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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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THEピット――静・準優

Uu5w3231  準優組の姿が少ない。1R展示後にピットに入って一通り歩いて、まずそう感じる。最初に目にしたのは石川真二だが、中尾カメラマンと雑談中。あとは濱野谷憲吾がペラを叩いており、調整の姿を目撃したのは、まずそれだけだった。濱野谷はかなり気合入っているように見えるなあ。それが結果に直結するかどうかはともかく、このところあまり感じることがなかった存在感がある。
2012_1026_0706  係留所には、やはり一般戦組のボートばかりが並んでいたが、そのなかに1艇、「中島」と書かれたボートがあった。装着場にあるボートを見ると、準優組のものも水滴を垂らしたりしているので、朝特訓に出た選手は多かったようだが、そのまま係留所につけたのは中島孝平だけだったようだ。中島はペラ調整を整備室奥で行なっているので、外からの死角に隠れていて姿が見えなかったのか。改めて覗きにいくと、いたいた、中島孝平。黙々とプロペラを叩いている。
2012_1026_1000  やがて、整備室のゲージ加工場が準優組でにぎわい出した。川北浩貴、山田哲也、峰竜太。にぎわうってほどでもないか。早い段階でゲージ擦りを始めた選手はエンジン出ているの法則、というのは新プロペラ制度導入後の傾向なわけだが、この時点でもペラやモーターが優先事項にならないのは、急ぎ調整する必要がないパワーだという証しであろう。ただし、峰は短時間で切り上げてペラ調整にかかっており、これはかなり長く続いていた。ほんの数秒だけ顔を合わせもしたが、頭の中は調整の方向性で占められているようで、言葉を交わしても心あらずという感じであった。たぶん、まだ緊張はしていない。
 ゲージ擦りはその後、鎌田義、篠崎元志も始めている。張り付いてれば、さらに多くの準優組を目にすることになったはずだ。

Uu5w3335  ちょっとした異変と思えたのは、太田和美だ。今節の太田はかなり余裕の表情を見せており、朝のピットで作業をしている姿はここまで一度も見ていない。見落としていた可能性も否定しないが、しかし今日は1R後に整備室入口の調整所で、ペラをチェックしていたのである。主な作業は、ゲージを当ててラインをチェックすることだったが、1度か2度、軽くハンマーを振ってもいる。ここに来ての早めの始動。そこに太田の気合の高まりを見た、というのは考えすぎだろうか。
2012_1023_0786  その太田を眺めていたら、整備室奥のペラ調整所から池田浩二の姿があらわれた。どうやら、完全な死角の場所でペラを叩いていたらしい。実は、池田は昨日も、最後の最後までピットに残って、ペラ調整をしていた。昨日は10R後に出発する帰宿バスに乗れたはずである。記憶が間違っていなければ、今節に限らず、1便で帰れる日にはピットに残らないことのほうが池田には多いはずだ。しかし、昨日は居残って最後まで叩いた。そして今日も早い時間帯から叩いた。池田は今節が最後の勝負駆けである。11月25日という運命の日まで、走れるのは今日と明日だけなのだ。その気合が池田の姿にあらわれている、というのも考えすぎだろうか。

2012_1026_1058 さてさて、そんな静かな準優の朝にあって、大忙しなのは篠崎元志である。何が忙しいって、雑用仕事だ。地元最若手の篠崎には、託される仕事も多い。今朝はモーター架台についている受け皿をまとめて運ぶという仕事をしており、桐生順平の助けも借りて、ピットの隅に運んで積み上げていた。5日目というのは、その日の出走を終えた選手のボートを洗剤で洗浄する日。エンジン吊りと同様、同支部同地区が一斉にとりかかって手際よく進めるのだが、篠崎はそこにも借り出されることは必至。いや、篠崎も自分から積極的に参加することだろう。もちろん、その合間にレースの準備を進めていく。ペラも叩く。場合によっては本体もいじる。試運転だってする。こうした苦労を乗り越えて、若手は大きくはばたいていくのだ。地元で準優に残ったのは篠崎のみ。甲斐甲斐しく働く姿を見ると、応援せずにはいられませんね。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)


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