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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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新鋭王座優勝戦 私的回顧!

それは、死闘だった。

SANY1105  あえて、ふたりの選手に絞って書かせてもらう。中野次郎と岡部大輔。素晴らしいマッチレースだった。両者の「負けたくない、負けられない」という思いを加味すれば、死闘と言ってもいいだろう。
 進入は123/456。スタート展示では次郎が抜群のピット離れからインを奪取したが、さすがに本番では岡部が譲るはずもない。枠なりですんなり収まり、スリットを通過したときには内2艇が抜け出していた。特に岡部は渾身のトップS(コンマ05!)。
 逃げたっ!
 俺だけではなく、誰もがそう思ったはずだ。岡部の22号機は節イチの怪物モーター。次郎の52号機も高いレベルで仕上がっていたが、出足、伸び、回り足ともほんの少しずつ岡部に分がある。1マークを一目散に目指す岡部。追いすがる次郎。岡部がターンした。ほとんど全速と思えるインモンキー。しっかりとブイも捉えている。22号機が唸る。並の相手なら、回った瞬間に3艇身は突き放してしまうターン。
SANY1033  だが、次郎の差しハンドルはすでにSG級なのだ。ブイのはるか手前で舳先が真横を向いていた。逃げきったか、差したか……!? 2艇が旋廻した直後に、それはわかった。次郎が岡部の内に完全に潜り込んでいる。2艇が並び、岡部がやや流れた分だけ次郎が先行する。内外の関係もあって、圧倒的に次郎が有利な立場になった。しかし、岡部の駆るモーターは22号機なのだ。岡部が艇を外に振って、差しの体勢に入る。次郎が焦ってターンマークをはずせば、再び立場は逆転する。
 2マーク。次郎のターンはあまりにも完璧だった。ブイに艇側をなすりつけるような、緻密にして素早いモンキー。岡部に差し場は与えられず、ここで力尽きた。第20代の新鋭王座が決まった。
 中野次郎の負けられない理由。それは、このレースを勝てば、地元・平和島での総理大臣杯のチケットが手に入るから。次郎は去年の若松MB記念に平和島の推薦で参戦し、予選道中でFを切った。次郎からすれば、平和島の顔に泥を塗ってしまったわけで、何としてでも自力で恩返しをしたい。そんな思いの詰まった渾身の差しであり、完璧なターンだった。
 表彰式の次郎に、涙はなかった。去年は準優勝、SGの舞台も経験してきた次郎にとって、この優勝は通過点。そんな余裕さえ感じられた。この1年でSGを獲れるだけの器に成長したのだ。

心に勝って、勝負に負けた

 一方の岡部は、次郎よりも「負けられない」という思いが強かったかもしれない。岡部について、ここで少し詳しく記しておく。
 岡部大輔という名前は知っていたが、レースを見たことがなかった。だから、特別な思い入れとてあるわけもない。が、前検日の足合わせを見ていて、その存在が急に大きなものになった。誰と回っても、1~2艇身ほど引き離す。鳥肌が立つような足だった。この時点では岡部大輔というより、22号機に一目惚れしたわけだ。
DSC00104  それからの岡部の活躍は、ここで書くまでもないこと。22号機のモンスターパワーを駆使して、岡部は節間のリーディング選手になった。俺としては、「今になってみんながチヤホヤしてるけど、この宝物をいちばん最初に見つけたのは俺だぞ!」なんて自慢したい気分だった。その間、彼に関する情報もちらちらと耳に入ってきた。
 唐津に住んでいる純地元選手。
 今まで一般戦でも優勝したことがない。
 GI戦も今回がはじめて。
 尊敬する人物は織田信長。その理由は「天下統一したから」(実はしてないけど)
 などなど。こんなことを知りながら日々の活躍を見ていたわけだが、3日目が終わって準優の当確ランプが点灯したあたりから、俺はいささか不安になってきた。何しろ、優勝経験のない選手がいきなりGⅠの主役に立たされたのだ。しかも地元で。このプレッシャーはSGレーサーには当たり前でも、岡部にとっては今まで味わったこのない重圧に違いない。胃が軋むような日々に、果たして岡部が耐えられるのか。老婆心ながら、勝手に心配していた。前検で一目惚れしてから、なんだか育ての親のような気分になっていわけだ。
 だが、4日目~準優まで、岡部は自力でそれらの重圧を克服した。どちらもイン戦でのピンピン。俺はその精神力に舌を巻きつつ、「それでも優勝戦はメンバーも雰囲気もまるで違うぞ。それに打ち勝つだけの精神力がお前にあるか?」と心の中で岡部に問いかけていた。
 そして優勝戦。GⅠで、地元水面で、1号艇で、1番人気で、同期もいなくて、他に地元の選手もいなくて、メンバーSG常連の猛者たちが揃って、一般戦でも11優出してすべて辛酸を舐めている優勝戦……数えたらきりがないほどの「負けられない」要素を背負って、岡部はこの孤独な大舞台に立った。結果は2着。勝ちきれなかった。
 この結果をもって「岡部がどれほどの器か」を論じるのは読者に任せよう。ただ、凄まじい負荷を背負ってのコンマ05のスタートは、並の精神力ではできない芸当だと俺は思う。
「スタートは少し放ったが、満足しています。ただ、1マークで少し余裕があった分だけ握りすぎました。悔しい、すごく悔しい」
 レース後、岡部はこうコメントしてから泣き崩れたという。今日は思いきり泣きたいだけ泣けばいい。敗因ははっきりしている。経験と技術の差、一言でいうなら力の差で負けた。ここには明確な反省材料と将来への課題がぎっしり詰まっている。泣くだけ泣いて、明日からその課題と真剣に向き合えばいい。そして、今日の優勝戦で「心」では負けなかったことを誇りに思ってほしい。これから駆け上がるであろう舞台で、何よりも大事なのは心の強さなのだから。
SANY1094  中野次郎、おめでとう。岡部大輔、お疲れさま。素晴らしい1マークを、ありがとう。(畠山)


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哀涙

SANY1060  展示を終えてピットに戻ってきた岡部大輔が、苦笑いを浮かべた。
「失敗しちゃいました」
 スタート展示で、中野次郎にインを奪われたのは、緊張のあまり、だったのか。それとも、単なるミスだったのか。さっそく、小野勇作が駆け寄って、何事かをアドバイスする。神妙に話し込む二人。その後、岡部はペラ調整室に入っていく。中には三井所尊春がいた。話しかける岡部に、三井所は「大丈夫! 大丈夫! 大丈夫!」と、カツを入れる。岡部は、スタート展示の失敗に泣きを入れたのだろうか。しんとし始めたピット内に響くほど、三井所は大声で岡部を励ました。岡部は、ひとつ頷いて、ペラ室を出た。
 優勝戦が刻々と近づいて、仲間たちが岡部に送るのは、もはや笑顔ではない。最高の闘志。最高の気合。この優勝戦は、佐賀支部全員で戦うのだ。岡部の顔に、決意が滲んでいた。

SANY1065  しかし、岡部はあまりに重い時間を過ごしていた。一人でいると、心が押しつぶされる。かといって、優勝戦のメンバーや佐賀支部の仲間の中にはいられない。気づくと、岡部は整備員控室で、整備士さんの輪の中にいた。デビュー時からお世話になり、かわいがってもらった人たちなのだろう。岡部の気持ちを慮ってか、整備士さんたちも特に口を開かない。ただ、優しい目で岡部を見つめている。岡部は、その視線を意識しているのかどうか、一点を見つめてじっと動かない。
 優勝戦のピットは、いつもと同じように、静寂に包まれている。物音がほとんどしないなかで、時は流れていく。岡部はその時間を長く感じただろうか。それとも、アッという間だっただろうか。
 16時25分。岡部は静かに立ち上がった。出走控室へとゆっくりした足取りで向かい、そっとトビラを開いて中に入る。すぐに乗艇準備の合図。数分後、ブザーが鳴って、控室を出る。白いカポックを着た岡部が、他の5人とともに現われた。1号艇の選手は、整列した際に「敬礼!」と掛け声を発する役割を担っている。岡部の太い声がピット内に響く。待ったなし。岡部にとっての試練の時間は終わりを告げ、しかしもっともっと大きな試練に立ち向かう時を迎えた。

SANY1070  ピットアウト。インを取り切る。
 スタート。コンマ05のトップスタート。
 真っ先に1マークに到達。先マイ。
  ここまでの課程に、どんな瑕疵があっただろう。
 岡部は、誰もが逃げ出したくなるような状況下で、しかも今までにこれ以上の局面を経験したことなどなかったなかで、素晴らしいレースを見せた。誰が、岡部のこの走りにケチがつけられよう。岡部が浴びるべきは、賞賛しかない。よくぞ、この走りができた! それ以外にかける言葉などありえないと、僕は信じる。
 しかし、結果は非情だった。1マークを回った瞬間、中野次郎に先んじられた。2着は悪い結果ではないが、岡部はただただ、肩を落としてピットに戻ってくるしかなかった。
 荻野裕介、福島勇樹、福来剛、金田諭、石塚久也ら関東勢のバンザイを、岡部はどんな思いで眺めただろう。それとも、視界に入れる余裕などなかったか……。中野がウイニングランに向かったから、ピットにはいちばん最初に戻ってくることになる。優勝戦以外ならば、勝者の行動である。しかし、このときばかりはあまりに残酷な、誰よりも早い帰還だった。

SANY1074  真っ先に出迎えたのは、やはり小野勇作だった。うんうんと頷きながら、ありったけの優しさを込めた声で、「よくやったな。よくやったぞ」と岡部の走りを称えた。そして、そっと肩を抱く。その後ろでは、森永淳が世界中の慈愛を集めたような目で、岡部を見つめていた。このプレッシャーの中、よくインを取り、よくスタートを行けたな。森永の目が、そう語っていた。本来なら、俺の役割だったのに……そんな思いも、あったかもしれない。
 岡部の健闘は、多くの選手をも感動させたようだった。今日はこの後、打ち上げが行なわれるということで、ほとんどの選手がピットに残っていた。次々と、岡部に近寄り、声をかけたり、肩を叩いたりしている。そのすべてに、岡部は頷いて応えていた。声はなかった。
 ヘルメットを脱ぐと、岡部の顔には精気がなかった。首を傾げる。やはり、言葉は出ない。無言で、ただただ悔しさを全開にしている。溜め息すら出ない。勝てなかった、その事実をひたすら受け止め、向き合っているようだった。
 カポックを脱ぎ、モーターの返納に向かう。報道陣がコメントを取ろうと近寄ると、岡部はひとつ首を傾げて、「握りすぎた」と敗因を語った。これもまた、賛辞を送るべきことであろう。握れずに、中途半端なレースで負けたのではない。全力で勝利をもぎ取りにいったのだ。それが敗北を呼び込んだ要因であろうと、力の限りに戦ったことは誰にも責めることはできない。
 岡部が、もう一度、首を傾げる。岡部にできることは、もうそれしかないのかもしれなかった。表情に、力はなかった。

SANY1081  ここから先を、どう書いたらいいのだろう。
 モーター返納のために整備室に足を踏み入れた瞬間のことだった。
 岡部の顔が、とてつもない歪み方をした。
 もはや、感情を抑えるすべを、岡部は完全に失っていた。
 涙、涙、涙……。
 あたりをはばかることなく、泣きじゃくる岡部。周囲は、声を失うしかなかった。
 ペラを外し、モーターの後点検をする間も、涙は止まらない。佐賀支部の仲間がそれを手伝うなか、岡部はただただ泣き続けた。少し離れたところで、松江秀徳が岡部を見つめている。それは、あまりにツラい、潤んだ視線であった。後輩の奮闘、酷というしかない結果。岡部の涙の意味を考えれば、松江はそうすることしかできなかっただろう。おそらく、岡部はその視線に気づいてはいなかった。岡部はただただ哀しみに包まれ、松江はただただ痛々しい思いで見ているしかなかった。
SANY1086  最初に声をかけたのは、やはり小野勇作である。「泣け、泣け。こういうときは、思い切り泣くんだ」。そういって、岡部の肩を後ろから揺すった。岡部を救おうとしたその言葉を、僕は忘れないだろう。小野の男気があったから、岡部はこれだけの戦いを完遂できたのだ。真実は知らないが、僕はそう信じる。新鋭王座決定戦、影のMVPは間違いなく、小野勇作である。
 その小野の優しさ、またそれをきっかけにしたかのように次々とかけられる他の選手の気遣いが、岡部の涙をさらに溢れさせる。もう、たまらなかった。気を緩めたら、取材者としての理性などぶっ飛びそうだった。時間が経つごとに、さらに滂沱と流れてくる岡部の涙。こんなにツラい優勝戦のピットは、初めてだった。
 さらに泣いて泣いて、泣き尽くして、岡部は控室へと消えていった。その肩を、佐賀支部の仲間が優しく抱えていた。全員の後姿が、泣いていた。

SANY1059  岡部大輔よ、泣け。ひたすら泣け。
 その涙は、君が悔いのない戦いをしたという証なのだ。自分にできること、そのすべてを果たしたからこそ、流せる涙というものがある。今、君が止めることのできない涙は、間違いなくそれである。地元の期待をその小さな背中にすべて背負い、戦い抜いた岡部大輔は、最高に輝いている。これまでの実績を考えれば過分だったかもしれない責任を、迫り来る重圧に耐え抜いて、君は背負い切って見せたのである。
 たしかに、敗れた。結果という部分では、責任を果たし切れなかったのかもしれない。だから、今日は気が済むまで泣けばいい。その涙が、岡部大輔を強くする。歓喜の涙は、悲痛な涙を流し切った後に、ようやく涙腺まで辿り着くものである。そう、今日の涙は、いつか男泣きに泣くために、必要な涙なのだ。
 岡部よ、お疲れ様。今日の君は、最高に美しかった。

SANY1089  他の優出選手、また彼らのファンや彼らの様子を知りたい方には、お詫び申し上げたい。特に、優勝した中野次郎には、その歓喜の様子をほとんど伝えることができずに申し訳なく思う。GⅠ初優勝、そして地元・平和島の総理杯への切符を手にしたこと、心から祝福します。レース後のピットでの笑顔は、最高でした。井口佳典も、丸岡正典も、前野竜一も、そして中村有裕も、素晴らしい戦いをしたと感動しています。また、84期、85期のみなさん、最後の新鋭王座、お疲れ様でした。これからはさらに上の舞台での活躍を願っています。
SANY0027  しかし、今日という日は、岡部大輔のためにあった、僕はそう信じている。
 偉大なる敗北がある。敗れて得るものがある。いや、哀しい敗戦を経験し、それを受け止めなければ得られないものもある。そんな真理を教えられた、新鋭王座決定戦だった。教えてくれたのは、もちろん岡部大輔である。(黒須田守)


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最終日、前半戦終了――1、2、3ダーッ!が連発

SANY0947 今日は内寄りが強い! 1Rこそ、5-4-6とアウト3艇で決まって約6万円のビッグ配当が飛び出したが、それ以降はイン逃げ続出。あるいは2号艇、3号艇が上位に入っている。1-2-3BOX決着が7Rまでに早くも3本。とにかく、内コースを無視できない状況だ。

といっても、いわゆる敗者戦はイン有利が定石。想定の範囲内ともいえるわけだ。これから賞典レースに突入すれば、また違った傾向が飛び出すことも考えられる。優勝戦の水面は、果たしてどんな表情を浮かび上がらせるのか。後半戦も頑張りましょう!


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非日常――優勝戦、朝のピット

SANY0951  これぞビッグ優勝戦、といったところか。テレビカメラや報道陣が大量にピット入りしている。ふらふらと歩いていて、ふと振り向くと、やべっ、カメラに入っちゃうよ。と、小走りで移動すると、うがぁぁぁぁぁ、こっちにもカメラがーーっ。というわけで、身動きもとれずにジッとしていたわけですが、あぁぁぁ、あそこに岡部がいるよーーーっ。もーいいやっ。なぜか急に胸を張って、ピットを闊歩している私であります。ともかく、やはり非日常感あふれるピットは、非常に心地よかったりする。ま、優出選手たちは大忙しで大変そうなのですが。

SANY0977  この朝、最大の注目はやはり岡部大輔だった。昨日の夜、とある場所で数年前に現役を引退された、元選手の方(佐賀支部)と偶然出会った。もろもろの話に花が咲く中で、彼は「岡部には勝ってもらいたい!」と後輩(デビューの頃、操縦訓練を付けたことがあったそうです)の殊勲を祈る一方、「でも、初GⅠで初優勝(岡部は一般戦などを含めても優勝未経験)は、難しいんだよなあ……」と、そのプレッシャーの大きさと、克服の難しさを語っていた。そりゃそうだよなあ……僕らもその言葉に深く頷いていた。
 今朝の岡部は、プレッシャーとどう戦っているだろうか。最初の関心はそれしかない。僕はピットに入ると、まず岡部の姿を探したのだった。
 岡部は、ペラ調整室にいた。表情は、堅い。やっぱりか……。それが当然とはいえ、昨日よりもさらに大きな緊張感の中にいるように見える。ペラ室を出るとき、大きく息を吸い込み、頬をふくらませてから、一気にふぅぅぅぅぅぅと吐き出す。必死に平常心を取り戻そうとしている行動だろう。少し心配になった。
SANY0998  そんな岡部をほぐすのは、やはり佐賀勢であった。カメラマンさんの注文で、今節参加の6人が、展示待機場所のあたりに集合した。そこで会話の中心にいるのは、やはり岡部である。小野勇作が、森永淳が、三井所尊春が、中尾誠が、そして3Rの展示を終えた松江秀徳が、岡部に何事か話している。森永は、岡部の背中をポンポンと叩いて、さらに軽くローキックを見舞った。ニコニコとそれをガードする岡部。おおっ、岡部に笑顔が! いやいや、別に驚くことではないけれども、森永が引き出したそのスマイルは、とてつもなく艶やかに見えた。
 この後も、岡部は一人で過ごす時間の緊張、佐賀勢と過ごす時間の笑顔、これを繰り返して優勝戦を迎えるのだろう。優勝戦のピットアウトのとき、岡部はどのような気持ちでいるだろうか。

SANY0952  忙しそうに動いているのは、中野次郎。といっても、ジタバタしているという感じではなく、早い時間帯のうちに最終チェックを済ませておこう、ということだろう。堅くなっている様子もなく、ごくごく平静な表情で、ピット内を往復していた。報道陣につかまると、笑顔も見える。透明感、と昨日書いたが、その印象は今日もまったく変わらない。いい状態で午後を迎えることができそうである。

SANY0972  昨日とまったく変わらないのが、丸岡正典と井口佳典の85期コンビ。井口のほうは、徐々に最高の精神状態を作り上げようという様子もうかがえるが、丸岡は「ほんとに優出選手?」というくらいに、落ち着いている。なんだか、いぶし銀、という言葉が浮かんできたぞ。丸岡の年齢にはまるでふさわしくない表現だが、すでにベテラン並の風格があるのはたしか。ちょっと憧れてしまうなあ。

SANY0965  前野竜一は、今日もまた体重が減っている! 日々ダイエットを決意しては、ものの数時間で挫折している僕としては、尊敬の一言である。もちろん、これは新鋭王座に賭ける意気込みの発露。6号艇といえど、侮れない存在だ。同期の表憲一と談笑している姿を見かけたが、精神状態も非常にクリアな様子。展開を突く一発があるだろうか。

 中村有裕、ほとんど見かけません! ペラ室にも、整備室にもいない。もはや足は完調ということか? 新鋭王座を獲りにいくための、メンタル調整に入ったということなのか? 何にしても、優勝戦の朝からジタバタしていて、いいことなどない。大一番の迎え方を知っているユーユーだから、姿が見えないことが好材料と言えるはずである。午後のユーユー、会うのがとっても楽しみになってきた。

SANY0956  優出選手以外のお話も。ん? 石野貴之が検査員室からピット内を覗き込んでいる。そこには、地上波テレビのインタビューを受ける丸岡が。だはは、石野は丸岡を笑わせようとして、すぐ近くからじっと見つめていたのだ。というわけで、その石野を撮影しようと反対側に回って、パチリ。ん? だはは、こっちに目線をくれてますね。石野の立ち居振る舞いって、キュートです。

SANY0984  惜しいところで優出を逃した吉永則雄。でも、今日も陽気です。撮影のお願いをすると、「僕でいいんですか?」。いいに決まってるじゃないですか! 昨日のリベンジは、まず今日果たせ。優勝戦だけでなく、君のレースにも注目してるぞ!(黒須田守)


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トホホ……焼け石1-2-6的中

DSC00106   きました1-2-6! 初日から全レース買い続けてきた3連単1-2-6。最終日の第3レースにやっとこさ出ました。が、2艇のフライング返還もあって、配当は1270円……Fした2艇はほぼ間違いなく着外の展開だったので、無駄に安くなってしまったな~。このレースまで1-2-6を6300円買ってきたから、回収率は20%ですか。でも、まだまだ優勝戦までたっぷりレースはあるので、一発大逆転に期待したいと思います!


