この特集
ボートレース特集 > 2006オーシャンカップ
この特集では田中工業「黒須田守」をはじめとした5名のライターから競艇にまつわるさまざまなレポートをお届けします。
ライタープロフィール
カテゴリー
関連リンク
競艇サポーターズ
関連書籍

 ボートレース特集

本当に本当に、王者が帰ってきました!――優勝戦、後半のピット

Winning 「いやあ、長かった……」
 レース直後の勝利者インタビューのTVカメラが回り始まる前に、松井繁はそう呟いた。
 やがて、汗だらけの顔の中で目が赤くなっていき、インタビューの途中では、声が詰まるところも見られている。
 本当に本当に、王者が帰ってきてくれたのだ!
 正直いって、今日一日の僕は、ストーカーと呼ばれてもおかしくないほど、松井の行動を追いかけ続けていた。
 とくに、松井が濱野谷憲吾と並んで話しながら整備をして いるときに、笑顔で話しかけていた際の言葉が、ぐっと心に引っかかったのだ。
「ごめんな、ドリーム組をやっつけなあかんかったから」
 ちょっと距離をおいて見ていたので、完全には聞き取ることができなかったが、そんなことを言ったのは間違いないと思う。これはおそらく、昨日の準優戦でのレースぶりを振り返っての言葉なのだろうが、そこに松井の意地が感じられたのだ。「王者」とまで呼ばれる自分が、ドリーム戦メンバーに選ばれていない――。だからこそ松井には、自分の力を証明する必要があったのだ。
 この日の松井は、本当によく、いろんな選手たちに声をかけていた。それは、前半戦の原稿でも書いたように、松井が「優勝戦の日の主役」になっていることを楽しんでいるようにも見えたものだ。
 そのなかでもうひとつ、松井が発した言葉で気になったのは、山崎智也と話していたときに出たものだ。智也の言葉は正確に聞き取れなかったのだが、笑いながら「たまには……な気持ちを味わってください」と智也が言うと、松井はこう返したのだ。
「オレの気持ちになってみい! お前、ノイローゼになるぞ」
 それほど、最近の松井は、つらかったのだろう。笑いながらの言葉だったとはいえ、それを聞いたことによって、僕の中での「松井に勝ってほしい」という気持ちはどんどん大きくなっていった。正直いって、この記事のタイトル=「本当に本当に、王者が帰ってきました!」というものは、そうした中で考えていたものだ。もちろんそれは、レースが始まる以前のことだった。優勝戦の結果がこのタイトルのようになることは僕の望みだったし、べつに格好がいいフレーズじゃなくてもいいから、この状況をそのまま伝えたかったのである。

Vs3i1472b 今日一日、松井を見続けていたことは本当に良かったと思う。いろんな選手に笑顔で話しかけていながらも、整備をしているときなどは、自信と緊張感を融和させた、いい表情を見せ続けていた。そして、8R後にボートを水面に降ろし、待機用のピットに着けると、「やることはすべてやった」というような顔になって引き上げていったのだ。そのときには僕も、松井が最高の仕上げを済ませて、あとはレースを待つだけになったのだな、と思ったものだが、9Rが始まろうとしていたまさにその時、忘れ物を思い出したようにボートに戻ってきて、手早い作業でペラを外すと、そのままペラ小屋に行って、作業を再開している。
 だが、その9Rの引き上げの手伝いにはちゃんと出てきて、笑顔で江口晃生と話していたのだ。そして、その後はそのままペラの取り付けに行ったのだから、ペラ小屋にいたのは、2、3分程度だったことになる。この2、3分の作業によって、今度こそ松井の中では「やることはやった」という状態になったのだろう。試運転をしたあと、一度またボートを装着場には上げて多少の最終調整はしていたものの、ペラ小屋にいたこの時間がポイントだったのではないのだろうか。そこで行なったペラ調整が、実際にこの勝利のために必要なものだったのどうかかはわからないが、これで松井の中での忘れ物はなくなったのだ。
 あとは「王者の矜持」を取り戻すために、レースで自分のすべてを出せばいい――。
 ここで、そこまでの状態に持っていけていたからこそ、あれだけのレースができたのだろう。

Jo0001_1   2着の上瀧和則に関していえば、松井と変わらない状態でレースに望めていたのではないかと思う。いつもの上瀧にくらべれば、作業している時間こそ短かったが、それは、昨日までのうちに納得がいく状態に仕上げられていたからなのに違いない。松井と同じように、他選手と笑顔で話している姿がよく見かけられながらも、メリハリをつけた一日を過ごしていたように受け止められたものだ。
 展示航走から引き上げたときだけは、ちょっと迷いの中にいるような複雑な表情をしていたが、そうして歩いていながらも、11Rで1号艇に乗りながら6着に敗れた鳥飼眞を見つけると、すぐに笑顔を見せて、「どうしたあ?」と声をかけていたくらいだ。
 そんな上瀧は、精神状態、機力ともに、松井に劣らぬ状態になっていたはずである。勝利への意欲にしても十分なものだったのは確かだろう。ただ、それでもこの日の松井の気持ちは、特別すぎたということなのかもしれない。そんなところが勝敗を分けた面もあったんじゃないかと思う。レース後の上瀧は、松井がTVインタビュを受けている最中にもかかわらず、大きな声で「おめでとー!」と祝福していた。やっぱり上瀧は、いつ見ていても気持ちがいい男なのである。

P7300005b  そして、この日、松井に続いて気になっていたのが、3着に入った西島義則だ。何が気になっていたかといえば、とにかく、その姿がほとんど見られなかったことだ。
 見逃していた時間帯もあるかもしれないが、ピットにいたカメラマン二人に確認してみても、西島が作業らしい作業をしていたのは見ていないということだった。レース後の引き上げには時々、出てきていたが、いつもは朝からレーシングスーツを着ている西島が、この日は黒いシャツを着ていたのも象徴的だった。自分の中ではすでに、整備もしなければ水面にも出ないと決めていたのではないかとも予想される。準優勝戦のあとには自分のモーターより上瀧のほうが上だと認めていた西島だが、自分のモーターに関していえば、これ以上、いじりようがないところまで来ていたのだろう。普段は、最終日にもかなり長い時間、整備をしている姿が見られる西島なので、この「何もしなさ加減」は逆に怖かったものだ。
 他の選手たちが着々と作業を進め、水面にボートを降ろしたりしている中で、西島のボートだけは、最終日の片付けが進んでいく装着場の中で、ぽつんと置かれっぱなしになっていた。このボートもまた「落し物状態」になっているようだったのだ
 10R後、レーシングスーツに着替えていた西島は、いちばん先に展示ピットに自分のボートを着けると、すぐにまた引き上げていった。これだけ何もしないでレースを迎えるケースは、優勝戦に限らず、かなり珍しい。この沈黙がいったい何を語るのかは、やはり最後の最後まで気になったものだ。
 そして、優勝戦では、結果として3着にはなったものの、気迫あふれる熱いレースを見せてくれたのだから、西島もまた、ある種、究極に近い精神状態でレースに臨んでいたのではないのだろうか。

 田村隆信、山崎智也、江口晃生らに関しても、それぞれに、彼ららしい過ごし方をしていたのが見られ、今日は本当に、一日を通して、いいものを見せてもらった気がする。
 それでもやはり、打ち上げられた花火の中でウィニングランをやった松井が引き上げてきたときに見せていた笑顔が、この日のすべてだろう。待っていてくれた太田和美には「イエイ~ッ」と言いながらハイタッチ! こんなに素敵な笑顔を見せられる男は、どこの世界を探してもそんなに見つけられるものではないはずだ。
(PHOTO/池上一摩、山田愼二=松井・2枚目、内池=装着場 TEXT/内池久貴)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

優勝戦回顧

第11回オーシャンカップ優勝戦

0073_1 ①松井 繁 (大阪)
②上瀧 和則(佐賀)
③山崎 智也(群馬)
④江口 晃生(群馬)
⑤西島 義則(広島)
⑥田村 隆信(徳島)

 ファンファーレが鳴る。闇の中に6色の艇が放たれる。
 ピット離れが少し悪かったのは「できるだけ内がほしい」とコメントしていた5号艇の西島義則。小回り防止ブイを回ったあたりで内を窺おうとするが、もう時すでに遅し。内には入れそうにない。江口も入りたそうな素振りをみせるが入れない。誰もが動きたいけれども動けない。そんな緊張の進入は、枠なりで固まろうとしていた。

 だが、そんなときに3号艇の山崎智也がエンストしてしまう。場内に緊張が走る。隣にいた江口は3コースを奪える状況だったが奪わずに、山崎を入れた。同県の智也に引っ張ってもらう思惑だったのかもしれない。
 展示ではスローの5コースを選んでいた西島が、本番ではダッシュを選択。4対2の枠なり進入でおさまった。大時計が早急に回りだす。カクテル光線がところどころ乱反射している白黒まだらの水面に、ひときわ白い艇跡が描かれていく。

2006_0730_11_005  スリットの瞬間、勝負は決まった。記者席では「松井だ!」という声があがった。展示タイムで6秒64を記録した61号機が、トップスタートを決めたのだ。しかも全速で。そしてスローの4艇はほぼ一直線に並んでいる。この体勢であれば、松井を叩ける者はいない。間違いなく逃げ切れる。怖いのはターンミスだけだ。

 インを攻めにいきたいアウト2艇は大きく遅れをとった。西島はコンマ37、田村はコンマ29のスタート。このふたりは、スリットでほぼ勝負権を失った。
 ところが、西島は類まれなる勝負根性を見せる。気合で走る男。過去にはSG3連覇を記録した男が、イチかバチか、いや、千にひとつくらいしか勝機がない勝負に出る。内4艇の艇尾をなめるように、スルスルと内へ入っていく。インがわりだ!
2006_0730_11_011  1マーク手前。松井が万全の体制でハンドルを左に入れたとき、西島は松井の左にいた。「あれ? なぜインに西島が?」
 対岸から1マークのターンの瞬間を狙っていた中尾カメラマンは、焦ったという。観衆も西島のインがわりに驚いた。普通なら焦る。そして普通なら、焦りはターンミスを生む。 1マーク。西島は外へ吹っ飛んでいく。差しを狙っていた上瀧は、内にいる西島が飛んでいくのを待ってハンドルを入れねばならず、遅れた。田村はまくり差しを狙うが届かない。山崎も江口も西島の動きを見極めようとする。西島のインがわりは、ほかの艇に少なからず何らかの影響を与えた。唯一、影響を受けなかったのが、松井である。逃げなのだが、実質はツケマイのような形になって、1マークを回った。松井は視界の左に黄色いカポックが入ったとき、焦らなかったのだろうか?

「内から艇が来ているのは、音でわかっていた」
 レース後、松井はこのように語っている。
 普通じゃないのである。あたりまえだが、王者と呼ばれる男が普通であるわけがない。それがたとえ1年1ヶ月ぶりのSG優勝戦だとしても、圧倒的1番人気のインコースだとしても、王者は冷静そのものだったのだ。

_u4w0114  バック水面で圧勝になった。松井が突き抜けて、後続5艇がダンゴ状態。

そして2マークでも力強いターンを見せる。激しく水しぶきが上がる。ターンマーク周辺が光に包まれる。光の中に後続5艇が隠れる。そして光が闇にかわったとき、さらに後続との差は開いていた。

 最後のSG勝利が5年前の笹川賞。本人は最後に勝ったSGが、いつなのか、何なのかすらも忘れていた。ちょうど1年前のオーシャンCでフライングを切って、丸1年SGから離れていた。この2ヶ月、選手になってはじめて「スランプかな?」と感じていたという。「新ペラ制になってから遅れを取っている」という実感もあった。
 悩み、苦悩、ジレンマ、焦燥、すべてを吹き飛ばすような圧勝劇で、若松オーシャンカップは幕を閉じた。7月30日、夜。我々のもとに、王者が本当に帰ってきた日である。

(PHOTO/1・4枚目 池上一摩 2・3枚目 中尾茂幸 TEXT/姫園淀仁)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

帰ってきた王者――優勝戦、前半のピット

 優勝戦メンバーの公開インタビューでは、ほとんどの選手が、今日の整備は「気候に合わせた微調整程度」ということを話していたように、1Rが終わるまでは、優勝戦メンバーの姿はピットで見かけられなかった。
Vx0e7862b  1R後のボートの引き上げで、ようやくその顔を見られたわけだが、メンバーは一様にリラックスムードになっていた。とくに松井繁は、笑いながら吉川元浩に蹴りやパンチを入れているなど、その表情は昨日と同様、実に明るいものだった。
 これは、しばらくのあいだは優勝戦メンバーが作業している様子は見られないかと思ったが……、その動きだしは意外に早かった。
 検査員にチェックしてもらわなければならないという理由もあったのだろうが、まずは田村隆信がボート全体のチェックを始め、その後すぐに、松井もボートにモーターを取り付けたのだ。
P7300008  そして、そのまま各部をチェックしていた松井にはフラッシュのシャワーが浴びせかけられた。この作業そのものはそれほど長いものではなかったので、ひと段落したあとにはTVインタビューも行なわれたが、やはりカメラマンたちは松井を囲み続けた。他にはあまり選手が見当たらないピットの中で、それはちょっとばかり異様な光景にもなっていたほどだ。
 そのため、松井が気を悪くしないかとも懸念されたが、これについては心配いらないだろう。近くで写真を撮っていた山田愼二カメラマンに、松井の表情が曇らなかったかと確認してみると、そんなことはまるでなかった、という答えが返ってきている。山田氏は「松井は、こうして再び、優勝戦で注目を集めるようになった自分を楽しんでいるようだった」とも話してくれたのだから、この言葉には頷かされたものだ。山田氏は、競艇選手に限らず、これまでにも多くの勝負師たちの表情をフレームの中に切り取ってきている人だから、こうした見解には素直に納得できたのだ。

Vs3i1241b  一方、田村は検査後には引き上げていくかと思っていたが、そのままボートを水面に降ろした。そして、水面を小さくひと回りしたあと、待機用のピットにボートを着けると、モーターの回転数を確認するなど、入念なチェックを始めた。
 これが2R前のことなのだから、予想していたよりはかなり早い作業の進め方になっていたのだ。

 2Rが終わると、引き上げの手伝いのために、それまで姿が見られていなかった西島義則も現われた。その佇まいは落ち着き払った千両役者という感じだったが、その後に上瀧和則や鳥飼眞が近くにくると、三人で談笑を始めている。
Vx0e7887b  で、その上瀧は、2R前からペラ小屋での作業を始めていたが、その後もやはり作業を再開している。
 また、このときには、山崎智也もペラ小屋で作業をしていたのが確認できた。かなり隅っこにいたので、やはり2R前からそこにいた可能性もあるだろう。いずれにせよ、上瀧と山崎は、この時間帯において、かなり長い時間、ペラ小屋での作業を続けていた。
「気候に合わせた微調整程度」といっても、その作業は真剣そのものだ。全体としてはリラックスムードが漂っている中でも、こうした選手たちの姿が確認できたことで、レースへの期待感も否応なく高まってきたものだ。
(PHOTO/山田愼二+内池=松井・2枚目のみ TEXT/内池久貴)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

優勝戦出場選手インタビュー

①松井 繁
エンジンは前検から好感触。途中から回転が合わず、4日目にペラを変えたのが正解。(エンジンは)弱いところがあれば強いところもある。レースにはなる。昼と夜の差はあまりないので気にしていない。今日は微調整くらい。進入は意地でもインコースは取りたい。

②上瀧和則
一度バラして組みなおしたらキた。エンジンは完璧に仕上がってますね。気温とあわせてちょっとペラを触るくらい。進入は枠なり。2コースまでは死守したい。これだけ濃い優勝戦メンバーは珍しいと思う。

③山崎智也
初日の足はたいしたことなかったが、整備をして4日目くらいからイイ足になっていた。(6選手のエンジンのなかでは)真ん中くらいあるかなと思っているんですけど。スタートは見えているわけではないが、行かないと勝負にならないので、目をつぶって行っています。進入は枠(3コース)。このメンバーだと、ボケっとしていると6コースになってしまうので気をつける。4カドならイイが、単騎のダッシュだとおいしくない。

④江口晃生
ピット離れはほかの選手と一緒。乗りやすさもきている。できればひとつでも内のコースを狙っていきたい。最低でも枠なり進入。スタート勘は合っていないが、コンマ10前後は行きたい。

⑤西島義則
抽選でこのエンジンを引いたときは喜んだが、初日は出足がなかった。2日目に整備をして正解が出た。ほかの選手とエンジンは一緒。レース足、伸び足を生かしたままでレースをすれば勝負になる。コースはひとつでも内がほしい。取れるようなら取る。

⑥田村隆信
エンジン悪くない。2日目からよくなりました。準優はツイてました。コースはわからないですけど、ピット離れが同じなら6コースになるでしょう。スタートは小回り防止ブイよりうしろならわかる。展開を突く足はじゅうぶんあると思う。

Photo_12

コメントを総合すると、進入は枠なりになりそう。ただ安定した枠なりではなく、一触即発の状態で均衡が保たれている枠なりのイメージ。誰かが動くと、それに連鎖するような形でほかの選手も動き、まったく想定外の進入になる可能性もありそうです。


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

本日の注目選手! 最終日!

