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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――一番乗りは……

 モーター抽選が終わり、記者席で取材班が話題にしていたのは「今日は誰が水面一番乗り?」。もし西島義則か、田中信一郎がいたのなら、これは鉄板。彼らはいつだって真っ先に飛び出し、まっさらな水面を疾走する。両者が同時参戦なら、「どちらが先か?」で夜のビール代を懸けての勝負が取材班では始まる。第三の選手が一番乗りとなって賭け不成立なんてことはまずない。
2011_0712_0420  しかし、今日は西島も田中もいない。そんなときは誰が一番乗りになるのか……岩崎正哉だった。これはまさしくノーマーク。久々にSG参戦を果たしたこの男が、引き波のひとつもないきれいな水面を駆け抜けたのだった。
 その後、ピットで岩崎を探したが、とにかく忙しそうに係留所と整備室を往復していた。ある意味、時間をもっともたくさん使い切ったのは、この男だったのかもしれない。
 一方、着水が目立って遅かった選手も何人かいる。おおよそ、若い班の選手は着水が早い傾向にあり、それはもちろんスタート練習の順番が先だから。試運転の時間を取るためには、早々に装着を終えて着水する必要があるわけだ。係留所が少ない場では、6班以降は5班のスタート練習が終わった後に着水、というケースもある。つまり、装着場からボートの数が減ってきたとき、たいていの場合は若手の選手が残っていることになるわけである。
2011_0712_1118  だというのに、いつも着水が遅い代表選手が今垣光太郎。モーターを装着する前に納得のいくまでじっくりと点検をし、装着も丁寧かつこだわりにこだわって行なうから、どうしても着水が遅くなるのだ。蒲郡は係留所が多く、全艇が着水しても困ることはないから、若手でも早く着水する選手が何人もいるなか、今垣は3000番台の選手ではほぼ最終の着水。これぞまさしく光ちゃんスタイルで、西島や信一郎の一番乗りと同様の鉄板風景だ。
2011_0712_0539  その今垣よりもゆっくりだったのが原田幸哉。こちらもじっくりじっくりと装着作業を進めていた。表情には余裕が漂っていて、まさしくマイペースの動き出し。がらんとしたピットでひとり、ゆうゆうと作業を続けるのだった。なお、他に着水が遅かった3000番台選手は、白井英治、瓜生正義、平田忠則など。そういえば、今垣も白井も原田も、その日のレースが終わると自分のボートをピカピカに磨き上げている選手たちだなあ(全員がそれをやるわけではないのです)。
2011_0712_0981 着水がもっとも遅かったのは3000番台の選手ではなく、やはり4000番台。ふと気づくと、岡崎恭裕、峰竜太、篠崎元志の九州三銃士がラストとなっているのであった。そのなかでは、峰がまず着水して試運転に飛び出し、福岡イケメンコンビがラスト。次に篠崎が着水して、大トリは岡崎なのであった。
2011_0712_0786  おっと、その間に1艇がいったんボートを陸に上げているではないか。前検では相当に珍しい光景なのだが……村田修次だった。経緯はわからなかったのだが、ボートの側面に穴が開いてしまったらしい。遠目に覗き込むと、かなり小さい穴が右後部に見えて、ここから浸水があったようだ。村田がスポンジで操縦席をひとすくいしてぎゅっと絞ると、水がドボドボドボ。よく見れば、村田のズボンはずぶ濡れである。重野哲之が心配そうに声をかけると、村田は苦笑いを浮かべた。
 すぐに艇修理の係員さんが駆けつけて応急修理。なんとか穴をふさぐと、村田は大急ぎで水面へと戻っていくのであった。めげずに頑張れ、ムラッシュ!
2011_0712_1167  そうこうしているうちに、1班ドリーム組のスタート練習とタイム測定が始まった。その時点でもまだ岡崎のボートは装着場に。ここからはエンジン吊りや架台準備など、忙しい時を過ごすことになるため、岡崎がボートから離れる時間も長い。結局、岡崎が着水したのは、6班のスタート練習&タイム測定が始まるころ。着水がもっとも遅くなった前検日、そして陸に上げるのがもっとも遅くなる最終日、なんてどうでしょうか、岡崎選手。

2011_0712_1062  さて、ドリーム戦組。共同会見でもっとも印象に残ったのは、なんといっても池田浩二。
「前検としては久々に感触があった」
 池田が泣いてない! スタンドからはどう見ても噴いているとしか思えなくても、そしてSGを優勝してしまっても、泣きコメントを出すことの多い池田である。しかしいまだ記憶に新しい笹川賞では、強気のコメントを口にして我々を驚かせ、そのまま優勝してしまった! あの節の池田を思い出させずにはいられない、今日のコメントなのである。ちなみに、よかったのは「回った感じ」。あと、「赤岩選手と松井選手がよく見えた」。赤岩は「まずまず。今節に期するもの? いつも通り」と淡々としたコメントに終始していたが、それがかえって決意を感じさせるものに思え、実際はそれなりの手応えを得ているのではないかと推察された。池田の言うとおり。松井は「悪くない」そうです。
2011_0712_1206  あと、中島孝平が手応えを聞かれて、いきなり「う~~~~~~~~~ん」と長くうなり、「という感じです」と苦笑している。中島の引き当てたモーターは評判機のひとつ。でも「いい部類なんでしょうけど、その実感がない」のだそうだ。表情は明るく、質問にもハキハキと答えてはいたが、いまひとつ納得のいかない前検日であった様子。明日は一日、調整に走る中島の姿が見られそうだ。

 会見も終わって、前検の風景を眺める。ピットの温度計は29℃を示しており、風の当たる場所にいれば、それほど暑さを感じない。とはいえ、長袖&ケブラーズボンという重装備で駆けまわる選手たちは、例外なく汗だく。髪の毛が汗で濡れている選手も少なくない。大変そうだ……としみじみ選手たちの動きを追っていたそのとき!
♪フュ~フュフュ~フュフュフュ~♪
2011_0712_0956  涼しげな口笛が聞こえてきた。松井繁! 王者は、エンジン吊りの合間にプロペラゲージをペラ室に運ぶべく控室に戻り、その帰り道に口笛を吹きながらあらわれた、のであった。若松周年、グラチャン、浜名湖賞と3節連続で松井の姿を見ている。そのすべてで(浜名湖賞は途中帰郷してしまったが)、松井はゴキゲンに見えた。王者の口笛……今節もゴキゲンだ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)


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