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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――静かな朝

 いやはや静かである。4日目=勝負駆けデーというのは、イメージほどバタバタはしないし、落ち着いた雰囲気であることが多いのだが、それにしても今日はとりわけ静かなピットと感じる。屋根が高く、面積もたっぷりあるという広大な装着場が、そう感じさせるのか。
_u5w2994  モーター音があまり聞こえてこないということも大きい。試運転に出ている選手は少なく、係留所で回転調整をしている選手もそれほど多くない。1R前から3R前までに、はっきりと確認できたのは松井繁のみ。朝の特訓の際にそれを済ませている選手が多いということなのだろうが、だから松井のモーター音はピット内にもはっきりと鳴り響いていた。松井とは回転調整後に控室に向かう際にすれ違ったが、昨日ほどではないものの、ピリピリした王者の空気を感じた。
2011_1007_0090  ペラ調整所にも、選手の姿をあまり見かけない。屋内の調整所も隙間が見つかるし、屋外調整所には石野貴之がひとりポツンと調整していたりする。時間の経過とともに選手の数は増えていくはずだが、朝の段階で満員になっていないのは4日目にして初めてだ。ようするに、SGクラスは4日目ともなれば大きな調整はすでに終えてしまっているわけだ。整備力もトップレーサーの条件である。
_u5w2876  整備室にも人の姿がない……なんてことはない。3日目か4日目に、必ず姿のある選手がいるのだ。最強戦士・瓜生正義だ。瓜生は、モーターが噴いていようがそうでなかろうが、3~4日目に必ずと言っていいほど、本体を割っているのだ。瓜生いわく「点検」とのことである。整備や調整というよりは、悪いところがないかどうかをチェックしているわけだ。しかし、機力が足りないならばともかく、噴いているときにはモーターを触りたくないというのが、選手の意見の大勢なのである。だというのに、瓜生はモーターを壊してしまうのではなんてことはいっさい考えずに、点検する。布などで磨いていることもある。「悪いところがないと確認できれば、安心してレースに行けるじゃないですか」と瓜生は言う。すなわち、これが瓜生の最強ルーティンワークなのだ。
 ということで本日も瓜生はモーター点検。2R後には作業を終えてボートに装着、ペラ室へと消えていった。モーターはOK、あとはペラ調整のみ、ということだろう。
_u5w3069  なお、整備室には池田浩二がペラをぴかぴかに磨き上げている姿も。現時点でのトップツーが整備室に揃い踏みしていたのも興味深いことだった。池田の表情は明るく、その後には平本真之と談笑するシーンもあった。

_u5w2076  というわけで、朝のピットでの大きな動きといったら、これくらい。あ、中野次郎がペラに焼きを入れたあと、水道水で冷やしているシーンを見かけたんだった。その作業過程はかつて取材で聞いたことはあったが、SGのピットで見たのは初めてじゃないかな。しゅわしゅわしゅわ~とあがる水蒸気の向こうに、中野の真剣な表情があった。
2011_1007_0610  で、もっとも気合を感じた選手として井口佳典をあげておきたい。ヘルメットのシールドを交換していたが、その表情があまりに鋭すぎて、その後にすれ違ったときにも声をかけるのをためらってしまった。こちらに気付くと、コンマ05くらい微笑を見せてはくれたが、これは賞金王制覇のときの雰囲気に非常に似ているのだった。今日は12R1回乗りだが、朝から戦闘態勢が完全に出来上がっていると見た。(PHOTO/中尾茂幸=石野、井口 池上一摩=それ以外 TEXT/黒須田)


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