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この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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淡々と。――優勝戦、後半のピット

01_1  9R後のスタート練習が済むと、優勝戦メンバーたちの動きはにわかにあわただしくなった。早朝の土砂降りから少しずつ天気は回復していたものの、この時間帯になって、急に強い日差しが照りつけてきたためだ。
 ピットで取材をしていても、スタッフジャンパーを着てはいられないほどの暑さになったように、気温と湿度に大きな変化が出たので、誰もがペラ調整をし直すことになったのだ。
 5R終了後の公開インタビューのあとには、ペラ小屋で自分の道具を片付ける選手も多かったが、それをもう一度、引っ張りださなければならなくなったのである。

 ただし、そこは、さすがに歴戦のツワモノたちだ。誰ひとりとして焦りの色を見せることはなく、必要な作業を黙々とこなしていくだけだった。報道陣の取材を受けていた西島義則が「いまさらバタバタしてもしょうがないやろ」と話していたのも、それを象徴していた。
02_1 もちろん、6人の選手たちが、レースに向けての緊張感を解いてしまっていたわけではない。スタート展示のあと、報道陣に声をかけられた濱野谷憲吾は「出てるね、みんな。……優出メンバーは」と苦笑いしていたが、モーターやペラに向き合っているときの表情は厳しく、真剣そのものだった。
 原田幸哉などは、口笛を吹きながらピットを歩いている姿も見かけられたが、それにしても、そうして緊張感とリラックスを融和させようとしているのだろうと察せられた。
 烏野賢太はボートを水面から引き上げずに離れた場所で作業をしていたため、その様子をあまり確認できなかったけれども、西島義則や川﨑智幸らの仕事ぶりには、職人の風格さえもが漂っていたものだ。

 そして…………。 山崎智也のイン逃げにより、レースは大きな波乱もなく終えられた。
 節イチのモーターで、ここまでシリーズを引っ張ってきた「1号艇の実力者」の完勝! その結果はそのまま、レース後のピットの様子にも反映されているようだった。
 レース中もレース後も、ピットが大歓声に包まれることもなければ、溜息が聞こえてくることもなかったのだ。言葉は悪いが、予定調和の空気さえ漂っていた感もある。
 レースから引き上げてきた智也は、すぐにウィニングラン用のボートに乗り換えて水面に出て行き、戻ってきてからも、すぐにテレビ撮影を済ませて表彰式へと移っていかなければならなかったことも大きい。そのため、他の選手たちが祝福の声をかけるタイミングを見つけにくくなっていたのだ。
 同期である海野ゆかりだけは、どうしても祝福したいというように、一瞬の空白ができる時間をじっと待ち受け、最高の笑顔でハイタッチをかわしていたが、筆者が確認できた感動の場面はそれくらいになってしまったのだ。

03_1  優勝戦に出ていた他の選手たちも淡々としていた。
 とくに2着の西島や3着の原田は、この結果に納得、という爽やかな表情を見せていた。4着の川﨑はすぐに姿を消してしまったものの、5着の濱野谷にしても、あくまで冷静に片付けの作業をこなしていった。レース後、こわばった表情をなかなか崩さなかったのは6着の烏野くらいだろうか。
 片付けがひと段落したあと、報道陣に声をかけられていた原田は「また、次につなげます」と話していたが、敗れた選手たちの気持ちは、この言葉に集約されていたのにちがいない。

 もちろん、その後、表彰式でファンに囲まれた智也は、惜しみのない喝采を浴びている。そして、この勝利は、そうして祝福される価値があるものだった。
 なにせ、ファン投票1位の選手が優勝するのは13年ぶりのことなのだ。ファン投票1位の重圧と、節イチモーターの重圧……。そうしたものをはねのけて、結果を出したのは、とにかく凄いことである。
04_1  表彰式で、「ファンのための笹川賞で優勝できて幸せです」と言った智也は、こうも続けた。
「今日は、ダービー(競馬)ではなく笹川賞の話題で、一杯やってください」。
 競艇愛に満ち満ちた言葉である。
 智也に乾杯!
(PHOTO/山田愼二+内池久貴=原田 TEXT/内池久貴)


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優勝戦回顧

Photo_1 ①山崎智也
②濱野谷憲吾
③原田幸哉
④西島義則
⑤烏野賢太
⑥川﨑智幸

 

 優勝戦。選手が乗った6艇がピットに係留されている。
 観衆の目は西島に集中していた。ファンの頭に渦巻いていたのは、ただ1点。
「西島はどこまで入るのか?」
 スタート展示の西島は、1コースを取る勢いで大きく回りこんでいた。だが1コースに艇をむけない。「入るんなら入りなよ」といわんばかりに、後にいる山崎を見ていた。「イン空けてくれたけど、入っていいのかな?」そんな感じで、山崎は1コースに入る。スタート展示での並びは142/356だった。

 昨日の準優11レース。鈴木賢一がフライングに散ったレースは、西島のスタート展示での動きが本番にも大きく影響していた。本番で青いカポックを纏ったコンダクターが、どのようなタクトを振るかで、レースのシンフォニーは大きく変る。
 ファンファーレが鳴り、各艇が小回り防止ブイを目指して動き出す。ピット離れはほぼ同体。ここから西島が動いて、どこまでいくのか……。しかしあまり動こうとしない。ちょっと動く素振りをみせたのだが、3号艇の原田がちょっと抵抗する素振りをみせる。普段の西島なら、強引にグルッと回るところだが、それ以上は動かなかった。昨日のレースと同じように。
 戸田のターンマークは、スタンド寄りに大きく振ってある。ゆえに1コースはマイシロが少なく難しいといわれている。じつは2コースも難しい。マイシロが少ないので、スタートが同体だと、1コースの艇が描いた引き波にハマりやすいのだ。おそらく、それを危惧して西島は3コースを選択したのではなかろうか。
 進入は枠ナリになりそうだったが、原田が艇を引いて4コースを選択。結局、124/356の進入となった。

Photo_2 「幸哉あぁぁ!!!」

 怒鳴り声があがる。トップスタートは3コースの西島。原田のスタートタイミングはコンマ14で2番目のスタート。しかし伸びが違う。ファンが叫びたくなる伸びだ。そのままカドから内3艇をなぎ倒そうとする。が、3コースの西島が伸び返す。これではまくりにいけない。
 こんどは原田にかわって、西島が内2艇を絞りにかかる。インの山崎も伸び返して先マイを打とうとする。このまま1マークに突入すると、まくる西島と握って回った山崎が外まで吹っ飛んでいくのは間違いない。波乱必至だ。
 しかし、ここで西島はまくりを諦めた。このままの体勢では、まくり切るのは難しいと判断したのだろう。差しに構えた。
「(西島さんが)引いたような感じがしたんで」
 山崎は落として逃げる。差してくるのが西島。山崎のサイドのかかりがいい。西島に突き抜ける勢いはない。2艇がくっついたような形で、1マークを回る。
 この瞬間、山崎の逃げが決まったはずだった。外からまくってくる艇はいない。内には差し場もない。唯一、差してきている西島は勢いがない。どう考えても山崎の逃げ切りだ。 

M   だが原田だけは諦めなかった。まくりを阻まれ、差し場もなくなった。が、唯一のスペースが原田の眼前には見えていた。山崎と西島の間にある、極端に狭いスペースだ。俯瞰で見ていないのでわからないが、そのスペースは1~2艇がギリギリ入れるくらいなもの。そこに勇猛果敢に突っ込んでいった。勝つにはココしかないのだ。
 ハンドルを入れた角度はバッチリ。スルリと間をすり抜けようと、切れる航跡を描いて、伸びていく。あと1m。あと50cm。あと少し……。あと少しで突き抜けた。あとほんの少しサイドがかかっていれば、まちがいなく原田は突き抜けていた。しかしそこで、山崎の艇にブツかってしまった。

 ウイニングラン。派手なガッツポーズより目を引いたのは、綺麗な笑顔だった。男性を綺麗と表現するのは少し憚られるが、雨上がりに射す陽の光が山崎智也の表情を綺麗に浮かび上がらせた。
「節一です!」
 初日に出た節一宣言はホンモノだった。
「最後のレースで1等を取って帰ります」
 本当に優勝戦を制してしまった。
 そして事あるごとにいっていた、
「投票で1位にしてくれたファンの後押し」
 ハガキやネットで〝山崎智也〟と書いた6万人を超える人々も、この笑顔を見ればすべてが報われた気持ちになっただろう。彼はファンの後押しに頼りきっていたのではない。ファンへの恩返しもキッチリと果たしたのだ。

 
 ファン投票1位で笹川賞を制したのは、これまで野中和夫ひとりしかいない。06年笹川賞。それは山崎智也が〝美しき怪物〟へと変身した記念すべきレースである。

(PHOTO・池上一摩/TEXT・姫園淀仁)


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優勝戦出場選手インタビュー

5R終了後、戸田のイベントホールでは、優勝戦出場選手のインタビューが行われました。各選手の気になる一言をピックアップしてみました。

①山崎智也 「リラックスしている」
②濱野谷憲吾「あんまり出ていないけど集中していきたい」
③原田幸哉 「理想は〝タッチスタート〟です」
④西島義則 「〝常識の〟範囲内で動きます」
⑤鳥野賢太 「上出来ですよ。上出来、上でき、上瀧和則」
⑥川﨑智幸 「ツイてます。絶好調」

本日17時ごろ、ふたたびこの場所に戻ってくるのは、誰でしょうか?


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晴天へ――優勝戦、前半のピット

01 「午前中のピット情報」の続報……。
 とはいえ、さすがに優勝戦の朝になると、大きな動きは見られない。1Rが始まった頃から、ピットに人は少なくなり、レース後のボート引き上げの際になると、わらわら選手が集まってくるという優勝戦の一日らしい状態になっていた。
 ピットの奥には、優勝戦用のステッカーが貼られたボートも並べられ、静かにその時を待っているような印象である。

02  整備関係でいえば、目についたのが烏野賢太だ。整備室の中のプロペラ加工室にいたかと思えば、ペラ小屋に移り、ひとり黙々と作業していた。その姿は、寡黙な職人といったところか……。獲物を狙う鳥のような厳しい目をしていた烏野である。

03  また、西島義則は、寺田千恵のボート引き上げを手伝っていたかと思えば、辻栄蔵と話しながらペラ小屋で作業。さらにピット奥に行って、ボート本体のチェックをするなど、あちらこちらでその姿が見られた。
 こう書くと、せわしなく動き回っているように思われるかもしれないが、その動きは悠然としている。表情も落ち着いたもので、その立ち居振る舞いは、プロの勝負師そのものだ。

 山崎智也と濱野谷憲吾は、それぞれTVインタビューを受けている姿が見かけられたが、どちらかというと、表情がやわらかかったのは智也のほうだった気がする。昨日までより緊張がほどけてきたのか、智也らしいさわやかな顔をしていた。
 ピットではちらりと姿を見かけただけだったのが、川﨑智幸だ。それでも、昨日や早朝と変わらぬ自然体だったので、怖い存在であることは変わらない。

04  ボート付近で作業をしていたかと思えば、その後に女性記者に声をかけられて、長話をしていたのが原田幸哉だ。なにやらワカメのように上半身をユラユラ揺らしながら、笑顔で話を続けていたのだから、完全にリラックスできている。個人的には優出メンバーのなかでもっとも気になる存在である。
(TEXT&PHOTO/内池久貴)


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優勝戦の朝、ピットにて……

 優勝戦の朝。雨模様のなか、優出選手は早くも始動している。
 ペラ室を覗く。西島義則が、木槌を小刻みに、丁寧に動かして、微妙な部分の仕上げをしている。いったん木槌を置いて、ペラを目の高さに持ち上げて、目を細めてチェック。納得したのか、ペラ室を出ると、全モ連職員さんに声をかけられ、笑顔で応える。渋い。ひたすら渋い。
 川﨑智幸は、基本的には昨日と変わらぬ落ち着いたたたずまい。妙な緊張もないようだし、かといって緩んでもいない。優勝戦の朝にふさわしい、いぶし銀のふるまいだ。
 烏野賢太もまた、早くも“勝負気配”を漂わせつつ、淡々と作業を進める。いい顔つきだ。大仕事の予感すら漂わせる、百戦錬磨の顔つきである。
 原田幸哉は、リラックスムードでペラ室から出てくるところを見た。その表情は、とにかく澄んでいる。澄んでいるがゆえに、凄みがある。強者のオーラを早くも発散している男。やはり、この男は恐ろしい。
 濱野谷憲吾が、早々と試運転に出て行った。硬くなっている様子などまったく感じられないし、焦って水面に向かったふうもない。それでも、早朝から水面に出て、手応えをつかもうとする。万全を求め、自信を手に優勝戦に臨む。これもまた、強者の姿勢であろう。
 そして、気になる山崎智也。カポックとヘルメットをボートにぽんと置いて、いったん控室に戻る。数分後、そのボートに山﨑昭生がモーターを装着した。ん? 智也、「山﨑」と書かれたボートを自分のものと勘違いしたらしい。「あぁぁぁぁ、すいませーーーん」とニッコリ笑って山﨑に駆け寄った智也。優勝戦1号艇、しかしまったく気負ったところはないようだ。

