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ボートレース特集 > 2006グランドチャンピオン決定戦
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
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紙一重――優勝戦、後半のピット

 名人戦の優勝戦光景が再現されたわけではないのだが、「緊張の1周1マーク」から坪井康晴が抜け出した瞬間、大きな拍手と歓声がピットを包んだ。
Img_4400b  なにせ、地元・静岡、坪井のSG初優出である。運営の手伝いに来ていた若手選手や、浜名湖のスタッフたちがこれを応援しないわけがなかった。食い入るようにピットでモニターを見つめていた誰もが、自然発生的に安堵の声をあげ、喜びを表現したのである。
 今年3月の女子王座の際にも、準優で徳増宏美が2着に入ったときには、これに近い現象が起きていたのだから、静岡の選手やスタッフは本当に熱い! いや、普段の様子を見ている印象から言えば、熱いのではなく温かいといったほうが適切だろうか。温かいうえに、仲間意識も強いのである。菊地孝平などは、レース後、坪井がまだウィニングランも済ませてないうちから迎えに出て、ひとりバンザイをしながら、自分のことのように喜んでいたものだ。
 前半のピットリポートでも書いたことだが、朝から坪井の表情が硬かったことは、事実だといっていい。それは優勝戦直前まで変わらなかったし、1号艇でのSG初優出で、緊張と無縁でいられるわけがない。先輩の服部幸男や仲間たちと話をしているときなどには笑みを浮かべていることも多かったものの、そんな笑顔はどこか強張っているようにも見えていた。
Vs3i0064b_1  勝利者インタビューにおいて、坪井は「これがホームゲームなんだなという気がしました」とも話していたが、周囲の温かい声と気持ちが、坪井を後押ししていた部分もあったのに違いない。
 レース回顧については、別の記事で挙げられているが、「0.03のスタートと、1周1マークの微妙な旋回」という紙一重のレースぶりからいっても、坪井は、いろんな意味でギリギリのところで戦っていたのだろう。
 普段から、レース前には「10分前にカポックを着る」などと、小刻みなタイムスケジュールを決めているという坪井は、今日もその通りにレース直前の時間を過ごしていたそうだ。
 たとえば本番ピットに入ってからは、長い時間、「何かを拝むようなポーズ」を取っていた。昨日も同じ様子が見られていたので、これもやはり「いつもの決められた行為」なのだろう。拝みポーズのあとには、ボートに仰向けのようになって精神集中……。そして、ピット離れの間際には、最後の屈伸運動……。そうした「一連の予定行動」の中で、アドレナリンが頂点に達したのか、逆に鎮められたのか。そのどちらなのかは、わからなかったけれども、それによってようやく、あのギリギリの戦いができる精神状態になっていたのかもしれない。
 紙一重の部分もあったとはいえ、坪井が「強い心」の持ち主であることは間違いない。その勝利は心から祝福したいし、今後の飛躍も期待したいところだ。

Img_4351b  優勝戦間際の時間帯において、目を離せなかったのは辻栄蔵(3着)だ。とにかく、レース前1時間くらいの辻はすごかった!
 他の選手などに声をかけられたときには「ハハハハ」と大きな笑い声を上げたりしていたものの、それ以外のときには、ひたすらペラと向き合い続けていたのだ。朝からずっと、ペラ調整は続けていたのだが、とにかく片時も目を離したくないような状態になったのは10R前あたりからだ。
 ボートにペラを付けてエンジンを回したあとに、「哲学者」のような顔つきになり、長く考え込む。そして、ペラを外すと、ペラ小屋に駆け戻り、再びペラを叩く。そんなことを、何度も何度も繰り返していたのである。
Tsujidash  納得いかない部分が大きすぎたのか。それとも、ある程度まで納得できているからこそ、これ以上は考えられないというほどの極限状態にまで持っていきたかったのか……。
 そのどちらなのかは、なかなか判断がつかなかった。なにせ、ボートとペラ小屋の往復作業は、11Rの締め切りが「あと3分」だというアナウンスが流れるまで続けられていたのだ。そして、発売締め切りが間もなくであることを知らせるブザー音が鳴りだしてから、ようやく駆け足で戻っていったのだ。それから数分も経たないうちに、展示ピットに入るため、カポックを着て出てきたのだから、忍者さながらの綱渡りだったのである。
 展示航走のあとで見られた辻の顔には、さすがに憔悴の色が見られたものの、納得できているような笑みが浮かんでいた。その際の通り道で、インタビューを受けていた菊地の前を通るときには、カメラに向かって、おちゃらけた顔まで向けて「いらぬサービス(?)」をしていたほどだ。
 やはり、あの時点で辻は、納得の仕上がりにできていたといっていいはずだ。レース後には「スタートはナイスショット」「出足は良かったし、乗り心地も良かった」とコメントしている。
 また、1周1マークの紙一重の攻防については、坪井が「辻選手に申し訳なかった」ということを何度も繰り返していたのに対して、あれは「自分の判断ミス」と言ったのだから、辻という選手は、どこまでも気持ちがいい男だ。
 心技体――。今日の辻は、背中にそんな三文字が書かれたTシャツを着ていたが、それらが揃っている男だとも言っていい。

 残りの四選手についても、レース後はそれぞれに、結果を納得できていたようだ。
Img_4291b  とくに2着の山崎智也は、結局、今日は、ほとんどモーターやペラを整備し直すことがなかったが、昨日の時点で仕上がりに納得できていたからこそ、手をつける必要がなかったのに違いない。午後になってからも原田幸哉や向所浩二と話しながら、曇りのない笑みを見せているようなところが何度も見られたものだ。
「1マークでもっとしっかり差してよけばよかった」と、あの攻防を振り返りながらも、「エンジンは十分、納得している」「これでスタンダートでもいけるのがわかりました」とコメントしている。
 今日にしても、1着は取れなくても2着は外さない。そんなレースができる今の智也は、やはりすごい!
(PHOTO/山田愼二、池上一摩=辻・下 TEXT/内池久貴)


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優勝戦回顧

Img_0365_1 ①坪井 康晴
②辻  栄蔵
③森  竜也
④山崎 智也
⑤烏野 賢太
⑥向所 浩二

 垂直に。力強く。ゴールを通過したと同時に、坪井の拳が天高く突き上がった。SG初優出、地元選手の唯一の生き残り、1号艇、圧倒的1番人気……。心の中に澱のように溜まっていた重い物を、一気に吐き出すかのように。
 坪井はたったひとりで戦った。支えてくれる仲間はいたが、水面ではひとりだった。SG初優出初優勝を、坪井は成し遂げた。
 地元の英雄誕生の瞬間を、観衆は大歓声で讃える。それに応えるよう坪井は拳を上げる。また観衆が声をあげる――。ガッツポーズの力強さと、歓声の大きさは、グルーヴしながらどんどん大きくなっていく。坪井とスタンドが一体となった。

Vs3i0054_2前日12レースを逃げ切ったあとから、坪井には無形のプレッシャーがかかっていたはずだ。さらに優勝戦のスタート展示では、コメントどおりに烏野が動く。山崎もスローの5コースを選択する。スローに入った4人は、坪井にワンミスがあれば襲い掛かる腹づもりだ。坪井はさらなる憂いを抱え、本番に挑むこととなった。
 長い長い締め切りベルが鳴り終わり、スタンドに一瞬の静寂が訪れる。眼前で動いているのは、水面を打つ雨だけ。そこに6色の艇が放たれる。
 坪井はしっかりしたピット離れで、インの死守に成功する。烏野は展示どおりスロー4コースに入り、展示でスロー5コースを選択していた山崎が5カドを選択。グラチャン決勝の進入は1235/46で固まった。
 インの坪井は、さほど深い進入ではない。しかし、さほど深い進入ではないのにスタートミスをしてしまうのが、SGの恐ろしさだ。どうなるか? みな固唾を呑んで見守る。 アウトの向所が勢いよく加速する。山崎もそれについていく。内4艇は似たようなタイミングで艇を起こす。残り85m、45m、5m、スリット。

Photo_9  艇が横一線に並んだ。いや。正しくは2号艇の辻が外の4艇より、4分の1艇身ほど。さらに1号艇が辻より6分の1艇身ほど抜けていた。プレッシャーを振り払うように、全速スタートを決めた。乾坤一擲のコンマ03。これじゃ、プレッシャーも追いつくことができない。
 坪井が勢いのままに伸びていく。1コースから、超抜エンジンが全速トップスタートを決めたのだ。ターンマークさえ外さなければ、間違いなく勝てる。同じく好調機の山崎智也が追いすがってくる。

「ん……んっ」
 ピットにいた、静岡勢は息を呑んだ。
「あぁぁ……」
 記者席にいた数人はため息を漏らした。
「え……」
 対岸から1マークの写真を狙っていた、Iカメラマンは一瞬戸惑った。

 
Photo_10  坪井が大きくターンマークを外したのだ。まくりから、差しに切り替えた、山崎も大きくブイを外す。大きな差し場が、ポッカリ口を開いている。
「肝心かなめのところで、坪井はプレッシャーに負けた」
 本来ならこのような原稿になるはずだった……のだが、ほかの4選手もターンマークを外したのだ。レース前、ひときわ坪井のプレッシャーに関する話が語られていたが、じつは他の5選手にも、大なり小なりプレッシャーがあったのではないだろうか。それが1マークにあらわれたのではないだろうか。
 失敗をリカバーするため、思いっきり体重を移動させ、サイドをかける坪井。すぐに艇は立ち直り、内の山崎、最内を突いた向所を置き去りにする。
 2周1マーク。失敗から復活を遂げた坪井は、こんどは完璧なターンを決めた。第16代グランドチャンピオンが決まった。

Photo_11  スターの資質。それは『勝つべきときに、勝てること』だ。今日の優勝戦は、坪井にとって掛け値なしの『勝つべきとき』だった。
 資質を備えていることは、きょう証明された。次のSG、若松オージャンC、グラチャン優勝で権利を取ったMB記念、そして賞金王決定戦。資質だけでなく、正真正銘のスターであることを証明してくくれるのは、どのSGになるのだろうか。

(PHOTO/1・2枚目 山田慎二 3~4枚目池上一摩 TEXT/姫園淀仁) 


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坪井康晴、水神祭!

 坪井康晴、グランドチャンピオン決定戦、優勝おめでとう!
 坪井は、これがSG初制覇。となれば、当然! そう、水神祭であります! 今節はキング・オブ・SG、昨年のSGで活躍した選手たちの祭典なので、“SG初勝利”の選手はいませんでした。しかし! SG初制覇の選手はいた! そしてそのうちの一人、坪井康晴が優勝したのであります!

Cimg0450  今日のピットには、地元・静岡支部の若手選手が大量に駆けつけていました。1、2、3……8、9、……うがぁぁぁ、何人いるか数えられん! お揃いのオリジナルTシャツを着て、ピット片付けのお手伝いをするかたわら、坪井先輩を応援したわけです。おっと、今節はF休みのため参戦できなかった、笠原亮の姿も!「いやあ、良かったですねえ!」と、笠原も坪井の優勝に大喜びであります。
Cimg0474  表彰式、JLC出演を終えた坪井は、そんな彼らが待つボートリフトへ。おぉ、今節出場の佐々木康幸、野長瀬正孝、服部幸男、そしてもちろん同期・菊地孝平の姿もあります。師匠の牧野俊英さんも、場内解説の仕事を終えて、やって来ました。ん? なぜか原田幸哉もいますな。「おいおい、愛知支部が一人、混じってるぞ」なんて、からかわれてました。

Cimg0482  さあ、お待ちかね、水神様の儀式、開始です! スタイルは、ウルトラマン・スタイル! せーの、でボートリフトから、どっぼーーーーーーんっ! けっこう高さがあるため、ものすごい音を響かせて、坪井が水面に吸い込まれていきました。おめでと…………ドッボーン! ドッボーン! ん? なんだなんだ? 水面を覗き込むと、うは、菊地、幸哉も落とされてるっ! さらには大橋純一郎ら若手も落とされていました。なんと、総勢5人が坪井とともに投げ込まれる、ド派手な水神祭。ピットでは、総帥・服部が嬉しそうにニヤニヤしております。この人が、菊地以下を突き落としたみたいですね(笑)。「ゴッドハンド」とか言ってました(笑)。服部も、チョーご機嫌!
 そんな仲間の前にズブ濡れで現われた坪井、この世の幸せをすべて手にしたかのような、嬉しそうな笑顔でした! 坪井康晴選手、SG初制覇おめでとうございます! このまま、賞金王に向かって突っ走ってください!(TEXT&PHOTO/黒須田守) 


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ペラ談義、流行中!?――優勝戦、前半のピット

 優勝戦の朝は、選手の動きが少ないのが常だが、今日はいつも以上にその傾向が強かった。優勝戦メンバーのなかで、ずっとピットで作業をしている姿が見られたのは辻栄蔵くらいで、他の選手の姿は、ちらちら見かけられるくらいのものだったのだ。

Img_3991b 今日の様子が最も様子が気になるのは、やはり1号艇の坪井康晴だ。
 1Rが行なわれている頃、自分のボートを挟んで、ペラを見ながら服部幸男と話をしていたほか、比較的よくピットで姿が見かけられたが、笑顔などは見られていても、その表情はやはり「硬い」と見ても間違いではないはずだ。
 今年の総理杯では、1号艇の湯川浩司がレースが近づくにつれて表情を硬くしていたのが印象に残っているが、そのときにも似た感じに思われた。
 ただ、その総理杯では、やはりレースが近づくにつれて表情を硬くしていた中澤和志がレース直前になって何かを吹っ切ったような顔つきになって、見事に勝利した例もある。
 坪井もそうした気持ちの切り替えができるのか……。
 最後の最後まで目が離せないところである。

Img_4014b  坪井にくらべてリラックスムードが色濃かったのは、烏野賢太だ。
「(優出は)慣れたものですから」という昨日の言葉に偽りはなく、TVインタビューを受けていても、終始、笑顔を絶やさずジョークを飛ばす。
 選手控室のほうへと消えていく間際には「雨、降るんかなあ」と口にしていたが、あやしい雲行きの中、このまま気温や湿度に大きな変化がなければ、ペラなどには手を出さずにレースを待つことになるのかもしれない。
 この様子は、先の笹川賞における優勝戦の日とはかなり異なるものなので、仕上がりに関しては、ある程度、納得できる状態になっているのだろう。

Img_4002b  辻栄蔵の様子も、いつもと変わりない。
 1R前にはボートのチェックをしていたが、1Rに出走した市川哲也のボートを手伝って、それがひと段落したあとには、二人でペラ小屋の中へと入っていった。
 トントン、トントンと、ペラを叩くわけではなく、長いあいだ、ペラについてを二人で話している様子だった。
 その後は、顔の上方に掲げたペラを見つめながら歩いている様子なども見かけられたが、こんな行動も、ふだんのピットでよく見かけられるものだ。
 朝の優勝戦メンバーインタビューでは「おはようございます!」と大きな声を出していた辻だが、このまま平常心で、レースを迎えるものと見ていいはずだ。

Img_4097b  朝の様子がなんとも微妙だったのは向所浩二だ。
 いつもどおりの表情なのか、やや緊張気味なのか……。
 何度か見かけたなかでは判断はつきかねた。ただ、いずれにしても、普段のピットにおける様子と、とりたてて大きく変わっているような印象は受けなかった。
 ペラ小屋にいたかと思えば、ボートにペラを取り付けて、試運転に出て行く……。
 それら一連の作業はかなり素早いものだったが、バタバタしているような感じは少しもなかった。

Img_4042b  朝のピットで、「自分の作業」をしている様子が見られなかったのは山崎智也だ。
 2R出走の秋山直之、3R出走の江口晃生がレースから引き上げてくるときだけ、手伝いに出てきて、一連の作業がすめば、姿を消していく。
 少し不機嫌な感じにも見える顔つきで、ゆったり歩いている姿は、昨日とまったく変わらない。
 やや不機嫌に見えるという点にしても、これは「いい男」が集中力を高めているゆえに、そんなふうな印象も受けるというだけで、人に声をかけられたりすれば、すぐに表情をゆるめる。
 こうした切り替えができているうえ、整備の必要もない段階になっているのだから、今日のレースの中心となる存在であることは、やはり揺るがない。

Img_4072b  午前中、なかなか姿を見かけられなかったが、昼前になって、整備室でペラを見つめている姿が見られたのが森竜也だ。
 ピットのいちばん奥に置かれていたボートにはすでにペラが取り付けられていたので、ペラ交換をするのかとも思われたが、これについては、その後に本人に確認してみたところ、「たぶん、しないと思います」との回答だった。
 今日のレースの準備はすでに済んでいるので、別のペラを見ていた、といったところだったのだろう。
 しばらく整備室でペラを見ていた森はやがて、今日の2Rで勝利していた同期の植木通彦とともに出てきて、水面際に行くと、やはりペラについてを熱心に二人で話していた。和やかなムードで、この二人が会話をしているところが見られて、なんだか得した気分にもなったほどだ。

 今日の優出メンバーの中で、他選手とペラについて話していたのは3人。べつにペラ談義が流行っているわけではないのだろうが、それだけバタバタする必要もない状態になっている選手が多いということなのだろう。
 こうした状況で迎えられる優勝戦が、ますます楽しみになってきた。
(PHOTO/山田愼二 TEXT/内池久貴)


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優勝戦 出場選手インタビュー

6_1  人、人、人。浜名湖競艇場サンホールは人で埋め尽くされていました。開門してすぐに、入場制限。そんな熱気のなか優勝選手インタビューははじまりました。

坪井康晴
朝からたくさんのお客さんに来ていただいて、嬉しいです。
やることはやったし、今日やることも決まっています。エンジンは満足いく仕上がり。あとはペラを微調整するくらいです。進入はインしか考えていません

辻栄蔵
僕のために集まってくれてありがとう(笑)。
ピット離れがよかったら、インを狙います。エンジン? う~ん……いいと思いますよ。

森竜也
早く小力が始まらないかなぁ~。
何も考えていません。僕にしてはエンジンも上出来。展開をつく以外は考えていない。スタートは1艇身で。今日も(配当が)つくと思うんで買ってください。

山崎智也
戸田(笹川賞で優勝)のエンジンに近いくらい出ている。戸田は行き足から伸びがよかったけど、今回は乗りやすさ。枠なり。できれば引っ張りたい。スタートは10~一艇身。優勝して帰ります。

烏野賢太
展開を作りたいけど、みんなスゴいからねぇ。
勝機は40%くらいはある。進入は最高で3コースまで。スタートは10が理想。それより速かったら、アジャストしてしまうんで。10なら全速で行ける自信があります。

向所浩二
日に日に良くなっている。乗りやすさ、行き足、バランスがいい。内がゴチャついた6コースがほしいです。Sは見えています。

 7時間後、サンホールに帰ってくるのは、いったい誰か?