おはようございます! いよいよ、優勝戦の日を迎えました。豪華メンバーが揃い、また進入から動きがありそうな難解な優勝戦、果たして「海王」を奪取するのは……。

2006_0729_01_173 今日の注目選手は、あえて優勝戦以外から。佐々木康幸です! 今節。とにかく懸命な整備を連日、続けていた佐々木。その成果が出たのか、昨日はついに1着が出ました。同県勢に拍手で迎えられていた佐々木、彼の努力を仲間たちも知っていたんでしょうね。昨日は2連対と、調子は完全に尻上がり。この勢いで今日も勝利をゲットして、若松を後にすると見ました。登場は2Rと10R、優勝戦の資金は佐々木で作るぞ!

というわけで、優勝戦、頑張りましょう! もちろん選手もガンバレ!(黒須田)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

SGの顔役たち――準優勝戦、後半のピット

 10R。まずは1号艇・上瀧和則と、2号艇=西島義則の1、2着で決まり、ピット内の空気が、パッと華やいだ。
 いや、二人のビジュアル面を考えたなら、そんな表現はおかしいといえば、おかしいだろう。だが、多くの選手たちに愛されている二人の職人レーサーが優出を決めたことで、たしかにピットは祝福ムードに包まれたのだ。
Img_0355b  レース直後、TVのインタビューを待つ上瀧の顔には素敵な笑顔が見られ、西島に対して「伸びとったな。ぐいぐい伸びてきとったもん」などと声をかけていた。
 対する西島がどう答えたかは聞こえなかったが、苦笑しながら「何をおっしゃいますやら、先生!」みたいな言葉を返していたのではないかと思われる。
 実際、その後の記者会見で西島は、自分のエンジンには満足していることを話しながらも「ジョウ(準優勝戦)のほうが上」と話し、上瀧自身も公開インタビューでは自分のエンジンが「完璧」であることを認めていたのだ。
 ただ、だからといって、上瀧は浮ついたりはしない。TVインタビュー、公開インタビュー、記者会見……と済ませて控室へ戻っていくときには、表情を引き締めていたのが確認できた。
 優勝戦に乗れても乗れなくても、最後の最後まで整備に精を出すことを常としている上瀧なので、ここで慢心などはするはずがない。機力に関しては、現在、ナンバーワンだともいえそうだが、明日もさらなる上昇が見込めるだろう。

Img_0396b  その10Rが終わったときに興味深かったのは、レースからの引き上げを迎えに出た多くの選手たちの視線が、右のほうを向いていたことだ。右のほうには、引き上げてくる選手はいない。そう、そちらにあるのは、11Rのスタート展示である!
 レースを予想するファンとしても、11Rの進入がどうなるかは非常に気になるところだったが、他の選手にとっても、やはりそれだけ気になっていたわけなのだ。
 そんな注目の11Rでは、やはり波乱が起きている。詳しくは、先にUPされている「準優戦回顧」の記事を参照していただきたいが、進入からもつれにもつれたこのレースの勝者は山崎智也で、2着は田村隆信になっている。
 レース後、山崎は、複雑な表情でピットに引き上げてきて、原田幸哉に声をかけられたときには、ベロまで出していた。また、公開インタビューの第一声も「ついてましたね」というものだったが……、いやいや、そんなことはないだろう。
 進入態勢こそ、智也にとっては理想的な形になったが、そこからきっちり勝ったのは、疑いようもなく智也の「実力」によるものだったのだ。それでいながら、こんな発言をして、複雑な表情をしていたのは、智也らしいところだともいえるかもしれないが……。
 2着の田村については、レース後の動きがあまり確認できなかったが、カメラマンの山田氏が撮っていた写真を見ると、なかなかいい表情をしていた。
 公開インタビューで智也は「(エンジンは戦える状態になっているので)明日は精神的な問題」「カッコいいレースをしたいと思います」とまとめていたが、それらの言葉は、そのまま田村にも通じるのではないのだろうか。
 機力の面では、優出メンバーの中では中堅クラスにあたるのかもしれない二人だが、それぞれに軽視はできない雰囲気を漂わせていたものだ。

Img_0405b  12R。このレースについては、ピットで見ていても、とにかくシビれたものだ。1マークで松井繁が見事なまくり差しを決めたときには、つい「おおっ!」と声をあげてしまったほどだ。
 きっと「王者の風格」を漂わせて引き上げてくるのだろうと思って、急いでその姿を見に行ったが……、メット越しでもわかったのは、王者の風格というより、最高の笑顔だった。
 やはり、松井にとっても、完全復活への道を切り開くこの優出は、それだけ大きな意味を持っていたということだろう。メットを脱ぐと、汗だらけの顔には、ホッとしているのがはっきりわかる表情が見られたものだ。
 このレースの2着は江口晃生だが、並んでTVインタビューを待ちながら、二人は、笑顔で頷き合っていた。
 江口にしても、1号艇でありながら、松井の後手を踏んでしまったことは悔しくなかったはずがない。それでも、松井のレースぶりは素直に認めていたのだろう。ほんの少しだけ複雑そうな表情を見せながらも、松井に返していた笑顔は素敵なもので、10Rに続いて、レース後の2ショットにはしびれさせてもらった。
 最近のSG優勝戦は、フレッシュな顔ぶれになったりすることも多かったが、今回の優勝戦では久しぶりに銘柄級の選手が揃っている。まさに「SGの顔役たち」の揃い踏みといえるだろう。試合後のインタビューなどを見ていても、その顔ぶれや、それぞれの表情には、ずっとゾクゾクさせられっぱなしだったのだ。
(PHOTO/山田愼二 TEXT/内池久貴)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (2)

準優戦回顧

10レース

10r_2①上瀧 和則(佐賀)
②西島 義則(広島)
③池田 浩二(愛知)
④石渡 鉄兵(千葉)
⑤坪井 康晴(静岡)
⑥吉川 元浩(兵庫)

 単調なレースだった。
 1コースから上瀧が逃げて、2コースから西島が差して、池田は届かず3着。誰もが真っ先に想定した展開が、まったくそのまま水面上に具現化された。
 だが、鳥肌が立つ単調なレースだった。
 比喩ではない。少なくともわたしは、本当に鳥肌が立った。

 内に上瀧と西島が居座っているので、進入では誰も動かない。動けないというのが正しいかもしれないが、進入はおおかたの予想通り3対3の枠なりで固まった。
 スタートに不安がある選手は誰もいない。そして予想どおりに6艇がほぼ直線に並ぶ。トップスタートは西島のコンマ07だったが、この体勢ならまだインに分がある。しかも上瀧のエンジンは上位機。スリット以降伸び返してくる。コンマ09スタートの池田も負けていなかった。
 1マーク。上瀧が逃げる。西島は差しに回る。行き場がなくなった池田は、上瀧と西島の間をまくり差そうとするが、届かない。この瞬間、レースは決まった。

 だが、鳥肌が立ったのはここからだ。2マークを回ったとき、先頭の上瀧と2番手の西島の艇間が約3艇身、2番手の西島と3番手の池田の艇間が約2艇身あった。2周1マークを回ったあとも、3艇身と2艇身の差はそのままだった。2周2マークを回ったあともそのまま……。先頭3艇の差が、ほとんど詰まらず、ほとんど離れず、レースが淡々と進行しているのだ。

 競艇のほとんどのレースは、周回が進むにつれ差が開く。周回を重ねるごとに差が縮まるレースは、ドキドキして楽しい。差が詰まらず、差がひらかないレースには、畏怖を感じる。誰もがモーターを極限まで仕上げたため同じ足になっており、しかも誰もミスをしないからこそ、艇間がそのままなのだ。究極は単調にみえる。これが、10レースの真相だった。

 ここから優勝戦へ駒を進めたのは、上瀧和則と西島義則。ともに名前に『則』の漢字をもつ二人だ。『則』は「すでに」「すぐに」という意味をもつという。「すでに」エンジンは仕上がった。明日もこの2人は1マークで「すぐに」勝負を決めにいく。

11レース


11r_1①平石 和男(埼玉)
②山崎 智也(群馬)
③山本 浩次(岡山)
④太田 和美(奈良)
⑤倉谷 和信(大阪)
⑥田村 隆信(徳島)

 10レースは単調なレースだったが、11レースが波乱になるであろうことは、ある程度予測がついた。倉谷が進入で動くだろうし、平石の深くなったイン戦には不安が残る。実績ナンバーワンの山崎はエンジンが少し足りないし、山本は伸びが足りない。
 名前に『和』の漢字を持つ選手が3人いるレースだったが、決して調和が取れた決着になりそうはなかった。『信』がつく選手が2人いるが、誰も信用できなかった。11レースはそんな準優戦だった。
 進入。倉谷が抜群のピット離れをみせて動く。田村もそれについていく。太田もついていく。しかし平石も譲らない。
 1564/23の体勢になろうとしたとき、太田が回りなおした。結局、156/234の3対3の進入になった。ちなみにスタート展示の進入は132456の全艇スロー。こんなのまったくの想定外である。

 倉谷と田村の動きに平石がつきあったので、内3艇が若干深い起こしとなる。スリット上でトップスピードに乗っていない内の艇を、4カドの山崎が叩きにいく。
 1マーク。おそらく山崎が視界に入って焦ったのだろう。1コースの平石がターンマークに突っ込んで転覆してしまう。さらに山本のフライング失格が発表される。わずか十数秒の間に、回りなおし、フライング、イン艇がターンマークに激突。いろいろな出来事が起きるので、観衆も状況把握ができていない。ただただ、どよめくだけである。

 バック水面で先頭に踊り出たのは、カドから攻めた山崎。2番手は太田と倉谷が競っている。最後方には田村だ。
 1マークには救助艇が入っている。だから、2マークで勝負は決する。太田か? 倉谷か?
「ぎゃあぁあ!」
 どちらでもなかった。太田が2マークに接触して転覆。転覆艇にぶつかった倉谷が失速。最後方にいた田村が、2番手に浮上した。
 1マークには救助艇と転覆艇。2マークにも救助艇と転覆艇。さらに1艇がフライング。赤いパトランプの光が反射する水面を、3艇が所在無さげに走る。

 荒れる荒れるとおもっていたが、まさかここまでとは。
 混戦を制したのは山崎智也。勝因は冷静さだろう。進入が深いとみれば4カドを選択し、隣のコースのフライングにもつられず、ゴチャついた1マークもキッチリ回る。もっともクレバーだったのが彼だ。ご存知のように智也の『智』という漢字は、事物や道理を識知・判断・推理する精神作用を意味する。本人は「カッコイイ競走がしたい!」というが、明日もクールでクレバーな競走を魅せてくれることだろう。
 田村隆信はツキがある。道中で2艇が転覆し1艇がFで優勝戦進出など、なかなか起こりえることではない。勝負に運は必ず必要。明日もこの強運がモノをいう。ちなみに『隆』の漢字が含まれる単語に『隆運』というものがある。勢い盛んな運命という意味だ。いまの田村に、まさに似合った言葉である。

12レース

12r_1 ①江口 晃生(群馬)
②濱野谷憲吾(東京)
③松井 繁 (大阪)
④作間 章 (千葉)
⑤鳥飼 眞 (福岡)
⑥瀬尾 達也(徳島)

 長々と説明するレースではない。「王者復活」この一語に尽きるレースだ。余計な修飾語などは加えず状況を説明するので、みなさんの脳内でその力強さを思い出してほしい。 進入は123/456の枠なり。機力が抜けているのは江口と松井。ほかの4選手の機力は、この2人に比べると落ちる。1=3のオッズの低さも、一騎打ちであることを示していた。ちなみにスタート練習の足あわせでは、少しだけ江口に分があるようにみえた。 スリット。6コースから攻める、スタートの鬼・瀬尾達也が、コンマ07のトップスタートを切る。5コースの鳥飼もそれに引っ張られるような形でコンマ08。しかし4カドの作間は外2艇のスタートが速くみえたのか、若干アジャストしてしまう。
 攻めてくる選手がいないカド受けで、松井のスタートはコンマ10。江口が17、濱野谷が16なので、一気にまくりにいきたいところだ。
 しかし王者はバタバタしなかった。いったんまくりに行く素振りをみせたが、まくり差しに変更。江口と濱野谷の間に艇をロックオンすると、ニョキッと間から抜け出し勝負を決定した。2着は江口。力と力の一騎打ちに、ほかの選手が割り込むスキはなかった。

 優勝戦1号艇を手に入れた松井繁。王者の称号を戴きながら、SG優勝からは5年ほど遠ざかっている。『松』は最上級の木である。はたして明日、松は繁るのか。
 2着になったのは江口晃生。『晃』という漢字には「きらきらと輝く」という意味がある。ナイター照明が反射しキラキラ光り輝く水面で、前年度王者は連覇に挑戦する。

(PHOTO/池上一摩 TEXT/姫園淀仁)


| 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (3)

H記者の「優勝戦パワー対決!」

優勝戦メンバーのパワー評価を、独断と偏見でアップさせていただきます。

①松井繁…評価S(不思議だにゃ~)
 2日目、寺田祥に逆転を許した足が嘘のよう。何があったのかは知りませんが、昨日から凄まじい足に仕上がったようです。すべて良さそうですが、身上は中間速の伸び。今日もスリットからキュイ~~ンと伸びて、憲吾を撲殺しちゃいました。明らかにS級のパワーです。

2006_0729_10r_031 ②上瀧和則…評価S
 選手の誰もが節イチと認めていますね。「上瀧さんと比べると…」が合言葉ですから。私の評価はちと違いますけど。とにかく、出足・回り足・伸びともに抜群なのは間違いないっす。特に出足、西島が「出足はちょっとジョーの方が上かも」と脱帽するほど、回ってから押していく力が凄い。インならほぼ優勝できる足だったのですが……。

③山崎智也…評価B
 このメンツでは、はっきり苦しい。すべてが劣ってます。西村勝のアドバイスで乗りやすさはアップしたようですが、それ以外はまったく長所のないモーターですね。明日も「スタートを踏み込んで全速まくり」が唯一のVパターンになりそう。ただ、もう賞金王は当確ですからね。わざわざ虎穴に入っていくだけの度胸があるか。ホントのホントに勇気が試されそうです。

④江口晃生…評価S
 超抜です。特にスリットから1マークに向けて、ぐんぐん加速していく「サード足」が魅力です。それでいて掛かりも凄い。つまりは1マークの混戦を自在にさばけちゃう足なんですな。明日は微妙な枠になってしまいましたが、たとえ枠なりの4カドになっても問題なさそう。智也との「群馬ライン」で、どんな作戦に出るか。スタート展示でふたりの動向はある程度わかるはずです。

2006_0729_10r_053 ⑤西島義則…評価・節イチ
 本当の微差ですが、上瀧より総合力で勝っていると思います。10Rではチルトを0・5に跳ねている分だけ出足と回り足で上瀧より劣り、差しが届きませんでした。それでも、上瀧が作る引き波を軽々と超え続け、最後まで艇尾にへばり付いてましたからね。もし両者の立場が逆だったら、もっと差が開いたはずです。引き波を超える「レース足」では誰にも負けないと確信しております。

⑥田村隆信…評価B
 本人は「悪くはない」とコメントしてますが、S級パワー4人の足元にも及ばないでしょう。せめて伸びだけでももう1艇身か2艇身はこないと、展開を突くことさえできないでしょう。現状のままでは、智也と同じように「コンマゼロ台、スリット全速」の冒険をするしかなさそう。まあ、それでも6コースからでは届かない可能性が大ですが……一か八か、西島に連動して前付けに出るかもしれませんね。


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

優勝戦共同会見ダイジェスト

 さあ行こう優勝戦! ということで、オーシャンカップ優勝戦のメンバーが決まりました。ここでは、準優各レース後に行なわれた共同会見の様子をダイジェストで。

Cimg1005 1号艇・松井繁(準優12R1着)
「一昨日までずっと新ペラを使っていて、昨日からいつも減音で走ってるペラで走った。そこそこいいんじゃないですかね。明日は、回転の微調整くらい。コースはイン死守のつもり。深くなったら? 深くなっても取りますよね(苦笑)」

2号艇・上瀧和則(準優10R1着)
「すごい握りました。エンジン? いいんじゃないの。スタート全速は初めて。掴んでいるけど、道中は大切に」

3号艇・山崎智也(準優11R1着)
「エンジンは、優勝戦に乗れたんで、まあまあはあると思います。戦えることは戦えますが、上が抜けている気はします。中堅ちょいくらい。コースは枠なりでいきたいですね」

