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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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次回は尊敬すべき匠たちの戦い!

2012_0320_r12_1066 2012年SG開幕戦、皆様いかがでしたでしょうか。二年分の春を満喫できましたか? 取材班はおおいに満喫させていただきました。舟券はボロボロでしたが……。馬袋義則、おめでとう! 本当に素朴な人柄が印象的で、穏やかなSGウイナーの誕生は実に微笑ましいものでした。

今節はH記者が不在で、極選ファンの方は残念だったと思いますが、次節はもちろん参戦予定。次回は4月24日~29日に下関で開催される名人戦です! 匠たちの戦いを、前検から最終日まで本州最西端よりお届けしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします。

今節もご覧いただきありがとうございました。季節の変わり目、体調にはご注意を! 次回もどうぞよろしくお願いします。それでは下関でお会いしましょう!(PHOTO/中尾茂幸)


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優勝戦回顧

_u4w0112 ①水野 要(兵庫)
②石川正美(愛知)
③金井秀夫(群馬)
④万谷 章(岡山)
⑤小林昌敏(山口)
⑥松野京吾(山口)

 進入体勢は3対3の枠なりになった。観衆の視線はファイナリスト6人に集中する。2分後には、今年の名人が決定するのだ。選手も緊張しているだろうが、スタンドで観ているファンの緊張も自然と高まっていく。
 アナウンサーが、インコースの水野から順にプロフィールを述べていく。万谷は、
「家に帰れば、やさしい〝爺じ〟です」
 と紹介された。
「すげぇ、爺じだよな(笑)」
 ファンの緊張が一瞬緩んだ。
 万谷はこの名人戦で、孫がいることなど感じさせないレースをしてきた。一般的に年齢を重ねた競艇選手は、差しに回ることが多くなる。しかし万谷は違った。予選道中、スタートを決めて、外からまくって1着が2回。昨日の準優戦2周1マークでも、先行する水野にツケマイを放っていた。内を回って2着を確保したほうが、無難なはずなのにだ。

2006_0423__1_070  大時計の長針と短針が合わさって、素早いスピードで回りだす。6選手がレバーを握る。「優しい〝じいじ〟」発言で緩んだ緊張感が、再びピンと張り詰めた。
 あきらかに外3艇の勢いがいい。1コースの水野も負けていないが、2・3コースの石川と金井がボコッとヘコんでいる。
「万谷や~!」
 まだスリットを通過したばかりだというのに、多くの人が万谷の勝利を確信した。
「絞れ~!」
 聞こえるわけはないのだが、スタンドから声があがる。石川・金井とは1艇身半の差がある。ハンドルを左に切れば、一気に飲み込んで行けるはず。だが、万谷はすぐには絞りにいかなかった。しばらく真っ直ぐ走り、一呼吸待ったのだ。
 万谷のスタートタイミングはコンマ08。その外の5コースにいる小林のスタートはコンマ07。ターンスピードが速い6コースの松野もコンマ11だ。すぐに仕掛けていくと1号艇の水野は必ず抵抗してくる。そうなると小林や松野に、絶好の差し場を与えることになりかねない。
「水野が握って張り合うようなら差す。落とせばまくる」
 スリットから1マークへ向かうあいだ、万谷は内を観察した。昨日は水野が獲物を仕留めるハンターだったが、今日は万谷がその立場になった。
2006_0423__1_084 「張りに来る気配はない!」
 そう察知した万谷は、思いっきり握って回る。あっという間に水野を沈め、一気に突き抜けた。しかも小林と松野に、まったく差し場を与えない展開を作り出した上で、である。 もしすぐ絞りにいっていれば、どちらかに差されていた可能性は充分ある。この一呼吸。わずか1秒あるかないかの時間に下した判断。これこそが匠の技だ。
「たまたまですよ」
 万谷は、完璧な展開を作り出したことを偶然だという。本人がいうのだから、たしかにそうなのかもしれない。ただこれだけはいえる。この偶然は天から降ってきたものではなく、1万回以上走ってきた経験が作り出した「必然的な偶然」であったと。

 1マークで勝負にケリをつけ、一気に名人の座に駆け上がった万谷。ゴールの瞬間、拳を突き上げて豪快なガッツポーズをみせた。競艇人生初のガッツポーズである。
 優勝者インタビュー。大勢のお客さんが駆けつけた。
「ありがとう!」
「よくやったなぁ!」
 2連単9番人気なので、的中した人は少ないはず。それでも、歓声と惜しみない拍手を送っている。万谷がこれまでに走ってきた競走が、ファンの心に刻まれているからだろう。 万谷の目は少し潤んでいるようにみえた。顔からネットリと汗が出ている。全身からは喜びオーラ湧き上がっている。
「長い間お世話になりました」
 インタビュー終盤、万谷はいった。ファンは彼の引退宣言に、大爆笑でこたえた。
「あれだけ凄い走りが、あれだけ若々しい走りができる万谷が、引退するわけない」
 みなそう思っているからこそ、笑いが起きたのだろう。
 万谷にとって、名人戦は99回目の優勝となった。今シリーズをみていると、100回目の優勝を決めるのに、そう時間はかかりそうにない。
「悲願の初優勝」という言葉は、ときどき目にする。しかし44年目にしてGⅠ制覇を成し遂げた、万谷以上の悲願はそうそうない。ほかのスポーツではありえないだろうし、競艇界であってもかなり難しいはずだ。
 いや。ひとつだけあった。来年の3月、総理大臣杯。万谷自身が成し遂げる「45年目の悲願のSG制覇」の可能性が。

(PHOTO・池上一摩(1枚目) 中尾茂幸(2・3枚目) TEXT・姫園淀仁)


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喝采――優勝戦、後半のピット

 10Rから向かい風が吹きはじめ、一時的に曇りかけたが、優秀戦が近づいてくると、春らしい日差しが水面に反射した。考えてみれば、この向かい風が、マクリ一閃で優勝した万谷章にとっては“追い風”になったのだろう。
1_3  スタートと同時にピットには歓声が上がり、1周1マークでは拍手が起きた。
 こんなことはめったにないのだが、報道陣の誰もが、万谷の一撃にしびれたため、自然発生的にこんな現象が起きたのだ。2周2マークでもう一度、拍手が起こり、ゴールとともに、また拍手! そしてもちろん、万谷が引き上げてきたときも、大拍手で迎えている。万歳ポーズを見せた万谷が、満面の笑みを浮かべていたのも印象的だ。
 表彰式で、ファンへのメッセージを求められると、「長い間、お世話になりました」と、引退の挨拶かと思われる言葉を吐いていたが、この人には“笑いの神様”まで降りてきているかもしれない。

 朝には「優勝戦に乗れて夢のようです」と語っていた万谷だが、午後のあいだも、動きは見られなかった。いや、動きどころか、姿もほとんど見られなかったのだ。
 10R前にやっと現われたと思えば、すぐにボートをピットに着けてしまい、ふと気がつくと、もういなくなっていたのだ。
 まさに一走入魂! 
 どこからともなくレースに現われ、ほとんど一度だけの顔見せで、結果を出したのだ。そんな万谷の“仕事”を間近で見られて、本当によかったと思う。
 同じ岡山支部所属の板谷茂樹は「孫が3人もいるのに……。これでは岡山の新人が育たんわけや」と笑いながら話していたが、62歳の万谷はまだまだ若い。この後はまた、記念戦線、そしてSGで、魂の一撃を見せてくれるのではないかと、今から楽しみだ。

 レース後、万谷以外の選手たちも、誰もがいい表情をしていたのも名人戦らしいところだ。
2_2 「おめでとうございます」と万谷に声をかける選手も多かったが、とくに1号艇で3着に敗れた水野要などは、気持ちのいい笑みを見せていた。
「万谷さん、おめでとうございます。あれはフライングじゃなかったんですか(笑)」「まいりました」と言ってたように、あんな芸当を見せられては、納得するしかなかったのだろう。
 昨日の準優勝戦直前には、緊張をそのまま顔に出していた水野だが、この日はそんなことはなかった。
 9R後には、同期の西和則と談笑していたので、カメラを持って近づいていったことから、西の要請で、記念撮影も行なっている(暗い写真になってしまって、すみません!)。
「名人戦には、もう二度と来れんやろうから」と笑っていた西も、10Rではしっかり勝利! 「来年も来てくださいね」と声をかけると、「いや、もう……」と言いかけながらも「頑張ります」と答えてくれた。
 水野(51歳)や西(49歳)は、万谷にくらべても、さらに若い。ディフェンディングチャンピオンの立場で、今回は“ポスターの顔”になっていた水野はもちろん、西にも来年があるのだ。

3_4  午後のピットで、もっとも気になったのは、金井秀夫(6着)の動きだ。
 9R前のスタート練習のあと、厳しい表情でボートを見つめ続けて、どうしようかと悩んだ様子を見せていたあと、ペラを取り替えた。
 本人に確認してみると、「他のを使ってみたんですけど、やっぱりあかんかったから、元のに戻してみたんです」とのことだった。その後、試運転をして、ピットにボートを入れても、腰に手を当て、再び厳しい表情でボートを見つめ続けていたのだから、どこかに納得のいかないところがあったのかもしれない。
 午前中のインタビューでは「見せ場を作れるレースをしたいと思っています」と話していたが、残念ながら、結果を出すことはできなかった。
 それでも、自分自身、この結果には納得していたのだろう。レース後には、今節ではこれまで見られなかった表情を見せて、万谷とすれ違うときにも、やさしい笑顔で祝福していた。
“報恩の人”金井には、今後も注目していきたい。

4_2  午前中には調整しているところが見かけられた松野京吾(5着)と石川正美(4着)は、午前中の作業でほぼ仕上げいたのか……。ピットではその姿がよく見かけられた松野も慌しく整備することはなかったし、石川の姿はほとんど見かけなかった。
 午後に、熱心に整備をしていたのは小林昌敏(2着)だ。
 10R前になってもペラ小屋で作業をしていたが、それが、この結果につながったのかもしれない。石川もやはり、気持ちのいい顔で万谷に「おめでとうございます」と声をかけていた。
 気持ちのいいレースと、気持ちのいい顔、顔、顔……。この名人戦では、本当にいいものを見せていただいた。
(TEXT&PHOTO/内池久貴)


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62歳の水神祭!

競艇名人戦、万谷章、優勝! いやあ、感動的なレースでありました。そして、万谷選手、これが悲願の初GⅠ制覇! お初といえば、そう、水神祭であります!

_u4w0254 実は、共同会見では「水神祭は、やりません」と万谷選手、言っていたそうです。競艇場の職員さんも、万谷選手のお身体を心配されて、やめたほうがええやろ、とおっしゃっていました。岡山軍団の板谷茂樹選手も「だいぶ冷え込んできたし、厳しいだろうなあ」と。今日は水神祭ナシかぁ……表彰式や会見を終えてピットに帰ってきた万谷選手、そのままJLCの番組に出演です。誰もが、今日はこれでおしまい、と思っていました。ところが! 「今日はコレと水神祭で終わりやな!」と鶴の一声が! 声の主は、長嶺豊さん! その声に後押しされた岡山軍団とテレビ関係者は、一気に「うぉぉぉぉぉ!」と盛り上がります。番組収録が終わると、いざ、ピットへ!

Sany0708 古谷猛、林貢、板谷茂樹、平子茂、原義昭らの岡山軍団が、万谷選手を担ぎ上げると、おぉ、長嶺さんも加わっています。そのスタイルは、ゆりかごスタイル! みな本当に嬉しそうに笑いながら、いち、にぃ、さん、ドボォォォォォォォン!!!!! 万谷選手、夕暮れの尼崎の水面に、あまりにも感動的なダイブをしたのでありました。……ちょっと溺れそうになってましたが(笑)。「もう、泳げんのにぃ。心臓止まった」と笑う万谷選手、でも最高の笑顔です! 62歳の水神祭、今まで見てきた水神祭のなかでも屈指の、幸せなセレモニーでした。

_u4w0266 万谷選手、思いっ切り感動させてもらいました。来年の総理大臣杯で会えるのが楽しみです。本当におめでとうございました! 万谷親分、サイコー!(PHOTO/池上一摩=投げ込み、ピット上 黒須田=水中 TEXT/黒須田守) 


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静かな朝――優勝戦、前半のピット

 爽やかな朝。優勝戦午前中のピットは、大概、動きが少ないものだが、いつにもまして、ピットで作業をしている選手は少ない。さすがは名人戦メンバー。この段階まで来ると、どっしりと腰を落として、“その時”が来るのを待つものなのだろう。
 午前中の間ずっと、ピットに張り付いていたわけではないものの、ペラ小屋で、熱心にペラを叩いていたのは桑原淳一だけだった。整備室にも選手の姿はなく、石川正美が引き上げてくるところを見かけただけだ。ただし、西和則は、かなりの長時間、ボートの傍から離れず、作業をしていた。

1_2  もちろん、レース後に選手たちがボートを引き上げてくるときには、優勝戦メンバーも出てくる。松野京吾、金井秀夫、水野要らを見かけたが、表情を硬くしている選手はいない。
 水野などは、報道陣に声をかけられると気軽に笑って答えていたように、今のところ、昨日のようなプレッシャーを背負っている様子は見られない。

2_1  2R後に、「2コースから行ったわ」と満面の笑みを浮かべる関忠志(今節、初勝利)に声をかけられ、握手を交わしたのは石川だ。関から「頑張れよ」と言われても「お前もな」とは返さず、にこりと笑みを浮かべる。
 その石川は、正午近くからボートに取り付けてあるモーターのチェックを開始した。「出足と回り足は初日から良かった」「ペラも当たっている」とコメントしている石川だが、朝から整備室にもいたように、入念な準備をしているようだ。優勝戦では、気になる存在になってきた。(TEXT&PHOTO/内池久貴)


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準優戦回顧

10レース 『やるべきことを』

2006_0422_5_1_032 ①石川 正美(愛知)
②西  和則(佐賀)
③小林 昌敏(山口)
④井川 正人(長崎)
⑤平野 勇志(愛知)
⑥池上 哲二(広島)

 進入は4対2の枠なり。今シリーズ安定した成績を残している1号艇の石川は、1コースに陣取った。出足と回り足が良好なエンジンなので、インはまったく申し分がない。ただ、一点だけ不安要素があった。スタートである。
 初日がコンマ35と23、2日目がコンマ27、3日目にもコンマ22。石川はスタートタイミングが合っていなかったのだ。それに対して、2号艇の西は5走すべてがコンマ09~19の間に納まっており、5号艇の平野もコンマ10~19の範囲内。少しでも遅れれば、外から一気に飲み込まれる。
 大時計が回りボートが加速していく。アウト2艇が勢いよく伸びるが、それよりもイイのは2コースの②西。スタート勘バッチリだった男が、コンマ02のスタートを決めた。
 だが石川も負けていない。コンマ06のスタートで、西についていく。結局、1マークを最初に回ったのは石川。キッチリと逃げ切って、優出を果たした。
「やるべきときに、やれる男」
 名人になるための必須条件だ。選手生活27年で、優勝54回を誇る石川だが、尼崎での優勝経験はない。
 あすも石川は、やるべきことをこなす。尼崎初優勝と名人の称号を受け取るため。

2006_0422_5_1_064  抜群のスタートを切った②西だったが、石川をまくれるだけの体勢にはなかった。しかも1マークで少しだけ流れてしまう。それを見逃さないかのように、ターンマークギリギリを差したのが3号艇の小林だ。
 デビュー5年目で制した85年の徳山「中国地区選手権」が、小林にとって最初で最後のGⅠタイトル。
 あすも小林は、渾身のハンドルさばきを魅せてくれる。「最初で最後の」の文字を取るために。

