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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――ナイスガイ!

2011_1006_0054  今村豊が、にやにやと微笑みながら、松野京吾に耳打ちする。かははは、と高らかに笑う松野。今村のにやにやが、さらに深く濃くなる。ミスター、なんだか嬉しそうだ。松野が今村を指さして、またかはははは。今村がさらににやにやして言い返すと、松野はぷぷぷと噴き出すような笑い。
2011_1006_0944  4月の常滑や、昨年春の徳山でもこんなシーンを何度か見かけたなあ、と思う。それを今、SGのピットで見られるのだから幸せだ! SGでは今村豊とはるかに若い世代との絡みというのは当たり前の光景になっているが、同世代とふざけ合うミスターもやっぱり趣きがある。そして、相手との年の差、世代の差がどれだけあろうが、今村はまるで分け隔てなく接しているのだと、改めて実感させられる。その人柄を目の当たりにできることも、それがミスターと呼ばれる艇界の宝だけに、本当に幸せなことなのだ。
2011_1005_0452  タイプは違うけど、実は同じように誰からも慕われているように見えるのが、守田俊介だ。5年前のモーターボート記念、優勝した中村有裕をかいがいしく世話していた守田。俊介ラブのH記者と「どっちが先輩かわからん」と笑い合ったものだが、つまり守田は先輩後輩の壁を取っ払っているように見えるのだ。今節、久々にこの滋賀コンビをSGのピットで間近に見て、その感想は変わらない。ユーユーと肩を並べているシーンはやっぱり多く見かけられるが、守田のほうがユーユーとともにいることを楽しんでいるように見える。もちろんユーユーも守田の存在を心強く感じてはいるだろうが、にこにこと笑いかけているのは圧倒的に守田のほうが多いと思う。
2011_1005_0550  そんな守田を、他支部の後輩たちも明らかに好もしく感じている。エンジン吊りで近畿地区に笑いが起こると、その中心にいるのは守田だったりするのだ。湯川浩司あたりにツッコミを入れられて、嬉しそうににこにこしていたり。まあイジられているというわけなのだが、イジられ役というのは誰もがなれるものではない。

_u5w2341  1R後のエンジン吊り。三浦永理は6着と大敗してしまった。ピットに戻ってきた三浦はさすがに落胆しており、取り囲む静岡勢も沈痛な雰囲気となっていた。
_u5w2553 そんななかで、佐々木康幸は、まるで自分が敗戦を喫したかのように、顔を歪めていた。ツラくてしょうがない。悔しくてしょうがない。そんな表情で、三浦のボートを押していたのである。三浦と言葉を交わせば、さらに顔が歪む。むしろ三浦のほうが表情が変わらないほどで(硬い顔つきではあったが)、佐々木の他人を思いやる心というのが痛いほど伝わってくるのである。佐々木は悔恨を隠さないタイプで、勝負どころで敗れた後に渋面を作る場面は何度か見てきた。佐々木はそんな表情を、後輩の敗戦に対しても作ってみせる。そんな先輩が身近にいる三浦は、その存在感だけで心にパワーをもらえるはずである。
_u5w2459  三浦もまた、2R後には他人の敗戦で悲しげな顔つきになっていた。田口節子が6着に敗れてしまったのだ。エンジン吊りは地区ごとに行なうわけだが、それが終わると田口の周囲に歩み寄った者たちがいた。三浦、横西奏恵、山川美由紀。今節参戦の女子4人が、自然と輪を作って、田口の大敗を悔しがったのだ。横西が以前言っていたが、SGのピットでは、もちろん同県の先輩後輩、今なら夫の山崎智也がいて、それはそれでパワーになるのだが、やはり女子選手が複数参戦しているのはやはり心強いことだそうだ。今節はそんな仲間が4人。喜びも悔しさも分かち合える盟友がそこにいることは大きい。ボートレースはもちろん個人の戦いだが、こうした関係性が最高のパフォーマンスを生むという面も間違いなくあるのだろう。

_u5w2250  そんなナイスガイたちの様子にしみじみとしていたら、「こんちわーっ!」と爽やかな言葉が飛んできた。ボートリフトへと艇を移動する瓜生正義だった。10mほども離れているこちらを見つけて、声をかけてくれたのだ。こんなに強くて、こんなにナイスガイなのだから、ほんと、まいってしまうな。(PHOTO/中尾茂幸=前半4点 池上一摩=後半4点 TEXT/黒須田)


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