(PHOTO/池上一摩 TEXT/姫園淀仁)


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汗。――準優勝戦、後半のピット

1_10  「暑い……」
 10R終了直後、西日を顔に浴びてのTVインタビューが始まろうとしていたとき、勝者・森竜也は、開口一番そう言って、汗をぬぐった。
 このインタビューに対しては、どう答えていいかわからないというように戸惑っている感じもあったほどだ。その後の記者インタビューでは、「まだ優出の実感はないですね」「7月からA2になるので、これが最後のSGになるかなとも思っていたんで、まさか優出できるとは考えてもいませんでした」とも話していたように、この勝利にいちばん驚いたのは自分自身だった部分もあったのかもしれない。
 今日は、0.03のスタートを決めておきながら、「元来、ゼロ台の選手じゃないんで明日はマイペースで行きます」とも語っていたが、このまま無欲、無心で優勝戦に臨めるようなら、明日も怖い存在になってくるはずだ。
 このレース後、同じ東海勢として温かい拍手で森を迎え入れていた菊地孝平は、その後にスリット写真を見て「いいスタートだ」と、ぽつりと言っていた。あそこまでのスタートが、もう一度見られる可能性は低いのかもしれないが、汗の匂いがするような会心のスタートは、もう一度見られる可能性はあるだろう。

2_6  2着の向所浩二は、レース後、なんとか興奮を抑えているようにも見られたが、最初に発したセリフは「嬉しいですね」という正直なものだった。
 記者インタビューの席に着いた頃には、すっかり表情もほぐれていて、「今のところ、プレッシャーはない」とリラックスした様子を見せていた。
 こちらもやはり、軽視はできない存在だ。
 ……なお、向所は「この服の唐草模様を流行らせる」とも意気込んでいた。

3_7  11R。2着の烏野賢太は自分でバンザイしながら帰還!
 先に書いた二人にくらべても、素直に喜びをあらわしながら、TVインタビューでは、アクション付きでギャグまで飛ばすほどの余裕があった。
 その後には、「気楽に行きます。慣れたものですから。……当たるも八卦、当たらぬも八卦です」ともコメント。
 これを翻訳するならば、「勝つか負けるかは五分五分」ということなのか……!?
 烏野の場合、優勝戦当日になっても、熱心に整備を続けるタイプなので、明日の動きにも注目したい。

4_6  順番が逆になったが、11Rの勝者は辻栄蔵だ。こちらは、レース後にインタビュー場所への移動を促されながらも、なかなかボートの傍から離れない独特のふるまいを見せていた。
「明日もどん欲にいきます」と話していたが、今日も9R前まではペラ調整をしていたように、その姿勢はあくまでストイック! こちらも烏野同様、明日もレース直前まで、整備などを続けているのではないかと予想される。
 インタビューなどがひと段落したあとの辻は、太田和美(11R/3着)と互いにしつこいほど頭を下げ合って、太田の去り際には、ひときわ大きな声で「ありあとござあす!」
(↑もちろん「ありがとうございます」と言っているのだが、競艇選手たちが大きな声で礼をすると、こんなふうに聞こえることがある)。
 レース後、同県の西島義則と話しているような場面は見られなかったが、やはり元気に「ありあとござあす!」と言っていたことだろう。いくらえげつない進入があったといっても(スタート展示後に辻は、「あれは艇番、関係ないですね」と苦笑いしていた)、戦いが終わってしまえば、あとは気持ちのいい「礼」が交わされる。
 明日の優勝戦のあとにも、結果を問わず、気持ちのいい顔が見られることだろう。

5_1  12R。勝ったのは1号艇の坪井康晴だ。
 インからの逃げ切りとはいえ、地元・静岡勢でただ一人、準優に残っていたのだから、プレッシャーがなかったはずは絶対にない。
「みんな、応援してくれているんで負けられないという気持ちは強かったです」とインタビューでも話していたが、レース後には、服部幸男、菊地孝平、佐々木康幸らのひときわ大きな拍手で迎えられ、ホッとした笑みをもらしていたものだ。
 ただし、その後には、向所と同じように「(初優出は)今のところプレッシャーになってない」とも言っている。それも、強がりではない証拠に、その表情には少しも硬さが見られなかったのだ。
「明日もあのターンができれば優勝できると思います」
「明日もしっかりスタートを決めて、自分のターンができれば優勝できる足だと思います」
 と似た言葉を繰り返して、“優勝宣言”までが飛び出した!
 明日ももちろん、坪井は1号艇。
 坪井が今の平常心をスタート時まで持続できるかどうかに、レースの行方は左右されると言ってもいいかもしれない。

6  このレースの2着は、「ミラクル智也」こと山崎智也だ。
“フツー”とは言えないようなレースぶりで2着をもぎ取っておきながら、レース後に見られたのは「いつもの智也」だったのだから、この男はいったい何者なのか……。今の智也には、何かが宿っているのではないかとも思えるほどだ。
7 レースから引き上げてきたあとの智也は、なかなかインタビュー場所に向かわず、自分でボートの清掃を始めた
(↑辻も同じことをやりかけたが、他の選手に止められてインタビューに向かわされたように、準優や優勝戦のあとには、こうした光景はあまり見かけられない)。
 そして、一緒に作業している秋山直之に何かを言われると、智也は笑いながら、「前からお前はオレを馬鹿にしている」と一喝!?
 これはあくまでこちらの想像に過ぎないものの、「1周1マークで終わったと思った」などといったことでも秋山は言ったのではないのだろうか。
 もしそうだとしたなら、「終わった」と思って当然だったのが、このレースだった。それでも、智也にとっては、あのレースぶりは少しも、“フツーじゃないもの”には当たらないということなのだろう……。
 今の智也は、本当に怖すぎる。
(PHOTO/山田愼二+内池久貴=森、烏野、山崎・下 TEXT/内池久貴)


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準優戦回顧

10レース『竜』
 目の覚めるようなまくりだった。ありきたりな慣用句で、「それじゃ、オマエは寝てたのか?」とツッコまれそうだ。しかし、この10レースまでは本当に眠っていた。筆者がではない。〝まくり〟が、だ。3日目の8レース以降、のべ25レースの間、まくりが一発も決まっていなかったのだ。名実ともに「目の覚めるようなまくり」とう表現は正しい。

 2006_0624_10r_002 圧倒的な1番人気は、①→②。オール3連対の濱野谷から、好調機を引いた湯川への舟券である。スタートは見えているし、進入で動きそうな選手もいない。優勝戦へ駒を進めるのは、このふたりでゆるぎないようにみえた。
 ピット離れで3号艇の田中信一郎が遅れる。が、大きく回って3コースを取り返し、進入は展示どおりの枠ナリ3対3で固まる。
 各選手がレバーを握る。内2艇のスタートは悪くなかった。濱野谷がコンマ14で、湯川がコンマ15。しかし森竜也のスタートが壮絶すぎた。内3艇より、ちょうど1艇身抜けている。
 たぶんフライングだろうなと思った。それでも森は行った。機力がほかの選手に比べると落ちるため、勝つためにはスタートで抜け出すしかなかった。これまでにSG参戦43回を数えるが、一度も優出したことはなかった。彼は7月からA2に落ちる可能性がある。自称・「最後のSG」を悔いがないよう戦うため、森はスタートを行ったのだ。
2006_0624_10r_007  コンマ03。森のスタートは、ギリギリ入っていた。スリット通過後、ハンドルを左に切ると、すぐに田中を飲み込んだ。次は2コースの湯川を飲み込もうとする。
「誰か止めてくれ~!」
 ①→②を持っているファンから悲鳴があがる。湯川の艇に森が引っかかる。このままブロックされるのか? それとも振り払ってまくりが決まるのか? 結果は後者だった。

 森竜也のまくりは、俗に「ドラゴンまくり」と呼ばれる。竜也という名前が由来なのだろうが、今日のまくりはホンモノの竜のようであった。艇が竜頭、竜尾は艇跡。
「明日は3等までにからんだら(配当が)つくと思うんで」
 勝利者インタビューで語る森。竜はその鳴き声によって、雷雲や嵐を呼び、竜巻となって自由に天空に昇るという。明日の浜名湖。竜は嵐を呼ぶのか。

 

11レース『貫禄』

1番人気は、ダントツで1号艇の辻栄蔵だった。
辻からの2連単オッズは、①→⑤以外のすべてが10倍以下。彼を中心にレースは動くはずだったが、話題は別の方向にむいていた。5号艇〝脅威の伸び足〟矢後と、6号艇〝インの鬼〟西島である。
R ――ノーマルの方がいい人?
「パチ……パチ」
――チルト1.5がいい人?
「パチパチパチパチ!!!!」
 準優戦出場者インタビューでの一幕はすでに書いたが、ファンの望むとおり、矢後はキッチリとチルト1.5で出走してきた。
 ピット離れ。5艇が小回り防止ブイに向かって進むが、矢後だけスタンド側の消波装置沿いに進む。彼の特異な戦略からか、それはひとり裏道を進んでいるかにみえた。
「5通りの進入を考えています」
 そういって会場を沸かせた西島は回りこんで3コースを選択。体勢は126/345で固まった。
 矢後はトップスタートが切りたかった。この最強の伸びを生かすには、他艇の邪魔がないトップスタートが一番。かといって、ほかの5選手もスタートで少しでも遅れると、矢後になで斬りにされしまう。スタートをとにかく行かなければヤバい。
2006_0624_11r_038  スリットは、ほぼ横一線に並んだ。タイミングは内から【03 05 08 10 05 05】。こうなるとインコース辻の優位性は崩れない。1マークを真っ先に回り、そのまま押し切った。
 辻栄蔵の勝利者インタビュー。スタートのことを聞かれると、
「いいスタートでしたね……ホントはドキッとしましたよ」
 と、際どいスタートのことを語っていた。同じコンマ03のスタートながら、インタビューされているときの表情は森と対照的だった。感極まって逆に淡々とした口調になっていた森とは違い、辻はリラックスしていた。
「思った仕上がりにはならなかったんで……」
 エンジンにはまだ納得していない。
 ドキッとしたスタートで、納得いかないエンジンで、あの力強い内容。貫禄であろう。 昨年の賞金王を制した辻が、優勝戦でも貫禄をみせつける。

 

12レース 『地元』

 地元静岡5人衆。大将の服部は準優出できる5.83の得点率ながら1着本数の差で脱落。野長瀬・佐々木は出ないエンジンに苦しみ、菊地は4日目のFに散った。
 唯一予選を突破したのが坪井康晴。得点率はトップで、準優12レースの1号艇。圧倒的に有利な立場であるが、同県選手が脱落してしまったので、自分が頑張らなければいけないプレッシャー。SG優出経験がない緊張感。坪井はそれを克服できるのだろうか。

2006_0624_12r_010  ピット離れで5号艇の池田浩二が遅れるが、そのほかはほぼ同体。小回り防止ブイに到達した時点では、どの選手も動く気配がない。
 ところが、展示では2コースを奪取していた4号艇の倉谷和信が、一気にインを狙って動く。6号艇の西村勝もついていく。
 それでも坪井は1コースを主張した。地元SG・準優のメインレース。ここでインを譲ったら男が廃るといったところだろうか。
 結局、進入は1426/35。イン2艇はやや深め。トップスタートを切ったのは……1・2コースのふたり。坪井と倉谷が真っ先にスリットを通過し、1マークへ向かって艇を伸ばす。坪井が先マイ。誰もまくれず、誰も差せない。この瞬間、地元の若手有望株は、地元SG優勝戦の1号艇を手に入れることに成功した。
 焦点は2着争いに移る。バック水面で、内に④倉谷、外に②作間で併走状態。ややリードしているのは作間だが、これくらいの差は2マークで逆転できる。4番手以下は勝負圏外。SG優勝経験のない2人が、残り1枚の優出切符を争う。
 2マーク。先頭を走る坪井のターンに、倉谷と作間が続く。2マークを制するのはどっちだ!? 倉谷か? 作間か?
R_1  どちらでもなかった。絶望的な4番手を走っていた山崎智也が、奇跡的なターンで2番手に浮上したのだ。
 思わず5月の笹川賞準優を思い出した。あのときも、山崎は1周2マークで奇跡的な逆転を遂げていた。そして今回も、2マークで権利をもぎ取った。この勝負強さはいったい、何だろう。
 2周1マーク。鋭い艇跡でターンマークに突っ込み、再逆転を目ざす作間。しかし不発。これでレースは決まった。1着・坪井。2着・山崎。
 勝利者インタビュー。まるで優勝したかのような拍手が、会場を支配していた。
「(深い進入ではなく)想定内のスタートでした」
 事も無げに、坪井は語る。
 静岡の4人の気持ちを乗せて、明日の16時40分、1号艇は走る。そのときの拍手は、今日のソレよりも大きくなるのは間違いない。

(PHOTO・池上一摩<3枚目6枚目> 中尾茂幸<それ以外> TEXT・姫園淀仁)


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優勝戦6ピット決定!

明日の優勝戦、出場メンバーが確定しました!

1号艇 坪井康晴(静岡)
2号艇 辻栄蔵(広島)
3号艇 森竜也(三重)
4号艇 山崎智也(群馬)
5号艇 烏野賢太(徳島)
6号艇 向所浩二(兵庫)

森竜也は、20年目にして初のSG優出! そして地元の砦・坪井康晴が見事に優出! 山崎智也はSG連覇に王手をかけました。優勝は果たして!?

