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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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速報 準優メンバー決定!

 戸田グラチャンのベスト18、準優勝戦の出走メンバーが決まりました! 1号艇は平石、湯川、智也の3選手。イン受難の戸田水面でどんな走りを見せるのか、はたまた王者・松井や田中信一郎らがどう攻めるのか、実に楽しみなメンバー&枠順になりましたね。

準優勝戦

10R

①山崎智也(群馬)
②鳥飼 眞(福岡)
③田中信一郎(大阪)
④菊地孝平(静岡)
⑤今村暢孝(福岡)
⑥井口佳典(三重)

11R

①湯川浩司(大阪)
②吉川元浩(兵庫)
③西村 勝(埼玉)
④飯島昌弘(茨城)
⑤田村隆信(徳島)
⑥吉田弘文(福岡)

12R

①平石和男(埼玉)
②松井 繁(大阪)
③石川真二(愛知)
④瓜生正義(福岡)
⑤藤丸光一(福岡)
⑥坪井康晴(静岡)


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今日のベスパフォ~♪3日目

 今日は向所浩二がFを切った以外は大きなアクシデントもなく、穏やかな1日でしたね。嵐の前の静けさ、という感じでしょうか。
 そんな中で、くらくら眩暈がしそうな妙な進入がありました。ダッシュ勢の3選手に第3位を捧げます。

2R/世にも奇怪な枠なり

 あれは、妙に蒸し暑い2Rのこと。6人の男たちが、ぷかぷかと水面に浮いておりました。
①徳増秀樹
②作間 章
③秋山直之
④倉谷和信
⑤西島義則
⑥今村暢孝
2007_0628__0134  ただでさえ暑い日なのに、その男たちのむさ苦しさったら。特に④~⑥の中年3人組は、ムンムンとオヤジ臭を発しながら1マークに殺到しています。そう、このレースは進入から超難解でした。専門紙『研究』の進入予想は546123……なんとなんと、内外の3艇が全トッカエになるというSGでは異例の予想でありました。気持ちはわかります。あの中年3人組がいるのですから。
 そして、それから数十秒後、実際の並びはこうなったのです!!!
 123/456……ギャ~~~!!!!!!
 って、ごく普通の枠なり3対3進入なんですけどね。でも、カドの倉谷はじめ西島、暢孝の3人が颯爽と艇を引く姿は……はい、この上もなく不気味でありました。何しろ、この3人の年間の1~3コース数は750回ほど、でもって4~6コースはチョボチョボなんです。それが、仲良く艇を並べてダッシュ戦。不気味以外に言葉が見つかりません。
 レースは淡々と、何事もなく終わりました。中年ダッシュ3人組は内の若者3人よりも遅れたスタートで(そりゃそうだ)、西島が2着、暢孝が3着、倉谷が5着と健闘してましたね。
 はい、それだけの話です。ベスパフォというよりささやかな珍プレーなのですが、こんな進入も内が弱い戸田だからこそ。超レアで不気味なあの光景を、私は生涯忘れることはないでしょう。

 第2位は、これまた戸田らしいエピソードを演じてくれた2選手にプレゼント。

9R&10R/戸田名物「ヌキヌキ2連発!」

2007_0627__0026  何度か書いたことですが、戸田といえば「抜き」です。「まくり」と同じくらい頻発する「抜き」を鑑賞するのが、戸田ならではの楽しみなんですね。今日は芸術的な「抜き」が2レース連続で誕生しました。しかも、それぞれ趣が違う、見ごたえのある作品でしたね。
 まずは9R、インの鳥飼眞は1マークでズッポリ西島義則に差されてしまいました。バック直線の差は約2艇身。でも、戸田の競艇はここからが本番です。しっかりと外に持ち出した鳥飼は、西島が2マークを回るのを待って鋭角な差しハンドルを入れます。普通なら届かないような差しなのに、「魔物が潜む」と言われる戸田2マークではこの差しが面白いように決まるんですね。
 アッという間の逆転劇。これぞ伝家の宝刀、戸田でもっともオーソドックスな「抜き差し芸」であり、「抜き」の大半がこの2マーク差しなのです。
2007_0628__0416  続く10R、今度はインの山崎智也が地元の飯島昌弘に差されました。差は半艇身ほど。戸田水面を熟知している飯島は、しっかりと智也をブロックしましたね。ピッタリと内に貼り付いて、智也のマイシロをなくしていきます。文字通り「抜き差し」ならない態勢に持ち込んだのです。さすが、地元レーサー。
 しかし、相手が悪かった。智也の面倒をしっかり見てから2マークに舳先を向けた飯島は、最後の仕上げとばかりにやや減速しながら差し場を消しました。その瞬間、智也は握ったのです。「戸田の2マーク=抜き差し」という常識を一蹴する強まくり。普通は決まりません。今節も何人かの選手が2マークでツケマイを放ちましたが、ほぼすべて流れてぶっ飛び、逆に着を落とすのが関の山。かの『赤城のスナイパー』『抜きの申し子』秋山直之でさえ真横に流れてバランスを崩しておりましたね。
 嗚呼、それなのに、智也が描いた引き波はものの見事に飯島の緻密な戦略を打ち砕いてしまったのですよ。「抜き差し」を警戒して飯島が落としすぎたともいえるのですが、それだけでは説明がつかないような「抜きまくり」一撃でありました。
 う~ん、とにかく戸田の2マークは面白い。
♪抜き足差し足忍び足、抜き差しならねばまくればよいよい。
 智也の鮮やかすぎる「抜きまくり」の余韻に浸りつつ、私はこんな変てこな作り唄を口ずさんでおりました。

 そして、栄えあるベスパフォ賞は「抜き」ではなく1マーク一撃の「渦潮まくり」を決めた徳島の豪傑に贈りましょう。

4R/狙ったピンは逃さない!!

 初日に原田幸哉、2日目は山崎智也……「どんなに泣きが入っても絶対に軽視してはならない天才」をピックアップしましたが、今日も同じタイプの男が大技を決めてくれました。
2007_0628__0821  4R、4号艇の田村隆信は1日早い勝負駆けでした。昨日まで5・3・5着。田村の予選は6回走りで4日目に2走を残していましたが、ここで4着以下ならほぼ終戦という苦しい状況だったのです。成績だけでなく、パワーも苦しかった。2日目まで競り負け競り負けの繰り返し。引き波を超える力に乏しく、S一撃でしか勝てないような足でした。
 この苦しい状況と田村という男の性格を考えれば、4Rの舟券は意外と簡単に取れたかもしれませんね(←私は勝負駆けをうっかりしておりました)。
 5コース発進となった田村のスタートはコンマ05。SGですから、これだけでは驚くには値しません。ただ、4カド山下和彦のスタートがコンマ24だったと聞くと、「うっひゃあ、やりやがったか!」と感服するしかない。同じダッシュ組ですぐ隣の山下より、1艇身半近く飛び出していたのですから。
 インの菊地孝平もコンマ10の鋭発でしたが、これだけ中が凹んでしまえば孝平の上を叩くのは簡単な作業でしたね。他艇の動向なんぞには一瞥もくれない乾坤一擲のトップS。そういう男なんです、田村は!
 勝負駆けでもいつもと変わらないレースをする選手は多いのですが、田村は明らかに違います。以前、ピン条件の6号艇で観衆をアッと驚かせるイン強奪から、そのまま逃げきったこともありました。ここ一番では展開待ちなど微塵も考えない「自力勝負タイプ」なんです。だからこそデビュー3年目に新鋭王座を獲り、4年目にSG2優勝という偉業を成し遂げられたわけですけどね。今日はその強さ怖さ男らしさを改めて思い知らされました。うっかりしていた私が馬鹿だった!
 明日の田村は1号艇&6号艇で②②条件。厳しい勝負駆けは続きます。1号艇での渾身の逃げ、そして6号艇での奇襲・強襲……とにかく、何もしないで終わらせる男ではありませぬ。パワー不足で不発に終わる可能性もありますが、アタマから狙ってみる価値は十分。舟券は買わずとも、この豪傑のレースっぷりは見逃せませんぞ!!(Photo/中尾茂幸、Text/畠山)


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嗚呼、1-2-6作戦

私たち、下関取材班がグランドチャンピオン決定戦で実行した1-2-6作戦。詳しくは6月20日「H記者のつぶやき」をご覧いただきたいのですが、簡単に言うと、初日1Rから優勝戦まで、72レースすべてで3連単1-2-6を買い続けるというもの。確率的にはグラチャン中に1度は出現し、回収率150%をマークするはずだったのですが……。

グラチャン、1-2-6は1度もなし!

5日目までは100円ずつ、最終日はダブルアップで200円ずつ買い続けたのですが、すべて空振り……。嗚呼、下関の水面に棲息するチヌの餌代となった8400円よ……。全レースが終わり、すっかり所持金を減らしてしまった我々は、新下関の新幹線ホームのベンチにへたり込みながら、発泡酒で寂しい打ち上げをするしかなかったのでした。

次回の桐生でも、新たな作戦を見つけて、勝負します。どうぞお楽しみに!


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山本浩次、まくって圧勝! 優勝戦回顧

DSC00690  小雨模様の曇り空に、陽が差しはじめた。
「どうやったら、松井が負ける?」
「わからん、わからんけど、今村じゃ」
 そんな会話がスタンドのあちこちで交わされている。昨日立ち寄った新下関の居酒屋『どん八』でも若者が2人、松井か今村かで熱い議論を戦わせていた。俺も同じだ。6日間、2人の足色を見ていて、最後まではっきりとした優劣は付けられなかった。だとすれば、イン当確の1号艇・松井繁が圧倒的優位。スリットで同体なら、ほぼ1-2で決まる。
 だが、今村の足には回ってすぐに伸びるという特長がある。松井は3拍子揃った足の中でも、直線の半ばでググッと伸びるのが持ち味だから、今村が松井の内に舳先を捻じ込んでしまえば、バックで立場が替わる可能性も考えられた。もちろん、今村には地元水面の利もある。とにかく、俺はこの2人の対決が楽しみで仕方なかった。松井か今村か、王者かプリンスか、逃げるのか差しきるのか……1=2以外の心情舟券を買いながら、この両雄のマッチレースを待ち望んでいたのだ。
 SGファンファーレが鳴った。スタンドが沸く。シリーズで1度しか流れないこの荘厳な音律を聴くために、今日、あるいは6日間、このスタンドに足を運んだファンもいることだろう。松井か、今村か。ファンファーレが壇之浦の決戦に拍車をかける。
DSC00696  が、湧き上がる歓声は、すぐに不穏なざわめきに変わった。前付けに失敗した6号艇の江口晃生が、回りなおしたときだ。俺も妙な胸騒ぎを感じた。
「こらムッチャクチャじゃ、わけわからんでぇ!」
 前に立っていた白ヒゲぼうぼうの老人が叫んだ。
 実際には枠なりの3対3進入。大騒ぎするほどの珍進入ではない。だが、江口の仕掛けを嫌って内3艇が早くブイを回った分だけ、通常の3対3とは風情が変わる。深いスロー組とダッシュ組がそれぞれ横一線になり、圧倒的にカドが有利な隊形になってしまったのだ。
 すでに追い風に流されている内3艇を尻目に、青いカポックがツーと静かに艇を引く。いまやインコースよりも、4カドがポールポジションといってもいい。俺は昨日の11レースを思い出していた。インから逃げた今村豊を捕えかけた2号艇の足……今村の伸びは怪物級だと思っていただけに、あの黒いカポックの伸び足には驚いた。それが、山本浩次だった。
 12秒針が回ってダッシュ3艇が水しぶきをあげた。まだ、内3艇は艇尾に尻を据えてじっと追い風に耐えている。100をゆうに切ってから、起こしはじめる。苦しい。胸騒ぎが激しくなる。でも、松井も今村も仲口も、出足は超抜なのだ。しっかりとダッシュ勢の猛攻を抑えて、横一線の展開になるはず。その上で、松井と今村が先に仕掛け、さらにこの2強に一石を投じんと他艇が捨て身の攻撃に出る。きっとそうなる。俺は心の中で念じる。
 だが、4カドの利と山本浩次の全速スタート攻勢は、そんな構想を一瞬にして蹴散らした。内3艇はひとたまりもなく青いボートに呑み込まれていった。あっけないほどのハコまくりによる、1マーク決着。やはりスタートを決めた5コースの山崎智也が、山本マークで差し場を探す。その内から、6コースでブイ差しを決め撃ちした江口晃生が突き抜けて、2番手をしっかり確保した。4番手からターンごとに江口を追い詰めていった今村、離れた最後方から執念の追い上げで4番手まで迫った松井。両雄のレース足には鬼気迫るものを感じたが、ブッチギリで飛ばす山本の航跡には遠く及ばなかった。

