときでさえ、この男は王者だ。いや、むしろこういうときに、本質はあらわれると言うべきだろう。
2010_0528_0459  ただ一人、悔しさをひとつも隠さなかったのは、飯山泰である。いや、悔しさを隠すすべがなかった、ということだろうか。いったんは2番手を走りながら、山口剛の切り返しを浴びて後退。レースぶりからは、山口が内に進路をとったのに気付かなかったような旋回だったから、その悔しさはひたすら自分に向けられ、だからそれを覆うことができないでいたのだろう。まったく個人的なことですが、僕もピットでうなだれておりました。同郷の飯山がついにSG初優出!と興奮していたものだから……。
 ボート洗浄の間からもヘルメットの奥から苦しい表情がのぞいていたが、カポック脱ぎ場でヘルメットを脱いであらわれた顔は、思い切り歪んでいた。汗に濡れ、紅潮した顔が、童顔の飯山に鬼の表情を浮かべさせている。その背中を、坪井康晴が叩く。井口佳典は、まるで抱きしめて包み込むように両手で、肩をぽんぽんと叩いていた。選手仲間であれば、この敗戦がどれほどまでに悔しいのか、誰もが理解している。だから、慰めずにはいられないのだろう。そうした仲間の気遣いを受けても、飯山の表情は変わることがなかった。控室に消えていくまでついに、飯山は憤怒の表情を消すことなく、ひたすらに己を責め続けていたのだった。

 勝者にも触れねばなるまい。まあ、誰もが心からの笑顔を見せ、喜んでいるのは当然。そうした意味で、優出6者の表情に大きな違いはない。
2010_0529_0305  もっとも充実感を覚えたのは、菊地孝平だ。もし雰囲気が優勝戦の結果に直結するのなら、優勝は菊地孝平だろう(名人戦でも同じことを書きましたが、そのときは本当に結果に直結しました)。選手班長の大任を果たしつつ、全力でレースに臨み、そして優出。しかも、スタートで出し抜いての一撃という、もっとも菊地らしい勝ち方で念願の地元SG優出を果たしたのだから、メンタルが一気に仕上がって当然というものだろう。菊地は言う。
「今節は、ここに来れなかったヨコ(横澤剛治)の分までと思い、一緒に走っているつもりで戦ってきた。今日は、準優に乗れなかったツボ(坪井康晴)の分まで頑張ろうと思った。明日は、静岡全員の思いを背負って戦う」
 何かを背負った者は強い。これは真理である。明日、もっとも大きい思いを背負うのは菊地だし、菊地にはそれを背負い切れる強さもある。
2010_0529_0256  今村豊は、会見で報道陣を笑わせる余裕を見せながらも、白井英治の件については神妙に語っていた。
「ルールを破ればペナルティが課せられるのは当然。本人も勉強になっただろうし、僕からかける言葉は何もない。でも、本当を言えば、一緒にSG優勝戦に乗るのが夢だった。だから残念です」
 今村は肯定しないかもしれないが、きっと知らず知らずのうちに、白井の思いも背負っての優勝戦となるだろう。
2010_0526_0536  池田浩二はいつもの泣きコメントです(笑)。この人の泣きは、もはや芸。僕は最近、池田がどんなふうに泣くかが楽しみにすらなっている。というわけで、実際の機力については、自分で判断するか、機力診断名人のH記者をアテにすることにしよう。
2010_0529_0542  最後に、外枠3人の若武者軍団! 明日の優勝戦は歴史的SGである。ミスター競艇とやまと世代の3者が激突するのだから。3人それぞれが実にしっかりと、凛々しい表情でいたのは、心強い限り。なかでも、SG連覇がかかる山口剛は「狙っていますし、やれるような感じもする」と強気に語っているのだから、嬉しくなってしまう。2010_0529_0227 まさしく下剋上の世代闘争、その風を感じさせる山口、新田雄史、岡崎恭裕には心から声援を送りたい。ちなみに、総理杯は内から、岡崎、山口の並びでワンツー。今回は外から同じ並びとなっている。2010_0529_0456岡崎は当然、リベンジしたいところですよね。 (PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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笹川賞優勝戦メンバー確定!!

 第37回笹川賞の優勝戦メンバーが決定しました。1号艇にはカドまくり3連発中の池田浩二。さらに地元の菊地孝平、名人世代の今村豊、若きやまと三羽烏と多士済々のメンバーが揃いましたね! いちばん不気味なのは、白井英冶(待機行動違反で賞典除外)の繰り上がりで蘇った岡崎恭裕か!?

笹川賞優勝戦

①池田浩二(愛知)
②菊地孝平(静岡)
③今村 豊(山口)
④新田雄史(三重)
⑤山口 剛(広島)
⑥岡崎恭裕(福岡)


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H記者の「インが飛びまくる~????」予想

 さあ、準優です。すべてのレースに穴目の地雷を仕込み、12Rを穴・極選に指名します! 普通、準優はインから買え、としたもんですが、今節はどうでしょうか。18位が6・33とハイレベル&パワー拮抗の戦国シリーズですかね。「どこからでも狙える!」と発想を転換してインを軽視します。

10R
 ①新田雄史(三重)B
◎②白井英冶(山口)A
 ③芝田浩治(兵庫)A
★④岡崎恭裕(福岡)A
★⑤湯川浩司(大阪)S
 ⑥田村隆信(徳島)A
進入156/234か123/456

 進入から難解。予選で前付けイン逃げを決めた銀河コンビの動きが鍵を握ります。田村が動けば湯川も動く。これに新田が激しく抵抗すれば(井口が「湯川と田村にだけはインを獲られるな!」と吹き込んでたりしてw)白井に絶好の4カドが回ってきます。枠なりでも新田を自在に捌ききるだけの足とテクがあるし。足的に不安のある新田は軽視し、行き足トップ級の湯川と総理杯で一皮剥けた岡崎へ。

3連単★2-45-全

11R
★①今村 豊(山口) A
 ②佐々木康幸(静岡)A
◎③赤岩善生(愛知) S
 ④菊地孝平(静岡) B
★⑤今坂勝広(静岡) A
 ⑥松井 繁(大阪) B
進入123/456

 動きそうな松井ですが東海4枚の壁は厚く、枠なりに収まるか。とすると怖いのは2コースまくり率がやたらと高い佐々木。これに今村が抵抗すれば赤岩にズッポリの差し場が生まれます。インから残す今村と不気味な穴パワーある今坂の今今コンビへ。菊地と松井は優出するだけのパワーが?

3連単★3-15-全

12R【穴・極選指名レース】
 ①吉川元浩(兵庫) B
★②山崎智也(群馬) A
 ③池田浩二(愛知) B
 ④飯山 泰(神奈川)A伸びSS
★⑤山口 剛(広島) A
◎⑥服部幸男(静岡) A↑
進入126/345か123/456

 昨日は強引な前付けに出た服部も、今日はそこまで激しく行かない気が。足合わせを見る限り、行き足~伸びがアップしていました(かなりいい感じでした!)。ゆっくり回り込んでの3コースか枠なり。
 で、イン戦の吉川なんですが、松井などとの足合わせを見ても、とても威張れるパワーとは思えないのです。あのレベルの足で、2コースまくりの多い智也&節イチ伸びーーーるパワー飯山の絨緞爆撃を凌ぎきれるか? 微妙ですね。ならば配当的に斬り捨てるのが穴党の本領。水面を知り尽くした服部の自在戦に賭けます。笹川賞男の智也とSG連覇をやらかしそうな山口へ。
憲吾郎どの、吉川斬り捨て御免!!!!

3連単★6-25-全

さてさて、私の予想通りなら明日の優勝戦は①白井②赤岩③服部④今村⑤智也(か岡崎)⑥湯川(か山口)みたいな感じになるのですが、いかに。


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“本紙予想”笹川賞準優勝戦

10R 準優勝戦  
新田が先輩蹴散らし逃走劇。超抜湯川は外枠でむしろ面白い。
◎新田 ○湯川 ▲白井 △岡崎
3連単1-524-全

11R 準優勝戦       
今村がインから踏み込んで逃げ切る。佐々木のアシも快調。
◎今村 ○佐々木 ▲赤岩 △松井
3連単1-236-全

12R 準優勝戦    
吉川の逃げが濃厚も、山崎、飯山が握って出れば池田にも出番アリ。
◎吉川 ○池田 ▲山崎 △飯山
3連単1-324-全 


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THEピット――静かな準優モーニング

2010_0528_0303  パチパチパチパチ! 拍手喝采。1Rを終えて戻ってきた選手の誰かに、大拍手が送られる。…………市川哲也だ。なぜ市川に大拍手? 今節の市川は、予選はオール6着。そして、この1Rは……5着! トンネル脱出!……なのか? ともあれ、市川に送られた拍手喝采。首謀者は、今村豊説が濃厚だが、同期の渡邉英児という説もある。チャーリー池上カメラマンによれば、それを見ていた笠原亮が「失礼っすよ」と言っていたそうだが、そりゃそうです。でも、市川もニコニコと笑っているから、それでいいのだ。
2010_0528_0083  その1Rに出走した海野ゆかりのエンジン吊りを手伝っているのは、日高逸子、淺田千亜希、田口節子、魚谷香織……オール女子! その空間だけがにわかに女子王座になってしまったかのような光景である。中国勢は市川のほうについていたために実現したわけだが、奏恵ちゃんは? 探してみると、水面にいました。2R出走で、スタート展示中だったのでありました。
 …………てなピットの風景に和んでしまった準優の朝。つまりは、準優組の姿は多くなく、また物音も非常に少なく静かなのだ。もっとも、これが準優の朝だと言うこともでき、5日目を迎えてピットは確かに違う局面を迎えている。
2010_0525_0399  ようするに、終盤レースに登場する準優組は、始動が遅くなる。岡崎恭裕が装着場で作業をしていたので観察すると、モーターにワイヤーを装着しているところ。このワイヤーはハンドルにつながっているもので、すなわちたった今はじめて、モーターをボートに乗っけたということだ。岡崎は朝特訓にも出ていなかったわけである。この余裕は岡崎ならではということもできるが、しかし準優組の動きとしては決して珍しいものでもない。気温や潮回りなど本番にできるだけ近い条件で調整をしたいと考えるのは、むしろ自然なものだ。
2010_0525_0844  整備室も閑散としていた。1R頃にのぞいた時には無人。今節、人っ子ひとりいない整備室を見たのは初めてではなかろうか。ただし、本体整備用テーブルには、バラされた本体が1機置かれている。モーター番号と照らし合わせてみると、服部幸男のモーター。昨日、シリンダーケース交換の様子を記しているが、どうやら元に戻している最中のようだ。昨日から、もし今朝試運転をしてみて手応えが良くなければ、元に戻すつもりでいたようで、つまりは朝特訓でしっくりこなかったということ。それにしても、昨日あれだけ時間をかけて行なった交換を、潔く捨て去ろうというのだから、その勇気はさすが。そして、これが「ベストを尽くす」服部スタイルの一端なのであろう。ちなみに、服部が整備室に入って整備のつづきを始めたのは、2Rが始まろうとする頃のことだった。
 ペラ調整に励んでいるのは、松井繁、田村隆信、佐々木康幸といったあたり。佐々木はペラ調整の手をいったん止めると、整備室に入っていって、機歴簿をチェックしたりもしていた。おっと、山口剛がリードバルブの調整をしているではないか。ということは、さっきも実は無人じゃなかった? 気づかなかった。
2010_0528_0617  山口には聞いてみたいことがあった。昨日の12R、山口は1着なら予選1位だったのだ。
「ぜんっぜん、知らなかったんですよ。準優乗れるか乗れないかくらいの順位なだったともかく、具体的な順位とかは知らないんでレースに行きますね。もし知ってたら、絶対に放らなかったのに(笑)」
 やはり選手たちは、細かい順位を把握してレースを走っているわけではない。山口は「知っておきたかった」と笑っていたが、それを知りたくないという選手もいるようで、いずれにしても詳細な情報をもたないまま、選手たちは勝負駆けを戦うのである。それにしても、山口はやっぱり豪胆な男だな。ふつう「勝てば予選1位」なんて情報、プレッシャーにしかならないような気がするんだけど。
2010_0528_0288  こうした穏やかな空気のなかで、ただ1艇、準優組のボートが水面を走りまわっていた。新田雄史だ。もっとも早い動き出しを見せたのは、予選3位、準優1号艇の若武者だった。新田は節間ずっと「成績ほどアシはよくない」と言い続けていて、たしかに決して超抜クラスと見える気配ではない。それだけに、たとえ準優好枠でもパワーアップに力を尽くす。SG準優の好枠が若者にはプレッシャーになるかもしれない、なんて深読みはもちろん可能だが、こうして機力アップに集中できていれば、重圧を感じる間もないだろう。この男も、もしかしたら山口剛と同種の男かもしれない。

2010_0525_0224最後に、予選1位の吉川元浩。ハッキリ言って、この人が予選トップ通過とは、ピットにいる人間としては驚くしかない。というのは、これだけの実力者が、まるで気配を消しているかのように、目立つことのない一節間だったのだ。正直、ピットで印象に残っているシーンは皆無といってよく、ピットでの雰囲気と結果が結びつくとは限らないとはいえ、予選をこれだけの成績で乗り切った選手は多少は目につくもの。だから、非常に驚いた次第なのだ。今朝、エンジン吊りに出てきた吉川をあえて注意して観察していたが、実に淡々と、実に穏やかに、派手な動きや目立ったアクションもなく、作業をこなしていたものだった。やっぱり圧倒的な雰囲気はまるでないのだが、今節の吉川はそれこそが“好気配”なのかもしれない。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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H記者の『穴・極選』5日目

 昨日の12R、1-4-5にメイチ突っ込んで1-4-6に号泣したH党の党首です(←なんかシンプルにスケベですけど)。showさんも抜けましたかね? コラ山口、予選トップがかかったレースでドカするなーーーーーッ><
 さあ、めっちゃ楽しそうでめっちゃ荒れそうな?準優デーです。その前の資金稼ぎは……敗者戦のテーマはもちろん「予選落ちしてもモチベーションの下がらない選手を狙え!」。まず地元レーサーが該当しますが、普通に人気にしますからね。今節の狙いは「群馬勢」でしょう。桐生ダービーの決算日まで2カ月。先週、江口と会って話したのですが「ほぼ当確とはいえ、まだまだ安心はできない。勝率をしっかり稼いで恥ずかしくない成績で本番に臨みたい」と意気込んでおりました(今節は散々でしたが)。
 また、毒島はダービーボーダーよりかなり下で、しかも今節はこの大苦戦。が、まだまだ諦めてはいないはず。昨日も大敗しましたが、ピストン2個リング2本など決死の整備でやや上向いた気配はあります。2点増しのSGでポイントを上積みを重ねたい。その思いが大穴を呼び込むかもしれませんぞ! 2Rの346ボックスや6Rの2-6-全などで遊びつつ、7Rのブス君を極選指名します。

7R
 笠原 亮
★坪井康晴
 篠崎元志
 川北浩貴
◎毒島 誠
 太田和美
進入123/456

 群馬スピリット狙いということで、能書きはあまりないんですけどね。伸びだけはやや強めの川北が握って、ズッポリのまくり差しというのが理想的な展開です。出足が不安定な笠原を思いきって軽視し、2コース得意な坪井へのウラオモ勝負。奇跡の逆転ダービー参戦へ、頑張れブスジマッ!!  極選追加しそうな準優予想は8R頃にアップします。

3連単★5=2-全


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本日の“本紙予想”笹川賞5日目

 おはようございます。Kです。準優デーですね。一筋縄ではいきそうにもない笹川賞。でも、“本紙”はイン主体。

1R  
井口がぶち込んで逃げ切る。江口が捌いて追走。
◎井口 ○江口 ▲海野 △太田 
3連単1-432-全

2R 
魚谷がマクリ差して突き抜ける。横西もアシは悪くない。
◎魚谷 ○横西 ▲金子 △間嶋  
3連単3-415-全

3R 
笠原がカドから攻めて抜け出す。篠崎との連動を本線。
◎笠原 ○篠崎 ▲田中 △辻 
3連単4-516-全

4R 
大嶋がインから逃走決める。白水が差して続く。
◎大嶋 ○白水 ▲濱野谷
3連単1-24-全

5R 
金子動くも、瓜生が意地の逃げ切り。井口が外から追撃。
◎瓜生 ○井口 ▲金子 △丸岡 
3連単1-562-全

6R  
江口の差しが届く。今垣が攻めて肉迫する。
◎江口 ○今垣 ▲平石 △渡邉
3連単2-516-全

7R  
笠原が逃げ切って地元の意地見せる。坪井が差しが本線。
◎笠原 ○坪井 ▲篠崎 
3連単1-23-全

8R 
オール女子なら横西の腕と機力が一枚上。海野のカド戦が脅威。
◎横西 ○海野 ▲日高 △田口
3連単1-452-全

9R  
濱野谷が逃げて予選落ちのうっぷん晴らし。辻が自在に追う。
◎濱野谷 ○辻 ▲魚谷 △金子 
3連単1-365-全 

準優は後ほどアップします。


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5日目! 準優勝戦!