※念のため、主催者発表をご確認ください。


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晴天――準優勝戦、前半のピット

 準優勝戦の朝にしては、ピットの空気は比較的、穏やかだった。
1am   ただ、朝から晴天となって、昨日とはずいぶん、気温や湿度が変わってきていることもあってか、準優メンバーのなかでペラ調整をしない選手はほとんどいなかった。
 その中でもペラ小屋にいる時間が長く、熱心な姿が目に付いたのは、倉谷和信、烏野賢太といったところだ。
 とくに倉谷は、ずっと立ったままで作業をしていたのが印象的だった。ペンキャップを口にくわえたその姿はまさに職人。「いぶし銀」とはこういう人を言うのだろう。

2am  また、「整備室の住人」と化していた感があったのは、濱野谷憲吾だ。池田浩二や向所浩二などと和やかに話している時間もあったが、モーターをばらして、長い時間、作業を続けていた。
 朝のインタビューでは、準優メンバーのなかでは「中堅クラスのモーター」と評していたが、本人のムードは落ち着いたものだったので、機力アップを期待したい。
 好ムードを漂わしていたという点では、山崎智也も挙げられる。智也の場合、早めの時間帯に作業が終わっていたのだろう。インタビューに答えていたり、ボートの引き上げに出てくるようなところしか姿が見かけられなかったが、歩く足取りなどは非常にゆったりしていた。悠然と構えているその様子から見ても、あとはレースを待つばかりといった状態になっているのかもしれない。

 濱野谷と話しているときには、いい笑顔を見せていた池田浩二だが、自分のボートのある場所に戻ると、モーターにじっと見入って、思案顔になっていた。その後にはボート周りの整備に精を出しはじめ、記者陣が二人ほど声をかけてきても、手を止めず、言葉少なく答えていただけだったので、周囲の空気は重かった。
 ただ、池田の場合、こうしたことは珍しくはないそうだし、ひと段落したあと、同県の原田幸哉、赤岩善生と話しているときにはいい笑顔を見せてリラックスしていたので、とりたてて心配することはないだろう。

3am  また、3R後の市川哲也のボートの引き上げでは、11Rでぶつかる辻栄蔵と西島義則の広島コンビが顔合わせ。
 当たり前のことだが、余計な気負いも見せずに、和やかなムードで作業をしていた。もちろん、こちらもまたまた当たり前のことだが、レースになれば、話は別だ。
 個性的なメンバーが揃った11R。今日の準優のなかでも、とくに「注目の一番」なので、好勝負を見せてくれることを期待したい。
(PHOTO/中尾茂幸=濱野谷+池田、内池久貴=その他  TEXT/内池久貴)


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1勝もできずに、ミッション終了……

がんばれNIPPON……そんな思いを込めて、買い続けた3連単4-13-13。サムライブルーの頭から、クロアチアのユニフォームに思いを託して、打倒ブラジル! それが今節のミッションだったわけであります。昨日早朝のブラジル戦、我々の希望むなしく、4-1でジーコ・ジャパン敗退……。意気消沈の取材班でありました。

Cimg0409 そして、日本の終戦を機に、ミッションも終了。結果は……いっこも当たりませんでした。まるでジーコ・ジャパンと歩調を合わせるかのような、未勝利……。あぁ……。見てください、この舟券の束を。すべてが、4-13-13であります。あぁ……。日本代表の選手たちと無念を共有する形で、ミッション・イン・グラチャンは幕を閉じさせていただきます。あぁ……。買うのをやめたとたんに、出たりして……。


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悲喜こもごも――4日目後半のピット

 勝負駆けデー、4日目のピットでは様々な表情が見られる。
 午後のピットにおいて、目が離せなかったのは西島義則だ。前日までの点数でいえば、5着・5着でも準優に進出できるうえ、11Rは1号艇なのだから、“準当確”ともいっていい状況だった。……にもかかわらず、7Rで転覆! そのため、一転して11Rでは「1着条件」になったのだ。
1_8  だが、救助艇で引き上げてきた西島の表情に曇りはなかった。苦笑いこそ浮かべていたものの、気落ちしている様子がまるで見られなかったのには驚かされたほどだ。競技本部からの呼び出しがかかると、さっと駆けていったが、その後は、モーターをばらして、11Rに間に合わせて組み直さなければならない。それでも、その表情は普段と変わりなく、ひたすら黙々と作業をこなしていったのだ。
 そして迎えた11R。ここで西島は、惜しくも2着に破れてしまう。さすがにここでは、西島も落胆の色を隠しきれず、レースから引き上げてきてすぐには大きな溜息をついていた。その後には「まあ、しょうがないやろ」と割り切ったような言葉を発していたものの、引き上げていく足取りはやはり重かった。
 その西島が……、12Rの結果によって、滑り込みで準優進出を果たすことになる。
 得点35.0には4人が並ぶ激戦だったが、それまでの着順によって、今村豊や服部幸男などをおさえて、17位に入ったのだ。
 だが、その直後に受けた準優進出決定インタビューで、西島の顔に笑みは見られなかった。むしろ、レース後しばらく経ったあとに、ちらりと見かけた顔のほうがずっとサバサバしているものだった。他選手の「結果待ち」という形で決まったこの準優進出を素直に喜びきれなかった部分もあったのかもしれない。だが、これが「自力の進出」であるのは間違いないことだ。
 明日は11R6号艇での出走となるが、「魂の前付け」で、ぜひ優出を勝ち取ってほしいものだ。

2_5  そんな西島のほかにもう一人、この日、「男」を感じさせられたのが辻栄蔵だ。同県の西島の転覆後、ボートの引き上げなどで、かなり長い時間、西島のフォローを続けていたのだ。
 それがひと段落したと思えば、さっとペラ小屋に閉じこもる。予想外のことで時間は削られていたのは間違いないはずなのに、他のモノなどはまったく目に入ってないような集中力でペラを叩いるその姿には、しばらく見入ってしまったほどだ。
 そして辻は、10Rではゼロ台のスタートを決めて、見事に1着。勝利者インタビューで、明日に向けてのコメントを求められると、「気持ちだけですね」とひと言で締めた姿には、侍にも似たムードが漂っていたものだ。
 明日は、西島と同じ11Rで1号艇に乗るのだから、「男同士の対決」が楽しみになってきた。

 最後の最後までもつれて、準優メンバーがなかなか決まらなかったこととも無関係ではないのだろう。今日の後半戦で準優進出を決めて、笑顔をはじけさせる選手は少なかった。
3_6  たとえば、8Rで1着をとり、文句のない準優進出を決めた湯川浩司は、その後にそれを報告するように、ペラ小屋にいる森高一真や井口佳典のもとへと向かったが、その表情は、同期の仲間たちといるとは思えないほど重かった。
 準優進出は果たせなかった井口のほうが、湯川を慰めているようにも見えたのは気のせいかもしれない。
 ただ、このときの湯川の硬い表情は、井口に対する遠慮などではなく、自分自身の内面的な問題だったのだろう。
 モンスター機といわれる61号機を引いておきながら、3日目に成績を大きく落とした自分をいましめていたのか、あるいは、今日の1着でもまだまだ自分で納得できない部分があったのか……。
 結局、すべてのレースが終わるまで、明るい表情は見られなかったが、それは気落ちといった類いのものではなく、「ストイックな姿勢」と受け取りたい。
 明日は10Rに2号艇で出走。復活の兆しを見せている湯川の走りに注目したい。

 準優進出を果たせなかった男たちにも、ドラマがある。
4_5 たとえば原田幸哉は、2着・2着が条件だったなかで、最初の4Rで6着敗退。それでも9Rでは、0.09のスタートで見事な逃げ切りを決めている。
 その後、記者集団の中に、元選手の野中文恵氏を見つけて、レースのことを訊かれると、「オレが1号艇で負けるわけがない!」と豪語した。もちろん、笑いながら言ったジョークとしての言葉だが、「常に全力駆け」は、偽りのない原田のモットーだ。
 明日は7R4号艇の一回走りだが、「魂の前付け」ならぬ「魂のカド一撃!」を期待したい。

 夕方となり、ピットで見かける選手の姿が徐々に減っていっても、「カンカン、カ ンカン」とペラ小屋から聞こえてくる木槌の音はやまない。
 12R出走だった服部幸男もギリギリまで作業をしていたが、そのほか、準優メンバーの中では田中信一郎が粘っていたのが目についた。また、準優進出はならなかった山本浩次、佐々木康幸、上瀧和則などは、12Rが始まる直前まで、ほとんど無言でペラを叩き続けた。
 こんな職人たちの走りも見逃せない。「敗者戦」などといった言葉は、彼らの辞書にはないのだから。
(PHOTO/池上一摩、内池久貴=西島義則 TEXT/内池久貴)


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4日目 勝負駆けベストレース

 3日目終了時点で準優当確選手が4人。それ以外の44選手中、勝負駆けが31人という、大乱戦の4日目となった。ふつう4日目の1~2レースは敗者戦になるものなのだが、今日は朝から最終まですべてが勝負駆け。見ごたえのあるレースが目白押しで、なかなか3レースを選ぶのが難しかった。

 

3レース 『ギャンブル』

 6号艇・佐々木康幸以外の選手がすべて勝負駆けというレース。
 今日1回走りなのが2号艇・田中信一郎で、ボーダー6.00には3着が必須条件である。 残り4人は2回走りで、このレースが1走目。ボーダーには、1号艇・安田政彦が14点、3号艇・平尾崇典は16点、4号艇・中澤和志は14点、5号艇・鳥野賢太は12点が2006_0622_01_038必要であった。
 つまりどの選手も、
「絶対に1着が必要なわけではないが、絶対に大敗はできないレース」
 だったのである。
 アタマが必要ならギャンブルに出る。入着でよいのなら安全策をとる。人間誰しもそう考える。どの選手がギャンブルに出て、どの選手が保険をかけるのかを見抜ければ、今後の舟券にも役に立つ。そう思いながら、私はレースを観ていた。
 最初に厳しい状況に陥ったのは田中信一郎。ピット離れで大きく遅れをとったのだ。準優出のチャンスはココしかない。おそらく「2コースを取って、差す」と想定していたはずなのに、このままでは6コース進入が必至。そこで田中は、一か八かのギャンブルに出る。大きく回りこんで、コースを取りにいった。
 進入は123/546で固まった。展示と同じ進入スタイルだが、1・2コースは深い。そしてスリットでは田中だけが一艇身ヘコむ。ギャンブルは、完全に裏目に出た。
 3コースの平尾にとっては、願ったり適ったりの展開になった。けっこうな助走をつけている上に、隣がヘコんでいるのだ。平尾の〝まくり〟は、かなり勝算が高いギャンブルである。はずだった。
 1マーク。「ごちそうさま~!」とばかりに、まくる平尾。ところが「オレはエサちゃうぞ!」と安田が抵抗する。安田にとってはかなり勝ち目が薄いバクチだが、もう握って回るしかない。
2006_0623_01_358_1    平尾と安田は、アサリと鴫のケンカになった。6コースから〝漁夫の利・差し〟を決めたのが佐々木。2番手に浮上したのは、スタートで遅れた田中。悪手だと思われた2コース奪取が、結局のところ意味をもったのだ。
 しかし勝負はこれで終わらない。2マークで3番手を追走していた鳥野賢太が、狙い済ましたスイチの先マイ。この1点張り作戦が見事にハマり鳥野が大逆転。先頭が鳥野、2番手が田中、3番手が佐々木の順番で、ホーム水面を通過する。
 2周2マーク。今度は「お返しや!」と、田中が先マイに出て逆転。4番手を走っていた中澤もリスキーな鋭いターンを繰り出す。必要なのは2走14点。4着と3着では、このあとの運命が変る。しかし中澤のギャンブルは、艇がバタつき失敗する。

――なんのことはない。勝負駆けがかかった選手は、すべてギャンブルに出たのだ。当たり前だが、このメンバーでは保険をかけて勝ち上がれるほど甘くないということだろう。私の目論見は脆くも崩れ去った。
 1着になったのは、同一レースで天国と地獄を見た田中信一郎。2着は3番手からの先マイを成功させた鳥野。3レースからは、このふたりだけが準優に生き残った。
 ギャンブルに勝った彼ら。明日はどんな華麗なベッティングを魅せてくれるのだろう。

 

  

4レース 『異次元ボート』

2006_0623_12r_012_1  チルト+1・5。驚異の伸びを、日刊スポーツは「ハイパー伸び」と表現した。でもこの表現では物足りない。「アルティメット・ゴールデン・スペシャル・ハイパー伸び」と、特撮ヒーローの必殺技のような名前をつけたくなる。そのくらい、矢後剛の伸びは飛び抜けている。大袈裟だがあえていう。モーターボートではなく異次元の乗り物みたいだ、と。 展示でみせた伸びにファンは驚き。6.54のデバサイの展示タイムにどよめく。おそらく同じレースに出走する選手も、ファンと同じような心境だっただろう。そして選手の心境が、不思議な現象を作り出す。
   スタート展示は13564/2だった。矢後の単騎ガマシ濃厚な体勢である。ところが本番では、進入がかわった。矢後はいつものように、ピット離れで遅れ、外に進路をとる。ここで5号艇の菊地孝平がアウト5コースを選択した。
 ここまではよくある話だ。しかし、ほぼ体勢が1346/52に固まったと誰もが思ったとき、おもむろに6号艇の原田幸哉が回りなおした。
 4コースからの回りなおし。しかも大外には矢後がヘバりついているので、6コースには入れず5コースに入ることとなった。あまり見られる光景ではない。
 展示でみせた5対1の進入が、結局134/562の3対3に変化してしまったのだ。 まあ、そんな進入とは一切関係なく、矢後はやや遅れ気味のスタートからギュイーンと伸びて、あっという間にまくり差したわけだが。
 2番手追走の森竜也のモーターも悪くはなかった。しかし矢後に一度先頭に立たれてしまうと、もう巻き返しはきかない。森がターンマークで少し差を詰める。矢後が直線で引き離す。車にたとえるならば、森のモーターがハチロクで、矢後がランエボ。直線スピードでは話にならない。
「風が吹いた分、スタートが遅れた。いまのは展開がむきました」
 4レースの勝利者インタビューで、矢後は語っていた。明日の準優戦、もしスタートが決まったら、今の矢後にとっては、大外など取るに足らないハンデである。

 

 

11レース 『マッチレース』

2006_0623_11r_033   1号艇は西島義則。3日目終了時点での得点率が2位で、今日は2回走りで完走当確だった。それがあろうことか、1走目で選手責任の転覆をしてしまう。その結果、11レースで1着を取らなければ、得点率は6.00を超えられなくなった。「完走当確」から「1着条件」に転落したのだから、条件はかなりキツい。しかしインの鬼が1号艇に座っているのだ。難なく逃げ切って、再び準優出の権利をもぎ取る可能性は高い。
 2号艇は濱野谷憲吾。3日目終了時点で得点率は6位だった。しかし西島が落ちたので、ここで1着を取れば、準優1号艇が回ってくる公算が出てきた。総理杯・笹川賞と低調機に泣かされてきた濱野谷が、やっとマトモなモーターを引いたのだ。ここは絶対に西島を交わして、明日の1号艇を手に入れた。
 今日の早朝「絶対に負けられない戦いがある」としきりにテレビはいっていたが、浜名湖にも絶対に負けれらない戦いがあった。
2006_0623_11r_030  スリット。2コースの濱野谷がコンマ09のトップスタート。1コースの西島はコンマ12。しかし濱野谷は若干アジャストしていた。ターンマークへほぼ同体で突っ込んでいく。西島が逃げる。濱野谷が差す。サイドがかかった濱野谷が、立ち上がりでほんの少しだけリードをとる。しかし西島が再び巻き返す。ラップ状態でバック水面を通過する。勝負はもう、このふたりに絞られた。
 2マーク。こんどは内にいる濱野谷が先マイを打つ。差すのは西島。またもや2艇はほぼ同体。1周2マークは、内にいる西島が先マイ。濱野谷は差す。
 交互に繰り返される、先マイと差しの応酬。伝説のH7年賞金王決定戦のようなマッチレース。前の周回のデジャヴュのようなレース。このデッドヒートには飽きがこない。思わず私は、周回数を忘れてしまった。
 2周2マーク。濱野谷の先マイに対し、西島の艇は思ったほど伸びない。ここでレースが終わった。
 1着になった濱野谷憲吾は、狙い通り準優1号艇を手に入れた。
 2着の西島は得点率が5.83に下がり、万事休すかと思われた。が、12レースで波乱があり、17番目のイスにギリギリすべりこんだ。ありきたりな表現だが、このレースで魅せた気合が準優のイスをおびき寄せた。そうとしか思えないし、そうとしか思わないつもりだ。でないと、この名勝負がもったいない。

(PHOTO・中尾茂幸 TEXT・姫園淀仁)


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速報! 準優メンバー

 明日の準優勝戦のメンバーが決定しました!