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優出6戦士インタビュー速報!

DSC00101  9時50分、1階の特設ステージにサバイバル戦を勝ち抜いた優出6戦士が立った。1号艇をゲットした地元の岡部大輔(写真左)は開口一番「いちばん、よく眠れました!」と元気にコメントしたが、わざわざ「いちばん」を付けるあたりに気負いを感じるわけで、表情もやや堅く見えた。それぞれの思惑と決意を簡潔にまとめてお伝えしよう。
①岡部大輔「足は最高、全部いいです。インから行きたい。まだプレッシャーはないですけど、これから来るんでしょうね。とにかく平常心で臨みたい。今日も気合い入れて走るんで、よろしくお願いします!」
②中野次郎(写真下)「ピット離れがよければひとつでも内を狙うけど、基本的には枠なり。スタートは勘どおり。総理大臣杯は地元の平和島なので(今日勝って)是非出たい。思いきってレースします!」
③中村有裕「昨日の整備でやっと手ごたえが来ました。現状維持かさらに整備するか、これからです。枠番死守。スタートは勘どおりと言っておきます(笑)。去年は泣いて帰ったんで、今年は笑って帰ります!!」
④丸岡正典「展開があれば抜けていく足。時間があるんでさらに全体的に上積みを狙いたい。枠近辺でおそらくセンターから。スタートは勘どおり。4号艇なんですけどチャンスなんで一発かまします!!」
⑤井口佳典「昨日、やっとペラが合ったかなって感じ。足は全部いいので整備は何も考えない。ターンで勝負するタイプですから。5コースくらいから、丸ちゃんに行ってもらって(笑)……丸ちゃんとワンツー決めます!!」
⑥前野竜一「初日はまったくダメだったけど、井口君、笠原君、湯川君にペラを見てもらってよくなりました。出足中心にいいし伸びも悪くない。枠近辺から(笑)ですが、チャンスがあれば動くかも。今日も一所懸命走ります!」
 地元の岡部は当然として、さらに会場のファンから大きな声援を受けていたのがユーユーこと中村。全国区の人気に加えて3日目からのゼロ台S4連発(うちコンマ02が2発!)が地元ファンの心を鷲づかみにしたのだろう。
「中村~今日はじぇろじぇろ(コンマ00)行くっちゃろ~!」
 なんていう声援?にも、ユーユーはニコニコしながら頷いていた。

DSC00103


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新鋭王座 準優ハイライト

10レース/深インでもコンマ05、貫禄の次郎逃げ!

①中野次郎
②井口佳典
③石野貴之
④吉永則雄
⑤吉田俊彦
⑥三井所尊春

DSC00087  やはりというか、地元の三井所が強引な前付け。「インをくれ!」とばかりに真っ先に舳先を向けたが、次郎も譲らない。狭い隙間に舳先を捻じ込んでインを死守した。もちろん、このコース取りの代償は大きい。どんどん流れて深くなる2艇。それを尻目にゆっくりと3コースを目指す井口。3日目に、やはりインからコンマ01のドッキリSを切っている次郎だけに、かなり苦しいイン戦になってしまった。
 が、次郎の腹の据わり方はどうだ。80mあたりの危険な距離から、コンマ05のトップS! 地元の三井所も07で追随するが、まるで届かない。替わって助走距離をたっぷりとった井口がスリットからぐんぐん伸びて三井所を交わし、強烈なツケマイで次郎に襲いかかる。必死にこらえる次郎。そして、その内フトコロに、まくり差した吉永がピタッと貼り付いた。124の三つ巴。わずかに体勢は吉永に分がある。
 1周2マーク、吉永が先マイして次郎が差す。ホームでは、ほぼ同体。2周1マーク、今度は次郎が先マイし、吉永は迷うことなく強ツケマイを放った。これまた必死にこらえる次郎。その間に、内から井口が差し伸びる。なんとも眩暈がするようなデッドヒートだ。
 それでも3艇の間隔は少しずつ開き、1-4-2の順に縦に並んだ。大勢は決したかと見ていると、ここからの井口の伸びが圧巻だった。2艇身ほどあった吉永との差がみるみる縮まり、2周2マークの手前でついに内から捉えた。これに慌てた吉永が全速のぶん回し。はるか彼方に流れている間に、井口がまた内からスルスルと伸び、ここで完全に逆転した。準優ならではのスリリングな三つ巴戦だったが、終わってみれば1-2-4の本命決着。大健闘の吉永は、哀しいほどのパワーの違いで先頭から3着に引きずりおろされた。相手が悪かった、としか言いようがない。

<独断のパワー診断>
 中野次郎と井口佳典は同じようなタイプの甲乙つけがたいハイパワー。コースが逆だったら井口が逃げきっていたはずで、両者ともに高いレベルで三拍子揃っている。優勝戦メンバーでは岡部大輔は別格としても東西の大関級といえるだろう。もし岡部がスリットか1マークで少しでも躊躇したら、瞬時に反応して差し抜けてしまう力がある。実に怖い2人が優勝戦に残ってしまった!

11レース/もはや神の領域!? コンマ02で差し抜け

①丸岡正典
②中村有裕
③森永 淳
④高沖健太
⑤松本博昭
⑥石橋道友

DSC00090  今シリーズの中村ユーユーは、もはや人間じゃない。3日目からコンマ08、02、05と主催者がお漏らしするような驚愕Sを連発し、この準優でもコンマ02!! 考えていただきたい。コンマ02。腕時計の秒針の1秒分を100分割して、その2目盛手前でピッタリ止めるなんて、できる人がいるだろうか。いたらおかしい。神の領域なのである。
 が、ユーユーはやってしまった。2コースからコンマ02。しつこいけれどコンマ02。そして、インの丸岡もコンマ04……これだけ両雄が張り込んでしまえば、腕の違いもあって1=2しか考えられないところ。
 だが、このレースにはもうひとり、埋伏の兵がいた。地元の森永淳。展示でも6秒74という図抜けた一番時計を叩き出したとおり、今節ナンバーワンの伸び足を誇っている。コンマ07のスリットからぐいぐい伸びる森永。1マークの手前で、インの丸岡は腹を決めたのだろう。ターンマークを大きく外して全速でぶん回した。
 ユーユーに差されても2着は取れる。が、森永にまくられたら一巻の終わり。
 あるいはユーユーのツケマイを想定したのかもしれないが、とにかく丸岡はまくりだけを警戒して握った。握りすぎたといってもいい。強い追い風も手伝って、ズルズルと流れる1号艇。ユーユーが楽々と差し抜け、森永もまた「そんじゃ、ご馳走さん!」とばかりに丸岡の内に舳先を向けた。完全に2-3-1の隊列ができあがってしまった。
 が、もちろん指をくわえて2艇を見送る丸岡ではない。1周2マークで鋭く内に切れ込み、森永に肉薄する。強ツケマイで抵抗する森永。ホームでの差は1艇身。そこからの森永の伸びが凄い。あっという間に2艇身ほど置き去りにして、2周1マークへと向かう。
 そして、この安全圏にも近い差が、逆に森永には災いしたのだろう。森永はスピードを落として丁寧に慎重に回ろうとした。再び丸岡がブイをかすめるほどのギリギリの角度で突進する。ここで、逆転していた。
「おいおいおいおいっ!!」
 スタンドに地元ファンの悲壮な声が響いたが、もはや再逆転できる距離ではなかった。森永は松本に交わされ、ついには高沖にも抜かれて失意の5着……地元の期待の星が、またひとり消えた。
 結局、明日のファイナルに駒を進めたのはユーユー&丸岡の銘柄級。レース後にスリット写真を見たファンが、呆れたように呟いていた。
「はあ~、記念ば走っとる選手は、スタートも切れとうね~」
 確かにそうだが、コンマ02は切れすぎてはいないか。明日もユーユーは、神の領域に足を踏み入れるのだろうか。

<独断のパワー診断>
 丸岡正典は抜群とまではいかない上位級。昨日も今日もターンマークで流れており、優勝戦に入ると掛かりが少し弱そうだ。伸びもソコソコで、このままではちょっと厳しいだろう。ユーユーは昨日まで良くて中堅上位まで。今日の1着にしてもかなり展開に恵まれた感があり、上昇したかどうかはわからない。スタート勝負の気持ちは明日も変わらないのではないか。

12レース/俺が横綱じゃ! 岡部、影も踏ませぬイン速攻

DSC00096  奇しくも87期が4人も揃って、同窓会の面持ち。そのせいもあってか、荒れるとみていた進入はすんなり123/456の枠なり3対3に収まった。このレースの鍵は、なんといっても岡部大輔のメンタリティだ。初めてのGⅠ準優、断然の人気、地元のプレッシャー、連日のイン戦……デビュー以来1度も優勝経験のない岡部が、これだけの高い障壁に絶えられるか。連単の1-2は3・3倍と3・4倍を行ったり来たりしていた。これは、前2レースよりも低いオッズだ。岡部、大丈夫か。
 だが、岡部はこれらのプレッシャーをあっさりと跳ね除けてしまった。あるいは87期が4人もいたのが大きかったかもしれない。かつて毎日毎日一緒に走っていた面々とのレース。岡部にとっては、GⅠや準優という気持ちがかなり薄れただろうし、「たとえ自分が負けても同期の誰かが優勝戦に乗ってくれるはず」みたいな心のゆとりも生まれたことだろう。
 岡部はコンマ12の理想的なスリットから、1マークを回った瞬間に他艇を引き離していた。見た目には楽勝で、色々な意味で「メンバーにも恵まれた」ともいえるわけだが、それでも岡部は自力で優勝戦の1号艇を勝ち取ったのだ。この自信が何よりも大きい。レースのたびにいくつかのハードルを超え、その経験が自信という名の肥やしに変わっていく。日々新しい言葉を覚えていく幼児のように。
 ただし、この勝利をもって明日も同じように勝てるとは断言できない。優勝戦のメンバーは、海千山千のSG常連がずらりと並んだ。同期もいない。地元選手も離脱した。孤独な水面で、準優をはるかに凌ぐプレッシャーと戦わなければならない。この5日間で覚えた言葉をすべて駆使して完璧な文章に仕上げなければならないのだ。
「初優勝が地元のGⅠ」という劇的なフィナーレへ、岡部大輔の成長を明日もしっかりと見守りたい。

<独断のパワー診断>
「節イチですね」
 勝利者インタビューで何の衒いもなく宣言したように、岡部の22号機は凄まじく噴いている。間違いなく節イチ。スリット同体なら、どんな強敵でも太刀打ちできないだろう。2着の前野も回り足が強烈だ。実は予選では軽視していたのだが、あの出遅れSから楽々と2番手を取りきったパワーは本物。素直に脱帽して抜群の評価を与えたい。明日は人気薄だが、銘柄級がこぞって岡部に襲いかかれば勝機が生まれるかも。それを実現させるだけのパワーはある。(畠山)

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絆――準優勝戦、午後のピット

SANY0837  9R、地元・佐賀勢が沸き立っていた。小野勇作、森永淳が、笑顔で階段を駆け下り、中尾誠を出迎えた。中尾がボートを降りると、3人がガッチリと抱き合う。なんだか、優勝戦後の光景を見ているかのようだ。この歓喜の理由は、中尾に今節初勝利が出たことで、佐賀支部6人全員が勝ち星を手にすることができた、ということ。新人の頃から我が庭のように走り込んできた水面で行なわれたビッグレースで、参加した全員が結果を出した。佐賀勢にとっては、中尾の勝利は待ち望んだ1勝。ひとつの目標が達成されたことが、彼らの心を躍らせたのだった。心から、おめでとう。
 この中尾の勝利から、地元の勇者たちのドラマがスタートする。
SANY0874  10R。6号艇で出走した三井所尊春。佐賀勢のなかではもっとも登番が若い男が、なんとか準優勝戦に滑り込んだ。その役どころは、いわばチャレンジャー。結果を求められているというよりは、どれだけ存在感を示せるのかという点にテーマがあった。
 三井所は、その役割をきっちり果たした。敢然と前付けに出て、2コースを奪取。インまでをも狙った果敢なコース取りは、グッド・ジョブの一言だったと言えるだろう。深い進入になったものの、全速でスリットを駆け抜け、タイミングはコンマ07。6着という結果以上に、そのファイティング・スピリットが尊かった。
 もちろん、三井所は単なるトリックスターであろうとしたわけではない。純粋に勝利を目指していたのだ。ピットに戻ってくると、瞳に屈辱をにじませた三井所。そんな若者に、小野勇作がそっと寄り添い、肩をポンと叩いた。「よくやったな」。小野はそう言って、優しくねぎらった。三井所の顔が瞬時に弛緩する。小野も、さらに優しく微笑んだ。
 結果がすべて、という言い方がある。正論、かもしれない。だが、結果がいつでも崇高なわけではない。負けて得るきらめきがある。負けなければわからない境地がある。三井所は今日、大事な宝物を手にしたはずだ。精一杯戦ったからこそ、敗北からこぼれ落ちる宝石を知ったのだ。
SANY0846   11R。しかし、結果を出さなければならない局面だってある。地元のエース、森永淳。彼のノルマは、理屈抜きに「優出」だった。
 レース前の森永は、透き通って見えた。気合が体からほとばしって、きらきらと光っているように錯覚する。決して気負いすぎず、時には笑顔も見せたりしつつ、最高の精神状態を作り上げているようであった。文句なしに、カッコ良かった。
 ところが、レースでは、1周2マークを回って完全に2番手を取り切ったかに思えた森永が、2周1マークであえなく逆転された。ざわめいていたピットが、一瞬にして声を失う。願いむなしく、ターンマークを回るごとに、森永の逆転の目は消えていき、ピットには重い空気がたちこめた。
 レース後の森永は、明らかに苛立っていた。表情はそれほど険しくはないものの、言葉を発することもできない。三井所の敗退にはあれだけ優しかった佐賀勢も、森永にはかける言葉を見つけられないでいるようだった。押し黙ったまま、モーターをボートから外す彼らの顔には、ハッキリとわかる重苦しさが浮かんでいた。
SANY0918  カポックを脱いだ森永は、足早に整備室へと向かった。報道陣も、誰も声をかけられない迫力。無言のままモーターを格納し、再び早足で控室へと戻っていく。声をかけないでくれ。今は何も話したくない。そう言葉にしたわけではないけれども、誰の耳にも森永のそんな心の声が聞こえていた。最低限のノルマを果たせなかった自分が許せない。他者に意識など向けられる状態ではない。ただただ自分に苛立っている。間違いなく、森永はそんな苦しみを抱えていたと思う。
 10分以上も経ってからピットに姿を現わした森永は、やはり誰の言葉をも拒絶しているような風情で、長いことスリット写真を見つめていた。森永よ、あえて言わせてもらおう。そんな君が、最高にカッコ良かった。今日の敗北は、深く心に刻めばいい。それは、限られた者にだけ許された特権なのだ。自らに課していた責任は果たせなかったかもしれないが、男のプライドはこれ以上ないほどに表現していたと僕は思う。この修羅場を経て、森永はさらに強くなると確信する。
SANY0829   そして12R。大変な事態になってしまった。地元の砦たる重圧が、GⅠ初出場の岡部大輔にかかってしまったのだ。ただでさえプレッシャーの大きい、1号艇。レース前の様子からは、やはり堅さが否めなかった岡部は、さらなる緊張感を強いられて最後の聖戦に臨むこととなった。そういえば、10R前に、吉永則雄がボソッと「準優がいちばんイヤや」と言っていた。僕は午前のピットで、吉永のリラックスした表情に驚かされていたはずだった。その吉永でさえ、鼓動の高鳴りに逃げ出したくなるのが、準優勝戦。そんな局面に、岡部はその何倍もの荷物を背負って、突っ込んでいかなければならなかったのだ。
 岡部よ、君は素晴らしい。超抜パワーを最大限に引き出して、完勝といえるイン逃げ炸裂。極限の緊張感のなかで、大仕事をやり遂げた岡部には、素直に拍手を送らねばならないだろう。
SANY0946  森永の敗退を引きずってか、意外と歓声の少なかった佐賀勢。それでも、小野と森永が岡部を出迎えて、力強く岡部を抱きしめた。それを合図にして、彼らに笑顔が舞い降りた。岡部には、興奮という感情も沸き上がっていたようだった。興奮しなければおかしい。胸が破裂しそうなくらいの場面を乗り越えたのだ。
 ただ、それ以上の歓喜は起こらなかった。それよりも彼らの心を覆ったのは、地元から優出者を出したことへの安堵だったのかもしれない。ファイナルバトルに地元勢が皆無という、もっとも見たくなかったシーンは回避されたのだ。それが、特に小野と森永の、最大の関心事だったのかもしれなかった。
 岡部は、明日はさらに、大きな大きな重圧に苛まれることになるだろう。優勝戦、1号艇。あまりにもどでかいプレッシャーだ。しかし岡部よ、存分に震えればいい。なぜなら、明日は小野と、森永と、中尾と、松江と、三井所と、この5人が君を全力で支えるはずだからだ。彼らは今日の戦いを経て、さらに絆を深めた。そう、その絆が優勝戦に臨む最大の武器になる。5人の思いが、岡部の超抜モーターをさらに後押しして、絶大なるパワーを生み出すだろう。

SANY0913  地元の話がずいぶんと長くなった。絆といえば、同県同地区だけではない。10Rが終了した後に、帰宿バスの第一便が出発する。多くの選手はそれに乗り込むのだが、ちょうどその頃、12R出走選手たちが展示準備のため、待機所に現われた。12Rは、岡部を含めて87期が4人も出走していた。
 そこに、杉山正樹が現われた。彼も87期生の一人。まず出畑孝典のもとに近寄ると、ガッチリ握手。さらに福島勇樹らとも握手を交わし、「ごめんな。先帰るけど、頑張ってな」と声をかけた。そう、そこにあったのは、同期の絆である。そうか、明日の岡部は87期生の思いも武器にできるのか。とにかく、美しさに目がくらむほどだった。

SANY0852  10R後、吉永則雄がにこにこと笑いながら、ピットに現われた。いったんは先頭に立った10R、優出ピットに王手をかけながら、逃してしまった悔しい敗戦。それでも、吉永は笑っていた。
 長嶺豊さんが話しかける。「惜しかったな」。吉永の笑みが、さらに深くなる。
「1周2マーク回って、アタマ取れそうだったから、もし1着なら自分は何号艇になるんやろ、って考えちゃったんですよ(笑)。そしたら、ターンミスしてしまいましたわ(笑)」
 ダハハハハ。こりゃ、笑うしかないか。長嶺さんも笑っていた。
「来年は、余計なこと考えないで走ります(笑)」
 そうだ、吉永にはまだリベンジの機会がある!
「その前に、地区選もあるからな!」と長嶺さんが言うと、吉永の顔が一瞬引き締まった。「そうですね。頑張ります!」
 そうだ、吉永よ、地区選でまずリベンジするのだ!