おはようございます。笹川賞5日目、本日は準優勝戦です。めちゃくちゃ面白いメンバーが揃った準優ですが、昨日までの流れを考えると、そうそう堅くは収まらないかも……。

2010_0528_0772 総理杯優勝の山口剛も準優に駒を進めています。SG連覇の偉業、なるか!?(PHOTO/中尾茂幸)


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笹川賞 勝負駆けドキュメント

8R 服部、エースのプライドまくり

2010_0527_0139  5号艇の服部幸男が気合の2コース強奪。遅れ目の起こしからスリット全速で一気に伸び返し、インの白水勝也をジカまくりで叩き潰した。これぞ地元エースのプライド。こんな気合剥き出しのレースが見たかったぞ、服部!! シリーズ初勝利で6・33まで勝率を跳ね上げる。

2010_0526_0196  服部のジカまくりを喰らって4番手までずり下がった白水も奮闘した。2着で6・33になる白水は2周1マークで最内から捨て身の切り返し。これがものの見事に決まって2階級特進の2着をもぎ取った。勝負駆けなればこその突進。このレースで準優の目があったのは服部と白水だけで、ふたりの気迫を魅せつける結果だったわけだ。
 ただ、それでもこのレースが終わった時点での準優ボーダーは6・50!! 服部は20位、白水は21位という苦しいポジションのまま、予選6走を走り終えた。あとは天命を待つのみ!

9R 池田、怒涛の連発まくり

2010_0528_0327  続く9Rでは2号艇の池田浩二が魅せた。スタート展示は穏やかな枠なりだったが、本番はピット離れで出遅れた日高逸子が回りこんだところに6号艇の吉川元浩も連動し、あっという間に2(吉川)、3(日高)コースを占拠した。想定外の164235。
 3着以上が欲しかった池田にとっては嫌な展開にも思えたが、慌てず騒がず4コースから艇を引く。そして、そのまま4カドから内3艇を置き去りにするコンマ05トップSを決めて一気にまくりきってしまった。前半5Rでも5カドから鮮烈な絞りまくりを決めた池田。ド派手な大花火2連発で、昨日の19位から10人ゴボー抜きの9位という飛躍を見せた。

2010_0528_0651  18位ボーダーは依然として芝田浩治の6・50! このありえないようなボーダーとともに、絶体絶命のピンチに立たされたのは東都のエース濱野谷憲吾だ。得意のまくり差しが不発で3着に甘んじ、6・17で22位!という絶望的な状況に追い込まれた。残り3レースで4人が脱落するとは考えにくい流れでもあった。それにしても、6・17で22位とは……??
 2着は前付けから自在に捌いた吉川で、予選成績は8・40。初日からさほど派手なパフォーマンスこそなかったが、終わってみればオール2連対で2位まで上昇。準優の1号艇を確定させつつ、この後に登場する新田雄史(この時点で1位)、山口剛(同4位)の結果次第では予選トップまで可能な位置に到達した。池田も吉川も、さすがの底力だ。

10R 王者が落選の危機に!!

2010_0528_0749  当確の今村豊から火花が散るように痛烈なまくり差しを喰らったのが松井繁。その引き波はあまりに激しすぎ、一気に5番手まで失速した。ボーダー6・00なら昨日の時点で当確ランプが点っていたはずなのに、今や5着でも6・33で圏外というとんでもないことになっている。それを知ってか知らずか、4着取りにあの手この手でアタックし続ける王者。が、4番手との差はなかなか縮まらない。結局、松井は5着のままゴールを通過した。同じ6・33の服部を着順点で上回ったとはいえ、まさかまさかの19位フィニッシュ! 自分の降格によって18位ボーダーは6・40(辻栄蔵)。このまま6・33で服部とともに落選してしまうのか、王者? 恐ろしい事態である。残されたレースは、ふたつのみ。

11R 光太郎、撃沈!

2010_0528_0411  6・33を巡るドラマは続く。11Rは3着条件だった芝田浩治がコンマ01の電撃スリットで逃げきった。見事な勝負駆け。その影で、悪戦苦闘していたのが今垣光太郎だ。4着なら6・50セーフ、5着だと6・17ほぼアウトだった今垣は、その生死を分かつ4番手を走っていた。2周目で後続はやや千切れ、しっかり生き残ったかに見えたそのときだ。今垣はさらに上位を目指して攻め続けているではないか。突進気味の切り返し、とか。レーサーとして素晴らしい敢闘精神ではある。が、大胆な攻めが大敗につながることもままあること。そんなに攻めて大丈夫か、光ちゃん!? 思っているうちに、後続2艇が冷静的確な差しハンドルで急接近した。そして、5着どころか最後方に沈んでいた。松井の大敗も驚いたが、この6着はさらに信じられない光景だった。今垣6着、6・00で終戦。

2010_0528_0058  そして、入れ替わりで準優への当確ランプを点したのは、王者だった。
 また、このレースにはもうひとつの争点があった。4号艇の新田雄史が1着なら、文句なしにシリーズリーダー、予選トップの座を射止めるのだ。が、新田は芝田の渾身の大逃げの前に、なすすべなく敗れ去った。これで暫定トップは吉川に。12Rの山口が2着以下なら、準優12Rの1号艇は吉川がゲットすることになる。

12R 残酷すぎた6・33の明暗

2010_0528_0860  泣いても笑っても最終レースのみ。速報でも書いたが、Fなどのアクシデントでも発生しない限り、準優争いは12Rの赤岩(4着条件)、辻栄蔵(3着条件)と結果待ちの服部幸男、白水勝也の4人に絞られた。このうち2人が当選し、2人が落選することになる。もちろん、有利なのは自力勝負の赤岩と辻だったはずだ。
 赤岩は逃げた。コンマ05。文句のつけようのない圧勝で準優を捥ぎ取った。そして同時に……逃げが決まった時点で20位の白水の権利は消滅した。残る最後の1議席は走っている辻と、ピットに立つ服部との戦い。3着以内なら辻、4着以下なら服部だ。1マークで後手を踏んだ辻は……最後方をぽつねんと走っていた。3番手との差は大差で、どう踏ん張っても逆転不能なポジションだった。今垣と辻の降格により、服部幸男、起死回生の滑り込み予選突破。同じ8Rを戦い同じ6・33だった白水は次点に泣いた。天国と地獄を分かつ6・33がそこにあった。ピットで見つめる服部の心境は、きっと複雑だったろうな。

2010_0528_0725  予選トップ争いも、このレースで雌雄が決した。山口剛、スタートで遅れて何もできずに5着惨敗。若さが露呈したともいえるレース内容だったが、これも経験。13位まで降格したとはいえ、SG連続制覇の夢はまだまだ続くのだから落胆する必要はないだろう。48レースを戦い抜いた果てに、このシリーズのマイヨジョンヌ(ポールポジション)は吉川元浩に授けられた。(PHOTOS/中尾茂幸、TEXT/H)


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THEピット――あぁ、悲喜こもごもの勝負駆け……

2010_0528_0316  4日目勝負駆け。選手たちは、意外とその状況を把握していないものだ。我々は記者席に資料が届き、それを用いて足し算割り算をするのも仕事のうちだが、選手たちにはほかにやることがいくらでもある。だから細かい順位などいちいち確認もしていないし、ボーダーが何点なのかなども具体的にはわかっていない。ただ、6・00というのが目安だというのは経験上、認識していて、9R3着で6・17で予選を終えた濱野谷憲吾は、準優に乗れるものだと思い込んでいたようだ。そのとき、ボーダーが6・50になっていたことなど、知る由もなかったわけである(だから、ボーダーを聞かされ、しかも自分の上に6・33が複数人いることを知って、相当に驚き、また落胆したようだ)。
2010_0528_0567  10Rの展示が終わった頃、控室を覗き込むと、服部幸男が本体整備をしていた。服部はまさに6・33で予選を終えた一人で、その時点では20位。懸命に整備する様子を眺めていると、笠原亮がつかつかと近づいてきて、「シリンダーケースを交換してますよ」と情報をくれた。これは大きな整備だ。ということは……と服部の胸中を想像していると、笠原が言う。「服部さん、準優乗れてるでしょ? 笠原亮は5・00だけど(笑)」。いや、この時点では18位以内の選手が勝負駆けに失敗し順位を下げなければ、苦しい。そう、服部も笠原も、6・33なら準優は間違いないと思い込んでいたわけだ。個人の得点率自体は、もちろん認識している。出走表を見ながら計算すれば簡単にはじき出せる。しかし順位まではやっぱり把握していない。驚き、また表情を曇らせる笠原の顔を見ながら、ちょっと切なくなってしまった。今、準優で一発勝負をするべく大整備をする服部のその思いが、空回りしている可能性があるのだから……。

2010_0528_0211  服部の横では、辻栄蔵が本体を割っていた。こちらも明日のための整備か……いや、辻は12R出走ではないか! つまり、もうすぐそこに出走の時刻は迫っている。そのとき、辻は服部のひとつ上、19位。6・40でも時点だったというのも恐ろしいが、辻はまさしくギリギリの勝負に臨むべく、ギリギリの時間帯まで整備をしていたのである。おそらく、辻も自分の具体的な順位を知らなかったと思う。
 10Rが終わる。辻の整備は終わらない。18位以内の選手が一人、ポイントを大きく下げて、辻はひとつ順位を上げることとなった。辻は整備室内で18位に浮上したのだ。努力すればいいこともあるんだなあ、と勝手に嬉しくなった。
2010_0528_0624  だが、18位以下に落ちた選手が誰だったかというと、これが松井繁なのである。10R出走前は10位だったのに、5着に敗れて6・33、一気に19位まで下がってしまったのだ。このレースに限らず、レース後の松井は悔恨を噛みしめ、それを表に出すのをよしとせず、表情を変えずに胸に湧き上がる思いに耐えているものだ。この10R後も同様。得点率がどうとか、準優がどうとかは関係ない。だが、松井は得点率の状況をどこまで知っていただろうか……というか、他の選手の様子と照らし合わせれば、おそらく完璧に把握してはいなかっただろう。通常のボーダーなら、もちろんこれでも予選突破は確定的。しかし……。エンジン吊りの際、太田和美に声をかけられ、ちらりと笑顔を見せた松井。もし19位に落ちたことをその時点で知っていたとするなら、その笑みすら出てはいなかったのではないか……。

 辻の整備は延々と続き、ようやく本体整備を終えたのは15時50分頃。どうやらピストンリングを交換した様子だ。モーターを装着し、検査を受けると、次はペラ調整。本当のギリギリまで、妥協をしないのだ。言うまでもなく、11Rが終わると展示があるのだから、着水し展示ピットにつける時間にはリミットがある。その許される時間すべてを、辻は調整に使おうとしている。しかも感心するのは、慌てた様子もなく、着実にひとつひとつの手順をこなして、きっちりと仕事を進めている。これは風格であり、同時にプロフェショナルの理想的な姿だと思った。ペラも装着し、ついに着水したのは15時53分。ボートリフトの操作員さんに、「お待たせしましたぁ~」と快活に叫んで、辻はようやくレースの準備を完了させたのだった。
2010_0528_0429  その直後に出走した11Rで、波乱が起きている。先頭は芝田浩治、2着は飯山泰で2人は勝負駆け成功。3着の新田雄史は8点オーバーが確定で、準優1号艇がぐっと近づいた。5番手を走っている田村隆信は5着で準優OK。そして、新田と3番手争いを繰り広げ、敗れたものの4番手は堅そうだった今垣光太郎も、その4着で予選突破は確実だった。
 ピットのモニターでレースを観戦し、3周目に入っても今垣は4番手。4着で6・50、これは何位くらいになるだろうとモニターから目を離し、手元の得点表で計算を始める。すると耳には、「ラスト、今垣光太郎、ゴールイン」と飛び込んできた。ん? えっ? はい? ?????! 今垣光太郎がラスト!? な、何が起きたというんだ。慌てて周囲に確認するが、誰も何が起きたかはよくわかっていない。だが今垣が6着ということは間違いないようだった。得点率は6・00。もちろん通常ならこれでも準優はほぼ確定だが、今日はボーダーをはるかに下回ってしまう。あまりの逆転劇に、頭が混乱してきてしまった。
2010_0528_0416 レース後の今垣が、やはりボーダーを認識していたとは思わない。相当にガックリしている様子だったが、それはまさかのシンガリ大敗に肩を落としていたのだと思う。いや、そうではなかったのかな。11Rの時間帯には、6・00では準優は厳しいという評判は選手間にも伝わっていたかもしれないからだ。着替えを終えてモーター格納に向かう今垣は、はっきりと顔色を失くしていて、これは明らかに予選落ち濃厚を知った表情だったと思う。誰よりも笹川賞に思い入れをもつ今垣だけに、このシチュエーションは天国から地獄と表現する以外にないだろう。
 今垣の後退で、18位に浮上したのは松井である。12R出走メンバーで唯一の18位以下だった大嶋一也は1着でも6・17と松井に届かないから、この時点で松井の18位以内は確定。今垣の失意とのコントラストは、あまりにも哀しいが……。そして19位には服部幸男。この同期がボーダーを分かつ位置で並んでいた。

 正直、辻に準優に乗ってほしかった。あれだけの努力を見せられたら、そう思わずにはいられない。努力がすべて報われるわけではないとは、よく知っている。自分でも他人でも、40年も生きていればそんな局面は数えきれないくらい経験している。でも、やはりまっすぐで真摯で強い思いは、報われてほしいではないか。辻が1周2マークで後方に置かれたとき、腰が抜けそうになった。レース後、辻はピットに戻ってきて「やっちまった~」とばかりに笑い、のけぞってみせている。辻自身は、やることはやった、という思いも抱くことができたのかもしれない。しかし、僕はただただ、勝手に切なくなって……。
2010_0525_0355  シンガリに敗れた辻が脱落したことで、18位に浮上したのは、そう、もちろん服部幸男だ。シリンダーケース交換は、ムダにならなかった! いや、整備自体は明日のレースに活きるのだが、それよりも服部を大整備に着手させた思いが空回りしなかった、と言うべきだろう。笠原が服部に「セーフ」と小さく手を水平に開いて見せると、服部は目を見開き、たまたま隣にいた重成一人の肩をがしっと抱いている。そして、整備士室に向かい、予選通過をそーっと報告。整備士さんとともにニカッと笑った。他人の失敗により浮上したことは、決して心から喜べることではない。しかし、ここは地元・浜名湖、エースとしての責任を何とか果たすことのできた予選突破。笑わずにはいられないというのも本音だろう。それを決して選手仲間には見せず、敗退した辻らに気遣った服部。そんな優しさと最高の笑顔は、熾烈な勝負駆けを目の当たりにしすぎて疲弊していた僕の心を癒してくれた。
 あぁ、悲喜こもごもの勝負駆け。時に感動、時に残酷、明と暗が行ったり来たり。あぁ、ボートレースの醍醐味よ……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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速報! 笹川賞の準優メンバー確定!!