第10R
①濱野谷憲吾(東京)
②湯川浩司(大阪)
③田中信一郎(大阪)
④森 竜也(三重)
⑤向所浩二(兵庫)
⑥平石和男(埼玉)

第11R
①辻 栄蔵(広島)
②太田和美(奈良)
③烏野賢太(徳島)
④森高一真(香川)
⑤矢後 剛(東京)
⑥西島義則(広島)

第12R
①坪井康晴(静岡)
②作間 章(千葉)
③山崎智也(群馬)
④倉谷和信(大阪)
⑤池田浩二(愛知)
⑥西村 勝(埼玉)


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魂たち――4日目、前半のピット

 勝負駆けの朝は、意外にも静けさが漂っていた。レースが始まってからはなおさらで、選手の賑わいを見られるのは出走選手のボート引き上げ時くらい、という感じである。ペラ室も、相変わらずの盛況ぶりとはいえ、昨日までと比べれば空間が見受けられるような気がする。整備室にいたっては、ほとんど人影が見当たらず、装着場にもわずかな選手の姿が確認できるくらいだ。もうやるべきことはやった。あとはレースに専念するのみ。そんな心境に至っているということだろうか。ともかく、ゆっくりゆっくりと時が流れる、前半のピットである。

2006_0620_01_048   1レースから条件駆けだった選手が出走していて、すでに結果が出た者もいる。3Rを1着で乗り切った田中信一郎は、やはり顔が明るい。普段も堂々とした振る舞いの男ではあるが、心なしか胸をぐいっと張って歩いているように見えた。JLCの準優進出インタビューを早々と受けていたが、そこでもジョークが飛び出すなど、心は軽い。このところのSGでは、彼らしい存在感を発揮し切れていなかっただけに、この予選突破は何かを吹っ切れさせてくれたのかもしれない。なんだか、こちらも嬉しくなってしまったぞ。

2006_0622_01_114  一方、同じレースで大敗を喫してしまった安田政彦は、肩を落としているように見えた。もともと飄々とした風情の男だけに、振る舞いからは心の内を読み取りづらいが、しかしややうつむき加減の背中が、浮揚した心を表わしているわけがない。田中信一郎とは、まさに明暗、である。今日は2回乗りで、後半戦を控えて、もうひと準備を施してはいたが、しばらくは悔恨に身を委ねる時間があっても仕方がないだろう。スイッチを切り替えて、後半も頑張れ!

2006_0621_01_395 派手な走りを見せていたわけではないのに、気がつけば予選3位の森竜也。きっちりと着をまとめる戦いぶりは、技巧派の本領発揮といったところだ。2走6点という勝負駆けは、4Rの2着で早々とクリアした格好。さぞかし、気分もよろしかろう……と思いきや、ピットに引き上げてきた森はむしろ、渋面を作っていた。4Rは1号艇、今節未勝利とあらば、なんとしてでも先頭ゴールを決めたかったのだろう。準優がシリーズにおける目標であることは当然としても、勝負師としてはやはり勝利こそが心を癒す薬なのだ。見かけは優男と見えるが(取材班・M記者は「モリタツは男前です!」と力説してます)、森の胸の奥のほうでファイターの炎がたしかにたぎっている。

Cimg0404  2Rを1着、見事に勝負駆けを成功させた池田浩二は、レース後、延々とボートのハンドルを点検していた。こういう姿を見ると、予選突破は最初の大きな目標でありつつも、単なる通過点でもあるのだな、と思わされる。準優に乗れるからといって、仕事は終わったわけではないし、満足もできない。当たり前のことではあるが、激烈な勝負駆けを目の当たりにしていると、自分が明日のことをついつい、頭の隅に追いやっていることに気づくのだ。すでに準優へのスイッチを入れている池田に、思わず頭が下がった。
 その池田に歩み寄ったのは、同期の佐々木康幸。地元SGながら、不本意な成績に終わりそうな現状でも、同期のことはやはり気になる。目をキュイッと細めて池田に声をかけて、しばしの会談。地元勢にとっても、同期勢にとっても、佐々木が心の支えになることがあるのかもしれない。

2006_0621_01_053  午後に向けて、昂ぶっているように見えたのが西島義則だ。7Rと11Rの出走となるが、基本的には控室で過ごしている様子。ボート引き上げに出てくるときにしか、迫力十分の姿を見かけることはできないが、その際の西島は気合満点である。とにかく、歩様がめちゃくちゃ力強い。そして、歩幅も大きく、ズンズンと歩いている感じだ。その地響きが、やや離れたこちらにも伝わってきそうな勢いで、西島は地面を踏みしめる。間違いなく、魂の完全武装に成功した、ということだ。そんな西島は、文句なしにカッコいいっす。これが男だ、という気がするな。

2006_0621_01_095  さて、記者席で我々の世話をしてくれているユッキーも応援している、気になる山崎智也。「7Rは4-1!(智也-山本浩次)諭吉勝負しなさい!」と強要されている私ですが、うむ、今朝の智也はそんな気にさせてくれる、いい雰囲気。今日も顔を合わせると、会釈してくれるのが嬉しい限り。そして、その表情は昨日に引き続き、澄み切っているのであります。JLC解説者の松田雅文さんに声をかけられると、最高の笑顔を見せていて、状態はサイコー!のはずである。まずは7R、ユッキーの見立てどおりに、ピンで決めてくれるだろうか。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=池田&佐々木 TEXT/黒須田守)


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闘魂――3日目、後半のピット

2006_0622_01_153  力強く踏み込みつつ、上瀧和則が真っ直ぐに前を見ながら、ピット内を闊歩していた。9Rは残念ながら4着。明日は4着条件となった。朝から整備に励んでいた上瀧は、着替えを終えると、整備室に直行。本体を割って、整備を再開した。上瀧は、まだまだ機力に満足していないし、まだまだ伸び代があると睨んでいるようだ。この妥協なき姿勢は、まさにスーパー上瀧出現のアナウンス。11R後に整備を終えると、今度はペラ室に駆け込んで、いつまでたっても仕事を終えようとはしなかった。制限時間が設けられていなかったら一晩でも作業を続けていそうな、歩みを止めない上瀧和則、なのである。

2006_0620_01_307  ご機嫌モードに入ったように見える、矢後剛。今日の8Rで見せた伸びは、強烈だった。スローとダッシュの違いこそあれ、同体で飛び出たひとつ内の菊地孝平を一気に叩き切ったのだから、矢後スペシャル、ついに炸裂といったところだろう。11Rが終わった頃だったか、翌日の準備をしている秋山直之に近づいた矢後は、大笑いしながら雑談タイム。秋山も楽しげな表情で、矢後はなんだか笑いが止まらないといった感じである。後輩をからかっているようにも見えて、とにかく気分ウキウキ。思えば、こんな矢後をSGで見るのは初めてのような気がする。昨年はペラ基準の変更から、矢後スペシャルがなかなか爆発しなかったから、それも致し方なし、だったか。だから、楽しそうな矢後を見ると、こちらも心が弾む。明日も、チルト1・5度からの、ナタでぶった切るかのようなマクリが見られるだろうか。

2006_0622_01_004  倉谷和信が、気合十分だ。前半3R後、「寄らば斬るぞ」の雰囲気で、一心不乱にモーター調整をする倉谷を見かけていた。後半登場は7R。時間がないがゆえの、極限の集中力を発揮していたのだろう。その7Rは見事に逃げ切って、4日目は4着条件の勝負駆けに持ち込んだ。比較的楽な状況とはいえ、レース後の倉谷は決して兜の緒を緩めてはいないようだった。今日着用していたレーシングスーツの胸には、大きく「闘魂」の二文字(背中にも入ってます)。真剣な表情の倉谷には、たしかに闘神が宿っているようにも見える。胸の奥から自然とスーツの胸部ににじみ出たかのように、ギラギラとたぎる闘魂は、まさしく倉谷のトレードマークとも言えるだろう。いやあ、シブい。シブいっす、倉谷。

2006_0622_01_046  節一パワーも、一旦停止。今日は大きく着を落としてしまった湯川浩司。でも、それがかえって良かったのではないか、なんて不謹慎なことを考えてしまった。たしかに、昨日の湯川は心が軽快だったと思う。だが、菊地孝平が「だんだんとプレッシャーが高まる」とアドバイスしたとおり、突っ走り続ければ続けるほど、平常心を保つのが難しくなるものである。やや後退してしまった今日の湯川、12Rの直前に見かけると、決して落胆はしていないように思えた。むしろ、平常心に戻ったようにも見えるのだ。昨日までの貯金が効いて、明日は快速モーターをもってすれば、それほど困難には思えない条件で勝負駆けに臨める。湿度急上昇が停滞の原因なら、明日にはそれをすっかりクリアして、ピットインすることも可能だろう。今日の敗北を糧にできれば、まだまだ湯川の節一シリーズは続いていく。

2006_0622_01_160_1  予選トップに立ったのは、坪井康晴だ。準優はもちろん当確、機力も「もうちょっと欲しい」とは言っているものの、特に出足系統などは十分満足できるもの。地元の期待を一手に担ってみせましょう、そんな境地に近づいている。同期同県の菊地孝平とは、言うまでもなく大親友であるが、去年のMB記念を菊地が優勝したとき、心の底から喜び、祝福しながらも、坪井はでっかい悔しさも胸に抱いていたようだ。本栖で82期を担当した、知る人ぞ知る名教官・小林雅人氏(全モ連)が電話をしたとき、「菊地がやったなあ」と言うと、坪井は心ここにあらずという感じの応え方をしたそうである。つまり、親友の快挙が、坪井にとっては大きな大きな刺激になったのだ。
 その成果を出せる舞台が、ついにやって来た。しかも、地元SGで、である。そのためにも、明日の戦い方は非常に重要。ピットで見せる武骨ともいえる男っぽい風貌からは、緩めるような男だとは思えないわけだが。

2006_0622_01_142  さて、予選13位、明日は3・4着条件の気になる山崎智也。選手食堂に入ろうとする直前、たまたまその前を通ろうとした僕に気づき、ぺこりと会釈してくれたのだが、その表情は実に透明感のあるもので、メンタルはかなり仕上がっていると見た。それにしても、智也は本当に、いろんな選手と一緒にいるところを見かける。今日は、服部幸男、松井繁、仲良し・原田幸哉、そして写真の向所浩二&西村勝らが、智也と話していた選手たちである。誰にでも愛される男、ということでしょう。ちなみに向所は、本栖の一期先輩で、清掃などを担当する箇所が同じだったとか。訓練生時代の絆は、SGの舞台でも活かされる。明日は、どんなカップリングが見られるだろうか。

Boat_1  最後に、選手の無事を、明日からも願いたい。8R、1マークで新美恵一と岡本慎治が、壮絶に激突した。岡本のボートに、新美のボートが突き刺さったのだ。2艇は、絡まり合ったままエンスト失格となったが、この事故により、新美と岡本は途中帰郷。昨日から事故が連鎖するかのように頻発しているが、初日の柏野幸二に続いての帰郷者がついに出てしまった。激しいレースは、もちろん大歓迎。選手たちの荒ぶる魂を、いつだって見ていたと思う。それでも、事故には本当に注意してほしい。写真を見ていただければ、その惨状がおわかりいただけるだろう。こんなシーンは、やっぱり見たくないのだ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩=事故ボート TEXT/黒須田守)


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今日のベスト・パフォーマンス・3日目

 今日は凄まじい衝突あり、456コースのアウトセットが2度もあり、アウト単騎ガマシのひとまくりあり……とにかく荒れに荒れた水面でした。つまりは勝負駆けがはじまったのですね。そんな大荒れ水面の中で、ちょっと面白い光景も目にしました。第3位は、誰もが知ってるこの2人にプレゼント。

4R/その大競り、優勝戦でやってよ~!

2006_0622_11r_007_1  まだ正午を過ぎたばかりの4レース。シトシト雨も降り出した薄暗い水面で、「場違い」なデッドヒートが展開されました。
 まず、インからあっさり逃げたのが太田和美。これは文句なし。続いたのが地元の坪井康晴で、これまた安泰。問題は、この2艇からかなり離れた位置での3着争いです。ビッシリと競馬の併せ馬のように艇を並べているのは、かの植木通彦と今村豊ではありませんか! 合わせてSG16Vという2人のスーパースターが、ガキの喧嘩のように競るわ競るわ。バック直線から2マークまでにガッツンガッツンと艇をぶつけ合い、そのたび激しい水しぶきを互いにかけあっています。
 で、2マークで先に抜け出したのが今村。植木はこれを1艇身遅れで追走し、2周1マークで新鋭のような全速ツケマイを放ちました。これが見事に決まって逆に半艇身ほど抜け出した植木ですが、いかんせん伸び足がない。内からグイグイと今村が伸びて、2周2マークでまた植木が強ツケマイ。
2006_0622_9r_018_1  なんたって片やモンキーターンの申し子・植木通彦。片や全速ターンのパイオニア・今村豊ですからね。見た目には贅沢極まりない死闘なわけですよ。で、3周1マークでも強ツケマイ、3周2マークでも強ツケマイ……植木はすべてブン回しましたが、パワーの差で今村に軍配が上がりました。つまり、両雄は丸々3周、ビッシリと併走したわけです。いや、凄い戦いでした。3連単のヒモで片方しか買ってないファンは、さぞかし興奮したことでしよう。
 で、でもですよ、こんな贅沢な熱闘が、第4レースで、しかも3着争いだなんて……3周の併走にしても、植木は引き波を超えるパワーがないのでツケマイを打ち続けた、今村は往年のターンスピードがないから突き離せなかった、というのでは寂しすぎます!!艇界を引っ張ってきたこの2人には、最終日の最終レースの先頭争いで競っていただきたい。そう思ったのは、私だけでしょうか。
 ただ、このデッドヒートで2人の闘魂に火が点いたのか、後半戦はともに1着を取って「夢の舞台」へ一歩近づいたのは嬉しい限り。特に明日の植木はピン条件ですから、もう一丁気合いを入れて大逆転のベスト18入りを果たしてほしいものです。(写真はそれぞれ後半戦のものです)

 第2位は、シリーズ途中とはいえトップに立つという快挙を成し遂げた、旅姿3人衆のひとり「遅れてきた大物」に贈りましょう。

10R/小政・坪井、あれよあれよと頂点に!

2006_0622_10r_012_1  苦労人が、ついにここまで来た~!!。昨日は親分の服部、大政の菊地が大暴れしましたが、今日は小政・坪井康晴がやってくれました。前半の4レースは1マークで巧みに立ち回って2着を死守。初日から2・1・3・2着とオール3連対で、8・00のポイントをキープしました。
 そして、目を瞠ったのが後半の10レース。インの田中信一郎が十八番の全速インモンキーを決め、坪井は2コースからの小差しで対抗します。が、相手は2年連続賞金王にしてイン巧者の信一郎ですから、バックではジャスト1艇身、引き離されました。これって決定的な差なんですけどね。
 でも、知ってるんですよ、坪井は。2マークでの「ここっきゃない!!」っていう差し場を。釣りでいうなら、よそ者には絶対に教えない秘密のポイント、みたいな。一見、何の変哲もない差しが、ズコッと信一郎の内フトコロをえぐってしまいました。そして、そのまま圧勝のゴールイン!
2006_0622_01_160  で、節間成績は8・40。なんとなんと3日目にして親分、大政(実は菊地より坪井の方が年上なんですけどね。なんとなく菊地の方が頼もしく思えるのですよ)を差し置いて、シリーズリーダーの座を射止めたのです。以前にも書いたことですが、本栖時代の坪井はほとんど取り得のない落ちこぼれだったそうです。見た目も童顔というか、ぼんやりした感じで「切れ者」という雰囲気は皆無(失礼!)。でもターンの鋭さと切れ味は日々アップして、いまやハンフリー・ボガートばりの渋みまで出てきましたね。日々是精進。服部親分は最近「継続こそ力なり」をモットーにしていると話しておりましたが、この坪井の影響もあったのかもしれませんね。
 とにかく、親分は最年少SG制覇となった戸田ダービーをはじめ、SG4V。大政も去年SG覇者となりました。小政にとって地元のこのシリーズが最大のチャンスであることは、間違いないところ。準優1号艇に向けて、坪井は明日も手抜きなんぞは一切せずに乗り慣れた水面を疾駆することでしょう。

 さてさて、今日のベスト・パフォーマンスは、エース機の資質を見事に開花させたこの個性派レーサーに捧げます。

8R/怖~いアウト屋が帰ってきたぞ~~!