SANY0890  優出選手たちの表情を。
 もっとも澄み切った表情をしていたのは、中野次郎である。足には完全に自信を持っているようで、もう迷いなどどこにもない、といった雰囲気。中野には、この新鋭王座に期するものがある。それは、優勝者に与えられる総理大臣杯の出走権が欲しい!ということだ。総理杯は、彼の地元・平和島で行なわれる。昨年のMB記念で中野を推薦し、彼に初のSG出場をプレゼントしたのが平和島。思い入れは誰よりも深く抱いている。その平和島で行なわれるSGに凱旋したい。中野はそう強く願っているのだ。1号艇・岡部と2号艇・中野の対決は、地元を愛する思いのぶつかり合いでもある。
SANY0875  井口佳典からは、優出は当然とでもいうような、パワフルな余裕が感じられる。浮き足立ったところもないし、気負っている様子もない。これは、準優前も同様だった。10Rでは、いったん優出が遠のいたシーンもあり、逆転での2着確保だったのだが、それに対する高揚もあまり感じられない。一言で言えば、それは大物の風格。5号艇という遠い枠番だからこそ、この落ち着きが不気味なのだ。
SANY0916  丸岡正典もまた、優出の興奮が感じられない一人。井口と同様に逆転での2着だったというのに、そのことへの盛り上がりがまるで見られないのだ。若いのにたいしたもんだ……すぐに慌てふためいてバタバタする僕は、そう思わずにはいられなかった。この85期4-5号艇ラインには、無視できない何かがたしかにある。
SANY0828 前野竜一も、それほど興奮してはいなかった。だが、優勝戦の舞台に立つことの誇らしさを感じる。体重は、おぉ、今日もまた減っている! 決して闘志を表に出すタイプではないけれども、数字が彼の決意をハッキリと物語っている。レース前には、中道善博さんと話し込み、さらなるパワーを注入された模様。6号艇だからといって、侮れないぞ。
SANY0864   そして、中村有裕。11Rで見せたコンマ02の快スタートは、ユーユーの「俺が新鋭王座を獲る!」の意思表示であろう。スリット写真が貼り出されると、選手たちが覗き込んでは「うぉぉぉぉっ!」「すげぇぇぇぇぇ!」と感嘆の声をあげる。誰もが戦慄を覚える、驚愕のスリットだったのだ。
 レース後の記者会見で、ユーユーは「明日は(優勝を)獲りに行きます」と力強く言った。優勝を目指すというよりは……と質問者が続けると、「はい。獲りに行きます」と繰り返した。さらに。質問者が「それでは明日は優勝を目指して頑張ってください」と締めると、ユーユーはふっと笑みを見せて、言葉を詰まらせた。そして、質問者に視線を向けて、目だけで頷くと、溜めに溜めて、言った。
SANY0902「……獲りに行きます(ニッコリ)」
 だから目指すんじゃないんだってば。僕は、優勝を獲るんです。そんな断言だったのである。温和な笑顔で席を立ったユーユーだが、心はすでに沸点を超えているのだ!

 これまで見てきたSGの準優勝戦とは、明らかに違う顔を見せていた今日のピット。優勝戦では、どんな化粧をし、どんな表情を見せてくれるのか。そして、水面ではどんなドラマチックが待っているのか。優勝戦が終わったあと、僕も、あなたも、きっと新鋭王座決定戦に惚れている。この戦いには、そんな魅力が詰まっている。(黒須田守)


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はばたけ!金田諭⑤

SANY0868  ひたすら首を捻るだけだった。わからない。思うような足が来ない。ただただ、首を捻る金田諭。今日は、僕の顔を見ても、笑顔はまるでなく、力のない渋面を作るのだった。
 レースの合間は、明るい金田がいる。関東勢と談笑したり、10Rで勝利をあげた中野次郎と何事か小声で話して、ニッカリ笑ったりもしている。そんな金田を見ると、少しばかりホッとするのだが、それだけにレース後の影を落とした表情が気になる。
 敗れて悔しいのは当たり前。勝負師として、そうでなくてはならない。それでも、日々すり減っていくレース後の明るさは、痛々しくもある。これが、予選道中であるならまだしも、準優への望みが断たれて、今日は一般戦を戦うというのに、苦悩のパラメータが上がっていく一方なのは、やはり放っておけないことだろう。
「これまでは楽しんで参加してましたが、(新鋭卒業となる)今回はそれではダメでしょうね」
 初日に聞いた言葉が、じわりと輪郭をクッキリさせて、脳裏に甦ってきた。
 本来、いわゆる敗者戦では、準優組や優勝戦組のような勝利への渇望は、落ちるはずである。もちろん、戦いに臨む以上、彼らが敗れても良いなどとは考えているはずがなく、どんなレースであろうが1着を目指す思いは変わらないはずだが、それでも一般戦と準優、優勝戦では、勝利の重さが違う。事実、勝者の歓喜、敗者の悔恨は、準優、さらに優勝戦のほうが圧倒的に大きいのもたしかである。
SANY0817  しかし、今節の金田はそうではない。一昨日よりも昨日、昨日よりも今日のほうが、敗戦への落胆をより大きくしているのだ。
 1着が出ないことへの苛立ちなのか。それとも……僕に語った自分の言葉に責任を取ろうとしているのか。後者だとしたなら、彼がこの2年間で身につけたはずの逞しい精神力に、慄然とする思いである。
 気落ちしないで、頑張ってください。そう言った僕に、金田は微妙な声色で、「そうですね」と言った。灰色に染まってしまった心に、「気落ちしないで」という言葉が引っかかった。そして、我に返って、力強く応えようとした。だが……完全な光明は心に戻り切らなかった。そんな感じの口調であった。
 ともかく、だ。明日の2Rで、金田の新鋭王座決定戦は終わる。渾身の勝負を見せる。それだけは間違いない。金田にとって、明日は総決算。そして、僕もまた、金田への思いにきっちりと答えを出さねばなるまい。最後の戦いと、その奥底で燃える感情を、明日の2R、一滴も見逃さずに見つめたい。(黒須田守)


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新鋭王座 本日の水神祭……ですが

 今日の水神祭は……お休み。残念。明日に期待をつなごう。

 吉村正明……1R4号艇。1回乗りで、まさにラストチャンス。今日の前半レースは2マークを強気に攻めて転覆。でも、その意気や良し! 今日の結果は気にせず、頑張れ!
 川上剛……2R3号艇。彼も1回乗りで、これまたラストチャンス。外から動きそうな選手もいないので、おそらく3コース。気合の一発を期待します。
 西川新太郎……3R5号艇。おぉ、彼も1回乗りで、やっぱりラストチャンス。4号艇の笠原亮は、今節スローからのスタートが多いから、カドもありそう。一撃で勝利を目指せ!
SANY0638 いつも真面目な顔つきで、健気に頑張っている吉村正明。競艇祭優勝を思い出して、大駆けを見せてくれ!

SANY0778 松江秀徳に「ねっこたっけしっ! ねっこたっけしっ!」とからかわれてました、川上剛。明日はポーツマスポーツマス攻撃で、初勝利を!

SANY0847 加藤和明の写真撮影を眺める西川新太郎。「笑顔で」の注文にうまく応えられない加藤のために、新太郎は笑わせ役としてカメラマンさんの横に立ったのでした。新太郎、ナイススマイル! 明日は水神祭でその笑顔が見たい!


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優勝戦のメンバー決定!

 新鋭王座決定戦のベスト6、優勝戦のメンバーが決まりました! まだ優勝経験がないものの怪物級のパワーでシリーズの主役に躍り出た岡部大輔VS中野次郎、中村有裕ら記念常連組という非常に興味の尽きない接戦カードになりました。明日の午後4時25分、今からファンファーレが待ち遠しいですね!!

12R優勝戦
1号艇 岡部大輔(唐津)
2号艇 中野次郎(神奈川)
3号艇 中村有裕(滋賀)
4号艇 丸岡正典(大阪)
5号艇 井口佳典(三重)
6号艇 前野竜一(山口)


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あぁ、傾向がつかめない……5日目前半終了

SANY0799げ、まくり、まくり差し、差し、まくり、逃げ……1~6Rの決まり手である。出てないのは抜きだけか……。と、あらゆる決まり手が飛び出した、5日目前半戦。内が強いのか、まくり水面なのか、差し有利なのか、さっぱりわかりません。配当的にも2~5Rでマンシュウ4連発。荒れ気味だなあ、と思っていると、6Rは1-2-3ダーッ!の本命サイド。今日も今日とて、つかみどころのない水面であります。

ちなみに、13時10分現在、追い風6mとやや強め。気温は10℃に到達して、ぽかぽか陽気。このあたりが、午後のレースにどう影響していくのか。そして、準優勝戦はどうなる……? とりあえず、7R、8Rは差しかまくり差しを狙ってみます。


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キリリ――準優勝戦 午前のピット

SANY0788  1R、松井賢治、転覆。3R、吉村正明、転覆。何やら朝から波乱ぎみの、5日目。準優勝戦を数時間後に控えて、ピットはキリリとした緊張感と、嵐の予感に包まれている。たとえば昨日の勝負駆けデー、意外と穏やかな雰囲気だったように、今節はわりとほんわかとした空気だったような気がするピット。もしかしたら、同世代が集まる気楽さもあるのかなあ、などと考えてみたのだが、もしその通りだったとしても、今日は少しだけムードが変わっている。ガラリ一変というほどではなくとも、昨日までよりもキュッと引き締まった感覚があるのだ。やはり準優勝戦、ということなのだろうか。

SANY0780  たとえば、予選1位で1号艇をゲットした、GⅠ初出場の岡部大輔。どうしたって、プレッシャーがあるのかどうかが気になるわけだが、やはりやや堅い表情に見える。整備士さんたちの控室で姿を見かけたのだが、選手たちの輪から離れることで、少しずつ緊張感をそぎ落としているようにも見えた。うがった見方なのかもしれないけれども、昨日までの弾むような様子がないのは確か。もっとも、この状況に100%の平常心でいられるわけがないのであって、むしろ自然な姿とも言える。時間が経つごとに、岡部がどう変わっていくのか。ある意味で、最注目の存在と言えるだろう。

SANY0785  反対に、驚くほどリラックスしているのは、吉永則雄だ。きっと胸を張りつつ、笑顔連発。このあと準優を控えているとは、とても思えない。今年が最後の新鋭王座というわけではないし、地元でもないし、艇番は4。緊張から逃れられる条件がいくつもあるのは確かだが、それにしてもこの落ち着きはどうだ。1Rで今節初1着の益田啓司を出迎える際には(同期ですね)、九州勢とともにはしゃいでもいるのだから、ほんとにすごい。尻上がりの成績もあわせて、俄然、注目度は高まったといえる。

SANY0822  岡部と吉永の中間くらいの雰囲気で、闘志を静かに高めているように見えるのは、荻野裕介。男っぽい風貌が、今日は一段と凛々しくなっている。機歴簿を時間をかけてチェックしていたが、この後、何らかの整備をするのだろうか。撮影する際、初めて言葉を交わしたが、小気味よく、また実にしっかりした口調で、うーむ、やっぱり男っぽいぞ。一発カマすとすれば、彼だろうか……。

SANY0809 整備室でモーターの調整を施していたのは、松本博昭と三井所尊春。三井所は地元ということもあり、特別な気合を胸にたたえているように見えたが、松本は実に落ち着き払っていて、最年長選手の貫禄を感じさせる。もともとピットでは常に淡々とした振る舞いではあったが、今日もほとんど変わらない様子で、黙々と作業に集中している。もしレースがもつれたとき、怖いのはこの冷静さではないだろうか。

SANY0824  銘柄級たちは、さすがのたたずまい。丸岡正典はゆったりと、非常にいい時間を送っているようだし、中村有裕もこれまでのビッグレース経験で身につけたのであろう、自分なりのペースで準備を進める。地元の威信を背負う森永淳も、いい気合で臨めそうな雰囲気で、顔つきにもキレがある。中野次郎もまた、適度に気合が乗った表情で、迫力すら感じる。井口佳典は、もともと目力が強力であるが、今日は一段と強烈な光を放っている。やはり中心を担うのは、彼らということになるのだろう。好枠を得た彼らがレースを作るのは必至。格上の意地を見せてくれるだろうか。

SANY0795  準優組以外で唸ったシーン。1Rで転覆した松井賢治を出迎えた、同県の先輩・山本隆幸。心配そうに松井を出迎えると、無事な様子にホッとしながらも、ピットに上がってきた松井に近寄っていく。そして「大丈夫か? とにかく風呂に入って、ゆっくりしろ。あ、(次は)5Rだからゆっくりもできんか。まあ、いい。とにかく風呂に入って来い」と、力強い励まし。今節、山本がリーダーシップを発揮しているシーンを何回か見たが、それを裏打ちしているのが、この優しさだろう。準優に進出する吉田俊彦にとっても、きっと精神的支柱になりうる存在。その男気に、痺れました。(黒須田守) 


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新鋭王座ベスト・パフォーマンス4日目

 さすがに勝負駆けデー。4日目はさまざまなドラマがありました。まず嬉しいエピソードは、4Rでピン条件だった石橋道友が気合いのイン逃げで自力当確。さらに節間5・80で結果待ちだった江夏満が滑り込みセーフ。ふたりとも、おめでとうございます!
 逆に涙を飲んだ選手もおりました。唯一のSGウイナー笠原亮が6着轟沈で終戦。圏内で踏ん張っていた地元の松江秀徳がよもやの転覆失格……4日間、お疲れさまでした。
 そして、勝負駆けとは無関係にまたまたコンマ02で主催者をドッキリさせた吉田カクロー。あんたはホンマもんのドアホや~~!!
 というわけで第3位。この人も、ひょんな勇み足から涙を飲むことになりました。ひそかに敢闘賞をプレゼントさせていただきます。

9R/亮太スペシャル、減点7に散る!

SANY0695  洞口スペシャルも真っ青のスーパー出足ペラ「亮太スペシャル」を発明した中村亮太25歳、奮闘及ばずV戦線から脱落してしまいました。今日の9Rは3号艇から進入でもたついて5コースへ。自慢のペラで果敢に攻めましたが、さすがに1マークは遠く4着止まり……これで節間成績は153144。本来ならピッタリ6・00で準優当確の勝率です。でも初日10レースの不良航法による減点7点が最後まで響き、残念ながらベスト18に残ることはできませんでした。
 本人もさぞや無念でありましょう。しかし、この予選の4日間に亮太が辿った航跡と功績は、計り知れないものがありましたよね。なんといっても亮太スペシャルの破壊力! 1マークを回ってすぐにグイイイインと相手を突き放し、そのままシュルルルルと伸びる。試運転でもレースでも、あの鬼脚を見ているだけでワクワクしたものでした。競艇学校時代に亮太を育てたO野教官(当時)は、こう回顧しています。
「不思議な子で、あまり他の生徒とは交わらずに、いつもぼんやりと何かを考えているような生徒だった。それなのに、モンキーは禁止!と通達すると真っ先にその言いつけを破ってモンキーをしたり(笑)。何を考えてるのかよくわからず、手を焼いたもんですわ」
 つまりは個性派、そんな独創的な性格だからこそ、亮太スペシャルを生み出すことができたのだと思います。大体、亮太スペシャルそのものが、つかみどころのないヤンチャなペラだし。亮太の性格がそのまま投影されたペラといえるでしょうね。
 さらには初日の鮮やかな逃げきり、3日目の自力のまくり差し、この節間の2勝はペラの力だけではなく、レーサーとしての高い資質を見せつけるものでした。
「亮太スペシャルばかりが全国で名を知られたので、今節は中村亮太の名を知ってもらいたい」
 開会式で亮太はこんな宣言をしておりました。はい、その目標はかなり高いレベルで達成できたと思います。長崎支部は「スター不足の支部」などと揶揄されているようですが、なんのなんの中村亮太ここにあり。胸を張って、明日以降もスペシャルの破壊力を見せつけてくださいまし。

 続いて第2位は、新鋭ならではの熱い友情物語。6レースで87期見事にワンツーを決めた87期のこのふたりに捧げます。

6R/鉄壁の「同期ライン」で準優突破!

SANY0652  このレース、1号艇の妹尾忠幸と2号艇の出畑孝典は87期の同期生。ただ、それぞれの立場はまるで違いました。妹尾は予選落ち確定で、出畑は2回走りで12点が必要な勝負駆け……残酷なようですが、勝負ごとにつきものの明暗です。ふたりはそれぞれの思いを胸に秘めて、枠なりの1、2コースに入りました。
 そしてスタート。妹尾はコンマ10、出畑はコンマ09としっかり踏み込みましたが、絶好調の丸岡正典が3コースからそれを上回るコンマ06! しかもスリットからグイッと突き抜ける勢いです。ターンスピードでも一日の長を誇る丸ちゃんのこと、本人も一気にまくるつもりだったはずです。
 その時でした。インの妹尾が、丸岡よりも迅速に舳先をターンマークに向けたのです。
「丸岡さん、悪いけどまくらせませんよ!」
 そんな鬼気迫るような全速インモンキー。丸岡はこの強気な先マイに、オッと驚くような風情で減速し、それから妹尾の外を抱きこむようにして旋廻しました。その間に、しっかりと差し抜けたのが出畑。スルリと2艇身ほど先行した黒いカポックが、「妹尾、サンキュ!」と言っているように私には見えました。
 もちろん、妹尾が出畑に勝ちを譲ったわけではありません。まくりに抵抗するのはイン選手の務め、スリットから覗いた丸岡を先マイで牽制し、差す出畑とのバック勝負というセオリーに徹したインモンキーでした。ただ、そのセオリーのもっと深い部分に「このまままくられて出畑も道連れにするのは、絶対に嫌だ」という思いがあったとしても不思議はないでしょう。
 出畑に差されるは仕方がない、でも丸岡さんにだけはまくらせない。
 競輪でいうところの「ライン」が、私の目にはっきりと見えました。たとえ自分が死んでも仲間を生かす、無駄死にだけはしないぜ、という心意気がひしひしと感じられる先マイでありました。
 結果は1着・出畑で2着が妹尾。出畑は後半の11レースで4着に敗れましたが、この1着が大きくモノを言って見事に予選突破を果たしました。その陰に、同期・妹尾の豪快なインモンキーあり。地味だ地味だと言われる87期ですが、いざ予選を終えてみれば5人が準優に駒を進めています。「花の85期」の3人を上回る、期別最多の5人突破! スター選手が不在の87期だからこその結束力が、この予想外の活躍の原動力だったような気がします。
 そして出畑をはじめとする準優組5人は、予選で散った同期の分まで、いや同期とともに明日の勝負に臨むことでしょう。
(ちなみに最終レースでも85期の高沖&丸岡が艇番のままのワンツー決着を果たし、高沖が準優のキップを手にしていましたね)

 そして、勝負駆けデーでもっとも光り輝いたのが、このA2選手。多大なプレッシャーに耐えてひたむきに走り続ける姿は、ベスト・パフォーマンス賞に相応しいと私は思います。

11R/怒涛のパワー逃げで予選ナンバー1!!