 ボーダー6・33の激闘勝負駆けの果て、明日の準優18ピットが決定しました! 予選トップはあれよあれよで吉川、2位の今村、3位の新田とともに1号艇を分け合いました。ただ、センターからアウト筋に伸びーーるまくり屋が揃って、どのレースも一筋縄ではいかない気も……?? 17、18位に滑り込んだ松井と服部も不気味です!!

10R
①新田雄史(三重)
②白井英冶(山口)
③芝田浩治(兵庫)
④岡崎恭裕(福岡)
⑤湯川浩司(大阪)
⑥田村隆信(徳島)

11R
①今村 豊(山口)
②佐々木康幸(静岡)
③赤岩善生(愛知)
④菊地孝平(静岡)
⑤今坂勝広(静岡)
⑥松井 繁(大阪)

12R
①吉川元浩(兵庫)
②山崎智也(群馬)
③池田浩二(愛知)
④飯山 泰(神奈川)
⑤山口 剛(広島)
⑥服部幸男(静岡)


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勝負駆け速報!! 服部が……憲吾が……??

 4日目勝負駆けが大変なことになっております!!!! 11Rを終えて18位ボーダーは松井繁の6・33。12Rの勝負駆けは……

12R
①赤岩善生 4着
②辻 栄蔵 3着
③大嶋一也 -
④白井英治 ☆
⑤山口 剛 ☆
⑥山崎智也 ☆
 でもってボーダー付近の選手は

18位 松井繁(当確)
19位 服部幸男
20位 白水勝也
21位 濱野谷憲吾

 で、赤岩と辻が勝負駆けを決めれば順位はそのまま。つまり、服部以下が落選します。逆に赤岩と辻のどちらか、または両方が失敗すると19位から順に繰り上がることになります。濱野谷はアクシデントでもない限り……アウト??
 また、予選トップ争いは吉川元浩と山口剛に絞られ、山口が1着のときのみ逆転でトップに躍り出ます!

※短時間での手計算なので間違いがあった場合は悪しからずご了承ください。


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オールスターが宮崎県に寄付!

Sn4_6980_2 宮崎県で猛威をふるう口蹄疫。ニュースなどでも伝えられるとおり、甚大なる損害を与えており、いまだ宮崎県内の畜産農家、関係者の皆さんはツラい日々を強いられています。今回、笹川賞参加52選手が、この口蹄疫で影響を受けた畜産農家等に対する支援を目的に、社会福祉法人宮崎県共同募金会に寄付を行なうことになりました。一人1万円、合計52万円が寄付され、本日第7レース終了後に、選手代表の菊地孝平選手から浜名湖競艇企業団の疋田竹幸企業長に目録が手渡されています。一日も早く、この騒動が終息されることを心よりお祈り申し上げます。(PHOTO/中尾茂幸)


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“本紙予想”笹川賞4日目後半

7R  
丸岡が握っていけば、辻に展開向きそう。岡崎の捌きにも注目。
◎辻 ○岡崎 ▲石橋 △篠崎
3連単4-215-全

8R 
白水がきっちりと逃げ決める。ヒモ穴はカドから自在戦の淺田か。
◎白水 ○淺田 ▲服部 △海野
3連単1-456-全

9R  
湯川が超抜パワーで抜け出す。濱野谷の全速戦が相手本線。
◎湯川 ○濱野谷 ▲池田 △田中 
3連単3-521-全 

10R  
今村の強烈アシと菊地の逃げが対峙すれば、松井の差しが突き抜ける。
◎松井 ○今村 ▲菊地 △重成
3連単2-314-全

11R       
間嶋と今垣が動きそうだが、芝田に逃げ切れるアシ。ダッシュに回れば飯山も怖い。
◎芝田 ○飯山 ▲田村 △今垣
3連単1-236-全

12R     
大嶋がイン狙っても、赤岩が気迫の逃走。辻が展開突いて追う。
◎赤岩 ○辻 ▲山口 △山崎
3連単1-256-全 

 


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THEピット――戦いの前

2010_0525_0316  1Rのスタート展示が終わった頃に記者席を出発。ピットまでは徒歩5分はたっぷりとかかる。途中トイレにも寄って、いざピット入り。するといきなり、ストレッチをする金子龍介が目に飛び込んできた。入口間際の壁に手をつき、足をぴっぴっと伸ばして体をほぐす。金子は、先々週に芦屋で開催されたBOATBoyカップの覇者。表彰式でトロフィーを渡しており、その縁もあって今節は顔を合わせるたびに優しく笑いかけてくれる。というわけで、朝の挨拶をしよう……と思って、ふと思い出す。金子はたしか1R出走ではなかったか。
 出走表を確認すると、1R3号艇。展示を終えて戻ってきたあと、待機室に向かうわずかな時間に、ストレッチで戦う準備をしていたわけである。レース直前の選手というのは、当然のことながら、ピリピリとしているものである。だから、基本的に声をかけないようにしており、挨拶程度であっても同様である。原田幸哉とか笠原亮とか、声をかけてくるような選手もいないではないが(原田はそうすることで、逆にリラックスしようとしているのだとか)、多くの選手は戦いに向けて闘志を高めようと厳しい表情になるのが普通だ。
 というわけで、入口で足が止まってしまったのだったが……こちらに気づいた金子はニコッ。変わらぬ優しい笑顔を向けて、おはようございますと挨拶を交わしてきたのだった。ほっ。柔らかな金子の表情に安心して、ピット内へ。金子とすれ違う。そのとき、僕はたしかに見た。挨拶のあと、金子の顔がすーっとファイターの顔になっていくのを。

2010_0527_0746  やがて、1R出走時刻。待機室を出た選手たちが一列に並ぶ。競技委員長に敬礼して、出走ピットへ……いや、一人だけ敬礼をしていない選手がいた。上瀧和則だ。敬礼していないといっても、仏頂面でそっぽを向いているわけではない。上瀧は深々と腰を折り、頭を下げて礼をしているのだ。腰の角度はゆうに90度を超えて鋭角になっている。高級旅館とか高級デパートの出迎えでも、そこまで深くは腰を折らないだろう。しかも上瀧はその姿勢を数秒は保っている。これが上瀧の“敬礼”スタイルなのだ。魂込めて心を込めて、上瀧親分はレースに向かうのである。
2010_0527_0337   そうそう、その直前のことだ。井口佳典と挨拶を交わしている。ピットでの井口は、銀河系軍団と一緒にいるようなときは、爽快に笑い合っていたりもするが、一人でいるときには凛としたキレのある表情で、闘志をあらわにしているものである。こちらと顔を合わせたときには2つのパターン。カッと目を見開いて穏やかに笑い、好意的な笑顔を向けてくれるのがひとつ。凛々しく険しい表情を保ったまま、会釈を返してくるのがひとつ。もちろん、それぞれのパターン、特に後者が出る場合には理由がある。多くはレース直前。一昨年の賞金王決定戦や昨年の賞金王シリーズでは一節を通して、そのパターンだった。つまりは気合メーターがレッドゾーンに入っているときに、後者になるのだ。今日はといえば、まさにその後者。出走表を確認すれば、2Rに出走だ。そう、展示準備に向かうところで顔を合わせていたのだ。そのまま井口はカポックを取りに向かい、表情を少しも変えずに着用して、展示待機室へと入っていった。

2010_0527_0726  2Rの展示が終わり、ピットには少しの静寂が戻ってくる。やがて、緑のカポックを着たままの笠原亮が、待機室を出て、ピットの片隅に陣取った。笠原のレース前のルーティン、ストレッチである。展示後には必ず見られるこの光景。体をほぐすのも大きな目的だろうが、これによって精神統一もはかっているのだと僕は見ている。
 見ていると、ほほぉ、と感心させられる。めちゃくちゃ体が柔軟なのだ。すわって開脚すれば足は大きく開き、そのまま前屈すれば胸はペタリと地面に吸いつく。これぞアスリートの肉体、という感じなのだ。僕などとても真似できぬ。無理にマネすれば骨が折れ、関節が外れるだろう。この2R後の様子でちょっとおかしかったのは、撮影をしている中尾カメラマンの足元でストレッチをしていたこと。笠原は中尾カメラマンのことなど微塵も気にせず、中尾カメラマンも笠原を気にせず、お互いになすべきことを黙々としているのだった。で、中尾カメラマンの今日のズボンが、多くの選手の目を丸くさせるほど派手な原色レッドと原色イエローのツートンカラー。そして笠原は緑のカポック。その周辺が妙にカラフルで目がチカチカした。
2010_0525_0419_2 そこにあらわれたのは、今垣光太郎。僕の隣にいた長嶺豊さんにぺこりと挨拶。こちらにも一瞥して会釈してくれる。今垣はニッコリと笑って、ぺろりと舌を出す。「痛恨のスタート遅れでした」。昨日の12Rのことか。長嶺さんが「元気出して!」と激励すると、今垣はさらに笑みを深める。今日は5Rにまずは出走だから、レースはまだ先のこと。だからこの笑顔、なのだが……「光ちゃんは、本当に優しい。水面に出れば激しいのに」と、そのギャップについて、長嶺さんとひとしきり語り合った。そう、水の上と陸の上のイメージがこんなに違う選手はそうそういない。だから、今垣光太郎のレースはエキサイティングで面白いのである。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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H記者の『穴&本命・極選』勝負駆け

 大見得を切って◎に推した赤岩は3着4着、危うく廃業になるところだったHです。「赤岩節イチ妄想症候群」とでも言いましょうか。この半年ほどで赤岩を何度節イチや前検横綱に指名したことでしょう。で、この場で宣言した途端に重い着を並べたり、足が落ちたり……赤岩◎でナンボ負けたかしらん。まあ、一言でいうと「相性が悪い」これに尽きるのでしょうが、懲りずに狙い続けますぞ。12R1号艇の今日は、本命極選として。
 で、12Rにナンボ突っ込むかは、11Rの穴極選次第っすね。

【穴・極選】

11R
 ①芝田浩治
★②飯山 泰
 ③田村隆信
★④新田雄史
 ⑤間嶋仁志
◎⑥今垣光太郎

1356/24??

 進入から怪しい気配がプンプンのこのレース。キーマンは節イチの伸びを誇る飯山で、何コースからまくりに行くのか。ジカ付けになりそうな新田との2=4が筋なんですけどね。そうそうきれいなセットで決まるとも思えない。配当もめちゃ安いし(←これが本音)。新田が仕掛ける前にエイヤッの気合で先まくりを打ちそうな今垣を狙ってみます。そういう男なんです。昨日の惨敗で一気に人気を落としたのも好材料(もし昨日1着だったら9・00でトップ今村と同率、バリバリの人気だったはず)。妙味たっぷりの6号艇になりました! 飯山か新田がその先攻めに連動するとみます。

3連単★6-24-全

【本命・極選】

12R
◎①赤岩善生
△②辻 栄蔵
 ③大嶋一也
○④白井英治
▲⑤山口 剛
 ⑥山崎智也
進入132/456

 大嶋が攻めて深インになっても赤岩。白井が4カドから強引にまくっても赤岩。そのシャークまくりをガッチリ受け止めて逃げます。逃げろ、逃げてくれ赤岩! 私の見立てに狂いがなければ、それが可能なはず。相手は昨日足を余して惨敗した白井、それに連動してシャープに攻める山口、パワー急上昇・辻の順。智也の足も相当ですが、人気にしすぎなので斬り捨てます。

3連単★1-45-245(勝負1-4-5)

 この穴&本命のコロガシが決まれば、今夜は弁天温泉の白砂亭を借り切って大豪遊、みたいなことになるのですが♪


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本日の“本紙予想”笹川賞4日目

 おはようございます。Kです。空前のイン受難デーとなった3日目。“本紙”は懲りずにイン主体。

1R  
菊地がカドから渾身の勝負駆け。差し場をつくのは重野。
◎菊地 ○重野 ▲上瀧 △魚谷 
3連単4-621-全

2R 
江口が踏み込んで逃げ込みはかる。井口が握って追走。
◎江口 ○井口 ▲渡邉 △笠原  
3連単1-346-全

3R 
魚谷が逃げて大敗続きのうっぷん晴らし。服部が自在に続く。
◎魚谷 ○服部 ▲坪井 △丸岡 
3連単1-345-全

4R 
市川はコース動く? それでも飯山が先マイ逃走。アシいい今坂が差して追撃。
◎飯山 ○今坂 ▲白水 △武田
3連単1-425-全

5R 
今垣と太田の進入注意。重成が意地の逃げ見せる。池田の差しに警戒。
◎重成 ○池田 ▲金子 △今垣 
3連単1-425-全

6R  
瓜生が意地見せたいところも大嶋の存在が不気味。3コースから佐々木が攻める。
◎佐々木 ○今村 ▲横西 △瓜生
3連単2-431-全

後半は後ほどアップします。


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4日目!

