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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THE ピット――優勝できますように。

_u5w5799_2 「優勝できますように。」
 優勝戦メンバーのボートにつけられたカウルには、それぞれのサインが書かれていたが、峰竜太のカウルには、サインの横にそう書かれていた。絵馬に書く願い事のようだが、そのまっすぐさが、いかにも峰らしい。文末に「。」まで付いているのがなんとも丁寧だ。
 その峰は、1R前後に整備室の隅っこでプロペラを磨いており、やや神経質になっている感じがしたうえ、少し眠そうにも見えたものだ。それでも、勝ちたいという気持ちの強さはひしひしと伝わってくる顔だった。

_u5w5904_2  峰とは対照的に、自然体に見えたのが篠崎元志と須藤博倫だ。
 篠崎は、1R前に屋外ペラ作業場に現われ、腰をおろしたかと思えば、すぐさまカンカンカン!
 落ち着きがないとかそういうわけではなく、やろうと思っていた作業を何のためらいもなく、そのまま始めた感じだった。
 その後、福岡勢のエンジン吊りを手伝っているときなども常に笑顔を浮かべていて、彼にとってはすでにSG優勝戦が委縮する舞台ではなくなっているようにも思われた。

_u5w5877_2  須藤は1R前からペラ小屋で作業をしていたが、その後、装着場のボートの傍へと移動すると、馴染みの記者と立ち話を始めた。
 その様子がとにかく自然で、なおかつ話が長かった。自分の近況を振り返って話していたようだが、本当に普段どおりといった印象だ。
 常日頃から「10年来のヒロリンウォッチャー」だと言っているチャーリー池上カメラマンに「どう思う?」と聞いてみると、「いたってナチュラルですね」との言葉が返ってきている。
 チャーリーは、峰のカウルに書かれていた文字も最初に見つけた目ざとい男なので、私の受けた印象に間違いはないのだろう。

_u5w6005_2  ちなみに、1Rのエンジン吊りがひと段落ついたあと、瓜生正義と峰、篠崎、須藤が固まってジャンケンを始め、みんな笑顔になって歓声をあげていた(写真に写っている池田浩二は傍観者)。
 なんだ、なんだ?と思っていたら、NIFTY主宰・クロスダーマンがすすすっと峰のもとへと寄っていき、何のジャンケンだったのかと聞いてきている。それによると、本当になんでもないようなジャンケンで、私たち一般人の感覚でいえば、ジュース代とかタバコ代をかけたジャンケンのようなものだったそうだ。それにしては歓声がやけに大きかったのがおかしい。そのときは峰も普通に楽しそうにしていたものだ。
 ……ちなみにこれとは関係ない話だが、1Rで4号艇・山口達也がまくりにいって、まくり切れずに下がってしまうと、屋外ペラ作業場&喫煙所周辺からは大きな悲鳴が上がっていた。山口は今節がSG初出場。新兵の仕事に走り回って過ごしているが、水神祭はあげられていない。そんな若者の果敢なまくりを見せられて、みんなが「よし、いけ!」という気持ちになったのだろう。そこに岡山勢はたぶんいなかったと思うが、だからこそ、選手たちのやさしさが強く感じられたものだった。

_u5w5956_2  優勝戦メンバーの話に戻すと、池田浩二もやはり、優勝戦1号艇に乗っても、普段と変わるようなところはまったく見られなかった。
 すでにこのポジションが当たり前のようにもなっているのか!?
 2Rのあとのエンジン吊りのため、ペラ小屋から出てきたときなどは、両手を後ろに組んでのんびりした様子で、盆栽を見ている老人のような佇まいになっていた。その動きが、そうだったということで、顔がそうだったわけではない。念のため。

_u5w5812_2  井口佳典は、午前中はペラ調整に集中していた。
 篠崎のペラ叩きがカンカンカンなら、井口のそれは、コツコツ、コツコツ……。
 きつつきのような感じで、小さく細かくペラを叩く。
 これも選手それぞれの個性とやり方というものだろう。井口はいつも、こんな感じでペラを叩いているように思う。
 ペラの叩き方だけでなく、その表情もいつもどおり……。いや、SGでは久しぶりのビッグチャンスを掴んだわけだが、それによって緊張を強くするのではなく、逆に、好調時の井口に戻ったようにも感じられたものだ。

_u5w5914_2  エース機を駆る太田和美に関しては、エンジン吊りに出てきたときくらいしか、その姿を確認できなかった。
 エンジン吊りが終わったあとは、松井繁と並んでゆっくり控室に引き上げていったので、慌てて作業をしようとしているような様子はまるでなかった。
 成績に関していえば、3日目までのピンラッシュの勢いが4日目に止まったかたちだが、本人としてはその手応えは変わっていないのではなかろうか。
(PHOTO/池上一摩 TEXT/内池)


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