 お化けモーター16号機を引き、優勝にもっとも近いと思われていた西は4着に敗れた。SG・GⅠの優出がない経験の浅さが、メンタル面に影響したのかもしれない。しかし(私が生まれる前から走っている選手にいうのは失礼なのだが)西はまだ若い。49歳というのは名人戦メンバーから考えれば若いし、予選道中をすべて3コースから外で攻めていたように、レース内容も若々しい。また必ずチャンスは巡ってくるはずだ。
 小林が回ったさらに内――ほとんど隙間がないような場所へ、池上が艇を入れようとする。抜ければ2着の可能性もある。失敗すればターンマークに接触して転覆は必至。池上の選択は……裏目にでてしまった。
 勝った選手からも、負けた選手からも、闘志は溢れていた。無難な表現だが、本当にそうなのだから仕方がない。そしてその闘志は、11Rにも引き継がれ、死闘になる。

 

11レース『死闘』

2006_0422_5_1_126①金井 秀夫(群馬)
②村上 信二(岡山)
③松野 京吾(山口)
④柾田 敏行(東京)
⑤林  貢 (岡山)
⑥岡  孝 (徳島)

 3コースに入った6号艇の岡が少しヘコんだが、他の5艇はコンマ10~14で並んだ。そうなると、もう金井の逃げはゆるぎない。1マークを回ると、独走態勢。そのままゆうゆうと逃げ切り、優出の切符を手に入れた。
 レース後の勝利者インタビュー。
「よく出てくれた」
 とエンジンに感謝したあと、金井はボソッとにいった。
「いままでの優出で一番うれしい」
 14歳の女の子がいったのではない。1966年デビューから40年間にわたって水面を走り続け、優出回数299回を記録する、61歳の金井の言葉である。重みがある。
 あす、金井は300回目の優勝戦に挑む。〝いままで一番うれしい〟優勝を飾るために。

2006_0422_5_1_101  2着争いは大混戦になった。1周目のバック水面で、内から4号艇の柾田、6号艇の岡、3号艇の松野が併走状態。3艇の中から抜け出したのは、柾田だ。エースモーター27号機が唸りを上げると、2マーク手前で岡に1艇身の差をつける。次のターンで勝負を決めるために、柾田は艇を外に振る。
「あっ!」
 スタンドから悲鳴があがった。4号艇が宙を舞い、青いカポックは水面に投げ出された。柾田の艇の後方が、岡の艇の前方に接触したのだろう。右大腿部頚部骨折、全治30日以上の重傷。選手生活27年目にして、はじめてのGⅠ優出が眼前にあったというのに……。無情にもそれは、柾田の掌からこぼれ落ちた。
 さらに2マークでは、6号艇の岡が2号艇と接触。その間隙を突いて、3号艇の松野が死闘に終止符を打った。ワーストモーターを自分の腕でカバーした松野が、ギリギリで優出を決めたのだ。
 エンジンが出ていない松野にとって、明日も厳しい闘いになるだろう。ただ逆説的にいうと、厳しい闘いを制すからこそ、名人たりえるのだ。
 ドリーム戦で1号艇の優勝候補は緑のカポックを着て、あすもまた死闘に臨む。

 

12R『ホッとしました』

2006_0422_5_1_186 ① 水野  要(兵庫)
② 河合 良夫(愛知)
③ 万谷  章(岡山)
④ 桑原 淳一(東京)
⑤ 山内 直人(福岡)
⑥ 大西 英一(東京)

 ディフェンディングチャンピオン。地元水面。予選トップ通過。1号艇。圧倒的1番人気。幾重ものプレッシャーが襲ってくるポジションにいるはずなのに、水野の表情はいたって冷静だった。
 4号艇の桑原と5号艇の山内が回りこんでくる進入。体勢は145/23/6。水野は1コースに入ったが、90mくらいの起こしになった。
 それでも水野は焦らなかった。トップスタートを決めたのだ。4コースから伸びる②河合が、内の艇を飲み込もうとするが、水野は素早く先マイを打つ。河合は外へ流れていった。
 ポッカリ空いた場所に入った3号艇の万谷が、一気に突き抜ける。水野は2番手追走。しかし内から4号艇の桑原が差を詰めてくる。逆転まではないだろうが、2マークでもつれればわからない。
 そのときだった。水野の顔が、左後方を向く。獲物を見るように、④桑原の動きを観察している。
「桑原は握って回る」と判断したのだろう。水野は差しのハンドルを入れた。③万谷と④桑原がヤリ合う形になって、2マークで逆転に成功した。
「ホッとしました」
 勝利者インタビューで優勝戦について語る水野。私の目からは冷静にみえたが、やはりプレッシャーは感じていたのだろう。
 あす、水野は名人の称号に挑む者たち阻む。地元のファンを安心させるために。

 2着に入ったのは、年齢を感じさせない「まくり」で観衆を沸かせた万谷。登録番号1710、年齢62歳、出走回数1万145回。
幾万の谷を乗り越えてきた男があす、悲願のGⅠ初勝利に王手をかける。

(PHOTO・中尾茂幸 TEXT・姫園淀仁)


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男も惚れる男たち――準優勝戦、後半のピット

 整備室やペラ小屋に閉じこもる準優メンバーはなく、落ち着いた雰囲気のまま、時間は流れていった。
1_1  カメラを向ければ、作業の手を止めて、こちらに応えてくれる選手も少なくなかった。柾田敏行などは、いきなりカメラに向かってVサインをしてきてくれたので、ピンボケ写真が一枚、できあがったくらいだ。
 雨になることも心配されたが、時おり小雨がぱらつく程度で、大きく天候が崩れることはなかった。

 そして迎えた10R。いきなり1周1マークで池上哲二が転覆するアクシデントもあった中、石川正美が1着、小林昌敏が2着で、優出を決めている。
2  引き上げたきた小林は、メットをしていても笑みを浮かべているのが、はっきり確認された。そうして、素直に喜びを表現していた様子を見ていて、こちらも嬉しくなってきたほどだ。
 対する石川は、メットを取っても表情を変えない。
 勝利者インタビューでは「以前のように、勝とう勝とうという意識がなくなって、一生懸命やっているだけです」と話していたが、その言葉をそのまま「顔」に張り付いているような“実直な職人”といえるだろう。名人戦のピットにいることが誰より自然に見える選手の一人だ。

 11R。このレースでも転覆のアクシデントが起きてしまった。ここで転覆したのは、モンスターエンジンを引っさげて準優進出を果たし、午後の早い時間には筆者に対してVサインを送ってきてくれた柾田だ。
 救助艇がすぐに引き上げ、そのまま救急車で搬送されることになったので、大事に至らないかと心配されたが……、その後に、右大腿骨頚部骨折(全治30日以上)と発表されている。決して軽症とはいえないものの、担架に乗せられて、頭を動かすこともなく運ばれていく様子を見ていたので、とりあえずはホッとした。できるだけ早い復帰を祈りたい。

 さて、このレースは、1着・金井秀夫で、2着が松野京吾だ。
3_3   金井にとってはいつものことだそう だが、ボートに乗った状態で、メットを脱いで引き上げてきた姿を見て、まずはしびれた。そして、勝利者インタビューに答える“枯れた声”も渋すきで、もう一度、しびれてしまった。
「ケガをして苦労して立ち直ってここまで来れたんで、感慨深いですね」
 インタビューでそう答えていた金井の背中には、『報恩』の二文字が見つかる。これは、ケガをしているあいだに知った本願寺住職の言葉だそうだが、金井の背中にこの言葉はよく似合う。
「金井さん、あなたについていってもいいですか」
 そう言って、弟子入りを志願したくなったくらいだ。

4_1  2着の松野は、ここまでの道程を「正直、苦しかった」と振り返っていたが、こうしてきっちり優出を決めているのは、さすがの一語だ。名人戦のピットでは、先輩選手たちに気を使っているような場面も見かけられるが、モーターの状態もいいとはいえない中で、自分の役割を果たしているのだからプロである。

 12R。レースが始まる頃に、水面の手前に、西和則の姿を見つけた。近くに行ってみると、寡黙な印象のある西は「よし! やった!!」という掛け声を発していた。確認してみると、同期である水野要を応援していたとのことだ。自分自身、10Rで4着に優出を逃したあとでも、人知れずこうした声援を送れる西は、やはりカッコいい。
5  その水野は、しっかり1着を取って、優勝戦の1号艇をゲット! 減量をしてここに挑んできた水野の名人戦連覇は、現実味を帯びてきたといえるだろう。
 レースの少し前には、緊張した表情が見られていたが、インタビューではやはり「今日の1号艇はいちばんプレッシャーがかかりましたね」と答えていた。明日は、自然体で臨めるのか、と気になるが、少しくらいのプレッシャーはプラスに作用させられるものと思われる。
 このレースで2着に入ったのは、この名人戦において、記者やファンをうならすレースを見せ続けてくれている万谷章だ。
 ピットの様子を見ている限りでは、失礼ながら「ただのおっさん的な佇まい」を醸し出しているのだが、いざ勝負にいけば、こうして結果を出してくるのだから、“本当の勝負師”だ。
 そして、レース後の勝利者インタビューでは、とぼけた感じの受け答えで、味、だしまくり!
 とくに、インタビューが終えられようとしていたとき、「今までGⅠで優勝した最年長者は誰ですか?」と自分で報道陣に質問しておきながら、報道陣がそれに答えようとしている途中で、「年のことはいいです」と言ってしまったのには、絶句させられた。かなり高度な一人ボケ&一人ツッコミだったが、計算ではなく“天然”で、この技を出していたのだから、スゴすぎである。この受け答えを見ていて、万谷にもついていきたくなったものだ。

 今回の優勝戦メンバーについてはいろんな見方ができるだろうが、個人的には、この名人戦の味わいが集約された、実に素敵なメンバー構成だと思っている。このドラマがどのように幕を閉じるのか、と本当に楽しみだ。(TEXT&PHOTO/内池久貴)


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無念! 気になる大西英一、優出ならず……

 う~ん、残念! 我らが大西英一、準優12Rは3着に敗れ、優出は果たせなかった。6コースから単騎ガマシで最内を差したが、前を行く水野要と万谷章には及ばず。桑原淳一との3番手争いは競り勝ったものの、あと一歩のところでベスト6入りを逃してしまった。繰り返し、残念!

Sany0695  出走前、整列が終わってボートに乗り込んだ大西は、他の5選手が後ろを向いて始動の合図を待つなか、ただひとり前を向いて、うつむき加減に視線を落として、ジッと精神統一をはかっていた。ピットでは朗らかな大西だが、いざ勝負に臨んでは修羅となる。その変身の場が、始動の合図がかかるまでのボートの中、ということなのだろう。魂のタンクに闘志を注入し、満タンになったところで、始動の合図。力強くスターターロープを引いて、エンジンが動き出すと、再びすーっと前方を見据えた。ピットアウト! 大一番のゴングが鳴った。

 レース後、ピットに戻ってきた大西は、陽気な大西に戻っていた。
「ま~たタンヤオだよ~」
 昨日あたりから頻繁に飛び出す、“タンヤオ”というセリフ。中間着順を集めてしまったことを指して、そう言っているわけだが、今日のレース前、記者さんに「“3”は5枚ないですよ」と言われていたらしい。ここまで3着4本の大西。麻雀の牌は、一種類につき4枚だから、もう3着は取れませんよ、という激励だったのだろう。ところが、結果は3着。
「言ったとおりになっちゃったね~」
Sany0697  アハハハハ、と笑いながら、しかし一瞬悔しそうな表情を見せた。きっと、タンヤオ云々はサービスリップでもあったのだろう。
「タンヤオなんて言わなきゃよかったよ~。本当にタンヤオになっちゃったもんな~」
 やっぱり朗らかで、やっぱり悔しそうな大西。心の奥にはきっとやりきれないものを抱えつつ、しかしそれを紛らすためにも、大西は高らかに笑うのだろう。
 足は、特にレース足が良くなった、という。伸びはやや落ちたそうだが、手応え自体は悪くないそうだ。じゃあ、明日はタンヤオ脱却ですね、と記者さんが声をかけると、大西は力強く、うん、と頷き、しかしまたすぐにジョークモードに戻った。
「でも、明日もまたタンヤオになりそうな気がするなあ。アハハハハ!」
 帰宿バスに乗り込む直前、1着2本、6着1本、さらに今日は転覆の池上哲二を、「一九字牌ばっかり集めて、国士無双じゃないですかぁ。すごいなあ、先輩」と冷やかして笑っていた大西。どこまでも明るい大西に、僕はとりあえず大笑いしながら、しかし心から祈るのだった。
 明日はぜひチャンタをツモりましょう! あ、もちろん1着ですよ。転覆とかFはダメですからね。「やっとタンヤオ脱却だよ~」と嬉しそうに笑う大西選手を、明日は必ず見せてください!(黒須田守) 


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速報!優勝戦メンバー決定!

 転覆艇が2艇も出る激しいセミファイナルの末に、明日の優勝戦に出場するベスト6が決まりました。

①水野 要(兵庫)51歳
②石川正美(愛知)57歳
③金井秀夫(群馬)61歳
④万谷 章(岡山)62歳
⑤小林昌敏(山口)50歳
⑥松野京吾(山口)49歳

 地元のエース水野要の連覇なるか。人気は1号艇に集まりそうですが、一癖も二癖もあるツワモノが揃いました。中でも金井、万谷の「還暦コンビ」! センターが強い尼崎だけに、合わせて123歳のワンツー決着があるかもしれませんよ!


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変わらぬ空気――準優勝戦、前半のピット

Sany0621  準優勝戦の朝だというのに、昨日より気温が高く、冷たい風が吹き込んでこないということを除けば、予選道中と何も変わらない。これが、名人戦を戦う者たちの貫禄なのか。もちろん、まだまだ準優までは時間があるということもあるのだろうが、ベスト18戦士にしても、一般戦回りを強いられてしまった選手たちも、平常心で過ごしているように思える。
 たとえば、石川正美。予選の間も、鋭い目つきが目立っていたが、今日もまるで変わらぬ貌で調整に精を出す。その気合の立ち上り方は、決して準優に臨むからというわけではなく、それが石川にとっての当たり前の振舞い方のように思える。それほどまでに、自然体であり、決して作った気合ではない、ということだ。もちろん、カタくなったようなところは見当たらないから、見ているこちらとしてはただただ、唸るしかない。

Sany0623  昨日までとの違いがあるとするなら、準優の今日は報道陣が多いということだろうか。それほど広くはない尼崎のピット、にわかに人の気配が増えたような気がするのは確かである。取り囲まれるのは、やはり準優進出選手たちなのだが、ここでも彼らは何一つ変わることなく、作業にいそしむ。昨日は見事な勝負駆けを決めた池上哲二も、一斉に向けられたレンズなど気にすることなく、黙々とモーターを点検しているのだった。迫力すら感じさせるその風貌が、テレビカメラやら中尾氏のどでかいレンズやらを恐れるはずがなく、そして準優へのプレッシャーに怯むわけもない。年輪というものはこうも強いものなのかと、改めて畏敬の念を起こさせる名人たちのたたずまい、である。

Sany0645  何人もの名を連ねても仕方ないだろう。とにかく、ベスト18のすべてが自然体で午前中を過ごしているのだ。もう一人あげておくなら、平野勇志。ピットでは寡黙であるように見受けられるのだが、もちろん今日も同様である。仲間のボートを引き上げる際もほぼ無言。報道陣に写真撮影を頼まれても、無言でうなずく。男は黙って勝負! レースで見せる果敢なマクリは、こんな風情から生まれているのか。平野選手、渋いっす。

Sany0618  準優を外してしまった選手たちも、ピットでの姿はもちろん、勝負に賭ける思いもまた、昨日までとは変わらない。2R、原由樹夫は3周2マークで1艇身ほど前を走っていた吉田稔の内に激しく突っ込み、大競り。原自身は消波装置に激突するほど流れてしまった。一般戦だろうと何だろうと、1つでも前を走りたい! これは3等争いだったのだから、彼らはどんなときでも魂の荒ぶりを止められないのだ。レース後、ボート交換を強いられることになった原は、なぜか報道陣に囲まれるなか作業をすることに。「うわっ、ギャラリー多くて、恥ずかしいなあ」とバツが悪そうにニッコリ。実際は、たまたまそこに報道陣が固まっていただけなんですけどね。ともかく、原選手、その作業は勝負にこだわったプロフェッショナルの証としてのものです。まったく恥じることはありません!