おはようございます。笹川賞は4日目、勝負駆けデーを迎えました。ボーダーがどこに落ち着くのか、それに伴い選手の気合がいかに爆発するのか、注目の一日であります。

2010_0527_0851 試運転の手応えを確かめ合うミスター競艇と王者。本日10Rで直接対決です!(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――走るオールスター

 午後のピットでは、走っている選手をよく見かけた。
2010_0527_0791  走る、といえば、昨年のちょうど今頃、24場マラソンにチャレンジした重野哲之だが、重野は当たり前のように走っていて、あの壮大なるランニング企画を思い出す。もちろん、いつも走っているわけがなくて、考え込みながらゆったりと歩いている姿だって見かけてはいるのだが、しかしこちらの先入観がむしろその姿を異質なものとしてとらえたりする。写真は、試運転開始の合図を待つ間、係留所で座り込んでいる重野だが、止まっている重野がなかなかこちらの印象と結びつかなかったりして、我ながらおかしなものだと思う。
2010_0527_0183  間嶋仁志も走っていた。仲間のエンジン吊りを終えて、整備室に向かう際だ。この間嶋のダッシュには、障害物があった。僕だ。だはは。エンジン吊りの様子を僕は壁際で眺めていた。そこにはボート用架台が並べられており、人ひとり分くらいのスペースがある。選手は装着場のど真ん中、もっと広いところを移動するので、ここはむしろ邪魔にならない取材ポイント。というわけで、エンジン吊りをここで眺めることが今節は多くなっている。しかし、壁際ということは、実は整備室への最短距離となる場合もあるのである。この壁際のやや奥のほうには艇旗艇番を収納する棚が置いてあって、仲間のボートから旗とプレートを外してここにしまい、そこから整備室へ向かおうとすると、僕が突っ立っている場所を通るのがもっとも近いのである。というわけで、間嶋はここをダッシュ。ところが目の前にブタが立っている。ごめんなさーい、と、すかさず間嶋に気づいた僕は腹を引っ込めて壁にピタリと張りついた。間嶋は、そこを横歩き気味にすり抜けていったのだが、そのときぺこりぺこりと2度ほど会釈。狭いところを通ろうとしてごめんなさい、という感じで、いやいやいやいやいや! 間嶋選手、このデヴが悪いんです~~~と追いかけて謝ろうかと思った。僕の前を通過するとまた走りだした間嶋は、整備室に飛び込む。そーっと覗き込むと、もうモーターと向き合っていた。……ほんと、失礼しました。
2010_0527_0799  魚谷香織も走っていたぞ。魚谷のダッシュにも障害物があった。僕だ。またかよ。魚谷は、レースを終えて先輩が帰ってくるのに先駆けて、艇旗艇番置き棚の横にあるスポンジを取りに走っていたのだ。もちろん、僕が突っ立っているところが近道。そしてその先にはブタがいる。今度はもう、先に謝っちゃいました。ごめんなさい、ごめんなさいと魚谷に言いつつ、腹を引っ込める。すると魚谷はかわいらしい声で「すみません、すみません」と恐縮して、僕の目の前を走って行ったのだった。なんにもすみませんなことなど魚谷にはないのに……。明日からは立っているポジションを考え直そう。魚谷選手、失礼しました。
2010_0527_0690  走っている姿が印象的なのは、選手班長の菊地孝平だ。自身の調整のかたわら、選手班長として周囲に目配りしなければならないのだから、これはなかなか大変な仕事。時に関係各位にかけあわねばならないこともあって、だから年長者が班長になることが多いわけだが、若い菊地としては慣れない班長業務とレースへの準備のかけもちは、精神的にも肉体的にもハードであろう。そんななか、1秒でも無駄にしないと、装着場を走る菊地。本当に頭が下がる。しかもきっちり準優を射程圏に入れる成績を残しているのだから、エラい。さらには、こちらと顔を合わせると、爽快な表情でニコリと笑って、報道陣にも気遣いを欠かさないのだ。この駆け足の日々が、なんとしても報われてほしいと願っているぞ。
2010_0526_0067  そういえば、淺田千亜希も走っていたな。淺田は機力不足に悩ましい思いをしており、本体整備もしたし、試運転はもちろんしまくっているし、とにかく忙しい時間を過ごしている。整備室から係留所へ、係留所から整備室へ。淺田は眉間にシワを寄せながらも、走り続けている。さらに、誰かが試運転を終えてピットに上がってくると、エンジン吊りを手伝わんとして走る。今節は、女子選手が遅い時間帯まで試運転をしていることが多く、だから試運転終了後のエンジン吊りは女子選手が中心となっている光景が頻繁に見られる。そう、淺田だけでなく、女子選手全体がよく走っているのだ。田口節子も、海野ゆかりも、日高逸子も。淺田は準優が絶望的になってしまっているが、明日もまた走る姿をみることになるのだろうなあ……。
2010_0527_0663  と、そんななか、悠然と歩いている大嶋一也の姿は、逆に印象深いのである。貫禄があるのはもはや書くまでもないことだろうが、駆け回る後輩を尻目に、思案しながら、苦み走った表情を浮かべて泰然自若なふるまいを見せるダンディ大嶋。いやはや、改めてカッコいいと思ったし、大嶋と同じ年齢になったときに自分がこんなたたずまいを身につけられるのかと考えて少し落ち込みました……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)

追伸:小田切様。水抜きとは、実際は「潮抜き」のようです。モーター内に海水が入ると、サビたりしますよね(浜名湖は汽水水面です)。貝などがこびりついてしまうこともあるとか。そこでモーター内のパイプに真水を送り、塩分を流し出す、と。今日、作業の様子をまじまじと観察しましたが、水を注入すると、冷却水のパイプと思われるところから水が流れ出ておりました。それが水抜きというか潮抜きの瞬間であろうと。


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笹川賞“オールスター”ダイジェスト 3日目

 今日のダイジェストは、初日2日目とは趣向を変えて。というのも……

2010_0526_0332 逃げ 2Rのみ!
 そうなのです。本日はな、な、なんと! 逃げが1本しか決まらなかった。SGで1コース1勝のみ。こんなことって、これまでにあったのか? 記憶にないぞ。ちょっと調べる時間がないので、本稿では「どえらいことが起きた」と記すにとどめておくが、インが強くて当然のSGで、ここまでインが壊滅状態になるとは想像もできなかった。
 唯一の逃げ切りが2Rの坪井康晴。田中信一郎のツケマイをしのいで、逃走したものだった。それにしても、悠々と逃げ切ったというわけではなく、並ばれかけているのだから、機力上位の選手の放ったツケマイなら、飲み込まれていてもおかしくなかった。
 というわけで、イン主体の“本紙予想”は白旗であります。

2010_0527_0869 まくり 1R、7R、9R
 減音導入以来、浜名湖で猛威をふるうのはまくり一発。今日は3発飛び出しています。1Rの海野ゆかり(4コース)、7Rの田村隆信(3コース)、9Rの石橋道友(4コース)。海野はスタート踏み込んでの一撃まくりでしたが、田村と石橋はツケマイ気味のまくり。田村はスリットからの行きアシもよく、1マークで思い切り握り込んで、同期の井口佳典を沈めています。石橋が沈めたのは濱野谷憲吾。バックでは濱野谷も懸命に踏ん張りますが、勢いの違いかズルリと後退、石橋が突き抜けています。今日は快晴の浜名湖、豪快まくりが青空によく映えていましたね!
 そうそう、もろもろの理由で決まり手には数えられませんが、気持ちのいいまくりが他にもあった。

2010_0527_0776 ジカまくり 5R、6R、12R
 2コースが1マークをまくる、それがジカまくり。インがSで後手を踏んだり、2コースが行きアシよかったり、そうでなくとも2コースがツケマイ放ったり。「2コースは差し基本」というのが、特に記念レースではセオリーではあるものの、時に見られるジカまくり。インをねじ伏せ、叩き潰すかのようなこの戦法は、バイオレンスな破壊力をもっています。
 それが今日は3回も見られた! 残念ながら、これで勝ち切るまでにはいたっていないが、しかし思わず声をあげるような鮮烈なシーンでありました。
 まずは5R。1号艇・田口節子のP離れがもうひとつで、インコースは2号艇・江口晃生。2コースは3号艇・篠崎元志・その篠崎が、若さあふれる気迫の攻めで、江口にジカまくりを浴びせようと握って行った! もちろん江口も簡単にまくらせる男ではなく、この2人は競り合いとなって、ともに流れていった。そこを3コースの松井繁が差して、思わず「去年の賞金王かよ!」と突っ込んでしまった私でしたが、しかし篠崎の気迫、思い切りの良さには拍手を送りたくなった。
2010_0527_0260  続く6Rは、1号艇・毒島誠がイン。3コースの海野ゆかりが、2コースがヘコんだこともあって叩いていこうとしたのですが、この2コースには希代のジカまくり男が入っていた。そうです、必殺技「皇艇ジカまくり」をもつ山崎智也であります。海野に先行させまいと抵抗した智也は、その勢いのまま必殺技をドカーン! これが毒島をまくり切り、バックでは先頭に立っています。ただ、開いた内側を佐々木康幸が差してきており、2マークは先制。ホームで智也が内から並びかけ、2周1マーク先マイで佐々木を振り切るのですが、そうした展開のために決まり手は「抜き」となりました。ただし1マークはまぎれもないジカまくり。智也の2コースにはいつだってこれがある、と肝に銘じておくべきであります。
2010_0526_0306_2   もうひとつは12R。1号艇・今垣光太郎がインに入り、人気を集めるなか、2コースの田村隆信が思い切ったツケマイを放ちます。今日の田村は2ツケマイ! 当然、今垣は抵抗し、しかし抵抗しきれずに振り込み失速。大きく離されたシンガリに後退してしまっています。そして、その競り合いの間隙を突いた今坂勝広がきれいに差し抜け。ああ、今日はこのパターンが2つもあったのか……。
 ひとつ言えるのは、ジカまくりは見ているだけで本当に気持ちがいい。選手の気迫がストレートに伝わってくる、珠玉のレース展開であります。そのうえ、この展開は多くの場合、穴を呼ぶ。人気を集めるインコースが沈められるからであります。インと2コースが競ったなら、さらに大穴度倍増。12Rは3-5-4で40010円でっせ! 穴党はジカまくりを心待ちにするべきなのであります。
 では、いつジカまくりが飛び出すのか、というのが問題なわけですが、山崎智也、丸岡正典といった名前をあげつつ、BOATBoy4月号(3月発売のヤツです)にヒントが載っていると宣伝めいた言葉を残しておきましょうか……。

2010_0527_0348 お見事切り返し! 7R、12R
 これも勝ち切ったレースではありませんが、道中逆転の鮮やかな技が2度も飛び出したので、押さえておきましょう。
 まず7R、田村がまくり切り、飯山泰が6コースから2着確保。まくられた井口は後退し、3番手は笠原亮が走っています。しかし、1日早い勝負駆けだった井口は、ひとつでの上の着順を、と前を追いかけ続けた。炸裂したのは2周2マークです。笠原の内に艇をねじ込む、強烈な切り返し! これで膨らんだターンとなった笠原はスピード感を消されてしまい、井口は逆転3番手へ。明日の井口は、6・00にピンピン勝負と厳しいノルマを抱えることになりますが、しかし4着ならピンピンでも足りなかったのだから、この逆転は大きかった。拍手拍手であります。
2010_0527_0040  12Rも切り返しが登場。繰り出したのは最若手の篠崎元志! 先輩相手に、よくぞやってみせた! しかもその先輩が、今節最ベテランのミスター競艇・今村豊なのだから、腰抜かしたぞ。2周目ホームで、2番手先行が今村。篠崎は外の3番手を走っており、内からは田村も伸びてきていた。すると篠崎は田村の頭を押さえるかのようにグイッと内に切れ込み、今村のふところに飛び込んだ。そして先マイ! 百戦錬磨のミスター競艇はこれを華麗に捌くわけですが、そのチャレンジが尊かった。そして、ふたつの引き波を超えることとなった田村がターンで舳先を浮かしてしまい、篠崎は3着を確定させているのだから、なお素晴らしかった。
 切り返しというのも、選手の気迫が伝わってくる戦法ですよね。決まっても決まらなくても。

2010_0527_0446  それにしても、実に多彩な戦法が乱れ飛んだ今日は、本当に面白かったっす! 進入もけっこう激しく争われてたしなあ。なれ合いのように枠なりが連発→楽インから楽逃げ連発、などというシリーズよりも、こうしてさまざまな展開、そこから立ち上る激烈な気迫、それらを利して飛びだすアッと言わせる差しやまくり差し、そういったものが散りばめられているシリーズは、全12レースが終わった後に心地よい疲れを提供してくれるものなのです。はぁ、今日の夜はビールが美味いぞ……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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明日の勝負駆け情報!

 明日は予選最終日。勝負駆けです。3日目を終えて、予選トップは今村豊。昨年の笹川賞もトップ通過で優勝戦1号艇でしたね。その今村も含めて、準優当確は10名! しかし皆様、明日の動向にはご注意ください。18位の濱野谷憲吾が6・20、19~23位(菊地孝平)が6・00と、めっちゃハイレベルになっているのです。つまり、いちおうボーダーはいつも通りの6・00と想定しましたが、上下は当然起こりうる。当確のはずが……ということも考えられなくはないので、前半戦などの状況は要チェックです。

1 今村豊   当確
2 吉川元浩  当確
3 新田雄史  当確
4 山口剛   当確
5 山崎智也  当確
6 白井英治  当確
7 湯川浩司  当確
8 田村隆信  当確
9 今坂勝広  当確
10 辻栄蔵   4・5着
11 松井繁   当確
12 佐々木康幸 5着
13 赤岩善生  5着
14 今垣光太郎 2・6着
15 大嶋一也  3・4着
16 芝田浩治  4着
17 岡崎恭裕  3着
18 濱野谷憲吾 3着
19 池田浩二  3・3着
20 金子良昭  3着
21 石橋道友  3着
22 飯山泰   3・3着
23 菊地孝平  3・3着
24 白水勝也  2・3着
25 服部幸男  2・3着
26 坪井康晴  2・2着
27 篠崎元志  1着
28 日高逸子  2・2着
29 丸岡正典  1・2着
30 間嶋仁志  ※1着相手待ち
31 渡邉英児  1・2着
34 重成一人  1・1着
38 田中信一郎 1・1着
39 井口佳典  1・1着
43 瓜生正義  ※1・1着相手待ち
(1点足らずの選手まで掲載)


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“本紙予想”笹川賞3日目後半

7R  
上瀧の動き気になるも、井口がぶち込んで逃走。
◎井口 ○上瀧 ▲飯山 △笠原
3連単1-462-全

8R 
服部の差し切りに妙味がありそう。新田もインから残す。
◎服部 ○新田 ▲横西 △魚谷
3連単2-136-全

9R  
濱野谷が意地の逃げ切りを見せる。山口が自在に追走。
◎濱野谷 ○山口 ▲石橋 △金子龍 
3連単1-345-全 

10R  
赤岩はコース動くか。カドから山崎が豪快に攻める。湯川が超抜候補。
◎山崎 ○湯川 ▲太田 △赤岩
3連単4-216-全

11R       
大嶋は果敢にイン狙い? 佐々木が渾身Sからまくり一閃。
◎佐々木 ○松井 ▲吉川 △白井
3連単4-516-全

12R     
今垣が気迫の逃走劇。今村は5コースからでも伸びて攻める。
◎今垣 ○今村 ▲今坂 △田村
3連単1-532-全 

 