 朝から静かに臨戦態勢が整えられていく、優勝戦のピット。勝負は、6時間後!(黒須田守)

2006_0526__4_02_117


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準優戦回顧

10レース 声

①池上 裕次(埼玉)
②田村 隆信(徳島)
③鳥野 賢太(徳島)
④中野 次郎(東京)
⑤原田 幸哉(愛知)
⑥中村 有裕(滋賀)

 歓声と悲鳴。安堵、驚嘆、快哉、嘆き。声。感情を表すありとあらゆる声が、場内に渦巻いた。
 ピット離れで全艇同体のスタートを切ると、
「よし!」
2006_0527__5_10r1_004  安堵の声があがる。通い詰めているファンなら、戸田で楽インになった池上の強さは誰もが知っている。この瞬間、池上が負けるパターンは、スタートでヘコむか、1マークで流れるか、このどちらかに絞られた。
 池上がスタートミスをする可能性は低い。初日から4日目のスタートタイミングは、すべてコンマ10~21の範囲内に収まっている。つまり理想的な1艇身残しのスタートが切れている証拠である。またスタートが決まれば、外から強引にまくってくる艇もあるまい。しかも走りなれた水面なので1マークで流れることもない。楽インが取れた時点で、勝利を確信した人がいたのもうなずける話である。
 各艇が思い思いの位置から艇を起こし、スピードをあげていく。スリット上にキレイに6艇が……並ばなかった。
「あぁぁ……」
 安堵は嘆きにかわる。あきらかに内2艇がボコッとヘコんでいる。走りなれた戸田。スタート勘が合っていたシリーズ。それなのに池上は今節最低のコンマ23スタート。前半戦に比べて、やや向かい風が強くなっていたのはあるが、おそらく敗因は、有体な言葉で片付けられるモノではないだろうか。それはSGのプレッシャー。大一番のプレッシャー。

「おぉぉ!!」
2006_0527__5_10r1_108  落胆とほぼ同時に歓声があがる。池上が敗れることに一縷の望みを賭けたファンだろう。4カドからトップスタートを切った中野次郎が、内へと進路を取る。一気に内3艇を飲み込んで勝負を決めようとする。この体勢なら、3=4で決まる。ところが鳥野がそれを許さない。思いっきり抵抗する。赤と青のボートが混じりあって、外にぶっ飛んでいく。
「えぇぇ!!」
 もはや、何の感情の声かわからない。「次郎を買ったのに、無茶競りするなよ!」という声なのか、それとも「鳥野!いったん控えて差せ!」という声なのか……。
 内2艇がスタートで遅れ、センター2艇が外に流れていく。必然的に、モーゼの十戒のようにパッカリ空いた差し場ができる。そこにズバッと5号艇原田幸哉と6号艇中村有裕が突っ込む。そして一気に突き抜けた。
「やったぁ~!」
 ガヤガヤとしたスタンドに、ひときわ大きな声が響く。2連単⑤⑥は23番人気の大穴。買っていた人間はわずかだろう。ひとりごちで快哉を叫んでもいい配当だ。
 地元の圧倒的1番人気がスタートでドカ遅れ。トップスタートを切ったまくり屋が1マークで吹っ飛んでいく。突き抜けたのは人気がないアウト2艇。これだけでも、お腹一杯なのに、まだまだレースは動く。
「おぉぉぉ!!!」
2006_0527__5_10r1_116  2周1マーク。地鳴りのような声。鳥野賢太が芸術的な切り返しを魅せる。もう「ここしかない!」という絶妙なタイミングでの切り返し。2着を走っていた中村を、この切り替えし一発で、引きずり落とす。⑤⑥③の売り上げは107万円。⑤③⑥の売り上げも66万円。もはや舟券が当たった外れたの歓声ではなく「凄まじい切り返し」をみたことに対する声であるのは疑いようもない。
 まだ、終わらない。2周2マーク。SG初優出を寸前のところで奪われた中村が、逆転の差しハンドルを入れる。
「あぁぁ~」
 そのハンドルは鋭すぎた。強引すぎた。艇のバランスを崩した中村は転覆した。

 結局10レースから勝ち上がったのは、SG2勝GⅠ5勝の原田幸哉と、SG2勝GⅠ13勝の鳥野賢太。
 彼らは明日、どんな声を聞かせてくれるのだろう。

11R プレッシャー

①鈴木 賢一(埼玉)
②上瀧 和則(佐賀)
③西島 義則(広島)
④須藤 博倫(埼玉)
⑤濱野谷憲吾(東京)
⑥秋田健太郎(埼玉)

 地元の声援を背に受けて、準優1号艇を手にした鈴木賢一。戸田の1コースは他の競艇場に比べるとさほど有利でないとはいえ、絶好のチャンスであるのは間違いない。しかしこのレースには曲者が2人もいた。ご存知、上瀧和則と、西島義則だ。
 上瀧が2枠に入った場合は、2コースで我慢することが多い。しかし3枠の西島は動いてくるだろう。そのとき上瀧は抵抗するのか? それともついていくのか? また自分で動いて1コースを狙うのか? 
 さらに西島と上瀧の動きを見た上で、鈴木は抵抗するのか? はたまた引くのか? 展示がはじまるまで、「?」マークがいくつも並んでいた。
 スタート展示では、西島がグルッと回りこんで、真っ先に艇先をスリットにむけた。鈴木も上瀧も我関せずで、まったく付き合わない。312/456の進入で、西島ひとりが85mくらいの深い起こしになった。タイミングは、西島がコンマ24のフライング。上瀧がコンマ15のフライング。それに対して鈴木はコンマ12の一艇身残しのバッチリなスタート。「この進入なら、鈴木は2コースからの進入で勝てる」
 私の頭には、このような考えが過ぎった。おそらく鈴木自身もそう考えたのではないだろうか。
 本番。まったく想定外の進入になった。123/456で想定外というのも不思議だが、西島が動かなかったのだ。「さすがにスタート展示の内容での進入はムリがある」と考えたのか「本番では上瀧に抵抗される」と考えたのか。
 西島が動かないのだから、上瀧も動かない。結果、鈴木には超楽インが転がり込んできた。
「逆にイヤな感じがしますよね」
 ひとりの記者はつぶやいた。おそらく鈴木は、昨晩から今日にいたるまで、ずっと進入と起こしのタイミングを考えていたのではないだろうか。その想定に「楽イン」が紛れ込む余地はなかったような気がする。本人に直接聞いていないのでわからないが、もし私が鈴木の立場ならそうだと思う。そして不意に楽インが転がり込んでくると、逆に焦ってしまうような気もする。
2006_0527__5_11r1_110  スリット。真っ先に抜け出したのは、鈴木だった。もっとも速くスリットを抜けた。10レースで埼玉の大将が敗れただけに、地元の応援に応えるためメイチで行った。
 しかしほかの選手も負けていない。ちょっとだけ遅れた位置で、5艇がビッシリ並んでいる。アドバンテージがある鈴木は、ターンマークを綺麗に回り、先頭に踊り出る。逃げ切った。と、思った。
 そのとき、非情のアナウンスが流れた。
「1号艇フライング失格」
 本大会、埼玉旋風の中心だった鈴木賢一。準優勝戦でフライングに散る。
 スタートタイミングは内から、F04、02、07、05、03、02。全選手がギリギリの戦いを仕掛けていた。鈴木がFを切ってしまったのは、池上と同様に、やはりSGのプレッシャーだったのだろうか。

 11レースから勝ち上がったのは、コンマ03のスタートを切った濱野谷。そして進入で動くのをやめた西島。SG3勝とSG7勝の兵が決勝に残った。
 彼らは明日、どんな進入をみせてくれるのだろう。

12R めまぐるしい

①山崎 智也(群馬)
②松井 繁 (大阪)
③滝沢 芳行(埼玉)
④秋山 直之(群馬)
⑤川﨑 智幸(岡山)
⑥飯島 昌弘(茨城)

 めくるめく水面。「これってスケートのショートトラックじゃないの?」と思うくらい、めまぐるしく先頭を走る艇がかわった。

2006_0527__5_12r1_008 スリットを先頭で通過したのは1号艇の山崎智也。

 エースモーター40号機はダテじゃない。ここからグイグイ伸びて、1マークを真っ先に回る……と思っていたのだが、なぜか大きくターンマークを外す。ターンミスではない。外から伸びてきている同県の後輩・秋山直之の青いカポックが目に入ったのだ。山崎は秋山のターンスピードをよく知っている。「このままじゃ、まくられる」と思ったから張るために握って回ったのだ。ところが秋山は山崎のターンを見てから握った。結果、そこに絶好の差し場ができた。

2006_0527__5_12r1_009 1マークを先頭で通過したのは2号艇の松井繁。

 王者が差し場を見逃すわけがない。ズッポリささると、そのままグイッと伸びる。安定感ある走りが松井の持ち味だ。秋山も伸びてきていたが、こちらはあまりにも鋭くささりすぎたため、前を走る松井が邪魔になってしまった。

スリット裏を先頭で通過したのも松井。

 ところが、内から3号艇が伸びてくる。この体勢なら逆転もある。

2006_0527__5_12r1_032 2マークに真っ先に艇を入れたのは3号艇の滝沢芳行。

 だが、2号艇の松井とヤリ合う形になって、2艇は消波装置付近までブッ飛んでいく。1マークでは松井に差し場を与えた山崎が、2マークでは松井が与えてくれた差し場に突っ込む。同時に4番手を走っていた5号艇もやってくる。

2マークを真っ先に通過したのは5号艇の川﨑智幸。

2006_0527__5_12r1_016  川﨑の天下は一瞬だった。あっという間に山崎が川﨑を交わしていく。やはりモーターのパワーが違うのだろう。2周目1マークで山崎が先マイを打つと、勝負は決した。

 2周目バック水面の体制は、山崎が抜けて、2番手に川﨑、3~4艇身ほど離れて秋山という状態だった。4艇身の差など、相手のミスがなければ、1つのターンマークで逆転できるものではない。じっくりついて回るのがセオリーだろう。ところが秋山は、思いっきり握って、全速。いや、言葉としておかしいかもしれないが、超全速で、2周2マークを回る。
2006_0527__5_12r1_015  こんなにパワー溢れるまくりはみたことがない。川﨑のターンにミスはないのだが、この超全速ターンなら、一気に4艇身のビハインドを取りかえせそうだ。
「回り切れるか?」
 皆の視点がここに注がれた。秋山は回り切った。回り切ったようにみえた。しかしその瞬間、艇の舳先がブワーッと浮き上がり、引っくり返った。

 

 12レースから勝ち上がったのは、山崎智也と川﨑智幸。実力派の2人が残った。
 明日はどの選手が先頭でゴールを通過するのだろう。

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/姫園淀仁)


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緊張――準優勝戦、後半のピット

 午後になると、ピットには緊張ムードが色濃くなってきた。
 優勝候補筆頭と目される山崎智也も例外ではなく、準優メンバーのほとんどの表情が厳しくなり、黙々と最後の作業に励んでいる姿が見られたのだ。なかでも、山崎智也、飯島昌弘、滝沢芳行らは、ギリギリの時間帯までペラ調整に取り組んでいたメンバーだ。対して、レース直前になっても、緊張感に支配されず、いい表情ができていた選手は、川﨑智幸、中野次郎といったあたりだろうか。

001_1  10R。中村有裕が転覆するアクシデント(=内側艇保護違反)があった中で、勝ったのは原田幸哉だ。万歳ポーズを見せながら引き上げてきた原田を、「おめでとう!」と出迎えたのは菊地孝平だ。総理杯の際には、菊地の優出を誰より祝福していたのが原田だったので、その返礼というかたちにもなっていたわけだ。
 また、原田がインタビューを終えたあと、拍手をしながら近づいていったのが寺田千恵だ。「ありがとうございます」と、原田が笑いながら深々と頭を下げると、テラっちは「吸い取ってるね、4人分」とのお言葉! 4人というのはおそらく女子勢のことなのだろうが、……そうだったのか、原田幸哉!!
 2着は烏野賢太だが、烏野については、インタビューを受けている姿を遠目に見るだけになってしまった。……申し訳ございません m(_ _)m
 レース後は担架で運ばれた中村有裕だが、しばらくすると、肩だけをおさえて、元気な姿を見せていた(ただし、左肩部打撲傷により帰郷している)。また、中村の転覆に巻き込まれるかたちで完走できなかった中野次郎が、ピットのモニターで、じっとレースのリプレイを観ていた姿も切なかった。

