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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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 ボートレース特集

賞金女王・準優ダイジェスト

クイーンの貫禄

10R
①山川美由紀(香川)06
②中谷朋子(兵庫)  09
③平高奈々(愛媛)  12
④池田明美(静岡)  11
⑤海野ゆかり(広島)10
⑥香川素子(京都)  28

2011_0305_r10_0955  格の違いと言うべきか。1周2マークを回って、かつて女子王座に君臨したふたりのレーサーが一気に突き抜けた。逃げた山川と、まくり差しを狙った海野と。問答無用の1-5態勢。この1-5絡みの3連単舟券を握る人々はこの後もエキサイトするわけだが、「準優」の本質を考えればこの2周目ホームで他の4艇は視界から完全に消えたといっていい。それほど堅牢無比な元クイーンのワンツー態勢だった。レースに関しては、これ以上書くべき言葉が見当たらない。

2011_0305_r10_0974  両者のパワー診断も、今日のこのレースで何かを断言することは難しい。スリットからの山川の行き足は、大方の想定どおりゴキゲンだった。それくらいか。
 一方の海野は展開の利と、自慢のターンセンスを十二分に生かしきっての2着。裏を返せば、正味の足色が測れるレースではなかった。優出メンバーの中に入ればおそらく劣勢、という気はしているのだが……。

銀河王女、覚醒。

11R
①三浦永理(静岡)11
②田口節子(岡山)07
③谷川里江(愛知)08
④寺田千恵(岡山)07
⑤佐藤幸子(岡山)09
⑥土屋千明(群馬)11

2011_0305_r11_1067  今年の準優は、元女王が2人ずつ均等に配分されている。まさか、このレースも谷川-寺田のクイーン決着か? いやいや、レース足抜群の三浦がそれを許さんだろ。などと思っていたら、元女王の進軍に待ったをかけたのは2コースの田口だった。しかも、豪快無比なジカまくり一撃決着! 私のグリグリ◎三浦が、一瞬にしてV戦線から弾け飛んだ。
 やはり、行き足~伸びが足りなかったか……。
2011_0305_r11_1081  引き波に沈む三浦を見ながら、心の中で呟く。スリットは上記のように、ほぼ横一線。そこから、田口に完全に伸び負けてしまった。三浦のエンジンはターンした瞬間から抜群の持ち味を発揮するのだが、田口は待ってはくれなかった。2コース強ツケマイ。三浦の唯一最大の弱点を、ど真ん中から突き刺した。あとは、3コースの谷川が、4コースの寺田が、広い内寄り水面を順繰りに駆け抜けてゆく。元女王と前年女王を引き連れる、ギャラクシー・プリンセス。「もっとも女王に近いレーサー」のひとりである田口は、眩いモンキーターンで独走態勢を築いた。2着は谷川。寺田には、残念ながら連覇を成し遂げるだけの追撃パワーはなかった。
2011_0305_r11_1102  さて、敗れた三浦のパワーばかり触れてきたが、むしろ田口の行き足~伸びを褒めるべきかも。4日目10Rの1周2マークでは、途轍もない鋭角ターンで2艇を抜き去ってもいる。回り足、行き足、伸びともに上位となれば、これはもう節イチ候補のひとつと断言していい。そして、それらのパワーをもっとも有効活用できるのは、3コースだと思う。3号艇の明日は、かな~りうるさい存在になると予言しておこう。
 一方の谷川は、寺田などの後続を危なげなく退けた点は評価できる。日々ピストン交換などの整備を重ねて、やっと上位級まで這い上がったというイメージか。ただ、マクリ屋・谷川が明日の4号艇を活かしきるには、まだまだ行き足~伸びにかけてのパンチ力が足りない、というのが私の率直な感想でもある。

プリンセス・プリンセス

12R 進入順   
①平山智加(香川) 11
②日高逸子(福岡) 15
④鵜飼菜穂子(愛知)20
③水口由紀(京都) 12
⑤魚谷香織(福岡) 09
⑥中里優子(埼玉) 08

2011_0305_r12_1232_2   大本命の平山にとって、もちろん楽なイン戦ではなかった。進入そのものはスタート展示よりやや楽な展開に。元女王2人を横目に、しっかり助走距離をとってコンマ11の鮮やかなスタートを決めたのだが、カド受けの3コース鵜飼が凹んだからたまらない。勇躍、4カドの水口が握る握る。一瞬にしてイン平山の喉元まで迫った。
 が、ここで第2の不測の事態が起きる。2コースの日高まで、豪快に握ったのである。水口の全速まくりと、日高の猛烈ツケマイが完璧にバッティングした。絵に描いたような大競りで、あさっての彼方にぶっ飛んでいく2艇。インの平山にとってはラッキーな競りだった……とは限らないのが競艇の難しくも面白いところ。

2011_0305_r12_1246 彼方に散った2艇に代わって、5コースの魚谷が凄まじいまくり差しで平山の内に飛び込んだのだ。あとは完全に千切れ、焦点は若きスターレースの後先勝負に絞られた。これから何十年もライバルとしてシノギを削るであろう平山VS魚谷の25歳一騎打ち。形勢は内に陣取る魚谷が有利だった。コースの利で、2マークを制圧する。
 これでしっかり回れば、5-1か……!?

2011_0305_r12_1253  我々が思ったように、魚谷も勝利を意識して力が入ったのだろう。ハンドルを早く切りすぎて、わずかにターンマークに接触してしまった。本当にわずかなミスに見えたものだが、そのミスを平山の俊敏ターンと超抜パワーが許さない。渾身の鋭角全速モンキー!ほんのコンマ1秒ほどの間に、ライバルを2艇身ほど千切り捨ててしまった。今節の平山はいつにも増してド派手なパフォーマンスが多いのだが、この瞬殺逆転差しはシリーズ随一かもしれない。魚谷のターンミスがアシストした大技ではあるけれど……。1着・平山、2着・魚谷。

2011_0305_r12_1284  平山のパワーは見ての通り、文句のつけようが難しい。すべての足が上位で好バランス。私は2日目から三浦を節イチと主張してきたが、「総合力では平山が上」と途中で認めざるをえなかった。それがちょっと悔しかったけど、三浦がV戦線から消えた今、素直にそれを宣言したい。誰もが知ってることだけど。
2011_0305_r12_1239  魚谷の1マークは展開の利が大きく、あれをもって超抜とは言えない。あの1周2マークが平山との回り足を比べる絶好のチャンスだったのだが……しっかり回ったときのホーム直線のライバル対決が見たかった>< というわけで、「伸びは上位で他は中堅上位レベル」と、私の勝手な推量で書かせてもらおう。

 さてさて、10Rでは2人の元女王が貫禄を示し、11Rでは銀河系が旧女王を引き連れ、この12Rではふたりのプリンセスが元女王たちを置き去りにした。偶然の組み合わせと知りつつ、今日の準優の流れが明日の世代交代を予感させるものではあったな。プリンセスからクイーンへ。明日のファイナルは3人の王女たち(1・3・5号艇)が、新女王戴冠を懸けて百戦錬磨の元クイーン3人(2・4・6号艇)に立ち向かうことになる。(photos/中尾茂幸、text/H)


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