SANY0766  岡部大輔選手は期勝率5・87のA2選手なんです(これまた87期)。それが、昨日まであれよあれよのオール3連対でシリーズを引っ張る存在になりました。そして今日は11レースの1回走りで1号艇……私は、このレースで岡部が逃げきるのは、かなり難しいと踏んでいました。理由はふたつ。
①すでに準優当確を決めていて、怖いのはスタート事故などアクシデントだけ。大事に走りたいという思いが強いはず。
②唐津在住というピュアな地元だけに、プレッシャーは計り知れない。さらにイン戦は「自分との戦い」という強いメンタリティが作用するので、その膨大なプレッシャーに押し潰されるかもしれない。
 このふたつの要因は、SG常連のレーサーでもたびたび手元を狂わせます。今シリーズの初日にGⅠの水神祭を飾ったばかりのA2選手となれば、なおのこと。平常心で走るのは困難だと思ったのです。
「モーターさまさま、自分の力というよりモーターが連れて行ってくれてるだけです」
 今節、岡部はことあるごとにこう吐露しています。確かに22号機は強力で、前節の今泉和則(予選で落水しながら圧勝V)あたりから、すでに怪物級。私の見立てでも、前検から「節イチ」評価を与えています。
 でも、GⅠの後半戦ともなれば、パワー頼みだけでは勝てません。選手の技量と強い精神力が要求されるのです。
 岡部がこの準優当確の1号艇で、自分らしいレースができるか。
 私はこの11レースを静かに見守っておりました。そして、やはりというべきか、岡部は起こしの段階で少し遅れ、スリットでも2コースの表憲一より半艇身以上後手を踏んだのでした。
 あ、やっちまった!
 危惧していた事態が起こったのです。が、そこからが凄かった。全速でスリットを通過した岡部22号機があっという間に伸び返して表に並び、さらにあっという間に先マイから先頭へ……まさにスリットでの遅れを忘れるほどの電光石火の逃走劇!
 このレースは、完全な自力勝ちとは言えないかもしれません。岡部自身も、これまた22号機のおかげと思ったはずです。でも、岡部はとても貴重な経験を積むことができましたね。今までにないプレッシャーを肌身で感じ、畏れ、失敗し、反省した。勝ち負けの結果よりも、この一連の心の動きが、岡部を逞しくしたと思うのです。昨年の賞金王決定戦で、辻栄蔵がトライアルのたびに強くなっていったように。
 最終レースが終わって、岡部大輔の予選トップ通過が確定しました。明日もまた1号艇。それも、地元の準優という心臓が飛び出るような舞台での1号艇です。今日のようなスリットでは、勝ちきることは不可能な舞台でもあります。
 岡部は、このプレッシャーに打ち勝つことができるか。今日の経験と反省が、どれほど通用するか。
 もちろん、それは私にはわかりません。ただ、オリンピックで彗星のように現れて優勝をさらう選手がいるように、若者は時に想像を超えて爆発的に成長するものです。少年三日逢わざれば、剋目して待つべし。岡部のレーサー人生最大のイン戦を、スタンドの片隅から見守ることにいたしましょう。(畠山)


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穏やかに、準優へ――4日目、午後のピット

SANY0765  ポカポカポカ。温かい。室内仕様のピットは、窓から午後の陽が差し込んでいて、記者席からピットまで歩いて到着すると(おおよそ徒歩10分です)、額にうっすら汗がにじむほどだ。穏やか~~な午後。レースとレースの間にぼーっと突っ立っていると、おっといけねえ、あくびが出てしまった。あわててかみ殺して、選手の姿を目で探す。うーん、ほとんど見当たらない。うむ、この緩やかな空気に身を任せるか……。
 と、「本当に勝負駆けの午後なのか?」と疑いたくなるほどに、ほわほわとしていたピット。9R終了後にはベスト18の大勢が判明していたこともあるだろうが、時間を追うごとにむしろ、穏やかさの層が厚くなっていったのは、なんだか不思議な感覚だった。

SANY0768  そんな空気を象徴するかのように、笑顔を爆発させたのが、岡部大輔。11Rをイン逃げで決めて、シリーズ3勝目。堂々の予選1位! 12Rの中野次郎の結果次第では、2位となる可能性もあったが、11Rの時点で準優1号艇は確定。それだけに、地元勢も歓喜の声を上げて、岡部を祝福した。準優勝戦を1着でクリアしたシーンだと言われても納得してしまうほどの、興奮ぶり。特に印象深かったのは、やはりというか、選手代表の小野勇作で、彼自身は予選を突破することができなかったが、かわいい後輩の快挙を我がことのように歓んでいた。GⅠ初出場の岡部にとって、明日はプレッシャーと緊張感に包まれる日になるだろうが、仲間たちがきっと彼をほぐしてくれる。今日の笑顔を明日にもつなげろ!

SANY0754  中村有裕も、予選ラストを1着で締めて、かなりホッとしているようだった。ピット内ですれ違ったり、近くで見たりしたときの雰囲気が、昨日までよりぐっと柔らかくなっているように思えるのだ。こうなったら、準優ともなれば彼の豊富な経験がモノを言う。2日目あたりは苦戦気味だったが、昨日の後半レースから2連勝と、リズムも上昇している。主役モードに入ったユーユーは、やっぱり怖い存在としか言いようがない。

SANY0762  井口佳典もまた、1着で予選を締めたことでご機嫌の様子。ドリーム戦以降、なかなか突き抜けられなかった井口だが、だからこそこの勝利は非常に大きい。彼の出走する10Rはかなりの激戦区であるが、今日の1着で手応えはつかんだはず。今節を通して、真剣な表情の多かった井口に、レース後は笑顔も見えていたから、精神的にも充実一途といったところだろう。その10R、新鋭卒業組は井口のみ。モチベーションも抜けているぞ!

SANY0749  尻上がりに調子を上げているといえば、吉永則雄だ。4着を2本続けて、やや苦しいスタートから、2着2本でリズムアップ。そして今日は1着! 予選10位とはいえ、勢いは負けていない。予選突破が確実となって、ご機嫌でピット内を歩いている吉永に、「よっ! おめでとう!」と声をかけたのは、長嶺豊さん。吉永、ただでさえ細い目をさらに細めて、「ありがとうございますっ!」と元気よく挨拶だ。大阪の大先輩とにこやかに談笑する姿に、貫禄さえ見え隠れするのは気のせいか。雰囲気的には、予選上位陣にまったく劣っていないように見えるのだが。

SANY0753  一方、露骨に悔しそうな表情を見せていたのが、郷原章平。初っ端から2連勝と最高のスタートを切りながら、10Rを迎えたときには1着条件にまで追い込まれていたのだが、それでもレース前は逞しさすら感じさせる表情を見せていたのだ。しかし、残念ながら6着。ガックリと肩を落として、先輩たちに渋い顔を向けていた。郷原よ、君にはまだまだチャンスがある。これを糧に、さらに大きな存在となって、ビッグレースを荒らしまくれ!

SANY0690  SGウィナーとしての意地が空転してしまった笠原亮は、すでに気持ちの切り替えができたのか、わりとリラックスして、レース後を過ごしていた。10R、ピット内のモニターで僕がレースを見ていると、つつつっと隣に立った笠原。僕が手にしていた出走表を覗き込む。そこで、僕がもう一枚持っていた、9Rまでの得点状況表を発見。「あ、こちらも見せてください」。どうぞどうぞ、ここに○をつけてる選手が、6・00以上が確定の選手です。それで、この印が、10R以降の結果次第で18位に入る可能性がある選手です。そう説明すると、笠原、フムフムと表を目で追い出した。SANY0757 と、何かを発見した笠原、「おっ」と声をあげる。「新太郎、可能性あるんですか!?」。同期の西川新太郎は、その時点で33位だったが、11Rで1着を取れば、5走29点にまで到達する。ボーダーが下がれば、ベスト18入りの可能性が充分あったわけだ。それを知った笠原、「よ~し、新太郎に空気入れてやろっ」と呟いて、西川を探しに行ったのだった。自分は残念な結果となったが、動機には頑張ってもらいたい! その思いが、笠原を走らせた。
 で、10分くらい後。西川の肩を抱く笠原を発見! ニコニコと笑う西川に、真剣な表情で何事かを訴えているのだった。西川が弱気なことを言ったのだろうか、「ダメだって! 大丈夫だって!」という言葉が聞こえてきたぞ。うーん、素晴らしき同期愛。西川、一発やってやれ! ま、結果は3着と残念だったけれども、西川も悔いなき戦いができたはずである。二人とも、明日以降も頑張れ。

SANY0755   なかなか落ち着かない時間を送っていたのは、江夏満。9Rを終わって、予選19位。10Rを終わって……やっぱり19位。準優進出選手は、JLCのインタビューを受けることになっており、聞き手を長嶺さんが務めていたのだが、その長嶺さんも「江夏、ごめん。まだ19位や」と気遣う。得点率5・80で、そもそも相手待ちの状況だったのだが、それでも次点となれば、やはり相手の動向が気になって仕方ないというところ。長嶺さんの言葉に、はい、と答えると、「あとは松江さん(11R)、高沖さん(12R)の結果次第ですね」と呟くのだった。
SANY0772  で、11R。松江秀徳がまさかの転覆。これで江夏は18位に浮上した。ボート吊りのため、揚降機に向かった江夏の表情は……やっぱり複雑そうだった。自分がベスト18に入るには、松江や高沖健太が大敗するしかない。それを望みつつも、しかし相手の敗退を願うのは、そもそもが複雑である。しかも、松江は転覆という事故にあってしまったのだから、歓べというほうが無理な相談だろう。幸い、松江は無事に帰ってきたが、江夏としては辛いところ。整備室内の掃除をしながらも、なんとなく浮かない顔の江夏だった。気持ちはわかるが、江夏よ、明日は思い切ったレースを! このチャンスをモノにするべく、豪快な走りを見せてください。

SANY0703  最後に、湯川浩司。今日も5着と大敗、どうにも流れが向いていない。昨日の時点で予選突破は絶望だったから、今日は肩の力の抜けた感じではあったが、しかしこのまま終わってしまっては、彼のプライドが収まるはずもない。僕がピットにいる間は、ほぼペラ調整室で懸命にプロペラと向き合っていた湯川。最後の新鋭王座だから、やはり気持ちよく締めくくりたい。そんな決意が、真っ直ぐな瞳から溢れ出ているようだった。明日こそ、チッチキチーな笑顔を見せてくれ!(黒須田守)


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準優勝戦のカード決定!

新鋭王座決定戦、準優勝戦の組み合わせが決まりました。

10R
①号艇・中野次郎
②号艇・井口佳典
③号艇・石野貴之
④号艇・吉永則雄
⑤号艇・吉田俊彦
⑥号艇・三井所尊春

11R
①号艇・丸岡正典
②号艇・中村有裕
③号艇・森永淳
④号艇・高沖健太
⑤号艇・松本博昭
⑥号艇・石橋道友

12R
①号艇・岡部大輔
②号艇・前野竜一
③号艇・荻野裕介
④号艇・福島勇樹
⑤号艇・出畑孝典
⑥号艇・江夏満

 地元勢は3人がベスト18入り。どのレースもなかなかの混戦模様です。熱い戦い、間違いなし!
※念のため、主催者発表のものとご照合ください。


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新鋭王座、本日の水神祭・4日目

SANY0680  今日は水神祭ラッシュ! まずは2R、加藤和明が4コースから差し抜けて1着。愛知勢を沸き立たせたのは既報の通りだ。6R後に行なわれた水神祭。愛知+笠原亮ら東海勢が駆けつけて、加藤をボート揚降機に拉致(?)したのだった。
 おっと、今回は、胴上げのように仰向けに担ぎ上げるワッショイ・スタイル! 水面が見えないから、これは非常に怖い投げられ方だ。せーの、でドボーン! SANY0685 加藤は空中で一回転して水面に突っ込んでいった。おぉっ、これはワッショイ・スタイル with ムーンサルト! 見物に来ていた長嶺豊さんが「ここは高いのぅ」と笑っていたが、水面までの高さがかなりあるからこそ実現した、幻のワッショイ・スタイル。ともあれ、加藤選手、岸に泳ぎ着いて、最高の笑顔を見せた。おめでとうございます!

SANY0726  続いて、林祐介。3Rで1着をあげたが、彼も2走目の7R後に水神祭。岡山の先輩、清水敦揮の「よしっ、水神祭だ!」の号令で、岡山勢や同期たちがボート揚降機に民族大移動だ。
 いよいよ水神祭開始……と思ったら、林は一人ポツンとリフトの上に立っている。?????? 先輩たちは、脇の階段を降りて、水際に向かっていった。??????
SANY0732 SANY0735

 すると、揚降機がゆっくりと下がっていって、あぁぁぁぁぁ、林が徐々に水に沈んでいく~~~~。こ、こ、こ、これは! まるで入水自殺を思わせるこの水神祭は、伝説のダザイ・スタイルではないか!!!!!! 水際の先輩たちは、徐々に沈んでいく林に向かって、全員でバンザーイ、バンザーイ、バンザーイ! 林もそれに合わせてバンザーイ、バンザーイ、バンザーイ! 揚降機の周辺は、見たこともない水神祭に、大爆笑であります。
SANY0737  首のあたりまで水に浸かった林が、ジワジワと浮上してくると、やっぱりこれで終わりじゃあね、とばかりに清水や、山本修一、妹尾忠幸、森定晃史らがリフトに飛び乗って、ワッショイ・スタイルでドッボーン! 林はもう一度、水の中に消えていったのでありました。
SANY0744  ケブラーズボンを履いたまま水神祭に臨んでいた林が、その重さでアップアップしているところを清水が救出、というおまけまでついて、儀式終了。最年少・林、君の記念ロードはまだまだこれから! ますます頑張ってください!

 今節参加選手で、GⅠ未勝利は西川新太郎、吉村正明、川上剛。残り2日でパーフェクト水神祭なるか。3人を応援してます!(黒須田)


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傾向が変わった? 前半戦終了

SANY0618 取材の関係で、8R直前に書いております。7Rも含めて、本日の前半戦。逃げ連発、差しも続出と、あれだけのマクリ水面だった唐津が、顔色を変えてしまったようである。うがぁぁぁぁ、さらに狙いづらくなってきた、というか……。

勝負駆けということもあり、準優が見えている選手は何としてもポイントアップを果たしたいと、昨日までとは攻め方が変わったのだろうか。それとも、彼らの気合がレースの傾向を変えているというのか。とにかく、昨日までとは少々作戦を変えて臨む必要がありそうだ……と言っている間に、8R、廣瀬将亨がイン逃げ! やはり……


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意外に、笑顔――4日目、午前のピット

SANY0656 「祭りか!? おっ、祭りか!?」「祭りだ、祭り!」「おぉ、祭り!」
 ピットがいきなり、笛や太鼓がピーヒャララ状態になった? 浮かれているのは、西川新太郎や山崎哲司の愛知勢。そうです、2Rで加藤和明が、GⅠ初勝利。加藤自身ももちろん笑顔満面だが、それ以上に大喜びしていたのが、愛知の先輩たち。うむ、皆々様、おめでとうございます。水神祭は、後半レース出走後に行なわれる模様。……おっと、そんなことを言っている間に、3Rでは林祐介も水神祭。1Rの吉村正明は残念だったが、今日の午前中はお祭りラッシュだ!

SANY0641  今日は言うまでもなく勝負駆け。さぞやピリピリムードのピットかと思いきや、意外と穏やかな空気である。水神祭の連発がそれに拍車をかけるかのように、和やかなムードを作り出す。尖った雰囲気になるのは、もっと遅い時間帯ということだろうか。
 そんななか、グッと顔を引き締めていたのが、笠原亮。ピンピン条件の今日、気合が入らなければウソというもの。3Rという早い時間帯に前半レースを迎えるためか、朝イチからギュンギュンに闘志を高めていた。そこには、SGウィナーのプライドすら感じられて、うむ、なかなかの好ムード。しかし……。決して空回りしたわけではないのだろうが、その3Rは6着……。気落ちすることなく、笠原らしいレースをこの後も見せてほしい。

SANY0669  非常に落ち着いたたたずまいは、出畑孝典。今日は3着2本が必要と、厳しくもなく楽でもなく、といった勝負駆け。SG経験者の意地にかけても、ここは綺麗に突破したいところだろうが、まったく切羽詰った感じを受けないのは、さすがだなあと思うしかない。淡々とペラを磨いているところに声をかけて撮影したのだが、おぉ、笑顔じゃないっすか。こういう写真では、選手たちは意外と笑わないものだが、デバッチ、お主やるな……。なんだか予選突破は確実のように思えてきた。

SANY0637 「吉田カクロー選手、競技本部へ」。2R終了後、そんなアナウンスが。おっ、これは……と貼り出されたスリット写真を見に行ったら、おぉ、やっぱり速いスタート。コンマ02です。コンマ05を切ったのは、これで3度目。きっと叱られてるんだろうなあ……とは思いつつ、やっぱりカクロー、偉い!と言いたくなるのであります。黄色いベストにもまるで怯まず、自分のカンを信じてスタートを切るカクロー。ファンにとっては、非常に信頼できるレーサーではありませんか。2R前には、林祐介らと1Rのスリット写真を見ながら話し込んでいましたが、他人のスタートなど関係ない、とばかりに快速スリットを見せるカクロー。ま、それでもFは切らないよう、注意してくださいね。

SANY0635  重量級・前野竜一の表情がキリリッとしている。体重も、日に日に減ってきていて、意気込みは数字にも表われている。4着2本だから、それほどキツくはない勝負駆けだが、きっと「4着でいい」などとは思っていない。いい雰囲気を醸し出しているぞ。かと思うと、試運転に向かおうとボートを移動している際、前方に柳沢一を発見すると、前野、いきなりダッシュ! 柳沢が轢かれる~~~……なんてことはもちろんなく、笑顔でスピードダウンの前野。冗談を飛ばす余裕もあって、実にいい感じであります。

SANY0650  1Rで敗れてしまって、準優への目がほぼ消えてしまった清水敦揮。悔しい顔つきながらも、すでに次のレースに気持ちを切り換えた様子で、「今節、初めてペラ叩こうっと」と明るく宣言した。開き直った、ということか。だとするなら、今後のレースでの清水は怖いぞ。賞典レースだけがレースではない。清水よ、一発カマすのだ!(黒須田守)


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3日目フォトアルバム

おはようございます! 勝負駆けの朝を迎えました。今朝の唐津は曇っております。舟券的には晴れるといいですね……。3日目のフォトアルバムです。

SANY0587 今日は勝負駆けに臨みます、三井所尊春。一人でも多く準優に送り込みたい! 地元の思いに応えるべく、熱い走りを見せてくれるでしょう。

SANY0508 水神祭直前の福来剛と石塚久也。未来の関東のエースに!

SANY0585 ピットアウトで接触、ボート破損というアクシデントで展示に参加できず、5Rを欠場してしまった山本修一。Don't mind! 今日はそのリベンジを果たせ!

SANY0589 展示待機中の吉永則雄に、益田啓司が声をかけました。なんだか楽しそうに談笑中。その隣では、ぴくりともせずに、福島勇樹がじっとしてました。


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さあ、明日は勝負駆け!