002  11R。こちらのレースでも、1号艇=鈴木賢一のフライングという波乱が起きている。
 引き上げてくる鈴木を迎える埼玉勢の表情が一様に重くなり、誰もが声らしい声を発していなかったのも仕方がないことだろう。12Rで5着に敗れた飯島昌弘も含めて、これで埼玉勢の快進撃はストップしてしまったのだ。勝負にいってのフライングではあるものの、「声なき悲鳴」が聞こえるような出来事だった。
 レース後、ピットにスリット写真が貼り出されると、選手たちの反応もすごかった。最初に見た日高逸子が「え~、そんなに~!!」と驚嘆したあと、「みんな、速いね……」と溜息をつくと、続いて近づいてきたのは、口に楊枝をくわえた今垣光太郎だ。「すっごいスタート! 10R(でへこんだ選手)と交換してあげたいね」と、らしいような、らしくようなお言葉を発していた(楊枝をくわえていたというのも、なかなか、らしくないお姿だった)。10R後からひそかな存在感を示していた寺田千恵も「ややややや! アツイな、アツイな」と奇声を発していた一人である。
003  勝った濱野谷憲吾と、2着の西島義則は、当然のことながら、安堵の表情を浮かべていた。とくに西島は、心底、ホッとしているようにも見えたので、それだけここに賭けている気持ちは強かったのだろう。
 また、手でアクションをしながら、自分で展開を振り返りつつ引き上げてきたのは上瀧和則だ。優出を逃した結果が悔しくないはずは絶対ないが、サバサバした気持ちのいい表情を見せていた。

004_1  12R。こちらも秋山直之の転覆という波乱が起きている。
 道中も、厳しい展開が見られたが、ここを制したのは山崎智也だ。10R後に「そっちもいけよ!」というように原田から肩を叩かれていた智也は、レース後にも原田の抱擁を受けていた。

005_1   2着に来たのは川﨑智幸だ。レース前から、他選手とは違って落ち着きのある表情を見せていたが、笹川賞の“穴号艇=6番”をゲットして、おもしろい存在になってきた。レース後は、智也と並んで笑顔を見せていたが、その姿がとにかく「自然体」に見えたので、一発があっても、少しも不思議じゃない。
 途中までは先頭に立っていながら3着に敗れた松井繁は、悔しさを噛みしめるような、とにかく厳しい表情を見せていたことも付け加えておきたい。
 なお、その後、TVインタビューを受けた智也は、「優勝して返りますので」と、言葉を締め括っている。今節の智也は、取材陣などに声をかけられれば笑顔を見せるものの、そうではないときには厳しい表情を見せている時間が長い。それでいながらのこの発言だ。今日のレースで確かな自信を掴んだということなのか、プレッシャーを吹っ切ることを自分に促すための発言だったのか……。明日のピットでも、その動きが気になるところだ。
(PHOTO/山田愼二 TEXT/内池久貴)


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優勝戦メンバー確定!

 波乱続出の準優勝戦が終わり、激戦を戦い抜いたベスト6が決定しました。

①号艇 山崎智也(群馬)
②号艇 濱野谷憲吾(東京)
③号艇 原田幸哉(愛知)
④号艇 西島義則(広島)
⑤号艇 烏野賢太(徳島)
⑥号艇 川﨑智幸(岡山)

 川﨑以外は全員がSG覇者、そして川﨑も含めた全員が賞金王決定戦出場経験者! 豪華なメンバーとなった笹川賞優勝戦。優勝は果たして!?

※念のため、主催者発表をご確認ください。


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勝負気配――準優勝戦、前半のピット

1_7    本降りにはならなかったものの、午前中は雨がしとついていた戸田競艇場。あわただしいとまではいかなかったが、準優メンバーを中心に、熱心に整備に励んでいる選手たちの姿があちらこちらで目についた。
 ペラ小屋では、惜しくも準優進出ならなかった中澤和志が、師匠の鈴木賢一と肩をならべ、その傍では須藤博倫がペラを叩く。
 早い時間帯は、埼玉軍団に占拠されているような状態だったが、その後は、続々と他支部の選手たちが現われた。
 準優メンバーで目に付いたのは、上瀧和則、烏野賢太らだ。埼玉支部からは秋田健太郎も現われ、ほかには市川哲也、松本勝也、服部幸男らの姿が見られた。
 長い時間、整備室でモーターと向き合っていたのは濱野谷憲吾である。

2_4   ピットのいちばん奥のほうで、熱心にボートをチェックしていたのは田村隆信だ。その周囲には取材陣や選手たちは誰もいなかったため、本当に「独り黙々」といった印象……。ボートやモーターをいたわるように拭いている姿からは、しばらくのあいだ、目を離せなかった。
 リラックスしているわけでもなければ、必要以上にプレッシャーを感じている様子もない。前回SG・総理杯のピットにおける中澤和志の雰囲気にも似ていて、「寡黙な戦士」と化しているようだった。

3_5  また、昨日までは気軽に他選手に声をかけて、笑顔を振りまいていた上瀧和則も、ムードが変わってきた感がある。こちらもやはり、プレッシャーを背負っているというよりも、「勝負気配」になってきた印象だ。
 ボートの整備をしている際、中澤が笑顔でなにやらボソボソ話しかけてきても、耳を傾けるだけで、中澤のほうには視線も向けずに整備を続けていたのだ。中澤の声は小さく、何を話しているのかはわからなかったが、最後のほうでようやく、「わかった」と笑みを見せていただけだった。

4_4   そして今朝の嬉しいニュースは、2Rで海野ゆかりが、今節女子初勝利を挙げたことだ。周囲から大げさに祝福されることはなかったものの、同じレースに乗った寺田千恵や、濱村美鹿子、日高逸子らは「おめでとう」と笑顔で声をかけていた。男子選手でも、同県の辻栄蔵などが、いい表情を見せて、この勝利を祝福していた。
 昨日の海野は、少し顔色も悪いようで疲労感を漂わせているような感じもあり、こちらは勝手に体調面を心配していたが、とにかく元気なレースぶりに一安心! 実際のところはどうなのかわからないけれども、レースから引き上げてきて、ヘルメットを脱ぐ際にも、海野らしい素敵な笑顔が見られていた。
(TEXT&PHOTO/内池久貴)


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4日目ベストパフォーマンス

 書きたいレースがありすぎる。勝負駆け4日目の正直な感想だ。朝一時点で予選突破が決まっていたのは、鈴木賢一、山崎智也、上瀧和則の3人だけ。一方、勝負駆けがかかった選手は28人。朝から火花散る勝負駆けの連続だった。
 1レース、4カドからコンマ04のトップスタートを決めた中村有裕。5レース、「スタート勘が悪いから、逆にこのスタートができた」という、コンマ01スタートの鳥野賢太。1走1着条件を、驚異のまくりで勝ち取った10レースの原田幸哉。捨てがたいレースばかりだったが、あえて今回はシリーズの中心を彩る埼玉勢にスポットを当てることにした。

2R 9R アゲアゲ・ノリノリ戸田天皇

 開会式からハイテンションの池上裕次。昨日の滝沢1000勝水神祭で着ぐるみをきて腰をフリフリ踊ってたいたのも、連日のヒーローインタビューで嬉々とした表情でTシャツを投げ込んでいるのも、自分をドリーム戦士に選んでくれたお客さんに大感謝しているからこそ、なのだろう。
2006_0526__4_01_114  パフォーマンスだけでなく、レースでも魅せているのが池上のスゴいところだ。予選突破に2走7点の条件で挑んだ2R。スタート展示は6号艇の江口が大きく回りこんで64135/2の体勢になっていたが、本番では池上が江口のお株を奪う。ギュイーンと音が聞こえてきそうな高速ピット離れをみせて、4枠から1コースの奪取に成功したのだ。結局「大昔の6号艇がインに近かった時代じゃないんだから」というような465/123の進入になった。
 スタートが速かったのは、6コースに入った3号艇の濱村美鹿子。コンマ07のスタートから、内5艇をなめるように絞って、あっという間に池上の横に到達。このままならまくり切って、今節女子選手の初勝利達成! という状態だったのだが、6コースまくりなどインに座った戸田天皇が許すワケがない。濱村に合わせるように握って抵抗し、ドカーン。そのまま逃げ切り勝利を収めた。一発で予選突破に成功だ。
 ちなみに2着が5号艇の瓜生で、3着が6号艇の江口。アウトセット舟券のようで、じつはイン3艇で決まった3連単④⑤⑥の配当は870円。地元のお客さん、ホントよく見てます。
 9Rは1着勝負駆けの太田和美が3カドを選択し、12/3456の進入に。池上は2対4のカド受けという厳しいポジションに立たされた。しかも3号艇太田がコンマ04、4号艇池田がコンマ01、5号艇市川がコンマ03という、恐ろしいスタートを決めて襲い掛かってくる。それに対して池上はコンマ10。ふつうなら、万事休すの状態だ。
 ところが、慌てず騒がず、グイッと①中村の外を回ると、ドカーン! そのまま突き抜けてしまった。好素性モーターということもあるが、まさかあの劣勢をしのぎ切るとは。さすが戸田を知る男。
「え? (3コースの太田が)引っ張ってたんですか?」
 池上は3カドになっていたことを知らなかったようだ。無欲の勝利というか、なんというか。
 とにかく、今日の2連勝で、池上は準優1号艇をゲットした。明日もアゲアゲ&ノリノリの池上が、イン速攻を決める。
 優勝したあかつきには、どんなパフォーマンスを魅せてくれるのだろう。いまから楽しみだ。

3R 9R 3808は2度死ぬ

 日の出の勢いの埼玉勢。そのなかで、初日終了時にポツンと取り残されていたのが秋田健太郎だ。インを締めにいった初日2R。気合が入りすぎて、不良航法を取られる。鈴木が、池上が、滝沢が、連日場内を沸かせているなか、秋田は脇役にまわるはずだった。彼の笹川賞は1日目の正午には終わっていたはずだった。
 秋田は腐らなかった。自分を選んでくれた地元のファンのため、一生懸命走った。2日目2レースは、5コースからまくり差して2着。2日目8レースは、まくって競り勝って1着。3日目は4カドからコンマ07のトップスタートを決めて1着。終わった人間が、不死身のゾンビのように生き返ってきた。今日の2走13点でまとめれば、予選突破がみえる位置にまで上がってきたのだ。
2006_0522___204 「危ないと思いつつギリギリを狙っていきました」
 一度死んだ人間に怖いものはない。1コースから攻めた3Rは、一歩間違えれば奈落の底に突き落とされるような、コンマ03のトップスタート。当然、逃げ切って1着だ。これで残り3点。次走9Rで4着以上になれば、ボーダーの6.00を越える。
 勝負のの9R。ここで4着以内に入らなければ、連日の気合は水泡に帰す。なんとかスタートを決めて準優当確を出したい。
 ところが秋田は、他5艇に1~1.5艇身も遅れるスタートを切ってしまう。これで、もう終わりだ。しかし秋田には、終わったかどうかは関係なかったようだ。どうやっても4着に上がるのは無理なのだが、選んでくれたファンのため、舟券を買ってくれたファンのため、1つでも上の着順を目指す。競艇選手として当然のレースをする。2周2マーク、5番手を走る市川との競り合いを制して5着に上がったところで、秋田の笹川賞はついに幕を閉じた。

……と、原稿を締めるつもりだった。しかし、上位陣がその後のレースで崩れ、予選突破ボーダーが5.83に下がる。そう、秋田が17位に浮上して予選を突破してしまったのだ。
 2度死んだ男が、ふたたび蘇った。オカルトかもしれないが、あの6番手でも諦めなかったレース振りが、強運を引き寄せたような気がする。
 明日の準優戦、秋田は6号艇。2度死んだ男に、怖いものなどない。

11R サイタマハンター・山崎智也

 地元の応援を背に受けて気を吐く埼玉勢。それをなぎ倒す者がいる。ファン投票1位、エースモーター40号機の山崎智也だ。
 初日に埼玉の総大将・池上裕次を力強い逃げで抑え込み、2日目には後藤浩を撃沈、3日目は西村勝に先着した山崎。4日目の今日は、もっとも勢いのある埼玉の雄・鈴木賢一と対決することとなった。好モーターを背景にしたシリーズリーダー2人が、決勝を待たずに戦うのだ。戸田の番組屋さんもイキな演出をする。
 ファンファーレが響き渡って、全艇がピットから飛び出す。田中信一郎のピット離れがよくないと感じると、山崎はすぐさま艇を内に寄せる。1コースに鈴木、2コースに山崎。隣あった2艇で、両雄が対峙する。バチバチと火花が飛ぶ。プレ優勝戦の火蓋が切って落とされた。
 スリットを制したのは1コースの鈴木。コンマ12のトップスタートだ。それに対して山崎はコンマ19の4番手スタート。鈴木に対して半艇身ほどヘコんでいる。このままでは鈴木を倒すどころか、3コースの辻栄蔵に飲み込まれかねない。しかしココからグイッと伸びるのが、40号機だ。スタートの遅れを、1マーク手前では取り返し、ほぼ鈴木と同体になるまで盛り返した。
 1マークを制したのも鈴木だった。狭い戸田コースを豪快に握って回って先頭に踊り出る。山崎も負けていない。丁寧に内を突いて、鈴木に迫る。2マーク手前ではほぼ同体。うしろの4艇はどんどん突き放されていく。
2006_0526__4_01_101  2マーク。ここで腕の差が出た。腕の差というと失礼かもしれないが、SG優勝3回GⅠ優勝20回の山崎の先マイに、SG・GⅠ優出経験なしの鈴木が屈した。その後も鈴木は離れずに食らいついていくが、逆転のチャンスは残されていなかった。
 結局、1着が山崎、2着が鈴木という結果に終わった。山崎は準優12レースの1号艇。2着に敗れた鈴木も、準優11レースの1号艇を手に入れた。
 明後日の優勝戦。こんどは枠順が逆になって、1コース山崎、2コース鈴木の優勝戦が見られそうな気がする。そのとき埼玉の雄はどのように戦うのか? 埼玉ハンターは、ふたたび斬りつけるのか?