「エース機」の誉れが高かった50号機をゲットしながら、初日から5・2・4着と苦戦を強いられていた矢後剛。私の見立てでも、伸びだけは前検からトップ級だったんですけどね。その伸びをどうにも生かしきれない。おそらく回り足か乗りやすさに問題があるのでしょう。となれば、普通の選手なら伸びを落としてでも、バランスを優先させるはず。
2006_0622_01_187  ところが、やってくれましたよ矢後剛。チルトを昨日までの0度から1・5度のMAXに跳ね上げて、勝負駆けともいうべき8レースに臨んだのです。
「四の五の言わずに、伸びいっぽ~~~ん!!」
 みたいな潔さ。素晴らしいですね、カッコいいですね。でもって、もちろん展示タイムは6・59のトップ時計。他の5人は、この数字だけでビビッたことでしょう。
 で、レース本番。とっくに覚悟を決めていたでありましょう矢後は、ピットアウトでのんびりと艇を出しました。アウト確定の意思表示ですな。最近のSGは阿波勝哉や小川晃司などの生粋のアウト屋が不在ですから、こんなピット離れを見るだけで胸がときめいてしまいます。天涯孤独、唯我独尊のアウトローブルース。
 ところが、矢後の進入は6コースではありませんでした。チルトMAXの伸び足に期待した(ビビッたのかも)6号艇の太田和美と5号艇の林ビッケンが「矢後さま、どうぞ4カドにお入りください」とばかりに、アウト水域を陣取ってしまったのですな。嗚呼、これもまた「阿波勝哉現象」ともいうべき、アウト屋がいるレースの楽しさよ。
 渋々と?4コースのカドに入った矢後は、しずしずと発進しました。
 あ、遅れた?
 私の目には矢後の起こしが遅れて、完全に届かない位置に映りました。すぐ外の林ビッケンより半艇身は後手を踏んでいたでしょうか。が、これは矢後の計算づくの起こしだったのですね。ひとたび加速しはじめた50号機ときたら、伸びるわ伸びるわ! 瞬く間にビッケンに追いつき、コンマ09でスリットを通過してから、さらに伸びる伸びる伸び~~~~~~~るという勢いで、内からまくり態勢に入っていた菊地孝平を容赦なく攻め潰してしまったのでした。孝平、ご愁傷様です、相手が悪すぎましたね。
 矢後剛、4カドからアウト気分でひとまくり。圧勝でした。豪快でした。それでも本人は「まだもうひと伸び欲しいですね」などと人殺しのようなコメントを発してましたね。
 さあ、これで明日からの楽しみがまたひとつ増えました。チルトMAXの矢後50号!明日の矢後は2走で12点が必要な勝負駆けです。4レース2号艇と12レース5号艇で、どんなブルースを聴かせてくれるのか、心して待つといたしましょう!(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/畠山)


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明日は勝負駆け! グラチャン得点状況

 初日から予選順位が二転三転。混戦模様となってきた浜名湖グラチャン。現在、18位は中澤和志で5・75。6・00を切っている。いちおう、準優ボーダーは6・00に想定しておくが、明日もさらなる波乱の予感が……。
 ひとまず、当確は4名。
①坪井康晴(静岡)/④辻栄蔵(広島)/⑤太田和美(奈良)/⑥濱野谷憲吾(東京)
 坪井が予選トップで最終日を迎えるのは、地元勢にとってめでたいこと。しかし、上位を快走していた菊地孝平が8Rで不良航法をとられてしまい、ランクダウン。服部幸男が7位と好位置につけているが、果たして何人が準優に駒を進めるか……。

 以下、予選突破の可能性を残している選手の順位と明日の条件着順だ。
②西島義則(広島) 5・5
③森竜也(三重)  4・5
⑦服部幸男(静岡) 4・4
⑧湯川浩司(大阪) 5
⑨西村勝(埼玉)  2・6
⑩上瀧和則(佐賀) 4
⑪倉谷和信(大阪) 4
⑫作間章(千葉)  4
⑬山崎智也(群馬) 3・4
⑭今村豊(山口)  3
⑮烏野賢太(徳島) 3・3
⑯矢後剛(東京)  3・3
⑰田中信一郎(大阪)3
⑱中澤和志(宮城) 2・3
⑲池田浩二(愛知) 2
⑳白水勝也(福岡) 2
21向所浩二(兵庫) 2・3
22安田政彦(兵庫) 2・3
23菊地孝平(静岡) 2・3
24松井繁(大阪)  2
25川﨑智幸(岡山) 1
26原田幸哉(愛知) 2・2
27森高一真(香川) 2・2
28植木通彦(福岡) 1
29井口佳典(三重) 2・2
30平尾崇典(岡山) 2・2
31三嶌誠司(香川) 1
33池上裕次(埼玉) 1・2
34平石和男(埼玉) 1・2
36赤岩善生(愛知) 1・1
37濱村芳宏(徳島) 1・1
※33位・寺田祥と35位・江口晃生は1着で相手待ち。

 まったく予断を許さない戦況のグラチャン戦線。果たして、ベスト18の椅子をゲットするのは!?


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雨中の悲喜こもごも――3日目、前半のピット

2006_0621_01_400  朝から怪しかった空模様。5Rあたりからとうとう泣き出してしまった。梅雨の時期に行なわれながらも、ここまでなんとか好天を維持してきた浜名湖グラチャン。個人的には舟券も当たっていないから、心までどんよりとしてしまいそうだ。
 そんな天候のような憂き目にあってしまったのが、3Rの今垣光太郎。2周2マークで振り込んで失速。そこに後続が乗り上げて、沈没失格となってしまった。スピードは落ちていたものの、もろに頭部に後ろのボートがぶつかっただけに、その容態が心配されたが、ひとまず作業には復帰している。ただ、どうにも精彩を欠いた様子ではあり、動きも緩慢。どうも首を痛めたようで、一回乗りだったのはむしろ幸いということになろうか。今日は静養に務めて、明日の巻き返しに期待したい。

Cimg0366  一方、市川哲也は、元気に出走! 2Rの結果は残念だったが(5着)、まずは無事に今日を迎えることができたことが嬉しい。
 その市川と、笑顔+大声でレースを振り返っていたのは、今村豊。4R、植木通彦との3着競りをしのぎ切ってのポイントアップ。足色自体にはまだまだ満足していないようだが、3番手争いとはいえ、プリンスvs艇王の豪華対決を制したのだから、声が弾むのも当然だろう。市川も目を細めて、今村の上気した言葉を聞いていて、見ているだけでなぜかとっても幸せな気分になったのでした。二人とも頑張れ!

Cimg0365  で、今村の後塵を拝してしまった植木通彦、それでも決して暗くはなっていない。ヘルメットを取った瞬間はさすがに苦笑いを浮かべていたが、肩を落とすという感じはなかった。手をボートに見立てて、レースでの状況を上瀧和則に説明していたが、そのときには満面の笑みとはいかないまでも、いい笑顔を見せていたのである。今節は、開き直りの境地にある、艇王・植木。成績には結びついていないけれども、沈鬱だった心を立て直すのには、悪くない一週間になるのだろう。今節、必ずや一発がある。植木の表情を見ていると、そんなふうに思えて仕方がないのだ。

Cimg0352  植木と親しげに話していた上瀧和則は、3Rでの今節2勝目にも、決して気を緩めるところがない。勝利選手インタビュー(今シリーズはサンホールにて公開形式です)から帰ってくると、即座に装着場に置かれているボートに向かって、本体を外す。それを整備室に持ち込むと、ギュッと唇を結んで、内部を点検し始めた。2連勝と勢いに乗っても、なお飽くことなく機力向上をはかる。確実に、上瀧の闘志パラメータは急上昇しているのだ。
 そんな上瀧に、昨日に引き続いて懸命の整備を続ける松井繁が声をかけた。「うらやましい。指くわえてるもん」と言って、ニッカァと笑った。着はまとめているものの、突き抜けられずにもがく松井は、いよいよ闘魂モードに入った上瀧をからかい気味に称えたわけだ。すると、さすがにニコーッと笑う上瀧。うむ、上瀧親分、少なくともメンタルは仕上がってきたぞ。そして松井は、必死の整備が実ることを祈ります。

2006_0620__142  整備といえば、昨日から中澤和志がほとんどの時間、整備室にいる。もちろんボケーっとしているわけではなく、本体整備を続けているわけだが、ここまで成績自体は悪くないにかかわらず、本体を開けまくっている中澤。穏やかに、しかし引き締まった顔でモーターをかわいがる中澤の姿は、SG覇者にふさわしいものだと言うしかない。先日、ちょっとした取材をする機会があって、今節は僕の顔を見ると、にっこり会釈してくれる中澤、その笑顔は実に人懐こいものである。それが、仕事と向き合ったときには、ガラリと変わる。そのギャップが、素敵だと思う次第である。

Cimg0371  2Rでシンガリに敗れてしまった江口晃生、3Rで4着敗退の三嶌誠司が、整備室で話しこんでいた。おぉ、珍しい組み合わせだ。ともに厳しい戦いを強いられていて、少しでも上向かせるための、情報交換というところだろう、江口の目には終始、笑みが漂っていて、三嶌は真っ直ぐな瞳で真剣に応えている、といった感じ。二人は一緒に整備室から出て、なおも話し続け、整備室のもうひとつの出口の前でピタリと止まって、さらに話し込み始めた。仕事の話が尽きることない、それがプロというものである。

2006_0621_01_438  さて、雨が降ろうが槍が降ろうが気になる山崎智也。今日の前半は、わりとゆっくりした時間を送っているようで、仲間のボート引き上げ時くらいしか、姿を見ることができなかった。で、おーふぉさん。僕は話しかける機会がなく、カメラマン・中尾氏情報なのですが、あのヘッドフォンは知人に借りているものだそうです。自己所有のヘッドフォンは耳にあてる部分が小さいため、雑音も入ってきて、精神統一には向かないのだとか。メンタルも万全の態勢に“整備”している智也、SG連覇に本気と書いてマジ、てなところでしょう。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田守)


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安心と感心――2日目、後半のピット

2006_0621_01_300  9R、ヒヤリとする場面が、1マークであった。インから逃げ込みをはかる市川哲也が、振り込み気味に失速。そこに山崎智也が正面から突っ込んだのだ。智也は大急ぎでハンドルを右に切ったそうだが、追突は避けられなかった。残された市川は、ボートの上でモンキーの体勢のまま、身動きひとつしない。救助艇が駆けつけ、市川を収容すると、レースが終わるのを待たずにピットに急行。だ、大事故か……!?
  10R後、整備室には、にこやかに微笑む市川がいた。同県の西島義則をはじめ、今村豊、川﨑智幸ら中国地区の先輩たちと、笑い合っているのである。よかった……。ホッと胸をなで下ろす。打撲した左腕は、実に痛そうである。少しだけひじを曲げたまま、固まっているのだ。だが、それ以外は極めて元気一杯。先輩たちはつまり、慰めていたのだと思うが、それに対して心からの笑みを見せていたのだから、まずは安心してよさそうだ。明日は、今のところは出走予定。今夜一晩、様子を見て、明日もういちど診断が下されるとのことだが、出走表に名前が載ったのは本当に嬉しいことである。出走できるのなら、めっちゃ応援するぞ! そして選手のみなさん、事故にはくれぐれも気をつけてください。

2006_0620_01_022  誰もが認める節一パワー、湯川浩司。10Rは服部幸男の渾身の走りを追いかけ続けたが、惜しくも2着。それでも、オール連対をキープできたことで、表情の明るさは保たれている。モーター格納のため整備室に向かう途中、菊地孝平と出くわす。菊地のほうから声をかけ、湯川がやや苦笑い気味に、言葉を返した。すると菊地、「これから、どんどんプレッシャーがかかってくるよ」。強力な足色でシリーズを引っ張っているのは、序盤のうちは、爽快なことに違いない。しかし、準優勝戦、優勝戦が近づくにつれ、機力と成績の両方が重圧へと変わる。それを、菊地は去年のMB記念で経験した。湯川に、そのことを優しく教えたのだ。まさしく、先輩からの貴重なアドバイスである。湯川はすーっと透明な笑みを浮かべて、「はい」と返した。若い湯川にとって先輩の経験談は何よりの薬、そしてそれをスポンジのように吸収できる素直さが湯川にはある。湯川、まだまだ突っ走れそうだぞ。

2006_0621_01_042  その湯川に、「ごめ~ん」と笑いかけたのは、池上裕次。10R終了直後のことだ。湯川も首を振りながら笑い返す。1周2マーク、湯川のターンはやや流れ、そこを服部に差されたのだが、その内には池上が逆転を狙って走っていた。それを気にしての湯川の大回り、ということなのだろう。笹川賞ではやけにハイテンションだった池上に、ようやく陽気さが見えた瞬間である。昨日の成績は悪くはなかったのだが、いずれも道中逆転を食らって、順位を落としている。今日は先頭争いに加わって、3着を確保したということで、やや機嫌を取り戻したということだと思う。午前中には、植木通彦と話し合う姿も見られたが、そのときはどちらかというと淡々としていた。しかし、レース後に西村勝と会話をかわす際には、笑顔と大きな声が出現。もしかしたら、笹川賞的チョーノリノリモードに入りかけたか? 明日の表情に注目してみたい。

2006_0620_01_160  かなり遅い時間まで、必死に試運転を続けていたのは、池田浩二。ピットは閑散としかかった時間帯に戻ってきたから、出迎えたのは作間章、ただ一人。初戦の1着以降は、消化不良の成績が続いただけに、機力の再確認が必要だったのだろう。モーターを下ろして整備室に駆け込むと、ギアケースを外して、さらに調整。その動きは、実に素早かった。対岸にかけられた池田への横断幕には「不断の努力」と記されている。明日は1Rに出走だが、池田の“不断の努力”は間に合ったのだろうか。

2006_0620_01_207  装着場の片隅で、一人、モーターをチェックしていた三嶌誠司。かつての三嶌といえば、開会式でのエンターテイナーぶりが有名だった。朗らかでひょうきん、それが三嶌のキャラクターだったわけだ。しかし、ピットで見る三嶌は、生真面目という言葉がふさわしいほど、冷静かつストイックだ。一人黙々と作業をしていることのほうが多いように見受けられるし、ピット内を移動するときにも真っ直ぐ前を見つめて、静かに歩いている。もちろん、陽気なのは間違いない。また、実に礼儀正しくもある。だからこそ生真面目に見えるのだろうが、あの頃のノリを知る者としては、実に意外な素顔と言える。ともかく、声援を送りたくなるだけの人徳が、彼にはあるのだ。

2006_0621_11r_014  11R、江口晃生が6着に敗れてしまった。道中、あおられて失速したのが痛かった。初日は堅実に着をまとめたが、今日は一時急停止。ピットに戻ってきて、ヘルメットを脱ぐと、前方に誰かを発見したのか、笑顔が苦笑いを浮かべた。といっても、普段から素晴らしい笑顔を見せる江口だけに、苦笑いと普通の笑顔の区別がつかないのだが、状況からすれば、歓喜の笑顔であるはずがない。で、視線の先にいたのは、松井繁。「やっちゃったよ~」とばかりに松井に近づき、松井はあまりにも優しい表情で江口を迎えた。おぉ、この二人、仲良しなんですかね。松井は、やっぱり優しい目で江口と視線を交わしながら、お尻のあたりをポンポンと軽く叩く。江口はひとつ頷いて、控室に向かうのだった。友情、美しきかな。

2006_0621_01_036  さて、9Rの事故はとにかく市川が心配だったが、追突してしまったことがとっても気になった山崎智也。智也のほうも、ひとまずケガなどはないようである。心なしか、元気がないようにも見えたが、市川とお互いを励まし合うように話しているのも見かけたし、大過なかったということだろう。こちらもまた、ひと安心である。で、おーふぉさん、午後の遅い時間はまたヘッドホンしてましたよ。話しかける時間がちょっとなかったので、何を聞いているのかは、また後日。ともかく、あれだけの事故をなんとか無事に乗り切ったのだから、ツキもあるものと思いたいですね。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


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今日のベスト・パフォーマンス・2日目

 今日2日目はイン選手が8勝とあって、やや淡白なレースが多かったのですが、それでも水上・水面下で様々なドラマが起こっておりました。まず第3位は、「意外性のカタマリ」ともいうべきこの方に!
 
灘の生一本、変幻自在の酔拳が炸裂!

2006_0621_9r_068  ふら~りふらふら、進入からスリットから何をやらかすのか見当も付かないのが安田政彦という選手。もちろん不発も多いのですが、今日はそんな「酔拳」がまんまとツボにはまりましたね。
 まずは3レース。6号艇の服部幸男が前付けに来ると、3号艇の安田は「ほい、どうぞ~」という調子でのんびりと明け渡し、4コースから服部をジャスト2艇身置き去りにして一気にまくりきってしまいました。不思議なことです。地元の大将にしてS勘が抜群の服部が、スリットでコンマ39。進入で入れ替わるときに服部に酒を勧めて「ま、座りなはれ」と肩でももんだような……とにかく、そんなへんてこりんな想像までさせるようなお人なんですよ、安田は。ちなみに、このレースの3連単は59820円でした。
 でもって2走目の9レース、5号艇。今度は6号艇の上瀧が前付けに出ると、ふらふら~っと上瀧にくっ付いて行ったかと思うと途中で失速して、実に半端な4コースのカド受けに……「や、安田さん、どんな作戦だったんスか?」とくらくら眩暈がするような進入でした。そして、またしてもトップSからまくりの態勢に入ります。そうはさせじと内で抵抗する智也。「じゃ、いいか」と減速する安田。
 その途端、何の接触もなくインの市川が艇を大きく振り込み、その上に智也や太田和美の艇が重なりそうになるという大アクシデントが……減速していた安田は、のんびりと事故現場の内側を素通りしていましたね。ま、これは間違いなく偶然なんですけど、安田の千鳥足のような飄々としたプレーに、周囲の選手まで酔っ払ってしまうような、そんな空気は持っているのですよ。ちなみに、このレースの3連単は60570円でした。
 2レース合わせて12万円……この大穴の立役者は安田でした。ほんっとに、不思議なんですから。さすがにポン酒の本場、兵庫で育った男。見ているファンまで悪酔いさせる?酔拳ぶりは、明日以降も注意が必要ですぞ~~ウイィ、ヒック。

 第2位は、酒とは無縁の義侠あふれる男気で酔わせてくれたこの若者に贈りましょうか。

2R/孝平、泣いてカポックを着る!

