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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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 ボートレース特集

新鋭王座・準優 私的回顧

ルール改正を望む!

10R 進入順 
①深谷知博(静岡) 06
②池永 太(福岡)  04
③西村拓也(大阪)  30
⑥坂元浩仁(愛知)  25
④上野真之介(佐賀)16
⑤奈須啓太(福岡)  08

2012_0128_r10_0879  内2艇がスタートをバチッと決めた。私が期待した西村は、完全に起こしのタイミングを逸してドカ。前付け4コースの坂元も合わせきれない。極端な中凹みでダッシュ勢にもチャンスがあるか、と思ったが、5カドの上野もゼロ台Sの奈須も、まったく届かなかった。バック直線は深谷か池永か、池永か深谷か、という一騎打ち。差した池永が力強いレース足で深谷を捕え、2-1態勢が確定した。今日に関しては、池永の仕上がりが深谷を上回っていた。

2012_0128_r10_0828   では、明日は……? 残念ながら、この2艇のマッチアップは実現しない。レース後、深谷の待機行動違反による賞典除外がアナウンスされた。レースリプで見てもよくわからないが、法に抵触したのは「右転舵」。私の想像では、ホームに舳先を向けた瞬間、左ハンドルを切りすぎてネトロンに向かい、舳先がぶつかりそうになったのでチョロっと右に切った。そんな風に見えないこともない。
 まあ、これは事実なのだろうし、それを罰する規則があるのだから仕方がないともいえる。だが、アナウンスを聞き、リプを何度か見て、浮かんできた言葉がある。

 立ち小便で、死刑か!?

2012_0128_r10_0868  巷の法律には軽犯罪と呼ばれる部類のものがあって、その中でも特に軽いモノは看過されることが多い。まだ若かりし頃、私は何度か立ち小便を警察官に見つかったが、「ちゃんとトイレでしろよ~」とか、「本当は罰金だぞ~」とか笑いながら言われるだけだった。今日の深谷のアレがレースに与えた影響は、立ち小便が世間に与えるのと同じ程度のものではないのか。そんなレベルの“軽犯罪”で、シリーズを牽引したひとりが、ファンの誰からも批難、批判されないようなミスで大舞台から消え去った。大半のファンはなんだかんだ言いながら、優勝戦を楽しみに毎日せっせとボート場に足を運んでいる。当然、シリーズの主役のひとりだった深谷の明日を、楽しみにしているファンも多々いたはずだ。その名前が、意味もわからず優勝戦から抹消されている。そんなボートレースでいいのか、と私は思わずにいられない。
 軽犯罪でも、犯罪は犯罪。
2012_0128_r10_0863  それは重々わかっている。今日の裁定は、仕方がないのだ。警察官によっては、立ち小便でも罰金を取る人もいるだろう。それは、実直な正義でもある。だから、ルールにオプションを付けてほしい、と言っている。レースそのものに悪質、または著しい影響を与える右転舵と、そうでないもの。実際に右転舵によって大きな利益を生んだものと、ほとんど影響がなかったもの。それは、プロの審判員の目にはわかるだろうし、ある基準値を設けて判断すればいいことだと思う。そうすれば、きっと罰則をとられるケースは、一般のファンにもはっきりクロとわかるはずだ。そして、立ち小便のごときケースは厳重注意などに留める。
 面倒なことを書いているようだが、面倒でもやってほしい。今日のような準優でソレを取られると『賞典除外』というとてつもない厳罰になってしまうのである。深谷知博にとって、念願のGI優出という嬉しい日が、優勝へと夢が膨らんだ瞬間が、一瞬にして最悪の瞬間になってしまった。深谷のこれからの人生に多大な影響を与える事件が起きた。その決定的な事件が……アレなのだ。明日、優勝戦でアレをやっても、わずかな事故点だけで栄冠と名声と賞金は手にできる。深谷は今日だったから、準優だったから、奈落の底に落とされた。こんな哀しい不平等なヒエラルキーは、あってはならない。そして、立ち小便が死刑であってはならない。だから、ルールを緩和すべきだ、と私は言う。深谷クン、お疲れさまでした。君のシリーズを通じてのひたむきな走りは、文句なしに優勝戦に値するモノだった。ケイリン界のフカヤトモヒロにも、負けないくらいカッコよかった。私は、心から同情する。

