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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――黄色を背負う者たち

2011_0703_0237  1Rのスタート展示が始まる頃、ピット内の装着場には16艇のボートが停まっていた。そのうち14艇が準優組だ。朝のスタート特訓から揚がったばかりでまだ水を滴らせている。
 そのほとんどのボートにプロペラがついていなかった。どの選手も朝乗った感触をもとにペラ調整をしている最中だ。調整室が大人数でごった返している。
 プロペラがついているボートが2艇だけあった。1艇は3R1号艇の篠崎元志だから、このあとすぐボートを水面に降ろして展示ピットに直行することになる。残るもう1艇は池田浩二。シリーズリーダーだ。
 これが何を意味するのかはわからない。朝乗って好感触を得てペラ調整する必要なしと判断したか、もしくは他のペラを調整しているか、おそらくこのどちらかだ。
 今節の池田は初日11R、3日目12R、4日目9Rでペラ交換をしている。6走で3回のハイペースだ。
 池田はとにかくペラ交換が多い。今年でいえば全131走でペラ交換が57回を数える。割合にすると44%だ。これだけペラ交換率が高い選手もなかなかいない。6月の若松周年では5走連続ペラ交換があったし、4月蒲郡周年では6走連続ペラ交換もあった。2、3枚のペラを使い分けるのが池田のスタイル。二刀流、三刀流で艇界を切り裂く。

2011_0701_0293  係留ピットに目を移すと、準優組では4艇のボートがあった。予選2位の濱野谷憲吾と、準優5号艇トリオ、湯川浩司、今垣光太郎、毒島誠だ。
 湯川は1R展示終了後に試運転へ出て行き、山田哲也と足合わせして戻ってきた。そのままボートを陸に揚げて控室へ帰って行く。ペラを外して調整室へ駆け込むそぶりはない。試運転の感触は上々だったようだ。
2011_0703_0720  今垣は発売中になるたびに水面へ出て行く。1R発売中も、2R発売中も、3R発売中も精力的に試運転を繰り返していた。ひょっとすると新品リングでも入れたのかもしれない。なじませるために試運転を重ねるケースはよくある。
 とりあえず間違いなく今日の水面周回数ナンバーワンは今垣だろう。と書いている今は5R発売中なのだが、今もやはり今垣は水面を走っている。
 そういえば今垣の乗っている1号機は、先月の女子リーグで藤崎小百合が節イチ級の破壊力を見せてオール3連対で優出したモーターだ。前節も山田竜一が乗って優出3着に入っている。秘めたパワーを今垣の手腕でどこまで引き出してくるのか。

2011_0703_0813  毒島は2R発売中にペラ調整室から出てくると、小走りに自分のボートへと向かった。慌ただしくカポックを着込んで水面へ出て行く。
 このとき他に試運転艇がいなかったため、水面は毒島が独占する格好になった。毒島は1マークを回ってバック水面で出てくると、そのまま2マークも旋回する態勢に入った。しかしボートがバタついてターンにならない。回転が合っていないのか、大きく跳ねる艇に手を焼いて、ターンの途中でモンキー姿勢をやめざるをえなかった。
 すると2周目を回り終えた毒島は、右手をモーターのほうへ伸ばして何やら調整をいじった。ほんの1、2秒の出来事だったが、3周目に入った毒島の動きはまるで違って見えた。見違えるようにターンが安定し、きれいなモンキーでコーナーを抜けていく。
 これで調整の方向性がつかめたのか、毒島は試運転を終えてピットに戻ってきた。すぐにペラを外してペラ調整室へ向かう。微調整で仕上がりを煮詰めていく。
 5日目午前のピットは、準優5号艇の3選手がよく目につく時間帯だった。黄色いカポックを背負う者たちが、準優でどんな結果を出すのか楽しみにしたい。(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/森 喜春)


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