新鋭王座決定戦、3日目が終了! 明日は、一世一代の闘志が爆発する、勝負駆けデーである。気になる得点状況を、ここでお伝えしよう。あ、ボーダーは6・00と想定しています。

SANY0614 まず、当確組は9人。1位・丸岡正典、2位・中野次郎、3位・岡部大輔、4位・森永淳、5位・石野貴之、6位・福島勇樹、8位・井口佳典、9位・中村有裕、11位・吉田俊彦。佐賀勢2人に、おぉ、東京支部も2人。卒業組は、ぐっと少なく、3人が当確を出したのみだ。7位・荻野裕介は4・5着で、比較的楽な条件。10位・前野竜一も4・4着、13位・松本博昭も4着だから、有望と見ていいだろうか。このへんまでが、上位クラスといったところだろう。

続くのは、12位・松江秀徳(3・4着)、14位・郷原章平(3・3着)、15位・江夏満(3着)、16位・出畑孝典(3・3着)、17位・杉山正樹(3着)、18位・吉永則雄(3着)、19位・高沖健太(3着)と、ここまでが6・00。予断を許さない一日となる。以下、最低でも1本は2連対が必要なのが、福来剛、山本隆幸、三井所尊春、東本勝利。ピンが必要なのが、柳沢一、石橋道友。ピンピンと1着2本が必要なのは、興津藍、笠原亮、清水敦揮。6・00に届くのはここまでだ。意外と卒業組が少ないが……。

予選最終日をくぐり抜けて、ベスト18に名を連ねるのは、果たしてどの若者か!? 刮目して見よ!


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哀しき闘魂――3日目、午後のピット

SANY0570  午前、午後を通して、今日のピットでもっとも闘魂を感じさせていたのは、湯川浩司だった。SGに何度も出場し、記念も獲り、昨年の年間最多勝。明らかに格上の存在として、この新鋭王座に参戦している湯川である。それだけに、今節は前検から強い決意や志を発散しており、昨日までもそのたたずまいに震えていたのだが、今日はそれがさらに強くなっていた。昨日の前半6着で、今日はにわかに勝負駆けとなっていたからだろう。湯川は背水の陣を敷いて、今日の戦いに臨んでいたはずである。
SANY0605  ところが……。前半6R、まさかの6着。これで、本当に後がなくなった。さらに強烈な意志をもつ、虎のような目になっていた後半の湯川。しかし……11Rもまさかの6着……。主役の一人であった湯川が、優勝戦線から消えてしまった! 意外な伏兵が台頭する一方、バリバリのメインエベンターが挫折を強いられる。新鋭王座決定戦は、SGとはまた別の意味で、残酷さがある。レース後、さすがに落胆した様子で引き上げてきた湯川は、カポックを脱ぎながら、ついつい、といった感じで、顔をしかめた。悔しくなかろうはずがない。自分を責めたくもなっているだろう。その背中を見ていたら、なんだか悲しくなってしまった……。
SANY0615  同期の井口佳典も、湯川と同じ気持ちになっているようだった。その11Rを、整備室内のモニターで眺めていたら、整備をしていた井口がやって来た。すでにレースは2周目にさしかかっていて、湯川はターンマークに衝突して、大きな遅れをとっている。レースが終盤を迎えたところで、井口は整備室の入口にいた僕のところへ、つかつかと歩み寄り、僕が手にしていた今日の出走表を覗き込んだ。そのとき僕は、明日の出走表も手にしていた。この時間帯、選手たちが見たがるのは、まず翌日の出走表。そこで僕は、そちらを井口に差し出して、「明日は1回乗りですね。30点ですから、当確です」と声をかけた。すると井口は、「あぁ……1回乗りですからね」と素っ気なく応えた。そして、もう一度、今日の出走表のほうに目をやったのである。おそらく井口は、湯川の艇番とここまでの着順を確認したのだと思う。11Rの6着は、湯川の準優進出の望みを絶つものなのか……それを理解も覚悟もしていたはずだが、それでも確認せずにはいられなかった。井口は、無言でふんふんと頷くと、僕に会釈をしてボート揚降機のほうに歩いていった。そして、友の哀しみの帰還を出迎えた。ボートの片付けをヘルプする間も、無言のままの井口。湯川に声をかけないことがかえって、井口の心の重さを表わしているように思えた。
 井口よ、明日は、いや、明日以降は、湯川の分まで頑張れ! 戦士にとって、友を慰める方法は、自らの戦いを捧げること。最後の新鋭王座をともに最高の幕引きにするべく、闘志を燃やせ、井口!

 もっとも多忙そうに見えたのは、中村有裕である。前半7Rで3着、無難に着をまとめてはいたが、どうにも足に納得していない様子なのだ。整備室でモーターと向き合っている顔つきは、悲壮感すら漂わせていて、それが迫力をも感じさせる。きっとユーユーは、準優進出など視界には入れていない。さらにその先の、優出、そして優勝を見据えているとしか思えなかった。その整備の甲斐があったのか、それとも気迫が驚愕のスタート(コンマ02)を切らせたのか、12Rは1着。これで準優当確となった(ボーダー6・00として)。ユーユーの本気の本気が炸裂するのは、ここからかもしれない。
SANY0609  地元のエース・森永淳も、準優当確。最低限のノルマは果たしたといっていいだろう。とにかく、気合は満点。レースぶりも冴えていて、好調でシリーズ後半を迎えることができる。佐賀勢の勢いを味方に、明日も緩めず、準優の好枠を目指しての走りが見られるはずである。レース後、人っ気のなくなりかけた整備室で、リードバルブの整備をしていた森永。好成績に油断することなく、また妥協することなく、足を万全に近づけるべく努力している。この姿勢は、間違いなく買い。佐賀勢では岡部大輔が絶好調だが、やはりリード役は森永なのである。

SANY0556  一方、追い込まれたのは笠原亮。明日は2回乗りで、ピンピンがノルマ。進退極まる条件を背負ってしまった。レース後は、意外とサバサバした感じで、まずは明日に望みをつなげたことが大事、といったところか。もちろん、納得している様子は微塵もなく、心の底にはひっかかりがあるのは間違いない。明日、笠原は正真正銘の勝負駆け。思い出すのは……芦屋チャレンジカップの最終日。そう、ピンピンで逆転準優進出を果たした、アレだ。あのときは、先輩の坪井康晴を蹴落としてしまったため、複雑な表情を見せていたが、今回は最後の新鋭王座という大義が笠原にはある。あの逆転劇の再現を見せろ!

SANY0557  静かな気迫を感じるのは、高沖健太。実を言うと、今日の午前中までは、彼の存在感をあまり気にかけていなかった僕である。成績も決して悪くないのに、高沖選手ゴメンなさい、正直ノーマークだったのだ。さすがに3日目ともなれば、9割以上の選手を認識できるようになったが、残るわずかな選手の一人が、高沖だった。いやあ、ゴメンなさい。で、だんだんと静けさに支配され始めていた午後のピットで、一人たたずんでいると、左側のほうに強いオーラを感じる。それに引き寄せられるように、記者さんが声をかけにいき、つられてそちらに目をやると、ボートには「高沖」と書いてあった。うわっ、決して派手ではないけど、雰囲気のあるたたずまいではないか。確固として己を屹立させる、本質的な強さを持っているように見えるのだ。遅ればせながら、注目せずにはいられないと思った。ほんと、ごめんなさい。明日は3着条件の1回乗り。そして1号艇。俄然、気になる存在が現われたぞ。

SANY0579  残念ながら、予選突破はかなわなくなったが、それでも今日は最後まで試運転をしていたのが、廣瀬将亨。彼も新鋭卒業組の一人、このままでは唐津から去れない、という思いなのであろう。ここまでも、決して箸にも棒にもかからぬ成績というわけではないから、残り3日でのド派手な鬱憤晴らしが見られる可能性はおおいにある。少なくとも、僕は廣瀬のように、どんなときでも全力投球する姿勢は大好きである。

SANY0564  さて、なかなかに起伏のある一日となった3日目だが、ほのぼのした空気ももちろんある。まずは、中村亮太。モニターでレースを見ていたら、亮太がニッコリと僕を見て笑っている。目が合うと、さらに顔をほころばせて、こちらに近づいてきた。???? すると亮太、僕が首からぶら下げている取材章を指差して、言うのである。「田中工業って何ですか?」。えっと、このページの左上にあるプロフィールなどをご参照してください。簡単に言えば、私が代表の編集プロダクションである。その名称が、取材章に書かれているのだ。というわけで、業務内容やら名称の由来やらを説明した次第なのだが、亮太はへぇ~~~と感心してみせて、こう言った。「いやあ、ずっと気になってたんですよ」。あ、そうすか、それはそれは……って、そんなこと気にしてる場合か! ここまで2勝をあげてはいるが、減点があるから今日は一日早い勝負駆け。そんな日に、田中工業なんて、どうだっていいでしょ! 恐縮するやら、驚くやら、笑っちゃうやら。亮太、もしかしたら大物かも、と思った。亮太スペシャルを編み出せる資質は、こんなところにあったりして。

SANY0568  石野貴之もまた、見ていると思わず頬が緩んでしまう、そんなヤツである。まず、ハツラツとしている。きびきびとした足取り、ピンと伸びた背筋、そして力強い眼差し。イケメンというかジャニーズ系というか、実に整った顔立ちではあると思うが、その立ち居振る舞いもまた、カッコいいのである。さらに、非常に明るい。引き締まった顔であると同時に、いつも穏やかな笑みが、その目にたたえられている。キャピキャピ。そんな表現をしたくなるような、雰囲気なのだ。仲のいい選手とすれ違ったりすると、笑みはさらに大きくなる。ニコニコと声をかけては、今度は弾むような足取りでその場を去っていく。ルンルン。そんな感じである。その姿は、30代後半のオッサンからすると、かわいい弟。姿を見るたび、頑張れよ~~~と声をかけたくなるキュートさがあるのだ。
 というわけで、非常に気になる一人なのだが、今日は9Rで1着の丸岡正典をニッコニコで出迎えていた。水際にしゃがみ込み、指で望遠鏡(?)を作って目に当てて、何事か丸岡に声をかけている石野。引き上げてきた丸岡も、思わずニッコリ、である。その後も、笑顔満開のまま、丸岡のボート引き上げを率先してヘルプしていた石野。いやあ、かわいいっす。準優は当確、明日もきっと愉快な表情を見せてくれるだろう。(黒須田守)


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新鋭王座ベスト・パフォーマンス3日目

 今日は昨日までに比べてレース、配当ともに穏やかな水面でしたね。半ば心配しつつ半ば期待?していた拡郎のスタートもコンマ19だったし(笑)。でも、準優に向けての内面的な悲喜こもごもは、昨日よりもはるかにヒートアップしてもいました。
 まずは湯川浩司。優勝候補の筆頭ともいうべきこの選手が、まさかの6着6着でV戦線から脱落してしまいました。昨日は吉田拡郎の強ツケマイで艇が浮くほどの煽りを食い、今日の11レースでも福島勇樹の突進ツケマイをモロに浴びて万事休す。展開的に貧乏くじを引くようなレースが続きましたね。無念とは思いますが、そこは去年の最多勝選手。明日からの心機一転の走りに期待しましょう。
 一方、3日目にして早々に準優進出を決定付けた選手もおりました。第3位はこの方です。

9R/丸ちゃん、オール連対で準優一番乗り!

SANY0574  2着2着1着1着。文句の付けようのないオール2連対で、丸岡正典選手が3日目にして準優への当確ランプを点しました。この9レースは5号艇からひとつ潜り込んで、スローの4コース。3コースの森永淳がスリットから一気にまくりに出たところを、焦ることなくまずは5カドの江夏にしっかり艇を合わせます。外を完封してから、すぐに内に切れ込んでの豪快なまくり差し。1マークを回ったときには、すでに2艇身ほど森永をチギッておりました。この冷静さ、したたかさ、迅速さ。去年、3度もSGという修羅場で揉まれてきた経験が、このスリット~1マークに凝縮されていましたね。
 私の見立てでは、丸岡のモーター58号機はよくて中堅上位まで。回り足はありそうですが、直線で競ったときにモッサリとしていて伸びはお世辞にもいいとは言えません。つまりはパワー頼みではなく、腕一本での4走36点。準優に向けてエンジンも上昇させたら、これはもう鬼に金棒、V候補のNO1と呼ぶべき存在になることでしょう(もちろん、今でも十分に優勝候補ですが)
 ちなみに自力まくりから、2着を取りきった森永淳は4走33点。明日は1回走りですから、こちらも丸岡から1秒ほど遅れて準優へのキップを手にしました。丸ちゃん、淳ちゃん、とりあえずのノルマ達成、おめでとさん!

 続いて第2位。行くと決めたら、他艇なんか関係なく突き進む。スリットの段階で勝利を決定付けたこの選手です。

12R/スリットを出し抜いて、悠々ひとまくり!

SANY0573   コンマ02。4カドからただひとり張りこみました、最終レースのユーユーこと中村有裕選手。唖然としてしまいました。何しろインの吉田俊彦がコンマ29で、5コースから中村をマークすべき三井所尊春でさえコンマ31……ほぼ2艇身近い差です。唯一カド受けの石野貴之だけがコンマ15まで踏み込みましたが、カドからコンマ02をやられてしまっては、ユーユーの艇尾を拝むヒマさえありません。月並みな擬音で表現するなら
 ドッカ~~~~~~ン!!
 元々が平均コンマ13というスタート勘抜群の選手ではありますが、このコンマ02は勘や動体視力の限界を超えているはず。それでもあえて踏み込んだのは、やはりこれもSG常連のプライドというしかありません。この12レースのメンバーの中では、明らかにパワーは劣勢。ユーユーはそう感じていたようです。
SANY0617  ならば、勝つにはカドからのS一撃しかないな。
 そう戦法を決めて、迷うことなく決行したのですね。さらに言い換えるなら
 お前たちには、負けてはいられない!
 ということなのでしょう。ピットに張り付いているK記者は「ユーユーはいつも寡黙に作業していて、ほんっとに孤高な戦士って感じなんだよ~」と毎日のように報告してくれるのですが、そんなピットの光景が目に浮かぶような孤高のスリットでありました。ひとつ間違えばF。他艇をまったく無視し、ギリギリの境界線まで突き進んだこのスリット写真に、ユーユーという男の空恐ろしさが垣間見えるような気がします。

 そして、今日のベスト・パフォーマンス賞は、さらにギリッギリの亜空間まで到達したこの選手に捧げます。

10R/まくり水面を蹴散らした「最も危険なイン逃げ」

SANY0604  ユーユーも凄かったが、このレースの中野次郎も凄かった! ヤバかった、と言うべきでしょうか。1号艇からインを取りきってのスリット。そのタイミングは、韋駄天カクローも真っ青のコンマ01!(あ、別にカクローは驚きませんかね) 中野次郎はユーユーほどにはS勘がいいわけではないので、本人も相当ドッキリしたことでしょう。それに、節間成績もかなりの上位でしたから、勝負駆けに近かったユーユーより精神的にも余裕があったはず。単なる勘違いの踏み込みだった可能性もあります。ただ、
 唐津でインから勝つにはどうするか?
 こう自分に問いかけた答が、この危険なスリットにつながったのだと私は思います。唐津でインから勝つのは、本当に難しい。今日は1コースの選手が4勝しているのですが、そのうちの2勝は「抜き」。「逃げ」で勝ったのは、4艇がコンマ26~31と遅れた中でコンマ07を決めた8Rの柳沢一と、この次郎だけ。その他は、差されたりまくられたりで、みな他艇の引き波に沈んでいるのです。
SANY0602  もちろん、コースの有利さで2着や3着には粘ることができる。でも、勝ちきれない。勝ちきるには何が必要か……もちろん、怪物級の出足があれば勝てるでしょうが、そんなモーターが一節にそうそうあるわけもなし。結局はスタートで他艇よりも張り込み、そのお釣りを使い切る前に1マークを回るのが勝利への最短距離。中野次郎は、この最もシンプルで最も危険な戦法を、実戦で試したのではないでしょうか。今日だけではなく準優、そして、その次のレースを見据えて(コンマ01は想定外だったとしても……)。
 中野次郎は首の皮一枚でスリットを通過し、鮮やかに逃げきりました。運良く生き残った、と言い換えることもできます。でも、チャレンジカップを制した上瀧和則は、予選でコンマ01の薄氷を踏んだレースをこう振り返っているのです。
「SGを優勝するような時って、予選の途中で必ず一度はあんなギリギリの危険とか強運とかがあるもんですよ。あれで助かってから、追い風が吹いたのがはっきりわかった」
 それぞれ立場や境遇は違うけれど、今日、ユーユーも次郎も「ギリギリの危険とか強運とか」を身を持って体験しました。あの瞬間、唐津特有の強い追い風が、ふたりの背中に憑依したかもしれませんね。もちろん、最後の最後に勝利の女神が微笑む相手は、たったひとりなのですが。(畠山)


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新鋭王座、本日の水神祭・3日目

SANY0513  今日も出ました、水神祭! 昨日、一昨日に引き続き、SG初勝利の舞台は第1R、そして今日の主役は、福来剛! おめでとうございます!
 ズバッとまくり差しで1マークを切り裂いて手にした1着。準優への目も浮上する、価値ある勝利でありました。この勢いは買いかも!?

SANY0515  JLCの勝利者インタビューを終えて、すぐに集合した関東勢。金田諭が2R出走のため不在だったが、中野次郎、福島勇樹、荻野裕介、そして石塚久也の4人で福来をグググイッ。おお、今日も人間ロケット・スタイルだ。ボート揚降機担当の職員さんが、「高さ、もっと下げよか?」と福来に声をかけるが、福島勇樹がキッパリと「このままで!」。一度投げる素振りから寸前でストップ、というフェイントを挟みつつ、さあ行こう、レッツ・カウントダウン! 3、2、1、発射でございますーーーーっ!
SANY0516  あまりの水の冷たさに、大慌てで陸に這い上がった福来。「さ、さ、さ、寒ぅーーーーいっ!」と叫んで吐く息が真っ白でありました。でも、言うまでもなく、嬉しさが湯気のように立ち上ってますぞ、福来選手!

 それにしても、3日連続で第1レースから水神祭が出ているのは、偶然なのでしょうか。これはもう、見逃せないジンクスと言えるはず。明日の1Rは……おぉ、吉村正明がGⅠ未勝利! この流れで、待望の1勝なるか、吉村選手!(黒須田) 


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1号艇連続連対……3日目、前半戦終了

SANY0548 3日目、前半戦が終了して、いよいよ予選も終盤戦に向けて走り出した。相変わらず一筋縄ではいかない、唐津の水面。それでも、配当的には、昨日に比べればやや落ち着いている、6Rまでである。

その最大の理由は、イン=1号艇がしっかりと残っている、ということであろう。1~4Rは、すべて2着。そして、5Rで松本博昭が勝利をあげた(ただし抜き)。また、今日は、差し、まくり差しが決まり手として多数派となっている。傾向的には、昨日とはやや違った顔を見せ始めているのだ。まあ、だからこそ逆に読みづらくもあるのだが……。はてさて、後半戦の流れやいかに。


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明暗分かれる――3日目、前半のピット

SANY0549  あっ、笠原亮が黄色のベストを着ている。俄然、気になりだした男・笠原亮。昨日の12Rでコンマ04のスタート。ベスト軍団の仲間入りを果たしてしまった。まあ、勝負にいった結果なのだから仕方がない。これに怯む笠原でもないだろう。
 それよりも、今日の笠原はグッと気合がこもっているように見える。目つきが厳しく思えるし、歩様の踏み込みもいつにも増して力強く見える。2日目を終えて、13点。今日は1日早い勝負駆けである。SGウィナーの名にかけて、賞金王ファイナリストの誇りを汚さないためにも、予選落ちなど許されない。笠原は今日、自らにプレッシャーをかけて、怒濤の走りを見せてくれると信じる。

SANY0544  福来剛にも1着が出て、ビッグウェーブがやって来たように見える東京支部勢。地元勢の好調ぶりにも負けないだけの勢いが、彼らにはある。特注・金田諭と石塚久也の埼玉軍団も、レースぶりが良化しており、関東全体がいいムードに包まれ始めた。4Rの展示を待つ間、並んで座る荻野裕介と石塚。王座が箱根の山を越えるシーンも充分にあるぞ。

SANY0530  とは言いながらも、地元精鋭たちの勢いもまた、止まらない。2Rではついに、選手代表・小野勇作にも初日が出た! 一気に湧き上がる佐賀軍団、大将がさらに弾みをつけて、快進撃はまだまだ止まりそうにない。レース後は、小野も笑顔爆発! 後半もチームSAGAから目が離せないぞ!

