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ボートレース特集 > シリーズ優勝戦 私的回顧
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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シリーズ優勝戦 私的回顧

脳汁ランナウェイ

11Rシリーズ優勝戦 進入順
①篠崎元志(福岡)11
⑥西島義則(広島)20
②石渡鉄兵(千葉)20
③池田浩二(愛知)12
④湯川浩司(大阪)14
⑤石野貴之(大阪)16

2012_1224_r11_1886  このレースは、2マークで見ようと決めていた。西島義則が動く。抵抗する湯川浩司と石野貴之を振り切って、舳先をスタート方面に向ける。観衆がどっと沸く。歓声、奇声、怒声、罵声……いろんな声が混じっているが、誰もが待機行動の行方を固唾を呑んで見つめている。私も、この進入のカタルシスに酔いしれる。これでも篠崎が逃げるかもしれないし、石野がアウトまくり差しを突き刺すかもしれない。6人に平等に勝つチャンスが与えられた。そんな気になる。

2012_1224_r11_1995  12秒針が回った。枠なりの穏やかな起こしより、スタンドのボルテージははるかに高い。篠崎を応援する者も、石野を応援する者も、より必死に声援を送る。私も◎石渡鉄兵の名前を連呼した。内2艇が極端に深くなった、絶好の3コース。これでスリット同体なら、石渡がまくりきれる。スリットのはるか手前で、脳汁が毛穴という毛穴から噴き出す。
 げ。
 石渡が遅れた。私も含め、石渡を応援した人々の声だけが止む。代わって、池田党が俄然盛り上がった。
「池田や、いってまえーー!!」
「池田や、池田で決まりや!!」
 ところが、シリーズトップ級のパワーを誇る石渡がもこもこと伸び返し、まくりそうな池田に舳先を掛けてしまった。池田党の声が歓声から奇声に変わり、それで途絶えた。
 その後は、1マークまで劣勢にも思えた篠崎党の喜びが爆発した。
2012_1224_r11_2058 「よっしゃ、逃げたーーー!!」
「助かったーーーっ!!」
「ええぞ、篠崎ィィ!!」
 いっぺんに聞こえた。安堵の声が多かった。篠崎党はみんな、まさに固唾を呑んで声も出なかったのだ。
 ここは住之江、1号艇から安心して買えるレースがあっていい。そうじゃなきゃ困るという本命党も多いことだろう。だが、私は大一番であればあるほど、こういう誰もが進入から脳汁が噴き出すようなレースが好きだ。今日のヒーローは、博多の男前ナンバーワンだった。単なる楽インからあっさり逃げるレースではなかった。80m起こしでトップスタート。いいイン逃げだった。こういうイン逃げは、記憶力の悪い私でも忘れないのだ。そして、こういうレースの後では、私は必ずこう思うのである。
 西島がいてくれて、面白かったな。
 今日も思った。おめでとう、篠崎。あれがとう西島。(photos/シギー中尾、text/H)
2012_1224_r11_2040


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コメント

篠っち…SG初優勝本当におめでとう!!
私の隣で『多分、篠っちの最初のファン』と自負する娘が、熱が有るのも手伝ってか瞳ウルウルさせながら画面を見守っていました。
デビュー前からずっと応援してたからね。゚(゚´Д`゚)゚。
良かった良かった!!
ところでH記者!
最終回の今になってきくのもなんですが…『脳汁』っていったいナニ?!

投稿者: 月ちゃん (2012/12/24 21:34:22)
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