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THEピット――3日目のドリーム戦士

2010_0526_0662  1R、海野ゆかりがカドからまくり一発。2着には川北浩貴が入って、71期同期ワンツーだ!
 ピットに戻ってきた海野は、そりゃもう、ニッコニコ。爽快な勝利を飾ったのも嬉しかっただろうし、2番手に同期の桜が続いていたことも嬉しいことだったはず。川北もヘルメットの奥で目を細めていたし、なかなかハッピーな結末であったのは間違いない。
2010_0526_0675  で、それ以上にニッコニコなのが、山崎智也! 同期がワンツーで帰ってきたことを、我がことのように喜んでいる。この1Rには群馬勢はもちろん、関東の選手が出走していなかったから、エンジン吊りに出てくる必要は、智也にはない。でも、出てきちゃったもんねー。出迎えて、その場で祝福を送りたかったのだろう。広島および中国勢(海野のエンジン吊り)、近畿勢(川北のエンジン吊り)の後ろから控え目に二人の様子を覗き込み、いっそう笑みを深めていったのだった。ちなみに、6Rでは海野との直接対決ですね。ここも71期ワンツーを決められるか!?
2010_0525_0855  その1Rで、彼らとは正反対の表情を見せていたのは、瓜生正義だ。5着に敗れ、4走15点。明日ピンピンでも1点足らずと、まさかの低空飛行を続けてしまっている。そうにも仕上がらない機力、気迫の前付けを見せても結果につながらないリズムの悪さ。さすがのスマイリー瓜生も、この状況に笑みは浮かんでこない。ひきつった表情で仲間のヘルプを見守りながら、心ここにあらずの様子であった。こんな瓜生の表情って、そうそう見かけることはない。そして、それを目の当たりにしようとは、想像もしていなかった。
2010_0526_0032   松井繁は、川北ではなく武田光史のエンジン吊りに加わっている。ボート水分を掃除機で吸っている間、松井はぴたりと武田の左に寄り添う。松井が話しかけ、武田が応える。二人の顔は、穏やかだった。その後、松井は屋外ペラ調整所へ。壁側を向き(装着場には背中を向けて)ペラを叩く松井。その数10cm後方では、魚谷智之もペラを叩く。カンカンカンと金属音が鳴り響くなか、魚谷が松井の背中に声をかけた。松井は、振り向きもせずに、「○○○○ちゃうか~、ハハハハ」(ペラ叩く音にまぎれて聞き取れなかった)と和やかに返す。魚谷が言葉を返すと、松井はまた背中を向けたまま、笑っていた。つまり、魚谷も松井もペラから視線を外さずに、談笑しているわけである。穏やかなり、近畿の両雄。仕事の手を止めることがなかったあたりは、プロフェッショナルであった。
2010_0525_0847  その頃、服部幸男は自艇のもとにいた。朝からペラ室のマイポジション(浜名湖ペラ室には服部の指定席のような場所がある)に陣取り、懸命な調整に励むのを見かけていたが、そろそろ始動、ということだろうか。調整したペラを光にかざして、具合を確認。さあ、装着して水面へ……と思ったら、叩き残した部分があったのか、もういちどペラ室へと戻って行った。そしてふたたびトンカントンカン。次に服部をペラ室の外で見かけたのは2R後で、金子良昭のエンジン吊りを手伝い、笑顔満開の様子であった。まさに破顔一笑、であった。
2010_0526_0002  濱野谷憲吾は、整備室奥のペラ室で調整に励んでいた。表情は見えない。整備室奥のペラ室には、装着場からは死角が多く、なかなか様子が確認しづらいのだ。紫のベイパユニフォームが2つ見えたので、1つは飯山泰、1つは濱野谷で間違いない。でも、一瞬どちらが濱野谷か迷って、よく見れば濱野谷はこちらに背中を向けているのであった。
 数分後、濱野谷は装着場にあらわれている。これがまた実に淡々とした表情で、なんとなく物静かな感じもある。飯山と一緒に出てきたのだが、特に会話を交わすでもなく、自艇に向かった飯山とはあっさり別れて、控室へと消えていってしまった。まあ、深刻そうだとか、機嫌悪そうだとか、そういう類いの雰囲気ではないので、そう考えればこれはいつもの濱野谷のムードとも言うことができる。
2010_0526_0383  さて、ここまでドリーム戦士の様子を見てきたが、今垣光太郎の姿は2R終了後までは、ついぞ見かけなかった。いや、武田光史のエンジン吊りに、光ちゃんのヘアバンドは視界に入っていたような記憶はある。というか、武田の出迎えに来ていなかったらおかしい(でも、実はハッキリと視認したわけではない)。そういえば光ちゃんはどうしてるんだろう、と思って、ピット内をあちこち歩き回ってみたが、とうとう発見できなかったのだった。2Rは近畿地区の出走があったのだが(田中信一郎)、やっぱり姿はなく。後半は会えるだろうか。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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H記者の『穴・極選』3日目

(*´v゚*)ゞ 昨日は極選お休みの報告をする余裕もなかったHです>< 憲吾郎どの、うりちゃん、showさん、丼口どの、コメントほっぽってすいません。お詫びに今日は久しぶりのクリーンロングショットを決めてみせましょう!! 今日の推奨レーサーは隠れ節イチのレッドロック赤岩。5Rも松井マークで暴れそう(5-12が妙味)ですが、配当的には10Rが勝負どころ。

10R
 ①太田和美
★②湯川浩司
 ③金子良昭
★④山崎智也
 ⑤平石和男
◎⑥赤岩善生

進入123/456????

 進入から難しく、太田が主張するか。イン巧者の太田ですが、昨日までの出足を見る限り少しでも深くなると危険なムードが漂っています。行き足のいい湯川が力任せに叩きそうだし。内寄りがもつれている間に、どのコースからでも突き抜けそうなのが赤岩です。私の亜流評価では節イチ。湯川と双璧ではありますが、完バレの湯川より期待値ははるかに高く、今日の5、6号艇が絶好の狙い目でしょう。もし、この2個レースで赤岩がどっちも舟券に絡まなかったら、この極選コーナーを自主廃業します(←マニフェスト)。それくらい自信あります。オール3着とかかもしれませんけどね。2回は飛ばない。
 裏目覚悟でアタマ勝負。前売オッズでは湯川と智也相手でもかなりツいているので素直にパワーとテクを信頼しましょう。頼んだぞ、眉なしレッドロック!!

3連単★6-24-全

 あと、8Rの辻と武田は要注意。明朝から現場で闘いますっ!! あ、K記者、新幹線代よろひく~((w´ω`w))


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本日の“本紙予想”笹川賞3日目

 おはようございます。Kです。昨日は1コースが6勝でした。かつての浜名湖なら、今日のような強い追い風は差し狙い、だったのですが……。

1R  
上昇気配の渡邉に逃げ切れるアシ。F後でも武田の気合を買う。
◎渡邉 ○武田 ▲川北 △瓜生 
3連単1-536-全

2R 
金子、田中が動けばイン深くなりそうだが、坪井が意地でもたせる。
◎坪井 ○金子 ▲石橋 △田中  
3連単1-635-全

3R 
上瀧が意地の逃走を見せる。横西の差し追走が本線。
◎上瀧 ○横西 ▲平石 △菊地 
3連単1-245-全

4R 
白井に人気かぶるのなら、間嶋の逃げ切りに妙味か。今坂も好パワー。
◎間嶋 ○今坂 ▲白井 △濱野谷
3連単1-532-全

5R 
松井がカドから攻めれば、江口に差し場が。
◎江口 ○松井 ▲赤岩 △篠崎 
3連単2-453-全

6R  
山崎が2コースから自在に攻め切る。佐々木のまくり差しも怖い。
◎山崎 ○佐々木 ▲毒島 △白水
3連単2-516-全

後半は後ほどアップします。


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3日目!

おはようございます。笹川賞3日目でございます。本日も五月晴れ! ただ、追い風がかなり強くなっております。水面も荒れ気味、これがどんな波乱を巻き起こすのか……。

2010_0526_0683 ところで、すっかり忘れていましたが、この笹川賞でSports@Nifty「ボートレース特集」は丸5年を迎えました! 皆様のおかげをもちまして、5年も続けてこられたんです。本当にありがとうございます!(コメントの数々もありがとうございます。取材班一同、力となっております)5年前の笹川賞ファン投票1位が今垣光太郎でした。今年は久々のドリーム復帰。そのことに対する思いは強いようで、「今節は気持で走りますよ!」とコメントをくれています。笹川賞は賞金王以上に獲りたいタイトルと公言する光ちゃん、今節の奮闘に期待しましょう。(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――VIVA!ミスター競艇!

 選手たちの忙しさというのは、前検も含めたシリーズ序盤がピークで、日を追うごとにピットの空気のざわめきは小さくなるものである。今日、2日目あたりまでは、選手たちは懸命に手応えをつかもうと、試運転や整備に駆けずり回る。昨日記したようなレース終了→即整備なんて動きも、ちっとも珍しいことではない。
2010_0526_0431   今日の午後、もっとも忙しそうにしていた選手を一人あげるなら、今村豊である。8Rに出走し、2着。今日は1回乗りであった。そこから、今村豊の多忙な午後、が始まる。
 まず、着替えを終えて整備室に向かうと、モーターを点検して格納。そのままピット入口に歩み出す。ピット入口付近にはJLCや場内ピットレポートなどの報道陣が場を占めており、今村はそこにいた長嶺豊さんのもとに向かったのだ。
2010_0526_0124  長嶺さんと長い長い会話。今村も長嶺さんもニッコニコだ。そこに、9Rを終えた市川哲也がやってくる。市川はなかなか成績が上向かず、今村に苦笑い混じりで手応えを話していた。今村も、ニコニコ顔でからかいつつ、身振り手振りのアドバイス。市川はその後、整備室へと向かい、本体を割って整備を始めていた。その表情は憮然としか表現のしようがないもの。機力不足は相当に深刻なようで、それから最後まで整備を続けていた。対する今村はニッコニコで長嶺さんとの会話に戻る。
 長嶺さんとの会話が終わると、青山登さんとバッタリ。青山さんがからかうように声をかけると、「長嶺豊、青山登、今村豊の我らおじさん、って番組やりましょう」と言ってJLCスタッフたちを爆笑の渦に陥れる。「でも、そこに入ったら、僕なんかペーペーですからねえ」「いや、大丈夫だ。こっちの仲間に入れ」などとふたたび爆笑。皆の笑顔に見送られて、控室へと戻って行った。
2010_0526_0920  数分後、今村はふたたびピットにあらわれる。本当に忙しい。池上哲二さんが聞き手を務める展望番組のインタビューを受けると、整備室へと向かう。そこで弟子の白井英治とバッタリ。白井は2日目まで負けなしの2連勝。その白井を今村がからかう。白井は、モーターを点検した後、装着場にあるエアーを使って水分を飛ばす作業。その脇で、今村は白井にちょっかいを出し続ける。白井は笑顔で師匠を見つめている。
2010_0526_0309  そのとき、今坂勝広が報道陣のインタビューを終えて整備室に入ろうとした。今村は、エアーとともにあるモーターから水を抜く器具を手に取る。これは水道につながっていて、拳銃の引き金のようなものを押すと水が飛び出る仕掛け。今村はその器具を今坂に向け、水鉄砲のように発射! 気づいた今坂はあわててよけ、整備室へと逃げ込む。
「おい、今坂! お前、ちょっと出て来いよぉ!」
 大先輩に言われたら、今坂も引っ込んでいるわけにはいかない。そーっと慎重に、ゆっくりと整備室の外へ踏み出す。ピューーーーッ! 水鉄砲、発射! 逃げる今坂。爆笑する白井。今坂は、まったくもう、何するんすかぁ、という笑顔で整備室に逃げ込み、今村は満足そうに笑っていた。
2010_0526_0905  その後、今村は控室に戻ろうとするのだが、検査員室の前で立ち止まる。窓越しに室内を見つめ、3度も4度も小さくのけぞってみせる。こちらもそーっと覗き込むと、中では検査員さんたちが笑っている。ようするに、おどけて見せて笑わせているのだ。やがて今村は整備室へと入っていき、今度は金子良昭と笑い合っている。しばらくベテランにしか分かり合えない(と思われる)会話を続けた今村は、ようやく控室へ。
 いやはや、まったくもって忙しい(笑)。結局、8Rが終わったあとの時間帯では、誰よりもピットで姿を見かけたのが、ミスター競艇だったのだ。ようするに、機力万全、余裕たっぷり、なんですね。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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笹川賞“オールスター”ダイジェスト 2日目

2010_0526_0233 1R&2R まくりの外のまくり差し連発
 1R、4コース市川哲也が持前の韋駄天スリットを決めて、内を締めていこうとする。しかし、もうひとつパワー不足の市川を3コースの重成一人が受け止め、しかし市川はかまわずツケマイを放たんとする。イン笠原亮は、その競り合いを尻目に先マイ。
 ボートレースの教科書を開けば、「まくりマークのまくり差し」という展開が載っているはず。そう、まさにこの展開ですね。
 絵に描いたような、としか言いようがない、5コース太田和美のまくり差し! 5-1-6(6は濱野谷憲吾)と入って3870円とは、ファンの方は本当によくわかっていらっしゃる。この展開を想定した人も多かったということだろうか。
2010_0524_0674  2Rもやはり、絵に描いたような、だった。3コース重野哲之がまくり一発、そのふところに4コース山口剛のまくり差し! こちらはまくり切った重野が2着に残るという、これも教科書に載っているはずのセット舟券。これもマンシュウにならなかったんだから、みんな舟券うまいなぁ……。

2010_0525_0285 4R 教科書をちゃんと読みましょう
 4カドは伸び強力な飯山泰。当然、スタート決めてまくっていくだろう、とここまでは私でも読める。1号艇は山崎智也。実力者でもあり、エンジンも出ている。もし飯山が攻めてきても、そりゃあタダじゃあまくらせない。となると、この二人がやり合う可能性も? このレースが例題として教科書に載っていたなら、確実にこう書いてあるはずである。「飯山の外の池田を狙いましょう」。
 実際のレースは、3コース渡邉英児も抵抗し、それでも飯山がまくっていったため、山崎もふくめて3艇の競り。そして当然、絵に描いたような池田浩二のまくり差し!
 舟券を買う際にはどうしてもスケベ心がむくむくと沸いてきて、いろんなことを考えてしまうわけだが、ちゃんと教科書を読まなきゃダメですね。やはり基本は大事なのである。

2010_0526_0118 5R&8R 黄色い銀河がやってくれた!
 5R、スタート展示でまずびっくりする。456123。内枠と外枠がそっくり入れ替わってしまったのだ。本番はどうなる? オールスローになっていたから、内枠の艇も主張する気マンマン。ということは、へたすりゃ枠なり、そうでなくともスタ展とは大幅に変わるかも。スタ展とはたしかに変わった。でも、こんな変わり方になるとは想像もつかなかった。
 534/612
 湯川浩司がイン強奪! ピット離れでは今垣光太郎(3号艇)が飛び出して、そのままインに入るのかと思われたが、じわじわと前方に進んでいった湯川が真っ先に見透し線に到達、1コースに入ってしまったのだ。
2010_0526_0151  8R、今村豊が6号艇だから、基本は枠なりオールスロー。スタート展示はそうなっている。ところが本番、今村豊のピット離れがよく、4号艇と5号艇を叩いて4コースが獲れそうな様相となった。そうなると、岡崎恭裕(4号艇)はカドに引くだろうから、4対2の進入になるか……ならなかった。
 51236/4
 5号艇の田村隆信が6コースは勘弁とばかりに大きく回り込み、そのままインコースにどっかりとすわったのである。
 黄色いカポックの銀河系軍団が、そろってインコース奪取! これをイエロー銀河付け、と呼ぼう……いや、やめておこう。ゴロが悪いし。ともかく、銀河系軍団が進入からおおいにエキサイトさせてくれたわけである。やっぱり彼らの存在は艇界を面白くしてくれる!
 そしてそして、2人とも逃げ切り勝ちを収めているのだから、なお素晴らしい! 深めのインをもたせて勝利したことの機力的評価も含め(湯川は節イチ候補の一人でしょう)、湯川浩司と田村隆信には大拍手を送ろう。

2010_0526_0145 6R 白い稲妻カドまくり
 6Rも進入から沸いたレースである。スタート展示はピット離れ抜群の4号艇・金子良昭がイン奪取。4136/25という並びだった。しかし本番、金子と同期の3号艇・江口晃生がいぶし銀の意地で金子を競り落としてインを奪い、金子は2コースまで。この動きに6号艇の松井繁も連動したため、346/125という並びになっている。白いカポックが4カドとなっているのだ。
 その1号艇は日高逸子。年下だけど先輩の江口&金子、そして王者に内を獲られてしまったグレートマザーは、そのまま尻尾を巻いてやられるような女性ではない。4カドから意地のコンマ05、そしてカドまくり一閃! 内の3艇を飲み込んで、これぞ白い人妻……じゃなくて白い稲妻! こうした気持ちのやり取りが見える(あるいは想像できる)レースは、本当に面白いですよね!