SANY0539  江夏満が、2Rを終えると、急いで整備室に駆け込んだ。モーターを外して、真剣な表情で本体を割る江夏。ここまではわりと落ち着いた風情を見せていたのだが、一気にメーターが上がった感じで、慌しさを漂わせている。2Rの2着で、予選突破も見えてきた江夏。足を仕上げて、一気に勝負に出るはずだ。

SANY0545  3Rで逆転勝利をあげた萩原秀人。さぞかし歓喜に沸くのか……と思いきや、意外にも静かなレース後となった。同支部の表憲一はニコニコしていたけれども、かといって拍手が起こるとか、身体をバシバシ叩くとか、そんなシーンはついぞ見ることができなかった。萩原も、笑顔はなし。それどころか、逆転劇の相手となった杉山正樹(さすがに悔しそうだった)を気遣っていた。選手たちの間には、傍観者にはわからない世界がある、ということか。写真は、ボートから降りて、棒状のカギでボートを引っ張る職員さんとかち合った萩原。おっとっと、棒が当たりそうだ。このときも、萩原に笑顔はなかった。

SANY0532  今節最年少は、林祐介。おぉ、21歳! 若いっすねえ……。ということもあり、ピット内ではかいがいしく働く、林の姿をよく見かけることができる。飄々とした雰囲気で、その若さにしてはかなり落ち着いているようにも見えるが、近くで顔を合わせると、面差しには幼さも残されているのが、やはり21歳。俺にもこんな時代があったなあ……というのはどうでもよくて、この若さで大舞台の経験ができるのは、確実に彼の栄養になるだろうと思った。先輩たちの圧力に負けるなよ!(黒須田守)


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新鋭王座ベスト・パフォーマンス2日目

 2日目も3連単の万コロ5発。豪快なまくり&まくり差しが9本も飛び出して、なんともド派手な水面でありました。今日の第3位は、そんなまくり水面を象徴するような破天荒なこの選手。

7R/大時計と「♪結婚しようよ~」韋駄天カクローここにあり!

SANY0417  ボ~ク僕、笑っちゃいます、吉田拡郎選手。「大時計だけがたったひとりの友達」と開会式でも宣言していましたが、本当に仲がいいんですね~。7レースは6人全員が踏み込んだ速いスリットでしたが、その中でもアタマひとつ抜け出ていたのが韋駄天カクロー。そのタイミングはコンマ01!! このレースが今節3戦目だったわけですが、コンマ14から04、そして今日の01と、どんどん臨界点に近づいています。このままの勢いでSを張り込めば、もはや行き着く先は……。
 すでに黒須田記者がピットレポートで紹介しているとおり、カクローは昨日から「スタート事故防止」とでかく記されたタンクトップ(写真の黄色いヤツ)の着用を義務付けられています。施行者としてみれば、要注意選手というかブラックリストというか、とにかくカクローの韋駄天ぶりには目を光らせているわけです。

DSC00070  嗚呼、それなのに口笛を吹くような風情でコンマ01、天上天下唯我独尊のコンマ01、大時計に接吻しちゃうようなコンマ01……かのタンクトップはコンマ05を切ると着せられるそうなのですが、明日のカクローは2枚重ねになるのでしょうか。でもって最終日までには3枚4枚5枚と……まあ、どうでもいいけどちょっと心配になります。
 とにかくカクロー選手、モーターがあまり出ていない今節のこと、さらにスタート頼みの日々が続くことでありましょう。私もS一撃のレースは大好きですから、明日からもタンクトップにビビることなく、大時計とランデブーしてもらいたい。でも、コンマ01まで行っちゃった今、もうその先はありませんよ(究極の00タッチはありますが、これはもう神の領域でしょう)。くれぐれも「向こう岸」に行って「人間なんてララ~ラ~ララララ~ラ」なんて歌うことのないように、ギリギリの自制心を持って踏み込んでくださいまし!

 第2位は個人選手ではなくグループチームに。もし競艇に団体戦があったら、今節はこの6人でブッチギリの圧勝になることでしょう。

これが唐津だボクらの国だ! 地元旋風吹き荒れる

SANY0390  勝手知ったる我が家の庭、とでもいいましょうか。佐賀県勢の6選手が激しい前付けやら完璧なイン逃げやらカドまくりやら、あの手この手を駆使して6人全員が舟券に絡む活躍を見せてくれました。成績を集計すると、のべ11走で4勝、2着3回、3着2回、着外2回!
 さらに、この地元旋風の追い風を受けたのか、すぐお隣の福岡勢も5戦2勝と気を吐き、両県の成績を合算すると16走で6勝、2着4回、3着2回……実にたったの10人で全レースの半分を制してしまったのですね。
 もちろん、これは偶然の産物ではない、と断言します。コース取り、1マーク、道中の競り合い、どれをとっても彼らは必死に貪欲に果敢に戦っていました。たとえば5着に敗れた9レースの三井所尊春(写真上 )にしても、6号SANY0442 艇から迷うことなく前付けを敢行し、深い2コース(スタート展示ではイン奪取)からコンマ10の踏み込み。結局は強烈なカドまくりを喰らって引き波に呑み込まれましたが、この凄絶な負けっぷりは三井所の舟券を買っていたファンも納得したことでしょう(私も)。
 そして、その強烈なカドまくりを放ったのは、やはり佐賀支部の岡部大輔(写真下)だったのです。一の矢、二の矢の分厚い波状攻撃で「他県の連中には勝たせん!」という鬼気迫るレースぶり。この新鋭王座は期別のチームワークが目に付きますが、シリーズを根底から揺さぶるのは「地元の意地」なのですね。
 明日の佐賀県勢は、すべて2~5号艇の「タンヤオ枠」。進入から動くもよし、センターから仕掛けるもよし、目の離せないレースが続きそうです。

 そして、今日のベスト・パフォーマンス賞は、昨日今日の3走ですべて万コロを演出した「水上のファンタジスタ」に捧げたいと思います。

11R/昨日に続いて万コロまくり差し2連発!

SANY0485  見事なまくり差しでした、11レースの荻野裕介選手! 枠番通りの4カドからスタートはチョボチョボ。むしろ、勢いよく飛び出した3コース・カド受けの高沖が、一気に湯川をまくろうかという態勢です。が、ここからの荻野の腹の据え方が早かった。高沖と湯川が競る前に、すでに舳先は1マークにまっしぐら。もし高沖がツケマイを怯んで差しに回ったものなら、ブイの周辺でガッツンと追突したことでしょう。それくらい、素早い決断でした。結果は注文どおりにあっさり突き抜けて、3連単120倍の万コロに。
 昨日の3レースでも荻野は3コースから鮮やかなまくり差しで480倍のスーパー万コロを演出し、後半の8レースでは3着で160倍……「荻野が絡めば万コロが飛び出す」という定説ができるのほどの穴男として全国に名を知らしめましたね。
 もちろん、この台風のような活躍は、フロックでは片付けられないでしょう。まくり差し2連発は、SG級の選手でもおいそれとは決められません。そして、何よりもあの決断の早さ。新鋭からトップ選手に上り詰めるためには、数手先を読みきる力が必要です。
「内が差してからまくる。内がまくってから差す」という後出しジャンケンでは、着を拾うことはできてもSGでは通用しないのです。荻野はこの大舞台で、まったく怯むことなく「見る前に飛ぶ」という芸当を連日に渡って見せてくれました。その潔さ、大胆不敵さに大器の片鱗を感じたのは、私だけでしょうか。
 明日は4レースの1回乗り。2日目を終わって節間成績2位の荻野にとって、また新たな大敵が立ちはだかります。それは、「安全に着をまとめて準優に行きたい」という邪念。さらには明日あたりから人気も背負いはじめ、「ファンの期待」というプレッシャーとも戦わなければなりません。まくり差しだけでなく、さらなる見えない敵をツケマイで沈めてこそ、新鋭はSGレーサーへと成長して行くのでしょう。毎日が勝負駆け、明日の荻野裕介のレースっぷりを熱く見守ることにしましょう。(畠山)


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闘志と悔恨が渦巻く――2日目、後半のピット

 地元勢、快進撃! エース・森永淳が2日目ピンピン、岡部大輔は昨日に続いての1着で2戦2勝(現時点で予選1位)、三井所尊春も前半レースで初日が出て、中尾誠は2着2本、松江秀徳は2着3着と、軒並み好着順が並んでいる。選手代表を務める小野勇作は苦境に立たされているが、参加52選手を牽引するという重責をきっちりと果たしている(昨日、話を聞いたら「やっぱ大変っす。でも、頑張ります!」。頑張れ!)。とにかく、佐賀6人衆は、完全に勢いに乗っている。
SANY0427  森永は、とにかく気合がパンパンに乗っている。後半8Rではインから1着。2連勝を決めて、さぞかし大喜びしているだろう……と思いきや、ピットに上がってきたときには笑顔など少しもなかった。むしろ渋い顔で、出迎えた佐賀勢とアイコンタクト。勝てばいいってもんじゃない。準優へ向けて、いや優勝へ向けて、気がかりな部分があるからには、笑ってなんかいられない! そんな気迫を感じるのだ。レース後は、穏やかな様子で笑顔も見せてはいるが、そんなときでも胸の奥にたぎる何かが透けて見える。 森永、お前は男だ!
SANY0455  負けナシで2日目を終えた岡部は、とにかくご機嫌。モーターは超抜、結果も出ている、これで気分が悪いわけがない、といった雰囲気である。9Rは、コンマ05のスタート。黄色いベストの仲間入りを果たしてしまったわけだが、吉永則雄や顔見知りの記者に「あはは、着させられてる」とからかわれても、その笑顔に苦笑いは1割くらいしか混じらない。もう、絶好調!なのだ。明日は6、10Rの2回乗り。10Rは井口佳典との再戦である。今日は1号艇に入りながらマクられてしまった井口は、「岡部君の行き足はすごい」と舌を巻いていたが、SG戦士の意地としても、明日は返り討ちにせんと牙を剥くはず。GⅠ初出場の岡部にとって、明日の2走は試金石となるはず。明日もこの笑顔が見られたら最高だ。

SANY0478  そんな佐賀勢とは対照的に、レース終了後に急いで整備室に駆け込んだのが、松井賢治。後半の出走は10R、6着。得点率3・00と苦戦気味で、なんとか立て直したいのだが、今日はもう残された時間がわずかしかない。レースが終わってホッと一息、なんて休んでいる場合ではないのだ。閑散とした整備室で、一人モーター調整に励む松井。飄々とした表情ながらも、目には真剣な光が宿っていた。兵庫といえば、取材班としてはシラケンサンバこと白石健を応援しているわけだが、後輩・松井にはまさにマツケン・サンバを捧げたい。オーレッ!
 もう一人、杉山正樹も長い時間、整備室に。噂のエース機・64号機を引き当てて、初日は3着2着。しかし今日、5着と点数を落としてしまったことで、軌道修正を決意したようだ。下降気味という説もあったエース機、たしかに期待通りの動きというわけではないのだろう。絶好のチャンスを得たはずが、2日目にして多忙な時間を強いられてしまった杉山。この甲斐あって、明日は超抜パワーを取り戻すことができればいいのだが。

SANY0491  市橋卓士が見事にまくって勝った10R、顔をゆがめてみせたのは、中村有裕。同期の小野勇作に声をかけられて、言葉少なに苦笑いを見せて、直後に目から笑いが消えた。ドリーム2着に、この10Rで4着。得点率的には決して悪くはないが、彼自身はひとつも納得などしていないのだろう。着替えをすませると、足早に整備室に入り、手早くプロペラを外して、ペラ調整室へと駆け込んでいった。イライラしているとまでは言わないが、心穏やかでない様子である。明日は待望の1着なるか。

SANY0483  湯川浩司が、悔しさをにじませた。11R、1号艇。彼としては、確勝を期して臨んだはずだが、同期・高沖健太のまくりを受け止めている間に、荻野裕介に差し抜けられてしまった。なんとか2着は確保したものの、前半の不運な6着が尾を引いて、予断を許さない状況。取りこぼしてしまった2点が悔しい……。出迎えた石野貴之は、湯川と顔を合わせた瞬間こそ、笑顔を向けていたが、ヘルメットの奥の表情を察したのか、すぐにともに悔しがるような表情となった。ほんの一言二言、声をかけあって、すぐに石野に背を向けた湯川。石野も、湯川を気遣ってか、それ以上は何も言わず、ボートのほうを向いた。この気分の重さが、きっと勝利のチッチキチーを弾けさせる。湯川よ、明日はリベンジを果たせ!

SANY0449  8Rで2着、なんとか中堅どころで踏みとどまった福来剛。それでもレース後は、整備室でモーターの点検を入念に行なっていた。彼にとっては、上位に食い込むためのきっかけとなる2着でもあり、だからこそさらに足を上向かせたい、そんな思いが芽生えているのだ。そこにやって来て声をかけたのが、“亮太スペシャル”こと中村亮太。5R3着後は、もうやることありませ~ん、とばかりに、記者さんや全モ連・大野氏(86期の教官を務め、亮太は教え子なのです)とニッコニコで雑談に興じていた亮太。福来にも、やっぱりニッコニコで近づいて、なにやら話し込んでおりました。二人の明日の戦いや、いかに。

SANY0443  一貫して淡々としているように見えるのが、東本勝利。昨日の後半6着が惜しいが、2着2本とそこそこの成績。そのせいもあって、それほどバタバタしていないのであろうが、それにしても実に落ち着いたたたずまいである。“ミスター不動心”こと山本浩次とはちょっと違った感じだが、逆に言えば26歳の若さでこの落ち着き、僕も見習いたい……ではなくて、なかなかできないことである。写真は、9Rの井口佳典を出迎える様子。淡々とした様子が伝わるでしょうか……。

SANY0435  唐津にウルトラマンがやって来た! 幼い頃の記憶が甦り、はしゃいで駆け寄ってみたら、今節最若手の91期・川上剛選手でした。今日は1R2着で、ゴンロクだった昨日から少しだけ巻き返した川上。その後は、午後の深い時間まで、試運転、ペラ調整などで、忙しく動き回っていた。彼の服装がウルトラマンだと気づいた瞬間、「シュワッチ!」とポーズでもとってもらおうかと思ったのだが、その働きぶりを見ていたら、とてもそんなことはお願いできません。こうして写真を撮るのが精一杯でした。「それ、ウルトラマンですよね」と確認すると、タハッ、と照れくさそうな笑みを見せた川上。明日はM78星雲スペシウムターン(?)で、怪獣のような先輩たちをやっつけろ!

SANY0474  最後に、その真摯で懸命な姿に感心しているうちに、気になる存在になってきた笠原亮。昨日、ピット内モニターでレースを見ていたら、「ニフティってことは、インターネットで記事を書いているんですか?」「賞金王も写真とか載ってるんですか?」などと声をかけられて、あまりにも嬉しく、ミーハー魂が爆発してしまったこともあるのですが……だはは、まったく個人的な感情で応援するぞ、笠原亮! それはともかく、12Rの展示を待っている間の笠原には、やはりこれまでのSGで見てきた彼とは違うものを感じずにはいられなかった。やはり、ここでは格上なのだ。そしてきっと、彼自身、それを自覚している。いや、無意識に、なのかもしれないが、笠原の中にはたしかにSGウィナーとしての誇りと、この舞台ではチャレンジャーではいられないという責任感が、ひしひしと渦巻いている。その12Rは6着。一気に苦しい星取りになってしまったが、だからこそ、明日の笠原はさらに一味違う、と思う。これは個人的な感情ではなく、見逃したら損をするほどの強烈な走りを見せるはずだと確信するのだ。(黒須田守)


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新鋭王座、本日の水神祭

SANY0388  今日も水神祭が行なわれました! 昨日に引き続いて、オープニング・カードの第1Rで森定晃史がGⅠ初勝利。90期の仲間と岡山勢が総出で、レースから引き上げてきた森定を出迎えました。
 水神祭は2R後。3R出走の同県の先輩・清水敦揮が展示から帰ってくるのを待って、行なわれました。「うわぁ、こんなに高いところからぁっ!?」とビビる森定。「担ぎ上げるから、さらに高く感じるよ」と、石野貴之がからかいます。せーのっ、で持ち上げられた森定。SANY0419 おぉ、ウルトラマン・スタイルとも違う、人間ロケット・スタイルだ。それではカウントダウン。3、2、1、発射ーっっ! 水面にまっ逆さまに突っ込んでいった森定、ぷかぷかと顔を出して浮きながら、仲間たちや集まっていた報道陣に「ありがとうございます」とお礼をしていた。
SANY0426  ファンキーな髪型の森定ですが、水に濡れて、オールバック状態。でも森定選手、それもなかなか男前っす。90期といえば、石野貴之が突っ走っていますが、これを機に一気に追いつき、ともに旋風を巻き起こせ!(黒須田)


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新鋭王座の節イチは誰だ?

 まだ2日目の途中だが、試運転&実戦を通じてある程度のパワー番付が見えてきた。ここにアップしておくので舟券の参考にしていただきたい。

節イチ候補
●岡部大輔…前検の段階で「トップ級」と見立てたが、その通りの活躍(ピンピン発進)で嬉しい限り。すべて揃った鬼足で特にスリットからの伸びが抜群。どのコースでもOKだが、ダッシュ戦でさらに破壊力がプラスされる。
●松江秀徳…こちらは回ってからスッと伸びる足が凄い。試運転でもかなり乗りやすそうでターンマークを回るたびに1艇身ほど前に出てしまう。伸びでは負ける相手も多いので、スローから自在に捌くのが向いている。
●井口佳典…かなりの伸び型で他の足もソコソコしっかりしている。まだスローしか走っていないがダッシュ戦でもいけるパワーだし、むしろダッシュ戦でこそ真価が発揮できると思う。

抜群候補
●森永淳…これも伸びが凄いが競り合いになるとどうか。回り足にやや不安がありそう。
●湯川浩司…回ってグイと押し出す足。ただ伸びはイマイチでスロー向きかも。
●中村亮太…さすが「亮太スペシャル」。出足が抜群で回ってからトップギアまでが異様に早い。
●山本隆幸…好バランスで間違いなく上位。今日の大敗は捌きのミスでモーターのせいではない。
●松本博昭…ストレートでじんわり伸びる粘っこい足。競り合いに強く、2、3着で狙いたい。
●中野次郎…現状は中堅上位で特徴のない足だが、まだ上昇の余地がありそう。
●吉田俊彦…回り足が抜群で思ったところに舳先が向く感じ。まだ過信は禁物だが…。

 明日の5、10レースあたりで上記の面々が複数ぶつかるので、結果だけでなく道中の足比べにも注目してみたい。(畠山)


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今日も荒れてます――2日目、前半戦終了

SANY0403 3連単マンシュウが3本。7000円台1本、8000円台1本。本命サイドで決着したのは、3Rのみという、新鋭王座2日目、前半戦である。イン逃げも2本と、決して強いとはいえず、銘柄級もきっちり勝ち切るとは限らない。このへんが、新鋭王座の難しさということだろうか。今のところ、ハッキリした傾向といえば、「荒れてます」だけと言ってもいい。

後半戦は、8R以降で銘柄級が1号艇に続けざまに入っている。信頼していいのか、それとも彼らが飛んで穴になるのか……。なんともいえないところだが、だからこそ逆に、しっかり流れを見極めたいところでもある。果たして、森永、井口、石野、湯川、森高(8Rから順に)は、力を見せつけるのだろうか……。


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気合こもる――2日目、午前のピット

SANY0385  まずは訂正。黄色の「スタート事故防止」のベスト。私、「ゼロ台スタートの選手が着る」と昨日書きましたが、「コンマ05の選手」の誤りでした。申し訳ありません。そして、昨日着用することになった選手は、今日も着なければならないのですね。あらら。写真は、右が郷原章平、左が吉田カクロー。1RでGⅠ初1着を取った森定晃史を祝福する2人+石野貴之ですが、今日もしっかり着込んでいるのでありました。ただ、僕はこれが烙印のようなものだとは思わない。Fを切ったのならともかく、特に郷原はピンを取っているのだから、好スタートを切った証でもあるはずなのだ。そのベストを勲章と思う必要はないが、負担にはせずに、攻めるレースを見せてください!