Cimg0995 4号艇・江口晃生(準優12R2着)
「チルト0にしたのが失敗だった。明日は昨日までのセッティングに戻します。エンジンは、このメンバーだと変わらないかなあ……。智也と一緒に優勝戦? そういうのは意識しないですね。遠慮もしないし(笑)。オーシャンカップ連覇はまったく意識してなかったけど、優勝戦に乗れたんで、意識して走ろうかな。リラックスしすぎると今日みたいになるので(笑)、力入れて走ってみよっかな、と」

5号艇・西島義則(準優10R2着)
「今日は3日目に使ったペラ。伸びがあったほうがいいかな、と思って。ピット離れを除けば、満足しています。出足などはジョー(上瀧)のほうが上。明日はペラ2枚、どっちにするか考えるだけ」

6号艇・田村隆信(準優11R2着)
「回り足中心にいいと思います。伸びは人並み……にはあると思います。納得のレベルになってますね。上瀧さんとは差があるような気がする。コースは、わからない。今日ほどはいかないと思いますけど」

 気になるのは、「連覇を意識して走ろうかな」の江口でしょうか。また、上瀧が他選手も認めるパワーのようです。あとはもちろん、気になる智也。前検からの上昇度は一番でしょう。ともかく、楽しみな優勝戦であります。(黒須田)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

6人でSG23V! 優勝戦メンバー決定

優勝戦のメンバーが確定しました。凄いメンバーです。6人全員がSG2優勝以上!上瀧、江口、西島の「イン屋」が3選手。完全復活が見えた松井繁。艇界一の人気者・山崎智也。そして今節一番の強運でこの晴れ舞台に滑り込んだ田村……もう、目移りして締め切り1分前まで迷いそうですな。

優勝戦メンバー

①松井 繁(大阪)SG4V
②上瀧和則(佐賀)SG4V
③山崎智也(群馬)SG4V
④江口晃生(群馬)SG2V
⑤西島義則(広島)SG7V
⑥田村隆信(徳島)SG2V


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

ゆるやかな時間の流れ――準優勝戦、前半のピット

P7290001b  1Rでいきなり、1号艇・横澤剛治が転覆(不良航法・沈没)し、6号艇・菊地孝平がそれに乗り上げるアクシデントが起きている。菊地はなんとか完走できたものの、転覆の際に頭部あたりを打ったように見えた横澤の身が心配された。
 レースを見た人ならおわかりのように、かなり危ない感じに見えたのだ。そのため、ピット内にも緊張が走ったが、幸いにして、その緊張も、短い間だけで済んでいる。
 念のため、様子見として、しばらく休みを取っただけで、7Rには出走することになったのだ。
 一方、好感触になりつつある菊地のモーターは無事だったが(ボートは変更している)、復調ムードの原動力でもあるペラは少しいたんでしまったようだ。それでも菊地の表情は少しも暗くなってなく、「展示までには直します」と、作り笑いなどではない明るい笑顔を見せていた。実際に、ペラ交換はしなかったのだから、その作業はきっちり間に合わせたのだろう。

Vx0e7725b  ……と、そんなかたちで始まった準優勝戦の前半戦だが、選手たちの様子はどうかといえば、あわただしい感じはまるでなかった。ナイターの場合、前半戦と後半戦で気象条件が変わってくるため、整備を焦らない傾向があるからだが、問題の1Rが終わるまでは、整備室には誰もいなかったくらいだ。
 もちろん、ペラ小屋には、入れかわり立ちかわり選手が入ってくるが、長居している選手はほとんどいなかった。
 そうして、ゆったりと時間が流れていたのを象徴するように、グローブを丸めてボールの代わりにして、赤岩善生と池田浩二が蹴鞠のようなことをして遊んでいる姿も見かけられた。この二人は、もともと仲がいいわけだが、もちろん、ずっとそんなことをして遊んでいたわけではなかった。何がきっかけだったのかはわからないが、何かの弾みでそんなことが始まり、ちょっとした気分転換としてやっていただけなのだろう。そんなことを始めてすぐ、横澤のボートが引き上げられてくると、すぐにやめて、手伝いのために駆けつけていたことは付け加えておきたい。

Vs3i0658b  いくら、ゆったり時間が流れているように見えても、こうしてちゃんとメリハリができているのは当然のことだ。蹴鞠をしていた赤岩にしても、その時点で自分がやるべきことはすでに済んでいたことを証明するように、5Rではきっちり勝利している。
 また、装着場では、倉谷和信と松本勝也がしばらく話をしていたあと、松本が去ったと思えば、その後すぐ、倉谷と田村隆信が談笑を始めた。だが、そのすぐあとには、松本、田村、倉谷が、それぞれ別々にペラ小屋に足を運んでいたのだから、話の中身もペラと関係していたのかもしれない。

Vs3i0744b  準優メンバーの中で、最初に試運転に出て行ったのは鳥飼眞だった。それがちょうど3R前のことなので、早いといえば、早いといえるだろう。
 鳥飼が水面にボートを降ろしたあと、菊地の様子を見に行っていたりしたので、試運転そのものは見逃してしまったが、その後はすぐにピットにボートをつけて、ペラを外していた。ペラを交換しようかと悩んでいるような素振りも見られたが、やはりその表情は硬くなかった。
 とりたてて焦っている選手はいなくても、こうして自分の出番に向けて、やるべきことを着々と進めている姿を見ているのは、やはり気持ちいい。
 この記事をあげるためにピットを引き上げるまでのあいだでは、山崎智也の姿はほんの一瞬だけ見かけただけだが、智也にしても間もなく動き始めるはずである。あるいはすでに動き始めているはずだ。
(PHOTO/山田愼二、トップの写真のみ=内池 TEXT/内池久貴)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

今日のベストパフォーマンス・4日目

 いつにもまして激しい勝負駆けでした。最終ボーダーは6・17。6・00で結果待ちだった植木も、20位で終戦を迎えています。そんな下克上の大乱戦の中、見事に勝負駆けを決めた選手をピックアップして紹介しましょう。
 第3位。なんとなく楽々と背水の陣をクリアしたように見えた、艇界随一のクールガイに贈ります。

7R/買い物気分で勝負駆け突破!?

2006_0728_02_158   安全圏まで3着条件。微妙な勝負駆けです。攻めすぎる必要もないし、守りすぎると落選する。「さあ、どうする? 攻めるか? 無難にさばくか?」なんて自分が問われるような。でも、山崎智也には、そんなハムレットのような境遇は関係ないんですね。攻め一本槍でした。
 7レース、3号艇の智也は日高を内に招き入れて、4カドを選択しました。まずこれが第一の攻め。さほど伸びないモーターですから、ひとつでもコースが遠くなるのは不利になるはず。2、3着狙いなら、スローの3コースの方が無難なのです。でも、迷わずに4カド。勝つための戦略です。
 そしてスリットはほぼ全速のコンマ06。これが第二の攻め。昨日、コンマ01のドッキリSを切ったばかりなのに、これまた迷うことなく踏み込みました。あとは、同体だった日高をダッシュの差で置き去りにし、一気まくりで勝負駆け成功。なんというか、呆れるほどスマートで簡単そうなまくり決着でしたね。
「なんとか戦える足になってたんで、カドから行ってみました」
 インタビューでも「ちょっと近所に煙草を買いに行ってきました~♪」みたいな気軽さなんです。カド選択~コンマ06全速まくりという大技を決めた直後なのに。まあ、3着条件で3着を狙うような選手は、SGクラスでは誰もいないんですけど。常に1着を狙って当たり前。それはわかっていても、クール過ぎるんですよ、この男は。
 この貴重な1勝で、明日の準優は2号艇に。確かにエンジンパワーは初日よりはるかに上向いています。大事なときにスタートで大ポカをやるのも智也なんですが、とりあえず今年2本目のSGを獲る準備は整ったようです。

 第2位は、同じ4カドまくりでも、智也とはまるで雰囲気が違ったこの童顔の戦士に。

4R/勢い止まず、起死回生のピン勝負

2006_0727_01_194  これもSGと周年記念をブッコ抜いた勢い、というべきでしょうか。坪井康晴は、3日目の前半を終えて、早くも絶望的な状況でした。6・4・5着で残り2走。普通ならこの時点で予選落ちが確定しています。
 でも、浜名湖グラチャンを勝っていた坪井は、ドリーム戦士でしたからね。6着でも5点。これが大いにモノを言いました(もちろんドリームじゃなければ、もっといい着を取っていたかもしれませんが)。残りの2戦がピンピン連勝なら、ギリギリ突破できる。文字通り、首の皮一枚です。正直、開幕3戦のリズムからは、突破できるとは思えませんでした。
 でも、坪井はやっちゃいました。昨日の後半戦で、渾身のイン逃げ。そして、今日の4レースでは、枠なりの4カドからコンマ12のトップSを決めて、一気の絞りまくりです。インタビューの坪井は、もうニッコニコ。智也のクールさとは正反対で、「うわ、やっちゃった、今節も準優に乗れちゃったよ~!!」みたいな泥臭いほどに素朴な笑顔を振りまいておりました。
 でも、もちろんこの予選突破は単なる偶然でも幸運でも勢いだけでもないのです。ピンピンしか許されない険しい状況下で、ピンピンを取る。これぞSG覇者の資質であり、並外れた精神力と集中力の証左なのですよ。坪井康晴、成長しました。正真正銘のトップレーサーになりました。本人はまだまだ無邪気でも、身体と心がSGと対等に向き合っている。そう思いました。
 明日、準優の坪井は5号艇。イン水域で上瀧&西島というドスの利いた鬼たちが待ち受けていますが、今の坪井なら……明日もまた泥臭い自力駆けを見せてくれることでしょう。

 そして今日のベスト勝負駆けは、久しぶりに強気のラッパを吹きまくった王者に捧げます。

12R/今度こそ、完全復活宣言!

2006_0728_02_096 王者・松井繁は12Rの1号艇。で、3着が絶対条件でした。以前の松井なら「ああ、2着条件も3着条件も関係ねえや、負けるわけねえもん」と思えたものですが、最近の松井はちと頼りないんです。私、初日に松井が圧勝したのを見て、この欄で「完全復活宣言」と書きましたが、その後、心の中で撤回しました。2番手から3番手に、3番手から4番手にずり下がっていくとは……そんな松井、ほとんど見たことがなかった。そのたびに当たり舟券が紙屑に変わったせいもあって、私は「松井ィィ、昔のお前はどこに行っちゃったんだよ~!!」と紙屑を丸めて床にぶつけていたわけです。
 でも、今日の松井は別人でした。レース自体は5艇立てのイン逃げですから、勝って当たり前なんです。先頭から2番手に陥落する松井じゃありません。このレースをもって「完全復活」とは呼べないのです。
 驚いたのは、レース後のインタビューでした。もう、凄い形相でしたね。真っ直ぐにカメラを見据え、自信満々に会場のファンを見回す。目がギランギランに輝いている。
 あ、昔の松井の顔だ!
 本当に、不遜なまでに自信に満ちた、懐かしい王者の顔でした。でも、この2日で失望を食った直後ですから、鵜呑みにはできません。
 松井、信じていいのかよ、ホントに昔のお前なのかよ~!って感じです。で、松井の口が開きました。私、久々にオシッコをチビりそうになりました。
「昨日までエンジン落ち気味やったけど、今日はトップクラスあります! 明日は一発あると思うんで、ここに集まったお客さん、ぜひとも買ってください!」
 顔と同じほど自信満々に、こう言い放ったのです。嗚呼、もう恍惚です。松井はこうでなくちゃいけないんです。さらに松井は言いました。
「一発ある足に仕上がったんで、明日は応援してください!!」
 ほぼ、同じ言葉の追い討ち。そう、この自信なんです。最近の松井に足りなかったものは! この不遜なまでの自信が戻れば、道中の競り合いで弱気なターンをするなんてことは絶対にない選手なんです。だからこそ王者なんです。
 明日の松井は3号艇。さらに後から聞いた情報では「3号艇くらいがちょうどいい!」と力強く言い放ったそうです。私、信じます。鬼神のように、憎らしいほどに強かった松井が帰ってきたと。舟券を買う買わないは別問題なんです。買っても嫌っても、とにかく気になって仕方がない。そんな存在感の塊のような王者が見たいのです。(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/畠山)


| 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (3)

ドラマチック勝負駆け――4日目、後半のピット

Cimg0961  ドーンドーンドーン。東のほうから聞こえてくる爆発音。今日は、小倉方面から若松に架けられた若戸大橋の花火大会だそうである。11R頃に打ち上げられ始めた花火は、ピットからもしっかり見ることができた。ちょうどボート引き上げに出てきた選手たちが、一通り作業を終えると、足を止めて見入っている。職員さんも、報道陣も、思わず花火が上がった方面を見上げて、動けなくなる。綺麗ですなあ…………「ほら、クロちゃんが上がっとるで」。?????? 俺が花火? 振り返ると、森高一真が僕の肩に手を置いて、悪戯っぽく笑っていた。そばにいた重成一人、田村隆信が思わず吹き出す。ま、またですかぁ、森高さーん!Cimg0944  でもね、森高さん、僕、本当に“黒”ちゃんなんですよ。取材章を見せると、森高、「うわっ、ほんまにクロちゃんやっ!」とビックリ。田村も、むしろ感心した様子で驚いていた。うはははは、どーだっ! まいったか! そのあとは、「クロちゃん、どこ泊まってるの? 小倉? うわっ、キャバクラ行きまくっとるやろっ!」などと、延々からかわれタイム。森高さん、行くわけないじゃないっすかぁ。舟券負けまくってるし…………って、勝負駆けの日に何をしとるんでしょうか。私、すっかり森高一真にオモチャにされておりますです、はい。

2006_0728_01_082  そんなことはどうでもいい。そう、今日は悲喜こもごもの勝負駆けデーなのだ。朝から勝負の懸かった選手たちがビシビシと条件をクリアする快走を見せて、ボーダーはぐいぐいと上がっていった。8Rに登場した植木通彦は、1マークで後手を踏みながらも、意地の激走で2着を死守し、6・00まで得点率を引き上げたのだが、その時点ですでに、通常なら予選を十分クリアできるその数字が、かなり苦しいものになっていた。9R以降、上位勢が次々と失敗しなければ、植木の地元オーシャンは終戦を迎える。そしてそれが、かなり可能性の薄い希望であることは、全体の情勢を見れば明らかだった。2006_0728_02_076 結果は果たして、無念の20位……。浜名湖で実況を務めている工藤浩伸さんの肩にもたれて泣き真似をする植木の姿を見れば、もう切り替えはできているようにも見えるが、12R後の植木はどこかやるせない表情で、帰宿のバスへと歩いていった。

2006_0728_02_124  残酷なように見えたのは、11Rだ。この時点で、田村隆信の6・17が19位。18位は市川哲也の6・20で、ボーダーはここまで上がっていた。1R6号艇を、鬼気迫る前付けで1着クリアして、勝負駆けを成功させたはずの田村だったのに、時間が経つにつれていつしか、ベスト18の枠から弾き出されていたのである。ところが、11Rでまさかの事態が起こる。予選6位につけていた瀬尾達也が、シンガリに敗れて、得点率を6・17まで落としてしまったのだ。両者を比較すると、田村が節間3勝、瀬尾が2勝。着順点で田村が逆転! 土壇場で、田村は18位に滑り込んだのである。しかし……瀬尾と田村は同じ徳島支部なのである。ピットに戻る瀬尾を出迎えるのは、後輩である田村の仕事なのだ。先輩の挫折が、後輩にとっては幸運となる。Cimg0954 瀬尾のボートに入った水を掃除機で吸い取りながら、田村はまったく嬉しそうな表情を見せることはなかった。ホッとした気持ちを実感しながらも、それを表に出すことはできない。田村にとってみれば、むしろ辛い時間かもしれなかった。結果的には、12Rで失敗した選手が出たために、瀬尾が18位で準優ギリギリセーフ! 宿舎では、きっと笑い合える瀬尾と田村だと思う。

Cimg0979  その12Rで失敗したのは、田村のひとつ上にランクされていた市川哲也である。予選前半は快調に飛ばしながら、昨日から調子を落としてしまって、出走前の段階で16位。3着で6・17、ひとまず田村や瀬尾と並んだのだが……道中、中村有裕にかわされて4着。ついに6点を割るところまで落ち込んでしまったのだった。
 ピットに引き上げてきた市川には、表情がなかった。辻栄蔵ら後輩がボート片付けを引き受け、その指示を出しているときにも、無表情である。悔しさを露わにするのでもなく、苦笑いでレースを振り返るのでもなく、ただただ顔色を変えずにいる市川。つまりそれは、最大級の悔恨の表情なのである。ひたすら自分を責め、走馬灯のように駆け巡っているはずのレースでのさまざまなシーンをなんとか押さえ込もうとする、哀しみの表情なのだ。西島義則、辻ら広島勢も、そんな空気を察知してか、声を失っている。いたたまれない、レース後の風景だった。市川、明日もあさっても、これからもガンバレ! リベンジの機会はきっとすぐにやって来る!