Sany0642   2Rでついに初日が出た立山一馬。初日から徐々に成績を上げていって、やっと先頭ゴールをゲットした。ピットでは人懐こそうな、また人の良さそうな穏やかさを見せているが、勝利をあげた今日も、やはりほんわかムードであります。そして、ゴキゲンな様子でもあります。ピットに現われた大阪の先輩・長嶺豊さんに声をかけられて、さらにニコーッ。なんだか、見ているこちらも幸せな気分になりますな。引き続き頑張れ、立山選手!

Sany0655  惜しいところで準優を外してしまった古谷猛もまた、非常に人の良さそうな雰囲気がある。場内実況でも「ジェントル・レーサー」と呼んでいたが、そうそう、まさにそんな感じ、と頷いてしまった。逃げ切った3R後は、足早にボートに戻ってきて、ペラを外す。まだまだ戦いは終わってないですから。爽やかにそう語り出しそうなムードで、後半レースへの準備に向かっていった。勝負駆け失敗の鬱憤はしっかり晴らしてください。後半も、期待してます!

Sany0662  さて、準優進出を決めて実に嬉しく、思わずホッとしてしまったほど気になる大西英一。早い時間帯は比較的ゆったりと過ごしていたようだが、4Rが始まる10分ほど前、ペラを持って整備室に消えていった。おそらく、整備室内にあるペラ室で調整をするのだろう。もちろん、表情に変化はなく、4Rで加藤峻二のボート引き上げに出てきた際には、金井秀夫らに大きく通る声で話しかけてもいた。準優は6号艇だから、プレッシャーとは無縁のはず。一発決めて、まだまだ僕を楽しませてください!(TEXT&PHOTO=黒須田守)


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4日目フォトアルバム

おはようございます。準優勝戦の朝です。空は曇天、気温も上がっていないようです。それでも、なんだか爽やかな朝。やっぱり名人戦は素晴らしい! というわけで、4日目、予選最終日フォトアルバムです。(PHOTO/中尾茂幸)

2006_0421_4_01_013 モーターは抜群、戦前は伏兵の評価ながら、一気に主役に躍り出るか。河合良夫。

2006_0421_4_04_110 気風のいいレースを見せてくれている平野勇志。今日も黄色いカポック!

2006_0421_4_04_207 今節、MVPの一人といえば、万谷章。優出めざして、今日も若々しいレースを!

2006_0421_4_02_233 準優1号艇! 巧みなレースで得点を積み上げました。金井秀夫、今日の走りも楽しみ。

2006_0421_4_02_079

自在にレースを作っていく小林昌敏。昨日の11Rはドッキリスタートでしたが、今日も怯まず見せてください!


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名人戦ベストパフォーマンス・4日目

 勝負駆けデー。例によって、悲喜こもごもの水上劇がありました。特にメイチ勝負選手が鈴なりだった後半戦は、スリットから激しい攻防が続きましたね。そんな激戦の中での水野要の1、3着、素晴らしかったです。地元のエースとして、またディフェンディングチャンプとしての責務を完璧に果たす節間トップ! 見事というしかありません。
 そして、惜しくも予選落ちした皆さん、とりあえずお疲れさまでした!

 さて第3位。最後の最後まで奮闘した「艇界の世界遺産」に捧げます。

6R/泣くな加藤、来年があるさ!

2006_0420_3_02_067  デビューから47年、「ミスター競艇」加藤峻二に名人戦’06の終戦が訪れました。しかし、その戦いぶりは天晴れの一語。前半の2レースでは、4カドからコンマ14で内3艇を一瞬にして引き波に沈めます。64歳のセンター速攻。この勝利で節間勝率をグンと上げ、準優への望みをつなげました。
 後半6レースは2~3着条件。3号艇の加藤は⑤原由樹夫と⑥高山秀則をあっさりと「とおりゃんせ」して5コースに回り、颯爽と艇を引きます。勝負駆けだというのに、最年長だというのに、この潔さ! 今節の加藤の進入コースは2・6・4・6・4・5……普通にスローも選択する選手なのですが、誰かが「入れてください」と打診すれば「はいどうぞ」。もう、見ていて仙人のようです。
 そして5カドに引いた加藤はコンマ09!と奮発しましたが、隊形が悪く(内の原と高山がともにコンマ06)後手を踏んでの4番手。さらに足立が転覆し、道中で何もできないまま4着に終わりました。節間成績5・67で20位……惜しくも準優への道を閉ざされたのです。
 でも、本当に拍手拍手ですよ。勝負駆けでのコンマ14&コンマ09。現役47年間で24回しかフライングがなく、ここ何年もスタート事故を起こしていない加藤が、しっかりと踏み込みましたね。GⅠ優出102回で20V、SG16優出で3Vという古豪のプライドを、見させていただきました。最近はさすがに勝率も下降してSG参戦が難しくなりましたが、今節の若々しいレースぶりを見る限り「引退」の2文字は露とも浮かびませぬ。このまま水上で「デビュー50周年」の節目を迎えることでしょう。
 加藤峻二さま、お疲れさまでした。でも、まだまだ、あと10回くらいは名人戦の頂点に立つチャンスはありますからね!!

 続いて第2位は、大きなハンデをモノともせず、勝負駆けを決めたこのヒゲの御仁にプレゼントします。

8R/ドル箱水面でルーキー踊る!

2006_0421_4_02_188  フライング1本に出遅れ1本。査定の期末にさしかかった時期だけに、これ以上のスタート事故は避けたい井川正人。でも節間成績が2・4・3・3・2で、微妙な勝負駆けなんです。行くべきか、行かざるべきか……ハムレットのような情況の中で、はい、思いきり行っちゃいましたね。2コースからコンマ07!
「ここが勝負!と思って行っちゃいましたよ」
 と、まるでデビューほやほやの新鋭みたいな初々しいコメントでしたが、正真正銘の“ルーキー”ですから、これでいいんです。48歳のルーキー。おヒゲのルーキー。ま、加藤峻二さまから見たら16歳も年下だし。1957年のクリスマスイヴに生まれた、今シリーズの最年少選手だし。
 で、この思いきりが、しっかりと準優を呼び込みました。やや遅れたインの荘林を冷静に回して、突き抜けるような2コース差し。「ルーキーだったら、若造らしくまくらんかい!」と思うファンもいらっしゃるでしょうが、まあ、実は48歳なわけでして、老獪なテクも持ち合わせてるわけですよ。
 で、この勝負駆け成功で、明日の準優は10レースの4号艇。チャンスですね。実は井川はこれまで記念レースで1度しか優出していません。それが7年ほど前の、この尼崎の周年記念でした。ゲンのいい水面なんです。ま、そのときは6着に大敗しているのですが、なんたって今回はルーキーですから。負けて失うモノなんか何一つありません。明日もドッキリスタートで「いやあ、ついつい行っちゃいましたよ~」なんてルーキーらしく頭を掻いてほしいものです。

 そして今日のベストパフォーマンス賞は、井川よりもさらに際どい勝負駆けに挑んだヒゲの御仁に贈りましょう。

11R/これぞ男闘呼のピン勝負!!

2006_0421_4_03_052  今日1日で、もっとも過酷なサバイバル戦になったのが、この11レース。ボーダーを6・17とすると
①大西 2着
②藤井定2着
③吉田 1着
④池上 1着
⑤林  4着
⑥小林 当確

 前半戦がもつれたため、こんな凄まじいことになりました。本当に、これだけマジギリの勝負駆けの選手が揃うレースも珍しい! 当然、スリットも今節いちばんのデッドヒートになりました。枠なりから、内3艇がピッタリ揃ったコンマ10。3人揃ったところに3人の必死さが嫌なほど伝わります。スローとしては申し分のない勝負駆けスタートです。
 しかし、外3艇のスタートがもう、そんなスロー勢の努力を蹴散らしてしまいました。池上がコンマ02、林が03、小林が02!!!!! 完走当確の小林はうっかりお付き合いしたと思われますが、とにかく4カド池上の踏み込みは圧巻でした。
「ハハハ、怖かったけどね」
2006_0421_4_02_176  池上はレース後に鼻で笑ってみせましたが、これぞ勝負師、これぞピン勝負!元々がバリバリ硬派の面構えをしている池上ですが、そんな男闘呼らしい無精ヒゲ面に120%シンクロしたタッチSまくり。今まで様々な勝負駆けの成功例を見てきましたが、これほど男臭いピン勝負駆けを見たのは初めてです。この勝利で節間勝率6・17まで引き上げた池上は、2着に逃げ粘った大西とともに17、18位に滑り込みました。
 池上哲二、56歳。今まで記念レースは28回優出して1V。その唯一の優勝は今から17年も前になります(住之江周年)。デビューから33年、決死のタッチスタートとともに、久々の美酒をあおるチャンスがやってきました。(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/畠山)


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勝負駆けの笑顔――4日目、後半のピット

2006_0421_4_02_240  結局、準優ボーダーは、おぉ、我らが大西英一の6・17。6・00でも準優漏れしてしまうというハイレベルの戦いではあるが、一方でA1級がボーダーの大西を含めて4人という波乱ぎみのシリーズでもある。7R4着のA1級・佐藤勝生が得点率6・00。途中までは18位に入っていて、予選突破の可能性もおおいに残されていたが、時間を追うごとにボーダーは上がっていき、結局、落選の憂き目を見ることに。着をきっちりまとめた佐藤でさえ、最後は届かないというスキを許さぬ戦い。数多くの修羅場をくぐり抜けてきた戦士たち、一瞬の油断も命取りになる戦慄の舞台。これぞ名人戦、なのであろう。

2006_0421_4_02_242  光っていたのは、やはり11Rの池上哲二だ。4カドからコンマ02のスタートを踏み込み、閃光マクリで1着。予選突破にはまさに1着しか許されなかったのだから、この勝負駆けは痺れるものだった。ピットに戻ってきた池上は、さすがに目元を緩ませて、喜びを露わにした。ボーダー付近の得点率が微妙であり、さらに12Rも残されていたため、手放しで喜ぶわけにはいかなかったが、それでも報道陣から得点状況を聞かされると、ぐっと頬を引き締めて、歓喜を明日への闘志へと変換していた。腹の底に魂を溜めに溜めて、明日の準優も一発勝負に出ることだろう。

2006_0421_4_02_236  超抜パワーの柾田敏行は、10Rを2着。勝負駆けを成功させ、まずはエース機のノルマは果たした。今日も機力に不安はなく、レース後は点検をささっと済ませて、「もういじるところはない」とばかりに、帰宿バスの1便に乗り込もうとした。ところが、準優進出選手には、JLCの展望インタビューが待っている。カメラの前に立ち、インタビューに応えると、うわわっ、ちょうどバスが発車しようとしているところ。柾田を待っていたものだが、インタビューが終わると、猛ダッシュ! その伸びは、27号機に匹敵する鋭いものだったぞ。そんな柾田を見送る報道陣は、大笑い。柾田も笑顔で、バスへと飛び乗った。快速モーターは、一気に準優をも打ち抜いてしまうか。

2006_0421_4_04_131 前半7Rを快勝したことで準優進出の当確マークを出した松野京吾は、実に陽気に12Rまでの時間を過ごしていた。同県の小林昌敏とニッコニコで談笑していると、そこに広島の池上哲二も加わって談笑。中国ラインであります。池上が立ち去ると、今度は福永達夫選手会理事長が現われて、さらに目を細めながら雑談に興ずる。おぉ、山口トリオではありませんか。選出順位1位、優勝候補最右翼として参戦した松野は、まずは最低限の責任を果たしてホッと一息、といったところだったのだろう。12Rも6号艇ながら3着に食い込み、明日は3号艇とまずまずの枠を掴み取った。今日の笑顔はおそらく、明日にはキリキリに引き絞られた鋭い迫力に変わっているはずだ。

2006_0421_4_01_029  12Rの予選最終カードを、顔色ひとつ変えずに逃げ切った万谷章。今節は、カマシからの強マクリという若々しいレースで大暴れしてきたが、今日は外の攻撃を寄せつけずに先マイする匠のイン逃げ。前半の6着をやすやすと帳消しにしてみせたのだった。その万谷、レース前もレース後も、歴戦のベテランならではの悠々とした立ち居振る舞い。それでいて、動きはきびきびとしており、背筋もピーン。まさに、ここまでのレースで見せているような熟練ぶりとフレッシュさが同居する存在感なのだ。加藤峻二が予選落ちしてしまって、準優進出組では最年長。彼が栄冠をかっさらったら、こんなにも痛快なことはない。そんなシーンを想像して、なんだかワクワクとしてしまったのだった。

2006_0421_4_01_006  昨日の転覆があまりにも痛恨だった高山秀則。しかし、今日の10Rは、堂々たるイン逃げ。前半6レースも2着で、今日は2連対。初代名人の意地を、存分に見せつける予選最終日となった。レース後、中道善博さんとバッタリ顔を合わせると、クシャーッと相好を崩して、人懐こい笑顔を見せる。予選落ちが確定してしまっていても腐らず、全力で自らの存在感を維持してみせたからこそ、ここまで深い味わいのあるスマイルができるのであろう。高山選手、今日はとにかく素敵でした。明日はさらなるリベンジを果たして、思い切り鬱憤を晴らしちゃってください!

Sany0601  さて、ここまで追っかけ続けてしまうほど気になる大西英一。先述したとおり、18位で予選突破。まずはめでたいことである。11Rはインから2着に残り、得点率6・17。この時点で18位につけたのだが、本人は勝負駆けに失敗してしまったと思い込んでいたらしい。「タンヤオで終わり!」カポック着脱所に辿り着いての第一声が、これだった。報道陣が準優進出の可能性を指摘すると、「え? 残ってるの? ほんと? 残ってる?」と大きな声で確認。12Rの結果次第では次点に甘んじてしまう可能性も残されてはいたが、ベスト18の切符に片手がかかった状態に、少しはホッとしたようだった。それでも、控室へと消えていく直前、「タンヤオで残った……カッコ悪ィッ!」と叫んで、苦笑い。2006_0421_4_03_113 もういちど念のために言っておくと、タンヤオとは麻雀で2~8の牌を集める役。逆に、チャンタが1、9、字牌を絡める役。競艇は6艇立てだから、チャンタを作るということは、1着を取るしかない。そう、大西はひたすら1着を渇望して、この予選を戦い抜いたのだ。そして、結局タンヤオを作ってしまった自分を、恥じてもいる。準優に滑り込んだ喜びと、そんな成績で準優に残ってしまった情けなさを、同時に噛み締めていた大西だったのだ。大西英一は、朗らかに振舞いつつも、心の奥に勝負師としてのマグマをたぎらせている! 大西選手、今節はまだ終わっていません。そう、節間を通して、チャンタを作るチャンスは、まだ残されているのだ! 明日は仮に2着だとしても、優勝戦でチャンタを一発ツモ!なんてのも、いいんじゃないですか?(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=大西の1点目 TEXT/黒須田守)


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準優メンバー決定!