SANY0397  さて、2日目の午前。ペラ室は大盛況。多くの選手が木槌を振るっている。湯川、井口、丸岡、出畑……みな真剣な表情でペラとにらめっこだ。昨日、一度もしくは二度走って、何らかの手応えをつかんで、今日に臨む選手たち。ペラをきっちり調整して、予選中盤から後半に向けてのレースを納得づくで戦いたいところだろう。
 一方、整備室は閑散としている。昨日に引き続き、森高一真の姿が見え、さらに松江秀徳も整備に励んでいた。SANY0400 ボートを整備室内に持ち込んで、整備士さんのアドバイスを受けながらの懸命の調整。その後、森高は試運転に出て行ったが、すぐにまたボートごと整備室に戻ってきた。森高、徹底的に本体を見ているようである。

SANY0382  整備室の入り口で、一心不乱にペラを磨いていたのは、吉田俊彦。2、1着の好発進で、今日は12R1回乗り。時間はたっぷりあるはずだが、朝からまったく手を抜かずに、作業に集中している。僕がカメラを向けても、ピクリともせずにペラをこする吉田。12Rは、昨日よりもさらに気配アップした彼を見ることができるはずである。

SANY0391  地元の意地を見せたい三井所尊春。3Rは、見事に1着。初日は2着だから、オール連対をキープしている。これで波には乗れたはずの三井所、表情に力強さが感じられるようになってきた。昨日の記事のお詫びの意味も込めて、応援してます! 3R前、石橋道友と並んで水面に降りていく際も、気合充分だったぞ。

SANY0412  萩原秀人と吉永則雄が、ボートをはさんで談笑していた。萩原は、キビキビとした動きが印象的で、気合乗りの良さを感じる一人。一方、吉永はわりとゆったり過ごしていて、その姿が余裕を感じさせる。わりと好対照のピットでの様子、といった感じの二人ではあるが、今日はともにポイントアップを狙いたいところ。状況的には、似ている二人だ。ともに頑張れ!

SANY0383  1R、同期の森定が1着を取り、真っ先にボート揚降機のところにやって来た石野貴之。ゴールする前にはすでに到着、森定の帰還と仲間の集合を一人待つこととなった。非常にご機嫌な様子の石野。んっ? そ、その構えは…………ナイス・ショーットッ! SANY0384 ちょっとヒマを持て余して、ゴルフのシャドウ・スイングであります。スイングの様子からは、450ヤード、パー4、ややアゲンストの風の中、フェアウェイど真ん中を狙って、ドライバーでぶっ叩く!といった感じでした。GⅠ制覇というカップインを期待してますぞ!(黒須田守)


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君たちは美しい――初日、午後のピット

SANY0327  同期の絆を感じずにはいられない。たとえば、ドリーム戦。6人はSGや記念、あるいは新鋭リーグでも何度も顔を合わせているはずである。とはいえ、展示待機場所では、84期1人、85期3人、86期2人に、きれいにわかれて待っているのだ。不思議なものである。そのほかでも、同県同地区で一緒にいるよりは、同期でともに行動しているところのほうが多く見かけられる。新鋭王座は(新鋭リーグも、だろう)、通常の開催に比べて、同期の人数が多い。今節でいえば、84~91期の、たった8期分の選手しか参戦していないのだから、当たり前である。まだ本栖またはやまとの記憶も新しい彼らは、お互いに励ましあって、激戦を戦っていく。美しいなあ、と素直に思う。ちょっと羨ましくもあったりする。
SANY0356  で、午後も出ました、水神祭。11Rでは、笠原亮のハナを叩いてインを取り切った松本博昭(おお、二人は同期だ)が、イン逃げを決めてGⅠ初Vを決めた。水神祭といえば、その中心となるのは同県同地区の選手たち。ところが松本の場合、今節は広島から単身参戦。中国地区の仲間はいるものの、やはり動き出しはどうしても鈍くなる。そこで、音頭を取ったのは、同期の小野勇作。選手代表を務める彼が、松本を水面にいざなったのだ。ちょっと照れくさそうに、小野に従う松本。SANY0358 ウルトラマン・スタイルで持ち上げられた松本は、小野の「せーのっ」の声で水面へ。空中で一回転して、柔道の背負い投げのような弧を描いて、水の中に吸い込まれていった。一本! 松本選手、おめでとうございます。そして小野選手よ、その男気に乾杯! 同期はいいよなあ……とやっぱり羨ましくなったのでした。あ、水神祭には立ち会えませんでしたが、荻野裕介選手も、おめでとうございます!

SANY0378  ドリーム戦、森永淳が、ちょっと渋い表情で引き上げてきた。6着だから、それも当然……と思ったら、ボートの左サイドが壊れていた。レース中の接触によるものだ。まず駆け寄ったのが、中野次郎。「1マーク、ごめん」。軽く手をあげる森永。すると、湯川浩司もたたたっと走って、「淳、ごめん!」と謝った。森永は「いえいえ」と逆に湯川を気遣う。激しい戦いに、こうしたアクシデントはつきもの。SANY0380 無事であったのが何よりで、だったらレースが終わればノーサイド、ということだろう。湯川は、カポックの着脱所で、3、4着の接戦で競り落とした中野にも「次郎、ごめんね」と声をかけていた。こうした配慮があるからこそ、レースでは遠慮なく戦えるのだと僕は思う。いいシーンだ。

SANY0282  江夏満もまた、11R後に渋面を作っていた。5号艇で6コース、条件は良くなかったのだから、仕方ない結果とも言えるのだろうが、やっぱり悔しい! そんな表情だった。ボート引き上げに出てきた九州勢とも、あまり会話を交わすことなく、ちょっと首を傾げ気味に控室へと向かった江夏。戦いは始まったばかり。明日、挽回を目指すのだ! あ、彼に馴染みの薄い方に念のため。江夏は「こうか」と読みます。H記者も、「ずっと“えなつ”だと思ってたよ」とのこと。H記者、熱狂的な阪神ファンですからねえ。

SANY0286 「超気持ちいぃ~~~~っ!」
 おっ、唐津のピットに北島康介!……と思ったら、9Rで1着をとった福島勇樹でした。6号艇と遠い枠から、前付けで3コースを奪取。コンマ13のスタートから、1マークはまくり一閃! 北島康介に勝るとも劣らない迫力で、唐津の水面を泳ぎ切ったのだから、そりゃあ、超気持ちいぃ~~~~っ!のもよくわかる。出迎えた中野次郎や荻野裕介らにスペシャル・スマイルを振り撒いて、その余韻に浸っているようでありました。我々関東人にとっては、勇樹は期待のヤングパワー。全国のファンに、その名を強く刻んでほしいと切に願うものであります。

SANY0298  今日も非常にのんびり過ごしているのが、丸岡正典。2着2本発進で、上々の初日を終えているだけに、気分も上々の様子である。うーん、この余裕が怖い。湯川浩司に話しかけている姿も、風格すら感じさせているのだから、最高の雰囲気。ドリームからは漏れてしまったが、実力的にはひけをとっていない丸岡。明日以降、一気に主役の座をゲットするシーンも充分と見たぞ。

SANY0314  もう一人、山本隆幸も侮れないと思う。何しろ、ピットでは貫禄たっぷり。2、3着とまずまずの成績であることも関係しているのかもしれないが、とにかく凛々しく見えるのである。思えば、彼も花の85期。田村隆信をはじめとして、湯川、井口、森高、丸岡……錚々たる面々が名を連ねているが、そんななか山本はやや地味な存在といわざるをえない。だが、たたずまいは彼らと同等の、いや、それを上回るくらいの迫力を感じるのである。今日を見る限り、台風の目はズバリ彼だと思うのだが、どうだろう。

SANY0338 ともかく、幕を開いた新鋭王座決定戦。若者たちの戦いは、やっぱり熱いぞ!(黒須田守)


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新鋭王座ベスト・パフォーマンス初日

 さあ、はじまりましたね若人の祭典(←死語?)新鋭王座決定戦! 血の気の多い面々だけに初日からいろいろと好プレー珍プレーが飛び出しましたが、例によって独断でベスト3を決めさせていただきます。まず、3位はひっそりと旋風を巻き起こしたこの5人に捧げます。

地味面とは呼ばせない! 穴ーキー軍団・87期が大暴れ

SANY0289  驚いたのなんのって、87期ですよ。今節は9人の87期生が参戦しているわけですが、下馬評は「やや小粒」。ドリームメンバー3人など優勝候補がひしめく85期なんかと比べたら、確かにちょっと地味な顔ぶれが揃っています。それが、いざ初日のフタを明けてみたら、あれよあれよで5勝もしちゃいました。87期が参加していないレースが4つほどありましたから、実に8戦5勝なんですね。
 2レースの岡部大輔、3レースの荻野裕介、4レースの出畑孝典、7レースの妹尾忠幸、9レースの福島勇樹(写真中央です)……え、ほとんど聞いたことがない? ま、そんなファンも多いでしょうね。でも、これだけ勝っちゃえばフロックとはいえません。しかも、この5人はひとりとして1、2号艇での勝ちではなかった! 4、5、4、3、6号艇という不利な枠番だったのです。これが素晴らしい。もちろん、3連単の配当も凄まじいものでした。
2レース……5710円
3レース…48960円
4レース……8320円
7レース…14510円
9レース…55890円
 この5レース分の平均配当が2万と6000円くらいですか。実にバイオレンスな活躍だったわけです。まあ、ドリーム組が不在のレースですから「鬼のいぬ間の洗濯」という辛い見方もできるでしょう。でも、同期の活躍で、今日は勝てなかった福来剛や山崎哲司、杉山正樹、石橋道友の4人も発奮するはず。何よりも87期全体のムードが最高潮に盛り上がっているでしょうから、明日からも目が離せませんよ。失礼を承知で言わせてもらうなら、落ちこぼれ軍団の大逆襲。明日から優勝戦まで、そんなスクールウォーズのような熱いドラマを見せてもらいたいな~、などと密かにわくわくしている私なのです(舟券はひとつも取れなかったんですけど……ごめんね勇樹ちゃん!)。

 そして第2位は、ただひとり格上ともいうべきこの選手。私にとっては問答無用の今日のベストレースでした。

7R/俺はSGウイナーだ! 笠原、怒涛の猛追撃

 どうにも伸びないんです、笠原亮。でも、唯一のSGウイナーという意地があります。7レースは6号艇から4コースまで潜り込みましたが、やはりスリットから伸びずに道中は3、4番手争い。このパワーでは3着が限界だな、と早々に見限っていたのですが、さすがにSG戦士は違います。3番手をしっかりと取りきると、あの手この手で5艇身ほどあった2番手・丸岡との差を詰めていきます。
SANY0372  そして残り1周が圧巻でしたね。まずはホームで丸岡の内側1艇身に潜り込み、舳先が入らないと悟るや大胆に艇を外に持ち出してから、豪快な全速差し。バックで一瞬だけ丸岡の艇を捕えて、再び内から舳先を捻じ込もうとします。が、伸びの差は歴然でどうしても1艇身の差が詰まりません。
 笠原はまたまた大胆に艇を外に開きました。丸岡としては笠原の差しの鋭さを熟知していますから、少し減速して内をガードしながら最終マークを先取りします。そして、笠原はこの丸岡の動きを完全に読みきっていました。差し場などには目もくれずに全速のツケマイをかましたのです。急激に外に開いてから、さらに外をぶん回すという荒業。並の選手なら転覆してもおかしくない暴挙なのでしょうが、笠原のテクはその常識を簡単に覆しました。これぞSGウイナーのスーパーテク! ついには丸岡を完全に捕えてしまいました。
 まあ、結局は伸びの差で最逆転されての3着でしたが、最後の最後まで諦めないボートチェイス。GIシリーズの中で、確かに我々はSG級の600mを目撃したのです。笠原は後半11レースでもまさかのコース負けで3着に敗れましたが、明日からも貪欲に着を狙ってくることでしょう。笠原亮、やっぱアンタはひと味もふた味も違うよ!!

 そして今日のベスト・パフォーマンス賞は水面の外で男気を見せたこの若者にプレゼント。些細といえば些細なエピソードですが、いかにも新鋭らしい、瑞々しい情感が溢れておりました。

漢(おとこ)の土下座、三井所の心意気を見たか!?

 それは、開会式に起こりました。選手52人を代表してファンへの挨拶の舞台に立った三井所尊春の姿が、忽然と消えたのです。ハッと息を止めて背伸びをした瞬間、深々と頭を垂れて土下座している三井所の背中がこの目に飛び込みました。
「ファンに対しての失礼な発言を、お許しください!」
 な、何をやらかしたんだよ、三井所!?
 私も含めた多くの観客は、この突然の謝罪に度肝を抜かれて絶句するしかありません。が、地元のファンはすぐに察しがついたようで、「ああ、あのときのことかいな」とむしろ微笑んでおりました。そのアクシデントとは、暮れ~正月の開催でドリーム選手インタビューの席に立ったふたりの選手にある客が罵声を浴びせて批難し、その2選手が反駁した。そんな騒動に地元選手として責任を感じた三井所が、開会式の席を借りて陳謝したようです。
 まあ、確かに競艇はファンの財布で成立しているわけですから、選手は何を言われても耐えるべきなのかもしれません。ファンの野次にしても、大半が「愛情の裏返し」だったりもします。でも、開会式にいた地元のファンたちは、むしろ三井所に同情していました。
「あの(客の)暴言はひどすぎたもんな~」
「よかよか、もう立ってよか~」
 といった声が飛び交っておりました。先輩に替わって、土下座までして謝罪した三井所の心意気はしっかりと地元のファンの心に届いたはずです。続いて、三井所はこんなことを言いました(私も少し動転していて、うろ覚えですが)。
「命の次に大切なお金を使ってくださるファンにお詫びし、そしてお金よりも大切な命を賭けてこれからも頑張っていきたいと思います!」
 少し潤んだ目でこう宣言した三井所、とても素敵でしたよ。これでも件の客が許さないというのなら、その客は競艇からさっさと足を洗って別の遊びをしなさい、と私は伝えたい。選手との信頼関係がなければ、舟券を買ってもつまらないですから。
 三井所選手、お疲れさまでした。明日からも、今日の心意気を忘れずに地元ファンのために、さらには全国の競艇ファンのために走り続けてください。
 ※昨夜の記事で、取材不足から事実と異なる事例を記しました。三井所選手はもちろん、読者の皆さんにも困惑とご迷惑をおかけしてしまいました。記事を訂正するとともに、深くお詫びいたします。ミーショさん、tetsuさん、iwaoさん、適切なご指摘とご意見、ありがとうございました。以後、このようなミスのないよう、心して記事をアップする所存です。今後ともよろしくお願いいたします。(畠山)


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笑顔いっぱい――初日、午前中のピット

SANY0198  パチパチパチ! ボート揚降機の周辺に、拍手が響き渡る。嬉しそうにペコリと、郷原章平が頭を下げた。1R、いきなりGⅠ初勝利! インからトップスタートで、見事に逃げ切った郷原に、先輩たちの祝福が降り注いだ。すると! 続く2Rでは、地元の岡部大輔もGⅠ初勝利! 記念すべき1勝であるのはもちろん、唐津勢の先陣を切った岡部が地元にとって幸先のいい1勝をあげたことで、森永淳ら佐賀支部の選手たちは沸き上がった。目を細めて上がってきた岡部に次から次へと選手たちが近寄ってきて、ペタペタとヘルメットを叩く。岡部もニッコニコで頭を差し出していた。
SANY0260  で、初勝利といえば、もちろん水神祭! 3Rの展示が終わった後に、郷原・岡部ともに九州勢ということもあってか、なんとW水神祭が行なわれた。最初に水面に放り投げられたのは、郷原。唐津のピットは、陸面と水面の高低差がけっこうあって、水にたたきつけられる瞬間、パッチーーーーンッ!という音が轟いた。痛そう、そして冷たそう! 郷原が平泳ぎで岸に泳ぎ着いたのを確認して、「よしっ、ダブルだっ!」と岡部も水面へバッチーーーーンッ! 二人とも寒い寒いと震えながら、最高の笑顔を見せていたぞ。
SANY0264  今節は、1着=GⅠ初勝利という選手がけっこういて、水神祭は次から次へと行なわれそう。もちろん、できるだけ追っかける所存ではあるが、こうして記事更新中などと重なると、見逃してしまうものもあるかもしれない。何しろ、記者席からピットまで遠いんす。どうかご了承ください。

SANY0242  岡部の水神祭に超ご機嫌で参加した森永淳は、たっぷり時間をかけてモーターを調整し、ゆっくりめの装着。地元のエースとして、プレッシャーもかかっているのかと思いきや、非常にリラックスした様子で、初日の午前中を過ごしている。まあ、6日間の長丁場で、早くからピリピリしていても逆効果。理想的な精神状態にあると言えるはずである。ドリームは6号艇といえど、このメンタリティと水面を知り尽くしたアドバンテージは侮れないぞ。

SANY0251  一方、森高一真は整備室にこもって、本体を割っている様子。整備室の奥のほうで作業をしているため、詳しいところはわからなかったが、後姿からは必死な様子が見て取れる。今日はドリーム1回乗りだから、時間があるとはいえ、のんびりしているヒマはない、といった感じだ。12Rまでに、納得のいく整備で足を良化させることはできるだろう。

SANY0230  唐津のピットには展示控室みたいなものがなく、隅のほうにイスが並べられて、選手たちが待機している。本番前ではないから、わりと緊張感は薄く、選手たちにも笑顔が浮かんでいる。選手代表として忙しい時間を送る小野勇作も、ここでは笑顔を振り撒いて、他の選手と雑談に興じていた。この大一番で、代表の仕事もこなしながら、地元の意地も見せていこうとするのは、なかなかに大変なことには違いない。だからこそ、こうしてにこやかでいる小野を見ると、心から頑張れと言いたくなる。3R、結果は残念だったけど、まだまだ巻き返しは利くぞ!

