この特集について
ボートレース特集 > THEピット――春うらら
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
ライタープロフィール
カテゴリー
関連リンク
競艇サポーターズ
関連書籍

 ボートレース特集

THEピット――春うらら

   強風が止んで、空は快晴。爽快! 温度計を見ると気温は昨日と変わらないのだが、春の暖かさがいきなりピットに訪れたという気がする。爽快!
2011_0420_0077  装着場で悠々と作業をしている原田順一が、目を細めて「おはようございます」と丁寧に挨拶をくれる。原田自身が、まるで春の陽気のように、穏やかさをたたえているのだ。そう、原田順一は春暖の象徴だ! 今日一番に顔を合わせたのが順ちゃんだったことは、偶然ではないような気がするな。
2011_0420_0786 穏やかな様子なのは、何も原田だけではない。出会う選手みな、緩やかな表情を向けてくれるのだ。山﨑昭生など、難しい顔をしていたのに(たぶん調整の方向性、戦略などについて考え込んでいたと思う)、こちらの姿を認めると、永遠の青年のようにさわやかな表情で、やっぱり丁寧に挨拶を返してくれるのである。昭生さんのような人のことを、ナイスミドルっていうんだろうな。
 まあ、今日だけじゃないですけどね。年輪を重ね、百戦錬磨のなかで己の哲学を築き、今のボートレースよりも激烈な空気の中に身を置き、ときにはケンカ腰で渡りあい、そして徐々にキャリアの仕上げに向かっていこうとする偉大なる先輩たちは、たぶんバリバリの時期はピリピリしていたはずだが、だからこそ今は僕のような若造に対して本当に優しいのだ。今日の陽気がそれを二乗にも三乗にもしてくれる。うーん、爽快です!

2011_0420_0041 2011_0420_0578  そんな空気のなか、黄色い声がピット内に響く。黄色い声といえば、今節はこの人しかいないでしょう。日高逸子だ。この陽気に上気した? あまり聞いた事のない日高さんの嬌声に、思わず目を丸くしてしまった。
 もちろん、一人でワケもなくキャッキャとはしゃいでいたわけではない。日高は試運転を終えていったんボートをピットに引き上げていて、それを出迎えた北川幸典とじゃれ合っていた、というわけ。どうやら足合わせの間にちょっとしたハプニングがあったようで、北川が日高に突っ込みを入れて、日高がキャッキャと謝っている、というような構図であった。ハプニングといっても笑えるものだったのだろう。春のキャンパスではしゃぎ合う大学生のカップル、みたいだったぞ。日高さんも北川さんも、本当に若いっす!
2011_0420_0902 そこに加わって、大人のたたずまいを見せていたのは、久間繁。久間も試運転をやっていて、二人のシーンを見ていたようで、ともに大笑いしていた。大学生のカップルを見守る用務員さんといった感じ?(怒られるぞ)ともあれ、春である。

 岡孝と話す機会があった。バルコニーと呼んでいる場所(写真参照。モーター返納時に海水を落とす真水のプールである)からレースを観戦していたら、やって来たのだ。岡は、なかなか迫力がある風貌だが、実際は本当に優しい。一昨年の鳴門名人戦でも、モニターを見ながらいろいろ教えてくれたことを思い出す。実はこっちがバルコニーにやって来た岡の本命だったJLCの永田磨梨奈キャスターも、昨年の地区選でかなりお世話になったそうだ。今日もレースを見ながら、いろんな話をしてくれる(僕に、ではなく、永田キャスターにね)。そのなかで、「今はもう、ただ走ってるだけみたいな状態だけど……」みたいなことを言うので思わず、初日2日目の2連発ジカまくりは感動した、という話をした。
2011_0420_1106  そしたら、岡孝、照れるのである(笑)。「いやいやいや~、あれはたまたまだからさ~」。たまたまジカまくりを、しかも2連発でやってる選手なんて見たことないぞ。2コースは差しが基本とか言われるなか、にもかかわらず握っていくのは、明らかなる決意を感じさせる戦法である。てなことを言いつつ、岡を煽ると、さらに照れながら言った。
「じゃあ、そういうのをアピールしていきますよ!」
 う~ん、若い! 岡孝、54歳。本当に若いのだ。味わい深く顔をくしゃくしゃにしながら笑う岡孝が、春の日差しを浴びて眩しく見えた。爽快!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
コメント
コメントを書く




※メールアドレスは外部には公開されません