2010_0525_0486 10R&11R 川柳「SGで 1号艇勝ち マンシュウ連発」
 いきなりデキの悪い川柳でごめんなさい。でも、時折見かけるこのパターン。1号艇から売れるのがSGの常套なのに、その1号艇が勝って3連単マンシュウ。つまり、ヒモに穴が突っ込んできて、高配当というパターンである。
 10Rはイン山口剛が逃げ切り。3コースの松井繁が握って出て、その内を突いた間嶋仁志が2着浮上。この間嶋が人気薄だった。11Rは、イン辻栄蔵が逃げ切り。3コースに入っていた芝田浩治が2着だが、彼もまた人気薄。そしてこの2レースは、3連単マンシュウなのである。
2010_0524_0294_2  このパターンの仕組みは簡単である。すなわち、「名前で舟券が売れた結果」なのだ。間嶋も芝田も決してSG常連というわけではない(芝田は最近は常連化しつつあるが)。10Rなら魚谷に松井、11Rなら菊地に濱野谷に湯川、といったところに人気が集まるのは、まあ当然というか仕方ないところもある。しかし、常連でなかったとしても、間嶋も芝田も、SG出場選手なのだ。パワー上々なら、展開が向けば、いつだって上位に食い込む力はあるのである。そう考えれば、このオッズは美味しすぎでしょ?
 こうした「名前で売れる」という傾向は、特に初日と2日目に顕著である。機力うんぬんよりも、ネームバリューのほうが売れる要素になりがちなのだ。だから、シリーズ序盤の「1号艇から美味しいオッズ」は絶対に押さえておかねばならない。次からは無条件で押さえるぞ!……と、この傾向に気づいていながらまったく学習していない自分によーく言い聞かせておく。皆様もお忘れなく。

※最後にちょっとだけ機力診断。直線系は、今村豊、湯川浩司、飯山泰で文句なし。佐々木康幸も良い。ターン系に目についたのは江口晃生で、今日は結果に結びついていないが、回ってから前に押すパワーはある。10Rで後方から追い上げて、松井繁を逆転し3着に入った渡邉英児も、彼らしい回り足がついてきている様子。ピンピン連勝の白井英治も、直線よりターン系かなあ……と思いつつ、ちょっと自信がない。
 12Rで6コースから1着となった新田雄史だが、本人も語っている通り、着順ほどの足ではないように見えるがどうか。いったんはまくり切った赤岩善生も、パワーよりは気合か。ただ、行きアシは悪くないように見えますね。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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“本紙予想”笹川賞2日目

7R  
大嶋動いてインは深くなるか。吉川が3コースからまくり一発。
◎吉川 ○笠原 ▲大嶋 △武田
3連単2-361-全

8R 
進入はオールスローか。インに攻撃の矢が何本も飛びそうで、佐々木の抜け出しに妙味。
◎佐々木 ○山崎 ▲金子 △今村
3連単2-316-全

9R  
白井が踏み込んで連勝。今垣の攻めに乗る白水をヒモで狙ってみたい。
◎白井 ○白水 ▲今垣 △井口 
3連単1-546-全 

10R  
山口がS決めてがっちり逃げ切る。魚谷が差して追走。
◎山口 ○魚谷 ▲松井
3連単1-23-全

11R       
菊地をカベに辻が逃走劇。濱野谷のまくり差しが脅威。
◎辻 ○濱野谷 ▲湯川 △菊地
3連単1-362-全

12R     
上瀧は2コースか。服部の逃げが有望も、丸岡握ったときの赤岩にも注意。
◎服部 ○赤岩 ▲丸岡 △吉川
3連単1-324-全 

 


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THEピット――どうでもいいことだけど……

 朝。後半出走組の始動はまだ先、ということなのか、装着場にはボートがひしめき合っていた。まあ、日常的な午前中ピットの光景ではある。
2010_0525_0186  問題は1R終了後だ。そこに6艇が帰ってくるのである。ボートリフトからずずいとせり上がってきた6艇、出走した選手当人もエンジン吊りを手伝う仲間たちも、まずはキョロキョロ。空いているスペースを探しているのだ。向かって右手にはそれなりにスペースがあるが、ここは4~6着だった艇が狙っている。1着の艇から奥、すなわちリフトの左側のほうから収まっていくのが通例。リフトの右側は4~6着が使用し、上がるとそのまま右側に向かっていくからだ。というわけで、1R1着の太田和美の艇はピットの左手のいちばん奥のほうに運ばれていく。引っ張る湯川浩司ら若手も付き添う松井繁も、もちろんボート後部を押している太田も、小走りで装着場を移動する。2着の笠原亮も、やっぱりいちばん奥へ。2010_0525_0812_2 問題は3着の濱野谷憲吾で、整備室前に設置されている掃除機でボートの水も吸い出さなければいけないし、でもその付近にはボートがズラリだし……そこで機転を利かせたのが山崎智也。たまたま整備室前の端っこに智也の艇が置かれていたため、さささっと素早く走って、自分の艇を別の場所へ移動させたのだ。モーターのあたりを右手で引っ張り、いったん装着場の真ん中あたりまで動かした智也は、そこで華麗に艇を反転。そのままペラ室付近までさらりと移動させた。空いたスペースに滑り込む、濱野谷憲吾の艇。ま、どうでもいいことだけど、ちょっと唸ってしまった。

2010_0525_0654  智也絡みでもうひとつ。約4年半ぶりのSG出場となった川北浩貴は、智也とは71期の同期生。同期の中でも、智也がもっとも仲良くしている選手で、以前「お互いにレースがない日だと、夜、なんとなく川北君に電話しちゃうんですよ」と笑っていたものだ。その二人がSGのピットで久しぶりに一緒になっているわけで、行動をともにしたり、川北のもとに智也が歩み寄る場面を何度も目にしている。
 そこに、青山登さんが合流。青山さんと智也はもちろん群馬の先輩後輩。そして、もうひとつ関係性があるのですが、ご存知ですか? 実は、97年9月、桐生での艇界初のナイターレースで、この二人が優勝、準優勝を分け合っているのであります。優勝は智也……じゃなくて青山さん。どうでもいいことだけど、初代夜の帝王コンビの揃い踏みに感激。

2010_0525_0191  自艇のカウリングに両ひじをつき、上半身を前のめりにして、顔を伏せている。視線は1点に注がれてはいるが、おそらくは何を見ているというわけではない。つまり、うつむき加減にじーっと考え込んでいる。
 1Rが終わり、装着場に静けさが戻ってきた頃、白水勝也が微動だにせずに思案にくれていた。その姿を見かけた時点で、すでにそのポーズでいた白水。きっとしばらく考え込んでいたのだろうなあ……ということで、腕時計をチェック。そのあと何分くらい動かないんだろうなあ……計ってみた。………………1分18秒。文字にしてみると、たいした時間ではないが、装着場でピクリとも動かない時間としてはずいぶん長いように思えたものだ。ちなみに、3艇ほど隣では笠原亮がせわしなく動いていて、ま、どうでもいいことだけど、ちょっと笑ってしまった。

 2Rが終わり、6艇が帰ってきた。1R後と同じような光景が目に飛び込んでくる。2~3R後くらいというのは着水する選手が増えてくる時間帯なので、スペース探しの風景はここが打ち止めとなるだろう。
2010_0524_0638  エンジン吊りを終えて、石橋道友が控室へと向かっていく。2Rは3着。その背中から、石橋を呼びとめたのは上瀧和則だった。石橋は足を止め、上瀧に笑みを向ける。しかし、次第に石橋の目が真剣になっていく。上瀧が身振り手振りのアドバイスを始めたのだ。上瀧の言葉に、力強い視線を向けつつ、うなずく石橋。上瀧は、右手をグイッと旋回させたりしながら、石橋に熱弁をふるい続けた。
2010_0525_1047  昨日は整備室で湯川にアドバイスをしている上瀧を見た。今日はレース後の石橋に対して。どうでもいいこと……ではなく、まさしくひとつの真実として、上瀧和則というのはたくましい優しさを心に棲まわせている男なのである。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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本日の“本紙予想”笹川賞2日目

 おはようございます。Kです。昨日は1コースが8勝です。風向きが変わった今日は果たして。
1R  
笠原はまだ仕上がり途上か。重成のまくり差しを狙う。
◎重成 ○笠原 ▲濱野谷 △太田 
3連単3-165-全

2R 
川北が逃げ切ってSG久々の勝利。重野が握れば山口に展開向きそう。
◎川北 ○山口 ▲重野 △瓜生  
3連単1-435-全

3R 
田中のコース獲りがカギを握る。あまり深くならなければ岡崎がもたせる。
◎岡崎 ○服部 ▲田中 
3連単1-46-全

4R 
モーター良さそうな山崎の逃げ切り。飯山がカドから逆転も。
◎山崎 ○飯山 ▲坪井 △池田
3連単1=4-全 1-25-全

5R 
相手強いが海野の逃げきりにかける。魚谷がカドから差して追走。
◎海野 ○魚谷 ▲湯川 
3連単1-45-全

6R  
進入難解な一戦。枠なりならば、日高に逃げ切りの目。
◎日高 ○江口 ▲松井
3連単1-36-全

後半は後ほどアップします。


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2日目!

おはようございます。笹川賞2日目。天気予報ではくもりとか雨も降るかもとか聞いていたのですが、今朝の浜名湖は快晴です! 風向きは昨日と変わって追い風。レースの傾向の変化は……。

2010_0525_0993 昨日のピット記事ではレース後に整備をする選手の話を記していますが、重成一人も熱心に整備を続ける一人でした。(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――職人

 オールスターである。何度も何度も繰り返すが、オールスターなのである。華やかで、きらびやかで、ピカピカの輝きをまとった言葉。オールスター。そんなスターたちを目の当たりにして、浮かれるなというほうが野暮というもの。
 しかし、初日後半のピットで、僕の気持はきゅきゅきゅっと引き締まる。
 このオールスターたちは、同時に職人なのである。
 重厚で、生真面目で、いぶし銀の輝きをまとった言葉。職人。彼らの姿勢を目の当たりにすれば、背筋がピンと伸び、自然と襟が正されなければおかしい。
2010_0525_0210 なんたって、湯川浩司が本体をバラしているのである。7R1着。強烈な行きアシを見せた飯山泰の攻撃を受け止め、やや流れたもののきっちり先頭を奪い返した湯川が、レース後即座にモーターを整備室に持ち込み、本体整備を始めたのだ。なぜ?と思う。どこが悪かったの?とも思う。本人には満足できる手応えではなく、何かを感じ取ったからこそそうしているわけだが、つまりは結果がどうこうではない、のである。本人に話を聞きたかったが、とてもそんな暇はなく、最後までかなわなかったのが残念。ただ、その様子を見ていれば、本当は言葉はいらないとも思う。そうそう、そんな湯川に上瀧和則が歩み寄り、身振り手振りで何かを伝授している姿もあった。上瀧から視線を外さずに聞き入る湯川の表情はまさしく神妙。整備マイスターとも言える上瀧からすべてを吸収せんとするがごとき必死さも漂っていた。
2010_0525_0526  9R後には、その隣に赤岩善生もやってきている。赤岩の姿勢というのは、もう何度も何度も見てきて、本人にも話を聞いて、こういうものだと理解はしている。つまり、レース後に本体整備用テーブルに直行するのは不思議なことでもなんでもない。1着2着の好発進は、赤岩の徹底追求の思いを止めるものにはなりえないのだ。そりゃあ、湯川の隣に赤岩の姿があって当たり前。特筆することだとも思えない。
 ただ、ついその様子に見入ってしまったのは、赤岩があまりお目にかかれない場所を整備している様子だったから。ピストンとかピストンリングとかシリンダーケースとかをいじっているなら、僕ごときでも充分見極められる。だが、赤岩が外していたのは電気系統の付近。いや、電気一式交換なんてのもときどき見かけるものだし、その箇所を調整している場面も珍しくはない。でも、赤岩の様子はそういうものでもない。ごくごく簡単に言えば、相当に微細な部分を緻密に整備しているのである。おそらく、普通であれば見逃しても大きな問題がないようなところまで徹底して、チェックをしているのではないだろうか。その過剰なまでのこだわりこそ、赤岩善生。シリーズ中は他人と口を利く時間も惜しいという男なので、その整備の意味を本人に問いかけられるかどうか正直微妙なのだが、明日、折を見てチャレンジしてみよう。
2010_0525_0727  この二人だけではない。レース→整備室直行→整備と素早く動いていた選手がどれほど多かったことか。9Rを終えた田中信一郎は手早く本体をバラして、洗浄室へと入っていく。数分で出てくると、震えるほどの表情で整備を始める。2010_0525_0488 佐々木康幸が8R後にすぐさま整備を始める。彼もまくり一発で勝っているのに。10R後に整備を始めた池田浩二が心配そうにのぞき込み、二人は額を突き合わせて言葉を交わしていく。菊地孝平も10R後、手早くキャブレターを外し、リードバルブも外し、何やら器具を使って計測を始める。導き出した数値をもとに、リードバルブの整備を始める様子だ。そうそう、8R後には辻栄蔵も本体を割っていた。JLC解説者の池上哲二さんに声をかけられ、悪戯っぽく苦笑を浮かべる。その整備は、かなり長い時間続いていた。そういえば、横西奏恵の姿も整備室にあったな。9Rで田中信一郎に激しいアタックを見せ、レース後には競技本部から呼び出しのアナウンスをかけられていた白水勝也も、その後は整備室に向かってギアケースを外していた。そうそう、渡邉英児も整備室にいたぞ……と名前をあげていけばキリがない。
2010_0525_0754  もちろん、ペラ調整所も満員御礼状態。間嶋仁志、井口佳典、新田雄史の三重3人が並んでペラを叩いていたり、田口節子と魚谷香織が笑顔を交わしながらもペラから視線を外さなかったり、石橋道友がペラ室からダッシュで係留所に向かったり……そうだ、試運転を繰り返していた選手も多かったな。2010_0525_0491 川北浩貴、市川哲也が延々と水面を走っているのを見かけているし、平石和男も遅い時間帯まで水面に出ている。もちろん、岡崎恭裕や魚谷香織らの若手の姿も。そんな様子を見て、まだ浮かれていられたとするなら、相当な豪胆か、相当な鈍感だろう。
 たしかにオールスターではある。スターを見て浮かれポンチになるのもいいだろうし、明日もきっとニヤニヤしてピットに立つ僕がいる。だが、このピリリとした空気も、SGらしくてやっぱり大好きだ。いや、彼らにはすべからく職人の面があるからこそ、オールスターの一員になれるのである。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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笹川賞“オールスター”ダイジェスト

1R 金子良昭、渾身の逃げ切りで地元のオープニングを飾る
2010_0525_0378  スリットの時点で、ああ、これは逃げ切るだろうな、と。外5艇を完全に出し抜いたスタートで、隣の新田雄史と比べても半艇身は前にいる。レース後のスリットを確認すれば、金子良昭はぴったり1艇身残しのコンマ15。新田がコンマ24で、毒島誠はコンマ30と金子に1艇身遅れていた。ようするに、他艇がタイミングを取り違えていたとも言えるわけだが、しかし確信をもって好発を放ったあたりはさすがに地元の重鎮。そして、重鎮ならではの気迫の表現でもあっただろう。
 地元笹川賞で誰よりも早くオープニングレースの1号艇に登場、スリットを誰よりも早く駆け抜け、1マークを誰よりも早く回って、ゴールに誰よりも早く飛び込んだ。まさしく完全なるファーストウィナーだ!