DSC00691 「さ、帰ろ、帰ろ」と3周目を待たずに水面に背を向ける客、「やった~!!」とガッツポーズする客……俺はそんな慌しいスタンドの中で、ただぼんやり山本のモンキーターンを見ていた。山本浩次、圧勝。6年ぶりのSG制覇を祝福する花火が上がる。
 江口の前付けと回りなおしによって生まれた勝負のアヤ。これもまたSGだ。あるいは通常の進入隊形だったとしても、あの山本の伸び足と全速スタートをもってすれば結果は同じだったかもしれない。山本浩次には素直におめでとうと言いたい。
 でも……でも……やっぱりレースが終わって2時間ほどが過ぎた今も、思うのだよ。
 松井と今村、どっちが強かったのか。本当の本当の本当に見たかったぞっ!!(畠山)


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優勝戦!――戦いの終わった、魂のピットから

 10Rのピットアウトに、突然雨が降り出した。朝の雨は昼前にはやんでいたのだが、大一番を前にまた雨空……。ところが、優勝戦の展示前には再び雨はやみ、展示の最中には一瞬、陽も差した。野中和夫選手会長が「通り雨やったんやな」と、笑みをこぼす。優勝戦! 雨など降っていないほうがいいに決まっている。

DSC00687   展示から引き上げてきた選手たちの様子を一言で言うと、こうなる。

①号艇/松井繁   粛然
②号艇/今村豊   闘神
③号艇/仲口博崇   凛気
④号艇/山本浩次  淡々
⑤号艇/山崎智也  笑顔
⑥号艇/江口晃生  泰然

 山崎と江口は、何事か談笑している。山崎は、優勝戦直前とは思えない笑顔満開。江口も口元をほころばせながら、応えている。仲口は、キッと唇を結んで、気合満点の表情。松井はオーラを発散させながら、悠々と歩いていた。そして、山本浩次はやっぱり淡々。緊張感がないわけではないのに、ムードは普段とまるで変わらない。
 もっとも気迫を感じたのは、やはり今村だった。目つきはさすがに厳しく、締まった頬に闘魂が浮かんでいる。やや下を向いて歩きながら、時折前に視線を移すときの顔つきには、まさしく闘いの神が乗り移ったかのような神々しさがあった。ピットでは、どちらかといえば陽気な今村を数多く見てきたように思うが、優勝戦を間近に控えて100%、戦士としての今村豊になったようだった。
 地元開催のSGなのだから、他の誰よりも思い入れを背負っている。体調の不安も乗り越えた。足にも不安はない。あとは勝つだけ。勝つだけ。勝つだけ! 今村の体が青白い炎に包まれていた……などと言ったらあまりにも劇画チックになってしまうが、たしかに妖気にも似た闘志が今村からは溢れ出ていた。

DSC00706  戦いのときが近づき、いち早く、戦闘態勢を整えたのは松井である。やはりオーラを振り撒きながら、表情ひとつ変えずに、悠然と歩く。これぞ王者の風格だろう。肩で風切るわけでもなく、もちろんトボトボと歩くわけでもなく。松井だけを見ていたら、この男が勝つのは当然のようにも思えてしまう。やはり、松井の存在感、たたずまいは図抜けている。
 江口も、ベテランの余裕なのだろうか、やはり相変わらずの泰然自若だ。ストレッチで体をほぐしながら、出陣の時を静かに待つ。大一番の迎え方を知り尽くしたかのような振る舞いには、一発かましそうな雰囲気がある。筋肉をひとつほぐすたびに、気合が高まっていくようにも見えた。
 今村は、展示から上がってきたばかりのときよりは、落ち着いているように見えた。燃え上がる闘志をいったん沈めて、次の爆発を待っている、そんな感じだろうか。この静けさは、間違いなく好ましいもののはずだった。
 仲口は、力強い踏み込みで、グイッグイッと歩いていた。気合が乗り切った様子だ。ただし……少しばかり入れ込みが過ぎるように見えたのは気のせいだろうか。プレッシャーや緊張感に押しつぶされている様子はまったくないが、どこか肩に力が入っているように思えたのだ。それでも、表情はとにかく凛々しい。ハッキリと、SG初Vを意識していたのだと思う。
 そんな仲口を見ていたら、そばに人の気配がした。ふと振り向くと、10cmくらいの極至近距離を、山崎智也が通り過ぎた。うわっ! ドキドキした。ほんの瞬間、目に飛び込んだ顔つきは、もはや笑顔ではない。戦う男の顔である。心なしか、これまでピットで見かけたときよりも、早足であるように見えた。おそらく、彼の中にも高揚感があったはずだ。こちらも、気合の乗りは素晴らしかった。
 そして……山本はやっぱり淡々としているのだった。

DSC00707  レースの詳細は別項に譲る。山本浩次のカドまくり一閃。レース後、今村が「(1マーク前に)まくられてるのがわかったもんなあ」と呟いたほどの、見事なまくりだった。
 その今村が、意外にもサバサバとしていた。やることはやった。そんな充実感だったのだろうか。勝負は時の運。全力で戦ったのだから、後悔はない。笑みさえ浮かべて、今村はピットに帰ってきたのだった。もしかしたら、眠れない夜となるのかもしれない。一人になって、悔しさをかみ締めるのかもしれない。それでも、レース後の今村はただただアッサリと終戦を迎えていた。敗れた5名のなかで、いちばん最後まで取材に応えていたのも今村である。とにかく、今節はあなたの強さ――そう、選手としてだけでなく、人間としての強さに、心震えました。そして、戦いの後を平常心で迎えられる、つまりはやり残すことなく全力を尽くしきることができる人間力を、心から尊敬します。優勝戦後のピットに今村豊がいたことは、何よりも幸せなことだったと思う。
 仲口、江口、そして山崎は、さすがに悔しそうな表情を見せた。モーターを片付けているときに、不良航法のアナウンスが流れた仲口は、思わず苦笑い。悔しさが入り混じった微妙な苦笑いだった。
DSC00700  そして、もっとも苛立っていたのは、松井だった。険しい表情が一瞬たりとも崩れることがない。太田和美と話している間も、穏やかに話してはいるのだが、眉間には時折、皺が寄る。声を荒げたり、何かに八つ当たりして、悔しさを爆発させているわけではない。ぶつけどころのない怒りにジッと耐えている。そんな雰囲気なのだ。今村とはむしろ対照的なその様子は、明らかに自分に対しての苛立ちだったと思う。1号艇、イン発進、超抜モーター。それなのに……。もしかしたら、王者にだけ許された、特上の苦悩だったのかもしれない。松井繁だからこそ、感じる痛み。松井はモーターを片付けている間中、それを感じていたのだろう。率直に言えば、その姿は怖かった。ド迫力であった。しかし……松井には失礼な物言いかもしれないが、カッコ良かった。素敵だった。なぜなら、そこにはハッキリと絶対王者にしか表現できない何かがあったからである。

DSC00714  ウィニングランを終えて、山本浩次がピットに帰ってきた。……淡々としていた。
 SGを勝っても淡々。ゴールの際にガッツポーズもしていない。とにかく淡々。
 カポックを脱ぎながら、一瞬だけ目が笑った。検査員に「(スタートは)ゼロ台?」と聞いたときのことだ。表彰式の後、記者席で会見した山本は、「昨日、スタートは行くと言ったので、行った。カドも取れたし、あれで行かなかったらボロクソ言われてたと思う。だから、スタート行くことしか考えてなかった。僕は、やると言ったことはやるんです」と語った。何よりも、スタートが関心事だったようなのだ。あのコンマ11秒ほどの、まさしく彼のスリットと同じくらいのタイミングの微笑は、勝利ではなく、有言実行が遂行できたことへの嬉しさだったようだ。
 実際、山本は会見でこう語った。「SGだからって、そんなに嬉しさはなかったですねえ。ガッツポーズをしなかったこと? そんなにグッと来るほどでもなかったし」と、ここでも淡々。いやいや、嬉しくないわけがないでしょう。でも、あくまでも淡々、なのだ。ちなみに「SGであまりいい成績をあげられていなかったので、それに対する嬉しさはある」とのことでした。この勝利で、次のオーシャンカップにもモーターボート記念にも出場が決まったのだが、「ルールあんまりよく知らなくて、さっき聞いたところなんで」と、これまた淡々。まあ、一般的にはクールという言葉のほうがふさわしいのだろうが、僕はやはり彼をミスター不動心と呼びたい。この振る舞いは、誰にでもできることではない。真似のできないオリジナリティを持っている時点で、彼はSG覇者に十分ふさわしい。

DSC00694  さて、最後の最後まで気になる山崎智也。モーターを片付けて、整備室を出るとき、彼は思い切り爽やかに「ありがとうございました!」と叫んで、控室に向かった。もちろん、笑顔だった。うーむ、次のオーシャンカップの不在が残念だなあ。

 ともかく、グラチャンは終わった。今節は、今村をはじめ、さまざまな選手の魂にガッシと心を掴まれた。間違いない。グランドチャンピオン決定戦は、紛れもなく素晴らしい大河ドラマだったのだ。(黒須田守)


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さあ、優勝戦――午前中のピット

6日目にして、初めての雨模様である。気温は下がったが、湿度のせいか、蒸し暑い。ピットも、昨日まで以上にムシムシとしていた。この気象の変化が、どう影響をもたらすか……。

DSC00664 午前中ということで、まだピットに切羽詰った空気はない。今村豊が、ギアケースの調整を整備室でしていたのが目につくくらい。そういえば、今節、今村を整備室で見る機会は非常に少なかった。しかし今日は朝から精力的に動きを見せている。心配された体調も、かなり良さそうだ。

DSC00666 江口晃生は、ペラ室で最後のペラ調整。細かいところを慎重にチェックしている様子が見られた。ナーバスな感じはなく、わりと落ち着いた雰囲気だ。山本浩次は、相変わらず淡々と。どんな状況でもまるで変わらぬ様子とは、彼にはミスター不動心の称号を与えたい。松井繁も、グッとリラックスした表情になっている。大舞台の戦い方を知り尽くした男だけに、朝から肩に力を入れても仕方ないということをよく知っているはず。ここから時間を追うごとに、鬼の表情に変わっていくだろう。

DSC00668 朝のイベントで、「もう何もしません」と言っていた仲口博崇。たしかに、何もしている様子がない。優出6艇の中で、唯一、モーターもペラも外さず、今すぐにでも水面に降ろせる状態なのだ。もちろん、これから微調整にとりかかる可能性はあるが、足への自信はかなりのものと見た。2Rに出走した後輩、池田浩二のボートに残る水分を吸引している姿が見られたが、現時点ではプレッシャーみたいなものもないということだろう。SG初優勝という悲願へ、機力も精神的にも完全に出来上がったと言っていい。

さて、優勝戦の日を迎えても絶対的に気になる山崎智也。午前中のピットでは姿が見られなかった。ただ、ボートからモーターが取り外されており、どうやらこれから何らかの調整に入る様子。優勝に向けて、智也の仕事はまだ終わっていない。どんな状態で優勝戦を迎えるだろうか(黒須田守)

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優出選手インタビュー速報!