2006_0728_02_002  もちろん、歓びの表情もたくさん見られる、勝負駆けデー。まだ日が高いうちからピットに張り付いていた山田愼二カメラマンによると、松井繁が非常にご機嫌だったそうである。前半の3着で、ぐっと楽になった12Rの勝負駆け。1号艇でもあり、またレース後の勝利選手インタビューでも語っていた通り、足も抜群に仕上がっていたから、メドは立ったという確信を持っていたのだろう。その予感どおりに、12Rを逃げ切った松井。レース後の松井からは、喜びとともに、新たな気合オーラがじわっと立ち上っていた。王者モード、全開! そういうことだと思う。機力はもちろん、メンタリティも完全に仕上がった! 12Rの勝利で、松井は王者の魂のインストールを完了したのだと思う。この状態になった松井は怖いぞ!

2006_0728_01_207  先述した植木の2着、その前を走っていたのは、同県の鳥飼眞である。1着で6・33、予選を見事にクリアした。この結果はまさに大きな大きな分水嶺となっていて、もし順位が逆だったら、得点もまるっきり入れ替わって、植木が準優へ、鳥飼が予選落ち、であった。まさにでっかいでっかい勝利を得て、鳥飼は爽やかな笑顔をレース後に見せていた。日が落ちてから、JLCの展望インタビューに登場していたのだが、そばで見ていた長嶺豊師匠に祝福されて、顔がくしゃりとほころんだ。嬉しいといわなくとも、目が、頬が、口元が、そう叫んでいる。もちろんこれがゴールではなく、明日はさらなる気合を込めなければならないのだが、ひとまず心から笑えばいい。その男っぽい笑顔は、最高に輝いていた。

2006_0728_02_117 勝負駆けドラマの一幕。9Rでようやく勝利をあげた今垣光太郎は、しかし10点を得てもとうてい予選クリアに及ばない状況にあった。そもそも、ピットではあまり笑う姿を見かけることのない彼だが、この勝利でもやはり笑わない。というより、笑えないといったほうが正確のようだった。これも山田愼二カメラマンの目撃談なのだが、「こんなに落ち込んだことはない」とレース前に松井らにこぼしていたそうなのだ。素性のいいエンジンを引き当てながら、その爆発力をまるで引き出せないままに終わってしまった予選道中。「ファンにも申し訳ないし……」。誰よりもファンの存在も重く捉えている今垣にとって、これ以上ない最悪の結果を出してしまったオーシャンカップなのだ。
 BOATBoy7月号で今垣は、自分を変えようとしている、そんな意味のことを語った。その課程は、彼にとって苦しいことばかりが待ち受けていた。誰もが、今の彼を不調だと思う、そんな成績が続いてしまっているのだ。そのピークが、このオーシャンカップなのか。今日の1着が、好転の契機であると、僕は信じたい。オーシャンカップはまだ終わっていない。あと2日、最高の今垣光太郎を見せてくれ! 準優には出られないけれども、明日はその走りを熱く見守りたいと思った。

2006_0728_02_043  さて、7R4着条件の勝負駆けを、見事に1着でクリア! 気づけば準優2号艇ゲット! うぉぉぉぉ!と気になる山崎智也。レースを終えると、グラチャンでもつけていた大きなヘッドフォンを肩にかける姿で、ピットに現われた。このヘッドフォンは、耳につけると外の音がいっさい遮断されて、雑音に集中力を乱されることのない優れものだそうである。そう、智也は早くも精神統一モードに入った! 弱めの機力で苦しんだ予選道中、終わってみれば予選5位という好成績につけた智也。間違いなく、すべてが上向いていると言っていいだろう。優勝した笹川賞から3連続SG優出も、おおいに期待できるぞ! 明日の智也も、もちろん気になることが決定!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

静かな勝負駆け――4日目、前半のピット

Cimg0921  快晴で気温もうなぎ上り、あぁ、ビール飲みたい! いやいや、そんなことを言っている場合ではない。今日は勝負駆けなのだ! ベスト18という深くて広い河を渡るため、選手たちは必死に戦っている!
 ……と思いきや、ピットは意外にも静かであった。もちろん、水面では熱戦が展開されているが、ピットには人影が少ない。先乗りしていた中尾カメラマンが記者席に戻るのと入れ違いになり、「カメラマンのほうが多かった(笑)」と呟いたのだが、その言葉が決して大げさではないくらい、ピットは閑散としている。レースが終わった選手がボートの後部でしゃがんで、モーターのチェックをしているのが何組か見られるくらい。うむむむむ……。選手の姿を探すべくうろついていたら、すっかり汗だくになってしまった私でした。

Cimg0926  もちろん、いるべき場所にはきっちりといる、それが競艇選手。試運転ピットにはずらりとボートが係留されており、レースが終わって、ボートの引き上げが一段落つくと、一斉にボートへと乗り込む姿が目撃できる。そして、ペラ室にも調整に励む選手たちをたくさんたくさん見かけることができる。ようするに、彼らは無駄な動きをいっさいしていない。そう見える。コンディションを整えて、レースに全力を傾注するすべをよく知っている、そう思った。どこにいたのか、寺田祥が突如現われて、てきぱきと準備をして、ボートリフトへ。いやはや、この迅速な動きもまた、一流選手の証なのだろう。

Cimg0909  装着場をほにゃら~と眺め回していたら、整備室の中に赤いTシャツを発見した。ん? あのTシャツ、憲吾では? 忍者のようにささささっと整備室の入口まで小走りで向かうと、たしかにそれは、濱野谷憲吾であった。本体に手をつけ、調整なのか点検なのか、とにかく強さのある視線でモーターを睨みつけている濱野谷。何か気になるところでも……というか、濱野谷、予選1位なのである。昨日とはさして変わらぬ気候の中、機力に大きな変調があったとも思えない。なにしろ、昨日だって、整備室ではモーター格納以外はほとんど見かけなかった濱野谷なのだ。予選トップを突っ走ろうと、決して緩めないという態度の表われなのか。「ガツガツしなきゃ、SGは勝てないのかも」、そう言っていたBOATBoyでのインタビューがフラッシュバックした。

Cimg0925  濱野谷のさらに奥のほうには、ピンクのTシャツも発見。これは誰だかわかっている。原田幸哉だ。ピン勝負の今日、幸哉は早い時間帯から、最後の整備に精を出す。眉間にシワが寄っているとか、目がキーッと吊り上がっているとか、その手の深刻な表情ではないものの、極限の集中力でモーターと触れ合っているように見える。これまで、幸哉が得点ピンチの状況から勝負駆けをビシッと決めるシーンを、何度見てきたことか。この勝負強さが、“東海の虎”こと幸哉の幸哉たる所以である。その源は、こうしてふと見せる精神力にある、と僕は思う。やはりこの男、紛れもない超一流のたたずまいを持っている。

2006_0725_01_243  2Rで勝負駆けを決めた倉谷和信。6号艇から前付けでインを奪取しての1着、気分上々といったところだろう。それでも迫力の顔つきは相変わらずなのだが、その頬が緩んだのは、同期の上瀧和則の祝福を受けたときだった。ペラ作るのは、まだ早いでぇ~、7Rくらいからでちょうどええ、みたいなことを言いつつからかう上瀧。これはつまり、準優はナイターの時間帯だから、こんな暑いうちからペラを叩いても夜にはフィットしないんじゃないの~、ゆっくりしなよ~、という意味なのであろう。そう、これも上瀧流の祝福プラスねぎらいなのだ。にこにこっと、さらに頬を緩める倉谷。勝負駆けを成功させるのって、ほんと、いいもんですね。

Cimg0914  さて、4着の勝負駆け、成功させられるだろうか……と気になる山崎智也。ペラ調整に専心している様子で、しかし他選手のボート引き上げなどに出てくる際には、わりとリラックスしているように見受けられる。1Rを2着、次は5Rに出走の中野次郎が着水の準備をしていると、そばに座り込んで話しかける智也。笑顔も見えて、なんだか楽しそうですらあります。後半のピットでは、予選突破でチョーご機嫌の智也に会いたいものですな。(PHOTO/中尾茂幸=倉谷 黒須田=その他 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)

本日の注目選手!

おはようございます!……といっても、もう午後ですね。若松は今日も夏らしい気候です。勝負駆けの今日、思い切り盛り上がっていきましょう。

2006_0725_01_304 ところでこの注目選手、初日の後藤浩→2日目に2着、2日目の吉川元浩→3日目に1着と、なんだか1日ずつずれてますなあ……。ということは、今日、昨日の森高一真が活躍する!? そして今日あげる選手は……いやいやいや、今日の注目選手もガンバッてくれると信じます。その男は石田政吾! 初日1着と好スタートながら、2日目に6着2本と頓挫、しかし昨日は2着で、準優戦線に生き残りました。今日は2・2着条件ですが、初日と3日目の走りを見れば、十分にクリアできるはずです。ここを勝ち抜いて、石田の代名詞でもある「ガンバリマス!」を再び聞きたいものです。ガンバレ!(黒須田)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

勝負駆けを前に――3日目、後半のピット

Img_0263  ピットにそびえる巨躯。溢れるオーラを振り撒いて現われたのは、競輪界のスーパースター、吉岡稔真! 田頭実とトークショーに出演するため、若松競艇場に登場。空き時間にピットを訪れ、こうしてモーター音に聞き入った。実は、山田愼二カメラマンが吉岡とは古くから知己の関係にあり、僕もピット探訪に同行した次第。というか、何を隠そう、僕は競輪も大好きであり、しかも吉岡ファン! 山田氏におねだりして、乱入したというのが真相であったりします。ちなみに、9年ほど前に別冊宝島『競輪打鐘読本』というムックを制作し、その巻頭で吉岡と植木通彦の対談をプロデュースしたりもしました。てなことはともかく、「やっぱり、僕らの検車場と同じで、緊張感がすごいなあ。まさか休みの日に、こんな空気に身を置くとは(笑)」と、競艇のピットに漂うピリピリした空気に感心した様子の吉岡。本当は、選手とのツーショット、なんてのを狙ったりもしていたのだが、「やっぱり、話しかけづらいですよ。僕もレースの時はそうですからね」と、同じトップレーサーだからこそ共有するプロ選手の心情を気遣い、ピット見学に留める吉岡だった。
 そんな吉岡が、唯一、声をかけたのが、植木通彦! 北九州の誇る、二大巨頭! 二人はもう長年の友人関係にあり、今日はまさに久しぶりの再会。整備に忙しそうな植木だったが、吉岡の顔を見ると相好を崩して足を止め、かなり離れた位置からではあったが、しばしの会話を楽しんだ。これが7R直後の出来事で、「植木さん、10Rは頑張ってほしいなあ」と吉岡。植木も、さっと手を挙げて、颯爽と控室へ消えていった。
Cimg0883  その10R。植木は、残念ながら3着。吉岡の願いもむなしく、勝利を得ることはできなかった。レースを終えた植木は、着替えを終えると整備室へ直行。残された時間は少なかったが、そこから必死の整備を始めた。整備室の中には、植木のみ。整備士さんも総出で、植木の作業を見守る。出走表を確認すると、明日は2着で6・00。2連対条件の勝負駆けだ。植木は、最後の賭けに出たのだと思う。地元の期待をヒシヒシと全身に感じ、だからこそ予選突破を確かなものとするため、相棒に最高の化粧(チューンアップ)を施そうとしている。これぞまさしく勝負駆け! 明日は8R5号艇。どんな走りを見せてくれるか、刮目して見るしかない! 吉岡も応援してるぞ!

Cimg0864  レース後、整備室に駆け込んだもう一人が、江口晃生である。10Rは4着に敗れ、オール連対が途絶えてしまったが、それでも予選2位。明日は5着2本で予選突破だから、限りなく当確に近い状況である。しかし、納得できないもんは納得できん!とばかりに、調整に精を出す江口。ディフェンディング・チャンプは、2連覇に向けて本気モードだぞ! 明日も緩めず、準優好枠を確かなものとするため、突っ走ると見た。

2006_0725_01_415_2 長い時間、整備室にいたのは、佐々木康幸である。彼は昨日も、一昨日も、整備室にその姿を目撃できた一人だ。今日は1R1回乗り。整備を終えたのが、11R後だったのだから、ずいぶんと整備室にこもっていたものである。明日は、1着勝負! ピンを獲るしか、準優への道はない。それだけに、整備にも熱がこもって当然というもの。整備というのは、孤独な作業である。たった一人(整備士さんがアドバイスをしてくれることはあるけれども)、相棒と向き合い、いつくしむように触れ、性能アップをはかっていく。そんな時間を佐々木は、かなり長い間、過ごしたのである。もちろん、それでも結果に結びつかないことはある。もともと足りないからこそ整備をするのであって、劇的に症状が好転するとは限らない。だが、佐々木の背中を見るにつけ、明日の歓喜を願いたいと思ってしまう。舟券を買って、応援してみるとしよう。

Cimg0896  12R、アッと驚くハプニングが起きた。あの上瀧和則が、回り直して6コースへ! え、え、えぇぇぇぇぇっ!? 僕の見ていた位置からは、ちょうど試運転ピットの屋根が邪魔してよく見えなかったのだが、待機行動中、横澤剛治に乗り上げる格好となり、その後、回り直しで外に出たようだ。上瀧がブイーンとこちらへ向かってくる(ピットは当然、6コースがいちばん近いですからね)のを見て、ぶったまげた僕だったが、それは選手たちも同様のようで、振り向くと控室などから選手がぞろぞろと出てきて、水面を注視していた。上瀧の回り直しといえば、今月はじめの蒲郡周年の優勝戦。あのとき、上瀧とインを過激なまでに競り合い、よにも珍しいシーンを演出した森高一真も、その輪に加わっていた。
 それでも2着に入ったレース後、上瀧はまだボートリフトが完全に昇り切る前から、横澤に「ヨコーッ! ごめん!」と大声で詫びた。ピットに上がると、「レバーが戻らなくなった」と語っていたが、上瀧の表情はなんとも複雑なもの。少なくとも、6コースから2着をもぎ取った喜びは、あまり感じられなかった。男・上瀧、スッキリと結果を出したかったのだろう。上瀧の心中、漠然とだけど、理解できるような気がした。
 明日は横澤の分まで、頑張れ!

2006_0726_02_132  12R前、整備室の入口に貼り出された明日の出走表を、丸岡正典がジッと見入っていた。もちろん自分の出走レースを確認していたのだろうが、実は若手選手にはもうひとつ意味があって、それは先輩選手の翌日の1走目の確認。艇番板と艇旗を、今日のうちにセッティングするためである。たいがい、支部でもっとも登番の若い選手が、同支部の先輩たちの分までセッティングするのが常で(もちろん例外はあって、たとえば今日は山崎智也が11R出走のため、江口が智也の分も用意してました)、だから「明日の出走表あります?」と声をかけてくるのは、圧倒的に若い選手であることが多い。
 丸岡も、そのために見ているのだろうなあ、と思ったのだが、それにしては丸岡、ずいぶんと長い間、そこを動かない。ふと装着場を見渡して、倉谷や松井や太田の名前のついたボートを探すと、あれ、もうセッティングは済んでいるではないか。ということはつまり、丸岡はおそらく、自分の出走を確認、さらにレースの展開に思いを馳せていたのだと思われる。明日は1回乗り4着条件。そして、ようやく回ってきた1号艇。かなり有利な状況のはずなのだが、それでも油断などできようはずがない。黙って出走表を見つめる丸岡、正直言って気迫みたいなものはそれほど感じなかったのだが、きっと胸の内に闘志をたたえて、明日の戦いをシミュレーションしていたはずだ。

2006_0726_01_489  丸岡が立ち去ったあとも、僕は整備室の入口あたりにボケーッと突っ立っていたのだが、ふと見ると、向こうから三嶌誠司と森高一真が、ニッコニコでこちらに歩いてきた。おぉ、香川コンビですか……って、ん? 二人とも、僕を見て笑っているぞ。「おつかれさまでーす」と声をかけると、三嶌が僕に向かってさらに笑いかけた。
「こいつ、しばいてええですよ。なんか悪いことばっか言うとるから」
 こいつって、森高のこと? 森高、さらにニッコニコ。へ? 森高をしばいていいの?……って、できませんがな! だって、怖いし……。
「見かけは怖いけど、たいしたことないから、しばいても大丈夫!」
 無理無理無理ーーーーっ! いったん整備室に入った三嶌は、片付けを終えて戻ってくると、再び「こいつ、しばいたほうがええですよ」。????? 何事?
 その後の会話から推測すると、森高、どうやら僕が安田大サーカスのクロちゃんに似ているとかなんとか、話していたようなのだ。僕がBOATBoyを作っていることを話すと、こちらが名前を告げてもいないのに、「クロちゃん、BOATBoyなの?」と言っていましたからな。でも三嶌さん、それって、ちっとも悪いことじゃなくって、最近はみんなに言われまくってるんですよ。選手のみなさんにも、ぜひぜひクロちゃんと呼んでもらいたい私なのであります(“黒”須田だし)。
 で、森高は、手に持っていたトゲトゲのついた黄色いボールを僕に向かって投げつけた。うわっ!!! 危ない! のけぞった僕に、森高、大笑い。そのボール、ゴムがついていて、しっかり森高の指にくくりつけられていたのでした。要するにヨーヨーですな。もう、森高さんったらぁ。その後も森高は、近くを通る選手に同じことをしまくっては、大笑い連発。ついには、平石和男に「こないだ、ウチの幼稚園の子供が、同じことやって喜んでたよ」と、逆に笑われてしまっていた。「俺、精神年齢、幼稚園児ってことか」と、さらに大笑いする森高。いやあ、森高、最高っす。もちろん、三嶌さんも! 二人とも明日の勝負駆け、頑張ってください!