(PHOTO・中尾茂幸 TEXT・姫園淀仁)


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魂の勝負駆け――4日目、後半のピット

 予選最終日、「埼玉大攻勢」の総決算パート1、である。結局、準優に駒を進めたのは6人。12人の出場選手中、ちょうど半分がベスト18のピットを獲得した。上出来だし、十分に称えてよい成績だと思う。
2006_0526__4_01_292  最後の18番目の進出者は、ちょっとしたドラマがあった。最終12Rで、中澤和志が5着に敗れて得点率5・67に。4着条件だったから、口惜しいところで準優を逃してしまったのだ。その代わりに繰り上がったのが、同じ埼玉支部の飯島昌弘(出身は茨城)。飯島は、中澤のボートを引き上げに出てきた時点で、まだそのことを知らないようだった。すると、飯島の背中に声がかかる。「おめでとう! 準優進出や!」。声の主は、上瀧和則だった。振り向いた飯島は、きょとんとした顔で上瀧に目を向け、再度「準優!」と言われて、「え、ま、まじっすか? 僕がっすか?」とばかりに驚いた表情を見せた。飯島の周囲にいた選手たちが、微笑みながら頷く。その反応を見て、飯島はようやくニコッと笑った。まずは、飯島、おめでとう!
2006_0526__4_02_041  しかし、である。自分を準優に押し上げたのは、まさに今、目の前に戻ってきた中澤なのだ。中澤の敗退が、自分を生き残らせた……すぐにそれに気づいたのか、飯島から笑顔が消えた。複雑な心境にならねばおかしい事態。埼玉勢も、ひとまず飯島に祝福の言葉をかけることを遠慮しているように見えた。
 準優進出をめぐる戦いは、時にこんな非情な場面を生み出す。これもまた、競艇。こんな心痛があるから、勝者がよりきらめく。中澤よ、リベンジは必ず果たせる! 飯島よ、今日はしっかりと美酒に酔え!(あ、宿舎では飲めませんが) 明日、必ずや、飯島を後押しする中澤の姿が、ピットでは見られるだろう。
2006_0522___368  埼玉ではもう一人、秋田健太郎が準優に残った。9Rで5着に敗れてしまい、得点率5・83。一時は諦めかけていた予選突破だったが、ボーダー付近で勝負駆けに失敗する選手が続出し、ボーダー自体が下がった。11Rを迎えるころには、すでに準優当確! 7点の減点がありながらも、見事に予選をクリアしたのだった。すぐにテレビカメラが追い始め、さすがにやや戸惑いの表情を見せている秋田。すでにカタくなっているようにも見受けられるが、SG初出場なのだから、それも当然だろう。しかし秋田よ、何も案ずることはない。11人の仲間が、明日も戸田のピットにいて、支えてくれるに違いないからだ。
 さあ、明日は埼玉勢にとっての、剣が峰。優勝戦のピットを強奪できる選手は、果たして何人だ?

2006_0525__3_01_178  唸ってしまったのは、原田幸哉である。10Rに登場した原田、予選突破の条件は1着。勝つしかなかったのだ。その状況で、カドからコンマ01のトップスタート! そしてマクリ一閃! 一言、凄すぎる。そんな芸当を、原田は特に気負った様子もなく、やすやすと成し遂げてしまうのだから、さらに凄い。10R直前の原田は、もちろん気合のこもった表情をしていたものの、しかしどこか飄々ともしていて、どこまでも自然体に見えるのだ。レース後もまた、まるで置かれた石を軽々と拾いでもしたかのような風情なのだから、この男の中には怪物が棲んでいるとしか思えない。明日は10R5号艇、枠は不利でも、原田にとってはたいした問題ではないのかもしれない。

2006_0526__4_01_137  決して派手な振る舞いではない。だからといって、存在感はたしかにある。それが川﨑智幸である。今節、川﨑の姿はいろいろな場所で見かけた。必死に整備に励む川﨑。ペラ室から自分のペラに鋭い視線を落としながら出てくる川﨑。試運転から戻ってきて、真っ直ぐ前を見て堂々と歩いている川﨑。まあ、どの選手でも目撃する場面に決まっているが、川﨑の場合はそのひとつひとつの仕草が、何と言うか、落ち着き払っているのだ。強烈にこちらを射抜くような雰囲気ではない。だから、時に見逃してしまいそうになる。しかし、気がつけば、まろやかな魂が目に飛び込んでくる。いぶし銀というにはまだまだ早いが、彼にはたしかに“匠”の雰囲気がある。

2006_0525__3_01_082  今日から戸田入りしたU記者が驚いていた。「彼は、真摯だね」。服部幸男である。すでに予選突破は絶望的になっていたが、それでも服部は作業をやめない。ペラ室にこもりっきりで調整を続け、時折ペラ室から出てくるときにもペラから目を離さない。その瞳の力は、まさに哲人。彼の戦いというのは、決して一節一節で区切られるものではなく、長い長い道のりの上に、常に存在するものなのだろう。そうとしか思えない、哲学的な面差しは、U記者でなくたって、引き込まれるものなのだ。

2006_0526__4_02_167  ピットの隅のほうで、関口智久、中村亮太、そして中尾カメラマンがなにやら盛り上がっていた。その輪にそっと加わると、おぉ、なんだか関口、めちゃくちゃ楽しそうじゃないか。亮太も、興味深そうに中尾カメラマンの話に耳を傾ける。仕事の間のつかの間の休息。関口も亮太も思い切りリラックスして、雑談に興じるのだった。車座になって、関口も亮太も最高の笑顔。その光景を見た中道善博さん、「井戸端会議か?」と笑っていた。で、右の写真なのだが、手をボートに見立てて、仕事の話をしてる……っぽいですよね? でも実は……まあ、雑談です(笑)。あ、念のために言っておくと、レースが始まると、真剣な眼差しでモニターに見入り、3周目に差し掛かるとダッシュでボートリフトへと全力疾走していた二人です。仕事はちゃんとしてますよ、二人とも。

2006_0526__4_02_107  さて、予選1位だ、準優1号艇だ!の、気になる山崎智也。気分が悪かろうはずがないが、しかし、なんとなくナーバスになってきているような気がする。勝利選手インタビュー(今回は公開形式です)に向かう智也とピットの入口でバッタリ出くわした僕と中尾カメラマンが「おめでとうございます」と言うと、智也が見せた笑顔は決して“満面の”と形容詞がつくようなものではなかった。智也、早くも準優モードに入ったか? こうして、時に男っぽい姿を見せるのも智也の魅力。明日に向けて、すでに磐石の状態になったと思うぞ。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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女流たちの明日は……

予選を終了して、気になる女子選手の成績といえば……。

・日高逸子  31位 4.60
・寺田千恵  40位 3.83
・濱村美鹿子 45位 2.60
・海野ゆかり 46位 2.33
となっている。

残念な結果といえばそうだが、準優に乗れなかったからといって、彼女たちの闘いは決して終わらない。
とくに今日の午後のピットでは、濱村と海野がずっとペラ室に籠もって、熱心にペラを叩き続ける姿が見られている。
明日以降のレースにも注目したい!
(PHOTO/中尾茂幸=日高&海野、内池久貴=寺田)

Hidaka_2

明日は、濱村とともに5R出走の日高。
濱村は1Rにも出走。

Unno_2

明日は、寺田とともに2R出走の海野。

Terada_3 渾身の力でペラを叩く、寺田。


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準優勝戦 枠順確定

明日(5/27)の準優勝戦の枠順が確定しました。

第10R
1号艇 池上裕次  埼玉
2号艇 田村隆信  徳島
3号艇 烏野賢太  徳島
4号艇 中野次郎  東京
5号艇 原田幸哉  愛知
6号艇 中村有裕  滋賀

第11R
1号艇 鈴木賢一  埼玉
2号艇 上瀧和則  佐賀
3号艇 西島義則  広島
4号艇 須藤博倫  埼玉
5号艇 濱野谷憲吾 東京
6号艇 秋田健太郎 埼玉

第12R
1号艇 山崎智也  群馬
2号艇 松井 繁  大阪
3号艇 滝沢芳行  埼玉
4号艇 秋山直之  群馬
5号艇 川﨑智幸  岡山
6号艇 飯島昌弘  茨城

※念のため主催者発行の出走表をご参照ください。

なお、準優勝戦出走選手のボートにはこのステッカーが付きます。

Boat


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明暗分かれる勝負駆け――4日目、前半のピット

2006_0526__4_01_270  勝負駆けは悲喜こもごも。3R、2番手を今垣光太郎と競っていた井口佳典が、3周2マークで濱村芳宏の突進を受けて、転覆失格してしまった。今日は2着3着条件ということで、まずは1走目のノルマを果たしたかと思ったところに降りかかってしまった悪夢。さらに、このとき井口は左腕を負傷してしまい、後半8Rは欠場、途中帰郷となってしまった。レース後の井口は、左腕以外は、元気である。まずは安心ではあるのだが、その左腕がかなり痛そうだった。井口は、ときに顔をしかめて、歯を食いしばっているような表情を見せる。痛みからなのか、それとも消化不良に終わってしまったことへの悔恨なのか。井口よ、まずは傷を癒して、次のSGで悔しさを晴らせ。ここまでは立派な走りだったぞ。

2006_0525__3_01_049  一方、きっちりと勝負駆けを決めたのは、中野次郎。4Rで山崎智也の2着に入り、予選突破を確実なものにした。ピットに上がってくると、ひとまずホッとした、ということなのか、爽やかな笑顔は見られない。記者さんに声をかけられると、真っ直ぐに前を見据えながら、ハキハキと質問に応えていた。で、次郎の勝負駆け成功を喜んでいたのが、同期の中村亮太。「やっぱり嬉しいですよぉ」とニコニコしながら、次郎のボート引き上げを手伝いに走り出した。今節最若手の86期生同士。ともに大暴れできれば最高だったが、そうでなくとも同じ釜の飯を食った絆は深い。次郎、86期全員の思いを背負って頑張れ。

2006_0525__3_01_192  展示に向かう笠原亮と、ばったり出くわした。「おはようございます!」笠原、元気一杯だ。今日は1着2着の勝負駆け。緊張感というよりは、ひたすら前向きに今日を楽しもうという様子に見えた。思わず、「今日は頑張ってくださいね!」と声をかけると、笠原は微笑を浮かべつつ「はい!」。気力は充実しているように見えたのだが……。6Rは残念な結果に終わってしまい、勝負駆けは失敗。しかし、だからといって後半レースを投げ出すような男ではない。人気が落ちるのなら、あえて買い! そう言いたくなる、雰囲気のよさが、今日の笠原にはあったのだ。

2006_0525__3_01_239  井口が帰郷したことは先述したが、医務室に行っている井口のかわりにモーターを片付けたり、ボートをひっくり返したりしていたのが、同期の田村隆信。ハイレベル集団の85期は、今節この2人だけが出場。ということで、節中をとおして、一緒にいるところをよく見かけたものだが、だからこそ田村にとっても痛恨の出来事ではあっただろう。田村自自身、今日は勝負駆け。といっても、5着条件だから、それほどキツい状況ではない。12R1回乗りで時間もたっぷりあるということもあるだろうが、自身の調整は比較的ゆったりとやっているように見えた。どういうわけか、我々取材班がSGを訪れるようになってから、あまり冴えない田村ばかりを見てきた気がする。だからこそ、ここは強い田村を見せてほしい! 井口の思いも背負って、一発決めてくれ!

Dscf0848  さてさて、準優当確で気になる山崎智也。4Rをマクリで快勝、さらにポイントを積み重ねた。レース後は、もちろんあまりにも爽やかな表情。記者さんの質問を受けていた次郎の横を通り過ぎるとき、「アイーン」とアゴを突き出して見せて、うーん、今日もゴキゲン! 後半11Rは予選1位の鈴木賢一と対戦。明日以降の戦いを見据えれば、相手が1号艇だからといって、みすみす逃げさせるわけにはいくまい。午後は、果たしてどんな表情でピットにいるだろうか。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田守) 


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本日の水神祭 3日目

2006_0525__3_1000_008  今日も水神祭、大々的に開催!
 今日は“お初の儀式”ではなく、“節目の儀式”。3Rで1着を飾った滝沢芳行、これが通算1000勝だったのです! おめでとう、滝沢! デビュー以来積み重ねた1000個の勝利、そのなかには2001年ダービー優勝戦ももちろん含まれます。あれは見事なマクリでしたが、今日は道中激しい競り合いを制しての大逆転勝ち。アッサリ勝ってしまうよりも、このほうが思い出に残ったりして。しかも、地元SGでの達成なのだから、滝沢には忘れられない勝ち星となったことでしょう。

2006_0525__3_1000_015  さて、この通算1000勝記念の水神祭は、なんと、スタンドに詰め掛けたお客さんの前での公開水神祭! 滝沢と埼玉勢を乗せた救助艇が、ちょうど大時計のあたりに停められて、ここが儀式の会場! 船上で手を振る滝沢、その横に大はしゃぎのウィンビーくん。平石和男、山崎義明らが、笑顔でその光景を眺めています。
 さあ、いざ水神祭。ウルトラマンスタイルで抱え上げられた滝沢、1、2、3で、水面にドッボーン! 空中で一回転は、埼玉勢の定番なのでしょうか。そして、ああ、今日もまた須藤博倫らが道連れに……。その様子を見ていたウィンビーくんは、さらにさらに大はしゃぎ……ん? 大はしゃぎ? まさか……。そう、そのまさかでありました。着ぐるみの頭の部分をとってみると、中から出てきたのは、やっぱり! 戸田天皇、池上裕次! 昨日は自ら水の中へ、今日はウィンビーくん、ですか。お客さんの前で正体を明らかにすると、さらにさらにはしゃぐ池上。いやあ、ほんと、テンション高すぎです、池上さん!