DSC00651  今朝10時から、イベント広場で優勝戦出場6選手のインタビューが行われました。会場はぎっしり満杯で「これって開会式?」と勘違いするほどです。
「ナマ山崎智也とか出てくるんじゃろ」と隣のお客。今節はさまざまなタレントのイベントがこの会場で催されましたが、ブッチギリの賑わい。やっぱり、ファンにとっては、どんな花形スターよりも選手の素顔がいちばん魅力なんですな。
 さてさて、6選手が登場すると場内は割れんばかりの拍手。特に声援が多かったのは2号艇の地元・今村豊(黒っぽい声)と5号艇の山崎智也(黄色やピンクっぽい声)でした。各選手のコメントを要約してお伝えします。
1号艇/松井繁「モーターは全部いいです。ペラも初日のドリーム戦は失敗しましたが、2日目にペラを換えてからよくなりました。優勝戦ではスタート行って握るだけ。今年の勝負!だと思ってますので、頑張ります」
2号艇/今村豊「モーターはいいです。今日はおそらく松井クンの隣から(ここで「インから行け、インから~!」という熱い声が)ですね。スタートは後半になって見えてきたんですが、今日になって追い風で……とりあえず優出のノルマは達成しましたが、今日も頑張ります」
3号艇/仲口博崇「実戦足がよくていい足です。今日はペラ点検をするだけで、何もしません。隙があればインを取りたいんですけど(笑)。グラチャンは愛知にとって相性がいいんで、頑張ります」
4号艇/山本浩次「足はいいと思います。(どのあたりが?という質問に)そんなん、わかんないスけど。伸びがいい方なんで、理想はカド。スタートは決まってます。(下関の印象は)特にないです。頑張ります」
5号艇/山崎智也「自分が優出できるくらいですから、エンジンは完調です。1号艇というわけじゃないんで、レースを楽しんで。スタートは、これで(F)休みに入るので、行くだけ行きます。江口さんと1、2着決めて、ファンの皆さんに貢献したいと思います」
6号艇/江口晃生「自分が優出できるくらいだから、エンジンは出てます(笑)。スタート勘は特別合ってるわけじゃないけど、行くだけ行ってます。コースは動くだけ動いて、ダメなら回りなおします。穴を出すように頑張ります」

DSC00656  ファンからの花束プレゼントも、今村豊と山崎智也に集中。時間の都合でサインはなしという約束だったのですが、地元の今村豊だけは他の5選手が退場した後もひとりステージに残り、丁寧にサインに応じる姿が印象に残りました。


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準優勝戦、私的回顧

10レース【宇治川の戦い】
1 仲口 博崇
2 上瀧 和則
3 中澤 和志
4 濱野谷憲吾
5 山崎 智也
6 森  秋光

 スタンドは今日も快晴、浜からやってくる向かい風が静かに水面を揺らす。風速5mほど。逃げるにもまくるにも、さほどの影響のない風だ。俺はその風を右のほっぺたに感じながら、スタンドの1マーク寄りでSGファンファーレを聞いていた。
 ピットアウトから、スッと5号艇の山崎が伸びた。たまらず濱野谷が弾き出され、かろうじて5番手を確保する。山崎のピット離れは初日から抜群で、外枠では大きな武器といえるだろう。進入は123/546。濱野谷と山崎が入れ替わった以外はさほどの波乱もなく、すんなり3対3の起こしになった。

06255p1910  スリットは、上瀧和則が少しへこんだ程度でほぼ横一線。カドを利して山崎が伸びる。一目散に逃げをはかる仲口を回して、山崎がまくり差しに。続いて2番のまくり差しで濱野谷が続く。出遅れた上瀧は抵抗できずに4番手まで。先マイを打った仲口は抜群の回り足を生かして、あっという間に他艇を引き離す。焦点は、早くも2着争いに絞られた。1周2マークで濱野谷が内に切り込んでブイを先取り。寸分の隙もない鮮やかなモンキーターンで山崎を出し抜いたかに見えたが、さらに強烈なスピンターンで山崎は濱野谷の内側を切り裂くように突き抜けてしまった。このエグい差しを拝めただけで、智也ファンは大満足だったことだろう。
 もちろん、気合い入りまくりの上瀧も黙ってはいず、2周1マークで一か八かの真横に流れるような先マイを敢行したが、山崎、濱野谷ともに冷静に差して万事休した。1着仲口、2着山崎。山崎は昨日、腰を痛めていたようで、最終レースの周回展示でもモンキーをしなかった。俺は「接戦になったら、山崎は苦しいんじゃないか」と危惧していたのだが、あの2マークの超鋭角モンキーはそんな杞憂を一気に吹き飛ばす、恐るべきターンだった。
 レース後に知ったのだが、山崎、濱野谷ともにスタートはコンマ04! 仲口も08というギリギリのスリットで、コンマ13の上瀧が遅れたというより他の5艇が決死の覚悟で踏み込んでいたのだ。そのスリットの気合いがそのまま道中にも反映された、素晴らしいレースだった。

11レース【一ノ谷の戦い】
1 今村 豊
2 山本 浩次
3 林  美憲
4 吉川 元浩
5 今垣光太郎
6 森  竜也

 暑さをしのぐためにスタンドの中に入ると、予想屋に特有のダミ声が。
「はい、穴だよ~、準優で唯一の穴がこのレースだよ~、今村さん、体調を立て直して出直すべきです、メニエル症候群で目がくるくる回っている状態で、勝てるほど甘いレースじゃない、それでも人気になるんだから大した選手ですよ、でも情は禁物、舟券は穴で勝負!」
 へええぇ、という顔の客。確かに、シビアな舟券師なら今村を蹴るべきなのかもしれない。今村本人も「体調はあまり良くない」と何度もコメントしている。再び、予想屋の声。
「メニエル症候群、安静にしてたら大丈夫なんです。でも、長いこと動いているとダメになります。プレッシャーもいけない。5日目のこのレース、この人気、プレッシャーがかからないわけがない」
 ごもっともな説だ。が、今村豊という男を、そんな常人レベルで語っていいのだろうか。俺は予想台に背を向けて、今村の頭決め撃ち舟券を買った。
06255p1911  進入は126/35/4。3対2対1の変則形態から、インの今村と2コースの山本浩次が絶妙なスタートを切った。他はこの2艇から半艇身ほど遅れて横並び。この次点で、優勝戦に駒を進める2艇が決まったといってもいい。
 今村が逃げる。山本が差す。興味はどちらが頭を奪うか。山本が内からジリジリと伸びて、舳先を捻じ込んだ。今村の伸びは怪物級だと思っていたのだが、山本の伸びも負けてはいなかった。その差は半艇身ほど。今村としては、2マークでツケマイを打つべきだろう。併走する2艇を見ながら、俺は考える。新基準のペラになってから、差しが届かないケースが増えている。引き波を超えられないのだ。差して引き波にはまり、キャビりでもしたら2着の座さえ失ってしまうぞ。
 だが、今村はあっさりと艇を外に引き、山本を先に回した。そして、舳先を山本より一瞬早くブイに向けた。ズバッと差した。斬り捨てた、というべきかもしれない。今村の艇は引き波に乗った瞬間、さらに加速したように見えた。やはり怪物級の足だし、ターンスピードも半端じゃなかった。山崎といい、今村といい、もう。などと感心しているうちに、レースは終わった。1着今村、2着山本。今村がゴールすると、柵にかぶりついていた客たちが身を乗り出して拍手した。何食わぬ顔で通過する今村。俺は心の中で呟いた。
 ね、予想屋さん。

12レース【屋島の戦い】
1 松井 繁
2 平石 和男
3 重成 一人
4 西村 勝
5 岡本 慎治
6 江口 晃生

 SGならではの、もつれにもつれた進入。全艇が早い横流しで「オールスローか?」という待機行動から、まずは西村が脱落して回りなおす。正確には「脱落」ではない。この展開はスタート展示もまったく同じで、伸びに自信のある西村としては5対1の進入で単騎ガマシから一泡吹かせようという算段なのだ(勝手な推測だけど)。
 が、この回りなおしを見て、少し間を置いてから岡本も離脱した。さらに間を開けて江口が回りなおす。あまりお目にかかれない、時間差の3艇回りなおし。
「あら、あららら、なんじゃこりゃ」
06255p1912  観客も呆然としていたが、結局は123/456の枠なり3対3進入なのである。そして、内の3艇がやや深くなった分だけ、回りなおし組に利があったともいえる。単騎アウトどころか、望外の4カドを得た西村が「ほんじゃ仕事させてもらいます」とばかりに艇を伸ばしてカド受けの重成に襲いかかる。が、重成の伸びも抜群級だ。すぐに伸び返して西村の壁になりながら、まとめてまくる態勢に入った。2コースの平石は、間違いなく松井の差しに入ると踏んでいたことだろう。
 だが、なんとその平石が、同体の松井にツケマイを放ったのだ。アッと驚いたように減速して3コース差しに回る重成。その間に、王者松井はあっさりと平石を飛ばして他艇を突き放した。躊躇した分、差しが遅れた重成をアウト勢が左右から呑み込んでいく。その中から6コースの江口が出足の良さで主導権を握り、2着を死守した。進入から1マークから、なんとも意外な展開の最終レースだった。そして、そんなめまぐるしい珍事の中で、王者・松井の圧倒的な強さだけが目立った。1着松井、2着江口。今節の準優メンバーの中で唯一の新鋭ともいうべき重成は、「SG初優出・初優勝」という大望を果たせぬまま3着に散ったのだった。
 ああ、しかし、松井は強かった。(畠山)


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祝優出! とっても気になる豊と智也

 今節、特に気になる二人、今日は独立バージョンでお届けします。

DSC00627  まず、今村豊。インから.11のトップスタートで、堂々たる逃走勝ち。ハッキリ言って、感動した。今節、地元であり、選手代表であり、何より山口の絶対的エースである今村にとって、最低ノルマが優出だったはずだ。しかし、何度も言われてきたとおり、今村には体調の問題があった。僕も途中から言うのをやめたが、しかし今村は常に不安とも戦ってきたはずである。プレッシャーも、なかったはずがない。簡単な闘いではなかったのだ。
 にもかかわらず、パーフェクトな勝利を収めた今村を、心の底からカッコいいと思う。

 ピットでは平穏な表情で、基本的には元気な様子を見せていた今村。基本的には、のんびり過ごして、体調の維持に努めたようだが、展示ピットにボートを移動させる際の様子は、特に不安は感じられなかった。いける。今村は絶対にやってくれる。舟券の話ではない。単純に、今村応援団と化していた僕は、今村の後ろ姿に勝利を強く強く祈っていた。

DSC00634  勝って引き上げてきた今村は、まずはホッとした表情を見せた。カメラマンに囲まれて、笑顔を見せてもいた。すごい男だと思った。公式インタビューに現われると、穏やかな表情で質問に応えていく。最後に優勝戦の意気込みを聞かれて、「みなさん、あまりプレッシャーかけないでくださいね(笑)」。冗談を飛ばす余裕もあったのだ。明日も魂の走りを見せてくれるのは間違いない。何よりもまず、今村の走りに注目しなくてはならない! 今村は間違いなくドラマチックな戦いを見せてくれるはずだ。

 つづいて、寝ても覚めても頭から離れないほど気になる山崎智也。準優の直前にピットに姿を現わした智也の足取りは、実にしっかりしていた。昨日のそろりそろりといった歩き方ではない。やや慎重に歩いているようにも見えるが、少なくとも心配は杞憂に終わった、そんな動きだったのである。よかった!