2006_0727_01_339  さて、そんなやり取りの間にも気になる山崎智也。7Rで今節初1着、後半も期待されたものの、惜しくも4着。明日は4着で6・00に到達する計算になる。後半11Rは、仲良しの原田幸哉が1号艇で、智也は2号艇。レースが終わって12Rの発走間近、二人並んで談笑しながら、モーターの格納にやって来た。幸哉はもちろん、ご機嫌。そして智也も、いい笑顔。明日は、いい気分で勝負駆けに臨めそうである。もちろん、応援してますよ!(PHOTO/中尾茂幸=佐々木、丸岡、森高、山崎 山田愼二=吉岡 黒須田=それ以外 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (3)

今日のベストパフォーマンス・3日目

 勝負駆けがはじまった。そんな気配がひしひしと伝わる、激しいレースの連続でした。最終レースの上瀧の追い上げ、鳥肌が立ちましたね。ベストパフォーマンス賞を授けたいほどの追走劇でしたが、今日のところは見送ります。
 第3位はパワー劣勢にも関わらず、度胸一本で艇団を切り裂いた天才レーサーに贈ります。

7R/コンマ01!準優へのタッチS

2006_0727__008  恐るべき強運、恐るべき度胸、そして恐るべきテク。7レースの山崎智也は彼の魅力をほぼすべて披露してくれました。枠なりの5コースから艇を引いた智也は、腹をくくっていたそうです。
 スタート張り込まなきゃ、勝てない。
 それくらい11号機はパワーがないんですね。思いっきり行きました、智也クン。で、途中で「ヤベ、行き過ぎてる!」と気づいてアジャストしました。スリットはコンマ01……もしイケイケで突っ込んでいたら、間違いなくフライング。首の皮一枚、持ち前の強運で最悪の事態を免れたのです。
 こうなると展開も味方にしちゃうのが智也という男。2コースからコンマ03発進した瀬尾が、インの赤岩を抱き抱えるようにまくりました。様子を見ながらのまくりなので、赤岩もやんわりと抵抗します。イン水域に、空間ができた。と見た瞬間に、智也のハンドルが突き刺さっていました。
 もちろん、展開一本じゃないですけどね。スリット全速ならともかく、アジャストしてからのまくり差し。これは難しい。超一流レーサーならではの「見る前に飛ぶ」決め撃ちなくては成しえない芸当なんです。凄いスピード&角度でした。
「いや~最後に放ってよかったっすよ! 鳥肌立ちました。スタート行かないと勝負にならないから行ったけど、まさかこんなに早かったとは」
 レース後の智也の声は、興奮で震えてました。大敗すれば準優進出に黄信号が点る。その危機を度胸と運で乗り越えた。子どものように無邪気に興奮しておりましたな。
 とはいえ、まだまだ危機は続きます。モーターは相変わらずのポンコツ。節間成績は6・50で13位。明日7Rの1回走りで大敗したら万事休すなのです。
「予選をコンマ01で生き残った選手は優勝する」
 私はそんなジンクスを信じているのですが、明日の智也が最初のハードルを乗り越えられるか。しっかり見届けることにしましょう。

 続いて第2位は、この7レースの直後に智也を挑発するような勝ち方をしたこの人に。

8R/見たか智也、これが憲吾スペシャルだ!

2006_0726_01_042  今節の山崎智也と濱野谷憲吾は何か不思議なんです。ドリーム戦では直線の競り合いで見つめ合ってたし。その時、内から逆転勝ちを収めた憲吾は、智也に向かって「へへ、お先に~」みたいな挑発的な顔をしたそうです。レース後に智也が「マジで悔しかったよ~」と言ったとか。笑いながら、ですけど。
 で、今日の8レースでも、憲吾がやってくれました。5コースからの完璧なまくり差し。内側でインの山本浩次に上瀧やら中村ユーユーやらがバチバチ火花を散らしている間に、スパッと艇間を突き抜けてましたね。これぞ、元祖「憲吾スペシャル」!
 まあ、単なる偶然なんでしょうが、私の目には「智也、お前がやったんなら、俺も同じことやってやるぜ。5コースからのまくり差しは、俺の専売特許だし」と嘯いているように見えました。スタートタイミングを除けば、ふたりのコース、スピード、角度は実に瓜二つだったのです。
 ええ、そんな憲吾のセリフが私の妄想であることは百も承知ですとも。でも、それほど今節のふたりはシンクロしてるんですね。目に見えない赤い糸、あ、それじゃヤバすぎる関係ですけど、神の見えざる手がふたりをそっと包んでいるような気がします。
 再び妄想。明日、智也が勝負駆けに成功し、偶然にも同じ準優に乗ります。そしてワンツーを決めて、優勝戦で3度目の対決……できすぎな話ですが、今節のふたりならあるいは……そう思えてならないのです。

 そして今日のベストパフォーマンス賞は、智也&憲吾の競演の直後に負けじとまくり差しを繰り出したこのベテラン選手に捧げましょう。

9R/あの鬼武者が帰ってきたぞ!

2006_0726_02_112  人間から鬼に変わりましたね、西島義則。9レースの勝ちっぷりは、もうゾッと背筋が凍りました。4コースのカド受けから強引なまくり差し。智也や憲吾のようなスマートかつスピーディな大技じゃありません。ほとんど隙間のないような空間に後方から艇を捻じ込むような感じでした。
 ズゴゴゴゴゴゴ。
 そんな音がしましたね。智也と憲吾はスッパ~~ンでしたけど。ズゴゴゴゴゴと鈍い音をたてて、3本ほどの引き波を蹴散らすように伸びて行きます。もちろん、気合いで引き波は超えられません。今朝あたりから行き足と回り足が超抜に仕上がった。だからこその波超え。それはわかっていても、西島の場合は違うのですよ。
「わしゃ西島じゃ! 波の3本や4本、気合いと根性でブチ壊してやるけぇのぉ!!」みたいな声が聞こえるのですよ。
 でもって、バックがさらに凄かった。無理ぎみのまくり差しですから、先頭には立てません。2艇身ほど先に、逃げた鳥飼がおりました。逃げきり濃厚です。が、そこから引き波を超えた勢いで舳先を鳥飼の内に入れ、「うりゃうりゃ、わしゃ西島じゃけぇのお!!」と叫びながらグリグリと捻じ込んでいったのです。叫んでませんけど。
 1着が欲しい鳥飼も必死に抵抗しました。内に内に西島を絞って、「西島さん、素直に引いてくださいよ、2マークにぶつけちゃいますよ」みたいに突進しています。でも、引くわけないんです。西島ですから。鳥飼もそのへんは熟知してますから、共倒れを恐れて自分が身を引きましたね。相手が悪かった。西島ったら、それはもうご機嫌なモンキーで、ぶうんと2マークを先取りしておりました。
 はい、この一連の行動を一言でまとめちゃうと「鬼」しかないでしょ。舟に人体が乗っているのではなく、気合いの塊だけが操縦している。そうとしか見えなかった。そして、そう見える時の西島義則は、ほぼ100%優出しほぼ半分ほど優勝しているのです。あの、SG3連覇を成し遂げた2000年あたりが、まさに鬼武者モード全開でした。
 嗚呼、またあの鬼が帰ってきてしまった! 私としては、嬉しくってしょうがない。だって、鬼の西島が棲むレースは実に有機的で波乱に満ちた展開になりますから。
 わしゃ西島じゃけぇのお!!
 この声が聞きたくて聞きたくて、仕方がなかった。それがあと3日間も聞けるのですから。(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/畠山)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

明日の勝負駆け情報! 準優当確は4人!

2006_0725_11r12r_183  3日目も熱戦の連続で、オーシャンカップは早くも明日、勝負駆けを迎えます。オール連対の選手が皆無という混戦模様のなか、準優当確を決めたのは4人。あ、ボーダーは6・00を想定しています。
当 1 濱野谷憲吾
当 3 上瀧和則
当 5 西島義則
当 7 石渡鉄兵
  もちろん彼らも、準優好枠を狙って、明日も渾身の勝負を見せるでしょう。

 以下、勝負駆けの面々を。
2 江口晃生 5・5着
4 平石和男 5・5着
6 寺田祥  4・5着
8 鳥飼眞  4・4着
9 市川哲也 2・6着
10 山本浩次 4着
11 吉川元浩 4着
12 瀬尾達也 3・4着
13 山崎智也 4着
14 松井繁  3・4着
15 池田浩二 3・4着
16 丸岡正典 4着
17 赤岩善生 3着
18 中澤和志 3着
19 作間章  2着
20 太田和美 2着
21 後藤浩  2着
22 植木通彦 2着
23 藤丸光一 2・3着
24 矢後剛  2・3着
25 田村隆信 1着
26 倉谷和信 1着
27 原田幸哉 1着
28 坪井康晴 1着
29 三嶌誠司 2・2着
30 石田政吾 2・2着
32 中村有裕 2・2着
33 森高一真 2・2着
34 佐々木康幸 1着
35 烏野賢太 1・2着

 ちなみに左の数字は予選順位。同点の場合は、着順点(1着が多いほう。同数なら2着が多いほう……以下同)により順位がついています。それもまったく同じなら、最高タイム順ですね。なお、向所浩二が1着で、日高逸子、今垣光太郎が1・1着で、1点足らずの相手待ちになります。

2006_0725_11r12r_176  山崎智也、丸岡正典あたりまでは、比較的楽な条件で、大敗に気をつければ、予選通過はほぼ大丈夫そう。残されたシートは意外と少ない感じで、だからこそ明日はさらに白熱のレースが見られそうですね。注目は、やはり植木通彦でしょうか。明日は2着勝負。渾身の走りを見せるでしょう。予選4日目、見逃せないレースばかりだぞ!


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

暑中お見舞い申し上げます――3日目、前半のピット

Cimg0846 31℃。夏、である。まあ、これ以上の気温になる日も、きっとこれからあるわけで、ようやく夏の入口をくぐったといったところなのだろうが、しかしまあ、暑い。レースになると、選手はレーシングスーツの上に、カポックを着て、カッパを着るわけだから、いやはや大変だ。半袖シャツ一枚の僕が暑い暑い言っている場合ではない、のかもしれない。でも、暑いもんは暑い!  というわけで、選手も汗だく、僕も汗だくの3日目である。

Cimg0848  3R、向所浩二が今節初勝利をあげた。ピットに引き上げてくると、汗びっしょり。顔も熱気で真っ赤である。だが、やっぱり勝利は格別! とばかりに、とびっきりの笑顔を見せていた。まさに激戦を戦い抜いてきた、といった感じ爽やかな顔だ。競艇に限らないけど、試合後の汗だくの顔って、特に夏場は実にカッコいいっすよね。向所も、カッコよかったぞ。初日ゴンロクと最悪の幕開けだったのを、昨日今日でなんとか巻き返してきただけに、笑顔が輝くのも当然というもの。いい汗かいて、さらなる追撃を! 後半もいい顔を見せてくださいね!

Cimg0855  この暑さのなか、辻栄蔵がタタタタタタッと、ピット内を走っていた。ペラ室のほうに向かったのだが、数分後、再びサササササッと走って、装着場のボートに戻る。5R登場ということで、あまり時間がない。ほんのちょっとの時間も惜しんで、走り回っているわけだ。カウリングにひじをもたれかけると、頭を垂れて、しばし考え込む。ふっと顔をあげて、今度は早足で移動! 暑くたって少しもダレることなく、きびきびてきぱきと動く辻栄蔵、そりゃ強いわけである。ま、辻に限らず、このクラスの選手はみんな同様ですけどね。その辻、5Rにはシリンダケースを交換して臨んだ。なるほど、大整備をしたこともあって、よりサクサクと動いていたわけですね。すごい。

Cimg0862  2Rを5着に敗れてしまった須藤博倫。このあと9Rも控えており、ガッカリするいとまもなく、レース後はすぐに調整に戻る。装着場に置かれたボートにモーターを乗せたまま、作業を始めた。そこにやって来た濱野谷憲吾。須藤の顔に、さーっと笑みが浮かんだ。身振り手振りをつけながら、話し合う須藤と濱野谷。どうやら、須藤がモーターやレースの状況を、濱野谷に相談しているらしい。で、なぜか濱野谷の手を取った須藤、左右にビヨーンとゆっくり降り始めた。だはは、なんか社交ダンスを踊ってるみたいです。そんな状態が10秒くらい続いたあと、手を離した須藤は何事もなかったように、また濱野谷と話し出した。もちろん濱野谷も。何をしていたんでしょうか。謎です。

2006_0725_01_290  ピットをあちぃあちぃと呟きながら、フラフラしていたら、中野次郎とバッタリ。BOATBoyで連載してもらっていることもあって、顔を合わせれば挨拶をしてくれる。昨日も、試運転ピットから上がってきたところで出くわして、「お疲れ様です」。何か話そうとしているようなのだが、一方で何か気になることがあるらしく、どうにも落ち着かない次郎。2、3言葉を交わして、どもっと頭を下げると、なんと次郎、猛ダッシュ! 先輩が試運転から上がってきて、ボートを引き上げていたのだ。うわ、次郎さん、仕事があるなら、僕のことなんてほっといていいのに……。ともかく、律儀な次郎なのである。
 そんな次郎が、今日は笑顔も見せずに、ちょっと怖いくらいの表情で頭を軽く下げるのみ。ん? 俺、なんか悪いことしたかなあ……と心配になったのだが、さにあらず。次郎、3R出走の直前だったのだ。そう、緊張感に包まれた次郎とバッタリ合った、ということである。心優しき好青年も、戦いの前には一人の戦士となる。見えているのは、スリットと1マークのみ! 次郎、カッコ良かった。

2006_0725_01_309  さて、暑くてボーッとした頭を抱えながらも気になる山崎智也。次郎の出走した3Rが始まる直前まで、試運転ピットで回転を確認していた。ブルンブルンと静かなピットに轟く、智也のエンジン音。それが止まったかと思うと、近くに係留されている救助艇の操縦士さんと、談笑する声が聞こえた。選手にもマスコミにも職員さんにも、笑顔を向ける智也。そりゃ、みんなに好かれるよなあ。(PHOTO/中尾茂幸=中野、山崎 黒須田=その他 TEXT/黒須田守) 


| 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)

本日の注目選手!

おはようございます。今日は夏らしい天候の若松競艇場。得点日ということもあり、暑い、そして熱い、1日になりそうですね。

Cimg0810 さて、本日の特注選手は、森高一真! 昨日の12Rは、残念ながら4着に敗れてしまいましたが、レース後、対岸の大型ビジョンで放映されていたレースリプレイを、ヘルメットも取らずに見入っていた後姿が印象的でした。こうして即座に反省の場をもつ、強者のあり方だと思います。今日は10R1回乗り。5号艇だから、それほど人気にもならないでしょう。穴狙いで一発、注目してみたいと思います。レース後には、キリッとした笑顔が見たいですね!(黒須田)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

今日のベストパフォーマンス・2日目

 梅雨が明けた2日目は、事故のないフェアなレースが続きましたね。配当的には万コロ5本と荒れてましたけど。瀬尾や江口、西島など大ベテランの活躍も目立った1日でした。今日の第3位は、そんなイブシ銀のベテラン2人に贈ります。

6R/不惑コンビで1・2フィニッシュ!