2010_0524_0503 4R 井口のパワーは見立て違い?
 朝の試運転やレースを見ていて、昨日の「前検チェック」の記事を削除したくなりましたね。パワーの見立てがまるっきり間違っていた選手が次から次へと見つかっていく。まるでデキの悪い間違い探しクイズである。
 なかでも、ハッキリ「苦しい」とか書いた井口佳典については、伏してお詫び申し上げる次第。ターン回りもストレートも、今日はむしろいい部類だよなあ。雨が上がって天候が変わったからなのか、あるいは単に私の目が節穴だったのか。おそらく前者だ、ということにしておくが(させてください……)、井口はどの枠順でも脅威になるであろう好気配であった。ま、実は後半の大敗でまた自信を失くしていくんですけどね。明日、人気が下がるようなら、狙ってみたい。

2010_0524_0326 5R 上瀧がカド!?
 上瀧和則がいる。ということは、まず上瀧のコース獲りがポイントとなる。コース獲りといったって、つまりは「前付け」。3号艇でも動くのか、それともスロー3コースで折り合うのか。それがカギ。
 ……4カドとはねえ。スタ展でも4カドだったが、スタンドのファンは「本番は3コース主張でしょ」と言っていたし、記者席に流れるJLCでは佐藤正子さんも同様に言っていた。普通はそう思う。スタ展は上瀧ならではの駆け引きなのだと。
 ……本当に4カドとはねえ。しかも、それで2着を獲ってしまうのだから、この男は千両役者だ。今後の上瀧にはこの戦法もあるのだと覚えておこう。

2010_0525_0135 7R 超抜候補対決?
 このレースが終わったときには、昨日の「前検チェック」は絶対に残そう、湯川浩司と飯山泰を太字にして更新しよう、と思いましたね。飯山の強烈な行きアシ、湯川の伸び返すアシ、ともに超抜候補と言っていいでしょう。飯山がこのレースにいなければ湯川は楽勝だったはずだし、湯川が1号艇でなければ飯山はまくり切れたはず。飯山はもうひとつ上積みの余地があるようにも思えますが、彼らしいレースができるアシにはなっているはずです。

2010_0525_0168 8R 大嶋のイン屋魂&ここにも超抜候補
 スタ展では、1号艇の淺田千亜希がイン主張、4号艇の大嶋一也は2コースになっています。両者の起こしは90m前後。淺田は、これで大嶋さんは本番では引いてくれる、そう考えたかもしれません。引きません、大嶋さんは。スキあらば、どんなときでもインを狙う。これが、イン屋・ザ・プロフェッショナル。もちろん、ここでもインをがっちり奪っています。まあ、深い進入を嫌った淺田が譲ったという可能性も否定はできませんが、結果的に大嶋の起こしは100m手前と楽なものになり、3着に残しています。
 その大嶋をまくったのは、4カドとなった佐々木康幸。これも太字にしちゃおうかなあ。一気に出し抜くほどの迫力はなかったものの、中ヘコミを利してまくり一発。こちらも上積みの余地はありそうですが、素性はいいだけに、明日以降のさらなるパワーアップが見込めます。2着に入った魚谷智之も、やはり悪くなかった。艇団を割るまくり差しは魚谷の得意とするところで、その武器を繰り出せるだけのパワーはありそう。こちらもさらに上昇する可能性は大きいでしょう。

2010_0525_0184 10R これはツケマイだ
 4コースに動いた白井英治が1着。決まり手はまくり差しです。しかし、これはただのまくり差しではなかった。先にまくり差しを狙ってハンドルを入れたのは、3コースの篠崎元志です。篠崎の前にはたしかに広大な水面が広がっていた。先マイした池田浩二に届いたかどうかはともかく、2着は充分にあった、そんな展開でした。白井は、その上を思い切って握っていきます。それはまさしく、篠崎をツケマイで沈めんとする航跡。池田の内側に進路をとっているので、決まり手はまくり差しで間違いない。いや、まくり差ししかありえない。しかし、下剋上に燃えるイケメンスター候補をねじ伏せるがごとく放ったターンは、ハイテクの象徴ともいえるまくり差しよりは、獰猛さをその言葉に秘めているツケマイのほうがふさわしいのではないか。一瞬、ツケマイ差しという造語はどうか、とも思いましたが、まったく意味不明、デキの悪すぎる言葉ですね。

2010_0525_0271 11R ミスター競艇スペシャル
 イン重野哲之のスタートタイミングはコンマ13。2コース今村豊はコンマ09。のぞいてはいます。スリットではたしかに前にいました。しかし、そこから1マークまでに1艇身以上差をつけるとは! 2コースがコンマ05程度のぞいて、それが壁になってインが逃げ切る、なんてシーンはよく見かけるものですが、その壁が一気に巨大化してインを押しつぶしてしまったのだから、重野は気の毒すぎた。果たして重野の行きアシが不調なのか、それとも今村の行きアシが凄すぎるのか。なんとなく後者のような気がしますが、つまりはミスター競艇も超抜候補なのです。そして、これは今村らしいレースを可能にする強力な武器であることは言うまでもありません。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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本日の“本紙予想”笹川賞初日後半

7R  
湯川が好パワー活かして逃げる。飯山がカドから迫る。
◎湯川 ○飯山 ▲坪井
3連単1-35-全

8R 
大嶋が動いて、絶好のカドから佐々木が攻める。魚谷との折り返し勝負。
◎佐々木 ○魚谷智
3連単4=5-全

9R  
田中が差して突き抜ける。今坂がイン残して粘る。
◎田中 ○今坂 ▲赤岩 △海野 
3連単2-145-全 

10R  
上瀧が動こうとも池田が盤石の逃げ。菊地がS決めて追う。
◎池田 ○菊地 ▲篠崎 △白井
3連単1-325-全

11R       
今村をカベにして重野が逃走。飯山が握って追撃。
◎重野 ○飯山 ▲今村 △山口
3連単1-526-全

12R ドリーム戦    
松井が堂々と王者の逃げ。服部が捌いて次位へ。
◎松井 ○服部 ▲今垣 △山崎
3連単1-625-全 


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THEピット――初陣

2010_0524_0725  1R、ファンファーレも初陣、毒島誠&魚谷香織も初陣。しかし、ともに結果は残せず。
 毒島は5着、魚谷は6着で、苦いSGデビュー。二人は、この敗戦に何を思っただろう。
2010_0524_0204_3  毒島の艇旗艇番を片づけているのは江口晃生。もらってしまった水を掃除機で吸い出しているのは濱野谷憲吾。その横に寄り添う山崎智也。関東の大スターたちに囲まれ、毒島は激戦後のアスリートのようにぜいぜいと息をついでいる。レベルの高さに呆然としたか? それともこの舞台で戦えたことを誇りに思ったか。いずれにしても、幸先よくとは言えない初戦を終えて、毒島はこれまで経験したことのない空気を全身で感じているに違いなかった。
2010_0524_0670  魚谷に寄り添うのは今村豊に白井英治。さらには辻栄蔵、田口節子らも駆けつけて、こちらも豪華な布陣である。毒島の周囲と違うのは、笑い声が響いてくる点。2010_0524_0230言うまでもなく、ミスター競艇がムードメーカーとなって、そこに集う者たちの頬を緩めているのだ。魚谷にとって、こんなに心強い援軍はない。それが心をほぐしたのかどうか、魚谷は静かな微笑を浮かべて、先輩たちの話に耳を傾けていた。
2010_0524_0388_2  2Rでは、武田光史も初陣を果たしている。こちらは3着。道中追い上げてのものだったから、なかなかに価値は高い。レースを終え、ボートリフトからずずいとせりあがって来た武田の顔は、安堵感をたたえた笑顔に包まれていた。出迎えたのは、もちろん今垣光太郎。レースを振り返る武田の顔をまじまじと見つめながら、時折、目をまん丸く見開いて、興味深そうにうなずいている。2010_0524_0544 いったい何をそんなに感心していたのか、今垣は武田から視線をほとんど外さなかった。その間じゅう、武田は笑みを絶やさなかった。
 それぞれの初陣。それぞれの思い。彼らのSGロードは始まったばかりだ!

 ところで、“本紙予想”にもあったが、1Rの2号艇=新田雄史、3号艇=毒島誠は、4カ月前の当地新鋭王座の優勝戦と枠番がまったく同じのいわば再戦。あのときは、この1マークをまくった新田とまくり差した毒島が2人が艇史に残るほどのデッドヒートを繰り広げ、毒島が優勝している。あの熱戦が再現されたら最高だったし、新田はリベンジを果たしたいとも思ったはずだ。結果は、金子良昭が好スタートから逃げ切り、新田が2着であった。やはりSGの水は甘くない。
2010_0524_0733 「きっと(このカードが)組まれるだろうな、と思ってました(笑)。レースになれば、ぜんぜんそういう意識はなかったですけどね。リベンジしてやろうとも、特に思ってはいませんでした。でも、もし新鋭王座のようにのぞいたスタートを決められたら、あのときと同じようにまくっていってやろうと思ってはいました」(新田)
 意識はなかった――まあ、そんなものだろう。SGと新鋭王座では相手が違う。そんなことを考えている余裕などなくてもおかしくない。ただ、「あのときと同じようにまくっていってやろう」と心に決めていた(あと、組まれるだろうなと予想していた)新田はエラいし、このカードを組んだ浜名湖の番組さんも素晴らしい。こうした継続性からドラマというものは生まれるからだ。数年後、二人がふたたび浜名湖のSGで相まみえたときには、またこの枠番での再戦を。新鋭王座よりはるかに激しい戦いで我々に感動を与えてくれるかもしれないのだから。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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ファンに感謝感謝の選手紹介!

 笹川賞の選手紹介といえば、「投票してくれたファンへの感謝の気持ち」が次々と飛び出します。今回の選手紹介もそうした言葉がズラリと並び、もうちょっと面白いこと言ってよ~、などと思いつつ、しかしそれが選手たちの本音だろうと思えば、笹川賞に出場することの重みというものを感じずにはいられません。

2010_0525_0030魚谷智之
 投票してくれたファンのためにギンギンに力出し切ります。

2010_0525_0105 間嶋仁志
 感謝の気持ちを水面で爆発させます。舟券買ってください。

重成一人
 投票してくれた方に恥をかかさんよう、がんばります。

 彼らの気持ちが、まさしく本音中の本音。ギンギンにがんばるし、感謝の気持ちを爆発させるし、そして恥をかかせたくないと思う。そうした思いで選手たちは水面を駆け巡るわけです。
 もちろん、気合をあらわにする選手もいる。

2010_0525_0084 上瀧和則
 エンジンいじったら、ちょっとだけ良くなったので、ちょっとだけ気合入れてがんばります。

田村隆信
 骨は折れても心は折れてません。

 田村は前節、顔面を骨折してしまっています。しかし怯むことなく参戦! 手負いの虎は強いですぞ。

2010_0525_0077_3 日高逸子
 宮崎出身で、宮崎に実家があるんですけど、宮崎の口蹄疫は近くで牛をいっぱい飼っているだけに他人事ではないので、今節の52人もいっぱい寄付してくれるということで、優勝した人にはもっといっぱい寄付してもらって……(後略)

 宮崎の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。笹川賞が少しでも励みになってくれたら嬉しいです。というか、優勝した人にはもっといっぱい、って日高さん、あなたが優勝すればいいのです。頑張れ!
 来年の笹川賞を見据えている人たちも。

2010_0525_0044 丸岡正典
 来年も笹川賞に出られるように、今年がんばります。

 それはつまり、「今年優勝して、来年の優先出場権を勝ち獲る」ということですよね? 勝手にそう受け取らせていただきます。

2010_0525_0069 山口剛
 6000票、これが何を意味するかわかりますか? 来年も笹川賞に出るためにはあと6000票が必要です。

 いや、来年も笹川賞に出るには、まず賞金王で優出すればいいんです。もちろん、ここで優勝すれば、優先権も手に入ります。SG連覇、本気で目指せ!
(PHOTO/中尾茂幸)


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H記者の『穴・極選』初日

 東京の某所に潜伏し、とっくに〆切り過ぎた原稿をヒーコラ書いているHです(業務連絡/Kさま、いましばしお待ちをーーーーー><)。修羅場の只中につき今日の極選はお休みにするべきなのですが、すでにボー誌6月号で前発表している極選を採用します。

12R ドリーム戦
 ①松井 繁
 ②今垣光太郎
☆③瓜生正義
☆④濱野谷憲吾
 ⑤山崎智也
◎⑥服部幸男

進入162/345

 能書きはボー誌にダラダラ書いてるので、今から書店に走って買ってくださいまし(←セコッ!!!!)。とにかく浜名湖天皇・服部の「2コース差し」が私の読み(=希望的観測)なわけですが、3コースあたりでも勝機は十分にありそうですね。K記者の見立て&本人コメントともに「行き足がよさそう」ですから。前検タイム3位の伸びで一気駆けを目指します。ヒモも前発表どおり瓜生と濱野谷へ。

3連単★6-34-全

 さあ、無事退院されたという噂の憲吾郎どの、術後の経過はいかが? せ、せめて今節の極選でリハビリ代くらいは……><
※それにしても、この新ファンファーレって……「若い人向け」とか謳ってるけど、私の耳には戦時中に映画館で流れてた「大日本帝国軍特報」のテーマ曲にしか聴こえなかったんですけど……ヽ(○´3`)ノ


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本日の“本紙予想”笹川賞初日

 おはようございます。Kです。笹川賞もよろしくお願いします。
“本紙予想”はいつもどおりのイン主体予想ですが、浜名湖は減音モーター導入以来、まくりも利くようになてきています。そのあたり(まくりマークの差しに注意、とか)をも考慮しつつ、頑張ります。

1R  
新田vs毒島は新鋭王座優勝戦の再戦。このワンツーで笹川賞開戦。
◎新田 ○毒島 ▲金子良 △魚谷香 
3連単2-315-全

2R 
丸岡がインから全速逃げ。坪井の捌きが迫る。
◎丸岡 ○坪井 ▲淺田 △武田  
3連単1-326-全

3R 
篠崎が踏み込んで逃走。笠原のまくり差しが追う。
◎篠崎 ○笠原 ▲辻 △川北 
3連単1-536-全

4R 
田中が伸びてまくり一発。大嶋のイン残しを本線に。
◎田中 ○大嶋 ▲田口 △菊地
3連単4-156-全

5R 
上瀧の進入がカギも、市川がS決めて先マイ。赤岩が続く。
◎市川 ○赤岩 ▲田村 △上瀧 
3連単1-243-全

6R  
今村の逃げより池田の自在戦に妙味か。
◎池田 ○今村 ▲武田
3連単3-14-全

後半は後ほどアップします。


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初日! 笹川賞開幕!

おはようございます。笹川賞、開幕! この初日から、新しいファンファーレがお披露目されます。まずは1Rをお楽しみに!

2010_0524_0530 ディフェンディングチャンピオンの瓜生正義は、ドリーム戦3号艇で登場です!(PHOTO/中尾茂幸)


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THEピット――オールスターなピットなのだ!