DSC00599  レースでは、うまくカドを取って2着に入り、優出決定。やはり、渾身の走りを智也は見せてくれた。ピットに上がってくると、破顔一笑。最高の笑顔を見せた。やはり、ホッとしたのだろう。4日目の転覆、昨日の異変。智也も不安を抱えながらの戦いを強いられていたのだ。しかし、すべてを乗り越えて優出! マーベラスな笑顔がこぼれるのも当然だろう。

DSC00638  それ以上に嬉しそうにしていたのが、同県の先輩・江口晃生が優出を決めた瞬間だ。これまた破顔一笑の最高の笑顔。優勝戦は、一緒に走れるのだ。開会式ではいつも「江口さんと一緒に準優に乗れるよう頑張ります」。今回はそれ以上。一緒に優勝戦に乗れるのだ。もちろん、水面に出れば敵同士。1つ外の江口の前付けを許せば、アウト発進となってしまうのだから、厳しいレースをするはずである。それでも今日は、江口の優出が嬉しい! そんな智也はやっぱり最高である。(黒須田守)


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準優勝戦!――激烈なる戦い、ついにベスト6決定!

 ここにも崇高なる空気はあった。準優勝戦、ベスト18戦士の醸し出す雰囲気は、この暑さの中でもヒリヒリとしていた。この場に身を置いていると、自然と身は引き締まる。

●10R 宇治川の戦い
DSC00595  もっとも印象に残ったのは、仲口博崇の凛とした表情だった。穏やかでいながら、瞳からは強いビームのような光が発射されている。すでに優出を見据えていたのか。メンバー的には、もっとも混戦のように見えた10R。上瀧和則がイン取りに動くかもしれない、中澤はそれについていくかも、というコメントを出している、山崎智也もピット離れはすさまじい……インを取り切るだけでも神経を使う戦いだったはずなのだ。それでも、仲口に迷いはなかった。あの瞳は、揺るぎない決意の証だったと思う。

DSC00597  上瀧和則は、相変わらずの気合だった。展示から戻ってきたときに、軽く笑みを浮かべていたのだが、それもまた気合をこめるための一瞬の緩みのように思えた。濱野谷憲吾、中澤和志は淡々とした表情。緊張感の中にあっても、うまく精神をコントロールしているようだった。森秋光は、展示待機室の外で、ぽつんと一人、精神を集中させている。準優一発目、ピットにたぎるナーバスな空気がついにピークに達した。

DSC00623  ピットアウトすると、控室から倉谷和信、濱村芳宏が展示待機室前のベンチに全力で走ってきた。「どや?」と大声で、先にベンチにいた面々に声をかける。どうやら、上瀧がインを取ったかどうかをかなり気にしていたのだ。彼らが水面に目をやると、インは仲口ががっちりとキープしていた。譲らなかったか……そんな呟きがもれそうな表情となった。
 レースは、インから仲口が渾身の逃走。2着にはカドを取った山崎智也が入り、濱野谷は3着、上瀧は4着に終わった。
 引き上げてきた仲口は、「よく踏み込めたね」と嬉しそうに笑った。.08のスリットは、まさに決意の表明だろう。さっきまでのカシッとした表情とは正反対の、満面の笑み。心の底からの笑顔だった。「これなら、俺にもチャンスはあるね」。すでに気持ちは明日の優勝戦に向かっている。
 一方、上瀧はクールな表情でありながら、その奥に悔しさをグッとかみ締めているように思えた。植木通彦とレースを振り返りながらも、表情が緩むことはない。そこに仲口が、「ありがとうございました」と駆け寄ってくる。上瀧は、軽くうなづいて、「ありがとう」と返す。その次の瞬間だった。ピット中に響き渡るかのような大きな声で、他の出走メンバーたちにも「ありがとうっ!」と叫んだのだった。おそらく、6名の中でもっとも重く大きな気合を抱いていたのは、上瀧だったのではなかったか。4着敗退は、明日のレースを残しているとはいえ、ひとつの終戦である。納得はいかないだろうが、それでも出てしまった結果、それに対しての上瀧なりのけじめのつけ方が、「ありがとうっ!」だったのではないだろうか。一言、カッコ良かった。

●11R 一ノ谷の戦い
 今村豊については、別項に書かせていただく。それ以外のメンバーでは、まず目についたのは森竜也の表情だった。松本伸也は常々「森竜也は男前」と言っているのだが、たしかに優しい顔つきで端正なマスクをしている男である。しかし、準優直前、優しそうな表情はどこにもなかった。男臭く、そして勝負師のたたずまい。緑色のカポックを着て、展示待機室に入ると、森は椅子に座って、目を閉じた。一昨日、森が同じ場所で昼寝をしていた、とレポートしたが、今日はそうは見えなかった。精神統一。闘志をグッと高めるための儀式に見えたのだ。一昨日も、もしかしたらリラックスしていたわけではなかったのかもしれない。何気なく見ると、それは肩の力が抜けている様子に思えるのだが、この日の森を見れば、あれが森なりのレースに臨む準備なのだろう。レースでは果敢に前付けに行った森。結果は出なかったが、間違いなく一発狙うだけの気合を腹の底に込めていた。

DSC00583   林美憲は、足には絶対の自信があったのだろう、このレースの6名のなかでは、もっともリラックスしているように見えた。あとはペラ調整のみ、先輩の瀬尾達也のアドバイスを受けながら、微笑を浮かべている。吉川元浩は、普段から男っぽい顔つきをしているが、今日はその度合いがさらに高かった。レーサーというよりは、格闘家にも見える表情(実際、プロレスラーの鈴木みのるに似てますよね?)。林とは、ある意味で対照的だった。今垣光太郎は、前日までと変わることのない雰囲気。そして、山本浩次はやっぱり淡々としていて、普段と何も変わらないのであった。間違いなく、彼の強みはこれだろう。

DSC00609  森の前付けは、やや強引だった。展示待機室前のベンチは、「おいおいおい」と盛り上がっている。森が回りなおしたことで、林が4カドをゲットする。すると、ベンチからは一斉に林への声援が起こった。どうやら、選手たちは林を応援していたようなのだ。好位置を確保したことで、声援に力がこもったのだろう。倉谷などは、大きく身振り手振りをして、林に見せ付けるように、力一杯の応援だ。
 今村が感動的なイン逃げを決めて、山本が追走する。林は思い切って握ったものの、2着には届かなかった。それでも、ベンチ陣の応援はやまない。ターンを周るごとに、「おぅ!」「おぅ!」と、ボクシングの試合でパンチが出るたびにセコンドが飛ばすような掛け声を連発していた。残念ながら4着。引き上げてきた林は、周囲のプッシュを感じていたのだろう、苦笑いは苦笑いだが、「いやあ、ダメでした」という感じのサバサバした笑いを見せていた。
 山本は、優出を決めたというのに、やっぱり淡々としている。勝利選手インタビューを終えて、閑散としたピットを歩いている姿は、剣が峰をクリアした男とは思えない静かなものだ。うん、やっぱりこれこそが、この男の強みだ。優勝戦の明日も怖い。

●12R 屋島の戦い
DSC00625  この日のピットは、準優ということで報道陣が前日までよりぐっと増えたが、もっともカメラの放列を浴びたのは、松井繁だった。予選トップ、モーターも超抜、地元のエース今村以外では、いや、今村と同等に、注目を集めていたのだ。報道陣に囲まれても、表情を変えることなく、強烈なオーラを放つ松井。こう言うと他の選手に失礼かもしれないが、この男、やはり別格の存在である。
 モーターだけでいったら、かなりの高いレベルにあったこのレース。もはやエンジンをいじる者はなく、皆が皆、ペラ調整に励んでいた。平石和男はペラ調整を終えると、江口晃生と並んで話しながら控室へ。戦いを控えて、腹の内の探りあいだろうか……。西村勝は、わりとリラックスした雰囲気。それでも、時間をおうごとに、まなざしは強くなっていった。

DSC00606  進入はもつれにもつれた。全員が全員、ひとつでも内を狙って動いていく。3号艇の重成一人も引こうとしない。江口が当初から内寄り奪取を宣言、それを実行する形となったわけだが、それを簡単に許す他の5人ではない。特に3号艇より外の選手たちの間には激しい駆け引きがあった。
 まず回り直したのは、西村だった。つづいて、岡本慎治も回り直す。ついには、江口も回り直した。その瞬間、例のベンチはまた「おいおいおい」だ。そして、今度は西村に声援が飛んだ。最初に回り直し、アウトの可能性もあった西村が、結果として4カドに収まったのだ。チャンス到来に、ベンチは一斉に盛り上がる。「まちゃる~っ!」。またもや倉谷がひときわ大きな声でエールを送った。しかし……結果的に見れば、もっとも流れが向いたのは、松井ではなかったか。外がもつれているということは、1号艇でインを死守したい松井にとって、揺るぎなく己の戦いに邁進できるということである。超抜の松井だけに、この時点で勝利はグイッと近づいていたのかもしれない。

DSC00645  ピットに戻った松井から感じたのは、充実感である。仕事を果たした、そんなプロ意識にも似たものだった。江口は開口一番「結果オーライ」。僕には、勝利のために全力でコースを取りに行ったからこそ、アウトに周ってしまっても引き寄せた運のように思えた。展開とか足色とかよりも、やるべきことをやった男たちが勝ち上がったのだ。もちろん敗れてしまった4選手が、何もしなかったというわけではない。彼らも勝つための方策を徹底的に練り、魂を持って勝負に臨んだのは間違いない。たまたま、松井と江口の魂が、強烈に爆発した。勝敗を分かったのは、結局のところ、そういうことではなかったか、と思う。

 さあ、明日はいよいよ優勝戦。SGウィナー5名と、キング・オブ・SGにふさわしい優勝戦となった。激しい魂のぶつかり合いとなるのは必至。下関の水面に立ち上る炎を見よ!


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優勝戦メンバー確定、いざ、壇之浦!!