10R

①石川 正美(愛知)

②西  和則(佐賀)

③小林 昌敏(山口)

④井川 正人(長崎)

⑤平野 勇志(愛知)

⑥池上 哲二(広島)

11R

①金井 秀夫(群馬)

②村上 信二(岡山)

③松野 京吾(山口)

④柾田 敏行(東京)

⑤林  貢 (岡山)

⑥岡  孝 (徳島)

12R

① 水野  要(兵庫)

② 河合 良夫(愛知)

③ 万谷  章(岡山)

④ 桑原 淳一(東京)

⑤ 山内 直人(福岡)

⑥ 大西 英一(東京)

(出走表は念のため、主催者発表のものでご確認ください)


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真摯な朝――4日目、前半のピット

Sany0517  昨日の12Rで転覆してしまった高山秀則。今日は、元気に朝のピットに姿を現わした。準優進出は絶望的だが、身体は無事で何より。残り3日間、頑張ってください……と思っていたら、ピットで撮影中のカメラマン中尾氏にそーっと近づいていった。なにやら話しかけて、ふむふむと頷いている。おっと、中尾氏に促されてファインダーをのぞいているぞ。興味深そうにもういちど頷いて、ゆっくりと中尾氏から離れていった。「レンズに興味もったみたい。値段言ったら驚いてた(笑)」。高山選手、元気で良かった!

Sany0527  3Rで勝利をあげた佐藤勝生。これで予選突破がぐっと近づいて、後半にも気合が入るところだ。といっても、表情はそれほど変わらない。彼は今節、常に淡々としているのが印象的だったが、待望の1勝が出ても浮かれたところはない。JLCの勝利者インタビューを終えると、ボートに戻って黙々と点検をしながら、午後の勝負駆けに備えていた。気温の低い今日はピットもけっこう冷え込んでいるのだが、そんなことも意に介さぬかのように、やはり淡々としているのだった。

Sany0531  ピットのいちばん奥で、古谷猛が延々とモーターの回転をチェックしていた。試運転タイムが終了し、ピットが静まり返っても、古谷のモーター音だけが鳴り響いている。今日は10R1回乗り、予選突破には4着以上でOK。もっとのんびりと朝を過ごしていてもおかしくないのだが、早い時間から冷たい空気の中に飛び出して、真摯に準備を重ねている。頭が下がります。きっと、レースを迎える頃には、万全の態勢でピットアウトすることになるのだろう。

Sany0542  整備室を覗いたら、沖口幸栄が本体を割っていた。すでに準優進出は厳しい状況だったが、2R1回乗りで今節初の3連対。さらに足を上向かせて、明日からの2日間で鬱憤を晴らそうという心積もりだろうか。準優戦線だけが勝負ではない。出走するレースではすべて、闘志を燃やさずにはいられない。そんな勝負師の姿は、やはり崇高と言うしかない。ここまでの沖口の成績を見て、軽視したら痛い目にあうかも。明日はむしろ注目すべし、と見たが。

Sany0545  ピットで穏やかにたたずむ林貢を発見。1走5着条件で迎えた予選最終日、余裕十分といったところだろうか。そうはいっても、先ほどの古谷同様、11R1回乗りにもかかわらず、朝からピットで作業にいそしむ。当確ではない以上、油断は許されないのだ。機歴の悪いモーターを引きながら、立て直して1勝2着2本。それを可能にしたのが、この朝の姿勢ではなかったのか。条件は楽でも、緩めることのない林を11Rではきっと見ることができるだろう。その走りを楽しみに待ちたい。

Sany0559  さて、今日は2・3着の勝負駆けということもあり、昨日までにも増して気になる大西英一。4Rは6号艇での出走。6コースから、なんとか3着に食い込んだ。ひとまず、後半に望みをつないだ走りであった。ピットに戻ってきた大西は、カポックを脱ぎながら、「アッハッハッハッハ」と高笑いで、出走メンバーとレースを振り返っていた。4着だった友永健策も、一緒に大笑いだ。「いやあ、またタンヤオ着だよ~」。ここまで3着4本に5着1本。タンヤオとは麻雀で2~8の数字で作る役である。後半11Rは、やっと回ってきました1号艇。チャンタ着(1着)をぜひツモってください!(TEXT&PHOTO/黒須田守)


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H本が舟券名人の座を賭けて勝負です!

 昨日、3Rの3連単4040円を4点で的中、6R3連単15990円を4点的中、12R2連単を4点で的中させ、回収率が500%近くあったH本です。べつに「H本」だからといって、エロ本のことではありません。勘違いしないでください。
 ハズレ予想をダラダラとUPしつづけるH記者に業を煮やし、「@nifty競艇のメイン予想家」の座を賭けて、H本がH記者に挑戦状を叩きつけます! みなさん応援してください。私こそが真のH記者です!

2006_0420_3_04_014 私の出身地は伊丹市。尼崎は昨年の名人・水野選手と同様に、手の内に入ったホームプールです。

 今日の尼崎は無風~微風。嵐の昨日は「波を乗りこなした者勝ち」で、枠の有利不利がほとんどありませんでしたが、今日は通常の尼崎水面に戻ってくるでしょう。つまり、舟券の中心は、内からセンターが中心になってくるはずです。

 

1R
早朝練習ではかなりイイ足をしている木下。F2の足枷が邪魔になり、あまり結果を残せていませんが、この相手なら3着は外さないでしょう。相手は1号艇の玉生と、3号艇の足立。鈴木、尾崎、高塚はエンジン的に厳しいとみて切ります。

3連単 134BOX

 
2R
昨日の待機行動違反がなければ準優出の目もあった③原が、ここで鬱憤晴らしです。原がスタート決めてマクリに出れば、2着は艇界の至宝④加藤峻二が差してくる。差しに回るなら①藤井と②久間。このレースも⑤⑥は厳しそうです。

3連単 3=12-124 3-4-12

 
3R
エンジンはそこそこ出ているのに、連日展開に恵まれない②関。2号艇のこのレースは、イン奪取&逃げ切りのチャンス。相手は勝負駆けの③池上、④佐藤。関の起こしが深くなったときも考えて、③-④もおさえておきたいところ。

3連単 234BOX 2連単3=4

 
4R
関と同様に、連日「内へ内へ」と動く地元・③西島洋一。①平子の原の内は「西島を入れて2コースから攻める」でしょうから、起こしは深くはならないはず。しかしカド受け②酒井は今節のスタート感がイマイチ。そこを一気にアウト3艇が攻め立てていきます。買い目は広く。

3連単 45-13456-136

 
5R
鉄板レース。エンジンは中の上といったところでしょうが、ディフェンディングチャンピオン①水野のスタート感はバツグンです。枠なり進入から、イン速攻を決めます。2着はエンジン良好の④原田⑤河合。3着に⑥万谷を押さえる4点で。

3連単 1-45-456

 
6R
2着で得点率が6.00になる②佐久間理。しかし今節はボーダー6点以上も想定される混戦模様。おそらく佐久間の頭にあるのは「2着でOK」ではなく、「絶対にアタマ」と考えているはず。となると、差しではなく、マクリに出る。つまり差し場ができます。そこに飛び込んでくるのは、④足立か⑤原。昨日の転覆が心配ですが⑥高山と、③加藤峻も押さえておきたいところ。

3連単 45-3456-3456  2連単 45=3456

H記者の座を、絶対に奪取してやる! 後半RはのちほどUPします。


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3日目フォトアルバム

おはようございます。予選最終日の朝、風は収まっていますが、気温は上がっていないようですね。勝負駆けの行方は果たして……。それでは、3日目フォトアルバム。(PHOTO/中尾茂幸)

2006_0420_3_02_010 ボート引き上げに出てくる選手たち。加藤峻二、原由樹夫、大森健二の顔が見えますね。

2006_0420_3_02_013 岡孝も仲間のボート引き上げを手伝います。

2006_0420_3_02_018 おヒゲのコンビ、井川正人と木下繁美も並んでボート引き上げを手伝います。

2006_0420_3_03_024 山口コンビ、小林昌敏と松野京吾。展示前のワンシーンです。

2006_0420_3_03_091 予選ロードを快走中の西和則。大輪を咲かせることができるか。今日も頑張ってください!


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名人戦ベストパフォーマンス・3日目

 風速6~10mほどの突風が吹き荒れる中、今日も名人戦の戦士たちは「真名人」を目指して激しく闘いました。万谷親分、今日も凄かった。またしても、カドでもない5コースから怒涛の絞りまくり! でも、もう賞を差し上げたりはいたしません。これだけ毎日新鋭のような若々しいレースを見せてくれるのだから、もはや万谷親分にとっては「当たり前のレース」なのですよ。むしろ、わざわざ賛美するのは失礼に当たると気づきました。嗚呼、でもやっぱり凄かったなあ!
 
 さて、今日の第3位は、まるでイリオモテヤマネコを目撃したような感動を与えてくれた(←どんな感動じゃい)このお方に捧げます。

1R/赤城の親分の「お宝」大公開!

2006_0420_3_02_056  初日から5、4、5着で、すでに準優ロードに黄信号が灯った群馬の親分・吉田稔。しかも、この1レースは厳しい6号艇であります。「赤城の山も今宵限りか」などと嘆きたくなるところですが、親分はまだまだ諦めてはおりませんでした。
 進入は、枠なりの6コース。スリットはほぼ同体で、インの立山一馬があっさりと逃げを決め込みました。大外からぶん回した吉田親分は、立山からかなり離れた3、4番手。5艇身ほどもあったでしょうか。
 2マーク、ほぼ安全圏に入った立山が内艇の突っ込みだけを警戒して、大きくゆっくり旋廻しました。水面は向かい風8mの強風。慎重になったのも当然です。が、吉田親分はこの唯一無二のチャンスを逃しませんでした。荒れ水面はターンするときにバウンドするわけですが、吉田親分は2マークのはるか外側で徐行している立山に、真っ直ぐストレートで向かっていったのです。5艇身の差が瞬く間に1艇身に。そして、追突寸前にハンドルを入れて、カツンと小さく立山の艇に当てて、舳先をスタート方面に向けたのです。
 ま、まさに、名人芸の超美技ダンプ! 全く無駄のない完璧な省エネ旋廻で先頭に立った親分は、そのまま大逆転の1勝を挙げました。
 さすが、記念3勝、SG優出6回の捌き巧者。「稔のダンプ」といえば昔から有名だったそうで、その国宝級の大技を目の当たりにした私は、しばし往年のSGレースに思いを馳せておりました。

 続く第2位は「真の愛とは何か、真の友情とは何か」を身体を張って教えてくれた、このご両名に!

7R/尼崎の水平線に「三丁目の夕日」出現!

2006_0420_3_03_045  大荒れのレース、とはまさにこの7レースのことを指すのでしょう。進入は6号艇の関忠志(写真)が気迫の前付けに出ましたが、それを1号艇・河合良夫と2号艇・大森健二がガッチリと受け止めて126/345。
 ここまではよくある光景なのですが、いざスリットでインの河合がコンマ67の超ドカ遅れをやらかしたから、さあ大変。3コースからコンマ15のトップSを決めた関が「この1マークがワシがもろたわい!」という勢いでまくりに出ます。しかし、2コースの大森もこの美味しすぎる展開を譲るわけがありません。
「こりゃ、後輩の分際で100年早いわ~!!」と内から艇を合わせて、火花が散るような大競りに。当然、2艇揃って消波装置の彼方までぶっ飛んで行きました。ぶっ飛んだ関は55歳。ぶっ飛ばした大森は59歳。なんとなんと、ともに岡山支部であります。でも、そんな間柄でも飛び飛ばし合うからこそ、この年齢で名人戦に名を連ねているのですな。本当の「仲間」とは、こんな関係なのだと思います。殴り合ってこその友。なあなあに相手を認め合うだけでは、真の友とは呼べないよ。そんな昭和中期あたりの寓話のような光景に、私はしばしうっとり見とれてしまいました。関から舟券を買っていたけれど。
 で、このレースでもうひとつ驚いたのは、この「大喧嘩」の立役者というべき河合なんです。ドカ遅れではるか彼方の4、5番手だったのに、周回ごとにずんずんずんずん差を詰めて、しっかり3着をもぎ取ってしまいました。あの足は凄い! もう大方のファンは知っているとは思いますが、「河合良夫」の名をしっかり記憶にとどめてください。舟券からは外せませんよ!(って、その後の12レースで大穴を出したのに、私ったら買ってませんでした、はい)

 そして、今日のベストパフォーマンス賞は、もうこれっきゃないでしょう。初日から数々の「イン屋」たちが成し遂げられなかった大技を、お江戸の大将がやらかしてしまいました。素直に脱帽です!

9R/波乗り大将の“べらんめえ逃げ”炸裂!

2006_0420_3_02_041 おう、江戸っ子だってね!と思わず声をかけたくなるような大逃げでした。今日の尼崎は大荒れのまくり水面で、8レースまで逃げきりはゼロ。あまりに強い向かい風に、イン選手たちは起こしのタイミングがつかめぬまま敗れ去っておりました。
 そんなブラックホールのようなイン水域に、9レースの桑原は敢然と足を踏み入れたのです。しかも、6号艇からの前付けで。正直、無謀な挑戦だと思いました。初日から、多くの選手が前付けでインを奪いましたが、逃げきった者はおりません。昨日まで、「逃げ」を決めたのはすべて1号艇。そして、今日はその1号艇でさえ、楽インでも勝てない水面なのです。
 もひとつ言わせてもらえば、桑原という選手は「イン屋」ではなく、むしろセンター速攻を得意とする「まくり屋」なんですよ。それが、6号艇から素早い前付け……殿、ご乱心なさったか!?ってなもんです。案の定、桑原の艇はズンズンと流れて、85mを切る絶体絶命の起こしになってしまいました。
 しっかっし! この先はもう、ビックリ仰天のコンマ04のトップS。それも2コースと5コースがドカ遅れするという苦しい隊形をモノともせずに逃げきってしまったのです。颯爽とインモンキーを繰り出す姿を見て、私、ハタと気づきました。桑原は江戸川の大将なのですよ。風がなくても荒れ水面。ちょっとした風でも中止になることがあるビッグウェンズデーな水面で、桑原大将は育ったのです。今日の尼崎レベルの水面は、桑原大将にとっては「ほう、ちょいと波がざわめえてるじゃねえか」くらいなものだったのかもしれません。嗚呼、早くこのことに気づいていれば!!
 ま、とにかくコンマ04は凄かった。これもチャキチャキの江戸っ子気質、「宵越しのカネは持ねえ」ならぬ「宵越しのフライングは関係ねえ」ってな感じだったのですね。さすが、記念6V、SG5優出の貫禄。1マークを回る瞬間、「べらんめえ! 江戸っ子をなめんじゃねえぜ!!」という声が、私の耳にははっきりと聞こえました。(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/畠山)


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余裕と迫力――3日目、後半のピット

Sany0478  強い向かい風に見舞われた3日目。向かい風ということは、1マークから2マークに向かって風が吹く。つまり、その強風は2マークの奥にあるピットにも激しく吹き込む。昨日より5度近くも気温が下がった今日、強い風も相まって、ピットはかなり冷え込んでいた。寒ぅ~。そう呟きながら、できるだけ風が当たらない場所を探そうとするが、どこもぴゅーぴゅーと風が舞っていて、うーん、やっぱり寒い!
 てな具合にピット内をフラフラしていたら、西島洋一が一心不乱に何かをしていた。実はこの姿、昨日も見かけたのだが、西島がその場を立ち去ったあとに確認すると、そこにあったのはカウリングにつける艇番板。1~6まで、番号ごとに棚に収まっているのだが、西島はどうやらその板を整理していたようである。板たちが、非常にキレイに並べられているのだ。「明日、使いやすいでしょ」。選手代表の、細やかな心遣い。これが、6着大敗の10R直後の出来事なのだから、頭が下がると言うしかない。準優進出の目は消えてしまったけれども、仕事はまだまだ終わっていない、とばかりに、働き続ける西島。その後は、11、12Rの後に使用するモーター架台を整備室から出して、ボートリフトの近くにスタンバイしていた(原義昭が手伝ってました)。西島選手、その姿は非常に素敵です。あとは、強烈な前付けからイン逃走という“仕事”を、残り3日で必ず見せてくださいね!