2006_0621_01_046  2Rの1号艇だった「服部一家の大政」こと、菊地孝平。見事でしたね。他艇より半艇身は早いコンマ08のロケットスタートから、影をも踏ませぬ仁王立ちの逃げ。昨日も書きましたが、これが地元の意地ってヤツですよ。
 で、レース後のインタビューで菊地は平然とこう言い放ちましたね。
「コンマ08ですか、もっと早いかと思ってました」
 つ、つまり、菊地孝平はコンマ05あたりを狙ってスリットを通過したのです。さすが大政、ちょっとやそっとのタッチSをやらかしてもビビるような漢(おとこ)じゃござんせん。「ふ~ん、08だったのか」みたいな精悍な顔に、私は心底シビれました、はい。
 で、さらに!このレースにはもうひとつ涙なくては語れない任侠裏話があるのです。午後、ピットから戻ってきたK記者がしみじみと語りはじめました。
K「今日の朝って、ファンサービスでドリーム選手たちの出迎えがあったじゃないっスか。でも、そこには地元・菊地孝平の姿はなかったんです」
私「ん、寝坊ですかな?」
K(丸くてでかい顔を真っ赤に染めて)「違いますよ!! 今日は2レースの出走じゃないっスか。でも、まだモーターは仕上がっていない。でね、水面でファンに迷惑をかけちゃいけないって、泣く泣く断ったらしんです」
私「ほほう、さすが大政ですな。でも、孝平に会えなかったファンはさぞかしガッカリしたでしょうね」
K「そこなんですよ! 孝平はね、断るときにこう言ったんです。『明日もあさっても出迎えます。だから、今日だけは休ませてください』って!! ど、どうですか!?」
2006_0621_8r_013  私はもう涙が喉やら鼻やらに詰まって、言葉を返せませんでした。ファンの財布のために出迎えよりも整備を選び、その償いとして出なくてもいい3、4日目の出迎えを引き受けたと……ファンの心のために……! そしてレースではコンマ08の超ウルトラ気合い逃げなんです。これまた地元ファンの声援に応えるために!! 菊地孝平、あんたって人は!!!! 
 どうぞ皆さん、泣いてください。そして惚れてください、孝平という漢(おとこ)に。 ついでに、もうひとつ書いておきます。今日の夕方、菊地孝平はK記者(『BOATBOY』の編集長でもあるのですな)に書きたてホヤホヤの『B・B』用のナマ原稿を手渡しました。整備やらファンのためやら、忙しい合間を縫って、手書きの原稿を書いてくれたのですよ。しかも内容も手抜きのない素晴らしい文面でした。嗚呼、この義理堅さ! 私、これから菊地孝平を「平成の大政」と呼ばせていただきます! ちなみにこの原稿は『B・B』8月号に掲載されますので、ぜひご一読くださいね(←ちゃっかり宣伝かよ!)

 そして、大政に触れた以上は、親分にも登場してもらわねば! 今日のベストパフォーマンスは、気合い一本で逆転の1着をもぎ取ったこの方に捧げましょう。

10R/引き波2本を蹴散らす清水次郎長差し!!

2006_0621_01_085  この10レースは、朝から楽しみにしていたのですよ。1号艇が地元の大将・服部幸男。3号艇には節イチパワー間違いなしの湯川浩司。コースの利か、パワーの利か。地元の意地か、新鋭の大胆さか……いったい、どちらが先着するのだろうか?と。
 で、本番は私の期待と興奮を十分に満足させるものでした。インの服部がコンマ18、そして5カドを選んだ湯川がコンマ17。超抜61号機の「キュイ~ンパワー」でスリットから抜け出した湯川が、服部を先に回して豪快にまくり差しました。服部は服部で、華麗なインモンキーで対抗します。バックでは1艇身差で、内の湯川がリード。で、その間に割って入るように追撃するのが池上裕次。
 もちろん、この態勢では内の湯川が圧倒的優位。自慢のパワーでぐいぐい引き離し、2マークを先取りしようとしました。そこに、不利な形勢から捨て身で突っ込んで行ったのが池上です。湯川はその池上を抱き込むようにして、メッチャ豪快に2マークをブン回しました。あるいは池上の突進を恐れてターンマークを外したのかもしれません。でも、私の目には、「ムフフ~、見たか、61号機の実力をををを!!」みたいな、ゴキゲンな超高速モンキーに見えました。昨日も書いた「最も危険な遊戯」ターン!
 そのとき、地元の雄・服部幸男はどうしたか。服部は2マーク手前で外に膨らんで十分なマイシロを取り、全速でブン回す湯川を横目で見つつ、さらに突進した池上をやり過ごしてから、満を持してブイすれすれを真っ直ぐに差し込んだのです。普通、2艇を待ってからの差しは届きません。タイミングが大幅に遅れる上に、2本の引き波によって減速を余儀なくされますから。
2006_0621_01_116  しかし、服部の艇はこの2本の引き波を蹴散らすようにして、力強く前進しました。流れる池上を瞬時に交わし、ターンマークを外した湯川の内側にピタリと取り付きます。ここで、勝負ありましたね。いくらパワー上位の湯川でも、浜名湖の水面を知り尽くした男にインサイドを取られては、なす術なし。その後も接戦が続きましたが、服部は湯川を常に引き波の上に乗せておりました。
 まあ、あの1周2マークで湯川がもっと慎重に回っていれば、服部の待機差しは届かなかったでしょう。ここ数年の服部はそんなケースが多く、ターンマークで差すたびに着を落とす光景を何度も目撃しています。
「どうした、服部!? あの強すぎるほど強かった服部はどこへ行ったんだ!?」
 と、地団太を踏んでいるファンもいることでしょう。実は私もそのひとりなのですが、今日の鋭角かつ俊敏なハンドルを見る限り、「服部はほぼ復調した」と確信することができました。服部のターンを鈍くさせた最大の原因は、2年前の右腕の大怪我なんです。服部自身「まだ60%……おそらく100%完治することはないと思う」と教えてくれました。ハンドルを切るたびに軋むような痛みが走るし、それ以前に力が入らないのだと。
 でも、今日のターンはそんな痛みを、意地とプライドと気力で打破したのです。この気迫がある限り、ズルズルと後退する服部の情けない姿を見ることはないでしょう。服部はやってくれます。賞金王から10年近い時を経て、強すぎる服部が帰ってきたのです!
 ちなみに、怪我のことも含めて服部のことを書いた私の拙文が、『BOATBOY』の8月号に掲載されます。興味のある方は読んでくださいね(←結局は宣伝かよ)。(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/畠山)


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強者の資質――2日目、前半のピット

Cimg0267  2日目の朝、整備室をのぞくと、田村隆信が昨日に続いて、本体を整備していた。水面では、ちょうど朝特訓が行なわれていて、ピット内にもモーター音が響いている。そんななか、田村は一人、整備室。強い目つきでモーターを覗き込みながら、田村は黙々と作業を続けた。まるで、己の世界に没入するかのように。
 田村が作業を終えて、整備室を出ると、同じ場所で松井繁が整備を始めた。足はそれほど悪くも見えないのだが、この妥協を許さぬ姿勢こそが王者たる所以なのだろう。モーターを組み直すと、整備室を出る松井。今度は、またまた同じ場所に、上瀧和則が陣取った。本体だけを外して持ち込んだ上瀧は、遠目からもド迫力の視線で、作業を始めるのだった。

Cimg0303  作業を終えたばかりの松井繁が、装着場でモーターをチェックしていると、話しかけたのは服部幸男。64期コンビ、今日も言葉を交わしながら、ともに闘志を高めている様子である。落ち着きの中に、ほのかに見える燃える魂。ホットとクールを併せ持った、パーフェクトとも言える魂だ。同じ期に、雰囲気が図抜けている男が二人いるという事実は、奇跡的のようにも思える。あるいは、しのぎを削り合うなかで、この二人の中に根を生やすものがあったのか。ともかく、男として憧れる何かを持つ二人である。
 服部は、たまたま通りかかった野長瀬正孝に「どう?」と声をかけた。「伸びはいいよ」と野長瀬。服部は満足そうに、うなずいた。静岡軍団の結束も、堅い。

Cimg0269  服部は、基本的にはペラ室にこもっている時間が長い。ペラ調整に戻った服部を追って、ペラ室を覗きこんでみると、今日も満員御礼。ざっと見渡すと、赤岩善生、秋山直之、市川哲也、田中信一郎、今垣光太郎を確認できた。ん? 今垣? 宣言通り、ペラ調整をしているぞ。たしかに、昨日の午後から、整備室ではまったく姿を見かけないわけで、これは明らかにいつものSGとは違った光景。ペラ→試運転→ペラ……と繰り返しながら、間違いなく別バージョンの今垣光太郎を見せている。
 ペラ室でもう一人、目についたのは、ディフェンディング・チャンピオンの山本浩次。言うまでもなく、淡々とした表情を崩さないミスター不動心。ペラを叩きながらも、普段と変わらないたたずまいで、秘めたる闘志を胸の内に押さえ込んでいる。連覇を考えていないわけはないと思うのだが、彼を見ていると、そんなことはまったく眼中にないようにしか見えない。これもまた、すごいことである。

2006_0620_02_091 「足はいいよ」。記者さんの問いかけに、一言ビシッと言ってのけたのは西島義則。背筋をピンと伸ばして歩く姿に、圧倒的な迫力を感じる。といっても、素顔は優しい西島義則。原田幸哉と最高の笑顔で、談笑しているところも見かけました。己の仕事をまっとうする男だけに与えられた、誰をも魅了してやまないその表情は、ただただ痺れるものであります。今日の登場は8R。3号艇から、どんな仕事を見せてくれるだろうか。

2006_0620_02_251  さて、お出迎えイベントでも大人気の気になる山崎智也。イベントから戻ると、速攻で作業に取りかかっていた。他のイベント参加選手もみな同じだったが、この機敏な行動もまた、一流の証。こういった些細な部分にも、強者の資質は宿っている。整備室付近で顔を合わせると、挨拶を返してくれた智也。おーふぉさん、伝えましたよ、「ヘッドホンを首にかけた姿がカッコイイって読者の方が言ってましたよ」って。智也、ちょっと苦笑しつつ、「ありがとうございます」。照れ笑いですかね? ただ、そのまま整備室に入っていったので、何を聞いているのかは質問できませんでした。また機会があれば、ということで。ちなみに、今日はあのヘッドホンが見当たりませんです。(PHOTO/中尾茂幸=西島&山崎 黒須田=その他 TEXT/黒須田守)


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魂が見える――初日、後半のピット

2006_0620_02_063  トンカン、トンカン、トンカン。ピットに、ペラを叩く音が鳴り響いている。さすがに音が少なくなってきた11R、12Rあたりの時間帯。それでも、ペラ室は満員御礼で、多くの選手が午後の長い時間をペラ調整に費やしていた。初日を終えて、レース足を掴んだ選手たちは、こうして足色を上向かせるわけだ。成績が良かった選手は、さらなるパワーアップを目指し、成績が悪かった選手は、なんとか反撃の糸口を掴もうとして、ペラをトンカントンカンと叩いていく。今日はやや不本意な成績の原田幸哉は、かなり力を入れて、カーンッ、カーンッ!と木槌を振り下ろしていた。3着1着と、上々の初日だった太田和美も、かなり長い間、ペラ室にこもっていた。12Rが発走しようとしているのに、太田は手を休めることなく、トンカントンカン。二人の機力は明日、どう変化しているだろうか。

2006_0620_01_125  整備室には、森高一真と田村隆信。それぞれのレースを終えると、本体を丁寧に丁寧に調整していた。最後まで残っていたのは、森高。10R出走だったこともあり、あまり時間が残されていなかったわけだが、それでも手を緩めることなく、とことん整備。明日は2Rに出走だから、レース前はさらに時間がないこともあってか、その視線はかなり強烈にモーターを捉えていた。田村と森高は、ともに85期の同期生。ときどき、言葉を交わしながら、作業を進める。と、そこに井口佳典、湯川浩司もやって来て、談笑しながらの整備となった。SGでは、まだまだ最若手期となることも多い彼らだけに、結束は堅い。

Cimg0214  85期生といえば、湯川浩司は連勝発進! 5Rは大外からのマクリ一閃、11Rはハイパワーを活かしての逆転1着。とにかく、機力は絶好調だ。11R後、JLCのインタビューを受けていた湯川。撮影が終わると、そこにたまたま倉谷和信が通りかかった。湯川、倉谷に「倉谷さ~ん、ピット離れ、教えてくださいよ~」と腰を低くして懇願。倉谷は、パーッと笑顔になって、「よう言うわぁ~」と湯川をからかった。あんなにエンジン出てるのに、何を言うとんのや、こいつぅ~……って感じでした。それでも湯川は、さらに倉谷におねだり。しばし、密談タイムだ。湯川、さらなるパワーアップに貪欲である。
 湯川がモーター格納のために整備室に入ると、同じペラグループの田中信一郎が笑いかける。おっと、さらには松井繁も登場。松井&信一郎の最強タッグで、湯川をからかいまくりだ。勘弁してくださいよ~、とばかりに苦笑いの湯川。先輩たちに、徹底してからかわれていたのでありました。まあ、ともかく。機嫌が悪かろうはずのない湯川である。

2006_0620_01_169  湯川をからかった一人、松井繁は、変わらぬ風格を漂わせて、抜群の存在感である。今日はまだ初日ということもあってか、彼特有のヒリヒリするような緊張感は見えない。むしろ、トゲのように鋭い気合はまだ鳴りを潜めているように感じられる。比較的、リラックスしている感じなのだ。それでも、覆い隠すことのできない、王者のオーラ。そこにいるだけで、空気が引き締まるのだから、改めて言うまでもないことだが、そのメンタリティは図抜けているということだろう。明日から時間を追うごとに、激烈な魂が露わになっていくに違いないが、それを目撃して慄えるのが、実に楽しみだったりする。

2006_0620_01_276  濱野谷憲吾も、松井に近いムードを感じる。今日に限っていえば、松井よりもピリピリしているようにすら見えた。2着3着のスタートだから、悪くはないはずの初日なのに、しかし決して機嫌よろしく見えない濱野谷。もしかしたら、いつにも増して、SG制覇に意欲を見せているのではないか……そんな裏読みもしたくなってしまうほどの、メラメラと燃えている雰囲気なのである。とにかく、いつもの彼とは違って見えてしまう、今節の濱野谷憲吾。果たして、明日の彼はどんな顔を見せてくれるだろうか。

2006_0620_02_169  闘志といえば、やはりこの男を取り上げなくてはならない、菊地孝平。ドリーム戦の3番手争いで、仲口博崇を沈めたツケマイは、テクニックというよりは気迫のなせる業だったと思う。午前中は、懸命にモーター整備をしている姿を見かけたが、その時点ですでに心のエンジンは噴きまくっていたように思う。そして、ドリーム戦。菊地は明らかに、めったに見せることのない超絶なターボエンジンを心に積んで、今節を走っている。明るさはいつもと変わらない。ドリーム後に先輩たちの間を走り回って、挨拶をしている菊地を見れば、普段の朗らかさを捨ててはいないのも確かだ。それでも、いつもと何かが違う、菊地孝平。去年のMB記念優勝戦の日に、なんとなく似ているような気がするが、果たして。

2006_0620_01_077  さて、ドリーム戦1着! 笹川賞に引き続いての絶好調ぶりが気になる山崎智也。辻栄蔵を競り落としての勝利に、ピットに引き上げてくると、笑顔がはじけた。いやあ、今節も非常にいい感じです、山崎智也! SG2連覇もおおいにありうると思える、初日の気配である。明日も期待してますよ!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=湯川 TEXT/黒須田守) 


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今日のベスト・パフォーマンス・初日

 はい、今日は6レースで柏野幸二が失格(即日帰郷)した以外は大きな事故もなく、SGとしては穏やかな滑り出しでしたね。しかし、各レースの端々に選手たちの凄まじい気合いを感じ取ることもできました。今日の第3位は、髪を振り乱すようにシャカリキに走り続けたこの3人にプレゼント。

魅せた!旅姿3人衆

2006_0620_01_221  静岡名物は海苔とお茶だけではござんせん。服部次郎長親分に大政・菊地、小政・坪井の旅姿3人衆が「静岡レーサーここにあり!」と水上で大暴れしてくれました。
 まずは1レースで坪井康晴が6号艇から気合い満点の4カド強奪! 差しに差して2着を取りきりました。
 7レースでは親分の服部幸男が満を持して登場。パワーは明らかに劣勢で一時は5番手に甘んじておりましたが、突進、差し、まくり差しと浜名湖水面で鍛えた技を次々と繰り出して3着を死守。親分の意地を見せつけています。
 この親分の死闘に発奮した坪井は、続く8レースで渾身のイン戦。池上裕次のまくり差しを喰らってバックで2艇身ほど後手を踏みましたが、1周2マークで浜名湖のうなぎも逃げ去るような怒涛の全速差し! 一瞬にして池上を交わしてしまったのです。
 そしてそして、最終ドリームで大政らしい豪快な必殺技を決めたのが菊地孝平。2周2マークで仲口に火の出るような全速ツケマイを放ち、逆転の3着をもぎ取りました。さすがまくり屋、あんなツケマイを打てるのは秋山直之かこの大政しかいませんね。
 3人で4レース、おそらくのべ6着分は道中で逆転したはず。競艇がパワーやテクだけではない、気の戦いであることを感じさせる美しい旅姿でありました。
 あ、もちろん静岡勢の残り2人、佐々木康幸(6着)と野長瀬正孝(6着1着)も必死な思いが伝わってきましたよ。明日以降のさらなる活躍に期待いたしましょう。

 第2位は、とても届かない位置からテッペンまで突き抜けてしまった絶好調レーサーに捧げます。

ドリーム/この勢い、誰も止められない!?

