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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――穏やかすぎる!?

2011_1008_0099  山川さん、と王者が声をかける。振り返り、あぁ、と王者に近寄る讃岐の女王。すると、王者はぷりりっとケツを突き出した。そのケツを撫でる……ではなく、王者が乗艇ズボンのケツに突っ込んだタオルを受け取る女王。だはは、和やか王者と女王だ。
 どうやら松井繁がオリジナルタオルを山川美由紀にプレゼントする約束をしていた模様。別にケツに突っ込む必要はないと思うが、その心安い感じが山川への敬意なのだろう。ケツぷりんの王者もかわいかったし、嬉しそうにタオルを引っこ抜く山川もかわいかったぞ。
 その山川は、言うまでもなく、今日は準優勝負。しかし、松井とのやり取りが象徴するとおり、まるでカタくなっている様子はない。百戦錬磨とはいえ、かなり久々のSG準優だ。ひまひまデータさんによると15年半ぶり! 多少は緊張感に包まれていてもおかしくはないが、その後も横西奏恵や田口節子らと弾けるような笑顔で談笑しており、穏やかな準優の朝を過ごしているようだった。
 で、この山川の様子は、全体の様子を象徴しているとも言えた。非常に落ち着いた雰囲気の準優朝ピットなのだ。気温22℃、暑くもなく寒くもない、実に快適な気候のせいもあるのだろうか。なんか、「実に穏やかなピットでした」で原稿を終わらせたくなるほど、こちらもすっかり和んでしまう朝なのである。
2011_1008_0020  装着場の真ん中では、篠崎元志が最高の笑顔を見せている。モーターを装着している瓜生正義のそばで、その大好きな先輩と実に楽しそうに歓談しているのだ。瓜生が若手たちの精神的支柱となって福岡支部は大躍進を果たしている――という解釈は当然できるわけだが、今日はひとまず篠崎の楽しげな表情に癒されるのみだった。
_u5w4170  今村豊も実にいい笑顔。まあ、ミスターは愉快そうに、もしくは悪戯っぽく笑っていることが多いのだが、この涼やかな空気のなかではそれもひときわ目立つ。市川哲也とはモーターに関する話もしていたようで、時に真剣な表情ものぞいていたが、すぐに笑顔になって、市川の腰のあたりを軽く叩いたりしていた。
2011_1007_0906  笑顔が目立ったわけではないが、石渡鉄兵の淡々とした様子も、この穏やかな空気に妙に溶け込んでいた。もはやSG準優は当然の存在となってきた石渡だが、いつでも優しくすっきりした表情で、感情の揺れをあまり感じさせないたたずまいを見せていた。そうした選手については、「いつもどおりに淡々」なんてメモするだけで、強く気に留めるのを忘れがちになってしまうものだが、今日はそんな石渡が実に印象に深く食い込んできたのだった。些細なことですぐに感情が揺れ動いてジタバタしてしまうワタクシにとって、石渡の風情はひとつの理想である。
_u5w4406  理想といえば、須藤博倫の様子も本当に理想的だと思う。常に笑顔を絶やさず、先輩とも後輩とも分け隔てなく接し、我々報道陣にも快く向き合ってくれるヒロリンは、最高にデキた人だと思う。そのうえ、SGでも常に優勝争いに絡んでくるほど強いのだから、チャーリー池上が「ヒロリンみたいになりたい」と言うのも当たり前なのである。というわけで、今日のヒロリンも実にやわらかく、今朝の風景に実に似合っていた。そろそろ、優出を見てみたいと思うがどうか。

2011_1007_0786  そうしたなかで、準優組の「ややカタい?」をあげると、まずは吉田拡郎。カタいというより、早くも臨戦態勢を整えている感じで、少しだけ話をしたのだが、口調からはすでに気合がほとばしっているように感じられた。昨日のレース後、本体を外していたので、それについて尋ねてみると、ピストンのカーボンを取り除いていたとのこと。それもまた整備のうちには違いないが、予選を終えて次へのステップへと万全で臨むための準備であろう。「伸びてくれるといいんですけどねえ」と笑ってみせたが、丁寧な仕事が奏功すれば、4号艇のカクローというのは脅威である。
_u5w4794  もう一人は、今垣光太郎。1R展示後、係留所にすでにボートがつけられていた。場所は定位置であるいちばん端っこ。朝から完全に戦闘モードなのだ。しばらく様子を眺めていたが、調整というよりはボートを磨いている時間が長かったように思う。陸に上げてやってもいいようなものなのだが、準優日や優勝戦の日の早々の着水も光ちゃんのルーティンである。もちろん、そこには光ちゃんなりのこだわりがあるのだ。エンジン吊りの際に表情をうかがうと、眉間にシワが寄ってもいたぞ。6号艇とか18位とか、それを先入観にしないほうがいい。一発は充分にある雰囲気だ。
2011_1007_0273  なお、もう一人、着水を早々にして調整を始めていたのは松本勝也。こちらは陸の上では勝野竜司や魚谷智之と笑い合っていた。
 あと、峰竜太がカタく見えるのはいつものこと。それでも、今までに比べればずっとやわらかな雰囲気に思えた。

_u5w4928  いったんピットを離れたのは3R前のこと。エンジン吊り以外で姿を見なかったのは、井口佳典、石野貴之、木村光宏、寺田祥、池田浩二、平尾崇典、魚谷智之、太田和美、中野次郎といったあたりか。記述した山川や須藤、今村、篠崎といったあたりも同様だった。篠崎は、ペラを叩いている峰の横でただニコニコしていた、なんてシーンもあったし。こんなにも、準優組の姿を見かけないのも珍しいのではないか。おそらく3Rが終われば、一斉に始動し始めることだろう。あえてそれを確認せずに、ピットを後にしたという次第であります。(PHOTO/中尾茂幸=山川、篠崎、石渡、吉田、松本 池上一摩=今村、須藤、今垣、太田 TEXT/黒須田)


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