2006_0420_3_03_013  10Rを2コースからのマクリで制し、今日は2・1着。一気に準優圏内に浮上した藤井定美は、実にポーカーフェイスである。51歳という年齢にはとても見えない若々しい顔つきは、勝っても負けても、ほとんど表情を変えることはない。もちろん10R後も端正なままで、11Rを勝った柾田敏行を出迎える際も、またまるで変わらぬ表情なのだ。一瞬だけ柾田と笑い合ったときには、思わず「おぉぉぉっ」と心の中で叫んでしまったほど、クールなたたずまいを崩さない藤井。明日以降、さらに僕を興奮させる顔を見せてくれる機会はあるだろうか。

Sany0472  前半に調整のために走り回る柾田敏行の姿を報告したが、11R、その努力が見事に結実! 2コースから一気にまくって、初戦以来の1着獲得。エース機のパワーを存分に見せつけて、先頭でゴールを駆け抜けた。ピットに戻ってきた柾田は、先述のとおり、まずは藤井と笑い合う。しかし、陸に上がるとキリリと顔を引き締めて、鋭い視線を再び取り戻した。迫力十分の面構えに、さらに力がこもったかのような表情。その瞳は、明日を見据えているのか、それとも終わったばかりのレースの残像を追っていたのか。明日は1走4着以上で予選突破。エース機に再びオーラを宿すことに成功した今日、柾田の心は充実感でいっぱいであろう。

2006_0420_3_02_052  迫力十分といえば、村上信二も同様である。ピットでのたたずまいは、まさに勝負師。陸の上から戦いは始まっているのだ、そんな信念が伝わってくるようでもある。モーターを点検する目つきは鋭利な刃物を思わせるほどで、ピット内を歩く姿はヒットマンをも連想させる。勝利の二文字をロックオンした以上、神経はいつでも研ぎ澄ませておく。あとは狙いすまして引き金を引くだけ! 12R、単騎ガマシから先マクリを打つ高山秀則に照準を絞って豪快マクリ! アウトからの弾丸が炸裂した瞬間であった。しかし、1着は5コース発進の河合良夫にさらわれてしまう。レース後の村上は、どこか満足そうでありながらも、勝てなかった悔しさをギュッと噛み締めるような表情で、カポックを脱いでいた。この2着で、村上は堂々の予選1位! 明日はその尖鋭な表情がさらに磨かれるのであろう。

Sany0507  村上とは対照的に、笑わせてくれたのが河合良夫。彼も、普段は常に厳しい顔つきをしており、勝負へのこだわりを感じさせてくれる選手である。その反面、茶目っ気もあるのが河合良夫。12Rを見事な勝利で飾り、ピットに戻ってくると、愛知勢がわっと沸き、河合もニッコリ。そのまま、真摯な表情は崩さないまま、しかしゴキゲンでカポック着脱場に歩を進める。手早くカポックを脱いで、ピットへと戻ろうとすると、河合をめがけてカメラマンのレンズが一斉に向いた。そのとき、河合はニヤリと笑って呟いた。
「頭、撮りますかぁ?」
 そう言って、頭頂部をカメラマンに向ける河合。「後ろに同期の河合良夫がいますが、頭だけ見たらとても同期とは思えません!」、開会式での沖口幸栄のお言葉が甦った。河合はあのときも、お客さんに向かって頭頂部を見せつけていたっけ。うはは、河合と酷似した頭頂部をもつ僕も、こんなギャグを言ってみよっかなあ。この勝利で河合は準優当確。河合さん、今日は後光が射してましたよ!

2006_0420_3_03_061  その河合良夫は、11Rの締切10分ほども前から、早々と緑のカポックを着込んで、ピットに現われた。展示準備のためである。で、その横をゆうゆうと歩いていたのが、高山秀則。こちらは、カポックはもちろん着ていないし(河合がだいぶ早かったのだ)、それどころか、今日のレースはすでに終わった後であるかのようなたたずまい。僕と目が合うと、優しく目を細めて、軽く会釈をしてきた。大慌てで会釈を返す僕。高山の目が、さらに細くなる。う~ん、この余裕と穏やかさがたまらない。さすが初代名人。まさに心優しき鉄人レーサーである。しかし……。
 12Rはまさかの転覆。選手責任がついてしまい、準優への望みが絶たれてしまった。初日2日目と連続2着、しかし3日目は5着、そして転覆……。突然の強風が、高山の歯車を狂わせてしまったのか……。高山選手、明日はリベンジを! 名人戦の申し子としての意地を見せてください!

2006_0418__12r_033  さて、とにかく気になる大西英一。今日は5着に敗れてしまって、明日はややキツめの勝負駆けとなってしまった。彼の出走した8~9Rは別の仕事があってピットに行けなかったのだが……どうやら今日は、宿舎へ帰るバスの第一便に乗ってしまったようである。僕がピットを訪れて以降は、その姿を見ることができなかった。残念。明日の勝負駆けは、派手なレースを楽しみにしてます。頑張れ、大西英一!(PHOTO/中尾茂幸=藤井、村上、高山、大西 黒須田=西島、柾田、河合 TEXT/黒須田守)


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明日の勝負駆け&準優当確選手

 まず完走で準優当確選手は8人。
村上信二 9.00
西 和則 9.00
万谷 章 8.50
河合良夫 8.00
石川正美 7.60
山内直人 7.50
平野勇志 7.25
金井秀夫 7.20

 勝負駆けは以下の選手(丸囲み数字は、必要な着順)
水野 要 7.75 ④⑥
林  貢 7.00 ⑤
小林昌敏 7.00 ④④
岡  孝 7.00 ⑤
柾田敏行 6.75 ④
桑原淳一 6.50 ④
古谷 猛 6.50 ④
松野京吾 6.50 ③④
井川正人 6.40 ④
池上哲二 6.25 ①⑥
吉田重義 6.25 ①⑥
大森健二 6.00 ③③
藤井定美 6.00 ③
大西英一 5.75 ②③
佐久間理 5.50 ②
佐藤勝生 5.50 ②③
友永健策 5.50 ②
加藤峻二 5.00 ①③
石田栄章 4.50 ①②
久間 繁 4.25 ①①
平子 茂 4.25 ①①

(ボーダーライン想定6.00)


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強風吹き荒ぶ――3日目、前半のピット

Sany0392  強風が吹き荒れ、しかも昨日より冷え込んでいる3日目。午前中はやはり、調整に励んでいる選手の姿を多々見かけた。また、情報交換なのか、選手同士で話し込んでいる場面も何組か目撃。たとえば、1Rを見事な2マーク逆転で制した吉田稔に、吉田重義が話しかける。おぉ、ダブル吉田。後半レースに向けて、モーターを点検している稔に、たまたま通りかかった重義が話しかけた形だった。ふと見ると、その1Rで2着に入った板谷茂樹と平子茂が話し合っていた。Sany0394 こちらは岡山コンビです。二人とも明るい表情で、言葉を交し合う。板谷としては、ここまでやや低調な成績だったが、なんとか連対が出たこともあって、なかなか上機嫌の様子であった。
 その数分後、試運転用ピットでは、おっと、吉田重義と板谷が話している。今度はお互い、けっこう真剣な表情です。Sany0422急激な気候の変化のなか、こうして選手同士が手応えを確認しあって、水面では真っ向から激突する。ああ、麗しきかな競艇。麗しきかな名人戦。

Sany0440  レースをモニターで観戦しようと記者席に行ってみたら、うがっ、選手たちがたくさんいるではないか。ドキドキしながら、後方の席に座る。原田順一が、物静かにモニターを見ている。時折、手にした出走表に目を落とす。他の選手の談笑に、フフフッといった感じで笑みを浮かべたりもする。雰囲気あるなあ。その横のほうでは、沖口幸栄を中心に、あとからやって来た酒井忠義、鈴木幸夫が笑い合っていた。沖口が2Rの様子を面白おかしく回顧して、酒井と鈴木が爆笑しているのだ。うーん、楽しそうです。池上哲二がやって来ると、選手会理事長の福永達夫さんがニコニコと話しかける。素敵な風景でした。緊張しつつ、そっとカメラを向けた次第であります。

Sany0417  今節、大挙12人が参戦の岡山勢。レースを終えた選手がピットに引き上げてくると、それはもう、ボートの周りにものすごい人の輪ができるわけであります。2R、関忠志が2着で戻ってくると、やっぱり岡山勢がどわーーーーっ。意外にも今節初のイン戦で、やっと上位着順を取れた関が笑みを見せると、他の岡山勢も明るい表情になった。ヘルメットを取った関に、岡山の重鎮・万谷章が健闘を称えるかのように話しかける。関の目がさらに細くなり、万谷も満足そうにうなずいた。好調・万谷も気分は上々、といったところだろうか。

Sany0449  気分は上々、といえば、3Rで2着に入った金井秀夫。6号艇で連対を果たしたのは、上々の結果のはず。何しろ、後半12Rには1号艇が待っているのだから、ここで2着を確保したのは、実に大きいと言える。ここまで4走で30点。12Rで3着以上を取れば、準優は確定となる。勝負駆けに向けて、首尾は上々だろう。それもあって、レース後の金井は柔らかな顔つきに。その気分のまま、一気に予選突破を決めてしまえ!

Sany0429  超抜パワーで注目された柾田敏行だが、昨日は3着6着と星を落としてしまった。今日は朝から試運転。さらにペラ調整と、忙しい時間を送っている。試運転ピットとペラ室の間は、当然のようにダッシュ! 今日は11R1回乗りだから時間はあるはずなのだが、そのあまりある時間でも足りないのだといった風情で、走り回っているのだ。せっかくの快速モーターを手にしたのだから、悔いを残すようなことだけはしたくない。柾田の思いとは、そういったものなのだろう。おそらく、このあとも懸命の調整は続く。11Rに登場する柾田がその成果を出すことができるのか、ちょっと注目してみたくなった。

Sany0427  本体に手を入れていたのは、佐藤勝生。ボートにモーターを装着した状態で本体だけを外し、整備室で調整を施して、架台に乗せてボートまで運搬。うんせうんせと持ち上げて、再び本体を取り付けていた。表情は穏やか、まるで焦ったようなところは見られないのだが、もちろん機力上昇に必死ではあるのだろう。瞳の奥には、力強い決意のようなものが見えた気がしたぞ。ここまで着をまとめている佐藤、明日の勝負駆けを前にして、今日は少しでもポイントアップをはかりたいところ。そのための準備は、整ったと見た。

Sany0446  さて、おおいに気になる大西英一。午前中は調整に費やして、特に大きな動きは見せていなかった。金井秀夫のボート引き上げは、関東勢のなかでは若手の部類ということもあって、率先して働いていた。それが終わると、カポックを受け取って、試運転へ。3着3本の成績は悪くはないが、ここらで一発突き抜けたいところ。8R1回乗り、楽しみにしてます!(TEXT&PHOTO/黒須田守) 


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本日のイベント

「あれぇ? なんでやろうな?」
 尼崎競艇場の西門付近。舟券名人戦に出場できそうな年期の入ったお客さんが、不思議そうな声をしきりにあげていました。今日のイベント、リチャードシブヤのマジックショーが開かれていたのです。
Dscf0609  おもむろに風船を取り出すリチャードシブヤ。それをグイグイと飲み込んでいくだけでもスゴいのに、気づくと綺麗なハンカチにはやがわり。
 お次は何もない筒のなかから、何本もビール瓶が出てきます。ワンカップを片手に観ていたお客さんは、すごく飲みたそうな表情。
 最後は千円札をクシャクシャにすると、なぜか1万円に。
「ワシの千円札も変えてくれ!」
 お客さんは目の前の錬金術師に、羨望の眼差し。
 私のハズレ舟券も、的中券に変えていただけないでしょうか……?

 ちなみに今日の尼崎は強風。アシスタントのチャイナドレスのお姉さんの、スソが少しはだけるのもセクシー!

 6R発売中は「大屋根特設ステージ」にて、8R発売中は「子供広場」にて、リチャードシブヤのイリュージョンショーは開催されます。もしお近くにお住まいの方は、ぜひ来場して、ご覧になってください。

(PHOTO・TEXT/姫園淀仁)


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2日目フォトアルバム

おはようございます。今日の尼崎は快晴。しかし強風で、1Rから安定板着用です。これがレースにどう影響するでしょうか……。それでは2日目フォトアルバム。(PHOTO/中尾茂幸)

2006_0419_2_04_047 ペラ室の様子です。ペラ叩きにおいても、熟練ばかりの名人戦です。

2006_0419_2_01_025 桑原淳一が腰掛けてレースを眺めていました。絵になりますね。

2006_0419_2_01_068 池上哲二と酒井忠義がにこやかに話しこんでいました。渋いっす。

2006_0419_2_03_028 ヒゲがトレードマークの木下繁美。F2なんかに負けません。

2006_0419_2_02_134 今日から巻き返しをはかりたい藤井定美。それにしても、若いっすよねえ。

2006_0419_2_02_096 連覇に向けて、今日からが正念場。水野要、いい表情です。


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名人戦ベストパフォーマンス・2日目

 今日も奇想天外、波乱水上ってな感じの素晴らしいバトルが繰り広げられました。2日目を終えて、勝率トップは西和則、2位は村上信二。どちらも下馬評では伏兵レベルでしたから、まさに波乱のシリーズといえるでしょう。
 さてさて、今日の第3位は朝もはよから子供の喧嘩のようにガリガリとやりあった2選手にプレゼント。

1R/スリット前のガチンコ血戦

2006_0419_2__002_1  寝ぼけマナコを吹き飛ばすような、熾烈な抗争でした。1レースの6号艇にはイン屋の鈴木幸夫。で、1号艇の沖口幸栄はさほどコースに辛いタイプではないので、進入は612/345で落ち着くかな~と思っておりました。
 ところがどっこい、朝のスタート練習1本目から前付けに来た鈴木を沖口が決死のブロック。2本目もバックで併走した2艇が一目散にブイを回り、沖口がインを死守しました。
「近畿ででかい顔はさせまへんでぇ!」
 てな気合いです。が、1レースのスタート展示では鈴木があっさりと沖口を制してイン奪取。F持ちの沖口のこと、本番が近づいて「さすがに深い前付けには付き合いきれん」と方針を変更したように見えました。
2006_0419_2__064  そして本番。ピットから猛然とイン取りに動いた鈴木に、沖口は内から飛びつくようにブロックして艇番を主張したのでした。スタート練習から4回のイン争奪戦。結果は3勝1敗で沖口の勝ち。レースそのものは鈴木が2コースから差して圧勝。沖口は5着と明暗を分けましたが、「試合に勝って、勝負に負けてもうたわ」そんな潔い風情でピットに帰っていく沖口の後姿が眩しかったものです。イン屋のプライドVS1号艇の意地……これだけのガチンコ勝負、本当に久々に見せていただきました。

 続いて第2位は、昨日も登場したこの「永遠の新鋭レーサー」に捧げましょう。

11R/Oh、モーレツ!な一撃まくり

2006_0419_2_04_006 選手登番1710万谷章、62歳。今日もとんでもない大技をやってくれました、5コースからのひとまくり!! この11レースで4号艇だった万谷は、6号艇山内の前付けを喰らって押し出されるように5コースへ。
「9歳年下が何しよるんじゃ~!」
 などとは思わなかったでしょうが、62歳で5コースはかなり骨を折るところ。しかも進入は126/345で、カドですらないのです。
 しかしっ! 万谷はスリットで4カドの原由樹夫をほぼ1艇身ほど置き去りにし、そのまま断然人気のイン新良まですべて引き波に沈めてしまいました。あっという間の5コースまくり。私、新良-万谷の1-4をしこたま買っておりまして、スリットで抜け出したときには「よっしゃ!!」と叫んでおりましたが、あまりにビューチフルなまくりで新良はどこさもいなくなってましたよ。Oh!モーレツまくりですよ、こりゃ。
「62歳が、そこまでやるか~~!?」
 再び叫びましたが、はい、やるんです。このオヤジは。でもって、勝負舟券がハズレたというのに、なんとも言いようのない爽快感。負けて悔いなし、万谷の気合いを過小評価していた私が悪かった、と素直に脱帽するしかありませぬ。これで万谷の節間成績は8・00(7位)。残り3走も残っていてまだまだ気は抜けませんが、準優に1歩も2歩も近づくスリット一撃でありました。