2006_0726_02_054  江口と西島が同居。それだけでレース前からワクワクしてしまいます。40歳をとっくに超えてるってのに、ふたりともヤンチャですからね。この6レースも進入からして推理小説ですよ。
 3号艇 江口晃生
 6号艇 西島義則
 ふたりして、どこまでコースをガメるか。江口が西島をブロックするのか。この枠が逆だったら、絶対に西島は江口をブロックすることでしょう。が、これが逆だから難しい。136、163、613、631……もう、イン水域の並びだけで、頭を抱えてましたですよ。ちなみにスタート展示では、1号艇の吉川にインを譲ってすんなり(!)136という並びでした。が、そんなもん、お遊戯みたいなものでまったく信用なんかできませんぜ。
 案の定、本番はやはり荒れましたね。脱兎のごとくイン水域に向かう西島を「おっと、ここから先は通しませんぜ」と江口が完全封鎖。そのままクルリと回ってインに居座ります。「おお江口ィ、ヌシも頑固じゃけぇのぉ」と西島は江口の気合いに敬意を表して、3コースに収まりました。並びは316……私の予想にありませんでしたよ、コイツは。でもって結果は41歳の江口が逃げきり、道中でさばいた44歳の西島が2着。「競艇選手は20代後半~30代前半が旬」としたものですが、ヤンチャなふたりにはそんな常識は関係なかったようです。ちなみに江口はこの勝利でシリーズリーダーになっちゃいましたね。
 競艇は進入から推理を楽しむギャンブル。これがモットーの私としては実に楽しめたレースでした。で、欲を言うなら、このふたりに上瀧を加えた3人が準優か優勝戦で同居してほしい。そう思うのは私だけでしょうか。

 第2位は、やっとエンジンがかかったこの方に。

12R/手負いでも、不死鳥は死なず

2006_0726_01_476  不死鳥なんだから死なないのは当たり前ですよね。地元の超巨星・植木がやっと意地の走りを見せてくれました。ええ、レース自体に特筆すべきものはありません。コンマ12のトップSから、他艇がもたついている間にとっとと逃げて一人旅。「渾身の逃げ」と呼ぶほどの迫力はなかった。
 でも、見ている方は違うんです。私が机を借りている記者室には、東海地区の新聞記者がズラリ勢ぞろいしています。東海ですから原田幸哉や菊地孝平は声を枯らして応援します。でも他地区の選手は「その他大勢」なわけです。ところが、このレースでは、ほぼ全員が植木の姿を追っていました。
「お、これなら行けるか!?」
「いかん、まくられるで!!」
 もちろん、私の目も植木に釘付けです。どんなに不甲斐ないレースをしていても、このお方だけは別物なんですな。
「神さま仏さま植木さまが独走!!」
 3周1マーク、実況の内田アナが絶叫しています。地元のファンだけでなく、全国の舟券オヤジたちも、その独走する姿にホッと胸をなで下ろしているんだな。私、そう思いました。これが、艇王の艇王たる所以なのだな、と。
「いや、エンジンは悪くないんですけど、乗り手がおかしくって」
 インタビューで植木が苦笑すると、「そんなことなか、大丈夫じゃ!」オヤジのダミ声が響きました。昨日は憲吾と智也のデッドヒートを「世代の交代の予感」と書きましたが、まだ交代しているわけではありません。王道、ここにあり。不死鳥は何年たっても不死鳥でであり続けるはずなのです。

 さてさて、今日のベストパフォーマンスは、今日最速のトップスタートを確信犯的に決めたこの方に捧げます。

5R/復活、ミクロの決死圏!

2006_0725_01_168  凄いスタートでした、5レースの市川哲也。コンマ03です! まあ、この時計自体はSGではしょっちゅう出るんですけどね。みんな横並びで引くに引けずに突っ込んだりして。
 でも、このミクロを支配する男は違うんです。自分だけの勘で、「きっとコンマ03あたりだろ~な~」と思いながら、全速で行っちゃうんです。
「スタート展示がコンマ07だったから、それくらいか、もうちょっと早いくらいで」
 普通、スタ展で07だったら「ちょっと早いから遅めに修正しよう」と思うでしょ。市川は、さらに踏み込んだんですね。その理由もはっきり自覚してました。
「今日になってモーターが最悪の状態になっちゃって。スタートで差を付けるしか勝ち目がなかったけぇ、今日は行けるだけ行きました」
 ね、つまりコンマ03はうっかり早すぎたんじゃなく、勝つために狙って出した03なんですよ! 人間の動体視力の限界はコンマ05くらいだと勝手に思ってるんですが、この童顔のレーサーは違うんですね。まさにミクロの決死圏。スタート勘だけは先天的に大きく差があるそうですが、市川哲也の生まれながらの超人ぶりを改めて痛感した次第です。
 今節の市川は、準優でも優勝戦でも、平気でコンマゼロ台を連発することでしょう。他の選手がそのミクロスタートに付き合いきれるか……はい、今節は久しぶりに市川の天賦の才能が、シリーズの主導権を握ってしまったような気がします。(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/畠山)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (2)

流れを変えるべく――2日目、後半のピット

Cimg0813  まずはこの人から書かねばなるまい。
 植木通彦である。
 12R、イン逃げで勝利。文字にすればそれだけのことだし、艇王がインから逃げて特別なことなど本来ありはしないが、この勝利はやはり大きいと思う。ピットに引き上げてきた植木は、表情をいかほども変えることなく、また出迎えた仲間と浮かれあうこともなく、手早く片付けをしていた。予選道中はまだ折り返し地点、安心できる順位でもなく(20位)、はしゃいでいる場合などではないに決まっているのだが、それでも植木の目の奥には、ひとかたならぬ決心が棲んでいるように思えた。その意味でも、1号艇をきっちり勝利で乗り切ったのは、大きいはずなのだ。
Cimg0803  公開勝利者インタビューに登場した植木は、地元ファンの大歓声に包まれた。声援というよりは、むしろ叱咤に近いファンの声を、植木はどのように聞いただろうか。「植木、わろてみい。わろたら、風向きが変わる!」、そんな声を受けて、植木の目元がようやくほころんだのだが、それを長嶺豊師匠がファンに紛れて真剣な面持ちで見つめていたのが、印象的だった。きっと、このたくさんの“思い”は、植木にとって最高の栄養剤となるはずだ。結果うんぬんではなく、植木は明日もこの“思い”に応えるレースをするはずだと思った。やっぱり、この男は艇界にとって、スペシャルな存在だ。

2006_0726_01_419  近況不調といえば、今垣光太郎もそこに名前を連ねてしまう。今月いっぱいで締め切られるダービー出場権争い。なんと、あの今垣がいま、ボーダー上で喘いでいる。「そんな選手じゃないはずだよねえ」。11Rをシンガリに敗れた今垣を見つめながら、お世話になっている選手会の職員・川口さんが、しみじみと語りかけてきた。たしかになぁ……、今垣光太郎がいないダービー、それも勝率が足りずに不在となるダービー、まったくピンと来ない。
 それなのに、今垣はまったく焦っているようには見えない。BOATBoy7月号のインタビューで語っていた、走りの変化。今垣はとにかく今、結果よりも長期的な視野での自分を追求しているように見える。それがどんな状況を作り出そうとも、彼は受け入れる覚悟を抱いているのだろう。やや苦しくなってしまったオーシャンカップ、明日はどんな顔でピットに姿を表わすだろうか。

Cimg0786 「最近だらしないですからねえ」、そう言ったのは菊地孝平である。明日の1走目の艇番板をセッティングしているときに声をかけると、自分を責めるような苦笑いを浮かべた。「明日は気合入れて、流れを変えましょう!」と返すと、菊地は声を発せず、目だけでうなずいた。あくまで僕の勝手な見方だが、グラチャンでの悔恨を引きずって、迷路にはまり込んでしまっているのではないか……。きっと菊地自身はそれを否定するだろうけど、ともかく彼がもがいているのは間違いない。
 12R直前、ピットをうろうろとしていたら、ペラ加工室に菊地を発見した。ここはペラを叩くのではなく、グラインダーで削ったりできる部屋だ。菊地は、ペラの大整備に打って出たのである。この思い切った方策が、ポジティブな方向転換になるだろうか。明日は1日早い勝負駆け、応援せずにはいられない。

2006_0726_02_058  童顔が輝いたように見えた、中村有裕。11Rを勝って、引き上げてきたユーユーの顔が、ぱっと華やいだのだ。そりゃあ、勝利を収めたのだから、表情が緩んで当たり前。しかし、それ以上に会心の走りをキメた喜びが、満ち溢れているように感じられた。コンマ02のスタートから、渾身のマクリ。これぞユーユーというグッドショットだ。勝利選手インタビューから帰ってきて、人っけのなくなった装着場で後片付けをする姿は、どちらかといえば淡々とした風情であったが、それでもなんとなく嬉しそうに見えてしまうのだから不思議。この気分を明日にも持ち越して、夏の夜に旋風を巻き起こせ!

2006_0726_02_134  本当はSGでは新顔の部類なのに、完全に一流のたたずまいを見せているのは、作間章である。キュキュキュッと鋭く切れ上がった目は、迫力十分。一人、ピット内を闊歩していると、闘志が全体から噴き出ているようにすら思える。12R前、ピットの片隅でボーッとしていたら、作間とバッタリ。うががっとたじろいで、どもっと頭を下げたら、作間の顔がさーっと優しくなった。「どもっ」と丁寧に会釈を返しながら、口元を軽く緩めた顔つきは、うーん、実はとっても好青年! ……って、ちょっと待て。作間、12Rに出走ではないか! ごめんなさーーーーい。レース前に余計な声をかけてしまった。と、反省した僕であったが、作間はまるで意に介するところを見せずに、また闘志満々の顔つきに戻っていったのだった。レース前は、誰もが緊張感一杯の表情を見せるものだが、そんななかでも出くわしたオッサンに礼を尽くしてくれるのは、間違いなく心の中にちゃあんとたたえている余裕のなせる業であろう。この男、かなりの大物と見た。この先、SG戦線に欠かせない男になるはず。今日のレースぶりも、1マークで不利な態勢ながら3着、「あの展開で3着だから、すげえよなあ」と出迎えた関東勢が感心していたぞ。

Cimg0764  後半の試運転情報。急に気候が変化した今日、遅くまで多くの選手が試運転に励んでいた。11R前だというのに、ざっと10名ほどが水面をブインブイン。日高逸子、吉田一郎、鳥飼眞、菊地孝平、横澤剛治などなど。おっと、1R1回乗りだった重成一人と矢後剛の姿もあるぞ。初っ端にレースを終えて、あとは丸一日、調整と試運転に費やしたわけだ。そんななかに、市川哲也の姿も。オール連対で予選3位。快調に突っ走っているわけだが、それでもまだまだ満足しない。さらなる上積みを求めて、まったく手を緩めない市川なのだ。彼も不調の時期が長かった一人、このオーシャンで一気に流れを掴んで、あの強さを再び見せてもらいたいものである。

2006_0726_02_075  さて、立っているだけで汗がじんわりと滲んでくる蒸し暑さの中でも気になる山崎智也。10Rは6号艇、6コースから5着であった。うむ、一歩後退。レース後、手早く後片付けを済ませ、11R後には中野次郎のボート引き上げにやって来た。それが終わると、つかつかつかっと僕に近寄って、「明日の出走表ある?」。はいはい、ありますとも。さっと覗き込んで、「5、2か。ありがとっ!」と去っていった智也。5は自分の1走目の艇番、2は江口晃生の艇番で、艇番板と艇旗をセッティングするための「出走表ある?」なのでした。ほんの数秒の接触でしたが、レースを終えて間もないこともあり、いつもの明るさがちょっと翳っていたように思えた。明日は巻き返しだ!(PHOTO/中尾茂幸=今垣、中村、作間、山崎 黒須田=その他 TEXT/黒須田守) 


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

梅雨明け、しかし選手は……――2日目、前半のピット

Cimg0707  ようやく夏空が到来した若松競艇場。梅雨が明けたというのに、大雨は降るわ、すぐに晴れるわ、またまた雷雨で土砂降りになるわと、安定しない天候だったのだが、1Rの出走時刻にはすっかり雨が上がって、気温も急上昇。僕自身は暑いのが大の苦手なのだが、でもやっぱり、夏のSGはこうでなきゃ! ひとまず気分爽快である。

Cimg0710  しかしながら、選手は大変だ。雨模様の前検、初日から、ガラリと天候が変わったのだ。モーターの調子も一変してしまったりするわけで、調整に大忙しの2日目前半である。初日に一走ないし二走走って、ある程度の手応えを整備に反映させる2日目は、慌しくて当然というところもあるのだが、今日はまた特別。試運転ピットでは、ブルンブルンとモーターを噴かして、回転数を確かめている選手が多数見受けられた。池田浩二など、3R直前まで確認作業、出走選手たちの走りも試運転ピットから眺めていた。僕らは、晴れたの降ったの騒いでいればいいけれども、選手たちにとって天候は重要な要件。気温や湿度の上下が、選手たちの手足を忙しく動かすことになるわけである。

2006_0725_01_218  真剣な表情で話し合っていたのは、上瀧和則と松井繁。目にケンすら立っているほどで、なんだかとても近寄れない雰囲気だ。といっても、そばを倉谷和信が通りかかると、すぐに笑顔が浮かぶのだから、深刻な相談というわけではなさそう。整備関連の情報交換だったのだと思う。それにしても、この二人が真摯に話している姿は、ほんと、ド迫力。最強タッグという言葉が、脳裏をよぎる。というわけで、とてもカメラを向ける勇気などございませんでした、はい。写真は昨日のものです。申し訳ございません。だって、ほんと、怖いんだもん……。

Cimg0733 「チグハグ!」、そう叫んだのは菊地孝平。3Rを4着に敗れてしまい、苦しい予選道中。ピットに戻ってくると、出迎えた東海勢に向かって、笑いながら先の言葉を吐き出したのだった。ただ、その笑顔はどう見ても、「笑うしかないよなあ」とでもいうような、苦笑いの延長線上にあるもの。エース機の底力をどうにも引き出しきれない現状に、つい哀しい笑顔が浮かんでしまうのだろう。一気に勝負駆け局面になってしまった菊地、果たして巻き返しはあるか。レース後、すぐにペラ室に駆け込んだところを見ると、今日はビッシリと調整に費やす心積もりのようである。

Cimg0730  その3R、昨日は転覆の憂き目にあった三嶌誠司が、見事にまくって1着! 早くも、不運を帳消しにしてみせた。転覆を除けばオール連対だから、絶好調と言ってもいいだろう。そんな三嶌だが、ピットに戻ってきても笑顔は見られない。引き締まった顔つき、真っ直ぐな眼差しで、粛々とボートを引き上げている。控室に向かう際にも、顔つきを崩すことなく、静かに歩き出した。これこそが、三嶌誠司の真の姿なのか。ともかく、勝っても緩むことなく、予選後半戦に向けて走り出している三嶌である。

2006_0725_01_006  さて、梅雨が明けても気になる山崎智也。今日は10R1回乗りだが、早い時間帯から調整に励んでいる。淡々とした表情は、決して不機嫌には見えないけれども、調整への必死さを表わしているように見える。6号艇で臨む10R、果たしてどんな動きを見せるのか、楽しみに待ちたい。(PHOTO/中尾茂幸=松井、山崎 黒須田=その他 TEXT/黒須田守) 


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

今日のベストパフォーマンス

 さてさて、今年もナイターSGがはじまりました。瓜生の勇み足(コンマ01のF)、川﨑のブイ衝突による妨害失格(負傷による即日帰郷)というアクシデントもあり、いきなり波乱を予感させる初日になりましたね。植木もあっさり負けちゃうし。
 そんな重苦しいムードの中、ナイター水面にチカチカと光明を放った選手もおりました。第3位は復活の兆しがプンプン漂うこの方に。

7R/王者復権?のまくり差し

2006_0725_01_417  心の底から「お帰りなさ~い!」と叫んじゃいました。7レースの松井繁は王者の風格がてんこ盛りでしたね。まずはスリットほぼ同体の3コースから、松本勝也と原田幸哉の間に体を捻じ込むようなまくり差し。やや強引すぎたため幸哉に先頭を譲りましたが、この豪快な決め撃ちが松井の持ち味なんです。
 圧巻は1周2マーク。先行する幸哉がターンマークを外したと見るや、今度は電光石火の切れ味で外から内にコースを変えて差し抜けます。回った瞬間には、幸哉の1艇身ほど先を走っておりました。豪胆にして冷静。過激にして精緻。この清濁を併せ持ったようなレースができてこその王者・松井繁。ナタの破壊力とカミソリの切れ味を、ひとつのレースの中で両方繰り出せる選手はそうそうおりませぬ。ほぼ完全復活したと宣言してもいいでしょう。
 後半10レースの松井は1マークでもたつきましたが、それでも道中4、5番手の位置から秋山直之バリの全速ブン回しで逆転の3着。パワーも上々で、明日からの活躍がさらに楽しみになりました。まあ、松井の場合は真の意味で「お帰りなさい!」と叫べるのは、最終日の最終レースの後なんでしょうけどね。

