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ボートレース特集 > 平和島ダービー優勝戦 私的回顧
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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平和島ダービー優勝戦 私的回顧

瓜池時代

12R優勝戦
①池田浩二(愛知)11
②井口佳典(三重)11
③篠崎元志(福岡)15
④太田和美(奈良)15
⑤峰 竜太(佐賀)14
⑥須藤博倫(埼玉)13

2011_1010_r12_0489  1周バック直線、200mまでのマッチレース。池田が逃げて、井口が差した。スタートでこの2騎に主導権を握られた他の4艇は、長い西日が作る影さえ踏むことができなかった。
 池田か、井口か。ターンマークの出口、井口の舳先が入りそうに見えた。平和島のバックは、内がよく伸びる。F休みで大村チャレンジカップの権利がない井口にとって、この200mが賞金王への勝負駆け。舳先が入れば当確ランプが点り、そうでなければ背中の寒いボーダー争いに巻き込まれる。

2011_1010_r12_0507  入ったか、と思った瞬間、池田の艇がスッと伸びた。今節の池田の足は、この部分が出色だった。出足と行き足の中間、レース足と言われる部分だ。「全部がいい」と自信満々だった井口だが、この賞金王へとつながるパワーだけは池田よりわずかに劣った。本当にわずかだが、この勝負どころでは痛恨の差となった。

2011_1010_r12_0510  虚しく舳先が抜けた井口は、艇を外に持ち出す。まだまだ2マーク勝負もありえる1艇身差。しかし、相手は池田浩二だ。2マークを慌てず騒がず、精緻かつスピーディに旋回して第58代目のダービージャケットを手中にした。実質、あの200mで雌雄が決したと言っていいだろう。
「瓜生さんがいないのなら、僕のもんでしょ」

2011_1010_r12_0527  昨日の準優、私はそんなト書きを池田の背中に与えたが、今日はより大きな声となって私の耳に響いた。わずか4カ月半の間に、笹川賞を池田が獲り、グラチャンを瓜生正義が獲り、MB記念を瓜生が獲り、このダービーを池田が制した。ふたりの心技体機の充実ぶりは、まさに『瓜池時代』と呼ぶに相応しい。今日の優勝で池田はSG6V。5Vまで並ばれた瓜生を、またひとつだけ突き放した。
 先頭・池田、2番手・井口、3番手にはシリーズ前半の主役だった太田。縦長の3艇に、さらに後続も千切れて舟券の紛れはなくなった。残り2周、124を買っていた者は勝利の余韻に浸り、そうでないものは帰宅への準備をはじめる2周となった。後者の私は、はるか後方で競り合うふたりの若者をぼんやり見ていた。

2011_1010_r12_0570  峰が篠崎にツケマイを食らわし、篠崎がそれを弾き飛ばそうとしている。賞金王へ1円でも加算したい若武者同士の、ガチの競り合い。差し合いではなく、とことん握り合っているところが気持ちいい。この4着争いが、いつか先頭争いになる日が来る。予感ではなく、そう確信できるマッチレースだった。とりわけ、峰リューの握りっぷりの気持ちいいこと。
「いいねぇ、この勢いで太田に追いついたりして」
 私は隣の濱崎憲吾郎(友情出演)にこう言って、笑った。その差は、5艇身ほどか。単独の3番手を行く怪物モーターに、ガチンコ競りに明け暮れている峰が届くわけがない。

2011_1010_r12_0592  最終ホーム、池田が美しいモンキーの航跡を描いて還ってくる。拍手、拍手。池田がガッツポーズでそれに応えて、今年のダービーは完結した。そう思った。が……。
 ウオオォォ!!??
 1マーク寄りのスタンドに、地鳴りのような音が響いたのはその直後だ。あるいは、今日いちばんの音量だったかもしれない。それは勝者を称える音ではなかった。怒声驚声罵声悲鳴……今までゴール後に聞いたこともないような、負の音だった。私も、電光掲示板を見て驚きの声を挙げた。
125
 着順ボードに、こう記されている。まさか……私は、誤って4を5と掲示したのではないか、と思った。払い戻しへ、自宅へと向かうはずのファンの足が、すべて止まった。レースリプレイがはじまった。大音響が、静寂に変わる。が、リプレイにそのシーンは映らず、またスタンドは騒然となった。
2011_1010_r12_0610  私がこの原稿を書いている今も、何が起きたのかわからない。その大逆転の真相を、推測で書くこともしたくない。とにもかくにも、予選からパーフェクトVまで予感させた太田50号機は、最後の最後に舟券の対象からも消えてシリーズを終えた。
 新怪物君×怪物モーター=?
 この解答を伝えるには、あまりにも寂しい結果になってしまった。(Photos/中尾茂幸、text/H)


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コメント

こらっ、H!

押さえとはいえ、124のトリガミ舟券を握り締めていた私に要らぬ囁きをしやがって
(><)

125になっちまったではないかっ!

こらっ!Kちゃん!
「峰くん、ペラ叩き過ぎてヤバくなってるよ」
要らない事前情報はやめてくれよ!

1-流し-5を買おうと思ってたのに買えなかったぢゃないかぁ!

ってなわけで、今節も取材班の皆々様、おつかれさまでした
m(__)m

楽しい記事をありがとう!

また大村でっヾ(=^▽^=)ノ

投稿者: 濱崎憲吾牢 (2011/10/10 19:46:59)
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