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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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賞金王トライアル第1戦 ダイジェスト

光艇サプライズ

2012_1221_tr11_1980 11R 進入順
①太田和美   16
②瓜生正義    15
③馬袋義則    19
⑤今垣光太郎 20
④峰  竜太     13
⑥白井英治    14

 地元の太田和美が逃げた。峰竜太がスリットから勢いよく飛び出してはいたが、5コースでは届かない。走り慣れた1マークを冷静に過不足なくターンして、申し分のない逃げを決めた。この航跡は、誰もが脳内で描いたそれと一致したことだろう。

2012_1221_tr11_1922  このレースで観衆にサプライズを与えたのは、やはり今垣光太郎だった。まずは待機行動。ピットアウトで、いきなり1艇身抜け出した。どこをどう調整するのか、この男にはこれがある。スーパーピット離れで、たちまち2号艇の瓜生正義まで呑み込む勢いだ。
 が、ここで逆にガリガリ行かないのも光太郎流。そこからスッと減速し、瓜生と馬袋義則を気前良く招き入れて、自身は4コースから艇を翻した。阿波勝哉などの例外を除いて「ひとつでも内へ」が一流選手の共通語になった現在、こんな待機行動は極めて珍しい。

2012_1221_tr11_1984 今垣は(おそらく)4カドを狙っていた。内へ内へ、ではなく、自分が勝てるコースから行くと決めた。このボート界随一の大舞台であっても。「カド取り名人」なる存在が多数いた昔ならともかく、現在のボート界では、やはり超レアな個性派レーサーだ。私は改めてこの男の斬新さ、ユニークさを再認識した。

2012_1221_tr11_2027  サプライズは続く。太田が逃げ、瓜生が差し、今垣が3番手に付けたバック直線。太田や瓜生の力量を加味すれば、この隊列はおいそれとは変わらないように見えた。むしろ、徐々に縦長になっていきそうな“景色”だった。こういう直感は、SGの最高レベルではほとんど間違えないとしたものだが、今日の“景色”は劇的に変わった。

2012_1221_tr11_2004 内から今垣がぐんぐん伸びて、瓜生よりも先に2マークに到達した。マイシロのないターンを見た瓜生が、すかさず外に開いて差しハンドルを入れる。だが、それが届かない。あっという間に景色が逆転した。実況アナも、今垣のただならぬ実戦足を、驚きの声色で伝えた。これが、今の住之江が誇る34号機だ、と言わんばかりに。
 このレースの主役は、太田和美で文句なし。そして、演出家は水上の魔術師・今垣光太郎だった。やはり、この神出鬼没の個性派がいる賞金王は、面白い。

絶品バトル

12R 進入順
①井口佳典 19
②松井  繁 19
③丸岡正典 24
⑥山崎智也 29
④平尾崇典 24
⑤坪井康晴 27

2012_1221_tr12_2133 公開モーター抽選の選手インタビュー。
松井繁「絶品差しで行きます」
丸岡正典「だったら僕は、絶品まくり」
井口佳典「絶品逃げをするので大丈夫」
平尾崇典「絶品まくり差しで展開を突き抜けます」
 この絶妙のやり取りで会場は大いに盛り上がったが、もちろん、4人の絶品攻撃がすべて成功することはありえない。少なくとも、3人の“絶品”が不発に終わる。
 多くの人々が支持したのが、井口の絶品逃げだった。穴党の私も支持した。それくらい、昨日からの井口の足は盤石に見えた。

2012_1221_tr12_2143 が、本番の井口のインコースは、絶品逃げには遠く及ばないものだった。この失敗の原因を、正確に検証するのは難しい。1マーク手前、まずは同期の丸岡が絶品まくりを狙った。松井の陰からいきなり襲い掛かる、3コース特有の「見えない全速ツケマイ」だ。井口は、この見えなかったはずの丸岡のツケマイに飛びついた。
 本当に、飛びついたのか。

2012_1221_tr12_2093  その判断が、難しい。だとすれば、丸岡の性格と戦法を知り尽くしている井口が、「絶対にマルは捨て身で握ってくる」と確信していて、それだけを警戒して強引に握ったことになる。井口の先マイは、ターンマークを軽く2艇身は外していた。松井に「差してください」と言わんばかりのオーバーターンだった。インが鬼のように強い水面で、そこまで丸岡のまくりを意識する必要があったか。単に、肩に力が入りすぎ、握りすぎてしまったのではないか。現時点の私には、その真相はわからない。

2012_1221_tr12_2153  とにかく、師走恒例?の“銀河競り”が今年も盛大に行われ、その瞬間に絶品逃げも絶品まくりも消え去った。王者・松井の航跡だけが、真っ直ぐに水を噛んでいた。実質的には“ごっつあん差し”のような展開ではあったが、その見た目の華々しさは“絶品差し”と呼ぶに相応しい。
「賞金王を獲るには、機力・気力・テクニックだけでなく、相応の運も必要」
 多くのスター選手の常套句を肯定するなら、王者が4度目の賞金王にググッと近づいた。そう予感させる絶品差しだった。(photos/シギー中尾、text/H)

2012_1221_tr12_2159


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