 そして、栄えあるベストパフォーマンス賞は、やっぱこの2人でありましょう。万谷もビックリ?のワンツーフィニッシュを決めたこの2人には、赤いちゃんちゃんこを差し上げましょうかね。

10R/125歳の青春ロードムービー

2006_0419_2_03_080  これは、もしかしたら日本新記録(=ギネス級の世界新記録)ではないかしらん。10レースは135/246のややもつれた進入から、まずは3コースの金井秀夫があっさりと差し抜けました。2着争いは河合やら尾崎やら柾田やらがゴッチャになっての大混戦。と、少し離れた5番手を走っていた加藤峻二がバックで内からするすると伸びています。が、まだまだ届く位置ではありません。
「負けてもともとぢゃ~」
 という気合いで、加藤は2マークで内に切り込み、2マークを先取りしようとしました。これが大成功。外の3艇が併走している内側にぴったりと入り込み、そのまま外3艇分の重さを利用して、作用反作用(ダンプ)のような形で内から抜け出したのです。もし相手が1艇だったら、加藤の艇もろとも外に流れて惨敗していたことでしょう。
 とにかく加藤の捨て身のダンプで、ワンツー体勢がしっかりと固まりました。
先頭艇/金井秀夫 61歳(21期)
2番手/加藤峻二 64歳(5期)
2006_0419_2_03_068  ぬ、ぬわんと、2人合わせて125歳!!!! 20歳の新鋭だったら6人揃ってまだ5歳も余るような老兵が、颯爽と先団を走っているのですよ。
「峻さん、まだまだお若い」
「なんの秀坊、そんなチンタラ走ってたら、お前まで抜いてしまうぞ」
 そんな感じなんです。青春ロードムービーなんです。125歳で。先ほど「赤いちゃんちゃんこをプレゼント」などと失礼な発言をしてしまいましたが、この2人にはそんな物、必要ありませんよね。後輩たちを引き離して豪快に突っ走る2人の姿は、まるでハーレー・ダビッドソンをブッ飛ばしているように見えました。おふたりにはステッペン・ウルフの名曲『ボーン・トゥ・ビー・ワイルド(ワイルドで行こうぜ)』を心して献上させていただきます。若き還暦ライダー、万歳!!!!!!(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/畠山)


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表情は凛として――2日目、後半のピット

2006_0419_2_02_108  後半も、加藤峻二の話からである。10R、道中大逆転で2着に入った加藤は、しかしまだ足色に納得していないのだろう、レース後にモーターを格納すると、すぐにペラ室に向かった。トンカントンカン。ペラを叩いては、ゲージを当ててチェック。それを、延々と繰り返している。12Rを迎える頃には作業を終えなければならないから、時間はあまり残されていない。明日でいいか。そう思ってしまってもおかしくないし、僕はいつだってそうだ。それなのに、加藤はわずかな時間をフルに使って、ペラ調整に励む。凄い。凄すぎる。思わず唸ってペラ室を離れた僕だが、結局、加藤は最後の最後までペラ室にこもって、12Rが終わるとようやく、ピットに姿を現わして、西和則のボート引き上げを手助けしているのであった。尊敬の一言である。

Sany0361  11R、若さ炸裂の強マクリで勝ったのは、御齢62歳、万谷章である。「いいもの見せてもらいました」、ピットに引き上げてきた万谷に、報道陣からそんな声があがったほどだった。その万谷を、今節最年少の原義昭が出迎える。原も大先輩の壮烈な走りを見て、心からの笑みを浮かべていた。万谷は、軽く目で笑い返す程度で淡々としたものなのだが、むしろ周囲のほうが彼の走りに興奮しているようだ。工具を整備室に運んでおこうとした原が「工具、どこに置きました?」と問いかけると、「(自分で取りに行くから)ええ、ええ」と制して、綽々と歩いて工具を置いた場所に向かう万谷(たしかに、見つけづらいところに置いたようでした)。背筋をピーーンと伸ばし、力強い足取りで静かになってきたピットを闊歩する。これもまた、尊敬の一言である。

2006_0419_2_03_027 「いやあ、哲さん出してきたなあ。さすが哲さん」と、岡孝がレース後に唸ったのは、12Rを制した池上哲二。見事な逃げ切りに、岡もお手上げといったところか。ところが、池上の表情はほとんど変わらない。ピリッと引き締まった顔つきを、少しも崩そうとしないのだ。ピットに引き上げてきたときも、出迎えた佐藤勝生らに真剣な目つきで話しかけていた池上。迫力ある表情なのだ。同じペラグループの海野ゆかりが、開会式でよく「池上さん、頑張って」と言っているが、海野がキャピキャピとなついている姿がとても想像できない、ピットでの池上である。その精悍な面差しに、プロフェッショナル、という言葉が浮かんできた。あ、もちろん笑顔でいることもけっこう多いですよ。ものすごく優しそうな笑顔で。

2006_0419_2_02_250 「佐藤さんがいいターンしたから、差し場がなかった~」と笑ったのは、11R後の小林昌敏。そうはいいながら、しっかり競り合いを制して3着を勝ち取っているのだから、いろんな意味で好調と言えるのだろう。それにしても、この人、本当に若い! 今から7、8年前だろうか、たしか津のピットで彼を見たことがあるのだが、そのときも40代とはとても思えない若さに驚いたものだった。そして今は50歳、やっぱり50代とは信じられない若々しさに、改めて驚く次第である。永遠の青年、という言葉が浮かびました、はい。

2006_0419_2_02_041  一方、12Rでは岡孝との3着争いにほんのハナの差で敗れてしまった原田順一。最後は逆転されてしまった格好だけに、さすがに悔しさ全開だろう……というのは、こちらの考えすぎだったのか、レース後は飄々と引き上げてきた。報道陣の質問にも顔色ひとつ変えずに応えており、うーむ、余裕なのか、それとも悔しさを心の奥でグッと噛み締めているのか。ピットでは、何というか、風のように淡々としている原田。レース直後でも変わらぬ雰囲気で、ちょっと驚かされたりもする。これが1着を取ったあとにはどう変わるのか。それともやっぱり変わらないのか。それを確かめるためにも、明日は勝利をゲットしてほしい。原田選手、期待しているけん!

2006_0419_2_03_036  絶好調で予選1位を突っ走るのが、西和則である。レース前の下馬評は伏兵という感じだったが、ここまではまさに快進撃。12Rの6号艇を2着でクリアしたのだから、このまま主役の座を奪い取ることも可能だろう。そんな西は、ピットでは非常に穏やかな風情。やや垂れ気味の目がそう思わせるのかもしれないが、どこか慎ましさすら感じさせるのである。12R後も、報道陣が取り囲むと、まるで新人のようにハキハキと敬語で答えを返す。複勝率53%のモーターは絶好調のようで、口元は自然と緩んでいた。この快パワーで、旋風を巻き起こすことができるか。明日からもその動向からは目が離せない。

2006_0419_2_02_014  ここまでオール連対、こちらも快調な山内直人。11Rは6号艇ながら、3コースを奪い取って、2着。緑のカポックをこの着順で乗り切ったのは、今後を考えれば実に大きいと言えるだろう。その山内、勝って兜の緒を締めよ、ではないけれども、柔らかな表情ながらも、口元をキッと引き締めていた。好調に決して慢心することなく、明日からの戦いを見据えて、気合を込める。これまでの幾多の戦いの中で身についた、強者のメンタリティが彼にはあるのだろう。艇番によってはあまり人気を集めないから、舟券的な妙味もありそうで、明日はいっちょ狙ってみようかなあ、などと思ったりもしています。

2006_0419_2_02_034 さて、その立ち居振る舞いがとっても気になる大西英一。ここまで3着3本と、いまひとつ突き抜け切れないが、後半9Rは大敗の局面がありながら、逆転で3番手にあがったのだから、レース勘のほうは冴えていると言っていいのではないか。午前中は慌しく動いていた大西、しかし9R後はゆったりと過ごしていたようで、ほとんど姿を見かけることができなかった。残念。明日も、楽しいところを見せてくださいね。そして、ぜひ1着を!(PHOTO/中尾茂幸 万谷のみ=黒須田 TEXT/黒須田守)


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ハツラツ――2日目、前半のピット

2006_0419_2_02_101  心なしか、昨日よりも慌しく感じる、2日目のピット。初日を終えて、モーターの感触を掴んだところで、本格的な調整に入る。そんな日ということであろう。
 整備室を覗く。おぉ、我らが至宝・加藤峻二の姿があった。本体をバラして、鋭い目つきで整備を施している。体からは、ある意味で若々しい、ややピリピリした緊張感が立ち上る。この偉大なる先輩の辞書に、枯淡という言葉はないのだろう。年齢を考えれば、そんな境地にあったとしてもおかしくないのに、加藤峻二は自然体でハツラツとした雰囲気を醸し出す。凄い。凄すぎる。ひれ伏すしかない。彼を知っているというだけで、競艇ファンは幸せだと思う。
 ほかに、藤井定美、新井敏司、高山秀則らの姿も整備室で見かけた。1Rが終わると、3着に敗れてしまった荘林幸輝もギアケースを手に、整備室に駆け込んでいく。予選中盤を万全のパワーで戦うために、そしてポイントを積み重ねるために、選手たちはモーターと向き合うのだ。

Sany0326 「新人らしくガンガン行きます!」と開会式で宣言した鈴木幸夫は、まさに“新人”のように、元気一杯でピットを駆け回っている。2Rを走った愛知の先輩・久間繁がピットに戻ってくると、真っ先に駆け寄って、ボートの引き上げ。さらに大型クリーナーを操って、ボート内に入った水を吸い出す。1Rで1着を獲ったことで気分も上々なのだろう、実に明るい顔つきで、河合良夫ら先輩たちと会話を交わしていた。その姿、実に清々しいっす。作業の合間には、金井秀夫とペラについて何事か話す姿も見かけた。ピットを縦横無尽に動き回り、多くの先輩たちと接触を持つ。こうして、鈴木幸夫の闘志は研ぎ澄まされていくのだ。

2006_0419_2_02_155  ディフェンディング・チャンピオン、水野要と、選手代表・西島洋一が、並んでピット内を歩いていた。兵庫支部の先輩後輩、そしていろいろな意味で今節を引っ張っていく二人。何か深刻な相談をしているのだろうか……と思いきや。二人とも、ニッカーと笑っていた。西島は正直ちょいとコワモテであるが、笑うと実に優しそうな目元になる。年輪を感じさせる笑顔、である。そして水野もまた、目がくぅっと細くなって、とびきりの笑み。思わずこちらも、ニタニタしてしまうのだった。

Sany0332  3R、スタート展示では4号艇・関忠志が「やっぱり!」の前付けでイン奪取。ところが本番、3号艇・立山一馬が抵抗し、インを強奪! 関は昨日のドリーム戦につづいて、2コースに甘んじてしまった。レースでは、西和則にまくられてしまった二人だが、進入の熱い勝負が素晴らしかった! ピットに引き上げてきた立山を出迎えたのは、やはり徹底イン屋の西島洋一。ちょっとうなだれて見える立山に、優しい笑みを送るのだった。カポック着脱場では、立山と関がバッタリ。声をかける立山に、関も笑みを浮かべながら、首を横に振った。「ごめん」「いやいや、お互い様でしょ」。そんな感じだろうか。魂のバトルを繰り広げた立山と関、二人ともカッコいいぞ!

Sany0316  初日、落水の憂き目にあってしまった大森健二。激しい接触があっただけに、ちょっと心配だったが……今日の大森、元気そうにピットに姿を現わしていた。ひとまず、よかった! 巻き返しを期待しています。ドリーム戦で転覆した新良一規も、無事に出走。選手のみなさん、ケガに気をつけて、熱い戦いを見せてください!

Sany0308  さて、今節おおいに気になる大西英一。今日もバンダナを頭に巻いて、ハツラツとピットに登場。整備室からモーターを架台に乗せて現われた高山を見つけると、「せんぱ~い」と声をかけた。
「せんぱ~い、まだ(モーター)出すんですかぁ? あれは出てるでしょう?」
 よく通る声で、高山を冷やかしてます(笑)。高山先輩は、照れ臭そうに「趣味だよ、趣味」と破顔一笑。おぉ、モーター整備が趣味、なんですか。「整備しないと気が済まんから」とさらにニッコリする高山。大西、追い討ちをかけるように「もぉ~、なんぼ出したら気が済むんですか~」。ダハハハハ、大西も高山も最高です。で、大西、「片付けときま~す」と高山の使った架台を整備室に戻していた。大西さん、やっぱりぜんぜん地味ぃ~じゃないっすよ!(PHOTO/中尾茂幸=加藤、水野、大西・ワンショット 黒須田=それ以外 TEXT/黒須田守)

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巻き返しを期す者たち――初日、後半のピット

Sany0248  もろもろの仕事を終えて、ピットに到着したのは11R発売中。ブインブインブイーン。モーター音が轟いている。この時間まで試運転しているのは、たいがい若手選手。まさか名人戦のこの時間帯に、水面からモーター音が聞こえようとは……と思いきや、試運転をしているのは、兵庫支部の若手たちであった。訓練に来ていたのだ。出場選手たちが水面を使っていない間に、腕を磨くべく練習を積む。未来のスター候補たちは、大先輩たちのレースに何を見るだろうか……。

Sany0277  ふとピットを見渡すと、水面からの轟音をシャットアウトしてみれば、実に穏やかな空気が流れている。慌てず騒がずの選手たち、さすがベテランの貫禄といったところだろうか。こうした静けさは、むしろ名人戦にはふさわしく思えて、僕はついニコニコしてしまっていた。と、そこに突如、原田順一が現われた。いや、突如現われたわけではなく、ハナからピット内にいたようである。立ち止まって水面を眺め、優雅に歩き出すとまた立ち止まって、物思いに耽っている。再び歩き出し、今度はボート格納庫の中に目をやって、ぶらりと足を踏み入れる。ほんの数秒で外に出ると、また数歩進んで立ち止まり、水面を見つめて目を細める。うーん、渋いっ! その後、控室へと消えていったのだが、12R終了後には真っ先にボートリフトにやって来て、また水面を眺めつつたたずんでいた。いやあ、なんか絵になるなあ。原田さん、素敵です。

Sany0254  ピット内には原田くらいしか出場選手は見当たらなかったが、整備室を覗いてみると、何人かの選手が整備に励んでいた。井川正人、板谷茂樹、桑原淳一。4・3着の板谷はともかく、井川は前半2着、桑原はピン発進と、まずまずの初日を終えた彼らだというのに、まだ納得のいかない部分がたくさんあるのだろうか。特に桑原は、12R直前までカチャカチャと工具を操りながら、本体の調整に集中するのだった。

2006_0417___324  整備室にいたのは、3人だけではない。荘林幸輝だ。かなり遅い時間まで整備をしていたようで、12Rの発走直前、整備室から出るとダッシュ! 着替える時間がなくなる! どうやら、時間も忘れて作業していたらしいのだ。今日は6・6着と、最悪の初日となってしまった荘林。だからといって、まだまだ諦めてはいない! 明日は1Rに出走、朝はあまり時間がない。今日の必死の整備が、明日の成果に結びつくことを祈りたい。

Sany0267  尼崎のピットは、うなぎの寝床というか、ヨコに細長くなっており、ペラ室はいちばん奥にある。整備室はその手前で、12R発売中に覗いたついでに、ペラ室のほうまで足を伸ばした。すると、おぉ、この時間になってもまだまだペラを叩いています。手前でかがんでいるのは、新井敏司。2回乗りでゴンロクを取ってしまった今日、機力にはかなり不満を抱いているようだった。こちらも時間を忘れて、トンカントンカン。若手たちが試運転を終えると、今度はピット内に木槌の音が響くのだった。この苦労が報われますように。

Sany0264  前半、その癒し系の笑顔を記した田中伸二。11Rは5着、ピットに引き上げてくると、さすがに厳しい表情であった。笑顔はすっかり消えて、やや落胆ぎみにも見える。まだまだ巻き返しは利くはずだが、それでも敗戦はやはり悔しい! モーターは決して好調ではなく、明日からは整備室やペラ室でも姿を見かける機会が増えるだろうか。今日のけっかにめげることなく、明日以降、勝利の笑顔を見せてください!