 というわけで、なんか昨日に引き続いて、戸田天皇がいちばん目立っていた気がしますが(笑)、ともかく、滝沢選手、おめでとうございます! 次は2000勝を目指してください!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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SG戦士たちの意地――3日目、後半のピット

Dscf0826  えーと、今日も埼玉からです(笑)。好調維持は相変わらず、そのなかでもっともピットが沸いたのは、11R、秋田健太郎の今節2勝目であった。4カドからマクリ一閃。破った面々が、上瀧和則、田中信一郎、濱野谷憲吾、日高逸子、西島義則なのだから、盛り上がらなきゃウソというものである。レースを終えてピットに戻ってきた秋田は、満面の笑みというよりはむしろ苦笑い。「やっちゃいましたよ」といったところだろうか。先輩たちは「お前、勝ちすぎだろう(笑)」などとからかいながら、こちらが満面の笑みで秋田を祝福していた。Dscf0832 実を言えば、レース前に見かけた秋田は、なんだか初日2日目とは違って見えていた。初SGも3日目を迎え、昨日は水神祭も果たし、すっかり気後れのようなものが抜けたように見えたのだ。胸を張ったSG戦士がそこにいた。まあ、それが結果に結びついたというわけではないだろうが、この3日間で間違いなく、逞しくなったということはいえるはずだ。
Dscf0830  その一方、ちょっと冴えない表情に見えたのは、後藤浩。尻上がりに着順を上げて、3日目終了時点で予選18位。決して悪い成績ではないのだが、秋田の勝利に沸く喧騒を横目に、江口晃生に何事か相談している姿を目撃した。わりと長い時間、話し込んでいたのだが、気になるところでもあるのだろうか……。

2006_0525__3_01_054  中野次郎が乗ってきた。12Rは4カドからマクって1着。初日は苦しい位置に甘んじていたが、昨日今日で準優圏内に入ってきた。『BOATBoy』の「レーサーズ・カルチャー」で連載をしてもらってる関係上、彼もピットで会うと声をかけてくれる一人。昨日の2コース差しでの勝利は、「ツイてました。うまかった? いやいや、ツイてただけですよ」なんて笑っていたが、今日の勝利は文句なし、であろう。ピットではハツラツと働く姿が非常に目立つ次郎。予選突破に視界良し、である。

Dscf0816 「レーサーズ・カルチャー」といえば、菊地孝平。予選突破は絶望的になってしまったが、それでも熱心な整備は続く。今日も午後の遅めの時間まで笠原亮と足合わせをして、上がるとすぐに整備室にこもった。遠くから見ると、どうやら本体を割っている模様。その後、延々と整備室で時間を過ごして、機力上昇をはかっている。作業終了時間の時間が迫っているにもかかわらず、妥協なく足を上向かせようという姿勢は、さすがSGレーサー。残り3日間、意地の大爆発があってもおかしくないぞ。

2006_0525__3_01_165  やはり予選突破が厳しい状況の瓜生正義。こちらも、入念な整備を続けている。10~11Rあたりには、リードバルブの調整をしている姿を発見。いつもどおり、スマイリー・キッドぶりを発揮して、仲間に笑顔を振り撒いていもいるが、一人になると途端に引き締まった顔つきになるのだから、この男もやはり勝負師ということだろう。初日に1着、今日は2着、得点状況が良くないからといって侮ったら痛い目にあうかもしれないなあ。

2006_0525__3_01_220  予選19位とボーダー線上にいる濱野谷憲吾。足は決して悪くないように見えるのだが、どうも運がないという印象を受ける。ピットでの濱野谷は、余裕を感じるたたずまいで、やはりそれほど悲観するような状況ではないように見えている。記者やピット職員さんたちと会話を交わす姿も淡々としていて、時に笑みをこぼしてもいる。うーん、風格、ですな。後光すらさして見える……というのは、単純に西日が差してきての錯覚だったのですが(戸田のピットは西寄りにあります)、そんな錯覚もまた、濱野谷の風格が起こさせるものだと思う次第でありました。

2006_0523__02_054  ところで、植木通彦が途中帰郷してしまった。艇王の巻き返しを楽しみにしていただけに、実に残念というしかないが、管理解除になった直後の植木はかなり体調が悪そうだっただけに、これもやむをえないというところ。発表では貧血とのこと、今後への影響もちょっと心配になってしまった。とはいえ、植木といえば、もうひとつの異名は“不死鳥”。総理杯に続いての連続途中帰郷に、植木のプライドが黙っているわけがなかろう。しっかりと養生して、グラチャンでは磐石の走りを見せてもらいたい。

2006_0525__3_01_151  さて、12Rは6号艇で2着、やっぱり超抜の足色を披露していて気になる山崎智也。装着場で山崎義明に何か声をかけられ、ニッコニコの智也を見かけた。義明も智也と話していればゴキゲン、最後は智也がでっかい声で「ありがとうございましたぁ!」と言って、笑い合っていた。今日も智也、絶好調! で、その後、展示の準備に向かう智也と顔を合わせたら、今日もしっかりからかわれた私でありました。なんか、非常に不思議なのでありました。たびたびの仲良し自慢、ゴメン。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=埼玉勢、菊地 TEXT/黒須田守)


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今日までの得点率&明日の勝負駆け

①鈴木 賢一 8.80 準優当確
②山崎 智也 8.50 準優当確
③上瀧 和則 8.00 準優当確
④池上 裕次 7.25 ③⑥
⑤秋山 直之 7.00 ④④
⑤川﨑 智幸 7.00 ④④
⑤西島 義則 7.00 ⑤
⑤田村 隆信 7.00 ⑤
⑨松井 繁  6.75 ④
⑩烏野 賢太 6.50 ③④
⑩滝沢 芳行 6.50 ④
⑩飯島 昌弘 6.50 ③④
⑩中澤 和志 6.50 ③④
⑭中野 次郎 6.40 ④
⑮太田 和美 6.25 ①⑥
⑮濱村 芳宏 6.25 ①⑥
⑮田中信一郎 6.25 ①⑥
⑱後藤 浩  6.00 ③③
⑱濱野谷憲吾 6.00 ③③
⑳秋田健太郎 5.75 ②③
⑳辻 栄蔵  5.75 ②③
⑳井口 佳典 5.75 ②③
⑳須藤 博倫 5.75 ②
⑳中村 有裕 5.75 ②③
 市川 哲也 5.60 ②
 原田 幸哉 5.40 ①
 山﨑 昭生 5.25 ①
 西村 勝  5.25 ①
 関口 智久 5.00 ①
 松本 勝也 4.80 他力
 江口 晃生 4.75 他力
 笠原 亮  4.75 ①②
 矢後 剛  4.50 他力
 池田 浩二 4.50 ①②

(ボーダーライン6.00に想定)

得点率等は、念のため主催者発表をご確認ください。


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泣くな、亮太――3日目、前半のピット

2006_0524__2_01_172  やってしまった……。中村亮太、コンマ01の勇み足。1Rで、6コース単騎ガマシから一気にマクってバック先頭に立ちながら、ほんのわずかだけスリットオーバーしてしまった。亮太には並々ならぬ思い入れがある取材班一同は、亮太が内5艇を飲み込んだ瞬間、記者席で沸きに沸いたのだが……。
 H記者とともにピットに向かうと、競技本部から出てきた亮太は、辛そうに顔をしかめた。「やっちゃいました……」。人目をはばかることなくうなだれ、目を伏せる亮太。左手を見つめながら、「なんで放らないんだ!」と呟いた。かける言葉が見つからない……。暗い表情で、来期B1降格の可能性が出てしまったこと、これでMB記念の推薦の可能性が消えてしまったことなど、今後待ち受けている苦難に思いを至らせる。明るくなれる要素などひとつもない、そんな様子でただただ声を失っていた。
 そこに、長嶺豊さんがやって来た。そして、亮太を見るなり……ガシッと亮太を抱きしめた。あまりにも優しい抱擁だった。
「フライングはあるもんや。でもな、今のはええフライングや。惨敗繰り返して終わるのと違う。ああやって、内全部やっつけたんやから、何も落ち込むことはないんや。今のレースは、必ず次につながるで」
2006_0524__2_01_177  誤解のないように付け加えておくが、長嶺さんはフライングをしてもいいと言ったわけではない。だが、攻めのフライングは必ず糧になる、そういうことだ。ましてや、初めてのSG、百戦錬磨の強者たちに翻弄されて終わるより、自力で攻めて、狙い通りに先頭に立つ経験は、何よりも大きい。長嶺さんは、そう言いたかったのだと思う。その後、山本泰照さんも同じことを亮太に言っていたが、亮太よりはるかにたくさんの戦いを乗り越えてきた先達は、このフライングが決してうつむくべきものではないということを知っている。
 それでも亮太は、後悔を振り払うことはできていなかったが、しかし今節はまだ終わっていない。泣くな、亮太。こうなってしまった以上、あと3日を全力で戦い、亮太スペシャルでSGを席巻してみせることこそが、このFを無駄に終わらせないことにほかならない。残る戦いも注目しているぞ!

Dscf0781 「着替えてきます」、そう亮太が言って控室に向かったとき、目に入ってきたのが原田幸哉である。白いズボンをはいているから、1号艇か……おっと、次のレースに出走ではないか。ピット内をうろうろと歩き回りながら、気温を確かめたり、前のレースのスリットを確かめたり。おそらくは、こうして精神統一をはかっているのだと思う。一歩足を踏み出すたびに、闘志が高まる。もう一歩足を踏み出すと、心が澄み切っていく。勝負どころとなる1号艇が回ってきたのだから、絶対に落とせない、そんなプレッシャーが足を踏み出すごとにパワーに変わっていくように見えた。その2Rは、見事1着! 準優が完全に視界に入ったぞ。

Dscf0785  またかよ、と言われそうだが、今日もノリノリ埼玉勢。3Rでは滝沢芳行が1着で、通算1000勝達成、その公開水神祭の様子は後ほどお届けするが、そこでも戸田天皇ははしゃいでましたね。池上裕次は、どうしちゃったの?……そんな声が記者席でもささやかれております(笑)。そんななか、やや元気がないのは、平石和男。3年前の笹川賞覇者は、超上げ潮ムードの仲間たちに、やや遅れをとっている。ピットでも、同期の池上とは対照的で(池上がテンション高すぎという話もあるが)、物静かに作業に励んでいるように思える(池上と比べるからだという話もあるが)。そうは言っても、深刻な表情というわけではなく、むしろ予選後半への闘志を胸の内にたたえているように見える。ここまで他の埼玉勢が乗っている分、気づいてみれば平石、というシーンも十分だと思えるのだが、どうか。

2006_0523__02_032  さてさて、相も変らぬ節イチ宣言で気になる山崎智也。仲間のボート引き上げ時以外はピットでは見かけなかったが、透明感を感じる、いいムードであった。装着場に置いてあるボートを見ると、ペラが外れていて、どうやらその調整に集中している様子。昨日の4着をさらに取り戻すべく、些細な不安も取り除こうとしているのか。今日は12R6号艇。枠が遠いビハインドを背負いながら、どんなレースを見せてくれるだろうか。(PHOTO/中尾茂幸=中村、山崎 黒須田=原田、平石 TEXT/黒須田守)


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本日の水神祭 2日目

 本日も水神祭、開催! しかも2つ! そして、ともに埼玉勢!
 乗りに乗る地元軍団、今日も祝賀ムードに沸きまくりであります。
Sany0121_1  まずは、1R。飯島昌弘が、インから逃げて、SG初勝利。出身は「茨城」ですが、彼もれっきとした埼玉支部の一員です。
 今日はこの1回乗りということで、勝利選手インタビュー後にさっそく行なわれた水神祭。昨日すでに経験した関口智久を先頭に、池上裕次、滝沢芳行などが率先して、飯島をボートリフトに導きます。おぉ、2R出走を控えた平石和男も、赤いカポックを着込んで駆けつけたぞ。そんな面々に、せーので持ち上げられた飯島、関口同様のウルトラマンスタイルであります。Sany0126_1 池上の「1、2、3!」の号令で、威勢良く放り投げられた飯島は、空中でひねりを加えた一回転を見せながら、水面にドッボーン!と飛び込んでいったのでした。水の中でも、ニッコニコの飯島……おっと、その間近に、試運転をしていた後藤浩がボートに乗って登場! 飯島が轢かれるぅぅぅ……なんてことはもちろんなく、後藤はすぐ横を通り過ぎながら、「おめでとう」と渋く言葉を投げかけて、去っていったのでした。後藤、粋だなあ。ともかく、飯島選手、おめでとう!