SANY0215  やはり地元代表として気合の入る中尾誠。何しろピットでの様子を初めて見るので、これまでとの比較ができないが、それでもちょっと冴えない表情に見える。整備室でモーターを調整し、ボートに装着する中尾からは、強く訴えてくるものをあまり感じられないのだ。苦悩といったら言いすぎだが、どこか考え込んでいるようにも見える。気のせいかもしれないが、ちょっと気になった。午後のピットでは、弾けるような中尾を見てみたい。

SANY0247  さて、左は1R1着の郷原章平。おっ、「スタート事故防止」というタンクトップを着ております。郷原がキャンペーンの推進役をやってるのでしょうか……と思ったら、「ゼロ台のスタート切ったら、注意を喚起する意味で、これを着用させる」ということらしい。郷原、1Rでのスタートはコンマ05。我々からすれば「好スタート」なのだが、主催者としては「注意してね」ということになるわけだ。選手代表の小野が「ピン取ったら着れるってことにしといたら」と笑うと、郷原はタハハと笑い返した。さらに、スタート野郎の吉田拡郎は「(タンクトップに)もう登番書き込んどいたら?」とからかわれていた。カクローほどのスタート巧者、ゼロ台連発だろ、ということだ。カクロー君、やっぱりタハハと笑っていた。選手のみなさん、フライングを切らないで、そのうえで素晴らしいスタートで、頑張ってください!(黒須田守)


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お笑い満載の開会式!

DSC00053  午前9時からスタンドの2Fホールで開会式が行われた。お目当てはなんといっても選手紹介。まずは選手代表の小野勇作が地元らしい言葉を繰り出す。
「風邪ひいてないっすか~? 上瀧さ~ん、プロペラありがとうございます。言い訳できないんで、頑張ります!」
 GⅠ初参戦などフレッシュな面々が多いため、一期一会というか乾坤一擲というか、とにかく熱く激しいメッセージが鈴なり。ホールは拍手&爆笑の渦に包まれた。
松江秀徳「最終日は誕生日、結果を出して帰りたいっす」
吉田俊彦「今日で1歳になる娘のために走ります。(父として)自慢できるよう頑張ります!」
森永淳「昨日は一番乗りでした。帰りも1番になって帰ります。やるぞ~!!」
福島勇樹「ここで一句。勝負師は 激しさの中に 平常心、お後がよろしいようで」
福来剛「B2はボクひとり。水神祭めざして頑張ります。鉄兵さ~ん、プロペラありがとうございます。使いません!」
益田啓司「嫁さんの支えがあってここまで来ることができました。頑張って恩返しします」
江夏満「減量すると、すぐ歯が出るんですけど、モーターはなかなか……」
吉田拡郎「取り得はスタートタイミングだけ。信頼できる友達は大時計ただひとり。厄年だけど、頑張ります」
DSC00051   コメントも楽しかったが、パフォーマンスも凄い。「ち~むでばっち」と書かれたド派手なトレーナーを着た福岡勢やら、ヒッピーズラを被って小力パラパラ?(松井賢治)やら、猫ひろしの物まね(川上・ねこ・たけし)やら……トリを務めた林祐介のいっこく堂ばりの腹話術まで、腹を抱えて笑わせてもらった。その一方で笠原などのSG常連組は、誰もがあっさDSC00042 りショートコメント。何度も開会式を体験している余裕なのだろうし、初めて大舞台を踏む選手たちに花を持たせたいという思いもあるのだろう。「う~ん、大人だなぁ」と唸ってしまうほどの貫禄を感じた。
 選手紹介の後はドリーム6選手のインタビュー。
①中村有裕「最後の新鋭王座。悔いのないように走ります。インから」
②井口佳典「出てます! 絶好調です! 2コースから」
③湯川浩司「(ペラ破損して)直してきたんですけど……なんとか戦えるレベルになりました。3コースから行きたいんですが、ピット離れが下手で(苦笑)。スタンドの皆さ~ん、アリーナの皆さ~ん、みんながチュキで~~~す!」
④森高一真「フツーです。湯川が遅れるから3コースへ。(後ろの湯川に脅されると)じゃあ4コースで(笑)。フツーに頑張ります」
DSC00060 ⑤中野次郎「基本的に枠なりでドリームも5コース。(地元の⑥森永が動くはず、と指摘されると苦笑いして)はあ、ピットを出てから……」
⑥森永淳「コースは明日から取りに行きます。今日は中野君が出てるそうなので、(アウトから)連れてってもらいま~す! みなさ~ん、寒い中、毎日来てくれるかな~~!?」 SGとはひと味もふた味も違う、ほんわか楽しい開会式でありました。


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瑞々しい!――新鋭王座、前検のピット

SANY0093  最初に正直に申し上げておく。私、今回初めて顔を見る選手が大半なのです、この新鋭王座決定戦は。唐津入りする前に、パンフレットなどでしっかり予習をしたのですが、ピットではやはり即座には名前が浮かんでこないことも多々あり、どうしても登番と突き合わせて確認せざるをえない状況。選手の皆さんには本当に失礼な話なのだが、しかしこれぞ新鋭王座決定戦、とも言えるわけで……。もちろん、一両日中には、きっちり全員をすぐに認識できるよう、ピットに張り付く所存ではございます……。
SANY0122  で、何が言いたいのか、というと、SGジャンパーの存在感は、やはりこの空間にあっては図抜けて際立っている、ということである。もちろん、これまでのSG取材でおなじみの顔ばかりであるから、「おぉ、湯川」「おっ、丸岡」「おっと、井口」と視界に入った瞬間に認識できることも影響してはいるだろう。しかし、それでも彼らの雰囲気は、一味違うと言わざるをえない。最高峰の戦いをくぐり抜け、鬼たちと対峙する修羅場を経験してきたSG経験者たちは、やはり何かが違う。この新鋭王座もビッグレースには違いないが、彼らにとってはもはや、よそゆきの顔をする必要などどこにもないのだ。しかも、実績上位であるからには、シリーズの主役を担わなければならないという自覚も、彼らにはあると思う。そんなこんなが溢れ出して、彼らを一回り大きく見せているのではないか、と考えてしまう次第なのだ。
SANY0133  たとえば、湯川浩司。SG戦線においては、活きのいい若手、というのが、現時点での彼のポジションだろう。しかし、今日の湯川は悠然にして、泰然。早くも優勝を射程圏に捉え、特別な精神状態に入っているように見える。森高一真も同様。「今日は早めに帰りますよ」と顔見知りの記者に話して、作業も早々に切り上げ、比較的ゆったりと過ごしていた。いちばんのんびりしているように見えたのは、丸岡正典。なんだか、余裕綽々だ。うむ。やはり彼らの動きからは目が離せない。言うまでもないことなのかもしれないが、シリーズを引っ張っていくのがSG経験者たちであることを、ピットで改めて確認した前検日である。

SANY0178  というわけで、SG戦士たちの動向から。ドリーム戦1号艇で出走する中村有裕。モーター調整、点検をかなり入念にしていた。ドリーム組のなかでは、整備室にこもっていた時間は圧倒的に長く、明日への準備に余念がないといったところだ。新鋭王座、1号艇、中村有裕といって思い出すのは、宮島で行なわれた昨年大会の優勝戦。王座を手にする絶好のチャンスで、ユーユーは2着に敗れてしまった。今節は彼にとってリベンジの舞台だが、その初戦で再び白いカポックを着る。幸先のいいスタートを切るためにも、明日のドリーム戦で、1号艇の悪夢を払拭したいところだろう。明日も、妥協のない調整に励むユーユーが見られることと思う。
SANY0174   ドリーム5号艇の中野次郎も、ユーユー同様に整備室で過ごす時間が長かったが、たたずまい自体は非常に落ち着いた印象を受ける。他選手のボート引き上げを手伝いに出てくる際も、どたばたしたところは少しもない。ひたすら、いい雰囲気をたたえていると言っていいだろう。ドリーム戦、穴ならこの男と見たが、どうか。

SANY0149  一方、ピット内を走って移動していたのが、笠原亮だ。おぉ、SGでの様子とあまり変わりがないではないか。スタート練習、展示のあとは、整備室に直行。点検をテキパキとして、駆け足でペラ調整室へ。トントンとペラを叩き、お次はボート揚降機にダッシュ! ボート吊りを手伝って、またまたダッシュ! ペラ室に飛び込んで、またトントントン。間違いない、笠原の去年のブレイクは、この姿勢にある。SANY0162 いつでもどこでも全力投球。今年も僕は、笠原のこんな姿に感心させられまくるのだろう。それでも、作業を終えたのは、割と早めだった笠原。丸岡と談笑していたが、さすがにSGウィナーのオーラが出ておりました。うむ、やっぱり応援せずにはいられないな。

SANY0109  SG経験者以外で、もっとも目を奪われたのは、表憲一だった。穏やかかつにこやかな顔つきで、誰かに声をかけられると、ほよほよっと相好が崩れる。人の良さそうな表情には、慌しい前検のピットにあって、実に癒される次第である。登番は上から2番目の4003。いろいろな意味で、選手たちを牽引していくはずである。現時点では伏兵的な存在ではあるが、その走りに注目してみたくなった。勝利の笑顔もきっと、最高なんだろうなあ。

SANY0190  常に報道陣に取り囲まれていたのが、中村亮太。ふと見ると記者の取材を受けており、数分後にもう一度見てみると、今度は別の記者の取材を受けている。僕がいったんその場を離れて、15分後くらいに戻ってみると、中村はまたまた別の記者の取材を受けている。次から次へと、記者たちが彼をつかまえて話しかけているのだ。中村といえば、独特のプロペラを作り上げて、話題になっている。艇史に残る傑作『モンキーターン』の洞口スペシャルにインスパイアされて研究、開発した亮太スペシャル。今節も多くの関心が集まっているのだ。ニッコリと、胸を張って取材に応える中村。亮太スペシャルが大舞台で旋風を巻き起こすかどうか、やはり注目するしかないだろう。

SANY0120  噂のエースモーター・64号機を引き当てた杉山正樹。昨年は優出した杉山、今年もエース機を味方に暴れまくるか……と思いきや。「勝率の足はないですねえ」と苦笑い。下降気味という噂は、本当だったのか……。それでも、決して暗い表情ではなかったから、立て直しての大活躍も充分ありうる。まずは、明日の動きにも注目してみよう。

 それにしても、新鋭王座のピットは、さすがに若い! 瑞々しい! SANY0083 考えてみれば、選手たちはみな20代、つまりはみーんな僕より年下。もっとも先輩の選手でも、約10歳も下なのである。いやあ、なんだか30代半ばをすぎたオッサンも、若返るような気がするピットであります。彼らに負けずに、元気ハツラツで行こう!と盛り上がってきたぞ。選手たちも、若さ爆発で頑張れっ!(黒須田守)


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前検ワーストが市橋ですって!?

DSC00033  新鋭王座の前検タイムが出たぞ! さっそく上位ベスト10をアップしよう。
①益田啓司…6・60
②加藤和明…6・63
③岡部大輔…6・65
③森定晃史…6・65
⑤福島勇樹…6・66
⑤郷原章平…6・66
⑤林 祐介…6・66
⑧井口佳典…6・68
⑧小野勇作…6・68
⑧石野貴之…6・68

 試運転と付け合せてみると、益田の断然トップはちょっと意外だが、他の面々はなるほどと頷ける結果だと思う。そして、どうにも解せないタイムを出した選手がひとり。今度はワースト5を見てほしい。
①市橋卓士…6・90
②清水敦揮…6・86
②萩原秀人…6・86
④笠原 亮…6・84
⑤松江秀徳…6・82
 解せないのはブッチギリのワースト時計を出した市橋だ。先の「独断の前検特訓診断」で市橋にレベルS=超抜候補を献上したばかりなのに……俺の見立てが死ぬほど狂っていたというのか? い、いや、こんなタイム、俺は信じないぞ! 市橋は間違いなく出ている、出ています、出てください!! こうなったら明日の10レース、1号艇1回走りの市橋で意地の大勝負だな。むしろこの時計で人気が落ちたらしめたもの。「イン逃げで万コロ」大作戦と行こうじゃないか。乞うご期待!

 一方、スタート練習で目に付いたのは先に触れた笠原(07、08、08)ともうひとり、天才スターターの吉田拡郎だ。さすがにカクロー君、一本目の09からさらに踏み込んで2本目04、3本目05という「丸見えロケットS」を連発。初日はどの選手もSが慎重になりやすいから、いきなり明日(3R、9R)S一撃からのピンピン発進があるかも!(畠山)


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独断の前検特訓診断

 モーター抽選~前検の合間に、思い思いの試運転&足合わせが行われた。スタンド4Fの1マーク寄りにある記者席から、「バカによく見えた選手」をピックアップしておく。もちろん独断の目展示だし、整備に集中して水面に出ていない選手もいるのであくまで参考程度に読んでいただきたい。

レベルS/超抜候補
●岡部大輔…荻野祐介や福島勇樹あたりを軒並みやっつけていた。前の記事でも触れたが岡部の22号機は前節のVモーター。今泉和則が予選で落水しながらも圧倒的強さで優勝しており、その勢いが今日の水面でも炸裂していた。
DSC00034 ●市橋卓士…こちらもアルティメット・クラッシュな鬼足で、相手を置き去りにしていた。特に金田諭をチギッた足は凄まじかったぞ。12号機は複勝率42%で素性としても申し分なし。どちらかというと差しの多い市橋だが、このパワーなら差してもバックで逆転しそうだ。

レベルA/上位級
●中野次郎
●中村亮太
●湯川浩司
●山本隆幸
●山崎哲司
●加藤和明
●石塚久也

 この7人はおそらく中堅上位~上位はあると思う。
 湯川を除くSG常連組では、笠原亮がかなり劣勢の足色。このままの伸びでは苦しそうだが、S練習では07、08、08と3本ともに抜群の安定感でまとめており、先手必勝に賭けたいところ。石野貴之、森高一真、井口佳典、中村有裕、丸岡正典は可もなく不可もなくという感じで中堅級か。テクで捌ける足だと思う。(畠山)


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新鋭たちのモーター抽選会

DSC00031  12時20分頃にはじまったモーター抽選会。当たり前のことだが、みんな若くて初々しい。選手代表・小野勇作がルール説明をして「いいですか?」と確認を促すと、声を揃えて「はい」。海千山千の猛者がひしめくSGに比べると、行儀のいい生徒が揃った学級会のようだ。
 ガラポン抽選機が回ると、どの選手も耳を澄ませつつモーター成績表に目を落とす。そして、冷やかしの声。
「おお、ええモーター引いたやんけ、30%やで!」
 抽選した本人もすぐに近場のモーター成績表を覗き込んで、露骨に喜んだり悲しんだり。これまたテストの結果に一喜一憂する中学生みたいで、実に微笑ましい光景なのだ。

DSC00026

 いちばん喜んだのは、杉山正樹。「64番」の玉を引いてからその素性を確認して「わ、6点台のエンジン、引いてまった!!」と小躍りしながら席に戻って行った。それから森高一真もご満悦。「35番、35番……」とモーター成績表を指でなぞり、複勝率45%と知った瞬間に「よっしゃ!」とガッツポーズ。ナンバー5の52号機を引いた中野次郎もニッコニコだったな。

 ではでは、モーター複勝率の上位選手を紹介しよう。
①51号機49%…加藤和明
②64号機48%…杉山正樹
③35号機45%…森高一真
④57号機44%…前野竜一
⑤52号機42%…中野次郎
⑥12号機42%…市橋卓士
⑦11号機41%…江夏 満
⑧38号機40%…森永 淳
DSC00024  以上が40%以上のエース候補たち。ただ、去年まで怪物級といわれていた2位の64号機は事故で壊れ、大整備をしたものの全く戻っていないという情報もある。杉山正樹の「小躍り」が糠喜びでなければいいのだが……。
 他で注目したいモーターは、22号機と13号機。それぞれ前節(今泉和則)と前々節(上瀧和則)で優勝しており、上昇度から見捨てることはできない。
☆22号機37%…岡部大輔
☆13号機39%…高沖健太
 この2選手もマークすべし!(畠山)


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新鋭王座、選手到着!

だんだんと青空も広がってきた唐津に、新鋭王座出場選手が続々とやって来ました!

SANY0002 一番乗りは、地元・佐賀のエース格として今回の新鋭王座に臨む、森永淳! 関係者に「俺、一番? 二番? おっ、一番!」と確認して、満足そうな笑顔を見せた。走り慣れた唐津で行なわれるビッグレース、ノルマは優出! 日曜日、競艇場を後にするのは一番最後だといいっすね。 森永と挨拶を交わした後は、ピットの下見に行ったのだが、戻ってくると、おぉ、今節唯一のSGウィナーにして賞金王戦士、笠原亮! 「あ、おはようございます。今節もよろしくお願いします!」。うーん、今年も爽やか、笠原亮。SGの舞台では、常にもっとも若手の部類だった笠原も、今回はもっとも先輩。どんな笠原が見られるのか、楽しみです。

DSC00006 東京勢のタクシーから真っ先に降りてきたのは、中野次郎。さっそく女性ファンが声をかけます。笑顔で応える次郎さん。いやはや、男前っすね。森高一真は、凛とした表情で登場。おっと、井口佳典が別のタクシーでやって来て、高沖健太も交えてファンの方の要望に応え、3人で記念写真に収まっていた。今回がラスト新鋭王座。もちろん狙うは優勝! 同じ時間帯に、丸岡正典も到着。飄々とした感じで、荷物検査に向かった。それにしても、やはりSG常連組は、若手の中に入ると貫禄ありますね。彼らがシリーズの主役を担うのは間違いない。

DSC00012 湯川“チッチキチー”浩司は、大阪勢とは別行動で単独到着。タクシーから降りるときは笑顔もなく、早くも気合が入っているような表情だったが、ファンに声をかけられると、にこーっと笑った。やはり湯川は笑顔が似合う。今節も、パフォーマンスを楽しみにしてます!

SANY0021 地元・小野勇作は奥さんと愛車でやって来た。H記者は、あまりに綺麗な奥さんに、デレ~~~ッとしております。対照的に、小野は笑顔も見せるものの、地元でのビッグレースに期するものがある様子。地元選手は、こうして家族の方に見送られながら競艇場入りする選手も多いのだが、これが力になるのかもしれません。

DSC00016 入り待ちのファンの皆さんに一番人気だったのは、石野貴之だろうか。いやはや、イケメンですな。取材班としては、昨年の笹川賞以来の再会。一回り大きくなった走りを見せてくれ! と石野に見とれていたら、ありゃりゃ、1000円札が落ちてます。ふと見ると、あっ、市橋卓士選手、お金落としてますよーっ。H記者、走り寄って手渡したのだが、これは今節、市橋の舟券でお金を拾える、って暗示では? ちょっと注目してみますか。

というわけで、いよいよ新鋭王座の火蓋が切って落とされる。この後はモーター抽選、エース機を手にするのは誰だ!?(黒須田守)


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今節もよろしくお願いいたします!

SANY0001 おはようございます! 取材班、唐津競艇場に到着いたしました! 唐津の空は、重い雲が立ち込めていますが、切れ間から陽が射すこともあり、気温もそれほど低くはありません。

さあ、明日から新鋭王座決定戦! このあと、いつも通り、選手到着からモーター抽選、前検と取材し、レポートしてまいります。今節もどうぞよろしくお願いいたします!


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2006年ビッグレース戦線、スタート!

2006年一発目の全国発売ビッグレース、新鋭王座決定戦が2日後に近づいてまいりました! 決戦の場所は、唐津競艇場。24から29日まで、デビュー6年未満の若手精鋭によるバトルが繰り広げられます!

SANY0604 今回の出場選手の中には、賞金王戦士・笠原亮の名前が! 他にも、SG戦線に登場した選手の名前がぞろぞろと見られるぞ。なんてったって、笠原がドリーム戦に乗らない! それでもドリームらしいメンバーがきっちり揃うのだから、今年の新鋭王座はなかなかの豪華メンバーによる戦いと言えるかもしれない。

我々取材班も、このあと唐津に飛び、明日の前検から取材、即日レポートをお届けします。我々にとっても、今年最初の取材。気合入れて頑張りますので、皆様、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、唐津で!


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