Sany0283  ドリーム戦。予想通り前付けに出た関忠志は、松野京吾の抵抗にあって、2コース。5着に敗れてしまったが、レース後はわりとサバサバした様子だった。やることはやったのだから、悔いはない、といったところか。もちろん、インを取れなかったこと、大敗を喫してしまったことに悔恨は抱いているはずだが、すでに明日に向けて切り替えをしようとしているようにも見える。もちろん、明日からもガンガン、イン水域を狙ってくれるだろう。
Sany0290  その松野は、インも1着も死守。レース後はさすがに明るく笑っていた。2着の高山秀則と並んで歩きながら、ニコニコとレースを振り返る。生粋のイン屋を相手にコースを守り切り、しかも勝利を収めたという結果は、実に大きいはずだ。確実に、勢いに乗ったはずだからだ。明日からの松野も、絶対に無視することはできない。このまま一気に突っ走ってもおかしくはないぞ。

2006_0418__12r_061  さて、今節、とっても気になります、大西英一。11R発売中、実に引き締まった表情で、展示航走の準備へと向かう姿を目にした。レースが迫って、気合十分。昨日の会見や開会式とのギャップに、まず痺れた。
 ドリーム戦は、スローの4コースから、3着。まずまずの初戦だが、レース後、笑顔は見えなかった。それでも、報道陣に応える声は、決して暗くはない。明日は快走を決めて、勝利者インタビューでおおいに弾けてもらいたい。(PHOTO/中尾茂幸=荘林、大西 黒須田=それ以外 TEXT/黒須田守)


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名人戦ベストパフォーマンス・初日

 いや~、やっぱ名人戦は面白いっすね。いつもは若い衆の全速旋廻に手を焼きながら「シッシッ、お前らは5月の蠅か」と差し回っている選手たちが、新鋭さながら4カドからまくったりアウトからまくり差したり……見ていて飽きることがありません。
 さらに、名人戦ならではの風物詩というか醍醐味というか……今日の第3位は「やっぱ名人戦はこうでなきゃ」というハッスルプレーを見せてくれたこの4人の個性派レーサーに。

5R/“江戸川スタイル”に「待った~!!」

 もう、どうなることかと思いました。スロー巧者が揃った名人戦だというのに、1レースで5、6枠が入れ替わっただけで、あとは4レースまでゆったりまったりの枠なり進入。イン水域を争奪しあってこそ、名人戦の意義があると思い込んでいる私は、思わず叫んでしまいましたよ。
「ここは江戸川っすかあ!?」
 その叫びが聞こえたのでしょうか、5レースで53歳の山内直人がやってくれました。ピットからダッシュ&クルリ~ンのイン強奪。このレースには64歳の加藤峻二はじめ、58歳の立山一馬、57歳の石川正美という3人の先輩がいたのですが、お構いなし。ま、1号艇の峻二大先生が「インに固執するタイプじゃない」っていうのが大きかったわけですが。
2006_0418_1_09r_030  で、もちろん80m近くの深い起こしになった山内ですが、コンマ22の安定したスリットから、しっかり逃げ粘っての2着。でもって、このレースが引き金になったように7レースでは4号艇の鈴木幸夫が、9レースでは5号艇の地元・西島洋一がイン奪取。そしてドリーム戦でも関忠志が「松野~インくれ~!!」という凄まじい気合いで前付けに行きました(結局は松野が抵抗して2コースでしたが)。
 嗚呼、これこそが名人戦! 明日からも、山内、関、西島、鈴木の「イン屋カルテット」の強奪プレイを期待するといたしましょう。

 続いて第2位は、底知れないパワーで観衆を震撼させた、今節のラッキーガイに捧げましょう。

7R/5コースから「エースの証明」

2006_0418_1__024  これは凄い!7レースでエースモーター27号機がその本性を剥き出しにしました。この怪物機を手にした柾田は、枠番通りの5コース。スリットからわずかに覗いたのですが、すぐ内の難波雄三とは半艇身も抜け出してはいません。が、そこからわずか5mほどで難なく難波の舳先を交わして、そのまま一気に内4艇を呑み込んでしまいました。
 さらに圧巻だったのは、バックの足です。さすがに5コースまくりで流れた柾田の内に、しっかりと差し粘った原田順一がピタッと貼りつきました。こうなると内の原田が圧倒的優位に立つはず。が、そこから半艇身、1艇身……バックの直線だけで1艇身半ほどの差を付けて、2マークを悠々と先取りしてしまったのです。
 もう、凄いというよりヤバイと表現しましょう。1年通じてエースの座を保ち続けた27号機は、マジで化け物でした。
「エンジンは出てますが、選手は出てません」
 と開会式で控えめなコメントを吐露した柾田ですが、このレースで「その気」になったことでしょう。ダークホースが、初日で主役に躍り出ました。

 さてさて、今日のベストパフォーマンス賞は、私の中では文句なし! ゴールで観客が拍手を贈るほどの凄まじいアクションを見せてくれた、この重鎮にプレゼントします。

6R/62歳の“新鋭レーサー”現る!?

2006_0418_1__093  今日って、新鋭王座決定戦だっけ???と目を疑うようなツケマイを連発したのが、62歳の万谷章。還暦をとっくに過ぎてるっていうのに、この大先輩ったら。まずは2コースからコンマ04の超絶スタート。そのままインの新井に豪快なツケマイを見舞います。引き波に乗った新井がたまらず振り込むほどの強ツケマイ!その間に3コース河合がゴッツァン差しで突き抜けてしまって、万谷は佐久間との2着争いに。ここでも62歳が魅せてくれました。
1周2マーク……同体から強ツケマイ!
2周1マーク……1艇身後方から強ツケマイ!!
 つまり、3回連続の強ツケマイで佐久間を脅かします。もう、新鋭王座の中野次郎もツケマイボーイの秋山直之も真っ青の若々しい全速攻撃なんです。再びラップで迎えた2周2マーク。佐久間が外側を警戒して回ったのを見た万谷は、しっかりとマイシロを取って俊敏差し。これで、見事に逆転の2着をもぎ取ったのです。
 万谷章、優出348回で98V。62歳の今でもA級レーサーでいられる理由が、呆れるほどよ~くわかりました。今シリーズもこのまま突っ走って、通算100Vに王手をかけるのでは……本気でそう思わせる、素晴らしいツケマイ攻勢でありました。将来、こんな62歳になれたらいいなあ!(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/畠山)


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 尼崎は初日からイベント鈴なり!

Sany0234  水面で熱~い熟年の闘いが繰り広げられている尼崎競艇場。しかし、センタープールの外も注目ですぞ。大屋根下特設ステージでは、初日の前半戦から様々なイベントが目白押し!
 6レースの発売中には、Mrオクチのゴキゲンな大道芸。ジュラルミンケースを使ったパントマイムにはじまり、摩訶不思議なマジック、そしてデビルスティックを使った超難度のパフォーマンス(写真)……その俊敏かつ器用すぎる手技足技に、会場のファンからやんやの拍手が起こっておりました。

 この大道芸を挟むように5レースと7レースの発売中には、名人戦に相応しい往年の人気漫才コンビちゃらんぽらんが登場。何を隠そう、ちゃらんぽらん冨好のお兄さんは、兵庫支部長の冨好和幸選手なのですな。もちろんネタは、冨好選手の知られざる裏話へ。これが、競艇専門用語のオンパレード。
「ダメダメな兄貴でペラも叩けんのやけど、あるとき、蒲郡でええモーターもろて121111で優勝戦の1号艇や。もう一生に一度あるかなしかのチャンスや。ほたら、フライング。しかも1艇身! しかも、余計なこと言わなええのに『10センチも1艇身も、どっちも休みは同じ30日や~』と言うたもんやから、蒲郡から斡旋拒否や」
 さらに、三国でも111121で優出したものの、優勝戦は大雪で中止。下関では「魚谷と吉川元浩に叩いてもろたペラ」で1122111とまたまた優出しながら待機行動違反で賞典除外に。さらにさらに、若松でも「神戸カンパニーの松本勝也に叩いてもろたペラ」で222211とまたまた優勝戦1号艇。
Sany0246 「もう、今度こそは間違いないやろ思うて、優勝戦に間に合うようにワシも駆けつけたんや。ほたら……展示航走で転覆欠場。走る前に失格してんねん。しかも『この場合はフライングと違うて30日休まんでええんや~』なんて言うたもんで、若松からも斡旋拒否や」
 兄の失敗談のたびに会場は大爆笑の渦、渦。競艇ファンのツボを嫌というほどとらえた漫才でした。
 ちなみに今日のドリーム戦は
ちゃらんぽらん大西「もちろん大西英一はんや。同姓の選手が走るのは何かの縁。目一杯応援します」
ちゃらんぽらん冨好「兄も世話になってる兵庫の水野はんに勝ってほしい。5=6の筋がおもろい思います」
大西「ほたら皆さん、5=6以外を買うてくださ~い」


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穏やかさと厳しさ――初日、前半のピット

 爽快な気候である。ほぼ無風、気温は18度前後、ゆるやかな陽射し。ピットにたたずんでいるのが、非常に気持ちいい。そんな、名人戦初日の午前である。
 この心地よさは、もちろん気候のせいだけではあるまい。ベテランたちが、多くの経験を積み重ねたからこそ醸し出せる雰囲気を発散させながら、初日の作業にいそしんでいる。そんな姿を見ていれば、自然と身は引き締まるし、また心が軽くなる。年を重ねて身につけたのであろう穏やかさと、勝負師としての厳しさが、極上のカクテルのように絶妙に混ざり合う、選手たちのそんなたたずまい。素晴らしい! もともと名人戦は大好きだったけれども、ピットを体験してさらにさらに魅了されてしまった。

Sany0214  初日ということもあってか、多くの選手が手応えを確かめるべく、調整にいそしんでいる。試運転用ピットには満杯状態、整備室もペラ室も賑わっている。そんななか、早くもボート変更が出た。吉田稔である。52番から24番へ。3R後、検査員さんとともに新ボートにモーターを装着していた。ただ、さすがベテランと唸ってしまったのは、そんなときにも決してアタフタしていない。時折笑みすら浮かべながら、むしろ余裕の表情で作業に集中している。後半が11Rと、やや時間があることもあるのだろうが、こんな経験など今までいくつも重ねたからこそ、対処方法だってお手のもの。次の戦いに向けて、冷静に仕事を進められることが、単純に凄いことだと思う。

Sany0226 「じゅんちゃ~ん!」
 低くて太い声が響いた。声の主は高山秀則。呼ばれたのは桑原淳一だ。試運転ピットで調整をしていた桑原に、高山が駆け寄ったのだった。桑原のエンジンを覗き込みながら、何事か会話を交わす二人。かつては、ともにSG戦線を競い合った仲間であり、今はこうして名人戦を戦う。まさに戦友、といった雰囲気で、しばらく話し込む高山と桑原だった。同窓会というわけではないだろうけれども、トップクラスを経験してここにいる二人だからこその関係を見たような気がして、なんだか「いいなぁ~」と思ったのだった。二人とも頑張れ!

2006_0417___251 「目立たない顔ですが」と、開会式で笑いをとっていた井川正人。いえいえ、このヒゲは非常に目立ちます。試運転ピットに係留されたボートに乗り込み、懸命な調整をしている井川、遠めにはけっこう怖いっす(笑)。ようするに、その表情は迫力十分。これもまた、あまたの修羅場を経験してきたベテランならではの雰囲気だと唸った次第。SGのピットで見るトップクラスの男たちもまた、鋭い表情を見せるが、それとは一味違うベテランの凄み。水面でのこうした闘魂が、レースを熱くさせるのだろう。

2006_0417___239  4R、4着に敗れてしまった田中伸二。悔しい名人戦初陣となってしまったわけだが、ピットに上がってきた田中は、にこやかにレースを振り返っていた。ボート引き上げに出てきた新良一規らと笑顔で話し込んでいたのだが、手応えアリなのか、それとも実は苦笑いだったのか、うーん、わかりませんでした。田中の笑顔は、まさに癒し系。それもあって、すべての笑顔が素敵に見えてしまうのだろう。今日は11Rとの2回乗り。前半のリベンジを果たして、今度は勝利の笑顔を見せてください。

Sany0215  さて、昨日から笑わせられつづけている大西英一。あまりにも気になって、ピットでその姿を探したのだが……おぉ、いました、いました。整備室に近い場所で、ボートに装着されたモーターを点検していた。その表情は……うーむ、実に凛々しい! 昨日の会見や今日の開会式で見せた陽気な大西ではなく、闘志あふれる大西がそこにいた。このメリハリ、素晴らしい! カッコいい! うむ、これで今節は大西を追いかけることは決定したようである。ドリーム戦の結果は果たして!?(PHOTO/中尾茂幸=井川、田中・黒須田=それ以外 TEXT/黒須田守) 


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早くも神経戦!?――ドリーム戦インタビュー

2006_0418_1__011   開会式に続いては、恒例のドリーム戦インタビュー。進入から注目が集まるだけに、まずは1号艇・松野京吾を司会の松岡アナが煽ります。
「インから行きますっ!(関忠志のほうを見て)関さん、お願いしま~す!」
 力強いイン死守宣言のあとは、5号艇・関に懇願(笑)。その関は、
「5コースでも6コースでもいいですよ」
 って、そんなわきゃぁない(笑)。早くも神経戦が繰り広げられています。さらに関は、
「名人戦より、新人戦を勝ちたいです(笑)」
 い、今から新鋭王座に出るんですか? と、煙に巻きまくりの関、これはきっと前付けだよなあ……。
 ちなみに、2号艇・高山秀則が
「枠なりでいきます」
 さらに6号艇・水野要は
「関さんの様子を見てから」
 これはどうやら、イン水域がもつれそうな気配。うむ、これぞ名人戦、でしょう!

2006_0418_1__025  こうなると、4号艇・新良一規は
「黙っていたら6コースになるでしょう」
 ということになるわけだが、
「すんなり6コースは面白くない」
 仮にアウトに出ても、スロー勢を深くして、一気の伸びマクリ!? 実際、足は伸び型とのこと。新良の動向からも目が離せない。
 で、3号艇・大西英一。意気込みを聞かれて
「ズボンのすそが長いですよね(笑)」
 昨日の共同会見に引き続き、笑わせてくれます。
「マイペースで、地味ぃ~に頑張ります」
 だから、ぜんぜん地味ぃ~じゃないです! 派手なレースで楽しませてくれると見たぞ。
 ドリーム戦は16時18分締切予定。コース取りから熱くなるであろう戦いを見逃すな!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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名人戦、開会式!

 名人戦、開会式! どのコメントもみな、渋い! カッコいい!

2006_0418_1__094 「名人戦では新人ですが、新人らしくガンガン行きます!」(鈴木幸夫)
「名人戦メンバーもずいぶん若返りましたが、まだまだ若い奴らには負けないよう頑張ります!」(加藤峻二)
“新人”も“ベテラン”も、熱い! ひたすら熱い!

2006_0418_1__082 「桜は散りましたが、僕は散りません!」(原由樹夫)
「声は出ませんが(ガラガラ声でした)、元気出して頑張ります!」(金井秀夫)
「昨日はいきなり転覆してしまいました。水は冷たかったけど、水面を熱くさせるよう頑張ります!」(尾崎鉄也)
 みなさん、元気もエンジンも出して、熱い戦いを期待してます!