 つづいては、8Rの秋田健太郎。2Rも惜しかったのですが、後半で松井繁や瓜生正義、菊地孝平を撃破して、文句なしの初勝利! 減量の甲斐があったというものです。
Img_0568_1   飯島と同じく、勝利選手インタビュー後に行なわれたのですが、これがまた、文字通りのお祭り騒ぎ!  まずは、秋田を待つ間、池上裕次が「なんで俺はサンダル履いてるんだよっ!」と、ワケのわからない突っ込みを須藤博倫らに入れています。なんで、って、自分で履いてるんでしょ。これは、まさか……。
 秋田が到着すると、埼玉勢は大拍手。歓声をあげながら、秋田をボートリフトへいざないます。先頭には、関口、飯島、そして池上。これは、やっぱり……。
 スタイルは、やっぱりウルトラマンスタイル。またまた池上が「1、2、3!」と号令をかけて、秋田を放り投げました!…………がっ! その勢いに押されたのか、秋田以外に3人が水面に落ちてしまった! その顔ぶれは、関口、飯島、そして池上裕次! やっぱりか!
Img_0585  そうなのです。池上裕次、最初から自分も落ちる気マンマンなのでした。よく見れば、サンダルはちゃんと脱いで置いてあったし。リフトに引きずり上げられた池上は、さらに関口に抱きついて、もう一度ダイブ! 水に落ちる瞬間、関口から手を放した池上、一人で水中へ。「押すなよ~」と言いながら再び引き上げられた池上、ものの3秒ほどで「うわぁぁぁぁ」と言いながら、またまた水中へ。池上さん、何をしてるんですか! みなさん、戸田天皇って、こんな人です(笑)。ようするに、いちばんはしゃいでるのだ。それを見ていた平石は、苦笑いを浮かべて首をひねりながら、試運転に向かいました。「アホな同期だなあ」って感じでしょうか(笑)。
 まあ、言ってみれば、地元勢SG初出場組の全員が初勝利をあげたことを祝福して、関口と飯島、秋田と3人まとめての水神祭。そんな場だからこそ、埼玉の大将も一緒に飛び込んだのでありました……ということにしておきましょう(笑)。ともかく、秋田選手、おめでとう! 今後はSGの常連目指して、頑張ってください!

 さあ、これで残るは、中村亮太のみ! 亮太選手、必ずもう一回、「本日の水神祭」を書かせてくださいね!(PHOTO/飯島=黒須田 秋田=山田愼二 TEXT/黒須田守)


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埼玉が止まらない――2日目、後半のピット

Sany0161  いやあ、止まらない止まらない。埼玉の勢いが止まらない。後半は、8~10Rで秋田健太郎、鈴木賢一、中澤和志と3連勝。今日は全5勝だから、完全にシリーズの趨勢を支配していると言っていいだろう。ピットでは、誰を見ても本当に明るい! 次々と仲間が1着を重ねていくのだから、それも当然ではあるが、ひたすらアッパーな空気が埼玉勢を取り巻いているのを見るのは、なかなかに痛快でもある。「これがSGのメンバーか?」、そんな声が、この笹川賞にあったのは重々承知している。そして、その根拠の大部分が埼玉勢の大量出場にあったことも理解はしている。しかし、どうだ、この埼玉勢の活躍は! いや、正直、僕にも似たような感覚があったのは否定しないが、結果としてのこの爆裂ぶりを目の当たりにしては、もはやひれ伏すしかないだろう。この勢いで、埼玉勢は果たして何人を準優に送り込むことができるか。そんな楽しみも明日以降、生まれたと言っていいだろう。

Sany0157  そんな埼玉勢を見て、他の選手たちは果たして何を思うのだろう……、ふとそんなことを考えてしまった。たとえば、秋田の初勝利に装着場周辺が沸き返っていた頃、喧騒を尻目に田中信一郎が整備室で懸命にモーターに取り組んでいた。今日は、2着2本。成績的には、上々である。しかし、信一郎は機力にはまるで納得していないようだった。アナウンサーの内田和男さんに「ぜんっぜんダメ」と顔をしかめて話すのも目撃した。着順に関係なく、まるで満たされない自分がいるのだろう。だから、整備室にこもる。必死で立て直しをはかる。そんな姿は、埼玉勢とは実に対照的と言うしかなかった。まずは、明日の信一郎の走りを刮目して見たいと思う。間違いなく、彼が今日見せていた姿勢は、尊いからだ。

2006_0524__2_12r_036  ピットの隅のほうで長嶺豊師匠たちと話していたら、今村豊が姿を現わした。長嶺師匠、すかさず「おい、身体は大丈夫か?」と今村に問いかける。今日の5Rでの転覆を心配しているファンの声を聞いた長嶺さん、今村にケガなどがなかったかを非常に気にかけていたのだ。皆様、ご安心ください、今村選手、非常に元気でした。12Rに登場しているので、無傷であったことはご存知の方も多いだろうが、長嶺さんと話す今村はとにかく元気一杯。ペラが壊れてしまったことには渋面を作っていたが、モーターのほうはひとまず大過なし。伸びは変わらず、回り足がやや弱くなったような……とのこと、それでも長嶺さんは「転覆したら、悪くなって当たり前。ケガなかったことを良しとするべきや」と今村を慰めるのだった。で、伸びのほうは、節イチ宣言の山崎智也と変わらないとのこと。ただし、行き足に大きな差があるそうだ。その部分の上昇をはかるため、懸命にペラ調整をしているようで、長嶺さんや記者さんと話し終わると、またペラ小屋へと向かうのだった。明日も元気な姿を見せてください!

2006_0523__02_170 『BOATBoy』の「レーサーズ・カルチャー」というコーナーで書評を連載してくれている菊地孝平。その関係もあって、ピットで会うと、いつも声をかけてくれる(7月号の原稿は、昨日ピットでもらいました。前検の夜、宿舎で書いたそうです。ぜひご覧ください)。もちろん、こちらも挨拶をするわけだが、今日の菊地は「おはようございます」と言いながら、苦笑いを向けた。試運転ピットから上がってくるところだったのだが、どうもあまり機力がよろしくないらしい。そのままペラ室に向かった菊地は、その後、試運転とペラ叩きを何往復か繰り返していた。昨日のレースで減点もあったため、予選クリアはかなり厳しい状況だが、だからといって勝負を投げ出すわけにはいかない。そんな努力の甲斐あって、8Rは3着に入り、上昇の予兆は示している。菊地選手、明日は最高の笑顔で会いたいですね!

2006_0524__2_01_166  水神祭が続々と出現して、こうなると次に期待したいのは、やっぱり中村亮太! 6・4・6着と苦しいSG初陣となってしまったが、本人はまったくメゲていない!「ギアケースをやったら、良くなりました」と足は上向きのようで、明日からの巻き返しに意欲を燃やしている。亮太といえば、なんといってもニュータイプのペラ、“亮太スペシャル”が話題になっているわけだが、だからこそその威力がSGをも席巻することを期待したいところ。割と一匹狼のところがあって、「今節は一人だからダメなんですかねえ」と苦笑いしているが、いやいや、革新的なプロペラを創出した原動力は、その孤高な性格にあるはずだ。そう、中村亮太には確固たるオリジナリティがある。それを十二分に発揮して、なんとしても今節中の水神祭を!「次は亮太さんですよ!」と声をかけたら、「ハイッ!」と力強い言葉が返ってきたぞ!

2006_0524__2_9r_103  さてさて、10Rで4着に敗れてしまったものの、相変わらず素晴らしい足色を披露している、気になる山崎智也。整備室の前あたりにたたずんでいたら、試運転のためボートリフトにボートを運びながら、な、な、なんと、智也が目配せをしているじゃないか。近づいて会釈すると、「アレ、いつやるのぉ?」と悪戯っぽく笑う智也。実は『BOATBoy』のインタビューの際、智也ととある約束を交わしていたのだが、どうやらその確認らしい。いやいや、智也選手、不肖・黒須田、約束は絶対に守りますって! そしたら、智也、「ほんとにぃ?」とやっぱり悪戯っぽく笑って、僕をからかいながら、リフトに乗って水面に出て行くのだった。……で、これでは智也と仲良し自慢みたいなので、念のために言っておくが、つまりは智也、ゴキゲンなのだ。今村豊も「優勝できる足だぞ」と激励したそうだが、早くも飛び出す節イチ宣言は、決してハッタリや自分を鼓舞するための言葉ではない。ハッキリとした手応えがあるからこその大言壮語だし、僕ごときへのアプローチであろう。おそらくは時間が進むにしたがって男っぽい智也に変身していくだろうが、ここまでの澄み切った表情で臨む予選後半、爆走ロードに揺るぎなし!なのだ。今節は、いつにも増して、気になりまくりになりそうである。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=鈴木、田中 TEXT/黒須田守)


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なぜか(?)さいたま――2日目、前半のピット

Sany0112_1  どうしても、埼玉勢に目が行ってしまうのである。大挙12名……と何度書いたか知らないが、とにかく右を見ても左を見ても、埼玉支部の選手がいる。しかも、ただそこに姿があるだけではない。皆が皆、地元のSGを盛り上げんと、あるいは地元勢からSGウィナーを出そうと、燃えているのだ。目立たないわけがない、というものだ。
 そのうえ、成績がいいのだから、ムードも良い。1R、飯島昌弘が1着。昨日の関口智久に続いて、水神祭をあげた。もちろん、埼玉勢は大喜びの大笑顔。気分も最高潮に達しているようだ。
Sany0099 ピットの隅では、JLCのカメラが83期3人のインタビューを撮っていた。インタビュアーは、我らが長嶺豊師匠。で、よく見ると、そうか、関口と須藤博倫が埼玉ではないか。長嶺師匠の軽妙な質問に、関口と須藤はニコニコ。昨日の勝利選手インタビューでは「ちょっと暗いです」なんて自虐していた秋山直之も、つられてニコニコ。そして、それをカメラの後ろで見ていた池上裕次もニコニコ。うーん、埼玉、いいなあ。
Sany0143  で、その勢いに乗って3人目の水神祭を狙った秋田健太郎は、2Rでいったんは先頭に立つ場面もありながら、惜しくも2着……。瞳に悔しさをにじませて、ピットに戻ってきた。西村勝が、慰める。秋田も、ヘルメットをかぶったままうなずく。とはいえ、これが埼玉勢の流れを止めるものではない。初のSGで一歩も引かずに戦い、連対を確保しているのだ。実際、3Rでは池上裕次がイン逃げを決めて、やはり潮流が埼玉に向いていることは明らか。どんなレースでも地元勢が主役の一端を担うのは当然のことだが、今回はさらに何割か増しで、熱く注目しなければならないだろう。

Sany0131  もちろん、他地区勢が手をこまねいているわけがない。午前中から整備、ペラ調整、試運転など、多くの選手が熱心にパワーアップをはかる姿が、ピットにはあった。そのミルキー・フェイスに闘志を感じずにはいられなかったのが、市川哲也。広島勢は、初日に辻栄蔵、西島義則が1着をあげ、海野ゆかりも今日の3Rで2着に入った(昨日の熱心な整備が当たった!)。市川も昨日2着をあげていて、こちらも埼玉に負けない勢いはある。11R1回乗りながら早朝から乗り込みをしていた市川、怖い存在であるのは間違いない。

Sany0135  装着場には、1台だけモニターが設置されていて、ピット取材中の報道陣もレースを見ることができるが、時折その輪に選手が加わることがある。今日は、原田幸哉と森竜也。原田はピンクの「一撃」Tシャツ。そのコピーも色合いも、よく似合ってます。森竜也の背中には「MORI TATSU」。だはは、確かにそう略して呼んだりします、我々も。実際は「YA」しか略してないですけどね。東海地区の僚友、なにやら楽しげに話しながらレースを観戦していました。

2006_0523__02_283  さて、6R1着、2連勝で気にならないわけない山崎智也。今日の朝、試運転ピットへと向かう智也とバッタリ顔を合わせたので、『BOATBoy』でインタビューさせてもらったお礼を言うと、目が柔らか~になって、にこやかに会釈を返してきた。おぉ、智也スマイル! 6Rの勝利者インタビューでは、「足だけなら、優勝できる手応え」と言っていた。今節の智也は突っ走るぞ!(黒須田守)