 第2位は、気合い満点のレースでスタンドを沸かせたこのヤンチャな番長に捧げましょう。

4&10R/誰にもまくらせない張り逃げビンタ

2006_0725_01_330  いつも凄いんですけど、今節の上瀧は怖いくらいですね。まずは4レース、6号艇のジョー兄ィは迷うことなくイン水域に。1号艇の佐々木は「あ~あ、やっぱ来るよね、来ちゃったよね、喧嘩なんかできっこないよね~」という感じで、恨めしそうにジョー兄ィの背中を見ながら2コースに引き下がります。その気持ち、よっくわかります。だって、ホントに怖いんです。
 で、スリットではその佐々木が、ジョー兄ィより50センチほど先行しておりました。微妙ですが、すぐに絞ればまくれる体勢でしたね。でも、佐々木は「行ったらやばいよね、全身全霊で張りに来るよね~」という風情で差しに回りましたね。わかります、わかりますとも。あそこでまくったら、玄界灘まで張り飛ばされる雰囲気なんですから。
 やんちゃなジョー兄ィは、それでも「俺は上瀧だじょ~~!!」というオーラを噴き出しつつ全速でぶん回します。出ました、十八番の「まくり艇なき張り逃げビンタ」! 見ていて、怖いけど楽しい、どこかアホ臭いけど美しい、こんなターンをする選手は他にいません。結局は石田政吾のゴッツアン差しを食らいましたが、だからこそジョー兄ィなのですよ。
 でもって10Rは前付けのいらない1号艇。「誰か入ってくる奴がおるなら来てみいぃ!」そんな気合いでゆっくりと楽インを決め込んだジョー兄ィは、文句なしのインモンキーで圧勝しちゃいました。
「へへ、みんながインがええ言うんなら、勝っても負けてもインから行きますわ」
 公開インタビューで不敵な笑みを浮かべたジョー兄ィ。ホントに怖い。怖いけどカッチョイイ。明日も待機行動から目が釘付けになってしまうことでしょう。

 そして、今日のベスト・パフォーマンスはやっぱこの人に。奇跡的な逆転で、ドリームを勝っちゃったんですから。

12R/変テコだけど凄まじいデッドヒート

2006_0725_01_062  不思議なレースでしたね、初日のドリーム戦。大本命の植木がブッ飛んだのを尻目に、天才・山崎智也がインから完全に押し切っちゃいました。後続との差は2艇身。この差は智也にとっては決定的なアドバンテージなんですよ。いくらワーストに近いパワーでも、フラミンゴ智也なら圧勝しちゃうんです。
 が、1周2マークでこの天才に肉薄したのが濱野谷憲吾。鋭い差しでその差を1艇身に詰めました。そして2周1マーク。智也はぼんやりとターンマークを外し、まるで自分の引き波に乗ってバウンドするような風情で失速します。憲吾はこれを難なく差して、バックでは体が入れ替わっておりました。
「アハハ、智也がミスってくれましたからね。ハハ、(2周バックで智也と)目が合ったんです。その時ですか、『何、ミスってんのかな~』って思いましたよ」
 憲吾はにんまり笑いが止まりません。確かに、バックで憲吾と智也の艇が並んだ瞬間、ふたりのヘルメットが向き合うような感じでした。智也からすれば「あ~、やっぱやられるわな~」、憲吾としては「何をミスってんだよ~」。そんな会話が目だけで交錯していたんですね。ま、智也がミスった原因は私にはわかりません。本当に泣くほどエンジンがひどいのかも知れない。憲吾の姿が見えて焦ったのかもしれない。
 でも、普通ではありえない智也の鈍いターンによって生まれた2艇の併走は、妙に神々しい感じがしました。ああ、この併走が、そのまま今の艇界の頂点なのだな。そんなことを感じさせるデッドヒートだったのです。後方では植木が泣きそうなムードで喘いでいます。そんな中、目で会話をする智也と憲吾……はっきりと、世代の交代を予感させる光景でありました。(PHOTO/中尾茂幸、TEXT/畠山)


| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (5)

雨が上がった――初日、後半のピット

Cimg0631  10Rを迎える時間になって、雨が上がった。西の空には夕焼けも見えた。青空さえ顔を覗かせた。ピットには、すーっと清涼な風が吹き抜ける。おぉ、これは気持ちいい。ま、時間を追うにつれて、だんだんと湿度が上がっていき、ずいぶんとジメジメした感じになっていったのだが、とにもかくにも、雨は上がった! 明日はSG日和になりますように。

Cimg0679  その10Rで、事故が起こってしまった。2マークで川﨑智幸が振り込み、そこに後続の三嶌誠司が突っ込んで転覆してしまった。これで、川﨑智幸は負傷帰郷。春に吹いていた追い風は、ついに止んでしまったのか……。傷を癒して、新たな追い風に乗るべく、頑張ってもらいたい。幸いなことに、三嶌は着替え後に元気な姿を見せていた。前半2着と好発進だっただけに、痛い事故となってしまったが、明日もレースに出走できるのだから何より。明日はゲン直しの勝利を!

Cimg0651  その事故艇の曳航作業のため、11R前の試運転は中止となった。すると、試運転ピットにいた須藤博倫が、「2~3周だけなので、なんとかお願いします!」と直訴。11Rはそのまま中止となったが、12R前に試運転が許されることになった。このとき、試運転タイムを待ち構えていたのは、須藤、中野次郎、さらに太田和美。須藤と中野は足合わせをしようとしていたようで、どうしても今日中に感触をつかんでおきたかったのだ。11Rが終わり、ドリーム戦の展示が行なわれている間、さっそく中野が試運転ピットに降りていく。その後を須藤が追い、試運転可の緑ランプがつくと、水面にGO! すでに午後8時を過ぎており、おそらくはこの日もっとも遅い時間帯の試運転だったはずである。
 二人が2周走って、2マークのほうに戻ってくると、そこに太田和美が合流! 3艇の足合わせを1周走ると、試運転を終わらせてピットに戻ってきた。時刻は8時15分! 須藤、中野、そして太田、この努力が明日実ることを祈っております!
Cimg0666  で、ボートリフトのほうをふと見ると、これを待ち構えていたのが中澤和志。総理杯チャンプである。つまり、ボートの引き上げをヘルプしようとして待機していたわけだが、よく考えてみれば、須藤と中野は中澤にとって後輩である。しかし、そんなことは関係ないとばかりに、最後まで試運転をしていた二人を見守っていたのだから、うむ、まさに夏の夜に浮き立つ美しさ、だ。Cimg0674 ボートがピットに上がってからは、ドリーム戦の展示を終えた山崎智也と濱野谷憲吾と坪井康晴も、片付けのヘルプに合流。もう時間も遅い、みんなでテキパキと作業! こんなシーン、もう何度も書いているような気がするけど、やっぱり何度見ても感心するしかない、私であります。競艇の世界って、麗しいことが多すぎるんです!

Cimg0633  すっかり日が落ちて、宵闇迫る頃、整備室には日高逸子の姿があった。熱心に整備を続けているわけだが……ん? 日高さん、今日って2R1回乗りじゃないっすか! その2R、いったんは1等の局面もありながら、ずるずると後退してしまい4着。納得いかない部分が多々あったのだろう。その後の時間をたっぷり使っての整備で、明日は挽回を期す。今節紅一点の意地を、ぜひとも見せつけてもらいたい。なお、他に暗くなっても整備をしていたのは、鳥飼眞、横澤剛治、そしてエース機・菊地孝平。菊地は、5・4着とまさかの初日だっただけに、エース機の意地にかけても、立て直しをはかってくると見た。あ、そうそう。横澤選手、今日の1着でSG水神祭です!……って、ごめんなさい! 水神祭マニアを自認する私なのに、見逃してしまったんです……。だって、横澤は2年前の総理杯で優出してるんですよ! 優勝戦もフライングだったとはいえ、1マークを先頭でターンしてるんですよ!  だから、まさかSG未勝利なんて、少しも思っていなかったんです。いや、思い込みでした、本当にごめんなさい。明日、横澤選手に余裕があれば、お話聞いてみたいと思います。

2006_0725_01_215  松井繁が、少し変わった気がする。昨年のSGで見た松井は、とにかく強烈なオーラを発散する男だった。近寄りがたい雰囲気もあったし、こちらを圧倒する迫力もあった。僕のほうが体重は2倍も重いのに、漂わせている空気だけで僕を豪快に投げ飛ばしてしまうような、そんな怖いくらいのムードが松井にはあったのである。
 笹川賞からSGに復帰した松井には、やっぱり変わらず、そのムードがある。やっぱり怖い。近くに来ただけで、ビビってたじろいでしまう。それに変化はない。だが、そこに透明感が加わった、そんな気がするのだ。そう、穏やかさも併せ持った、正真正銘の王者たる雰囲気だ。今日は1・3着、上々のスタートに、気分も悪かろうはずはない。笑顔が浮かぶのも、当然の初日ではある。それでも、去年見た松井に比べれば、ぐっと肩の力が抜けた感じがするのだ。そのうえで、ピリッとした気合と剛球のようなオーラは健在、なのである。一皮剥けた、なんて表現は松井ほどの男には失礼にあたるが、それでも松井はさらに“強く”なったような気がしてならない。そう思わせられる、松井のたたずまいなのである。やっぱり松井はすげえよ。そんな思いを、さらに強く感じる、王者のムードが確かにある。

Cimg0636  さて、空が明るかろうが暗かろうが気になる山崎智也。まあ、何も言わずに、写真を見てください。中尾氏の写真じゃなくてすみません。智也、濱野谷憲吾、魅惑のツーショットである。展示ピットにボートを係留するために着水しようとしている二人です。たまたま隣り合わせた二人に、大慌てでシャッターを切りました。で、この二人で、ドリーム戦ワンツーじゃありませんか! まさに真夏の夜の夢ですな。ただ、レース後の智也の表情は冴えなかった。それも当然、堂々たるイン逃げで抜け出しながら、2周1マークで憲吾に逆転されてしまったのだ。点増しのあるドリームではあるけれども、そんなことは関係ない。逆転を許してしまったことが悔しいのだ、とばかりに、智也は苦笑いを浮かべていた。やはり、この男も勝負師。甘いマスクだけではなく、こんな表情もまた魅力的なのである。明日は6号艇1回乗りだが、爽快な笑顔を見せてくれるだろうか。(PHOTO/中尾茂幸=松井 黒須田=その他 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (2)

雨降り続く――初日、前半のピット

Cimg0586  雨、である。降ったりやんだり降ったり降ったり強く降ったり、降ったりやんだり。そんな感じである。
 ピットで顔を合わせた長嶺豊師匠が、にこにこにこーっと笑みを向けながら、「よく降るのぅ」。ほんとですねえ……そう言って、二人で雨が落ちる水面に目を向ける。うーん、早くやまないかなあ。水害に見舞われてしまった地域の皆さんのことを考えても、この長雨が早く枯れてほしい。
 こんな気候だから、ピットは実に蒸している。初日ということで、選手によっては実に忙しく動き回っているわけだが、彼らは汗で濡れている。試運転から帰ってきた選手などは、まるで水神祭後のようにすら見える。うーむ、選手たちも大変だ。

Cimg0582  ドリーム戦インタビューで「12Rまでに本体を組み上げます」と言っていた辻栄蔵が、やっぱり整備室で忙しそうに作業を進めていた。僕が見たときには、ギアケース調整に真剣な眼差しを見せており、急ピッチで仕事を進めている様子がうかがえた。それでも、ボート引き上げの際などは、西島義則と話しながら、「ダッハッハッハッハァ!」と大声をあげて笑ったりもしていて、これはいつもどおりの辻栄蔵。メドは立ってきたということだろうか。

Cimg0593  その整備室に姿は見えず、どうやらペラ調整だけに集中している様子の今垣光太郎。整備の鬼ぶりは、ひとまず影を潜めている。どうやらモーターには手応えを得ているようであり、表情はこの暑さのなかだというのに涼しげ。いい感じ、である。4~5Rの間にハンドルの調整をしていたが、これから試運転に向かうのだろうか。ともあれ、今日の今垣は非常に好もしい雰囲気を漂わせている。

Cimg0590 「博多ん大将」藤丸光一は、誰にも負けない気迫で、今節に臨んでいる。久しぶりのSG出場、しかも地元開催。10月には博多でダービー、そして来年は賞金王決定戦! 博多ん大将としては、燃えずにいられない状況なのである。しかし、その初戦、3Rで一敗地にまみれた藤丸。さすがに頬を歪ませて、ピットに戻ってきた。仲間の出迎えに、平静を保とうとしているようにも見えるが、しかし悔しさは隠せない。始まったばかりとはいえ、やっぱり悔しい!のだ。Cimg0584 今日は一回乗りだが、このあともまだまだ作業を続けるつもりのようで、着替えを終えた藤丸はさっそくボートに駆け寄って、点検を始めたのだった。巻き返しはこれから!

Cimg0606  4Rを観戦しようと水際のほうに向かったら、おぉ、そこには坪井康晴と横澤剛治。どうやら、佐々木康幸の応援のようだ。ここで気になるのは、ドリーム戦に出場の坪井。ドリーム出場組の多くが調整に時間を割くなか、坪井のボートにはモーターはもちろん、ペアも装着されたままなのだ。つまり、坪井は何も手をつけていない! そして、早くものんびりと過ごしているようなのだ。ということはつまり、モーターもペラも、いじるところがない! いや、もしかしたら、このあと試運転に向かうつもりだったのかもしれないが、少なくとも僕がピットにいた1時間以上の間は、坪井の姿を見たのはこの4R時だけなのだ。ドリーム戦、ますます注目度が高まってきたぞ。

Cimg0613  さて、雨が降ろうが槍が降ろうが気になる山崎智也。喫煙室の前で顔を合わせたので、挨拶をすると、実に男っぽい顔つきで挨拶を返してきた。そのあとは、仲良し・原田幸哉と話し込み始める。納得いかない様子だった足色も、上向いてきているのだろうか。そうはいっても、整備室に何度も足を運んでいる姿も見かけていて、まだまだ作業は続く。ドリーム戦、どんな足色で登場するだろうか。(TEXT/PHOTO 黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

52名がガンバリマス!――開会式!

 立錐の余地もない、イベントプラザ。次から次へとファンが集まって、通路からは人が溢れるほどの状態。そう、初日といえば、開会式! ナイター開催ということで午後1時15分、出場52選手がステージに登場です!

「今節は筋肉グレート!」(烏野賢太)
 中山きんに君のモノマネで登場の烏野。それにしても、なぜきんに君なのかは、謎です。
「またしても繰り上がってしまいました」(矢後剛)
 繰り上がりだろうが何だろうが、遠慮はいりませんぞ、矢後選手!
「今回はナイター開催だと思いますが、たぶん昼間しか走りません」(田中信一郎)
 そう言わんと、優勝戦=夜のレースを目指してください!
「夏で暑いですけど、舟にのると寒いです」(西村勝)
 この開会式では、サッカーのように選手が子供と手をつないで登場したのですが、西村は肩車! でも、発言内容はちょいと???です。あまり出てないってこと?
2006_0725__071 「ガンバリマス!」(石田政吾)
 政吾といえば、ガンバリマス! 今回は、西村と同様、子供肩車バージョンでした。
「パイナップルが食べたくなりました」(辻栄蔵)
 若松ナイターの名称はパイナップルナイター。僕も食べたくなりました!
「ゴルフはすごくヘタクソです」(池田浩二)
 でも、ボートはとっても上手ですから!
「夜が好きなのでがんばります」(丸岡正典)
 僕も夜が大好きでーす。

 最後に登場は、ディフェンディングチャンピオン、江口晃生!
「気合を入れて走るんで、応援してください!」
 思い出す1年前の激走。今年も感動をよろしく!
 蔭山会長の挨拶の後は、日高逸子による選手宣誓。「平日の昼間から、仕事を休んで来ていただいて、ありがとうございます」と笑わせると、記録的豪雨で水害にあった地区にお見舞いの弁。さすがグレートマザーの優しさです。通常のSGでは、地元の最若手が務める選手宣誓ですが、今回は日高さんが適任でしたね。
2006_0725__141  で、最後は、今日イベントに登場する桜塚やっくんが登場。「選手たちはエンジン全開で頑張るから、あんたたちはサイフのヒモ全開で応援するんだよ!」と、大人気のスケバン恐子節を爆発させてました。

 開会式のあとは、恒例のドリーム選手インタビュー。にこやかな山崎智也、植木通彦、辻栄蔵、濱野谷憲吾、吉川元浩、坪井康晴らが、本日12Rへの意気込みを語りました。気になったのは、植木通彦。一見、テンションが低いようにも見えながら、実は闘志をメラメラと燃やしている感じが、今節の大仕事を予感させたぞ。

 さあ、オーシャンカップ、いよいよ開幕!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

ドリーム戦、植木が出てる!

 ドリーム戦共同会見をダイジェストで!