 さあ優勝戦! 熾烈な準優勝戦が終わり、明日12レース優勝戦「壇之浦決戦」の出走メンバーが確定した。仲口を除く5人がSGウイナーという豪華な顔ぶれ。インを死守して松井が逃げきるか、今村豊の地元パワーが炸裂するか、はたまた新たなSG覇者が誕生するのか、興味の尽きない決戦となる。

最終日12レース優勝戦【壇之浦決戦】

1 松井 繁(大阪)
2 今村 豊(山口)
3 仲口 博崇(愛知)
4 山本 浩次(岡山)
5 山崎 智也(群馬)
6 江口 晃生(群馬)


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勝負駆け!――出揃ったベスト18、4日目後半戦終了

 ピットが、なんだかどんよりしているように感じたのは気のせいか……。予選最終日、しかも午後も時間が遅くなってくると、そこには激しく絡まり合った悲喜こもごもが大量に密集する。勝負駆けに成功した者、失敗した者……。徐々に閑散としてくるピットには、歓喜やら安堵やらよりも、悔恨やら空虚やら不安やらが強く漂っているように思えた。
 勝負駆けをキッチリとクリアして、予選6位の好成績を収めた平石和男と、初日ピンピンの好発進ながら、今日の9Rを6着に敗れて予選落ちしてしまった熊谷直樹が、並んで座っている。ともに穏やかな顔で一息ついているようにも見えたが、その心中の落差はいかばかりだろう。笹川賞のときにはそれほど感じられなかった、ある種の重苦しさが、今日のピットにはあるような気がした。

DSC00533  10Rで見事なイン逃げを見せた上瀧和則が、ニッコリと笑って引き上げてきた。鳥飼眞もつられてニコッ。最高の形で予選を締めくくれた喜びが、上瀧の顔には浮かんでいた。しかし、上瀧は慢心しない。JLCの勝利選手インタビューを終えて戻ってきた上瀧の顔は、凛としていた。明日の準優に向けて、気合を充填しているように見えた。戦いは今日で終わりではないのだ。明日は最大の勝負駆けが待っている。ピットでは終始、近寄りがたい空気を発散させている上瀧だが、そこにさらなる鋭さが加わっているように思えた。

DSC00543  11R、6号艇からインを奪取した江口晃生のレースぶりは、冴え渡っていたと言っていい。やや深くなったのは、前付けでコースを取ったのだから仕方がないこと。そのうえで、見事に.12のトップスタートを決めた。ピットで見ていた清水克一氏が、スリットを超えた瞬間に「これは逃げ(切っ)たな」とつぶやいたほど、鮮やかなイン逃げ。1着条件の勝負駆けをクリアしたのだった。準優も6号艇だが、侮れないかも……。

DSC00521  明日の準優に向けて気になったことなどを。今垣光太郎が、妙に落ち着いている。整備室のヌシとも言える彼を、その整備室であまり見かけないし、ピット内を歩く様子にも笹川賞時のような切羽詰った感じがないのである。笹川賞は準優1号艇、今回は5号艇、明らかに成績的には前回のほうが上であるにもかかわらず、だ。足のほうには手応えがあるということなのか。
 同じく落ち着いているのが、濱野谷憲吾。3日目まで予選1位でありながら、今日は着順を落としてしまって、準優は4号艇。それでも、落胆の表情は見受けられない。淡々としているようでもあり、気をグッと溜め込んでいるようでもあり。とにかく、その穏やかな表情には、ただならぬ雰囲気が漂っているのは間違いない。
 12Rで6着に敗れてしまった森秋光は、苦笑いを浮かべた。準優当確だったのは幸いだったが、「前3艇が勝負駆けだったから……」と、山崎智也、吉川元浩、今垣の勢いに呑まれてしまったようだ。今日は1回乗りで、レースまでの時間が長かったことも微妙に影響していたか。準優は6号艇となってしまい、その結果に満足している様子はない。ふんどしを締め直して臨む明日は、大穴一発に注目してみたいような気がする。

DSC00523  さてさて、前半戦でお姿を見ることができず、思わず涙ぐんでしまったほど気になる山崎智也。午後にピットを訪れると……おおっ、いましたいました。我らが山崎智也、平石和男と談笑していた。その後、重成一人とも何事か話し込む。おっと、これは当世二大男前レーサーの強力タッグだ。しかし……である。智也、歩き方がどこかおかしいのだ。そろりそろりと歩きながら、時折、顔をしかめたりもしている。そこに、太田和美が通りかかり、智也の様子を見て声をかける。「ギックリ腰か?」。肯定も否定もせず、苦笑いで返す智也。……もしかして、腰を痛めたのか? もしかしたら、前半戦のピットで姿を見かけなかったのは、そのせいだったのか……。
DSC00545  しかし、レースを見る限り、そんなに心配する必要はないだろう。何しろ、3Rも12Rも、その走りっぷりは、2着2本以上の厳しい勝負駆けをものともせぬ、鮮烈なものだったではないか! ハッキリ言って、感動した。仮に腰を痛めていたとしても、智也の気合がそれを凌駕したとしか言いようがない。これこそが、競艇選手の魂ではないか! 競艇選手の真骨頂ではないか! ビバ、智也!
 ピットに引き上げてきた智也を見て、心が震えた。群馬勢に取り囲まれると、いつもの笑顔で祝福に応える。その智也スマイルは、崇高ですらあった。予選道中は、決して平坦な道のりではなかった。しかし、最後は2着1着とほぼ完璧に締めた。そして爽快な智也スマイル。男の僕が見てもゾクッとする色気があった。はい、もちろん、智也を明日も気にし続けます。明日も必ずや、智也はやってくれる! 明日も智也の魂が爆発すると俺は信じているぞ!

 というわけで、準優18戦士が決定した本日。魂を携えた選手たちが出揃った、好メンバーの準優勝戦となったと思う。特に、今村豊、我々はあなたを尊敬します。地元で、見事手にした1号艇。これもまた、今村のレーサー魂の証である。この下関での今村を見続けられているのは、限りなく幸福な出来事である。今節の今村豊が、競艇選手の素晴らしさを体現しているのだと、僕は断言します! 明日も頑張れ、今村豊!(黒須田守)


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準優勝メンバー確定!

明日の準優のレース及びメンバーが以下のように決定した。例によって熾烈な勝負駆けが続いた4日目、最終ボーダーは6・20に。その結果、6・00で結果待ちだった植木通彦と日高逸子が惜しくも次点に泣いた。それでも、「SGの中のSG」と呼ばれるグラチャンだけあって、SGウィナーが半分以上を占める錚々たる顔ぶれ。誰が優勝戦に乗ってもおかしくない激戦になることだろう。

10レース【宇治川の戦い】
1 仲口 博崇
2 上瀧 和則
3 中澤 和志
4 濱野谷憲吾
5 山崎 智也
6 森  秋光

11レース【一ノ谷の戦い】
1 今村 豊
2 山本 浩次
3 林  美憲
4 吉川 元浩
5 今垣光太郎
6 森  竜也

12レース【屋島の戦い】
1 松井 繁
2 平石 和男
3 重成 一人
4 西村 勝
5 岡本 慎治
6 江口 晃生


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勝負駆け!――前半戦

暑い! 下関の空は晴天、気温も上昇一途。汗だくでピットに到着すると、選手たちの気迫が、これまた熱い! 素晴らしい競艇日和である。

本日は勝負駆け。準優進出めざして、気合が昂ぶる日だ。前半戦、1Rで重成一人が2着、3Rで中澤和志が1着、二人の若武者が勝負駆けを成功させた。昨日ピンピンで準優圏内に食い込んだ西村勝は、4R1着。これでなんと3連勝。6着5着という最悪のスタートから、怒涛の逆転劇を見せた。

残念だったのは寺田祥。4R6着で、後半戦を待たずに終戦を迎えた格好となってしまった。地元だけに、なんとかクリアしたかったところだが……。とはいえ8Rは1号艇。鬱憤を晴らす走りを見せるかもしれず、注目が必要だろう。2R、濱村芳宏は道中2着で勝負駆け成功かと思われたが、逆転され3着。5走29点と、相手待ちの状況に。濱村の心中やいかに。

DSC00421  5R、今村豊が6号艇から1着。初日ドリーム以来の白星をあげた。これで準優は当確。後半は無事故完走で予選クリアだ。ピットに引き上げてきた今村は、2着の池上裕次と顔を見合わせてニッコリ。昨日、ピットで「真っ直ぐ走れよ!」「そっちこそ!」と冗談交じりに言い合った二人。このレースは昨日と同様、池上が今村の1つ内の枠。その二人が今日はワンツーを決めて、お互いに笑顔が弾けた。今村は、JLCの勝利選手インタビューを忘れていたのか、控室に戻ろうとしたところをスタッフに呼ばれて、スタジオまで猛ダッシュ。一斉にカメラが向けられたが、「こんなところ、撮らないでよ」と笑いながら走り去った。着替えの途中で呼ばれたので、上半身はSGジャージだったが、下がスパッツだけだったのだ。報道陣もニッコリ。今村、好調だ。

DSC00514 前半のピットで気合を感じたのは日高逸子。早朝の試運転でも真っ先に水面に飛び出していた。顔はキリリと引き締まり、迫力すら感じる。今日の10Rは4着条件。大敗はできない。しかし、ピットでの様子を見ると、渾身のレースをしてくれるのは間違いなさそうだ。

さて、夢に出てくるのではと思われるほど気になる山崎智也。今日はまだ、見かけていないのだ。筆者がピットに着いたのは、5Rの発走前。他の取材などで少し出遅れたのだが、智也の姿はどこにも見当たらない。3Rで2着に入っているわけだから、ピットにいないはずがないのだが、ピット内には不在のようなのだ。整備室にもいない。ペラ室は、取材できるスペースからは死角が多いので、もしかしたらそこでペラを叩いているのか。それとも、控室で休んでいるのか。5Rには同県の橋本久和が出走しており、他の群馬勢はボート片付けに出てきていたのに、智也はいない……。智也、いったいどこにいるんだ……。山崎智也、姿が見えなくても、やっぱり気になって仕方ないのであった(黒須田守)


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明日は勝負駆け!

DSC00451 3日目が終了して、明日は勝負駆け。準優ボーダーを6・00とすると、予選1位濱野谷憲吾、2位松井繁、3位仲口博崇、4位森秋光、5位山本浩次、7位林美憲が当確。6位今村豊は30点で明日は2回走り、4着5着で到達する。

以下、8位今垣光太郎(4・4着)9位岡本慎治(4・4着)10位植木通彦(5着)11位平石和男(5着)12位重成一人(4着)13位上瀧和則(3・4着)14位日高逸子(4着)15位吉川元浩(3・4着)16位熊谷直樹(4着)17位太田和美(3・3着)18位中澤和志(3着)、ここまでが現時点での18位まで。

地元・寺田祥は19位で、明日は2・3着が必要。今日ピンピンの西村勝が20位までランクアップし、明日は2着勝負。最大の逆転劇があるとするなら、40位の海野ゆかりがピンピンで6・00に到達する。

さあ、ベスト18はどんなメンバーになるか。明日も注目です!