2006_0620_02_248  パワーの差が残酷なほど明確に見えたドリーム戦でした。進入は123/456の枠なり3対3。カドから覗いた辻栄蔵がまくりに行きますが、植木の決死の抵抗にあって不発。少し落としてから、植木を抱きこむようなまくり差しに方針を変えました。
 こうなると、先に今垣を叩いてまくり差した植木に大きなアドバンテージがあるもの。勇躍、植木は辻を外に張りながら美味しい差し場に艇を突っ込みました。がしかし、植木は数少ない引き波さえ超えられずに大きくバウンド。あっさりと、本当にあっさりと「遅れまくり差し」の辻に追い抜かれてしまったのです。あまりに決定的なパワーの差……バックで一気に辻が引き離し、ひとり旅になりそうな勢いでしたね。
2006_0620_01_099  とっこっろが、ですよ。かなり遅れて最内から差した5コースの山崎智也が伸びるわ伸びるわ! 100mほどで超抜クラスの辻の内フトコロに入り込み、そのまま2マークで逆転してしまったのです。展開が向いた、というだけでは説明がつかない逆転劇。戸田・笹川賞の勢いそのままに、辻を力で捻じ伏せた智也。嗚呼、いったい誰がこの男を止められるのでしょうか。
「人気薄が来ちゃって、すいません」
 レース後、智也はこう言いました。私の耳には「よくもボクを人気薄にできましたね~」という風に聞こえました。この痛烈な皮肉が、現在の智也の揺るぎない自信を物語っています。こりゃもうヤバイっすよ。誰かがこの自信家のナルシストに鈴を付けなきゃ、一気にSG2連覇まで突っ走ってしまいそうです。では、誰が……誰が智也の鼻っ柱を叩くことができるのでしょうか。それは、たったひとり……!?(つづく)

 もったいぶって(つづく)なんてしちゃって、嫌味な文章ですね。すいません。ただ、たったひとりだけ智也から自信を奪いそうな男がいるのですよ。それが、今日のベストパフォーマンス賞に輝く、この選手なのです!

5&11R/最も危険な遊戯パワー!!

2006_0620_02_105  もう、レースを観た人には多くを語る必要はないでしょう。あの湯川浩司の、あまりにもウルトラセクシャルバイオレンスNO1なパワーを! まだ観ていない人のために、あえて書くことにしましょう。
 まず5レースは、6コースからのド派手な一気まくり。ま、この最大の勝因は「スリットの踏み込み」であって、内5艇より半艇身~2艇身くらい突出したのですから、まくって当然の展開ではありました。
 ただ、スリットから覗いただけではなく、キュイ~ン!とさらに他より半艇身ほど伸びた足を見逃してはいけません。このセカンド~トップへと瞬時に移行するパワーは、そのまま「SGを制するパワー」と翻訳してもいいと私は思っています。05オーシャンの江口晃生も、05グラチャンの山本浩次も、05MB記念の菊地孝平も、06総理大臣杯の中澤和志も(あと名人戦の万谷親分もね)、この「キュイ~ンパワー」を最大の武器に予選を勝ち抜き、優勝戦もまくりで制しました。湯川はそんなSG制覇に直結する秘宝を手にしたのです。
 そして、さらに圧巻だったのが11レース。インの上瀧がスタートで遅れ、2コースの湯川はこれまた楽にまくれる態勢でした。が、上瀧の抵抗を恐れたのか、差しかまくりか迷ったのか、湯川は妙に焦った感じでハンドルを切りました。完全なミス操作で、艇は大きく流れてあさっての方向へ……
2006_0620_02_108  誰が見たって万事休すなターンでしたよ。実際、3コースの森竜也が「ごっつあん!」とばかりに真っ直ぐに差して突き抜けちゃいました。さらに憲吾や池田もぽっかり開いた空間を通過していきます。真横に流れた湯川の艇は、立て直すのがやっとという感じ。
 ところがですよ。立て直してからの湯川の伸びはどうでしょう!? 内を行く憲吾や池田は歯牙にもかけず、はるか前方を行く森の艇に迫っていくではありませんか。5艇身、3艇身、1艇身……1周2マーク、差したときには森の内側にしっかり艇を捻じ込んでおりました。あとは2周ホームで森を逆に1艇身ほど抜き去り、何事もなかったかのような一人旅。
 私の目には「ま、わざとハンドルをミスって、ハンデをやったのさ」みたいに見えました。獲物を逃がして、遠ざかってからライフルで撃ち抜く、そんな感じ。現実味の乏しい、遊戯のような逆転劇……これほど空恐ろしいパワーは、滅多に見られるもんじゃありませんよ。
 で、最終レースが終わった後に、私はこう思ったのです。
 湯川の暴力的パワーなら、あるいは智也の勢いを……!?
 このふたりが直接対決するのは、いつなのでしょうか。できれば両者揃ってピンをすべて並べて、最終日の最終レースで雌雄を決してほしい。ま、そんな見果てぬ夢を描けるのも初日の楽しみなんですけどね。とにかく、今日は湯川&61号機の危険な遊戯に、ひたすら驚かされた1日でありました。(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/畠山)


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暑さも忘れて――初日、前半のピット

Cimg0201 「暑いねえ~」。今日、会った人たちとの間で、「おはようございます」のあとに必ず続いた言葉。うむ、たしかに暑い。記者席からピットまでは、迷路のように入り組んだ通路を行き、やっと外に出るとそこから約500m。体重100kg超のワタクシ、ピットに到着すると、すでに汗が流れている。うーむ、暑い。
 しかし、選手たちは、そんな陽気の中でも、キビキビと動いている。初日といえば、モーターの手応えを掴んで、調整の方向性を見極める日。だからどの選手も、午前中は忙しく動き回るのが常であって、気温がどうこうと言っていられないのだ。日が当たらない午前中のピットは、まだ爽やかさが残っているとはいえ、選手たちの姿を見ていると、「あつ……」まで言って、言葉を断たねば申し訳なくなってくる。

Cimg0187  今村豊が元気一杯だ。思えば1年前のグラチャンは、彼の地元・下関開催。そして今村は、体調がおおいに心配されていた。時に襲い掛かる目眩と戦いつつ、懸命に戦う今村の姿には感動させられたものだが、不安がつきまとうのが現実となってしまっている彼が、こうして爽快な表情で試運転に励んでいるのを見ると、本当に嬉しくなってしまう。試運転にも熱心に飛び出しているし、足取りも心なしか軽く見える。5Rはシンガリに敗れてしまったが、まだまだ巻き返しは効く。後半は1号艇。まずは片目を開けてください!

Cimg0189  今垣光太郎が、早々とモーターをボートに乗せた。初日のこの時間帯といえば、彼にとっては整備の鬼タイム。整備室にこもっていることが圧倒的に多いのだが、今日は手早く点検を終えると、もう触るところがないとばかりに、別の作業へと動き出した。あ、これを書いているとちょうど、目の前に試運転をする今垣の姿が! あとはペラを合わせる、と語った今日のドリームインタビュー。本当にその状態に入ったのだろう。魂の走りを炸裂させる状況は整った。笹川賞の二の舞はないと見たが、どうか。

Cimg0194  仲口博崇がいい雰囲気に見える。調子がいいときの彼は、予選道中では穏やかかつにこやかな表情を見せることが多い。今日がまさにそれで、ピット内を移動する様子を見ても、まさに好調時の仲口がそこにいる。長嶺豊さんに声をかけられると、自然に笑みも浮かんだ。仲口といえば、もう何度も言われているように、SG制覇にもっとも近い男、である。それは仲口にとってはある種、SG優勝ゼロという事実を突きつけられる言葉だ。悲願達成を、SGの中のSGといわれるグラチャンで果たす。それもまた、オツってもんじゃありませんか。現在の雰囲気をこのまま保っていけば、おおいに可能性はあるはずだ。

Cimg0199  江口晃生は、今節も泰然自若。いつでもどこでも変わらぬ江口のたたずまいは、さすがである。ゆったりとピットを歩いていた江口、ばったりと佐藤正子さんに出会った。佐藤さんは、JLC専属解説者にして、静岡を地元としているから、今節はまさしく自分の庭で行なわれるSG。ピット内を精力的に取材されているが、江口の顔を見ると、思わず「頑張って」。江口もにこーっと笑って、「応援してよ」。「江口君のことを応援に来たんだから~」「ハハハハハ! マジ?」。佐藤さんの応援に応えて(?)、江口、4Rは2着でした。昨年グラチャンの準優勝・江口、今年も頑張ってください。

Cimg0204  H記者が「横綱」と機力診断した瓜生正義は、うむ、3R残念ながら5着。レース後は、ボートごと整備室に入れて、点検と調整をしていた。整備室を出ると、同期・原田幸哉の隣にボートを運んで、試運転の準備。仲良しの二人は、談笑をかわしていた。そこにやって来たのは、4Rで1着ゴールしたばかりの池田浩二。気分も最高の池田、瓜生と原田に声をかけながら、ニッコニコであります。原田と瓜生の顔もさらに緩む。瓜生も原田も、池田のスマイルパワーをもらって、次のレースに臨めそうだぞ。瓜生、巻き返せ! 幸哉、快走を見せろ!

Cimg0196  さて、ドリームインタビューの浴衣姿もよくお似合いだった、気になる山崎智也。カメラマン・中尾氏が声をかけると、「『BOATBoy』7月号の笹川賞レポートの扉写真をちょーだい」とリクエストしたそうです。あの写真はめっちゃ評判が良かった、中尾氏のベストショット。まだご覧になってない智也ファンはぜひチェックしてみてください。そんな会話をかわしているのを見てもわかるとおり、気分良さげな智也。レースの合間はペラ調整、時折、整備中の菊地孝平と会話をかわしたりしていた。試運転を見る限り、足はかなり良さそう。笹川賞の再現を狙えそうな気配である。(TEXT&PHOTO=黒須田守)


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開会式ですっ!&ドリーム戦インタビューっす

2006_0620__002 「ファンによる、ファンのためのグラチャン」
 これが、このグランドチャンピオン決定戦のキャッチフレーズなのだそうであります。たしかに今節は、いわゆるファンサービスのイベントが盛りだくさん。以前の記事で書いたように、ファンが企画したイベントも行なわれます。ファンのため……当たり前といえばそうなんでしょうが、それは口にしてこそ、より強く意識されるもの。開会式の冒頭で高らかに宣言されたその言葉が現実のものとなるよう、我々もおおいに楽しみましょう!
 というわけで、ファンのためのイベント第一弾、初日といえば開会式! そしてドリーム戦インタビュー! トップバッターで登場した服部幸男選手、さっそくファンのためバージョンで挨拶です。

「地元で開催されるSGということで、いつもよりベターなベストを尽くします」(服部幸男)
 普段のSGならば、「ベストを尽くします」の一言で決める服部幸男、今回は「ベターなベスト」!「ベスト」にさらに最上級があったとは! 浜名湖のSG、この人がベターなベストで暴れてこそ、盛り上がろうというものです!
「とにかく、気合を入れていく!!!!」(仲口博崇)
 コメントもバリバリ気合入ってます!
「日本人が考えたスポーツで、日本人が楽しめないはずがない。もちろん外国の方も盛り上がってください!」(辻栄蔵)
 そうだ! 競艇は世界に誇れるスポーツだぞ! そして日本のみなさんも、もちろん盛り上がってください!
2006_0620__050 「浜名湖、グラチャン、グレイトだぜ」(烏野賢太)

「ニッポン!(チャチャチャ!)ハマナコ!(チャチャチャ!)」(向所浩二)
 ムカイジョ! チャチャチャ! コウジ! チャチャチャ!
「前半の好調がウソのように絶不調です」(田中信一郎)
「絶不調だと思ってたら、僕より絶不調がいました。癒されました」(山本浩次)
 二人揃って、不調を脱出してください!
「ここに来る前に、スロットを断ってきました。吉宗のバカヤロー!」(鳥飼眞)
 吉宗はパチスロの機種ですね。この絶叫に、隣でH記者がウンウンと頷いていました。
「迷わず行けよ、行けばわかるさの精神で、自分を貫き頑張ります!」(赤岩善生)
 今回も男っぽいぞ、赤岩! そう、迷わず行けば、道がわかるのです!
2006_0620__180 「地元の菊地くん、坪内くん…………ああ、坪井くんか。1500人もいれば、時々間違えるんだよ」(蔭山幸夫会長)
 だはは、会長のご愛嬌でした。苦笑いの坪井、その直後に選手宣誓をビシッと決めてましたね。

 開会式に続いては、恒例ドリーム選手インタビュー。6選手は、なんと浴衣に着替えて登場です。
1号艇 仲口博崇「昨日は重かったですけど、ペラ叩いて良くなりました」
2号艇 今垣光太郎「スタートを10前後を目標に」
3号艇 植木通彦「伸びはちょっといい感じ」
4号艇 辻栄蔵「昨日はいい感じだったんですけど、今日はちょっと変わってます」
5号艇 山崎智也「まあまあですね。(初日にまあまあというときは、道中良くなる傾向があると問われて)そうなればいいですね」
6号艇 菊地孝平「気合は入ってます!」
 辻は調整でなんとかなりそう、とのことだし、他の5名も好感触。ドリーム組、見逃せませんぞ。ドリーム戦は本日12R、締め切り予定は16時40分!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)

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ミッション発動!「NIPPONチャチャチャッ4-1=3舟券」

 しばらくご無沙汰していた無理心中覚悟のミッション舟券が、久しぶりに始動いたします。その名も「私たちは日本代表を応援します、NIPPONチャチャチャッ4-1=3舟券」!
 クロアチアとの引き分けで崖っぷちに立たされたサムライ・ブルー。日本時間の23日未明に奇跡の逆転突破を目指してブラジルと戦う日本イレブンを、舟券を通じて応援しちゃいます。4号艇のアタマ決め打ちは、もちろん「青いカポック=日本のユニフォーム」。でもって2、3着の「1=3」は「白と赤のカポック=クロアチアの紅白チェックユニフォーム」に見立てたものです。
 その心は「最終予選で日本とクロアチアが勝って、しかも日本が得失点差で予選を突破してくれ~~~!!」。我々は22日(3日目)までの全レース、3連単の4-1-3と4-3-1を買い続けることにしたのです。願いが叶わず日本が予選敗退したらミッションは終了、で、もし予選を突破したら、今度は決勝トーナメントの対戦相手のユニフォームと照らし合わせて新たなミッションに突入します。
 頑張れニッポン、頑張れ4号艇。サッカーもグラチャンも、「カナリヤ軍団=黄色いカポック」が来ないことをひたすら祈り続けることにいたしましょう。(「小野伸二も岡本慎治もスーパーサプのままでは終わらせませんぞ!」委員会)


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紛れもないSGの前検だ――前検のピットから

 浜名湖のピットは、2月下旬から3月初旬の女子王座決定戦で訪れたばかりだ。あのときとは、時期が違う、気候が違う、そして出場選手が違う。それだけで、なんとなく風景が違って見えるのは不思議だ。4カ月ほど前に、たしかに通い詰めた場所だから、それぞれの場所で女子王座のことを思い出しはするけれども、何かが違うのもまた間違いのないこと。まあ、気分の違いというのがもっとも正解に近そうだが、それでもここは紛れもなくSGのピット、なのである。