2006_0418_1__050 「グッドモーニング」(柾田敏行)
 な、なぜ英語……。
「僕の後ろに同期の河合良夫がいますが、頭だけ見ると同期とは思えません」(沖口幸栄)
 ぼ、僕も同じことを言われます……。
「目立たない顔ですが、レースで目立てるよう頑張ります」(井川正人)
 い、いや、すっごく目立つ顔だと思うんですが……。でもレースでも目立ってください。
「自分で言うのもなんですが、地味ぃ~な選手なんですよ」(大西英一)
 い、いや、決して地味ぃ~じゃないと思いますが……。
 さすがベテラン、笑えるコメントにも味があります。

2006_0418_1__059  選手を代表して挨拶をしたのは、地元・西島洋一。選手班長でもあります。
「兵庫支部3人、アウェーの選手には負けられない戦いです。他地区の選手にとっては、名人戦はぜひとも欲しいタイトルです」
 そう、すべての選手が熱く、激しくしのぎを削る! 歴戦の強者の戦い、刮目せよ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守) 


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ビバ、名人戦!――前検のピット

2006_0417___008  ピットにいて、こんなにも心躍るのはなぜなんだろうか。
 これまでのSG取材でおなじみの顔は、ひとつもない。ほぼ、初めて間近で接する選手たちばかりだ。その意味では、たしかに現況の艇界の頂点に君臨する選手たちではないかもしれない。それでも、彼らはまぎれもないトップレーサーのたたずまいで、ピットを闊歩している。さらに、積み重ねてきた航跡の数々が、いい意味での余裕を生んでいるようでもある。涼やかな雰囲気で、しかし勝負師の顔も絶対に手放そうとはしない。カッコいいと思った。そして、やはり敬意を抱かずにはいられない。彼らがリングに上がり、間もなくゴングがなるのかと思うと、なんだか心が沸き立ってしかたがない。ビバ、名人戦! 前検からそう叫びたくなるような興奮が、尼崎に立ち上っている。

2006_0417___118  大西英一には笑わせてもらった。ドリーム戦の共同会見だ。席に座ってマイクを取ると、「18番、与作」と言って熱唱!……はさすがにしなかったが、まずは場を和ませる。記者さんたちの顔に笑みが浮かんだのを見渡すと、「みなさん、お元気そうで」とニッコリ笑った。うーん、大人の男の振る舞いです。引いたモーター45号機は、勝率32・3%。その手応えを聞かれて、「38・2%くらいの感じ(笑)」とのこと。プラス5・9%とは、刻みましたね、大西さん(笑)。数字の根拠はさっぱりわかりませんが、勝率以上の好感触であるのは、間違いないようです。最近は抽選運がいいそうで、びわこでは55%のエンジンを引いたとのこと。「あれはすごかったね~。(尼崎に)持ってきたかった(笑)」って、エンジンは大西さんのものじゃありません(笑)。最近は減音(消音)エンジンが多かったから、ちょっと不安、とも言っていたが、「そのための準備は何かしましたか?」と問われて、「うーーーーん……あ、髪を切ってきました(笑)」。名人戦のために散髪に行ってきた……って、そんな準備のことは聞いてません(笑)。とにかく、終始、快活なギャグを飛ばしていた大西英一。今節の気になる男は、彼で決まりか?

2006_0417__015  共同会見では、関忠志も報道陣を笑わせる場面があった。ドリーム戦は5号艇。とはいえ、関といえば、そう、どの艇番からでも動いて動いて、イン奪取! というわけで、当然のように、コース取りについての質問が浴びせられた。関は、その質問が終わる前から、悪戯っぽくニヤリ。そして、「皆様のご想像にお任せします」と、もういちどニヤリ。僕らの想像すること、と言ったら、もちろん……ねえ? というわけで、皆さん、関選手は前付けするでしょう(笑)。それが、我々が期待する関忠志、でもある。4号艇の新良一規も、「黄色い人が、ね(笑)」と笑ってたし。で、マイコースを狙われる1号艇の松野京吾は、「インから……と、思っております」とやけに丁寧な物言い。黄色いカポックが襲いかかるのをすでに想定されてるんでしょうね。ドリーム戦、進入から見逃せないぞ。

2006_0417__010  艇界の至宝・加藤峻二の持つオーラには、ただただ圧倒される。スタート練習の展示航走を終えてピットに上がると、キビキビと動いて整備室へと向かう。整備室でも、キリッとして点検をテキパキと終える。整備室を出ると、背筋をシャキーンと伸ばして、悠然と控室へ。ほんと、頭が下がります。いやいや、加藤自身は、そんなふうに言われるのも不本意なのであろう。年寄り扱いするな! そんな声が聞こえるかのように、その瞳の奥には、勝負に対して燃える炎があった。今回、そんな加藤峻二に会えたのが、何よりの幸福だと僕は思います。明日は5R1号艇と9R6号艇。ちなみに今日、真っ先に水面に飛び出して試運転を繰り返していたのも加藤峻二でした。応援してます!

2006_0417___110  ついつい目を奪われてしまったのが、石田栄章。その風貌は、お父さん!と呼びたくなるほど、非常に人の良さそうな雰囲気。他選手のボート引き上げを手伝いながら、周囲と談笑している姿には、思わずこちらも頬が緩んでしまう。だが、次の瞬間にふと真剣な表情を見せると、そこにはまぎれもない勝負師の鋭さが! 陸の上ではニコニコしつつも、レースになると飄々と敵を捌いていく、そんな石田の走りが頭に浮かんできた。レース前とレース後の表情が、今から楽しみになったぞ。

2006_0417___214  この人が名人戦とは……と思ってしまうほど、あまりにも若々しい鈴木幸夫。ほんと、48歳には見えないよなあ。やや童顔ということもあるのだろうが、明らかに若く見える。というより、今節出場選手のほとんどが、ピットで見る限りは、かなり年齢より下に見えるのだけれども、鈴木幸夫はその最たる選手だと思う。眩しそうに水面を眺める顔つきや、強い視線でモーターと向き合う表情を見ていると、ここが名人戦のピットということを一瞬忘れてしまいそうになる。その“若さ”溢れるレースが、明日からのレースを盛り立てるスパイスになるのは、間違いないだろう。

 とにかく、名人戦のピットは、実に輝いている! SGの雰囲気ともまた違う、渋いきらめきに満ち満ちているのだ。これがいぶし銀ということなのか……いや、今日のところはそう言うのはやめよう。そんなありふれた言葉ではなく、素晴らしき名人戦ならではの表現を、明日からのピットで探していきたいと思う。とにかく、名人戦、サイコー!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)

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 H記者の「名人戦・前検を斬る!」

 Hです。先月、スポーツ紙のとある記者から「いや~実はH記者の前検診断、ひそかに注目してるんですよ~」と嬉しいコメントを頂戴し、俄然張りきって前検の足合わせとスタート練習をチェックいたしました。まだ展示タイムは手元に届いておりませんが、私の目を信じてアップしていきます。
 まずは注目のドリーム戦。荒れそうな気配がプンプン!です。
①松野…中堅です。新良や関に煽られてました。今のままでは苦しそう。
②高山…石田や友永に圧勝する相当な伸び。横綱級だと思います。
③大西…試運転は少なかったけれど酒井をチギッた足は圧巻。上位です。
④新良…やや後伸びで回り足不安も、バック後半の伸びは強烈の一語。
⑤関…松野より足色は確かで中の上~上の下はありそう。戦える足。
⑥水野…勝ったり負けたりもチギられる気配はなく十分に戦えるムード。
 と、優勝候補筆頭の松野だけが、まだまだ不安定なパワーなんです。本番はターンスピードの違いで逃げきる可能性もありますが、現時点では軽視して後伸び新良のまくりあたりから推理を組み立てる手はあると思いますよ。とにかく、誰が勝ってもおかしくない、とても楽しみなドリーム戦だと確信しております。

 ではでは、独断のパワー番付をば。
●横綱
高山秀則2号機…前出
藤井定美7号機…素性はイマイチも尾崎をブッチギッた足は凄絶。台風の目!
●大関
金井秀夫65号機…新良とは正反対に回ってすぐにグッと伸びる名人戦向きの足。
西 和則16号機…好素性らしく横綱・定美と遜色ない伸び。これは怖いぞ。
大西英一45号機…前出
新良一規18号機…前出
●関脇
井川正人61号機…久間と吉田稔をやっつけた足は圧巻。
原 義昭19号機…その井川よりも強めにも思える伸び。
大森健二53号機…林、原由樹夫らを煽っていた。
万谷 章33号機…酒井をチギリ捨てる。大穴が出そう。

 以上10人をピックアップしておきます。注目のエース27号機を引いた柾田敏行はほんのわずかしか水面に出ず、それも不安定な足合わせになったので判別できませんでした。明日の朝特訓あたりでしっかりキャッチしたいと思います。

 あ、ただいま前検タイムが届いたので上位10傑をアップしておきます。
①新良一規 6・49
①西島洋一 6・49
③石田栄章 6・51
③古谷 猛 6・51
③河合良夫 6・51
③桑原淳一 6・51
③久間 繁 6・51
⑧高山秀則 6・52
⑧池上哲二 6・52
⑩大西英一 6・53
 私の見立てとはややズレもありますが、もちろん明日からの予想は己の診断を信じて攻めさせていただきます!!


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エース27号機は柾田敏行の手に!!

2006_0417__019_2  12時半ころからモーター&ボート抽選会が行われた。「住之江はインコースを取ったモン勝ち、尼崎はエンジンを出したモン勝ちですわ」(某地元スポーツ紙・記者)というくらい、尼崎ではモーターの優劣が重要だ。すべてベテラン選手だけに、節間の整備で日々刻々変わるはずだが、とりあえず素性のいいモーターを引き当てた選手が大きなアドバンテージを得ることになる。
 今節の狙いは、なんといっても27号機。降ろしたての時期から噴いていて、2月の新鋭リーグでは吉田俊彦が完全V。三拍子揃った好機なのである。
「27号機が抜けてるってな。もう27しかないってみんな言ってたもん」
 優勝候補のひとり、大西英一もこの怪物機にご執心の様子。大西といえば無類の整備巧者として知られているだけに、このコメントにも27号機の凄さが見て取れる。そして、その垂涎もののエース機をゲットしたのが東京の柾田敏行だった。
「うらやましいっ!」
 同じ東京支部の大西が叫ぶ。柾田はダークホース的存在だが、もちろん明日の初日から目が離せない存在になった。この27号機をはじめ、勝率上位機をアップしておく。

2006_0417__005 27号機/柾田敏行(東京)
16号機/西 和則(佐賀)
10号機/河合良夫(愛知)
38号機/吉田重義(大阪)
46号機/難波雄三(岡山)
2号機/高山秀則(宮崎)
1号機/水野 要(兵庫)
60号機/関 忠志(岡山)
18号機/新良一規(山口)
11号機/原田順一(福岡)

「お、来たばい! 名人戦でついに来たばいっ!!」
 ガラポンを回して喜んだのが原田順一。が、よくよく前節の出走表とニラメッコして「あっ、11(号機)やない、10ならよかったんか~、くうぅぅ、ま、贅沢は言わんめぇ」と長~い独り言。確かに11号機でも十分に戦える素性ではあるのだが。
 前年度覇者にして地元のエース・水野要(写真)もまずは一安心の好機を引いた。水野と同じドリーム組の高山や新良、関も文句のないところか。明日は1号艇の松野京吾に人気が集まりそうだが、どうしてどうして、一筋縄ではいかないドリームになりそうだぞ。

 さらに最近の赤丸上昇機をいくつかピックアップしておくと
59号機/板谷茂樹(岡山)
33号機/万谷 章(岡山)
35号機/平子 茂(岡山)
 と、奇しくも岡山勢が独占。勝率上位機を引いた難波雄三ともども、岡山支部には初日から注目したい。
2006_0417__002  最後に、現役選手でありながら重鎮の域に達した加藤峻二(埼玉)の麗しい1ショットを。加藤は抽選順番を決めるジャンケンで「はい、最初はグ~!」と叫んで周囲を笑わせたが、後はご覧のとおりの泰然自若ぶり。一喜一憂する他の選手を暖かく見守っていた。(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/畠山)


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尼崎に“名人”到着!

Sany0148  いやあ、若い! もしかしたら、そんな言い方は失礼なのかもしれないけれども、いやあ、若いのだ、名人戦出場の選手たち! 尼崎に続々と到着する選手たちを見ていると、刻んできた年輪はもちろんのこと、その若々しさに圧倒されそうになる。48歳以上という出場資格、だから当然、彼らはベテラン。しかし、そんな事実を忘れそうになるほど、選手たちはキビキビとした足取りでピットへと入っていく。うーん、早くも痺れてしまったぞ。

Sany0119  たとえば、地元の西島洋一。3人と若者(新人選手?)を連れ立って登場したのだが、一瞬、その輪の中にいるのが西島とはわからなかったほど、違和感がない。かなり近づいてきてようやく、そのキリリッとした面構えに「おぉ、西島選手!」と気づかされるほどで、修羅場を数多く踏んできた男のたたずまいとは、こういうものなんだろうな、と思わされる。西島選手、気合満点の表情でしたぞ。

Sany0132  SGでもおなじみの原田順一は、淡々とした表情で、尼崎に現われた。原田にとって名人戦といえば、常にバリバリの主役として登場し、シリーズを引っ張ってきた。しかし、いまだ優勝は果たせず、だからこそ悲願達成への思いも強いはずだ。最近はやや勝率を落としており、ここは復活のノロシを上げるための舞台でもある。素晴らしい走りを期待しています!

Sany0155  初代名人、尼崎に参上! 高山秀則、しぶ~く登場である。名人戦の歴史は、この人の完全優勝から始まった。このビッグイベントを語るうえでは、絶対に欠かせない存在である。入り待ちのファンからサインを求められると、穏やかにペンを走らせる。「ちょっと待って」。サインし終えてからファンを呼び止め、わざわざバッグを開いて千社札を探し、色紙に丁寧に貼っていた。これはファンも嬉しいですよね。心優しき名人、高山秀則。カッコいいっす。

Sany0167  愛車で登場は、沖口幸栄。ご家族がお見送りに来たのだが、物静かに荷物を整理してピットに向かう様は、これまた渋い! 無造作に左手をポケットに突っ込む姿がサマになっております。これも年輪のなせる業、か。そのクールなたたずまいには、惚れ惚れしますね。ほかに、ご家族に送られて愛車でやって来たのは、立山一馬。BOATBoy5月号でインタビューを掲載させていただいてますが、そこで見せていたにこやかな表情でピットへと入って行きました。いい味出してますなあ……。

Sany0112  先月の総理杯にも参戦していた松野京吾は、今節は若手。絶好調で登場するだけに、昨年未連対の雪辱を晴らすべく、燃えているはずだ。それにしても、総理杯でも感じていたのだが、まったく年齢を感じさせない雰囲気の松野。ベテラン勢の中に混じると、本当に若手のように思えてしまうのだから、すごいというしかない。BOATBoyでは中道善博さんも優勝候補にあげている。強烈な走りを楽しみにしています!

 というわけで、いよいよ始まる名人戦。いぶし銀の戦いは、早くもヒートアップしています!(黒須田守)


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名人戦、始まります!

Sany0104 おはようございます! 取材班、尼崎競艇場に到着いたしました。現在、尼崎は快晴! 心地よい春の陽射しが水面を照らしております。いやあ、爽快! 

さて、この後、選手到着、モーター抽選、前検と取材にまいります。もちろん、随時更新! 最初の更新はお昼くらいでしょうか。我らが先達に尊敬の意を込めつつ、熱くお伝えしていく所存です。

それでは、今節も本日より優勝戦(23日)まで、どうぞよろしくお願いいたします!


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