一方的な喧嘩

11R  進入順
①前沢丈史(東京) 04
②前田将太(福岡)  11
⑥里岡右貴(福岡)  16
③松尾昂明(福岡)  08
④村田友也(徳島)  22
⑤大池佑来(神奈川)07

2012_0128_r11_0974  今節の新鋭王座を象徴するレースだった。象徴というより、最高峰のカードというべきか。チルトを跳ねて伸びだけを特化した松尾が4カドに構える。インで迎え撃つは、超抜に仕上がった前沢。どっちもトップ級のパワーで、4カドが利く水面だから、興奮のボルテージも違う。逃げるか? まくるか? 12秒針が回って、さらにヒートアップ。ちょっとした中凹み、直接対決。スタートは前沢、勢いは松尾。そして、その外には、ぴったりと大池がくっ付いていた。
 あ、この感じは……!?
2012_0128_r11_0994  私の中で脳内レースが先行した。前沢と松尾がやり合って、大池が一気に……見えた人は多いでしょう。ただ、前沢と松尾は、やり合わなかった。松尾のまくりを、前沢はただやり過ごしていた。これが、今節の厳罰続きの“効果”だったと思う。前沢は、まくり艇を張ることができなかった。これが、準優だからだ。深谷のように、不良航法という罰則を取られたら一気に賞典除外に。そんなリスクを犯したくないのは、人間の正常な心理だろう。明日の優勝戦だったら、いくらでも……やはりルールに不具合があると思う。
2012_0128_r11_0982  だるまのようにまくられた前沢は、それから立て直して2着以内を目指しに行くことになる。大きなビハインドからのスタートなので、当然、焦る。焦ってハンドルが入りすぎて……無防備に叩かれた挙句の転覆。前沢の哀しさ悔しさは、ちょっと想像もできない。

2012_0128_r11_1028  レースに戻る。勝ったのは、大池だった。松尾はなんの不利を受けずにまくったのに、大池のまくり差しははるかにスピーディーだった。4カドまくりがキチンと仕事をして、連動した選手がマーク差しを決める。昔ながらのいい競艇だった。あの1マークの一方的な“喧嘩”を覗いては。この不幸なルールが存在する時代を憂いつつ、明日の優勝戦では茅原VS松尾がタイマンの“喧嘩”をしてくれることを、切に望む。

5人がかりで!!

12R 進入順
①茅原悠紀(岡山) 04
⑥土屋智則(群馬)  04
②永田秀二(東京)  12
③後藤翔之(東京)  13
④藤田靖弘(静岡)  24
⑤北山康介(神奈川)08

2012_0128_r12_1105  10Rに時間を割きすぎ、記者席で書くべき時間がなくなってきた。まあ、このレースは行った行ったの「ザッツ準優」本命決着。こんなレースは書くことも少ないのだが。
 とにかく、茅原は強かった。100を切る起こしてら、コンマ04の悶絶スタート。まくり艇がきても慌てず騒がず、1マークを外さずにくるっと回って勝利を決定づけた。

2012_0128_r12_1124  前付けから同じコンマ04を決めた土屋にも、拍手。前付け艇の2コースはドカがあるし、インよりも遅れることが多い。が、土屋はしっかり踏み込み、外艇を遮蔽して2着を取りきってしまった。土屋がちょっと凹んで1-34と見ていた私が、甘かった。脱帽。
 とにかく、明日は「茅原VS5人がかり」という優勝戦になるだろう。土屋が前付けに動けば、奈須啓太も黙ってはいない。そうして深くして、混戦のスリットにする。それが、茅原以外の選5手がすべき仕事だと思う。そうでなければ、5人揃って茅原の背中だけを見ることになる。まぁ、3人の地元福岡勢、3人の卒業期生が黙っているわけがないのだけれど。(Photos/中尾茂幸、text/H)


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コメント

深谷選手残念でした。
レースを見て、除外を知り、なぜ?という気持ちでいましたが、彼のコメントを見てすっきりしました。
彼の今後に期待します。

投稿者: じゃりんこ (2012/01/28 21:52:41)

ルールはルール!!
そこを曖昧にしたらあかんやろ!!
進入に関する細かいルールをすべてなくせばいい話。

投稿者: マクリン (2012/01/28 23:16:36)
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