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3日目終了――過激とすら言える水面、そしてピット

DSC00464  予選3日目、そのバトルは激しいという言葉を通り越して、過激ですらあった。前半から強烈な前付けが相次いだが、後半でも様相は変わらない。9Rでは6号艇・西田靖がインを奪い、11Rでは山崎智也が素早いピット離れからインをうかがい、それを嫌った平石和男は取り返すために深インを強いられたのだった。なんとか1着を死守して上がってきた平石は、ボソッと「深すぎるよ……」。イン発進と1着を手にしてホッとしているかと思いきや、思わぬ展開に憤懣のほうが強いように見えた。
  それにしても、今日は1日を通して外コースの伸びが目立った。9Rで西村勝が、10Rで岡本慎治が、5コースから渾身のSを決めて、まくり強襲。12Rでも重成一人が5カドから峻烈なまくり差しを決めて、バックでは先頭を走った。成績を見れば、1号艇は3連対には10レースで絡んでいるわけだから、決して内寄りが弱いというわけではないのだが、今日はダッシュ勢の走りが素晴らしかったのだ。勝負駆けとなる4日目も、この傾向は続くのだろうか……。

DSC00473   道中もまた、炎の立ち上る戦いが繰り広げられている。10R、Sを決めた岡本、田頭実の外2艇がバックで抜け出し、超大穴の出現に場内が沸き返る。これを懸命に追いかけ、逆転で2着に上がったのが、池上裕次だった。田頭のモーターがさっぱりとはいえ、最後は外を周って沈めたレースぶりは、意地を感じさせるものだった。池上は、これで得点が19点。5走だから、明日は1着を取っても相手待ちという状況だが、もし3着で終わっていたら完全に終戦を迎えていただけに、この魂の走りは大きい。
 12R、松井繁の1周2マークでの差しは、鬼としか言いようがない迫力に満ち満ちていた。先に周った重成とて、ターンミスをしたわけではない。しかし松井はそれを上回るターンで、重成に内から並びかけた。こうなれば、松井にとっては勝ったも同然である。2着でも準優当確だったのに、松井はあくまで1着を狙って手を緩めなかった。予選の得点順位など関係ない、1着以外には意味がない……松井は不動明王のようなオーラを放っている。「かなりキてるよ」、松井は淡々と足色についてそう語ったが、ここまできたら機力の問題ではないだろう。心の奥底で煮えたぎる闘魂。勝利だけを己に課す王者の魂。圧倒的な心のパワーが、松井の体から間欠泉のように吹き上がっているのだ。準優当確は決まったとはいえ、そんな松井が明日も緩めるとはまったく思えない。

DSC00456  唸らされたのは、西田靖の姿勢である。昨日から、懸命の整備をしていることは書いているが、今日も9Rを終えたあと、延々と整備室にこもっていた。西田はここまで18点を獲得、明日は1回乗りだから、準優進出は絶望的になっている。それでも、西田は勝負を投げてはいない。最後の最後まで、全力で戦い抜くつもりなのだ。この精力的な動きは、尊敬に値するとしか言いようがない。明日も侮れないし、それ以上に強く声援を飛ばしたい。
 予選10位、明日は5着で準優進出となる植木通彦は、今日の2R1回走りを終えると、ペラ室にこもっった。予選突破に向けて、納得できる足にするために懸命の調整だ。ほぼ半日をかけて、ペラを叩いた植木。明日は上積みに期待したい。

DSC00458  日が傾き、時計は午後4時を回ったあたり。植木がペラ室を出て、展示待機室の横にある、水面に面したベンチにやって来た。12Rの展示のために待機していた仲口博崇が、関係者と一緒にしゃがみ込んで下を向いている。そこに植木も加わる。何事か? そこにはチヌが大量に泳いでいたのだった。関係者が食パンをちぎって、チヌに与える。争うように、チヌたちがパンに群がる。植木も仲口も、穏やかな表情でそれを眺めていた。植木からは、今日の仕事を充実のうちに終わらせたという安堵感が、仲口からは数十分後に控えた戦いへの静かな闘志が、ヒシヒシと伝わってきた。
DSC00461  ふとベンチのほうを見ると、矢後剛が文庫本を読み耽っていた。水面を渡る爽やかな風を受けて、一心に活字を追う矢後。隣に後輩の村田修次がやって来ても、本から目を離さない。さらに烏野賢太も、レースを観戦しようと隣に座り込んだが、矢後は動じずに本を読み続けた。直後、ブザーが鳴った。11Rが締め切られ、出走選手の整列合図だ。我に返った矢後は文庫本をポケットに突っ込み、静かにコースに目を向けた。
 怒涛のバトルの裏には、そんなほのぼのした空気もある。

DSC00468   さて、さて、さて……うがーっ、山崎智也、転覆! もはや「我らが」とつけたくなるほどに気になる山崎智也は、11Rの1マークでやっちまったのだった。幸い、負傷はまったくなく、着替えた後は元気にボート片付け、モーター洗浄に加わった。選手代表でもある今村豊が「ともやーっ、大丈夫か!?」と駆け寄る。「大丈夫です。すみませんでした」と頭を下げる智也の顔には笑みさえ浮かんでいたから、まずは一安心だ。「ガッコーンってなっちゃって」と、オーバーアクションで1マークの様子を今村に伝える智也は、なぜだか妙に明るい。モーター洗浄の間も、手伝いに集まった関東勢と談笑していたりする。いったん分解して洗浄し、組み立て直したモーターを空ぶかししてチェックする際には、ブロロロローンというモーター音にあわせて、一緒に「ブロロロローン」と叫んでもいた。さらには、12Rを観戦しようとベンチに座っていた海野ゆかりに「ありがとう(モーター洗浄を海野も手伝っていた)」と声をかけると、おもむろに「慰めて」とばかりに頭を突き出す。海野も、かわいそうに、という感じで、笑顔で頭をなでなで。まったく、何をやってるんでしょうか……というくらいに明るいのである。

DSC00472 転覆は選手責任外となったが、これで得点は20点。2回走りの明日は2着2本の勝負となってしまった。3R6号艇だが、12R「富士川の戦い」は1号艇。最後の最後で、ポールポジションが回ってきた。今回ばかりは、智也の心中はハッキリとわかる。笑顔の向こうに潜んでいる気合が爆弾となって、水面に爆発する。表情からはうかがい知れないマグマが、ぐらぐらと煮えたぎっているはずだ。(黒須田守)


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3日目、前半戦終了

 予選も折り返し地点を過ぎて、そろそろ準優ボーダーが気になり始める頃。成績によっては、今日が一日早い勝負駆け。ピットも水面も、気合の高まりが徐々に感じられ始めている。

 前半レースの進入が、それを顕著に示している。1R=1256/34。カマシ屋で5号艇の秋山直之が、まさか動いてスローの3コースに入るとは。2Rでは、5号艇・今村暢孝、6号艇・烏野賢太が前付けに動いた(ただし2艇とも回り直しで、結局は枠なり)4Rは、スタート展示で4号艇・池上裕次が単騎の6コースに出されてしまったが、本番ではひとつでも内に入りたい今村を制して4コースを死守した。さらに6Rは、4号艇・上瀧和則が渾身のイン取り。「時計をあまり見ないで行ってしまった、やべえやべえ」と苦笑いの結果になってしまったが、ランクアップに懸ける意気込みが伝わる前付けであった。そして、7Rでは4号艇・山崎智也が前付けでイン奪取! 進入は465/123。とにかく、選手たちの目の色は変わってきている。

DSC00420  前半戦のピット、今村豊が元気一杯だ。4Rは、1マークで最内を差してバック3番手。ところが、トップに迫らんとしていた濱村芳宏を逆にグイグイと伸びて捕まえ、2マークで逆転。その後はトップを走る太田和美との差をジワジワと詰めていって、ゴールでは0.3秒差まで追い込んだ。間違いなくモーターは上昇している。

DSC00422  表情も、非常に爽快。余裕も生まれてきている。試運転に出ようとボートを調整していると、4Rで隣の艇番だった池上裕次が近くを通りかかった。「ユージッ!」今村が絶叫した。「お前、寄ってくるんじゃねえよっ!」と口をとがらせる。池上も「俺は真っ直ぐ走ってたよ! そっちが寄ってきたんだよ!」と言い返す。今村も負けていない。「何言ってるんだよ! そっちが寄ってきたんだろ! 寄るなよ!」。池上も応戦だ。「あとでビデオ見てみたらわかるって。俺は真っ直ぐ走ってたから!」。おそらく、遠目では口論が始まったように見えただろう。しかし、そうではない。今村の目は笑っているのだ。つまりは軽口である。最後は「あ、そう?」と満面に笑みを浮かべて試運転に向かった。

DSC00427  昇降機にボートを乗せて、水面に出るのを待つ間、今度は林美憲に同じように「お前、俺の邪魔ばっかりするんじゃねえよっ!」。林、爆笑。さらには、その向こうにいた瀬尾達也にまで、ボートのカウリングをバンバンと叩きながら、何事か叫んでいる。瀬尾、ニッコリ。ようするに、今村、ご機嫌なのである。精神充実。気合横溢。後半戦も楽しみになってきたぞ。

 

DSC00438 5Rをイン逃げ快勝した仲口博崇も、充実した表情をしている。4走して、得点は32点。あと2走だから、準優はほぼ大丈夫なところまで積み上げてきた。勝利者インタビューのあと、平石和男と何事か話していたが、キリリと引き締まった顔つきが印象的だった。
 その横では、日高逸子と海野ゆかりの女子2名がじっくりと話し込む。ふと整備室に目をやると、濱村芳宏がモーター整備に真剣な表情だ。4R3着でも、まだ機力に満足していないのだろう。そして、昨日も必死の整備と試運転に励んでいた西田靖も、引き続き整備室にこもっていた。
 DSC00437 そんななか、展示待機室の中で、森竜也がスヤスヤと眠っていた。そういえば、今日は昨日までに比べてピットも爽やか。気温がやや下がって、ムシムシした暑さは感じられない。気持ち良さそうに眠るドラゴン森。このリラックスぶりが逆に怖いと感じた。今日は、3R4着、7R3着。7Rは6号艇から2コース奪取だ。明日はおそらくピン勝負となるが、侮れない存在になると見た。

DSC00432  さて、もはや愛すら感じるほどに気になる山崎智也。ピットでは相当に余裕の表情、とりたてて気合を感じるほどではなかったのだが……先述したとおり、7Rでは気迫の前付け敢行! これだけ気にし続けても、相変わらずその心中はさっぱりわからんのだと痛感した次第である。(黒須田守)


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2日目終了――愛と興奮渦巻くピットから

 DSC00021 あ~した天気になぁ~れ!
 池田浩二がスニーカーをポーンと飛ばした。笠原亮に何事か話しかけたあとに、「明日は天気が悪いぞ」と予言した池田は、だって、ほらな……と靴を飛ばしたのだった。ようするに、明日の天気予報を知った池田は、それを靴も証明しているのだと言いたかったらしい。笠原の顔がほころぶ。僕も、ああ、子供の頃によくやったなあ、と懐かしく思い出す。池田の靴がピット内で弧を描く……靴は裏返らず、真っ直ぐポコリと落ちた。晴れじゃん。はてさて、明日の天気はどうなることやら。(写真は前検日のものです)

 DSC00297 ふと見ると、今村豊が控室から競技本部に駆け足で向かっていた。それもけっこう全力疾走に近いスピードで。競技本部から出たあとも、控室に走って戻っていく。12Rが終わって引き上げていくときには、関東勢に「下関と徳山だったら、下関のほうが断然近いよ。どっちが純地元かといえば、こっちのほうなんじゃない?」と笑顔で地理談義。体調のことばかり言われるのは、今村とて本意ではないはずだが、それでも気がかりであるのは否定できないのもまた事実。とはいえ、この日の今村の笑顔を見ていたら、もうそれを考えるのはやめよう、そう思わされるのであった。今日は5R1回乗りで4着。スタートでやや遅れ、バックでは6番手だったのだが、道中追い上げて着順を上げた。敗れたとはいえ、やはり気迫を感じる走りだった。明日からの今村にも、引き続き期待して、その走りを熱く見つめたい。明日の9Rは2号艇だが、1号艇・海野ゆかりのピット離れはいまひとつだから、もしかしたらイン戦も十分にありうる。2勝目は遠くないはずだ。

