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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――それゆけ若武者!

2011_0713_0579  空気がざわめいた。「えっ、誰?」と田村隆信が誰に問いかけるでもなく呟く。峰竜太ははっきりとこちらに「誰なんですか?」と訊ねる。
 9R。モニターの隅に「スタート判定中」の文字。スリットで覗いていたように見えたのは、ディフェンディング・チャンピオン。石野貴之だった。
2011_0713_0641  長めの判定のあと、2番の返還欠場が告げられる。その瞬間、田村も峰も溜め息……。連覇の権利を有していた若武者が、初日してその道のりを閉ざされてしまった。
「事故」は選手にとっては他人事ではない。だから、転覆や落水が起こればどの選手も心配そうな顔つきになるし、フライングがあれば田村や峰のように溜め息をつく。真っ先にピットに戻ってきた石野を出迎える近畿勢は、やはり沈痛な表情であり、石野にかける言葉が見つからない様子でもあった。湯川浩司も口を開かない。魚谷智之も複雑な表情で口を閉ざす。ただ一人、石野だけがヘルメットの奥で苦笑を浮かべるのみ、であった。
2011_0713_1224  そうした空気を打ち破るように、石野の肩を叩いたのは松井繁だった。松井は苦笑いで石野に事情を問い、石野はヘルメットをかぶったまま答える。松井の顔にぱーっと笑顔が浮かんだ。そうか、やっちまったか。まあ、仕方ないな。王者にそんなふうに笑顔を向けられて、石野も癒されたように穏やかな笑みを浮かべる。他人事ではない。だから、切ってしまった事情も理解できるし、どうすれば心が軽くなるのかも知っている。それをする役割は、やはり王者だったのだ、ということだろうか。

2011_0713_1059  それにしても、九州イケメン三銃士は仲がいいなあ。岡崎恭裕、峰竜太、篠崎元志である。
 一緒に行動している場面を、この2日間でも何度も見かける。新兵の雑用ともなれば、もちろん彼らが馳せ参じるわけだから、そんなときに視界に3人が同時に入るのはまあ当然である。でも、それにしても、多いんだよなあ、このスリーショット。まぶしく、微笑ましいスリーショット。
2011_0712_1245  蒲郡のピットは、傾斜している。係留所のある水面際が低く、奥に向かってゆるやかな坂になっているのだ。モーター架台の置き場所は、奥のほう。架台には滑車がついているから、水面際のリフト付近に運ぶ際には若手がローラースケートのように乗っかって、リフトの脇まで滑っていったりする。いちばんうまいのは、やっぱり平本真之。蒲郡で走る機会も多いわけだから、慣れてるんでしょうな。巧みにスピードをコントロールし、そしてなめらかにカーブして着地している。ちなみに、どの選手も2台同時に運んでいます。1台ずつ片足を乗せて、ローラースケートみたいに、ということですね。
2011_0713_0784 峰竜太が、なんと4台同時運搬にチャレンジしていた。もちろん無理です。ボートはうまく操縦できても、さすがに架台運搬はまだSGクラスではない。いや、平本でも無理でしょうな。だって、人間の足は2本しかないもの。そんな峰を見て、岡崎がきゃっきゃとからかいつつ、峰から2台を引きはがす。その様子を篠崎がおかしそうに眺めている。こんなときでもスリーショット。若いっていいなあ。
2011_0713_1025  と、その瞬間、架台置き場から猛スピードで滑ってきた男が。湯川浩司だ。ちょっと前までは架台運搬は彼らの仕事だったが、もはややまと世代が大挙してSG参戦する時代。だから湯川はこの仕事をする必要がないのに……三銃士の楽しそうな様子を見て、自分も滑ってみたくなったと見た。久しぶりの架台運びにもたつく湯川は、スピードをコントロールできずにおっとっと。うまく着地できず、バツが悪そうに周囲を見回していた。もちろん三銃士はスリーショットで大笑いしていた。
2011_0713_0224_2   で、日が落ちかけ、周囲に宵闇が迫ってきた頃。具体的に言えば、11R前。ボートリフトの前で三人が輪を作ってきゃっきゃきゃっきゃと大笑いしている。岡崎はあたりを見回しながら、「写真撮られちゃうぞ~」と峰と篠崎を制する。でも、峰と篠崎はさらにきゃきゃきゃっ。岡崎と目が合う。仕方ないなあ、たまたまコンパクトカメラ持ってるから、撮影しましょうか、ご期待どおりに。「ほら~~~」と言いながら、嬉しそうな岡崎。峰と篠崎も嬉しそうにきゃっきゃきゃ。
Cimg5594  何をしていたかというと、峰と岡崎が変顔を作っていたのだ。峰が変な顔をすると、きゃっははは~。篠崎がめちゃくちゃな顔をすると、それヤバ~~~い! いや~、若いっていいなあ。というわけで、峰竜太の変顔をどうぞ。篠崎のもしっかり撮りましたが、「モザイクかけないとヤバいっす~」というので、ひとまずお蔵入り(写真にモザイクをかける技術が私にありません)。たしかに、これがあの篠崎元志かと思うと……ショックが大きすぎて載せられない! どうしても見たい方は、黒須田に貢物を……というのはもちろん冗談であるが、ともかく若者たちは元気ハツラツに猛暑のピットを過ごしているのである。
2011_0712_1172  言っておくが、レースも終え、整備やペラ調整なども終えた時間帯のことである。明日の早い時間帯にはまた、真摯で迫力のある表情を見せつつ、ガチンコで戦う三銃士の姿が見られるであろう。そのギャップがまた若者らしさ。僕は三銃士の発散する涼風のような空気を、ただただ羨ましがりつつ、好もしいものとして眺めていたのである。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT&変顔PHOTO/黒須田)


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コメント

最近なかなか遊べてないですけど、
ココは毎回読ませて頂いてます^^


若いって、いいなぁ。。。
いいなぁ。いいなぁ。


篠崎選手なんて何してもかっこいいでしょっ!
じゃ、貢物は今度芦屋で・・・な~んて^^
あっ、篠崎選手のトークショーと予想会が交互にありますね!
観客数に差がないことを祈ってます。


では、今日も暑いですけど取材頑張ってください。

投稿者: hiyo (2011/07/14 11:49:52)