 青山“熱き競艇魂”登さんが、「もうひとつテーブル増やしてあげてもいいよねえ」と整備室を覗き込みながらつぶやく。視線の先にはギアケース調整用テーブル。前検はモーターを受け取った状態で乗らなければならず、ギアケースを自分のセッティングに調整できるのは前検航走終了後。というわけで、前検日のギアケース調整テーブルは満員御礼が恒例となっていて、今日もやはり選手たちは肩が触れ合わんばかりの状態で整備をしていた。
2010_0524_0419  辻栄蔵、瓜生正義、服部幸男、池田浩二、菊地孝平、丸岡正典……って、ギアケーステーブルだけでSG何冠なんだよっ!てな具合の豪華な整備風景。考えてみればSGではいつもそんな様子が見られるわけだが、しかし今日はなぜかその光景が、今、オールスター戦の場にいるのだということを実感させる。2010_0524_0217 モーターを点検している吉川元浩に松井繁が話しかけるのも、SGでは日常的な光景。でも、とてつもない組み合わせを目にしているのだと思ってしまう。リードバルブ調整用テーブルには、今垣光太郎と魚谷智之が向かい合って座り、微細な作業に精を出している。これとてSGではよくある場面なのに、なぜか“いいモン見た!”と心躍らせてしまっている。
 いや~、笹川賞だな!
 ファンの思いを背負って戦う舞台だから、選手たちも普段と違って見える……なんて言ったらあまりにも陳腐だが、たしかに笹川賞はファンがキャストを決定するオールスター戦なのだ。こちらもそんな思い入れとともに選手の様子を見つめるのが、もっとも楽しく正しい笹川賞満喫法ではないか、そう思う。
2010_0524_0445  屋外ペラ調整場で、懸命のペラ叩きに励んでいるのは横西奏恵。そこに、すでに作業を終えた今村豊、田中信一郎、太田和美らがやってきて、装着場と調整場の境目となっているベンチに座り込んだ。屈強な先輩が女の子を取り囲んで恫喝している図に見えなくもないが、しかし横西は大笑いし、3人はなんだかんだとからかっている。2010_0524_0222 ここもSG何冠なんだよっ!と思わず指折り数えてしまう、超豪華な「先輩が後輩をからかう図」だ。それにしても、このメンツにかまってもらえる奏恵ちゃんの存在感ってのは、やっぱスゴいね。
 そうしたキラ星のあいだを駆け回って、雑用をこなしているのが新田雄史、魚谷香織、篠崎元志の新兵たち。若きニュースターたち、あるいは女子のトップスターが数多くピットを泳ぎ回り、華美な風を吹き起こしてくれるのも、笹川賞の楽しみである。2010_0524_0719_3 新田と篠崎がSGで右へ左へ走る姿は何度か見てきたが、さすがに魚谷のそれは新鮮である。で、ふと気づいたんですが、この3人、96期の同期なんですよね。90期台以降で、ひとつのSGに3人も同時に送り込んだ期ってあったかしらん? やっぱりこれは、相当に新鮮かつ華やかな光景なのだ。
2010_0524_0314  もちろん、シブ~い星も健在だぞ。最初に整備室を覗きこんだとき、本体整備用テーブルには、なんとすでに割られている本体があった。それも2機。こんなに早いタイミングで、本体整備!? エンジン吊りに出ているのか、選手不在のまま置かれていた本体。誰のモーターかなあ、と主が帰還するのをじっと待っていると、これが上瀧和則と渡邉英児。ジョー親分、早くも大整備ですか! 英児は今垣光太郎と並ぶ整備の鬼。2010_0524_0304 ある意味、この2人がさっそく本体に手をつけたのは想像通りではある。そして、こうしたいぶし銀のような光を放つスターも、笹川賞には欠かせないのだ、と強く思う。
 いや~、笹川賞だな!
 前検から、見る者を酔わせるオールスターな空気が充満していたピット。どう考えたって、これぞ笹川賞!なのだ。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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前検チェック~

 雨が降ったり止んだり。天候が安定していない前検日。強めの向かい風というのは、一貫していましたね。
 そんななか行なわれた前検航走。足合わせを中心にチェックしました。ドリーム戦組が1班で、以下登番順に5班(吉川元浩が6号艇)までが前半戦。6班(白井英治が1号艇)から9班までが後半戦で、前半組と後半組の足合わせは行なわれていません。したがって、前半組と後半組の比較は難しいのですが、ひとまずそれぞれの中から目立った選手をピックアップ。

●前半組
2010_0524_0090 ・魚谷智之
 足合わせの本数はそれほど多くはなかったものの、すべて優勢。ターン系もストレート系も気配良好でした。前半組ではトップかなあ、と今日の段階では思えます。初日は8R5号艇。外枠で人気が下がるのならなおさら狙ってみたいと思わせるアシ色でした。

2010_0524_0024 ・今村豊
 金子良昭、吉川元浩をちぎる勢い。ストレートの強さは、伸びて攻めるミスター競艇向きのアシと見えました。もっとも、吉川は誰と合わせても弱めで、その分は割り引いて考えたほうがいいかも。初日は6Rと11Rで1号艇2号艇。うーん、センター枠あたりのほうが狙いやすいような気も……。

2010_0524_0151 ・松井繁
 吉川元浩と3回合わせて2勝1分け。1分けは、ともにペラを交換したのか、少し時間が経ってからの再戦でした。で、基本的には吉川よりは明らかに強い。今村とも合わせていて、こちらは「ターン回り=松井、ストレート=今村」の様相でした。

・服部幸男
 迫力あるアシ色で、伸びというより行きアシがいい感じ。スタート練習ではすべてスロー(3本目はイン)だったので、明日のドリームは確実に前付け(おそらく3コース)、と断言しておきましょう。

・山崎智也
 足合わせではなく、スタート練習でのアシ色が良かった。それも、ダッシュに回ったとき(1本だけスローでやってます)。ドリーム5号艇の智也、おそらく6コース回りになるでしょう。コース遠くても1マークで攻められるアシ色に見えるのですが……。

 他では、好機を引いた武田光史は、バック中間あたりからじわじわ伸びていく後伸び型っぽい。SGではこのアシはなかなか使い勝手が悪いので、調整が必要になりそう。いつもギリギリまで点検をしていて試運転には間に合わないことも多い今垣光太郎が、平石和男と最後の最後に足合わせ。平石よりは強い感じでした。あとは川北浩貴、間嶋仁志が足合わせではちょっとずつ強く、その両者のマッチアップはまったくの互角でしたね。
 苦しそうなのは、先述した吉川元浩に、渡邉英児。もっとも英児はコツコツと整備してコツコツとパワーアップしていくので、節間の変化に注意が必要です。

●後半組
2010_0524_0124 ・池田浩二
 後半組の足合わせが始まって、まず目についたのがこの人だった。白井英治との足合わせでは圧倒的に強く、岡崎恭裕をもやっつけていた。ただ、その後の足合わせで、その両者がやや苦しそうな気配だったのが若干気がかりではあります。

・佐々木康幸
 服部を唸らせた好機だけに、やはり手応えは良さそう。どちらかといえばストレート系が強いように見えます。池田が唯一劣勢だった足合わせの相手が、この佐々木。初日は8R3号艇。センター枠は向いていると思います。

2010_0524_0068 ・湯川浩司
 ストレート系がよく見えるのは、湯川の前検の常套。そして、この気配が見えるときの湯川はやっぱり強い、のであります。順調に仕上がっていけば、節イチ候補となるでしょう。

・赤岩善生
 ちょっと判断が難しかったのがこの人。インパクトのある気配というわけではないのに、合わせる相手合わせる相手、ちょっとだけ強め、という。とことんまで仕上げていく赤岩だけに、前検でこれなら合格点か。

 他には、飯山泰がなかなかの伸びを見せていて、湯川ともほぼ互角の気配。飯山向きのアシであることはまちがいないでしょう。篠崎元志は、岡崎恭裕と何べんか合わせて、すべて完勝。岡崎が厳しいアシ色とも言えるのですが、篠崎も少なくとも中堅程度はあるはず。あと、魚谷香織の伸びも良さそうだったな~。その魚谷より完璧に強かった重野哲之も注意が必要そうです。
2010_0524_0003  一方、苦しいのはまず井口佳典。足合わせはほぼ全敗でしたね。弟子の新田雄史も全体的に弱めで、二人のマッチアップは新田に軍配。あとは重成一人、毒島誠がやや弱めに見えました。

 といったところで、前検タイムをチェックしましょう。
1 田中信一郎 6・56
  湯川浩司
3 服部幸男 6・57
4 今村豊 6・59
  佐々木康幸
  飯山泰
  篠崎元志
8 白井英治 6・60
  重野哲之
10 岡崎恭裕 6・62

 トップは同門コンビの田中&湯川。そこそこの見立てでしょうか、とか思いながらも、白井と岡崎が入っているとは。篠崎が岡崎にすべて完勝、というのはこういうことだったのか?
 ワーストは
白水勝也 6・85
笠原亮
上瀧和則 6・75
市川哲也 6・74
太田和美

 ちなみに、3班は軒並みワースト級のタイムなのですが、その6号艇が田中信一郎。田中の伸びは本物かも!?(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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モーター抽選ダイジェスト

2010_0524_0115  浜名湖の現モーターは、4月に下ろされたばかり。最多でも5節しか使用されておらず、つまりは相場が固まっていない。取材班は3月の浜名湖賞に来ているので、張り切ってそのときのパワー相関図を復習し始めたのだが、うむ、まるで意味がなかった。
 というわけで、基本的には試運転やレースなどで正味のパワーをはかるしかないのだが、しかし選手たちも一応の目星をつけて抽選に臨んでいたようであった。特に、GW開催ですでに現モーターに乗ったことのある地元勢は、ある程度の手応えを掴んでいる様子。耳を澄ませば……「おっ、いいのが出たな」などと話し合っているのは、やはり服部幸男を中心とした静岡勢であった。

2010_0524_0116  最前列右端に座っていた金子良昭と最後列左端に座っていた石橋道友がジャンケンをして、勝ったほうからガラガラポン。すなわち、負けたほうはラスト(実際には選手班長がラストだから、ケツから2番目)となる。最初はグー、ジャンケンポン……石橋が出したグーの手をそのまま天に突き上げ、そそくさと抽選機の前に進み出て、さあ抽選開始。「あ~あ……」「はぁ……」「残りものに福があると考えるしかないかぁ……」「ふぅ……」、金子さん、ガッカリしすぎです(笑)。
2010_0524_0118  17号機を引いた石橋に続いてガラポン回したのは上瀧和則。引いたのは2連対率41・1%の60号機。「ほらな、やっぱり出したよ。俺が引くと思ったんだ」。何がやっぱりなのかはさっぱりわからんちんだが、上機嫌なところを見ると、選手間では評判のモーターなのかもしれない。GWでは菊地孝平が引いたモーターだ。
2010_0524_0130  1着率トップの62号機を引いたのは、SG初登場の武田光史。まったく予備知識なく引いたらしく、「62番!」とコールがあっても淡々としていたが、席に戻るとニコニコ顔の今垣光太郎に素性を教えられて、思わずニンマリ。その後も笑いを噛み殺しつつ、しかし笑いが止まらない様子であった。
2010_0524_0163  服部幸男が思わず「おぉぉぉっ!」と叫んだのは、佐々木康幸が5号機を引いたとき。「5番!」の声に、まず笠原亮が興奮気味に「出た!」と叫び、何が出たんだ?とばかりに佐々木の5号機を確認した服部が「おぉぉぉっ!」。何を隠そう、GW開催で服部が引いて優勝したのが、5号機なのだ。このモーターの手応えを誰よりも知っている服部だけに、弟子筋が引き当てた喜びがあったことだろう。ま、本当は自分が再度引きたかっただろうけど。その服部は33号機。3節使って1勝しかしてないけど、すべてB級選手が乗艇したものだから、一変の可能性はある。

 他の好機と思われるモーターを引いたのは……。
1号機(2連対率3位)田村隆信
 湯川浩司が「それ、ええモーターや!」と力強く伝えていた。
2010_0524_0159 65号機(2連対率4位)山崎智也
 智也、思わずガッツポーズ。そしてバンザイ!
44号機(最速タイム機)田中信一郎
 数字的にはボチボチなので、信一郎は淡々。
8号機(「最初は良かったぞ」と金子良昭が証言)今坂勝広
 金子の言葉に、何度もうなずいていた。

 2010_0524_0184さて、50人が抽選を終えて、ジャンケンで負けた金子の番。残るは金子と選手班長の菊地孝平で、師弟がラストツーという格好となっていた。地元の年長選手、が選手班長の相場だが、今節は若い菊地孝平がその任に就いている。そんな弟子を気遣ったのか、金子は菊地に「先に引け」と順番を譲ろうとした。もちろん菊地は遠慮して、順番通りに引こうとしているのだが、金子は「本当にいいの?」とこちらも遠慮気味にガラポンを回すこととなった。金子が引いた9号機は2連対率53・3%。だはは、先に引いといてよかったですね、金子選手。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/K)


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オールスターが浜名湖入り!

2010_0524_0006  オールスター、である。ファンの思いを背負って登場するスター選手たち。続々とレース場入りする選手たちを見ていると、その眩しさにクラクラしてくる。
 菊地孝平と井口佳典が同時にあらわれる。SG常連の2人だから、こうしてピットに入っていく姿は見慣れているはずなのに、これが笹川賞だと意識すると、なんだか違ったオーラを感じてしまう。2010_0524_0011 ファンとふれあってきたのか、徒歩で登場した篠崎元志の、凛とした立ち居振る舞いに思わず後ずさりしたりして(浜名湖ピットは通用口からピットまで数百mの距離があり、多くの選手はいったんタクシーでピットまで乗り付けるが、何人かは通用口でいったんストップし、入り待ちのファンとふれあうのです)。俺も若いころはこうだったなあ……と記憶を捏造しつつ、その後姿を見送ると、おぉ、今度は岡崎恭裕も登場。次代のスーパースターの揃い踏みもまた笹川賞らしさと思えば、この場の特別性をひしひしと感じてしまうわけである。

2010_0524_0001  10時過ぎにピットに向かったのだが、その時点で幾人かはレース場していた模様。ちょうど宅急便が到着しており、荷物の上げ下ろしを手伝う重野哲之に遭遇。あの24場マラソンは昨年の笹川賞最終日翌日にスタートしており、あれからもう1年も経つのかと、慄然たる思いになる。多摩川→平和島の道中に取材をしており、再会となったわけだが、やはりレース場で出会うと顔つきが違う。
2010_0524_0045  それから数十分は、到着する選手もまばらであった。しばし手持無沙汰な時間を送ったわけだが、10時45分、タクシーが何台も何台も連なって登場! 選手たちが大挙して浜名湖入りしたのだった。タクシーを降り、先頭を切ってピット入りしてきたのは松井繁! その後にはズラリと選手たちが続いている。うがががががっ、まさしくオールスター来襲! おはようございますと挨拶をしつつ、メモにペンを走らせるのだが、うがっ、か、か、書き切れない! 模様のような汚い字を解読すると、節(田口節子だろう)、うお(香織のほうです)、いーやま、ハマノヤ、丸岡、大嶋、たけだ、浅田(正確には淺田です)、ひかり(光太郎、でしょうね)、あかいわ、池田、ゆかーわ(なぜ伸ばす)と記してあった。うむ、やっぱりオールスターだ! 2010_0524_0041SG初出場の魚谷香織、武田光史がどんな表情で入ってくるかが気になっていたのに、まるで確認できなかったな。池田浩二は、数分後ふたたびピット入口に姿をあらわして、石橋道友を出迎えたりしていた。「痩せました?」「昨日、ほぼ徹夜なんだよ~」などと会話を交わしつつ、笑い合う二人。
2010_0524_0105  それから、あまり間を置かずに多くの選手が登場している。服部幸男は奥様に送られて自家用車で登場。いつ見てもカッコいいですなあ、と中尾カメラマンと確認し合う。横西奏恵は徳島からマイカーでやって来たようだ。長距離ドライブ、ご苦労様です。ちなみに中尾カメラマンも福岡から自動車移動です。そして! なんだか久しぶりだぞ、山崎智也。ちょうど奏恵ちゃんが荷物を降ろしているときに到着し、タクシーの中から挨拶を交わしていた。2010_0524_0114 いったいいつ以来のSGだろうと記憶をたぐり寄せれば、昨年の尼崎ダービーではなかったかと思い当たる。この人がいない暮れの住之江なども寂しい感があったが、こうしてスターオーラを振りまきつつあらわれたのを見ると、やっぱり笹川賞なんだな、と改めて実感する次第である。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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浜名湖です!

Scimg5131 おはようございます。取材班、雨の浜名湖に到着いたしました! 今日はグズついた天候の地域も多いようですが、浜名湖は明日から回復予報。五月晴れのなか、SG笹川賞がアツく始まる!

というわけで、本日はいつものように、前検の様子を現地より取材更新してまいります。

今節もどうぞよろしくお願いいたします!


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笹川賞です!

5月も終盤を迎え、SGロードがいよいよ帰ってきます。

25日から浜名湖で笹川賞が開幕です! 取材班は明日の前検より浜名湖入りし、現地より取材更新してまいりますので、どうぞよろしくお願いします。


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