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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――初日は忙しい!

2011_0630_0375  まず、ドリーム戦で赤岩善生が転覆。負傷により帰郷となってしまった。赤岩は、多少のケガであれば絶対に最後まで走り通すというのがポリシーで、「途中で帰って自分に負けた気分になってしまうのが嫌なんです」とかつて語っていたものだった。その赤岩が負傷帰郷。大腿部の外側打撲と発表されているが、おおいに心配される。12R終了後、転覆艇を引き上げる愛知勢や東海勢、さらには川上剛ら他地区の若手の様子を眺めながら、赤岩があらわれるのをけっこう長く待っていたのだが、そのうちに赤岩の欠場のアナウンスが流れてしまった。地元SGが待っているだけに、これをある種の骨休めと前向きに考えて、早くけがを癒してほしい。2011_0629_0985 なお、山本浩次も私傷病のために帰郷。明日からは50名での戦いとなる。
 転覆してしまった選手はもう一人。王者・松井繁だ。今日はどえらい二人が転覆したのだ。松井は、明日も出走表に名前が載っており、ひとまずは大きなケガはしていない。痛いところはあるだろうが、松井の闘志を萎えさせる事態は起こっていないわけだ。
2011_0630_0471 なにしろ、今日の後半の時間帯は延々と試運転を続けていたのだ。実は松井の容態も気になっていて、午後のピットでは整備室やペラ調整所などで松井の姿を探したのだが、水面に見つかって驚きと安堵。その試運転が、いつまでもやめられる気配がなく、すでに巻き返しの態勢に入っているのは明らかだった。弟子にあたる山本隆幸が足合わせに付き合っていたが、その山本がピットにボートを上げたのが11R発売中。松井はさらに遅く12R発売中だったのだから、王者の執念を目の当たりにさせられた気分になった。これが王者の魂なのだ。
 初日ということもあって、何も松井だけが動いていたわけではない。ペラ調整所は、屋外も整備室奥も装着場内小屋も満員御礼状態で、そこで見かけた選手の名前を並べたら全員をあげることになるのではないかと思えるほどだった。
2011_0630_0804  整備室にも選手の姿は多く、今村豊がキャブレター専用テーブルで作業をしている姿があった。整備室の外から見ると、今村は背中を向けていて手元が見えなかったため、実際にキャブ調整をしていたか目視したわけではないが、場所がそういう場所なので、そういうことなのだろう。仕上がっているときの今村はゆったりと一日を過ごすことも少なくないが、そうでないときは途端に整備の鬼になったりもするミスターである。これは11R発売中まで続いていた。
2011_0630_0642  森秋光は、本体を割ってピストンを取り出していた。2本のピストンを手に、部品室に歩いていったから、交換かもしれない。明日の直前情報は要チェックだ。川上剛も本体を整備していて、重野哲之はギアケース調整。複数の選手が整備室で懸命に調整する姿は、SGやGⅠでは初日らしい光景と言える。
2011_0630_0698  試運転を遅くまでしていたのも松井だけではないぞ。芝田浩治は、10R発売中の試運転をギリギリの時間までこなして、ピットに引き上げている。松井や山本より早いじゃん、と思うかもしれないが、芝田は8Rに出走しているのだ。つまり、レースを終えて速攻でふたたび着水し、試運転に向かったということ。こうした動きをする選手はなかなか見かけることはなく、これまで王者とかそのクラスしか記憶にない。
2011_0630_0660  3R1回乗りだった飯山泰も、10R発売中まで試運転をしていた。切り上げてピットに戻り、こちらの顔に気付くと、ヘルメットをかぶったまま、またグローブをつけたまま親指と人差し指で丸を作って見せつけてくる。OKサインだ! 3R後の時間を心行くまで使って調整を続け、満足のいく足に仕上がったようだぞ。明日は……2Rで4号艇がある!(もう1走は8R2号艇)昨年9月の浜名湖周年Vの再現を見たいぞ。

2011_0630_0692  あとは駆け足。ドリーム戦3着の濱野谷憲吾。作間章とならんで控室に戻る際、たぶん作間が「出てますね」とでも振ったのだろう、装着場に響き渡るほどのデカい声で「出てるよねぇ!?」と叫んでいる。たしかに、赤岩と競り合った2周目ホーム、赤岩の伸びが厳しめだったとはいえ、直線のアシは圧倒的に濱野谷が上。それに抵抗しようとした赤岩は転覆してしまったわけで(赤岩が不良航法をとられている。濱野谷も、消波装置にぶつかりそうになったため、ハンドルを切るしかなかったようだ)、H記者の見立ては間違ってなさそうだぞ。
2011_0630_0987  ドリーム2着の岡崎恭裕は、レース後は意外と淡々としていた。昨年の笹川賞を思い出させる緑のカポック、ゲンがいいのだろうか。それよりもこの写真。これ、展示から戻ってきた直後の岡崎だ。中尾カメラマンがレンズを向けると、グローブで目を隠して舌をペロリ。その余裕に脱帽である。
2011_0630_0979  あと、10R1着の桐本康臣がみんなにからかわれてました。2号艇ながらピット離れで抑え込まれて6コースへ。結果オーライ、でいいのかな? 桐本は6コースから鮮やかなまくり差しで勝っちゃったのだ。4カドになるかと思われた(本番は3コーススロー)の福島勇樹が苦笑いを向ければ、白井英治は大声を張り上げながら背中をポンポン。エンジン吊りを手伝った花田和明も、おかしそうに語りかけ、桐本もそうした祝福(なのかな?)に対してバツが悪そうに笑っていた。桐本には流れが来ていると言っていいんじゃないかな。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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