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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――対照的な8.50

2011_0702_0429  得点率8.50で首位に並ぶ2人、毒島誠と飯山泰。朝のピットで見かけた両者の動きはまったく対照的だった。
 10時すぎにピットに入ると、毒島の姿はすぐに目に入った。係留ピットに舟をとめ、ボートの上に座ってゆらゆらと揺られている。左手にノート、右手にペンを持って何やらメモをとっていた。すらすらとペンを走らせたかと思いきや、ときおり水面に視線を泳がせ、ふと何かを思い出すとまたペンを走らせる。その繰り返しだ。
 なにもボートの上でやらなくてもいいのに……、と思ってみたりもした。目を前を舟が横切ると波が起き、毒島のボートはガタガタと揺れた。彼はバランスを崩さないように身体をカウルに押し付け、踏ん張りながらメモを続けている。降りればいいのに……、とちょっと不思議に思った。
 彼がボートを降りなかったのは、気持ちのベクトルが水面へと向かっていたからに違いない。そう思ったのは1Rの展示航走が終わった直後だ。試運転OKの青ランプが灯るやいなや、彼は素早くカポックを着込み、ヘルメットをかぶって水面へ出て行った。服部幸男と足合わせを1周、赤坂俊輔と足合わせを1周してピットに戻ってくる。シリーズリーダーが朝一番からエンジン音を轟かせて水面を走っていた。この地位を守るにはもう一歩の上積みがほしい。そんな思いを感じさせた朝の毒島だった。

2011_0702_0636  対する飯山の姿は整備室奥のペラ調整室にあった。彼はずっとそこにいた。外に出てきたのは1R後のエンジン吊りの時だけだ。
 今日の飯山は前半カードを4Rで走る。他の4Rメンバー、今垣光太郎や赤坂俊輔、宮武英司らは1R開始前から舟を係留ピットに降ろし、回転を合わせる調整を続けていた。レースに臨む準備としてはこれがスタンダードな作業だろう。
 しかし飯山のボートはいつまで経っても陸の上に置かれいたままで、本人はペラ調整に没頭している。余裕を漂わせるような動きだった。ペラさえしっかり合わせればエンジンは出る。そんな思いを感じさせた朝の飯山だった。
 得点率8.50で並ぶ2人、毒島誠と飯山泰。毒島は7Rと11R、飯山は4Rと12Rに登場する。シリーズリーダーの座を巡る争いは果たしてどんな決着を迎えるのか。

2011_0702_0382  整備室を覗くと重野哲之の姿があった。ここまで1・5・1・2着の得点率7.50で予選7位。上々の位置につけている。
 そんな重野が整備室で本体を割っていた。意外な気もしたが、しばらくその様子を見ていても悲壮感は感じなかった。本体整備というよりも点検か洗浄かといった雰囲気がする。今日は11Rの1回走りになったため、時間がある間に本体をチェックしておこうということだろう。予選突破にはすでに当確ランプが灯っている。きたるべき準優、優勝戦の大一番に向けて着々と準備を進めている印象だった。
 昨年の東海地区選に続く当地GⅠ連覇へ。そして江戸川周年に続く今年2つ目のGⅠタイトルへ。勝ち方を身に付けてきた重野の動きが今後もピットで気になりそうな予感がする。

2011_0702_0204  シリーズも後半戦に入ったということもあり、朝のピットはやや閑散とした雰囲気だった。この段階で整備や調整に走り回る選手はもういない。人影まばらなピットだった。
 そんななかで目立つ存在だったのは瓜生正義か。彼のいるところには常に笑顔がある。装着場で川上剛や池田浩二と話しながら笑い転げていたかと思えば、今度は整備室の中のペラ修正室へ行って花田和明や佐々木康幸と会話に花を咲かせている。もちろん手はてきぱきと作業を続けているのだが、それと同時に口のほうも滑らかこの上なかった。
 そんな瓜生だが前半5Rで5着に終わり、後半11Rで厳しい勝負駆けを強いられることになった。彼の表情はいまどう変わっているのか。それを見るためにそろそろ午後のピットへ戻ろうと思う。(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/森喜春)


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