DSC00396  10Rの展示が終わると、ピットは閑散とし始めた。そんななか、最後まで試運転を繰り返していたのが、西田靖、橋本久和だ。ともにここまでは不本意な成績。かといって、準優への望みが絶たれたわけではない。3日目は1日早い勝負駆けとなるだけに、徹底的に足の良化を図っているのだ。エンジンを装着して水面に出ようとすると、12Rに出走する熊谷直樹が通りかかった。「もう試運転、誰もやってないんじゃない?」。西田は、橋本を指差して、まだまだやるんだよ、とばかりに目を見張った。熊谷は、はじけるような熊スマイルで西田を見送っていたのだった。西田は試運転を終えたあとは、ペラ室に駆け込んで、これまた最後の最後まで懸命のペラ調整に励んでいた。橋本ともども、明日の気合駆けには注目してみたい。
 海野ゆかりも、最後まで水面に出ていた一人だ。ここまでの成績は6、6、3着。かなり苦しい状況に置かれている。それでも、海野は諦めない。試運転を終えたあとは、同期の山崎智也に不安な点を相談するなど、予選残り2日を消化試合にするつもりなど毛頭ない。その執念を、明日以降も注目してみよう。それにしても、海野は実にかいがいしくピット内を走り回っている。同地区の選手のボート片付けはもちろん、試運転のときなどは他地区の選手の手伝いも率先してしている。整備室の出入り口付近でボーッと突っ立っていたら、視界の片隅をものすごいダッシュで駆け抜ける影があった。海野だった。海野は、最後の最後に試運転を終えた西田と橋本のボート片付けのために、走って駆けつけたのだった。そのかたわら、自分の機力アップにも全力を尽くす。頭が下がるというものだ。

DSC00380  試運転を最後まで続けていた選手はもう一人いる。秋山直之だ。ここまで2走して6着2本、海野同様やはり苦しいが、秋山もやっぱり諦めない。しかし……。ピット内に、突如として緊張が走る。「転覆ーっ!」。秋山だった。試運転中の転覆とあって、救助艇の出足も一瞬遅れる。ピットの係員が一斉に護岸に駆けつけ、転覆したのが秋山だとわかると関東の選手たちも続々と集まりだした。秋山、大丈夫か……。
 救助艇がピットに戻ってくると、秋山はどこもケガなどした様子はなく、バツが悪そうな表情をした。その瞬間、緊張感はほどけて、集まった選手たちの顔に笑みが浮かぶ。そして、どちらかといえばからかうように「アキぃ~」と声をかける。秋山はカポックを脱ぎに走り出し、関東勢がボートを引き上げる。そこに走って帰ってきた秋山は、もちろんずぶ濡れ。それを見て、他の選手たちは「着替えてきていいぞ」と秋山に言った。とはいうものの、秋山は関東勢の中では最年少。自分のボートを片付け、さらに水に浸かってしまったモーターを運んでくれるのは、すべて先輩ばかりなのだ。
 秋山は「大丈夫です。やります」と、濡れたままでボートの片付けに加わった。先輩は「いいって、いいって。俺たちがやるから」と秋山に着替えを促す。秋山は「大丈夫です」と先輩の手を煩わせるのを良しとしない。すると、ちょっと誰が言い出したのかは確認できなかったが、先輩たちは一様に「お前、臭いんだよ!」の大合唱だ。下関は海水プール、その水にどっぷり浸かった秋山からは磯の香りがするわけだ。それを先輩たちは「臭い!」と叫ぶ。言うまでもない、秋山に「気を使わなくてもいいから、早く着替えてこいよ」ということを、軽口で表現しているわけだ。先輩たち全員が、思い切り笑顔になっていた。それでも引かない秋山に、関東の重鎮・西田が「アキっ! いいから行けっ! 臭いんだよ! 行け!」とついに強弁を振るう(もちろん目は笑っている)。しかし、秋山はどうしても殊勝な態度を崩すことなく、結局そのまま整備室に入って、濡れねずみのまま、モーターの洗浄に取りかかるのだった。もちろん、先輩たちは秋山を取り囲んで手伝いをしていた(あ、海野もその輪に加わっていた)。ハッキリ言って、麗しい! 関東勢、頑張れっ! 秋山もまだまだ諦めるな!

DSC00390   そうこうしている間に11Rがスタートし、林美憲が1着となった。昨日は溜め息とともに肩を落とした植木通彦は、前半レースも2着を競り合って敗れていて、足はかなり厳しいように見えたが、このレースではなんとか2着を確保した。引き上げてきた植木の顔には安堵の色が浮かぶ。4、3、2と着はまとまってきた。SG2連覇に向けて、気合を入れ直したいところだ。
「明日頑張る」松井繁は、同じレースで3着。4、1、3着と悪くない成績だけに、まあまあ余裕な表情で引き上げてきた。ただし、ボート片付けの輪が散り、一人になったときには、やや納得のいかなさそうな表情も時折見かけた。松井の心中としては「明日も頑張る」だろう。3日目12R「石橋山の戦い」は1号艇。さらなる成績アップに全力を注ぐ。

DSC00349  12R「五条大橋の戦い」は、濱野谷憲吾がインから逃げ切り。今日はピンピンと最高の結果となった。ピットでは終始穏やかで、どことなく風格みたいなものすら感じさせている濱野谷。引き上げてきたときには、もちろんニッコリと周囲に笑顔を見せたが、そのなかにも引き締まった表情が見受けられる。なんだか、雰囲気を感じるのだ。大仕事の予感が漂うように思えるが、果たして……。

DSC00404  昨日、足を引きずっていた仲口博崇だが、今日はもう回復しているようです。プレゼント用の手ぬぐいにサインを入れてもらったのだが、今日は1着を取っていることもあってご機嫌の様子だ。実に気さくな人でした。

DSC00356  さてさて、どうしても、どうしても、どーーーーしても気になる山崎智也。今日は5着ともうひとつの成績も、足のほうは手応えがあるのか、表情はとっても明るい。少し先述したが、同期の海野に相談を受けると快く応え、同県の後輩・秋山が転覆すると率先して助けようとする。その間も、沈んだような表情はいっさい見せない。さらには、熊谷直樹にニヤニヤと話しかけたり(でも、カポックを運んであげてました)、記者さんと映画の話に興じてみたり、長嶺豊さんを見つけるとなぜか泣き真似をしてみたり。見かけるたびに、こちらの頬が緩んでしまうのだ。なんだか智也に元気をもらっているような気分である。明日もやっぱり気になっちまうんだろうなあ……。(黒須田守)


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2日目前半戦&ピット

6R、「明日頑張ります」と昨日のドリーム戦後にたった一言のコメントを出した松井繁は、有言実行、その言葉どおりに頑張った。4カドからトップスタートでまくり一閃。前日の悔恨は、王者・松井にいつも以上の気合をぶち込んだ。今日の11Rも期待が膨らむ。

4Rのトップ争いは熾烈だった。まくり差しでバック抜けた一宮稔弘と、追った辻栄蔵が3周2マークまで激しく競り合ったのだ。道中、一時は日高逸子もトップ争いに加わっての大激戦。辻の渾身のハンドルをなんとか凌ぎ切って、一宮が1着。準優戦線になんとか残った。とにかく、選手たちの気合はみなぎっている。

DSC00287 3Rでは4号艇の西田靖が、5Rでは3号艇の倉谷和信が、前付けしてインを奪取。勝利へのあくなき意欲を見せている。後半も、ますます激しいバトルが水面に炸裂するのは間違いない。

DSC00348 ピットでは、市川哲也が渋い顔をしていた。ワースト機を引いてしまい、開会式では「バリバリ上げていきます!」と前向きに叫んでいたが、思うように上積みができないでいるようだ。今日は1R1回乗り。時間はタップリあるだけに、一か八かの大整備に手をつけるのか。昨日連勝の今垣光太郎は、リードバルブの調整を丁寧に丁寧に行なっていた。足にはまだまだ満足していないのだろう、昨日の勢いを維持し、さらに強烈にするために、今垣は今日も全力で整備する。12R「五条大橋の戦い」がますます楽しみになってきた。

さて、もはや徹底的に気になる山崎智也。ハッキリと明るい表情だ。昨日のドリーム2着で、かなり手応えを掴んだのだろう。長嶺豊さんたちと雑談しながら、笑顔でパチパチパチと手を叩いていたりもした。何の話だったのかは、遠くからはまったくわからなかったが、とにかく気持ちに余裕があるのはたしか。ご機嫌な智也を見ていると、こちらまでなんだかウキウキしてくるのであった。(黒須田守)


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選手たちがお出迎え

おはようございます。2日目です!

DSC00308 笹川賞でも好評だった、選手による朝のお出迎え。本日、ここ下関競艇場でも行なわれました。今村豊、松井繁、今垣光太郎、山崎智也、濱野谷憲吾、寺田祥、烏野賢太、熊谷直樹、池上裕次、松本勝也、池田浩二らが、西門でファンのみなさんをお迎えしました。SGなどでは恒例化されるといいなあ。

コメント、トラックバックいただいた皆様、ありがとうございます。また、誤字には注意を払って更新していきます。ご指摘いただいきありがとうございました。

DSC00305 さあ、2日目もまもなくスタートします。本日も取材に精を出し、随時更新していきます(舟券もがんばります)。どうぞよろしく!(黒須田)


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初日・午前中のピット

DSC00205 戦いは始まった。午前中のピットは、静けさが漂っていた。まだ導火線に火がついたばかり、ということなのだろうか。それとも、一走レースをしてみなければ、本当の相場がわからないということなのか。慌しさとか、キリキリした緊張感とか、そういった切羽詰った思いというのはまだ高まっていない。それぞれが穏やかに戦いの準備をしている、といった感じだ。

DSC00214 今節の堂々たる主役の一人であり、そして体調不安ばかりが話題になる今村豊は、ピットでは明るく振舞っている。整備士さんに「最後までおれよ」と声をかけられると、「当然でしょ。最後までおらせてもらわなきゃ」と笑顔を見せて、その整備士さんとじゃれ合っていた。その笑顔のまま、今度は上瀧和則と何事か話し込む。「新・義経伝説」(12R)で対戦する二人、浮かんでいた笑みは自然と引き締まっていった。そこに3Rを終えた選手たちが引き上げてくる。今村は同地区である市川哲也のボートに駆け寄って、片付けを手伝っていた。心配しているみなさん、おそらく今村は大丈夫。間違いなく、今村は闘志をもって、このグラチャンを戦い抜く。まずは「新・義経伝説」に注目だ。

DSC00203 静かな闘志をみなぎらせていたのが、西田靖だ。近寄りがたいムードを発散しつつも、穏やかな表情をうかがわせている。ベテランだけに、6日間の戦い方は知り尽くしているということだろうか。真摯な顔つきでボートを調整する彼を見ていると、こちらまで気分がグッと高揚した。

DSC00204 辻栄蔵が、平石和男と何事か話し込んでいた。開会式では爽やかで明るい表情だったが、ピットでは締まった顔つきでドリームを待つ。「前検から出るタイプではない」とドリーム選手インタビューでも言っていたように、現時点での足は満足のいくものではない。12Rまではまだ時間がある。ここから懸命の調整で間に合わせることができるか。

DSC00201 さて、いつも気になる山崎智也。閑散としている整備室でただ一人、整備士さんの助言を受けながらエンジン整備に必死の様子だった。焦った表情ではないものの、足はもうひとつか? この整備で良化があるだろうか……。(黒須田守)


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開会式リポート

 ついにきたきた、下関グラチャンの初日。スタンド中央部のイベントホールは午前9時過ぎには1000人を超えるファンでぎっしり満杯に。9時半ちょうど、いきなりTUBEの前田亘輝氏が登場し、キャ~~ッと黄色い声援が飛ぶ。「競艇はわかんないけど、前田さんの追っかけでここまで来ました」みたいな女性が、推定で30人ほどいたようだ。
「BOAT!BEAT!HEART!イン下関、スタート!!」