Cimg0561 1号艇 山崎智也
「たいしたことない。総理杯以来、やばい感じ。植木さんの行き足が良かったです」
2号艇 植木通彦
「普通くらい。出てるってみんな言ってる? そうかなあ? スランプスランプ言われてるし、一生懸命頑張ります」
3号艇 辻栄蔵
「おかしい。スリット越えて、下がっていった。植木さんはいい感じでしたね」
4号艇 濱野谷憲吾
「ペラを叩くくらいで闘えそうな感じがしますね。植木さんが出てました」
5号艇 吉川元浩
「SGのドリームに乗る機会はあまりないけど、頑張りたいですね」
6号艇 坪井康晴
「試運転はまあまあでしたけど、特訓は一緒。回っての足とか、伸びはいいですね」

 とにかく、みんなが口をそろえて「植木さんが出てる」! 当の植木は「普通」と言ってますが、これが植木のスタイルでもある。自分に高いハードルを課しているがゆえに、そこそこでは納得しないのだ。間違いなく、植木は出ている! 艇王の復活に期待大だ。
 そんななか、坪井が「特訓は一緒」と言っているのに注目! 植木とも一緒、とも受け取れるぞ。6号艇といえども、侮れない存在だ。
 一方、智也は機力に手応えをまったく感じていない様子。明るいけれども、明日からは懸命な調整に励むはず。そして、辻はなんだかご機嫌斜めに見えた。受け答えは丁寧でも、まったく満足していない様子なのだ。明日1日で、どこまで立て直せるか。

 会見からの狙い目は、ズバリ2-4-6のボックスと見たぞ!(黒須田)


| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (2)

H記者の若松OC前検を斬る!

2006_0724__060  Hです。前回の浜名湖グラチャンでは、林ビッケンを「東の横綱」に指名して、赤っ恥をかいてしまいました。今回は大丈夫っス! 坪井康晴、文句なしの横綱パワーですから。朝青龍ほどじゃなくっても、白鵬クラスの実力派あります。足合わせで後藤浩を一瞬にして2艇身チギリ捨てた伸びは、凄絶の一語。本人は「スタート特訓では一緒だった」と弱音を吐いていますが、なんのなんの、グラチャン制覇から徳山記念までブッコ抜いた黄金のペアは、この若松でも無敵と思われますぞ!

2006_0724__013  一方、西の横綱は、智也と憲吾がこぞって「スゴイ足」と呆れていた植木通彦。足合わせでは市川(複勝率4位のモーター)を苦もなくヒネリ潰しておりました。ただでさえ地元水面の利があるのに、このスーパーパワー。ドリーム戦では東の横綱・坪井といきなりの直接対決ですね。しっかり両雄の力関係を計測したいと思います。

注目のエースモーター65号機を引き当てた菊地孝平ですが、足合わせはイマイチ。このままでは宝の持ち腐れになるかもしれません。展示の気配に注目して、取捨を決めていくつもりです。

他で目立ったのは、松井繁、吉川元浩、向所浩二、作間章、寺田祥、横澤剛治あたりでしょうか。とりあえず、私の独断のパワー診断を番付にしておきましょう。
2006_0724__225       東    西
横綱 坪井 植木
大関 松井 吉川
関脇 向所 寺田
小結 作間 横澤
前頭 江口 矢後

 続いて、たった今届いた、前検時計ランキングは
①坪井康晴 6.67
②松井繁  6.68
③瓜生正義 6.69
④倉谷和信 6.70
⑤三嶌誠司 6.71
⑥向所浩二 6.72

 おお、やはり東の横綱・坪井くんが前検トップ時計を!! これはもう鬼に金棒、明日のドリーム戦は6号艇の頭をちょこっと買ってみましょうかね、ムフフフ。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/畠山)


| 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)

なんだかウキウキ――前検のピット

Cimg0526  照明に灯が入る。来ました、来ました! ナイターSG! 前検といえども、なんだか心躍る午後6時。天気はよろしくないけれども、ライトの光を浴びて疾走する選手たちの姿は、実に幻想的かつ爽快であります。心なしか、ピットを闊歩する選手たちも、なんだかご機嫌に見える若松の夕暮れ。Cimg0532 うわわっ、ミスター不動心、山本浩次がにっこり笑ってるじゃないか! いやいや、そりゃあ笑わないわけがないんだけれども、なんだか貴重なものを見た気分だなあ。非常に清涼な空気が包んでいる前検のピット。さあ、オーシャンカップ、開幕だ!

2006_0724__585  言うまでもないことだが、誰もがスタートダッシュで勢いをつけて、充実した一節を送りたいと考えているから、初日の1走目は非常に大事になる。スタート練習の様子を眺めていたら、何人かの選手が「出走表、ありますか?」と声をかけてきた。
 最初にやって来たのは、佐々木康幸。「すいません、見せてください」と、僕が持っていた出走表を覗き込んだ。そこに重成一人もやって来て、まず自分の出走を見つけたのは重成のほう。「1回乗りかあ……」。1R3号艇、彼の脳裏にはどんな作戦が去来したか。
 つづいて、佐々木も自分のレースを発見。「うわっ、見といてよかったぁ」。4R1号艇です。1号艇は、SGにおいては、何日目であろうと、勝負駆けのニュアンスを持つ。手応えの確かではない初日の一発目で1号艇を迎えることは、正直、あまり嬉しくないといったところだろう。しかも4Rだから、整備する時間も少ない。「見といてよかったぁ」は、佐々木がまだスタート練習を終えてない段階だったからこそ出た安堵だろうが、同時に心の準備ができたという意味合いも、おそらくは持っていると思われる。
 などと考えていたら、佐々木が突如、「うわうわうわうわっ!」と悲鳴をあげた。何事? 佐々木が指差した先を見ると、そこには「6号艇・上瀧和則」! ひえぇぇぇぇ、前付け確実! いきなりの試練に、佐々木、苦笑いするしかなかった。頑張れ!

Cimg0552  つづいて、つかつかと近づいてきたのは、松本勝也。僕が差し出した出走表を、まずは1~6Rからチェックしていく。1R、2R、3R……松本の名前はない。「マジでぇっ?」。後半に組まれたことは、プレッシャーということなのか。で、松本は7R1号艇。あら、こちらも佐々木同様、初日に1号艇を迎えてしまった。「ウソや~ん。いきなり1号艇かあ……こら、頑張らなぁ」。実に穏やかな口調で、やはり苦笑いを浮かべつつ、呟く松本。頑張ってください! そう言ったら、は~い、と言って目をくにゃっと曲げた。幸先のいいスタートを切るチャンスを切り替えて、ほんと、頑張ってください!

Cimg0577  ちょうど後半のスタート練習が始まる頃、整備室を覗いたら、ひときわ大きな声で西島義則が笑っていた。どうやら、辻栄蔵が何事か声をかけ、ともに笑い合った、という場面だったらしい。スタート練習を終えた西島は、すぐに整備室にこもって作業を始めた。本体の点検なのか、それとも早くも大整備をほどこしたのか、そのへんはわからなかったが、真剣な表情でモーターを覗き込んでいたのだ。そこに、ドリーム戦インタビューを終えた辻がやってきて、声をかけたという次第。笑い合う二人に、近くにいた江口晃生も目を細めるのだった。

Cimg0542  BOATBoy8月号、濱野谷憲吾のインタビューをご覧いただいた方はいらっしゃるだろうか。濱野谷は、「ガツガツしないから、SGを獲れないのかな」と自分と向き合って見せて、さらに「気持ちを入れ替えて、ガツガツします」とまで言った。というわけで、前回のグラチャンから濱野谷のたたずまいには注目しているのだが、いやあ、ガツガツしているようには見えません(笑)。ただ、僕には波を感じさせないこのたたずまいこそ、濱野谷の強さの秘密ではないかとも睨んでいる。ガツガツした濱野谷も見てみたいけれども、彼がいつもの濱野谷であることが僕を安心させたりもするのだ。きっと優勝戦になれば、濱野谷は変身する。そう信じて、予選道中はいつもの濱野谷を味わいたいと思った。

2006_0724__006  さて、雨が降ろうがナイターだろうが、気になる山崎智也。別稿でも記すが、今回はあまり手応えが良くなさそうである。それでも、智也は智也。今日は明るく、仲間たちと談笑していた。グラチャンでは、ヘッドフォン姿が決まっていたが、今回はヘッドバンド(っていうんですかね?)を頭に巻いて登場。やっぱり色男は、どんな格好をしても、似合ってしまうんやなあ。(PHOTO/中尾茂幸=佐々木、山崎 黒須田=それ以外 TEXT/黒須田守) 


| 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)

エース機は菊地孝平!

2006_0724__001  午後4時すぎから、誰もが気になるモーター抽選会が行なわれた。いつもは和気あいあいのムードが会場を覆うのだが、なぜか今日は全員ピリピリッ。誰ひとり笑っていない。しかm、植木通彦や矢後剛、松井繁など、多くの選手が「坊主頭か?」と思うほどに髪を短く刈り上げ、戦時下の緊張感を高めている。SG戦線も後半を迎え、それぞれが賞金王に剥けての臨戦態勢に突入したのだろう。

2006_0724__026  心機一転のショートカットでガラポン抽選機を回した植木。最近は目を覆うばかりの不振続きだが、引き当てたモーターは、「素性だけなら節イチでは?」との下馬評の67号機。巻き返しには絶好のパートナーを得た植木は、しかしニンマリすることもなく、静かに休憩室へと立ち去った。

2006_0724__047  逆に喜びを爆発させたのが、菊地孝平だ。唯一50%超の複勝率を誇る65号機を引き当てた瞬間、選手たちの「ウォーッ」という歓声に応えるように、右手を高々あげてガッツポーズ。去年のMB記念も制している好相性の若松水面プラス断トツのエースモーター! とりあえず、V候補の筆頭と言ってもいいだろう。
 複勝率第2位(49%)をゲットしたのは、西島義則。直前の徳山GⅠで優出(5着)するなど、リズムも上昇中で、久々のSG制覇も見えてきたぞ。

2006_0724__025  気になるモーターを引き当てた選手を記しておく。
65号機(複勝率53%)……菊地孝平
23号機(   49%)……西島義則
31号機(   45%)……瀬尾達也
58号機(   43%)……市川哲也
67号機(下馬評トップ級)……植木通彦
9号機(2連続優勝中!)……松本勝也
51号機(5優出の安定感)……池田浩二

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/畠山直毅)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

モーター抽選こぼれ話?

先ほど、モーター抽選が終わりました。詳しくは、後ほどH記者がアップしますが、実は私も、取材には同行したのであります。ところが! 覗いてみた抽選場はあまり広くなく、体重100kg超の私は、ハッキリ言って、めっちゃジャマ! というわけで、私、仕方なく廊下にたたずみ、抽選場から聞こえる「77番!」とかいう声を聞くだけにとどまったのであります。

Cimg0524 ところが!ボーっと突っ立っていた私のほうに、重成一人選手がつかつかと歩み寄ってくるではありませんか。端正なマスクが近づいてきて、「???」と私、思わずたじろいでしまったのであります。ところが!……って、こればっかですが、重成選手の視線は私の後ろのほうに向けられているではありませんか。ふと振り向いてみると、そこには掲示板があり、過去の出走表が貼り出されているのでありました。そう、重成選手、自分の引いたモーターがこれまでどんな戦績か、確認しに来たのです。さささっとその場を譲って5mくらい離れると、次から次へと抽選を終えた選手がやって来て、うがぁぁぁぁぁぁ、周りは選手だらけじゃぁぁぁぁぁ。目の前では、エース機を引いた菊地孝平選手と横澤剛治選手が、これまでの戦歴表を覗き込みながら、話し込んでおります。そこに辻栄蔵選手も加わって、にこにこと談笑。うがっ、向所浩二選手がやっぱりにこにこと現われると、辻選手、「またいいエンジン?」などと声をかけます。うおっ、西村勝選手が登場、菊地選手が「おぉぅ、わっかまつこうしゃっ!」とからかいます。若松巧者、ですよね。そういうアナタも! ひえぇぇぇぇ、艇王・植木通彦登場! 植木選手、妙にご機嫌で、目がくぃぃぃぃんと細くなりました。すっかり選手たちに取り囲まれた私、うむむむむむ、目眩がしそうでありました。

と、最後に現われたのは、我らが気になる山崎智也! 僕のお腹をポンと叩いて、「まいどっ!」。ふがががががが……幅1mほどの廊下にたたずみながら、私、すっかりミーハー化して、頭から湯気をしゅっぽしゅっぽと噴き出していたのでした。私、何しに行ったんでしょうか……。とにかく皆様、ここに名前をあげた選手が、モーター抽選でいい雰囲気と見えた選手たちであります!(TEXT/PHOTO 黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

雨の中、選手がやって来た!

Cimg0501 また雨が強くなってきた! 風も舞い、横殴りの雨がピットに叩きつける中、選手たちが続々と若松競艇場にやって来た! いやあ、この悪天候の中、選手を出迎えに集まったファンの皆さんには、本当に頭が下がります。そして、傘もささずにファンの元に向かう選手の皆さんにも! やっぱり競艇って素晴らしいですね。(写真は、ファンのサイン攻めに応えて荷物検査に向かう、烏野賢太選手です)

Cimg0489 さて、若松、ナイター、SGといえば、やはり思い出すのは去年のMB記念。そう、菊地孝平のSG初優勝であります。思い出の地にやって来た菊地に、「若松のナイターSGといえば!」と声をかけたら、グッと拳を握り、引き締まった表情を見せたぞ。早くも気合横溢だ。その菊地は、グラチャン覇者の坪井康晴、横澤剛治、佐々木康幸ら、静岡若手精鋭陣とともに現われた。菊地、坪井、横澤といえば、静岡82期三羽烏。SGでは初めての揃い踏みとなるこの3人、坪井も横澤も闘志がみなぎっているぞ。

Cimg0504 髪の毛をショートカットにした今垣光太郎は、今節もファンの輪にどわわわわっと囲まれていた。BOATBoyでインタビューして以来、顔を合わせれば声をかけてくれるのだが、今日も爽やかな笑顔で「おはようございます!」。イメージチェンジで心機一転、得意のナイターSGで強さを発揮してください!

Cimg0512 奥様、お子さんと一緒に自家用車で現われたのは、地元の藤丸光一。久しぶりのSG参戦ですが、地元が強いオーシャンカップだけに、一発大駆けを期待したいところ。で、奥様といえば、そう、藤田美代選手。おお、お美しい。奥様に笑顔で見送られた藤丸選手、こりゃあ、負けられませんね。明日からの戦いぶりが楽しみであります。(写真は思わず藤田選手を撮ってしまいました。後姿の藤丸選手、ごめんなさい。応援してます!)

Cimg0517 雨の中、タクシーから降りてきた大阪勢に、入場門で待ち構えていたファンから声がかかります。「田中さーん」の声に、雨に濡れながらも手を振って応えた田中信一郎。「太田さーん」に振り向いてニッコリは、太田和美であります。一足早くやって来た同支部の倉谷和信と、笑顔で挨拶をかわすと、キュッと顔つきを引き締めて、競技棟へと向かったのでありました。大阪支部はナイターがもうひとつというイメージがありますが、ここらでそんな先入観を覆してほしいものです。

Cimg0520 田中や太田と同期の三嶌誠司は、真剣な表情でタクシーを降りた。かつての三嶌といえば、開会式などで見せるひょうきんな姿が有名でしたが、最近の三嶌は非常に男らしい! それでも、報道陣が近づいていくと、軽く表情を和らげて、実に礼儀正しく「おはようございます」。その人柄、最高ですよね。激しい走りを見せてください!

というわけで、いよいよ始まるオーシャンカップ。早くもムードが高まってきたぞ!(TEXT/PHOTO 黒須田守)


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

若松到着!

Cimg0487 取材班、若松競艇場に到着しました! ニュースなどでも報じられている通り、九州は雨模様。現在のところ、小降りにはなっていますが、空には重い雲が立ち込めているのであります。

このあと、選手到着、モーター抽選、そして前検の模様を取材、更新いたします。今年一発目のナイターSG、どんなドラマが待っているか……今節もみなさま、熱く盛り上がってまいりましょう!

というわけで、今節もよろしくお願いします!


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

あさってからオーシャンカップ!

さあ、オーシャンカップが近づいてきました! 25~30日まで、若松競艇場で行なわれる2006年SG第4戦。若松ということは、もちろんナイターSGであります!

Sany0002 というわけで、取材班、明日の前検から30日の優勝戦まで、若松競艇場から即日レポートを今回も行ないます! ナイター開催ということで、更新のタイミングは昼間開催と変わりますが(午後の早い時間帯に一発目の更新、最終更新は夜11時くらいになるでしょうか)、今節もどうぞよろしくお願いいたします。

というわけで、取材班、若松に出発いたします。それでは、明日から若松でお会いしましょう!


| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)