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慌しく……――初日、後半のピット

2006_0522___432 「初日って、こんなに慌しいんだねえ……」
 普段はあまりSGのピットに入ることのない、『BOATBoy』のスタッフ・菅数浩が、感心したように呟いた。初めて目にする、SG初日のピット。整備のために駆け回る選手たちを見て、かなり驚いたようだ。
 そう、今日は選手たちの多くが、実に忙しそうに動いていた。これぞSG初日の風景。一回レースをしてみて、つかんだ手応えをモーターに投影させる。満足のいく動きだったとしても、シリーズが始まったばかりの今日、手を休めることはしない。誰もが、現状に納得することなどなく、さらなる上積みをはかる日なのだ。これはおそらく、明日の前半までそれほど変わらない様相。仮に今日の成績が悪くても、始まったばかりだからまだまだ巻き返しも利く。ひたすらパワーアップだけを考えて一日を過ごす、今日という日なのだ。

2006_0522___331  前半に引き続いて、整備室が大盛況。赤岩善生、秋田健太郎らが本体を割っている姿が見える。もっとも長い時間、取りかかっていたのは海野ゆかり。やはり本体を割って、整備士さんと相談しながら、必死の整備が続く。8R後に始まった整備は、なかなか終わりを迎えようとはせず、別件で11R前にいったんピットを離れた僕が12R直前に戻ってみると、海野はまだモーターと向かい合っていた。初日を6・6着と最悪のスタートとしてしまっただけに、当然といえば当然だが、それにしてもここまで整備に没頭する海野を初めて見た。明日、その成果が出ればいいのだが……。

 最後の最後まで試運転をしていたのは、寺田千恵だ。服部幸男、田村隆信、日高逸子、濱村美鹿子らが試運転からあがってきたのが10R発売中。彼らがボートを陸にあげて、これで試運転タイムは終了かな……というタイミングで、寺田が大急ぎでボートを水面に出そうとしていた。これまで見てきたSGでは、こうした行動は若手選手の特権であった。おそらくは操艇練習をも兼ねていると思われる、試運転のロングタイム・バージョン。それを今日、寺田が実行していたのである。
 その15分後、くらいだろうか。寺田の姿を、整備室で見かけた。試運転を終えて、さらに整備? いや、同県の先輩・川﨑智幸に何かアドバイスをもらっているようだった。川﨑は整備中で、寺田はカポックも脱がずに川﨑のもとに向かったようだ。その姿勢、素晴らしい! 海野同様に、この成果が出ることを祈りたい。

2006_0523__02_254  実にかいがいしく動いているのは……そう、やっぱり、濱村美鹿子だ。去年の笹川賞でもそうだった。今年の女子王座でもそうだった。濱村は、自らの整備・調整の合間に、相手が誰だろうと関係なく、作業の補助に飛んでいく。頭が下がるし、何もそこまで……という思いすら浮かんでくるわけだが、これがまさに濱村のマイペースなのだろう。後輩が20人弱もいるのだから、雑用は任せてもいいのに……なんて言ったところで、きっと濱村は今のパターンをやめないだろう。それが濱村美鹿子。こうしたアティテュードが、海野や寺田とおんなじだ、成績という成果に結びつけばいいなあ、と本気で思う。

2006_0523__02_316  今節の選手代表は、山崎義明。どの節でもそうなのだが、選手代表は自分の調整もそっちのけで、みなのために動きまくる。そんな姿を見ていると、いつも応援の気持ちは、他の選手よりも何割増しかになるわけだが、それはともかく。山崎もまた、今日はピットを縦横無尽に走り回っていた。で、今回そのサポートをしているのが、鈴木賢一。7年ぶりにSG参戦を果たした元気者が、中堅どころの役割だとばかりに、山崎を補助しているのだ。今日は、狭い戸田のピットでの架台の置き場所を二人で考える場面を見かけた。職員さんと相談しながら、どうすれば架台が作業の邪魔にならないのか、意見を交わしているようだった。今日は、山崎=2着、鈴木=3・1着。好発進は、何よりだ。明日からも、獅子奮迅の“活躍”を見せてくれるのは間違いない。山崎は、そんな仕事の合間に、関口智久と並んで、リードバルブの調整に没頭していた。機力のほうも、パワーアップ確実と信じたい。

2006_0523__02_231  ドリーム戦を勝ったのは、我らが気になる山崎智也。ただそれよりも、僕は松井繁に注目していた。SG復帰戦がドリーム戦。さすが王者というしかないが、松井にとってはドリームで当然、でもある。この舞台に帰ってきた喜びを爆発させるのか、それともそんな感傷など関係ないとばかりに王者らしさを見せつけてくれるのか。結果は4着と残念だったが、ピットに引き上げてきた松井は、やはり王者の風格があった。やっぱり、この人のオーラは特別だよなあ。そう思わざるをえない。これまで眠っていたものが、一走走ったことで完全に目を覚ました、というか。その一方で、ヘルメットの奥の目は、穏やかに笑ってもいた。SGに戻ってきたことで自然と心が緩やかになった……などと言ったら、松井に「違う」と言われてしまいそうだけれども、そんなふうにも思える優しい笑みが、たしかにシールドの向こうにはあったのである。4着という結果への苦笑いも何割かは含まれていたかもしれないが、それでも思わず引き込まれそうになる、いいスマイルだったと思う。やっぱり、SGに松井繁は不可欠ですよ!

2006_0523__02_033  さて、ドリーム戦を見事に制した、気になる山崎智也。早くも節イチ宣言が飛び出して、気分上々の様子がうかがえる。ピットでは、あまり普段と変わらない感じだが、闘志充実であるのは間違いないだろう。じゃれ合っていることの多い原田幸哉とも、今日はペラ室で真剣に話し込んだり。『BOATBoy』でインタビューしたときには、「(そういうときは)聞き流してます(笑)」なんて言っていたが、どうしてどうして、智也も凛々しい瞳を原田に向けていたぞ。今日のレースぶりを見ると、このまま突っ走ってもおかしくはなさそう。当然、明日もまた気になることは言うまでもない。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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本日の水神祭 初日!

 SG初出場選手が何人かいる今節、水神祭ラッシュも期待できますね! というわけで、本日の水神祭。今日はオープニングの1Rで、地元の関口智久が見事にSG初1着! 1回乗りということで、レース後モーターの格納が終わると、埼玉勢がどーんと集まって、さっそくお初の儀式が行なわれたのでした。

2006_0523__1_01_049  舞台は恒例のボートリフト。水面との高低差がけっこうあるため、リフトをぐーっと下げて、埼玉勢が関口を担ぎ上げる。おお、これはウルトラマン・スタイル! 競艇学校の教官として、69期や82期など数々の名選手を育てた小林雅人氏(全モ連)が、「もっと高いところからやれよーっ」とヤジを飛ばしますが、歓喜に沸く埼玉勢には届いていないようでした(笑)。せーので、放り込まれた関口は、空中で一回転! その様子は、下の連続写真をどうぞ。

 ともかく、総勢12名で地元SGを戦う埼玉軍団には、最高の景気づけとなりましたね。秋田健太郎、飯島昌弘も続きたいところでしょう。明日の水神祭は、誰だ!?(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)

2006_0523__1_01_031 まずはウルトラマンスタイルで持ち上げられる関口。須藤博倫や中澤和志も嬉しそうです。

2006_0523__1_01_034 せーの! で関口が宙に舞います。

2006_0523__1_01_036 うがぁぁぁぁ、いきなりまっ逆さまぁぁぁぁ!

2006_0523__1_01_037 そして一回転!

2006_0523__1_01_041 そしてこうなりましたとさ。関口、おめでとう! さらに勝利を積み重ねてください!


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歓喜に包まれて――初日、前半のピット

2006_0523__1_01_044  オープニングカード、関口智久がカドから速攻を決めて、水神祭! 地元勢にとっては、このうえない幕開けとなった笹川賞、さすがにピットは埼玉軍団の嬌声に包まれた。これは幸先がいい! 大挙12名の埼玉勢が一同に集結し、笑顔が弾ける。特に歓んでいたのは、同期の須藤博倫。1周2マークでほぼ大勢が決した瞬間、手を打ち鳴らしながら一足早くボートリフトに向かった。SGでは先輩となる須藤も、同県同期の最高のSGデビューが嬉しかったのだろう。SG笹川賞、まずは笑顔満開の開幕である。

Sany0058  埼玉勢といえば、もっとも新しいSGチャンプ・中澤和志。総理大臣杯を制して乗り込む地元のSG、力が入るシリーズだ。その中澤を、JLCがインタビュー。アナウンサーの質問にハキハキと応えていたのだが……そこに登場、滝沢芳行! カメラの後ろにまわって、中澤を笑わせようとしているのだった。チラチラと滝沢を見ながら、頬が緩む中澤。滝沢は、ついにADの真似事まで始めて、中澤は笑いをこらえるのに必死のようでした(笑)。うむ、埼玉勢、やっぱりいい感じです。

2006_0522___056  朝から、整備室もプロペラ室も盛況の様相。初日から、各選手はパワーアップに精を出す。整備室には、植木通彦、西島義則、原田幸哉、日高逸子らの姿があって、みな真剣な表情を見せている。そして、奥のほうにいたのは、おぉ、整備の鬼・今垣光太郎だ! 初日から本体を割って、整備士さんと話しこんでいる今垣。毎度毎度の光景ながら、毎度毎度頭が下がる。ただ、普段に比べて顔つきには余裕があるように見えて、おそらくは「どうしようもないモーターを立て直す」という整備ではなく、「さらなるパワーアップをはかる」整備であろうと推察される。ちょっと野暮用があって声をかけると、実に明るく落ち着きのある表情。うーん、いい雰囲気です。ドリーム戦には、どんなたたずまいで登場するだろうか。実に楽しみになった。

2006_0523__1_01_003  整備士さんと話しこんでいたのは、西島義則も同様だった。といっても、こちらはピットではなくて、ボートリフトの前。試運転からあがってきたあと、気になる部分を相談しているようだった。その西島、いったん整備室に入ると、3R終了後にボート引き上げのヘルプでボートリフトへ。それを見た辻栄蔵がペラ室から飛び出して、後を追う。ところが、腑に落ちなかった辻は出走表を見直して、広島勢もしくは中国勢が出走していなかったことを確認した。「西島さん、誰の(ヘルプ)?」と聞いた辻に、西島は「あら? いなかったっけ?」。西島、単にレースを間違っていたらしい。「ワシは働きものじゃけぇ、行ったんだよ」と大笑いで整備室に戻っていった西島、ちょっとバツが悪そうでした(笑)。それだけ整備に集中していたんでしょうね。

 4R前、ボートリフトで困っていたのは、山﨑昭生。整備を終えて、プロペラを装着、試運転に出ようと、ボートをリフトのほうまで運んだ山﨑。ところが、なぜか係りの人が席を外していて、リフト周辺には人影がない。あたりをキョロキョロしながら、呆然と立ち尽くすが、しばらくしてボートを装着場まで戻してしまったのだった。僕も、係員を探してあたりを見回したのだが、なぜか見当たらなくて、すみません山﨑選手、お役に立てませんでした……。で、その直後、松井繁がボートを降ろそうとして、リフトのところにあったボタンを押して係員を呼んでいるのを目撃。ああ、呼出し用のボタンがあるんですね。山﨑選手に教えてあげればよかった……。

2006_0523__1_01_075  さてさて、ドリーム戦インタビューでは気分上々に見えて気になる山崎智也。その姿を見かけたのは整備室である。昨日と同様、ペラを丹念に磨いている様子で、微調整に余念がない。マスクをしていたのが、ちょっぴり気がかりではあるが、精力的な作業が実を結ぶと信じたい。まずはドリーム戦を注目!(PHOTO/中尾茂幸+黒須田=中澤&滝沢 TEXT/黒須田守)


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戸田天皇ノリノリ、ドリーム選手インタビュー!

 開会式のあとは、恒例・ドリーム戦出場選手インタビュー。ファン投票上位6名が選ばれる笹川賞のドリーム戦、艇番順に一言ずつ。

Nu2r0015 ①号艇・山崎智也
「もともとスタートはよくない選手なんですけど(苦笑)、今節は勝負しようと思います」
 足はバッチリ、そのせいか好ムードの智也。スタート勝負宣言まで飛び出して、早くも主役奪取の気配濃厚です。
②号艇・今垣光太郎
「ドリーム戦は、優勝戦のつもりで走ります」
 おぉ、ある意味、勝利宣言ですな。笹川賞には誰よりも深い思い入れを持つ今垣だけに、これは無視できないコメントですぞ。
③号艇・濱野谷憲吾
「深くなるようなら、外でもいいです」
 コースについて、こうコメントした濱野谷。この余裕が、怖いような気がするがどうか。心身充実ぶりがうかがえます。
Nu2r0016 ④号艇・植木通彦
「スローから行くかダッシュから行くか、特に考えてません」
 こちらもまた、自在にかまえて自分のレースを! という植木。戸田は初SGをゲットした水面、しかし最近はFやら失格やらに悩まされている。悪い流れを払拭したいですね。
⑤号艇・松井繁
「勝率のわりには動いてます」
 インタビュアーが「おかえりなさい」と言ったように、とにかくSG復帰の松井の走りは待ち遠しい! モーター勝率は気にしなくてよさそうだぞ。
⑥号艇・池上裕次
「コースは、お客さんの拍手が多ければ……(パチパチパチ)これくらいだと五分五分ですかね(パチパチパチパチッ!)間違いなく動きます(笑)。もしダメなら、6コースから潔くバシッとスタートを……30くらいで(笑)。(戸田は得意であることに触れて)戸田でしか記念勝ってなくてすみません(笑)」
 なんかもう、チョーゴキゲンの戸田天皇・池上。「ここは真面目な場ですから、真剣に」と言いながら、終始ギャグを飛ばしてました。地元SGのドリーム戦、嬉しいんだろうなあ。

 ドリーム戦は16時40分締切。楽しみに待ちましょう!(黒須田守)


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初日はやっぱり開会式!

