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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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徳山・新鋭王座 準優ダイジェスト

WING to WIN

10R2012_0929_r10_1166
①佐藤 翼(埼玉・105期)   05
②大池佑来(神奈川・101期)11
③松崎祐太郎(福岡・100期)04
④船岡洋一郎(広島・98期) 03
⑤秋元 哲(埼玉・103期)    04
⑥川下晃司(広島・98期)     08

 3対3の枠なりながら、100mを切る起こし。その険しい状況をモノともせず、翼が鮮やかなインモンキーを決めた。スリット付近は、目を瞑ってのコンマ05全速突破。
「神様、お願いします!」

2012_0929_r10_1177  祈りながら握り続けたというから、なかなかの肝っ玉の持ち主だ。この第一関門をクリアしてしまえば、勝利はさほど難しいことではなかった。1マークをくるり回って、自慢の37号機が火を噴く。バック中間で、後続をグンッと突き放す。それなりに慎重に回ったように見えたが、勝ち時計は1分47秒5。今日、はじめて48秒を切っただけでなく、茅原悠紀と岩瀬裕亮がマークした節イチ時計1分47秒6をも凌駕した。この一事だけで、37号機のポテンシャルが計れるというものだ。足に不安なし。あとは、優勝戦のプレッシャーに打ち勝てるか。与えられた艇番は……!?

2012_0929_r10_1232  別格・翼のはるか後方では、ハゲしい2着争いが繰り広げられた。常に優位を保っていたのは、転覆の減点を克服してこの舞台に立った船岡。追いすがる松崎と大池を振り切るチャンスは何度もあったが、どうにもターンがぎこちない。
「足は良かったけど、僕がガチガチ。固まってました」

2012_0929_0802  その通りのターンだった。突き放すどころか、松崎がじわりじわりとにじり寄る。最終ターンマーク、もはや船岡の差しハンドルは自我を失っていた。慌てたように小さく回ろうとして、キャビって振り込んで、みたいな。が、同じく松崎も外から握りきれずにバランスを逸していた。これぞ記念・準優の2着争い。しっちゃかめっちゃかのターンの果て、わずかハナ差で明日へ進んだのは、船岡だった。
 

2012_0929_r10_1184 船岡の足もかなりいい。出足と回り足が強く、混戦で威力を発揮するパワーだ。今日はともかくとして(笑)。ただ、全部がいい翼には、やはり分が悪い。明日はスタートの前に、何らかの戦略を打つ必要がありそうだ。出足をより強烈に仕上げて……。

Go to Revenge!!

11R
①茅原悠紀(岡山・99期) 05
②井上大輔(岡山・99期) 06
③黒井達矢(埼玉・103期)08
④小山 勉(埼玉・102期)17
⑤乙藤智史(福岡・99期) 28
⑥篠崎仁志(福岡・101期)12

2012_0929_r11_1322  枠なり3対3。100mを切った翼に対して、茅原の起こしは120m。この条件で、負ける男ではない。「翼よ、待ってろ!」とばかりに同じコンマ05でスリットを通過し、井上に差させず、黒井にまくらせずの激辛インモンキーで独走態勢を築いた。ほとんどのファンが思い描いた通りの1マークだったことだろう。心技体ともに充実した断然V候補の、至極当たり前のイン逃げだった。

2012_0929_r11_1371  が、気になる点がひとつだけある。独走の周回だったのに、勝ちタイムが1分48秒8。これは、遅い。少なくとも、翼より8艇身ほど劣っている。もちろん、楽勝過ぎて落とした可能性はあるが、気になる材料ではあるな。一昨日あたりから私が密かに思っていた「気配落ち」でなければいいのだが。いずれにしろ、優勝戦組では翼が抜けていて、現状の茅原との差はそこそこ大きいと思われる。

2012_0929_r11_1342  2着は、バック4番手からターンするごとに差を縮め、2周1マークで鮮やかな逆転の差しを決めた黒井。ターンマークを外し、さらに直線で減速した井上に助けられた感もあるが、そのミスを誘うだけの迫力ある追撃だった。どこか突出しているわけでなく、全部が少しずついいバランス型。翼のミニタイプという感じか(それほど大差でもないのだが)。翼がわずかでもミスれば、展開を突いて一気に抜け出す足はある。逆に、よほど隊形に恵まれない限り、カドから一撃でまくりきるのは難しい足でもある。

Best Time to HELL

2012_0929_r12_144512R
①坂元浩仁(愛知・99期) +01
②西村拓也(大阪・98期) 07
③前田将太(福岡・102期) 06
④磯部 誠(愛知・105期)  05
⑤青木玄太(滋賀・100期) 08
⑥水摩 敦(福岡・99期)   04

 坂元の足は、仕上がっていた。私の見立てをはるかに裏切るほど。その根拠のひとつは、場内で発表される周回タイムだ。坂元のそれは、昨日までとは雲泥の36秒17。

2012_0929_r12_1460 本人比較だけでなく、この時計は私が知る限り、断然のシリーズレコードだった。初日からこの周回時計をチェックしてきた私には、確信できることがある。「遅いタイムは信用できない(ちんたら走る選手もいる)が、速い時計は信用できる」だ。今日の坂元の時計は、翼のそれ(36秒69)をぶっちぎっていた。
 こりゃ、逃げるな。
 中堅パワーと決め付けて、予想でも無印にしていた私は脱帽するしかない。レース直前、私が気にしたのは、これから真っ先にゴールを通過するであろう坂元の勝ち時計だった。あるいは、とんでもない数字が生まれるかも、という予感があった。

2012_0929_r12_1493  だが……その数字がボードに刻まれることはなかった。コンマ01秒のフライング、欠場。私は思う。今節、早いスタートを連発している坂元だが、今日は気持ちではなく、パワーがそうさせたのだと。このレース、坂元は残り50m付近で上体を起こし、しばらくアジャストし続けていた。そして、また身体を被せた。十分に保険をかけたはずだ。が、超抜に仕上がり過ぎた出足が、その保険証をも切り裂いたのではないか。優勝戦の1号艇へ……独走態勢に持ち込んだ坂元は、ちょっと首をうなだれてから、それとは違う横道へと逸れていった。

2012_0929_r12_1511  繰り上がりの1着は西村。評判のエースモーターが2日目から徐々に薄目を開き、ついに覚醒した。そんな勢いを感じる足ではある。今日の1マークは、坂元を付け回ろうとしてから、差しハンドルに転じた。そのロスで、一気に坂元に千切られた。最初から決め差しを狙っていたら、どこまで肉薄したかが見たかった。

2012_0929_r12_1516 現状、どれほど強力なのかが判然としない、だからこそ不気味な気配がぷんぷん漂っている。バランスが取れすぎている?翼を破るとしたら、あるいはこんなエンジンなのかも?
 2着は、大混戦の2周1マークで、的確な差しハンドルを決めた青木。繰り上がりで滑り込んだ運と勢いは怖いが、パワー自体は優勝戦メンバーの中ではワーストと言うしかない。今日の2マークにしても、本来なら、大差の3着争いでしかなかったし。枠番のまま6コースから最内差しでは、99%勝ち目はないだろう。船岡同様、青木もスタートラインを通過する前に"何か"をしなければ、V争いに参加すらできないと思う。(photos/シギー中尾、text/H)

2012_0929_r12_1518


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