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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――同期の桜の頼もしさ

2011_0125_0324  ふと整備室を覗き込むと、いきなり目に飛び込んできたレッドモヒカン。やっぱり目立つぞ、西野翔太。これって、プロスポーツ選手にとっては大事なことだよな、うん。
 西野は今日の午後、整備室やペラ室で何度も見かけている。もちろん目立つから視界に入りやすいというのはたしかだけど、つまりは調整作業に没頭していたということもある。レッドモヒカンは気合の証。そして、その通りにピットでも行動している。モヒカンではなかったとしても、ピットでの懸命な姿が彼の気合をしっかりと表現している。
2011_0125_0995  で、そのとき整備室で西野は、金子拓矢、山田佑樹と情報交換をしているところだった。会話の細かい部分は聞き取れないが、話題の中心はやはり地元の西野。それに対して、金子や山田が今日のレースで得た感触をぶつけているようで、明日のための重要な時間を過ごしているようだった。
2011_0125_0364  彼らは、95期の同期生である。同期というのはいつだって頼りになる……というような事象は何度もここで書いてきているが、新鋭王座というのは出場できる世代が狭いため、同期の数は他のシリーズに比べて多いことになる。まして卒業期はキャリアの分だけ出場選手も多いから、その点でもアドバンテージがある。そのなかに水面を知り尽くした地元の人間がいれば、なお心強いわけである。
2011_0124_0993  3人が解散し、それぞれに散っていく。金子がペラ室に向かうのを目で追っていたら、中には古賀繁輝の姿があった。古賀はニット帽をかぶった人と向かい合って座っており、ペラの翼面を指差しながら、アドバイスを送り合っている様子。そのニット帽にはまるっきり見覚えがなかったので、いったい誰と話しているのだ……と場所を移動して顔を覗き込んだら、これが稲田浩二であった。そんな帽子かぶってるの、初めて見たぞ。
2011_0125_0306  言うまでもなく、二人もまた同期の桜である。94期。新鋭王座初出場は、一緒だった。07年。あれから4年、5回目の新鋭王座。稲田は昨年は不出場だったが、ともに王座の歴史をスタートし、もちろんともにその最後を今節、戦う。07年王座デビューの94期といえば岡崎恭裕もその一人で、その一足先にSGウィナーとなった男は今節いない。つまり同期のなかでも王座最古株が稲田と古賀で、二人の組み合わせには特別な意味を見出したくなってしまったのだった。まあ、二人ともそんなことはまるで意識していなかっただろうけど。
 稲田というと、ピットではおとなしいイメージがあったのだが、会話をリードしているのはむしろ稲田のように見えていた。もちろんペラ室に入ることはできないので、窓越しに様子を眺めているだけだが、そこにやや意外に思える光景があったのは確かなことだ。今日は不本意な成績に終わってしまっている古賀が、この時間を経て明日、どう巻き返すのかが見ものになってきた。

 同期といえば、今節は100期生から6人もの精鋭が王座に参戦している。去年のもっとも若い期は99期だったわけだが、今年は103期。しかも昨年の99期は坂元浩仁が唯一の参戦だったのに、1年後にはその1期下の100期生が一気に6人を送りこんできているのだ。100期を頂点にしてそれ以降の期が急速に新鋭戦線を賑わしているわけだ。
2011_0125_0893  その100期の活躍が実に見事であった。何よりもまず、桐生順平の連勝。11Rでまくり差しを決めてピットに上がってきたときには、2Rほどの歓喜は周囲に起こっておらず、関東の先輩たちも厄介な後輩がポイントを伸ばしてきたと警戒しているのではないか、と思えたほどだった。桐生がまた、鮮やかすぎる王座デビュー戦にはしゃいでみせたりはせず、これもひとつの戦いに過ぎないというような落ち着いた表情を見せていたのが印象的だった。この男にとっては、これもまた通過点ということか。すでに大物感たっぷりで、実に頼もしいのである。
2011_0125_0763_2   もう一人、松尾昂明も100期に白星をもたらしている。こちらは6コースからのまくり差し。松尾は今節のメンバー中、6コースからの勝利がもっとも多い男で、まさに持ち味発揮の王座デビュー戦。アウトに構えることになろうとも侮れない存在である。
 桐生と比べれば、松尾には初々しい表情も見えていて、年齢でいえば桐生のほうが下なのに、と少し不思議な感じもする。現時点では外からのレースを選択する一本気なところが、そうした先入観を与えているのかもしれないが。とにかく、明日からも目が離せない一人であるのは間違いない。
2011_0124_0647  100期はほかに、エースモーターを引いた和田兼輔。王座デビューは転覆と苦いものになってしまったが、再起さえ危ぶまれた大怪我を克服して復帰してきた和田だけに、一歩目のつまずきなど充分に乗り越えられるもののはずだ。同じレースを戦った秦英悟も100期生。やまとチャンプの青木玄太も参戦していて、もう一人は永田秀二だ。勝手に「100期アニバーサリーズ」と呼ばせてもらっているが、今節をおおいにかき回してほしいものだ。

2011_0124_0685  12Rドリーム戦。4カド新田雄史が差し切って1着。篠崎元志がなんとか粘って2着となった。全国スター候補選手のワンツー決着。3着は接戦を制した平本真之で……あ、96期のワンツースリーだ! SG戦線をも賑わしてきたこの3人。96期は相当に強力な世代となりそうだな。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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