DSC00168  前田氏のお約束シャウトと同時に幕が開き、ドド~ンとアロハシャツ姿の選手52人が。白黒赤青黄緑……色とりどりの涼しげなシャツがステージに映える。まずは第1レース「牛若丸見参」レースの6人が揃って前列に並び、1号艇の池田浩二から挨拶開始。
「エンジン全然出てません」といきなりダウン系の言葉が。6人のスピーチが終わると、次は選手登番順にマイクの前に立つ。例によって、ユニークなスピーチをいくつか紹介しておこう。(聞きかじりで書くんで、少し不正確かも)
日高逸子☆5月に新築してローンをすごく払わなきゃいけないのに、最近はペラの調子がさっぱりです。……6レースの1号艇は、スタート張り込んでメイチのローン駆け?
熊谷直樹☆暑くてグッタリしてる方、北海道に来てください。これからがいい季節です。……その通り!俺の故郷でもある北海道はこれからが…ってアンタ、初日から観光案内してどうする、熊さん!!
森竜也☆穴党の方、こないだ下関で2万の穴を出したんで、今度は3万出します!……期待してまっせ、モーターも40%引いたことだし。
烏野賢太☆グレートに頑張る、と思うよ~。……こちらは30%のモーターで、ちょいとトーンダウンのグレート賢太さんでした。
市川哲也☆やりました!最低勝率のエンジン引き当てました。最終日までにグイグイ引き上げま~す!……半ば開き直りともとれるコメントだけど、気持ちは前向き。どこかで穴を開けるとみた。
重成一人☆香川県はひとり。前節もF切ったばかりですが、胸張って帰れるよう頑張ります。……香川から単身挑戦。モーターは胸をグイッと張れるほどの抜群の伸びで、優勝カップが鳴門海峡を渡るかもかも。

DSC00184  最後はドリーム戦「新・義経伝説」レースの面々の挨拶&レース展望へ。なんといっても気になるのが地元の大将・今村豊の体調なのだが「ちょっと体調悪くて皆さんにご心配かけてますけど、今節は最終日まで精一杯頑張ります」「病気に負けずに6日間乗り切りたい」と力強い“完走”宣言。実際には立っていることさえつらいのかもしれないが、意地だけで水面に立つ。明日が44歳の誕生日。どうでもいいけど、俺も8月で44。同期の星として、ぜひとも優勝戦に駒を進めてほしい。頑張れ、今村豊!
 もうひとり、今村とは違った意味で妙に気になる山崎智也は「◎▼×□★!」と早口で聞き取れないコメント。どうやら「BOAT!BEAT!HEART!KYOTEI!」と言ったらしい。これはきっと、「悪いスけど、ここでは俺のほうがスターですから」というTUBE・前田氏への挑戦状だったのでは?

DSC00185

独断と偏見の歓声ランキング
5位 岡本慎治 58ワー
4位 植木通彦 61ワー
3位 上瀧和則 73ワー
2位 寺田祥  85ワー
1位 今村豊  1000000ワー
※ワーは歓声音の単位です。(畠山)


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今村豊が前検一番時計!

気温が30度にも達した下関のピット。試運転から上がってきた選手たちは、汗だくで整備に向かう。暑い。とにかく暑い。この熱気の中、選手たちは明日からのバトルに万全で臨むべく、テキパキと駆け回るのだった。

DSC00130 さて、前検。展示一番時計をマークしたのは、地元の雄・今村豊である。コンマ50台は重成一人と今村の二人だけ。まずは上々の手応えで、初日を迎えられそうである。時計が示すとおり、伸びは悪くないとのこと。1班1号艇だったので、好タイムは当然という見方もあるのだが……。とはいえ、明日のドリーム12R「新・義経伝説」は1号艇だが、1回乗りだけに時間はタップリとある。出足もきっちりと仕上げて臨めるはずだ。スタート練習はすべてインから.08、.15、.09と、さすが地元、バッチリと見えている。極端な気候の変化がない限り、絶好の滑り出しになりそうな予感がある。気になる体調のほうは、ピットで見る限りはそれほどひどくはないように見える。元気一杯というわけにはいかなくとも、戦えるだけの状態にはある。

注目機の72号機を引いた林美憲も、好タイムだ。6.61秒は第3位の時計。初日は前半4号艇(4R)、後半3号艇(8R)。センターからの好脚を生かしたレースに期待したい。手応えはかなり良さそうだ。今村とともにコンマDSC0015450台の重成は、チルトを1.5度に跳ねて超抜の伸DSC00111び。「空を飛んでいるよう」とのコメントは、競馬・日本ダービーのディープインパクトを思い出す。台風の目はこの男か。ほかでタイムが良かったのは、矢後剛、山本浩次、海野ゆかり、寺田祥。矢後は笹川賞で注目した阿波勝哉とはペラグループの盟友。阿波の必殺アウト捲りを、最近は矢後も得意としている。スタート練習はオール6コース。上々の伸び脚で阿波を彷彿とさせる走りを見せるだろうか。

DSC00087 前検タイムは突出していないが、エース機・渡邉英児はかなりの手応えを感じている様子。表情も明るく、記者たちの質問にもハキハキと答え、「悪くないですね」とキッパリ。初日11Rは5号艇だが、3号艇の矢後がアウトに出るなら4カドも十分の組み合わせ。一発大駆けには注意が必要だ。その渡邉に「(回ってから)出て行くでしょ?」といわれていたのが、平石和男。渡邉のその問いかけに、ご機嫌で応えていたところを見ると、足はなかなかのものだろう。そのほか、長嶺豊氏に話を聞いたところ、菊池孝平、笠原亮も手応え良し。そして、「松井繁が自信タップリに見えた」とのこと、たしかに我々から見ても、松井の悠然たる姿は印象に残るほどだった。人気でも逆らう手はなし、か。

DSC00151 低勝率機を引いてしまった今垣光太郎は、やはりエンジン整備に大忙し。といっても、これは今垣にとっては特別なことではない。モーター抽選が終わり、モーターとボートを受け取った選手たちは、次々に試運転へと飛び出していくが、一番最後まで整備室でモーターの点検をしているのが今垣。今日も、半分以上の選手が水面に出ているにもかかわらず、丁寧にモーターをチェックして、ボートに装着したのは一番最後だった。表情はそれほど暗くもないから、絶望的な足ということはあるまい。凡機を駆りながら、優出2着した笹川賞を思い出せば、低勝率機といえど無視はできない。ほかに、整備室で必死の整備に精を出していたのは、倉谷和信、濱村芳宏、今村暢孝、仲口博崇といった面々。逆に、江口晃生、矢後あたりは時折のんびりする姿も見受けられた。

DSC00142 さて、今節も気になる山崎智也。モーターは中堅機といったところだが、それほど悲観的な表情は見られない。といっても、クールな表情で他選手のボート片付けにいそしんだかと思えば、同県の先輩・江口としゃがみ込んで談笑したりと、やっぱり端から見ているだけではその心中はさっぱりわからんのだった。笹川賞では予選落ちしているだけに、ここで一発巻き返したいところ。今日のところは、静かな闘志と見ることにしたい。(黒須田守)


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選手到着!

DSC00031 時間を追うごとに強くなっていく日差し。それにもめげず、通用門で選手の入りを待つ大勢のファン。そんななか、グラチャンに出場する選手たちが続々と到着!

一番乗りは日高逸子。すぐに着替えて、さっそく慌しく準備を始める。一段落つくと、通用門で待っているファンのもとへと駆け寄って、サイン、写真撮影のファンサービス。ファンの子供を抱くなど、その姿勢には頭が下がる。

DSC00017 つづいて、60期勢が登場。濱村芳宏、烏野賢太、上瀧和則だ。上瀧はスーツを着たまま、早くも準備に取りかかる。笹川賞ではいまひとつの成績に終わってしまったが、初日ドリーム「新・義経伝説」のメンバーに選ばれていることもあってか、気合十分に見える。今節は巻き返しを期待したい。

DSC00016 東京勢が到着。熊谷直樹、村田修次らが控室に向かうなか、濱野谷憲吾は通用門へと小走り。ファンの声援に応えるためだ。下関は、選手がタクシーを降りる場所が通用門からかなり奥なのだが、何人かの人気選手はそこから通用門へとUターンして、ファンのサイン攻めに応えている。濱野谷も、通用門付近でファンに囲まれて笑顔を見せる。笹川賞優出、江戸川周年優勝と好調の濱野谷、勢いに乗る手もあるか。

DSC00025 つづいて到着は埼玉勢。池上裕次、中澤和志らが足早に控室へと向かう。さらに市川哲也、海野ゆかりらの広島勢、山崎智也、江口晃生らの群馬勢も到着した。ほぼ同時に、今垣光太郎も登場。ラッシュアワーのごとく、次々と選手たちがやって来る。山崎智也は、やはり通用門へとダッシュ。女性ファンたちの突進をガシッと受け止め、かなり長い時間、撮影に応えるのだった。

今村豊、岡本慎治ら地元勢は、選手会事務所で関係者に挨拶。野中和夫選手会長とじっくりと話し込んでいる様子だった。今節最大の目玉の一人が、地元の雄・今村。体調の不安も囁かれているが、気合は満点でレースに臨むだろう。その顔つきには、決意のようなものが見えた気がした。同じ頃、倉谷和信を先頭に松井繁、太田和美の大阪勢が到着。いずれもリラックスした表情で控室へと向かった。これでほぼ全選手が到着した模様で、ピット付近はにわかに活気づいてきたぞ!

最後におまけ。松本勝也、吉川元浩の兵庫勢を乗せてきたタクシーが、なぜか停車して僕たちを待ち構えていた。いや、取材中ですから乗りませんよ……と思いきや、笑顔の素敵な運転手さん(推定59歳のお父さん)が、「今の選手、誰でしたかなあ?」。教えてあげると、「そっかあ!」と笑顔満開。お父さん、間違いなく競艇ファンと見た。選手を乗せて、ウキウキ気分で競艇場までやって来たが、どうしても選手の名前が思い出せない。かといって、選手に「あんた誰?」と聞くわけにもいかず……。今節、お父さんは松本、吉川で勝負するんでしょうね。二人ともお父さんの期待に応えるべく、頑張れ!(黒須田守)

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明日からグラチャン!

おはようございます。

DSC00002 取材班、ただいま下関競艇場に到着いたしました。本日より、ここ下関から生の情報を即日レポートでお届けいたします。今節もよろしくどうぞ!

まずはこのあと選手到着、前検を取材し、随時レポートいたします。お楽しみに!DSC00001

 


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いよいよグラチャン!

21日から26日まで、下関競艇場でグランドチャンピオン決定戦が行なわれます!

今回も、明日20日の前検から優勝戦まで、がっちりと追っかけて即日レポートでお届けいたします。

前年のSGでの成績が選出基準となっていることから、SGの中のSGとも言われるグラチャン。どんなドラマがそこに待っているのか……笹川賞の時と同様、ピットでの選手の様子はもちろん、激しいレース展開、我々がピックアップする特注選手の戦いぶり、そして予想(笹川賞時はあまり当たりませんでしたが、今度こそ!)など、熱い情報をお伝えいたします。

我々はこれから下関に出発いたします。皆様、下関競艇場でお会いしましょう。今回もどうぞよろしく!


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