Sany0041  笹川賞開幕! 戸田競艇場は朝から萌えてます……ん? 燃えてます、か。初日の朝一といえば、開会式。イベントホールの特設会場は、立錐の余地もないほど多くのお客さまが集まり、そしてステージ上にはメ、メ、メイド!? そうです、今日は6R発売中に「完全メイド宣言」のライブもございますので、みなさんお楽しみに。
 このメイドには、選手のみなさんも萌え萌えだったようで、寺田千恵が「みんなカッコいい選手ばっかりですが、裏ではメイドを見てウハウハ言ってます。そんな人たちには絶対負けませ~ん!」。だはは、何はともあれ、いい感じで盛り上がる笹川賞の開会式でありました。

 選手たちの挨拶をいくつか。
「やるぞー! いくぞー! 吉幾三! 調子がいいので、もうひとつ。1、3、5、7、素数!」(烏野賢太)
 うーむ、あんまりグレイトじゃないっす……。
「ケンタ、うるさいっ!」(上瀧和則)
 だはは、烏野さん、上瀧さんに突っ込まれちゃいました。
「男らしい走りで、頑張ります!」(赤岩善生)
 たしかに、実に男っぽい風貌の赤岩選手であります。
「今節は燃えて(萌えて?)ます!」(中野次郎)
 次郎さん、どっちのつもりで言ったんですかね?
「投票してくれたファンのために……じゃなくて、ご主人様のために頑張ります」(山崎智也)
 なんだかみなさん、ノリノリっす。そんななか、濱野谷憲吾がキャップを客席に投げ込もうとしたら、勢い余って、後ろで並んでいる選手のほうへ飛んでいくハプニングも。太田和美が拾って、ニッコリ笑ってました(その後、投げ込んでました)。

Sany0035  なお、ほとんどの選手が「たくさんの投票、ありがとうございました」と、この笹川賞に送り出してくれたファンの方々に対する御礼を口にしていました。ファンの思いを背負って走る、笹川賞。我々も、熱く応援していきましょう!(黒須田守) 


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前検日フォトアルバム

おはようございます! いよいよ笹川賞! 2カ月ぶりのSG開幕!であります。戸田競艇場はやや曇り空ですが、今日から熱戦の連続は確実! おおいに盛り上がっていきましょう! 前検日のフォトアルバムです。(PHOTO/中尾茂幸)

2006_0522___101 SGに戻ってきました、松井繁! おかえりなさい! あなたがいてこそSG!

2006_0522___099 この人も久しぶりのSG。地元で復活のノロシ! 鈴木賢一

2006_0522___355 総理杯のF&転覆から、心機一転SGに登場。リベンジを果たせ、笠原亮。

2006_0522___363 そしてこちらはSG初出場、秋田健太郎。大穴をぶち開けろ!


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こんなシーン、目撃しました

戸田競艇場といえば、漕艇競技が行なわれる、「戸田漕艇場」と地続きになっています。私の記憶が確かなら、東京オリンピックでも使われた漕艇場のはず。ともかく、日本有数の漕艇場であり、そしてみなさん、競艇場の水面も、コースの一部として使用されているのであります。発走ピットの向こうに、漕艇用のスタート地点も見えますから、レースをご覧になるときには、注目してみてください。

で、そんな理由もあって、非開催日の戸田競艇場の水面からは、ターンマークもスリット板も5mポールも45mポールも85mポールも100mポールも小回り防止ブイも消波装置も、ぜーーーーんぶ、撤去されているんですね。朝一で競艇場に到着した取材班は、まさになーんにもない水面を、まずは目の当たりにしたわけです。

Sany0717 そんでもって、当然このままでは競艇ができない! というわけで、前検日の今日、朝からコース設置が職員さんたちの手で行なわれるわけです。そんな場面で目撃した、おおっ、曳航されるターンマーク! ターンマークがこんなふうに運ばれるのは、初めて見ますなあ。こうして、コースはきっちりと整い、明日の笹川賞開幕に向けて、準備万端!となったわけです。珍しい光景だったので、アップしてみました。(黒須田)


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凝縮された空気――前検のピット

Sany0016  戸田のピットは非常に狭い。これまで訪れたなかで、もっとも狭いのではないだろうか。そして今日は、慌しい前検日。展示、スタート練習を終えて引き上げてくるボートを選手たちが総出で出迎える際には、装着場はにわかに大混雑だ。ボケーッと突っ立っていると邪魔になるから、大慌てで隅っこに身を隠さねばならない。それでも、すぐ目の前を選手たちがテキパキと駆け回るのだから、できるだけ目立たないように小さくなる必要がある(体重100kg超の巨体だから、無駄な抵抗のような気もするが)。というわけで、それほどの狭さということもあって、選手たちがすべての作業を終えた後には、ボートが整備室の中に格納される。整備室が艇庫を兼ねているというわけだ。おぉ、これは初めて見たぞ。ともかく、だ。選手の息遣いや必死な表情が実に間近に感じられ、空気が凝縮しているように思える戸田のピット、である。

2006_0522___420  ペラ室を覗いたら、今村豊があぐらをかいて、ペラ調整に励んでいた。すぐ近くでは矢後剛がペラを叩いており、今村は時折、矢後のほうに視線を向けて、何事か話している。そのたびに、矢後の頬が緩んでいたから、軽妙なジョークでも飛ばしていたのだろう。いやあ、本当に元気一杯です、今村豊! 今日の表情は、今節の大暴れを予感させてくれるものだった。まずは明日の11R、楽しみに待ちたいと思う。あ、今日のペラ室はひたすら大盛況。SGらしい前検の風景、である。

2006_0522___424  整備室では、西島義則が本体を割っていた。整備士さんに相談しながら、中身を覗き込んでいる。点検なのか、早くも部品交換をしたのかはちょっと確認できなかったけれども、この慌しい前検に、テキパキと作業を進める姿勢には頭が下がる。これまでのSG前検日では、誰も走っていない処女水面に一番乗りで飛び出し、ブインブインと試運転をする西島を何度も見てきた。今日は、一番乗りこそ飯島昌弘に譲ったものの、江口晃生に次ぐ3番目に水面に登場し、颯爽と走っていた。この仕事の早さこそ西島義則! 明日は10R1号艇、早くも本領発揮の舞台だぞ!

2006_0522___070  ギアケース整備をしている選手も多かった。今垣光太郎、江口晃生、山﨑昭生、日高逸子……ざっと整備室を眺めただけでも、ギアケースを手にする選手を何人も見かける。そのなかで、ちょっと表情が冴えないように見えたのが後藤浩。出身(現住所)は東京でも、れっきとした埼玉支部、つまりは地元SGの笹川賞。大挙12人を送り込んだ埼玉勢のなかでも、大きな期待がかかる一人だが、ちょっと気になる不安げな顔つきだった。引き当てたモーター33号機は、複勝率38・8%。数字的には悪くないのだが……。明日の走りに気を配ってみたい。
 整備室ではそのほか、寺田千恵と山本浩次が柔らかな表情で情報交換しているのを見かけた。おお、意外な顔合わせ……と思いきや、二人とも岡山ですね。いまだにテラッチ=福岡というイメージが抜け切らない私でした。山本“ミスター不動心”浩次も、今日のところは穏やかな雰囲気。明日からの不動心っぷりを期待するとしよう。

2006_0522___013  ドリーム組で雰囲気がいいのは、濱野谷憲吾。H記者が西の大関と、その足色を評価しているが、おそらく本人も手応えを感じているのだろう。ドリーム戦共同記者会見でも、余裕すら感じるたたずまいで、ぽろっと冗談を言っては笑みが漏れる。うーん、いいなあ。コースは「出てからでないと、なんとも。……池上さんがどう動くかわからないし。関東の先輩ですからね」とニヤリ。超訳すると、「池上さん、前付けしたければ、どうぞどうぞ。3コースでも4コースでもノープロブレム!」ってところでしょうか? 1週間前の芦屋周年制覇も、精神的なエネルギーになっているか。とにかく、いい感じです!

2006_0522___011  さてさて、今節もやっぱり気になる山崎智也。前検の航走を終えると、インタビューを受けたりするほかは、最後まで整備室にこもっていた。奥のほうで、ペラを丹念に磨いていたようである。だから、あまり表情をうかがうことはできなかったが、何しろ濱野谷が「ドリーム組では、智也が良かったですね」と言ったように、機力は早くも絶好調の様子。今節は智也スマイルが連発される予感がするぞ。智也ファンは、乞うご期待!といったところだろう。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=整備室内 TEXT/黒須田守)


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戸田に選手が続々と

Sany0014 さあ、戸田にオールスターが集結して、いよいよ笹川賞が開幕です! 記者席でもろもろと仕事を片付けて、10時30分過ぎにピットに向かうと、おぉ、すでに選手が続々とやって来ているではありませんか! 最初に出会ったのは、笠原亮。総理大臣杯は悔しい結果に終わり、今回はまさにリベンジマッチとなります。いちど取材でお世話になっていることもあり、私の顔を見るや、笑いかけてきた笠原。応援してます! その後、江口晃生と笑顔でなにやら話していました。

Sany0006 おっと、今村豊が、元気一杯でやって来た! 濱村芳宏とともにピット入りした今村、ハツラツと現われると、やっぱり嬉しい! そして、やはりビッグレースには欠かせない存在だと思い知らされるのであります。今節も僕らを楽しませる走りを見せてください。今村に続いては、植木通彦、上瀧和則、今垣光太郎など、ビッグネームが続々と……うわぁ、写真が間に合わないよー。そして、SGにお帰りなさい、松井繁! 昨年のオーシャンカップ準優でFを切ってしまい、以後のSGでは姿が見られなかった王者が、ついにSGのピットに帰ってきた! やっぱりこの人がいると、SGがより輝きます! とにかく、鋭いオーラをまとった松井を楽しみにしています。

Sany0013 笹川賞といえば、女子選手。海野ゆかり、濱村美鹿子、日高逸子らが続々と到着し、おっと、寺田“テラッチ”千恵の姿も!『BOATBoy』でインタビューしたH記者の姿を見つけると、「あぁ、この間はありがとうございましたぁ」ととびきりの笑顔。う、う、美しい……。総理杯では横西奏恵が優出し、寺田が5年前に成し遂げた偉業が再びクローズアップされたわけですが、今回はぜひ自分であの興奮を再現したいもの。気合の走りで、盛り上げてくださいね!

Sany0004 「おはようございます!」。声をかけてきたのは、SG初出場、中村亮太! 新鋭王座の際、すっかり仲良しになったH記者に、ニッコニコで話しかけてきたのでありました。H記者の要望に応えて、さっそく取り出した亮太スペシャル! 新鋭王座のときに予言していたニューバージョンも誇らしげに見せてくれたのでした。大きな話題を巻き起こした革命的プロペラは、果たしてSGを席巻することができるか。その走りには、注目せざるを得ないでしょう。Sany0003 「緊張してません?」と聞くと、「そういうタイプじゃないですから。マイペースなんですよね」。気後れしている様子がないのも好感で、とにかく期待大です! H記者も応援している、頑張れ亮太!

早くもSGの顔になってきた戸田競艇場。春の大一番を制するのは果たして!?(黒須田守)


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1周年!

Sany0721 おはようございます。取材班、ただいま戸田競艇場に到着いたしました。いよいよ笹川賞、開幕。このあと、選手到着、モーター抽選、前検を取材し、随時更新していきます。

思えば、Sports@Nifty競艇特集がスタートしたのは、昨年の笹川賞からでした。あれは常滑競艇場、初めての試みにただただ手探りで取材、更新を行なったのが、ちょうど1年前だったのです。そう、Sports@Nifty競艇特集は、この笹川賞でちょうど1周年を迎えたのであります! 昨年は、果たしていつまでこのサイトが続くのやら、まるで想像もしないままに常滑入りした取材班。それがこうして1周年を迎え、今日、戸田競艇場にいるのですから、感慨深いとしか言いようがありません。これもすべて、当サイトをご覧いただいてきた読者の皆様のおかげであります。本当にありがとうございます。

今節も、1周年に恥じない記事を更新するべく、取材班一同、頑張ります。本日から優勝戦までの7日間、どうぞよろしくお願いいたします。そして、新たな1年を迎えて、今後ともご愛顧いただけますよう、重ねてお願い申し上げます。よしっ、張り切って取材に行ってきまーす!(取材班・黒須田)


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