この特集について
ボートレース特集 > THEピット――夕方のムードメーカー
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
ライタープロフィール
カテゴリー
関連リンク
競艇サポーターズ
関連書籍

 ボートレース特集

THEピット――夕方のムードメーカー

2011_0703_0833  夕方のピットは人影も少なくなって静寂に包まれる、のが普通だと思っていた。日ごろ女子リーグをメインに取材しているが、いつも賑やかな女子戦でさえ夕方のピットは静かなものだ。10R頃になれば試運転やペラ調整に走り回る選手は減り、装着場に人っ子一人いないことだってざらにある。それが普通だと思っていた。
 ところが今日のピットは賑やかだった。屋外のペラ調整室からしきりに笑い声が聞こえてくる。峰竜太、古賀繁輝、赤坂俊輔の九州勢が輪になってペラを叩きつつ、視線をある男に向けながら笑顔を見せている。その先にいたのは頭にタオルを巻き、ベンチに鎮座している山地正樹だった。
 昨日の黒須田先輩の記事に「ミスターショッキングピンク・山地正樹」の話が書かれていたが、実際にピットで見ているとまさに書いてあるとおりだった。彼がピット内で誰かを見つけるとすかさず声を掛け、爆笑の渦に巻き込んでいる姿を何度も目にした。そして夕方には九州勢が格好のお客さまと化したわけだ。峰が、古賀が、赤坂が、静寂を打ち破るような笑い声を幾度もあげていた。正直なところ山地がこんなキャラだとは知らなかった。彼はピット内のムードメーカー、エンターテイナーのようだ。
 残念ながら山地は得点率5.672011_0703_0601の予選23位であと一歩及ばず敗退となった。次回の記念に期待したい。
 と思ったが今後の斡旋を見ると、児島、蒲郡、宮島、下関と一般戦ばかりが続いている。山地は昨年10月に江戸川周年で記念初優出をマークしたが、その後記念斡旋が増えたとはいいづらい。今年走ったGⅠは6月の福岡周年と今節の2節だけだ。SG出場はまだ一度もない。
 11期連続A1という実績がありながらこれだけ記念斡旋は少ないのはなぜ? 今年5優出1Vで勝率7点オーバーと好調なのになぜ? と疑問を唱えたくなってしまった私はどうやらすっかり山地のキャラに魅せられてしまっているようだ。今後しばらく彼の動向から目が離せなくなるだろう。

2011_0703_0261  そんな山地と九州勢の姿に目を奪われていたせいで、その向こう側にもうひとつの人影があることに気付くのに時間がかかった。爆笑の輪に背を向け、壁に向かいながら一人黙々とペラ調整をしていたのは坪井康晴だった。
 坪井は前日得点率19位だったが、今日2Rの1回走りで4着に敗れて勝負駆け失敗。予選25位で敗退となった。
坪井が浜名湖GⅠで予選落ちを喫したのは、06年の周年記念以来で実に7節ぶりのことだ。

 6月に福岡周年優勝、若松周年優出と良い流れを作って地元GⅠを迎えていただけに、この予選敗退は痛恨の極みだろう。表情からも落胆の色が見てとれる気がした。ときおり見せる笑顔も引きつっているような気がした。
 今日夕方に長い時間をかけてペラ調整をしていたのは、明日以降の巻き返しと、次節の蒲郡オーシャンに向けた気持ちの表れだろう。どんな走りを見せてくれるのか注目しておきたい。

2011_0703_0948  さて、シリーズリーダー争いは手に汗握る大混戦の展開になった。こんな時はスタンドで見ながら盛り上がるのが一番だ。残念ながらピットにいるのは得策ではない。ピットでは淡々とレースが進み、淡々と後片付けが続くだけだ。選手たちは自分の作業を黙々と進めている。レース結果に一喜一憂している人はまずいない。
 準優1号艇は池田浩二、濱野谷憲吾、大嶋一也になった。前日得点率4位、5位、6位だった3人がポールポジションに座る。先の読めない展開になってきた。
 そんな中でピット内で勢いを感じるのは大阪勢だ。今日は10Rで湯川浩司が勝って勝負駆けに成功すると、流れを受け継いだ石野貴之が11Rを制して今日連勝のゴールを飾る。見事なバトンリレーだった。
2011_0703_0882  石野はだいぶご機嫌だったようで、エンジン吊りを手伝ってくれた選手に「ありがとうございました」と丁寧に礼を言いつつ、まったく関係ない選手にまで「あざ~す!」と声をかけておどけてみせ、「うるさいよ(笑)」と突っ込まれてみる。2日目まで5・2・5着だったのが3日目から3連勝。ノリノリで準優に臨んできそうだ。
 準優12Rはシリーズリーダーの①池田浩二、前日予選1位の⑤毒島誠、前日予選2位の③飯山泰、ノリノリの②石野貴之、地元の④服部幸男、浜名湖笹川賞の再現を狙う⑥岡崎恭裕とスゴいメンバーになった。間違いなく大一番になる。(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/森喜春)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
コメント
コメントを書く




※メールアドレスは外部には公開されません