2006_0619__236   女子王座との一番の違いといえば、ペラ室が大盛況ということだろうか。前検日には閑散としていた女子王座と比べれば、その差異は明らか。スタート練習を終えた選手たちが入れ替わり立ち替わりペラ叩きに励んでいるのは、SGならではの様相である。山崎智也も濱野谷憲吾も、「ペラ次第でもっとエンジンが出る」という意味のことを言っていた。今垣光太郎も、自分はあまりやらないけれども、SGクラスの選手はペラで機力を向上させると語っていた。職人技の領域であり、しかし強者の必要条件でもあり。これまで何気なく見てきたペラ室のシーンではあるが、同じピットでまったく別条件のレースを見ると、それがいかにグレードの高い作業なのか思い知らされる。整備室奥のペラ室では、植木通彦と松井繁が並んでペラを調整する姿が。艇王と王者、二人の王の真剣な表情には改めて慄えを覚えた。

2006_0619__110  とはいえ、もちろん整備もみな熱心だ。今日はギアケース、リードバルブを調整する選手がほとんどで、本体を割っている選手はまったく見かけなかったが、スタート練習が終わっても延々と作業をしている姿をいくつも目撃した。西島義則、川﨑智幸、烏野賢太、倉谷和信らだが、いずれも前検班は2~3班。もっとも早くスタート練習を終えている組なのだが、ラスト9班がスタート練習を終え、検査航走がすべて終了しても、彼らは作業台から離れようとはしなかった。この徹底したモーターとの向き合い方が、彼らを長くトップクラスに留める原動力なのだろう。

2006_0619__058  注目は地元勢だ。特に、菊地孝平にただならぬ気配を感じる。いつもどおり、明るく、にこやかではある。だが、心中期するものがある者に特有の、ひたすら前抜きに発散される強いオーラがある。と思っていたら、ドリーム戦の共同会見で、「今回は、気合を込めてきました。空回りしないように、自分を追い込んでやってみようと思っている」と菊地は語った。彼は、意識してそんな自分を作っているのだ。こうした闘志は、確実にパワーになる。彼が言うように、空回りしてしまうことも往々にしてあるものだが、うまくコントロールができれば、それは大きな大きな味方となるだろう。菊地孝平、今節は特に刮目したいと思う。地元勢では、いうまでもなく、服部幸男の雰囲気は絶品。冷静さも欠かず、そして独特の威圧感も健在だ。

Cimg0168  植木通彦も怖い存在だと思う。いや、彼を「怖い」なんて言うのは失礼だろう。どんなシリーズでもバリバリの主役である彼は、伏兵を意味するかのような表現がもっともふさわしくない一人である。ただ、最近の植木はツキから見離されている感もある。総理杯、笹川賞と途中帰郷、前節の若松GⅠではフライング。艇王は、苛立たざるをえない日々を過ごしてきたとも言えるのだ。会見では、植木自身、「どん底」という言葉で自らの現状を語った。「崖っぷち」とまで言った。ところが、そんな植木に、妙な焦燥感や苛立ちはまるで感じないのだ。それどころか、「ここから這い上がる自分を、自分で見てみたい」とまで言い切った。この開き直りにも似た感情が、怖い、のである。もともと卓抜した実力を持つ男が、プレッシャーから解放されたかのように、明鏡止水の心境で戦いに臨む。これほどの脅威はない。もちろん、今節に結果が出るとは限らない。それでも、植木の代名詞でもある不死鳥のごとき復活劇は、間違いなく幕を明けている。決して見逃してはならない何かが、今の植木にはある。今日のピットでは、ヘッドホンで音楽か何かを聞いていた太田和美に近寄り、太田がヘッドホンの片方を渡すと、耳に当てて聞き入っていた。だはは、仲の良いカップルみたい。ようするに、植木、落ち着きまくっているのである。

2006_0619__002  さて、笹川賞優勝おめでとう! SG連覇を目指してほしいぞ、気になる山崎智也。どうやらモーターはなかなか好調のようで、今日はスタート練習を終えると、大きな作業もせずに過ごしていた。これもまた、いい雰囲気であります。ところで、智也VOW。彼の苗字は、言うまでもなく、山崎。ところが、ボートの右側のカウリングに付けられているネーム板は「山﨑」。ありゃりゃ? Cimg0119 左側は、ちゃんと「山崎」なのに。そういえば、笹川賞優勝戦の朝、智也は「山﨑」昭生のボートを自分のものと間違えてましたね。今日はネーム板のほうが間違ってるようです。明日には直ってるかなあ?(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=植木&太田、山崎ボート TEXT/黒須田守)


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ドリーム戦出場者共同会見ダイジェスト

 SGでは前検日に毎回行なわれる「ドリーム戦出場者共同会見」。今回は、そのなかから気になる一言を。

1号艇 仲口博崇(愛知)
「笹川賞ほどひどい足は、ここ何年かなかった」
 笹川賞後の記念も同じペラを使ったのに、なぜか笹川賞だけが最悪の足色だったのだという。ということは、笹川賞の這うような成績は参考外。前検ではそれなりの手応えを感じているようだぞ。

2号艇 今垣光太郎(石川)
「エンジンはいいです。プロペラを煮詰めていきたいですね」
 整備の鬼が、本体ノータッチ宣言! これは聞き逃せない情報だろう。「笹川賞ではファンをがっかりさせたと思うので、その分まで頑張りたい」とも。早くも好感触を掴んでいるようだ。

Cimg0138 3号艇 植木通彦(福岡)
「落ち着いてます。どん底っぽいので、レースに専念したいですね」
 ピット情報にも書いたが、植木にはどこか突き抜けたものを感じる。何かを吹っ切ったとさえ思えるのだが……。ともかく、植木のレースは必見!

4号艇 辻栄蔵(広島)
「回転の上がりが早く、力強い感じ。いい感触ですね」
 淡々と、モーターの好調ぶりを語った辻。まったく浮き足だったところがなく、同時に心弾む感じもなかった。足はいいようだが、なんとなくつかみどころがない、というのが正直なところ。

5号艇 山崎智也(群馬)
「今日は一枚しかペラを試してないけど、新ペラがけっこう楽しみなんで」
 笹川賞も新ペラで臨んで、優勝した智也。今節もまた、新たな武器を持ってきたらしい。そして、それをつけるのを楽しみにしている! 笹川賞の再現、あるかも。

6号艇 菊地孝平(静岡)
「僕が見ていて、いちばん出ているな、と思ったエンジンです」
 同期の横澤剛治がGW開催で使ったモーターを手にした菊地。そして、それは狙っていたモーターでもあった! 闘志と足色が噛み合えば、快進撃もありうると見たぞ。

(TEXT&PHOTO/黒須田守)

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H記者の「グラチャン前検を斬る!!」

2006_0619__041  はい、前検の合間合間に行われる足合わせを、それこそ目を皿のようにして見つめたHです。「目を皿のように」って、実はわけわかんないですけど。とにかく、のべ76回に及ぶ2艇or3艇の足合わせを見させていただきました。
 前半の1班~5班では「ふむふむ、矢後と川﨑が伸びてるな~」などと思っていたのですが、その川崎をブッチギッたのが特注モーター64号機を駆る辻栄蔵でした。もう、内から伸びるわ伸びるわ!
「こりゃ横綱間違いなしぢゃ~」
 思わず叫んだ私ですが、誰もが注目しているモーターを横綱に任命しても面白くありませぬ。後半の6班~9班で辻を脅かすような選手が現れないかしらん、と期待していたところ、居ましたですよ!! 林ビッケン君!!!!! エース級の井口を半艇身ほど捨て去り、返す刀で作間を1艇身チギリ捨て、赤岩にはしぶとく粘られましたが、それでも力強く伸び勝ちしておりました。
2006_0619__010  そしてもうひとり、赤岩と同じ足色だった池田にあっさり競り勝ったのが瓜生です。実際のところ林と瓜生が「辻より上」とは断定できないのですが、先物買いの楽しさと配当の妙味を踏まえて、東西の両横綱に指名させていただきます。
 他では、向所をチギッた中澤、森高と3度マッチアップして3度とも圧勝した湯川、服部と1回だけ合わせて完勝し、そのままピットに戻った智也が間違いなく上位級です。ベテラン勢では今村、岡本、平石、上瀧の4人がなかなかのパワーでしたね。
 早速、相撲番付としてまとめておきましょう。

 グラチャン前検、独断と偏見のモーター番付

  東         西
 林 美憲  横綱  瓜生正義
 辻 栄蔵  大関  赤岩善生
 中澤和志  関脇  湯川浩司
 山崎智也  小結  平石和男
 岡本慎治  前頭  池田浩二
 矢後 剛  同1  上瀧和則
 今村 豊  同2  松井 繁

2006_0619__007  こんな感じでしょうかね。実際には前半チームと後半チームの比較は難しく、辻と智也が横綱なのかも知れませんが……穴党の私としては、この番付を信じて初日を戦いたいと思います。東の正横綱のビッケン君、3Rでいきなり突き抜けてね~~っ!!!!
 って、ここまで気分よく書いたところで前検タイムが届いたんですけど……林ビッケンも瓜生も6秒74で後半のワースト1位記録ってあなた……そ、そんなバカな……!? 急に自信がなくなりましたが、いやいや、レース足と展示タイムはまるで別物なんです!! この持ち時計で人気が下がるようなら、むしろめっけもの。皆さんが彼らの超抜パワーに気づく前に、蔵が建つほど儲けてみせまっせ!ビッケン、瓜生、私は最終日まであなたたちの舟券を買い続けます、アイ・ビリーヴ・ユー、フォーエバー!!!!

2006_0619___027  前検タイム速報
①菊地孝平 6・60
①矢後 剛 6・60
③仲口博崇 6・62
③西村 勝 6・62
③秋山直之 6・62
⑥辻 栄蔵 6・63
⑥山崎智也 6・63
⑥湯川浩司 6・63
⑨白水勝也 6・64
⑩松井 繁 6・65
 ちなみに私の菊地孝平評価は「ワースト級」でした…………(PHOTO/中尾茂幸)


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強運・栄蔵、特注モーターをゲット!

2006_0619__033  午後12時すぎ、グラチャンのメンバーが勢揃いした競技棟でモーター抽選が行われた。例によって選手が次々とガラポン抽選機を回す。玉に記されたモーター番号を読み上げるのは、選手班長の服部幸男。さすが浜名湖天皇、その顔は終始余裕たっぷりで真剣な顔の選手たちに茶々を入れたりしている。
濱野谷憲吾「なんか残ってますかね」
服部「う~ん、まだ50(号機)が残ってる、なんかお前が引きそうだな~」
憲吾「えへへ」
 みたいな。結局、憲吾は63号機(これもかなりの上昇機だ)で、その次の矢後が50番の玉を引き当てたのだが。
2006_0619__030  圧巻だったのが辻栄蔵だ。ガラポンを回す順番が来たのに、その姿が見えない。同県の先輩・西島義則が「栄蔵がおら~ん、欠場や、欠場!」と叫んで爆笑を誘う中、「ごめんなさい、すんませ~ん」と駆けつけた辻。「意外とこんなヤツがええモーター引くんや、許さんで~」なんて野次を浴びながらガラポンを回してみれば、まさに赤丸急上昇の64号機!
「おお、2連続優出や~!!」歓声があがる。確かにこの64号機、前節の新鋭リーグで22歳B1級の毒島誠が8戦オール3連対という抜群の安定感で、優勝戦でも3着に健闘した特注中の特注機なのだ。辻の強運や恐るべし! 去年の賞金王で怪物モーターを引き当ててから、ほとんどが好調機。しかも、若松のGⅠ制覇という最高のリズムでこの浜名湖に乗り込んでもいる。いつも低調機に喘いでいる植木や今垣に、少し分けてあげなさいよ、栄蔵クン!
2006_0619__038  で、最後にガラポンの前に立ったのが、選手班長の服部。カラリンコンという乾いた音をたてながら出てきた玉は35号機だった。残り物には……勝率6・30、複勝率40%という文句の付けようのないモーターをゲットした服部は、ニヤリと笑ったのだった。

 主な注目機をアップしておく。
64号機(前出)…辻栄蔵
35号機(前出)…服部幸男
50号機(下ろした頃からエース級評価)…矢後剛
52号機(前節B2級の芦澤望が優勝!)…井口佳典
61号機(底力ナンバー1の下馬評)…湯川浩司
54号機(前々節で寺田祥が8戦7勝V)…白水勝也
31号機(3節前に徳増秀樹が完全V!)…市川哲也
19号機(最高タイム&勝率トップ機)…瀬尾達也
 まだ下ろしてから4~6節しか消化していないモーターではあるが、おそらくこの中に節イチパワーが潜んでいると思うぞ。(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/畠山)


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浜名湖にグラチャン戦士が続々と!

Cimg0034_1 さあ、やってまいりました、グラチャン戦士たち! 浜名湖に選手たちが続々と、到着しました。一番乗りは、秋山直之だったとか。10時過ぎにピットに向かったのですが、すでに二人は到着したあとでした。早い! そして気合十分! 私がピットに着いたときには、地元から坪井康晴と佐々木康幸が到着したところでした。二人とも気分上々の様子で、いい精神状態で地元の大一番に臨めそうです。

Cimg0050_1 続いて登場は、やはり地元から菊地孝平! おおっ、グラサン、決まってます。実は昨日、某所で菊地選手とばったり会ったのですが、そのときはおしゃれなダテメガネをかけてました。菊地選手、ファッションもグーですな。静岡代表としてドリームに選出されただけに、気合もこもるところ、もちろん気負ったところはまったく見受けられないから、地元の期待に応えての快走が見られることでしょう。僕の姿を見かけると、「また宿舎で書きますから!」。『BOATBoy』レーサーズ・カルチャーの原稿ですね。楽しい原稿、待ってますよ!

Cimg0044_1 タクシーから悠然と降りてきたのは植木通彦。これまでのSGでは、どちらかといえばゆっくりめの登場だったような気がするのですが、今節は早々と競艇場入り。不完全燃焼の総理杯に笹川賞、Fに散ってしまった若松周年のリベンジを果たすため、早くも闘志に火がついていると見ました。それにしても、植木って、やっぱり「悠然」という言葉が似合いますなあ。

2006_0619___041 2006_0619___042 おおっと、揃い踏みでやって来たのは、松井繁と服部幸男の64期コンビ! ライバルでもあり、良き友でもある二人、仲良く一緒に登場で、うむむむむむ、痺れるぅ……。笹川賞でSG復帰した松井にとっては、エンジン全開にもっていくのが、このグラチャン。そして、服部にとっては、待ちに待った地元SG! 静岡軍団の総大将として、久しぶりのSG制覇を狙います。この二人が活躍すればするほど、グラチャンは盛り上がるはず! 浜名湖・笹川賞(2001年)は揃っての優出だっただけに(松井が優勝)、今節も再現を期待!

2006_0619___038 おおっ、我らが気になる山崎智也もやってまいりました! SG連覇が懸かる、このグラチャン。江戸川周年を負傷帰郷し、やや心配されたわけでありますが、見る限り、まったく大丈夫そうです。タクシーから降りて、いったん荷物を置きに行くと、うがっ、タクシーが発車しようとしているよー。まだ荷物を全部下ろしていなかった智也、慌ててタクシーを追いかけます。それに気づいた運転手さん、ブレーキかけて、「すみませーん」。ちょっとしたハプニングでした。これですべての厄落としが済んだと考えて、レースではスカッとした走りを!

2006_0619___044 ほがらかに現われたのは、今垣光太郎。明るく「おはようございますっ!」と、報道陣に挨拶だ。『BOATBoy』でインタビューした際にも感じたのだが、本来の今垣は陽気で饒舌な好青年。しかし、いざシリーズが始まれば、求道者のごとき瞳となる。このギャップもまた、今垣光太郎。おそらく2時間後くらいには、整備の鬼たる彼を見ることになるのだろう。それがまた楽しみでもあるわけで、さあ、いよいよグラチャンが始まるんですな! 間もなくモーター抽選。グラチャン、ゴングが鳴りました!(PHOTO/中尾茂幸=服部、松井、山崎、今垣 黒須田=それ以外 TEXT/黒須田守)


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浜名湖は快晴!

おはようございます! グランドチャンピオン決定戦が開催される浜名湖競艇場に、取材班、ただいま到着しました。いやあ、浜名湖はいい天気です! 最寄の新居町の駅から記者席まで歩いてくる間に、汗ばむくらいの気候で、しかし風は最高に心地よく、うーん、グラチャン日和ってやつですな!

Cimg0028本日はこのあと、選手到着からモーター抽選、前検と取材してまいります。もちろん、随時更新いたします。そして、明日からはレース、ピット、予想、イベントと、渾身の取材&リポートをお届けしてまいります。

それでは、今節もどうぞよろしくお願いいたします!


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